JP3942265B2 - 植物育成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物に光を照射する人工光源を備え、該人工光源により光環境を人為的に制御可能な植物育成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物の育成に光が必要なのは光合成を行うためであるが、植物の主な集光色素であるクロロフィルaやクロロフィルbで最も吸収されやすい波長は、図9の吸収スペクトルに示される。すなわち、400〜500nm付近の青色光や、600〜700nm付近の赤色光が、光合成にとって有効な波長域である。
【0003】
ところで、人工光源を用いる植物工場では、効果的な光源の開発が望まれているが、最近では高圧ナトリウムランプがよく用いられている。
一般に高圧ナトリウムランプは、その分光分布のうち570nmおよび620nm付近にピークを持ち、植物のクロロフィルの吸収スペクトル(図9)の赤色側に近いが、例えばレタス、サラダ菜などの葉菜類のように短期間で育つ植物は、高圧ナトリウムランプだけの光でも正常に育成させることができた。
【0004】
従って、高圧ナトリウムランプは、少なくとも葉菜類の育成に関しては問題なく、他のマイクロ波ランプなどと比較しても、値段が安価であり、また電力効率の面でも優れるため、大規模な植物工場では広く用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、植物育成装置では、前述した植物育成工場とは異なり、葉菜類だけを対象とするものではなく、様々な植物の育成に関して汎用的に用いられるものである。従って、植物育成装置でも、人工光源に高圧ナトリウムランプのみを用いるとすれば、葉菜類以外の他の植物では、成長が阻害されたり、品質の劣化が生じるという問題があった。
【0006】
その一方、研究を主目的とする植物育成装置では、光環境のみならず温湿度を含む環境要因の正確な制御のために、概して電力の消費量が大きく維持費が嵩むため、植物の種類に関係なく適正な光環境を実現でき、しかもなるべく安価で電力効率の良い人工光源の開発が切望されていた。
【0007】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題点に着目してなされたもので、様々な種類の植物に適する汎用性のある光環境を実現でき、しかも、構成が簡易で電力効率も良く、コスト低減が可能な植物育成装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]植物に光を照射する人工光源(31)を備え、該人工光源(31)により光環境を人為的に制御可能な植物育成装置(10)において、
植物を育成する育成室(20)と、該育成室(20)の天井板(23)上に位置して前記人工光源(31)を配設する光源室(30)とを備え、
前記人工光源(31)は、青色光の多い分光分布を持つメタルハライドランプ(34)と、赤色光の多い分光分布を持つ高圧ナトリウムランプ(44)とを備え、
前記メタルハライドランプ(34)と前記高圧ナトリウムランプ(44)とを、互いの照射光が混合された状態で植物に照射されるように配設し、
前記天井板(23)に、前記光源室(30)側の人工光源(31)を挿通させる複数の開口部(24)を開設し、各開口部(24)内に、それぞれ対応する人工光源(31)の笠(32)の光照射部位側を挿通させて育成室(20)内側へ突出させ、開口部(24)内周縁と笠(32)の外周との間にリング状の隙間を生じさせて、該隙間を育成室(20)内の空気を室外に排出する吸込孔としたことを特徴とする植物育成装置(10)。
【0009】
[2]前記メタルハライドランプ(34)と前記高圧ナトリウムランプ(44)とを、それぞれ複数個ずつ備え、両ランプ(34,44)を略平面に沿って交互に並ぶマトリックス状に配設したことを特徴とする[1]記載の植物育成装置(10)。
【0010】
[3]前記メタルハライドランプ(34)と前記高圧ナトリウムランプ(44)のそれぞれの個数およびワット数を、予め略同一に設定したことを特徴とする[2]記載の植物育成装置(10)。
【0011】
[4]前記メタルハライドランプ(34)と前記高圧ナトリウムランプ(44)のそれぞれの個数およびワット数を、予め異なる所定比に設定したことを特徴とする[2]記載の植物育成装置(10)。
【0012】
[5]前記メタルハライドランプ(34)と前記高圧ナトリウムランプ(44)のそれぞれの点灯個数を変えて、光環境を制御することを特徴とする[2],[3]または[4]記載の植物育成装置(10)。
【0013】
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
[1]記載の植物育成装置(10)によれば、各種植物にほぼ共通する光の吸収スペクトルのうち短波長側のピークを成す400〜500nm付近の青色光は、メタルハライドランプ(34)によって照射され、前記吸収スペクトルのうち長波長側のピークを成す600〜700nm付近の赤色光は、高圧ナトリウムランプ(44)によってそれぞれ植物に照射される。
【0014】
このように、マイクロ波ランプ等に比べて電力効率も良く安価な前記両ランプ(34,44)を組み合わせることで、光合成効率の高い吸収スペクトルの分光分布に合致する光を効率的に照射でき、様々な種類の植物の適正な生育を促すことができる。また、前記両ランプ(34,44)のみを組み合わせることで、植物育成にとって無駄な波長域の光が極力省かれることになり、更に消費電力を低減することができる。
また、人工光源(31)は、その笠(32)の光照射部位側が天井板(23)の開口部(24)を挿通して育成室(20)内側へ突出しているので、照射光が天井板(23)を透過することなく、植物に直接照射することが可能となる。また、笠(32)の光照射部位側が育成室(20)内に表れるため、天井板(23)を何ら開閉することなく、人工光源(31)を育成室(20)内から交換したり、点検することが容易である。
さらに、育成室(20)内の空気は、開口部(24)内周縁と笠(32)の外周との間のリング状の隙間である吸込孔から室外へ吸気され排出される。それにより、育成室(20)内における温度や湿度等の環境要因の分布を良好に維持することができ、育成室(20)内の環境要因の不均一に基づく植物の生育のバラツキを防ぐことができる。
【0015】
[2]記載の植物育成装置(10)によれば、両ランプ(34,44)を略平面に沿って交互に並ぶマトリックス状に配設することにより、両ランプ(34,44)の照射光をほぼ均一に混合させることができる。
【0016】
ここで[3]記載のように、両ランプ(34,44)の個数およびワット数を、予め略同一に設定すれば、前述した各種植物にほぼ共通な光吸収スペクトルを形成することができる。
【0017】
また、植物の種類に応じて、例えばどちらか一方のランプの光がさほど必要でないような場合には、[4]記載のように、生育対象となる植物の具体的な特性に応じて、両ランプ(34,44)の個数およびワット数を、予め異なる所定比に設定するとよい。かかる場合、よりいっそうと消費電力を低減することができる。
【0018】
更に、[5]記載の植物育成装置(10)によれば、予め設置された両ランプ(34,44)のそれぞれの点灯個数を任意に変えるだけで、植物に対する照射光中の分光分布を調整でき、併せて全体の光強度も適宜調整することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明を代表する一の実施の形態を説明する。
図1〜図8は本発明の一実施の形態を示している。
図1に示すように、植物育成装置10は、箱型の機本体10a内に育成室20、光源室30、それに機械室50を備え、前記育成室20内に温度や湿度を調整した空気を循環させて環境要因を人為的に制御し、植物の生育試験を行う装置である。本発明の根幹を成す人工光源31は、光源室30に配設されている。
【0020】
育成室20は植物を育成する部屋であり、その底面部は機本体10aの底面壁と平行な床板21からなり、上面部は機本体10aの上面壁と平行な天井板23からなり、周囲は機本体10aの外壁や仕切板25で囲われている。床板21下は、育成室20内へ調整済みの空気を吹き出す吹出空間20aとなっており、植物を植えた鉢等は床板21上に載置する。
【0021】
床板21には、その全域に多数の吹出孔22が開設されている。一方、天井板23には、光源室30側の人工光源31を挿通させる複数の開口部24が開設されている。ここで各開口部24内には、それぞれ対応する人工光源31の笠32の下端開口(光照射部位)側を挿通させて育成室20内側へ突出させ、開口部24内周縁と笠32の外周との間にリング状の隙間を生じさせている。この隙間が、育成室20内の空気を室外に排出するための吸込孔となる。
【0022】
光源室30は、前記天井板23上に位置し、育成室20内を循環した空気を室外へ排出するための空気吸込空間ともなっている。この光源室30内には、前述したように一部育成室20側へも突出する人工光源31が配設されている。人工光源31は植物に光を照射し、光環境を人為的に制御することができるものである。
【0023】
人工光源31は、青色光の多い分光分布を持つメタルハライドランプ34と、赤色光の多い分光分布を持つ高圧ナトリウムランプ44とを具備して成る。メタルハライドランプ34と高圧ナトリウムランプ44は、それぞれ互いの照射光が混合された状態で、床板21上の植物に照射されるように配設されている。
【0024】
図5に示すように、メタルハライドランプ34は、高圧水銀ランプの一種であり、外球35内に石英発光管36が支持され、電極37、バイメタルスイッチ38、口金39等から構成されている。石英発光管36内には水銀の他に金属ハロゲン化物(メタルハライド)が添加されており、これら金属蒸気中の放電による発光を主に利用したランプである。
【0025】
このようなメタルハライドランプ34は、石英発光管36内に添加する発光金属の種類によって分光分布などが異なるが、本実施の形態では、具体的には図6に示す分光エネルギー分布のものを用いている。この場合、演色性は平均演色評価数Raが90程度と高く、図示したように自然昼光に近い分光組成を持つ強い光が得られる。
【0026】
図7に示すように、高圧ナトリウムランプ44は、外球45内にアルミナセラミック製の発光管46が支持され、始動補助導体47、サーマルスターター48、口金49等から構成されている。発光管46内には、ニオブ、チタン等が封着金属として封入されており、始動用としてキセノンガス等と共に封入された高圧ナトリウムの蒸発中の放電による発光を利用したランプである。
【0027】
本実施の形態での高圧ナトリウムランプ44は、具体的には図8に示す分光エネルギー分布のものを用いている。この場合、分光エネルギー分布は、ナトリウムD線(589nm)近傍の発光が自己吸収され、D線の左右、特に長波長側に広がった連続スペクトルを持つ、オレンジがかった強い白色光が得られる。分光特性は600nm前後が多く、青色部がほとんど出ない。
【0028】
メタルハライドランプ34と高圧ナトリウムランプ44は、それぞれ互いの照射光が混合された状態で、床板21上の植物に照射されるように配設されている。具体的には図2に示すように、両ランプ34,44は、略平面な機本体10aの上面壁に、交互に並ぶ4×5のマトリックス状に配設されている。
【0029】
図2の例では、白丸がメタルハライドランプ34であり、斜線のある丸が高圧ナトリウムランプ44であり、この逆の態様でも構わないが、要は、上下左右に隣接するランプ同士が異なる種類になるよう配置されている。このような配置の他に、例えば、行または列ごとに同一種類のランプで揃えて、一行または一列おきに交互に両ランプ列を並べるように配置してもよい。なお、当然マトリックス状に限られるものではなく、放射状等に配置してもかまわない。
【0030】
詳しく言えば、図3および図4に示すように、両ランプ34,44の口金39,49をどちらも装着できる反射笠32付きのソケット32aが、前述した配置に配設されている。両ランプ34,44の光照射部位側である反射笠32の下端開口には、蝶番を介して透光蓋32bが開閉可能に装着されている。
【0031】
図2において、メタルハライドランプ34と高圧ナトリウムランプ44のそれぞれの個数およびワット数は、本実施の形態では予め同一に設定されている。すなわち、個々の両ランプ34,44のワット数は統一されており、両ランプ34,44の数はそれぞれ10個である。
【0032】
ただし、メタルハライドランプ34と高圧ナトリウムランプ44のそれぞれの個数およびワット数は、予め異なる所定比に設定してもよい。また、図2において、両ランプ34,44のそれぞれの点灯個数を変えて、光環境を制御するように構成しても良い。この場合、両ランプ34,44の点灯・消灯は手動操作でもよく、あるいは制御手段による自動調整で行ってもよい。
【0033】
また、前記光源室30の一端側は機械室50の上端側に連通し、機械室50の下端側は前記吹出空間20aに連通しており、これら一続きに連通した空間は、前記開口部24から排出された空気を光源室30内を通して吹出孔22まで循環させる空気循環経路を形成している。なお、光源室30と機械室50の間には、空気中の塵や埃を除去するエアーフィルター26が介装されている。
【0034】
機械室50内には、空気の温度や湿度を調整して一定方向に送る空気調整装置が配設されている。ここで空気調整装置は具体的には、送風機51、冷却コイル52、電気ヒータ53、および加湿ノズル54を組み合せてなる。これら送風機51等、空気調整装置の構成装置の稼動は制御装置(コンピュータ)により制御されている。なお、空気調整装置は前述した構成に限定されるものではなく、例えば加湿ノズル54を除いて構成してもかまわない。
【0035】
次に作用を説明する。
前記植物育成装置10によれば、人工光源31のメタルハライドランプ34により、図6に示す分光エネルギー分布、すなわち青色光の多い光が照射される。かかるメタルハライドランプ34の照射光は、図9に示すように各種植物にほぼ共通する光の吸収スペクトルのうち短波長側のピークを成す400〜500nm付近の青色光を特にカバーすることができる。
【0036】
一方、高圧ナトリウムランプ44によれば、図8に示す分光エネルギー分布、すなわち赤色光の多い光が照射される。かかる高圧ナトリウムランプ44の照射光は、図9に示す吸収スペクトルのうち長波長側のピークを成す600〜700nm付近の赤色光を特にカバーすることができる。
【0037】
図2に示すように、これら2つのランプ34,44は、交互に並ぶマトリックス状に配設されていることにより、両ランプ34,44の照射光は、ほぼ均一に混合された状態で、床板21上に載置される植物に照射される。本実施の形態では、両ランプ34,44の個数およびワット数が、予め同一に設定されているため、各種植物にほぼ共通な光吸収スペクトルを形成することができる。
【0038】
このように、マイクロ波ランプ等に比べて電力効率も良く安価な前記両ランプ34,44を組み合わせることで、光合成効率の高い吸収スペクトルの分光分布に合致する光を効率的に照射でき、様々な種類の植物の適正な生育を促すことができる。また、前記両ランプ34,44のみを組み合わせることで、植物育成にとって無駄な波長域の光が極力省かれることになり、更に消費電力を低減することができる。
【0039】
また、植物の種類に応じて、例えばどちらか一方のランプ34/44の光がさほど必要でないような場合には、生育対象となる植物の具体的な特性に応じて、両ランプの個数およびワット数を、予め異なる所定比に設定するとよい。両ランプ34,44の口金39,49は、反射笠32付きのソケット32aに対して、どちらも共通に装着できる。
【0040】
従って、両ランプ34,44の着脱は極めて容易に行うことができる。図2に示す両ランプ34,44の配置において、例えば、葉菜類を育成するような場合には、総てメタルハライドランプ34に取り替えてもよい。あるいは両ランプ34,44の個数比を、例えば1:3や1:4等と任意に簡単に設定することができる。
【0041】
更にまた、図2において、両ランプ34,44の総てを点灯させるのではなく、両ランプ34,44の点灯個数を任意に変えて、光環境を制御しても良い。両ランプ34,44の点灯は手動操作でもよく、あるいは制御手段による自動調整で行ってもよい。この場合、予め設置された両ランプ34,44のそれぞれの点灯個数を任意に変えるだけで、植物に対する照射光中の分光分布を調整でき、併せて全体の光強度も適宜調整することが可能となる。
【0042】
図3および図4に示すように、両ランプ34,44は、その反射笠32の下端開口側が天井板23の開口部24を挿通して育成室20内側へ突出しているので、照射光が天井板23を透過することなく、植物に直接照射することが可能となる。また、反射笠32の下端開口が育成室20内に表れるため、天井板23を何ら開閉することなく、両ランプ34,44を育成室20内から交換したり、点検することが容易である。
【0043】
また、植物育成装置10内における空気は、先ず機械室50内の冷却コイル52や電気ヒータ53により所望の温度に調整され、加湿ノズル54により所望の湿度に調整された状態で、送風機51の稼動により育成室20下方の吹出空間20aへ送られる。この調整済の空気は、育成室20の床板21の全域にある多数の吹出孔22を通って育成室20内へ吹き出される。
【0044】
一方、育成室20の天井板23上方にある光源室30は前記送風機51の稼動により陰圧になっており、育成室20内の空気は、天井板23にある開口部24から室外へ吸気され排出される。それにより、育成室20内における温度や湿度等の環境要因の分布を良好に維持することができ、育成室20内の環境要因の不均一に基づく植物の生育のバラツキを防ぐことができる。
【0045】
光源室30の一端側は機械室50の上端側に連通し、機械室50の下端側は吹出空間20aに連通しており、これら一続きに連通した空間は空気循環経路をなす。すなわち、天井板23の吸込孔24から育成室20外へ排出された空気は、そのまま光源室30内に導入されてここを通過し、再び機械室50内の冷却コイル52や電気ヒータ53により所望の温度に調整される等して、吹出空間20a側へと循環する。
【0046】
このように光源室30も空気循環経路の一部となるから、光源室30内の両ランプ34,44から生じる余分な熱は、たえず空気循環経路を流れる空気と共に光源室30外へ放出され、余分な熱は空気調整装置の主として冷却コイル52によって冷却される。従って、光源室30専用の冷凍機を特に設ける必要がなく、コストを抑えることができ、また、育成室20と光源室30との空気の温度もほぼ等しくなるため、結露の発生も確実に防止することができる。
【0047】
なお、本発明に係る植物育成装置は、前述した実施の形態に係る具体的構成に限定されるものではない。例えば、天井板23を透光性のあるガラス板から構成し、人工光源31を挿通させる開口部24を設けることなく、人工光源31は光源室30内にとどめ、前記ガラス板に多数の吸込孔を開設するようにしてもよい。
【0048】
また、図2中では、白丸がメタルハライドランプ34であり、斜線のある丸が高圧ナトリウムランプ44であるが、逆の態様でも構わない。また、両ランプ34,44は、略平面な機本体10aの上面壁に、交互に並ぶ4×5のマトリックス状に配設させたが、両ランプ34,44の数は20個よりも多くても少なくてもよく、また、配置も図2に示す態様に限られない。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係る植物育成装置によれば、人工光源は、青色光の多い分光分布を持つメタルハライドランプと、赤色光の多い分光分布を持つ高圧ナトリウムランプとを備え、前記両ランプを互いの照射光が混合された状態で植物に照射されるように配設したから、光合成効率の高い吸収スペクトルの分光分布に合致する光を効率的に照射でき、簡易かつ安価な構成で、様々な種類の植物に適する汎用性のある光環境を実現できる。また、前記両ランプのみを組み合わせることで、植物育成にとって無駄な波長域の光が極力省かれることになり、消費電力をより一層と低減することができる。
また、人工光源は、その笠の光照射部位側が天井板の開口部を挿通して育成室内側へ突出しているので、照射光が天井板を透過することなく、植物に直接照射することが可能となる。また、笠の光照射部位側が育成室内に表れるため、天井板を何ら開閉することなく、人工光源を育成室内から交換したり、点検することが容易である。
さらに、育成室内の空気は、開口部内周縁と笠の外周との間のリング状の隙間である吸込孔から室外へ吸気され排出される。それにより、育成室内における温度や湿度等の環境要因の分布を良好に維持することができ、育成室内の環境要因の不均一に基づく植物の生育のバラツキを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置の内部構造を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置の人工光源を構成するランプの配置を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置の人工光源を構成するランプの取付状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置の人工光源を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置の人工光源を構成するメタルハライドランプを示す正面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置の人工光源を構成するメタルハライドランプの分光分布を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置の人工光源を構成する高圧ナトリウムランプを示す正面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る植物育成装置の人工光源を構成する高圧ナトリウムランプの分光分布を示すグラフである。
【図9】一般植物における光の吸収スペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
10…植物育成装置
10a…機本体
20…育成室
20a…吹出空間
21…床板
23…天井板
24…開口部
30…光源室
31…人工光源
32…反射笠
32a…ソケット
32b…透光蓋
34…メタルハライドランプ
35…外球
36…石英発光管
37…電極
38…バイメタルスイッチ
39…口金
44…高圧ナトリウムランプ
46…発光管
47…始動補助導体
48…サーマルスターター
49…口金
50…機械室
Claims (5)
- 植物に光を照射する人工光源を備え、該人工光源により光環境を人為的に制御可能な植物育成装置において、
植物を育成する育成室と、該育成室の天井板上に位置して前記人工光源を配設する光源室とを備え、
前記人工光源は、青色光の多い分光分布を持つメタルハライドランプと、赤色光の多い分光分布を持つ高圧ナトリウムランプとを備え、
前記メタルハライドランプと前記高圧ナトリウムランプとを、互いの照射光が混合された状態で植物に照射されるように配設し、
前記天井板に、前記光源室側の人工光源を挿通させる複数の開口部を開設し、各開口部内に、それぞれ対応する人工光源の笠の光照射部位側を挿通させて育成室内側へ突出させ、開口部内周縁と笠の外周との間にリング状の隙間を生じさせて、該隙間を育成室内の空気を室外に排出する吸込孔としたことを特徴とする植物育成装置。 - 前記メタルハライドランプと前記高圧ナトリウムランプとを、それぞれ複数個ずつ備え、両ランプを略平面に沿って交互に並ぶマトリックス状に配置させたことを特徴とする請求項1記載の植物育成装置。
- 前記メタルハライドランプと前記高圧ナトリウムランプのそれぞれの個数およびワット数を、予め略同一に設定したことを特徴とする請求項2記載の植物育成装置。
- 前記メタルハライドランプと前記高圧ナトリウムランプのそれぞれの個数およびワット数を、予め異なる所定比に設定したことを特徴とする請求項2記載の植物育成装置。
- 前記メタルハライドランプと前記高圧ナトリウムランプのそれぞれの点灯個数を変えて、光環境を調整することを特徴とする請求項2,3または4記載の植物育成装置。
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