JP3808641B2 - 固定子鉄心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、並びに固定子鉄心 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファンモータなどの固定子鉄心に関し、さらに詳しくは、簡単にティース付近の絶縁層の肉厚を均一化できる固定子鉄心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、並びに固定子鉄心に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータの固定子鉄心は、内径に突起部を有する中空円盤形状の磁性金属板(コア材)を積層加圧し、カシメや溶接により嵌合することにより製造している。これらコア材は、プレス加工による打ち抜きにより形成する。このコア材を加圧した状態で、固定子鉄心内に前記突起部によりからなるティースが形成される。このティースを含む固定子鉄心の表面およびスロット内には、薄膜の絶縁層が形成される。巻線作業は、薄膜形成後に行う。
【0003】
従来、前記絶縁層には樹脂フィルムを用いていたが、その後、絶縁樹脂材料を射出成形することにより前記絶縁層を形成する方法が提案され(特開昭55−13258号公報参照)、手作業中心であった絶縁処理が容易に行うことができるようになっている。
【0004】
ところが、上記固定子鉄心が肉厚0.5mm程度の磁性金属板を積層したものであるため、合成樹脂の注入圧力によって変形を来たし、薄く均一な肉厚を得られず、射出成形毎の肉厚の再現性が悪いという問題が生じていた。
【0005】
このような問題を解決する手法は、以下の通り従来から多く提案されている。特開昭59−96850号公報には、金型ジグに同心円状の押し部を設けた金型ジグを用い、インジェクションモールドする技術が記載されている。図13は、従来の固定子鉄心のモールドに用いる金型ジグを示す断面図である。この金型ジグ50は、同心円状に形成した押し部51を有する固定金型52と、前記押し部51に対向して設けた同心円状の押し部53を有する可動金型54と、固定子鉄心の内径面をガイドする内径金型55とから構成されている。この発明では、前記押し部51、53による加圧でコア材を密着させ、合成樹脂の注入圧力による固定子鉄心の変形を防止しようとしている。
【0006】
上記同様、特開昭60−26437号公報に記載の技術でも、図14に示すように、移動金型60側に固定子鉄心61の内外周縁を支持する鉄心当たり部62が設けられている。この鉄心当たり部62によって、構成樹脂注入時における固定子鉄心61の変形を結果的に抑制することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の固定子鉄心のモールドにおいては、ティース中央部の支持がないため又は不十分であるために当該ティースがたわみ、絶縁層の肉厚がティースの中央付近とその周辺とで不均一になるという問題点があった。
【0008】
また、樹脂の流れを良くすれば肉厚の不均一を緩和できるが、コア材の積層枚数が多い場合、合成樹脂の流動距離が長くなって注入圧力が上昇し、固定子鉄心が変形しやすくなる。このため、肉厚の不均一を解消しにくいという問題点があった。一方、絶縁層の肉厚を均一にしようとすると、その分、肉厚を厚くしなければならないという問題点があった。また、合成樹脂の案内通路を設けるのも面倒で構成が複雑になる。
【0009】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡単にティース付近の絶縁層の肉厚を均一化できる固定子鉄心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、並びに固定子鉄心を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による固定子鉄心の製造方法は、内周に突起部を有する薄板のコア材を積層することで内側にティースを持つ仮固定子鉄心を形成し、この仮固定子鉄心を金型内にセットすると共に当該金型に設けた支持部により前記ティースの中央付近を支持しておき、この状態で前記金型内に樹脂を注入することで前記仮固定子鉄心の表面に薄肉の絶縁層を形成する固定子鉄心の製造方法において、前記支持部に凹部を設け、前記仮固定子鉄心の露出部中の一部に絶縁部を形成したものである。
【0012】
つぎの発明による固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型は、絶縁に用いる樹脂を型内に注入する樹脂注入孔を有する分割構造であり、薄板のコア材を積層した構造の仮固定子鉄心をセットする固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型において、前記分割した金型ブロックの一方または双方に、前記仮固定子鉄心のティース中央付近を支持する支持部を設け、さらに、前記支持部に凹部を設けたものである。
【0014】
つぎの発明による固定子鉄心は、内周に突起部を有する薄板のコア材を積層することで内側にティースを持つ仮固定子鉄心を形成し、この仮固定子鉄心の表面に薄肉の絶縁層を形成すると共にティースの中央付近に絶縁層からコア材が露出した露出部を設けた固定子鉄心において、前記露出部中の一部に絶縁部を形成したものである。
【0016】
つぎの発明による固定子鉄心は、上記固定子鉄心において、さらに、前記露出部に斜め架橋形状の絶縁部を形成したものである。
【0019】
つぎの発明による固定子鉄心の製造方法は、上記固定子鉄心の製造方法において、さらに、金型内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙を、金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくし、当該端面における絶縁層の肉厚をスロット内の肉厚よりも厚くしたものである。
【0020】
つぎの発明による固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型は、上記固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型において、さらに、金型内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙が、前記金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくなる寸法に金型ブロックを作成したものである。
【0021】
つぎの発明による固定子鉄心は、上記固定子鉄心において、さらに、仮固定子鉄心のティースを含む端面における絶縁層の肉厚を、スロット内の肉厚よりも厚くしたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる固定子鉄心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、並びに固定子鉄心につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0023】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかる固定子鉄心の製造方法を示すフローチャートである。ステップS101では、仮固定子鉄心(単に固定子鉄心という)を製造する。図2は、固定子鉄心を示す斜視図である。この固定子鉄心1は、例えば外径92mm、厚さ0.5mmのケイ素鋼板2を積層した構造である。ケイ素鋼板どうしは、かしめ接合により一体化する。一体化したときの軸方向厚さは、例えば15mmである。また、ケイ素鋼板2は、プレス加工により打ち抜き成形され、その内周には、複数の突起部3が等間隔に設けられている。ケイ素鋼板2を積層することにより突起部3が積層してティース4を構成し、隣接するティース間に例えば24個のスロット5が形成される。
【0024】
ステップS102では、固定子鉄心1を絶縁層被覆用の金型にセットする。図3は、絶縁層被覆用の金型を示す組立図である。この金型20は、スロット形状に沿った外形を持ちスロット内の絶縁層を形成する中子金型ブロック21と、固定子鉄心1を下側から挿入し、固定子鉄心1の下端面の絶縁層を形成する可動金型ブロック22と、中子金型ブロック21と可動金型ブロック22との軸を固定して相対位置決めを行う金型ブロック軸23と、固定子鉄心1の上側を挿入し、固定子鉄心1の上端面の絶縁層の形成を行う固定金型ブロック24とから構成されている。固定金型ブロック24には、射出ゲートが備えてある。
【0025】
また、金型20は、樹脂層を形成するためのクリアランスを精度良く確保するため、また、絶縁不要部に樹脂が漏れださないようにするため、部分的に固定子鉄心1と当接する構造になっている。図4は、図3に示す可動金型ブロックの一部拡大図である。可動金型ブロック22のうち固定子鉄心1のティース中央付近に対向する位置に、ティース4を支持する突起部25を設ける。固定子鉄心1を金型20内にセットした状態で、この支持部25がティース4と当接する。また、可動金型ブロック22および固定金型ブロック24の内外周には、固定子鉄心1の内外周縁を締め付ける当接部26、27が設けられている。また、外周側の当接部26の幅は、0.5mm、内周側の当接部27の幅は1mmとする。
【0026】
図5は、固定子鉄心をセットした状態の金型を示す断面図である。固定子鉄心1は、ティース中央付近にて支持部25により支持される。この支持部25のサイズは、幅1.2mm、長さ7mmとなる。この支持部25によって、注入圧力によるティース4のたわみが防止され、絶縁層の肉厚を精度よく確保することができる。支持部25は、射出ゲート28側には設けない。射出ゲート28側は、樹脂の注入圧力が実質的に支持部25と同様の機能を奏するからである。なお、必ず設けないというわけではないので、必要によって射出ゲート28側に支持部を設けても良い。
【0027】
固定子鉄心1はケイ素鋼板2の積層構造であるため、層間に隙間が存在し、樹脂の注入圧力により厚さが容易に減少する。このため、金型20を閉じたときの上下当接部26、26(27、27)間の距離Dを固定子鉄心1の厚さより小さくすることで、固定子鉄心1を締め付けるような構造にした。この締め付け量は、固定子鉄心1の厚さのバラツキを考慮して調整する。具体的には、ケイ素鋼板2の弾性変形の範囲内で、注入圧力により金型20と固定子鉄心1の間に隙間が生じ、そこから樹脂が漏れ出さないような寸法に調整する。
【0028】
ステップS103では、金型20内に樹脂を注入して絶縁層を形成する。樹脂には、66ナイロンを用いる。射出成形は、樹脂温度290〜300℃、金型温度60〜80℃の条件により行う。樹脂は、金型20と固定子鉄心1との隙間を流動して、当該固定子鉄心1の表面を被覆する。樹脂を注入する際、ティース4に注入圧力が加わるが、当該ティース4は支持部25により支持されているからたわむことはない。また、支持部25によりティース4を支持しているから、可動金型ブロック22と固定子鉄心1とのクリアランスが均一に確保される。このため、樹脂の肉厚が均一化すると共に未充填部分がなくなる。また、絶縁層10を薄くできる。
【0029】
ステップS104では、金型20内から固定子鉄心1を取り出す。樹脂注入から所定の時間が経過すると、樹脂が固化する。金型20からの取り出しは、樹脂が固化してから行う。移動金型ブロック22にはストリッパ(図示省略)が設けてあり、移動金型ブロック22を下方に移動させた後、前記ストリッパを用いて固定子鉄心1を金型内から押し出す。固定子鉄心1に被覆した絶縁層10の肉厚は、スロット5内で0.3mm、端面6で0.3mmである。
【0030】
図6は、金型から取り出した状態の固定子鉄心を示す斜視図である。支持部25により固定子鉄心1を支持していた部分には樹脂が侵入しないから、かかる部分にケイ素鋼板2の露出部7ができる。露出部7は、支持部25を転写した形状になる。また、当接部26、27が当接していた部分も、同様に樹脂の流動が遮断されていたから、かかる部分にケイ素鋼板2の露出部8、9ができる。
【0031】
この露出部8は、巻線に供する部分ではないから巻線との接触に関して特別な配慮をする必要がない。しかし、前記ティース4にできた露出部9は、後工程で巻線に供する部分であるから、当該露出部9に巻線が垂れ下がるなどして固定子鉄心1と接触しないよう、巻線の寸法を調整する必要がある。また、露出部7〜9の分だけ、絶縁層10に用いる樹脂を節約できる。
【0032】
ステップS105では、固定子鉄心1に対して巻線を施す。続いて、その巻線が好ましい形状と位置を備えるように整形し(ステップS106)、さらに必要な結線を行った後、外殻を熱硬化性の樹脂31でモールドし(ステップS107)、固定子30を得る。図7に、得られた固定子の断面図を示す。この工程において、絶縁層形成時に生じた固定子鉄心1の露出部7〜9と巻線32との間隙に熱硬化性樹脂が充填される。ステップS108では、得た固定子30を回転子など必要部品と共に組み立て、モータを得る。
【0033】
以上のようにして作製した固定子鉄心1と、ティースの支持なしに絶縁層を被覆した固定子鉄心とをそれぞれ外観目視により評価してみたところ、図8のような結果が出た。すなわち、軸方向厚さ、スロット内肉厚および端面肉厚の条件を同一にして、ティースの支持の有無により樹脂の充填圧力、樹脂の未充填部の有無、固定子鉄心の変形の有無を調べたところ、ティース4の支持を行った固定子鉄心1の方がそうでない固定子鉄心に比べて良い結果になることが判った。
【0034】
まず、比較例の固定子鉄心では、ティースがたわんで未充填部が生じてしまった。これは、ティースの支持をしていないため、樹脂の射出成形時に生じる注入圧力によってティースがたわみ、樹脂の充填に必要なクリアランスが狭くなったためと考えられる。また、このときの充填圧力は、実施の形態1にかかる固定子鉄心1に比べて高いものとなっている。
【0035】
一方、実施の形態1にかかる固定子鉄心1では、固定子鉄心1が変形することなく、未充填部分も生じなかった。また、樹脂の充填圧力も、ティースの支持を行わない固定子鉄心に比べて低いものになった。これは支持部25によるティース4の支持が有効に作用したからと考えられる。つまり、ティース4のたわみを防止することによって、固定子鉄心1が変形することなく、また、金型20と固定子鉄心1との間に所定のクリアランスが確保され、樹脂が流動しやすくかったためと考えられる。
【0036】
以上、この実施の形態1では、金型20に設けた支持部25によりティース中央付近を支持するようにしたので、樹脂の注入圧力によってティース4がたわみにくくなる。また、ケイ素鋼板2の枚数が多い場合でも、当該支持部25によりティース4を支持していれば、ティース4のたわみを抑制できる。ティース4のたわみを抑制すると、ティース4の中央付近とその周囲との間において金型内面と固定子鉄心1とのクリアランスが均一になるから、絶縁層41の肉厚が均一化すると共に未充填部分の発生を防止できる。さらに、従来は、肉厚を均一化するために絶縁層を厚めに形成していたが(ティース4の変形を考慮して)、この製造方法によれば、このような方策が不要となるから絶縁層を薄肉にできる。
【0037】
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2にかかる固定子鉄心を示す一部斜視図である。この実施の形態2の固定子鉄心40の製造方法は、実施の形態1の固定子鉄心1の製造方法と略同一であるが、金型20の支持部25に斜めの溝を形成した点に特徴がある。上記したように、固定子鉄心1に絶縁層10を被覆した後、巻線32を巻回して外殻モールドを施すが(ステップS105〜ステップS107)、このときの樹脂圧力で露出部7から露出した固定子鉄心1と巻線32とが接触する可能性がある。
【0038】
すなわち、巻線32をティース4に巻回した場合、当該巻線32はティース4の両端縁にて支持されることになる。このとき、露出部7の周方向の幅があまりに大きいと、巻線32が垂れ下がってケイ素鋼板2と接触することになる。従って、巻線32が直径0.3mmの電線の場合、露出部7の周方向の幅は3mm以下であることが好ましく、1.2mm以下ならさらに好ましい。
【0039】
また、露出部7の径方向の長さには特に制限を設けないが、固定子鉄心1の局部的変形により磁性特性を低下させないようにするため、一つのティース4あたりの露出部総面積は、6mm2 以上が好ましく、30mm2以上ならさらに好ましい。
【0040】
この固定子鉄心40では、露出部7に斜め架橋形状の絶縁部41が二つ形成されるように、絶縁層10を被覆している。この絶縁部41、41を形成するには、図10に示すように、支持部25に斜めの溝29を設ければよい。この溝29が転写されると、露出部7に斜め架橋形状の絶縁部41が形成される。絶縁部41の寸法は、例えば露出部7の周方向の幅が1.5mm、径方向の長さが10mmの場合、幅を0.5mm、厚さを0.3mmとする。
【0041】
この絶縁部41によって巻線32を確実に支持できるから(露出部7の寸法が小さくなるのと同効果)、当該巻線32がケイ素鋼板2と接触するのを防止できる。なお、絶縁部41の形状は、斜め架橋形状に限定されず、露出部7が上記したような巻線32と接触しない好ましい寸法になれば、どのような形状でも構わない。例えば図11の(a)に示すように、絶縁部42を十字形状にしてもよい。また、同図(b)に示すように、絶縁部43を桟橋形状にしてもよい。
【0042】
以上、この実施の形態2では、ケイ素鋼板2に巻線32が接触する可能性があるため、支持部25に溝29を設けることで、前記露出部7中に絶縁部41を一部形成するようにしている。この結果、前記絶縁部41が、巻線32を支持してケイ素鋼板2との接触を防止してくれる。
【0043】
実施の形態3.
この実施の形態3では、固定子鉄心の端面における絶縁層の肉厚を、スロット内の肉厚よりも厚くするようにしたものである(図示省略)。それ以外の構成は実施の形態1と略同一であるから説明を省略する。端面の肉厚を厚くする場合、金型と固定子鉄心との空隙もその分広くする必要がある。
【0044】
この実施の形態3にかかる固定子鉄心は、外径92mm、スロット数24個、軸方向厚さ約30mmのものを用い、実施の形態1と同様の方法でスロット内に肉厚0.3mmの絶縁層を形成し、端面に肉厚0.4mmの絶縁層を形成した。絶縁層の材質は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いた。
【0045】
そして、絶縁層を被覆した固定子鉄心を取り出し、外観目視により評価してみた。この結果を図12に示す。なお、実施の形態1の固定子鉄心と共に、比較例2として、端面における絶縁層の肉厚を0.3mm、スロット内の肉厚を0.4mmに形成した固定子鉄心を用いた。
【0046】
この結果、この実施の形態3にかかる固定子鉄心および実施の形態1にかかる固定子鉄心については、ティースのたわみが認められず、また、樹脂の未充填部分が存在しなかった。これに対して、比較例2の固定子鉄心では、高い充填圧力を加えたにもかかわらず、樹脂の未充填部分が発生してしまった。
【0047】
以上、この実施の形態3では、金型内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙を、金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくすることで、樹脂の注入圧力を低下させるようにしたので、ティースの変形を防止でき、絶縁層を均一にすることができる。
【0048】
以上の実施の形態では、ファンモータの固定子端面およびスロット内の絶縁に用いる薄肉樹脂層の製造方法について説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、その他の薄肉のインサート成形用途への代替え使用も可能であり、その要旨を脱し得ない範囲で種々変形して実施することができる。
【0049】
また、上記実施の形態1から実施の形態3に記載の固定子鉄心の製造方法、固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、および固定子鉄心をそれぞれ組み合わせることにより、さらに、ティースの変形をさらに防止できるから、絶縁層を均一に形成することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる固定子鉄心の製造方法によれば、金型に固定子鉄心のティースを支持する支持部を設けたので、ティースのたわみを抑制できる。このため、簡単に絶縁層の肉厚を均一化できると共に未充填部分の発生を防止できる。また、絶縁層を薄肉化できる。
【0051】
さらに、支持部に凹部を設け、仮固定子鉄心の露出部中の一部に絶縁部を形成したので、この絶縁部により巻線を支持できる。このため、巻線とコア材との接触を防止できる。
【0052】
つぎの発明にかかる固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型では、分割した金型ブロックの一方または双方に、前記仮固定子鉄心のティース中央付近を支持する支持部を設けたので、ティースのたわみを抑制することができる。このため、簡単に絶縁層の肉厚を均一化できると共に未充填部分の発生を防止できる。さらに、ティースの変形を防止できるので絶縁層を薄肉にできる。
【0053】
さらに、支持部に凹部を設けたので、絶縁層の露出部中に絶縁部を転写形成できる。このため、絶縁部により巻線を支持することで当該巻線とコア材との接触を防止できる。
【0054】
つぎの発明にかかる固定子鉄心では、ティースの中央付近に絶縁層からコア材が露出した露出部を設けたので、絶縁層に用いる樹脂材料の量を少なくすることができる。
【0055】
さらに、露出部中の一部に絶縁部を形成したので、巻線とコア材との接触を防止できる。
【0056】
つぎの発明にかかる固定子鉄心では、露出部に斜め架橋形状の絶縁部を形成したので、巻線を確実に支持できる。このため、巻線とコア材との接触を有効に防止することができる。
【0059】
つぎの発明にかかる固定子鉄心の製造方法では、金型内面と固定子鉄心の端面との空隙を、金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくしたので、樹脂の注入圧力を低下させることができる。また、金型に支持部を設け、樹脂注入時にティースを支持するようにしており、これらの相乗効果によって絶縁層をさらに均一にすることができる。
【0060】
つぎの発明にかかる固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型では、金型ブロックを、金型内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙が、前記金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくなる寸法にしたので、樹脂の注入圧力を低下させることができる。また、金型に支持部を設け、樹脂注入時にティースを支持するようにしており、これらの相乗効果によって絶縁層をさらに均一にすることができる。
【0061】
つぎの発明にかかる固定子鉄心では、端面における絶縁層の肉厚をスロット内の肉厚よりも厚くするので、製造時の注入圧力を低下させることができる。また、金型の支持部によりティースを支持しつつ製造することとの相乗効果により、ティースの変形をさらに防止できるから、絶縁層を均一に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかる固定子鉄心の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】 図1に示した固定子鉄心の斜視図である。
【図3】 絶縁層被覆用の金型を示す組立図である。
【図4】 図3に示す可動金型ブロックの一部拡大図である。
【図5】 固定子鉄心をセットした状態の金型を示す断面図である。
【図6】 金型から取り出した状態の固定子鉄心を示す斜視図である。
【図7】 得られた固定子の断面図である。
【図8】 固定子鉄心を目視評価した結果を示す図表である。
【図9】 この発明の実施の形態2にかかる固定子鉄心を示す一部斜視図である。
【図10】 この発明の実施の形態2にかかる支持部の形状を示す斜視図である。
【図11】 露出部の形状のバリエーションを示す説明図である。
【図12】 この発明の実施の形態3の固定子鉄心を目視評価した結果を示す図表である。
【図13】 従来における固定子鉄心のモールドに用いる金型ジグを示す断面図である。
【図14】 特開昭60−26437号公報に記載の移動金型を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定子鉄心、2 ケイ素鋼板、3 突起部、4 ティース、5 スロット、6 端面、7〜9 露出部、10 絶縁層。
Claims (7)
- 内周に突起部を有する薄板のコア材を積層することで内側にティースを持つ仮固定子鉄心を形成し、この仮固定子鉄心を金型内にセットすると共に当該金型に設けた支持部により前記ティースの中央付近を支持しておき、この状態で前記金型内に樹脂を注入することで前記仮固定子鉄心の表面に薄肉の絶縁層を形成する固定子鉄心の製造方法において、
前記支持部に凹部を設け、前記仮固定子鉄心の露出部中の一部に絶縁部を形成したことを特徴とする固定子鉄心の製造方法。 - 絶縁に用いる樹脂を型内に注入する樹脂注入孔を有する分割構造であり、薄板のコア材を積層した構造の仮固定子鉄心をセットする固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型において、
前記分割した金型ブロックの一方または双方に、前記仮固定子鉄心のティース中央付近を支持する支持部を設け、さらに、前記支持部に凹部を設けたことを特徴とする固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型。 - 内周に突起部を有する薄板のコア材を積層することで内側にティースを持つ仮固定子鉄心を形成し、この仮固定子鉄心の表面に薄肉の絶縁層を形成すると共にティースの中央付近に絶縁層からコア材が露出した露出部を設けた固定子鉄心において、前記露出部中の一部にコイル巻線と前記コア材との接触を防ぐ絶縁部を形成したことを特徴とする固定子鉄心。
- さらに、前記露出部に斜め架橋形状の絶縁部を形成したことを特徴とする請求項3に記載の固定子鉄心。
- さらに、金型内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙を、金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくし、当該端面における絶縁層の肉厚をスロット内の肉厚よりも厚くしたことを特徴とする請求項1に記載の固定子鉄心の製造方法。
- さらに、金型内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙が、前記金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくなる寸法に金型ブロックを作成したことを特徴とする請求項2に記載の固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型。
- さらに、仮固定子鉄心のティースを含む端面における絶縁層の肉厚を、スロット内の肉厚よりも厚くしたことを特徴とする請求項3または4に記載の固定子鉄心。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29424398A JP3808641B2 (ja) | 1998-10-15 | 1998-10-15 | 固定子鉄心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、並びに固定子鉄心 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29424398A JP3808641B2 (ja) | 1998-10-15 | 1998-10-15 | 固定子鉄心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、並びに固定子鉄心 |
Publications (2)
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