JP3894291B2 - 乾燥剤混入成形品、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾燥剤が混入する包装材料として利用し得る乾燥剤混入成形品、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、乾物や菓子或いは薬品等の乾燥商品は、シリカゲル等の乾燥剤を小袋に封入して、乾燥商品とともに混在させて包装されている。乾燥商品を包装する際に、乾燥商品を袋状包装材に投入して、さらに必要な量の乾燥剤入りの小袋を投入して袋状包装材を密封包装する必要がある。この包装の際に乾燥剤入りの小袋を包装袋に投入する包装作業工程は、通常自動化されているもの包装工程を煩雑にするし、乾燥商品によっては、手作業となることがあり面倒であった。さらに、菓子類では、乾燥剤は食品に同封されることになるので、誤って食品に混入されたり、誤飲するおそれもあった。
【0003】
このような課題を解消する従来例として、特開平11−59743号公報に開示された包装材料が提案されている。この従来例は、図5に示すように、基材フィルム1の一面に水分吸着層2を形成し、さらに接着剤3でシーラント層4を積層した包装材料である。水分吸着層2は、シリカゲルやモレキュラーシーブ等の乾燥剤5が分散したビヒクルを溶剤で希釈して、この乾燥剤分散液を、基材フィルム1面に塗布した後に、溶剤を飛散させて、基材フィルム1面に塗膜状の水分吸着層2を形成し、かつ接着剤3でシーラント層4を積層している。シーラント層4は、密封剤や防水剤を兼ねる熱接着性樹脂フィルムが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来例の包装材料は、ビヒクルに乾燥剤5を分散させ、溶剤で希釈した乾燥剤分散液を基材フィルム1に塗布して、塗膜状の水分吸着層2を形成し、シーラント層4を接着したものであり、その製造工程は、水分吸着層2を乾燥剤5をビヒクルを溶剤で希釈した形成され、かつシーラント層4が被覆されており、手間のかかる煩雑なものであり、しかもこの乾燥剤分散液の塗布工程は、乾燥剤自体の初期性能を著しく劣化させる要因となる。しかも、水分吸着層2の上には、密封剤や防水剤を兼ねるシーラント層4が積層されており、透湿度が低い熱接着性樹脂フィルムは使用できない欠点がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みなされたものであり、吸湿性を有する包装材料として利用可能な乾燥剤混入成形品を提供するとともに、その乾燥剤混入成形品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決したものであり、請求項1の発明は粉末状の乾燥剤であるモレキュラーシーブと樹脂とを混練した混練樹脂を用いて射出成形してなる乾燥剤混入成形品であって、
前記モレキュラーシーブの含有量が、前記樹脂と前記モレキュラーシーブとの総重量の60重量%〜80重量%であり、かつ前記樹脂のMFRが10以上である前記混練樹脂であることを特徴とする乾燥剤混入成形品である。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の乾燥剤混入成形品において、前記乾燥剤混入成形品が、水分を前記モレキュラーシーブが吸収して白濁から透明に変化した時点で吸湿性能の限界点を示すインジケータであることを特徴とする乾燥剤混入成形品である。また、請求項3の発明は、前記樹脂と前記モレキュラーシーブとを混練した状態でMFRが5以上となる前記混練樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥剤混入成形品である。
【0008】
請求項1の発明では、粉末状の乾燥剤であるモレキュラーシーブと樹脂とを混練した混練樹脂を用いて射出成形してなる乾燥剤混入成形品であって、前記モレキュラーシーブの含有量が、前記樹脂と前記モレキュラーシーブとの総重量の60重量%〜80重量%であり、かつ前記樹脂のMFRが10以上であることを特徴とする乾燥剤混入成形品であり、粉末状の乾燥剤を樹脂に混練して射出成形により、成形された乾燥剤を分散させたものであり、成形品自体に吸湿性を付与することができる。乾燥剤は、モレキュラーシーブが用いられ、例えば樹脂シートに乾燥剤であるモレキュラーシーブを分散させることで、成形品自体が吸湿性を有する包装材料として利用することができる。なお、この包装材料には、例えば包装シート、包装や梱包容器、或いは包装や梱包内装材等の内容物を湿気から保護する種々の用途に応用される。なお、前記モレキュラーシーブの重量比が、60重量%〜80重量%であり、乾燥剤混入成形品の樹脂材料に対して、モレキュラーシーブの含有量が、樹脂(ベース樹脂)と乾燥剤との総重量の60重量%から80重量%であり、モレキュラーシーブの混合比が80重量%を越えると、高MFRの樹脂を用いることで、成膜は可能であるが、包装成形品としての可撓性を失うために包装材料として利用することは困難となる。また、モレキュラーシーブの細孔径は、3Å又は4Åがより好ましい。
【0009】
また、請求項2の発明では、請求項1に記載の乾燥剤混入成形品において、前記乾燥剤混入成形品に含有する前記モレキュラーシーブが水分を吸収して白濁から透明に変化した時点で吸湿性能の限界点を示すインジケータであることを特徴とする乾燥剤混入成形品であるので、乾燥剤混入成形品が透明になれば、吸湿性能が限界であり、インジケータの交換をする時期を指し示すことができる。また、請求項3の発明では、前記樹脂と前記モレキュラーシーブとを混練した状態でMFRが5以上となる前記粒状樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥剤混入成形品であっても、成形が可能である。
【0010】
さらに、請求項4の発明は、請求項1に係る乾燥剤混入成形品の製造方法において、
粉末状の乾燥剤であるモレキュラーシーブと樹脂とを混合した粒状樹脂を用い、該モレキュラーシーブの含有量が、前記樹脂と前記モレキュラーシーブとの総重量の60重量%〜80重量%であり、該粒状樹脂を射出成形機の加熱シリンダ内の前記粒状樹脂及び金型の温度を180℃〜240℃に設定し、前記粒状樹脂をMFRが5以上となる溶融樹脂とし、前記金型内に射出することを特徴とする乾燥剤混入成形品の製造方法である。
【0012】
また、請求項4の発明では、請求項1に係る乾燥剤混入成形品の製造方法において、
粉末状の乾燥剤であるモレキュラーシーブと樹脂とを混合した粒状樹脂を用い、該モレキュラーシーブの含有量が、前記樹脂と前記モレキュラーシーブとの総重量の60重量%〜80重量%であり、該粒状樹脂を射出成形機の加熱シリンダ内の前記粒状樹脂及び金型の温度を180℃〜240℃に設定し、前記粒状樹脂をMFRが5以上となる溶融樹脂とし、前記金型内に射出することを特徴とする乾燥剤混入成形品の製造方法であるので、ベース樹脂にモレキュラーシーブを混練した粒状樹脂を射出成形機により、粒状樹脂が発泡することなく、成膜することができる。
【0014】
なお、モレキュラーシーブを混練するベース樹脂のMFRが低い値である場合、金型内のキャビティーに射出する際に、射出に適さない樹脂であっても、高MFRの樹脂を混合することで、射出に適したベース樹脂とすることができる。無論、射出成形の場合、ベース樹脂のMFRの値は、押出成形と比較して、低い値でよい。しかし、乾燥剤混入成形品の厚さを0.5mm以下であって、1m四方の比較的広い表面積の成形品を射出成形する場合、ベース樹脂のMFRの値を比較的高い値とする必要がある。概ね、ベース樹脂にモレキュラーシーブを混練した状態で、MFRの値が5以下とならないようにベース樹脂の粘度を調整するのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態の乾燥剤混入成形品の断面図であり、本実施形態では、一例としてシート状に形成したものを例示して説明することにする。
本実施形態の乾燥剤混入成形品6は、図1に示すように、樹脂シート7に粉末状の乾燥剤8を分散させたものである。乾燥剤8としては、シリカゲル、活性アルミナまたはモレキュラーシーブが使用できる。特に、乾燥剤としては、モレキュラーシーブが好ましい。樹脂シート7のベース樹脂の材料は、下記に例示した樹脂を、その用途に応じて一種または二種以上を選択して混合したものが用いられる。
【0018】
なお、モレキュラーシーブは、分子の大きさの違いによって物質を分離するのに用いられる多孔質の粒状物質であり、均一な細孔をもつ構造であって、細孔の空洞に入る小さな分子を吸収して一種のふるいの作用をする代表的な合成ゼオライトである。その細孔径としては、3Å,4Å,5Å,10Åのものが知られ、通常、細孔径が3Å,4Å,5Å,10Åのモレキュラーシーブを、それぞれモレキュラーシーブ3A,モレキュラーシーブ4A,モレキュラーシーブ5A,モレキュラーシーブ13Xと称する。また、モレキュラーシーブの平均粒子径は、例えば10μm前後のものが用いられる。以下、本実施形態では、乾燥剤8として、モレキュラーシーブ3A,4Aを代表例として説明する。
【0019】
なお、モレキュラーシーブの吸湿性や水分吸収性は、細孔径が関与しており、水分の吸収特性を高めるには、モレキュラーシーブの粉末をより細かくすることで、実質的に表面積を広くし、細孔の数を増やすことで対応することができる。すなわち、モレキュラーシーブの平均粒子径は、20μm以下5μm程度のものとするとよい。また、モレキュラーシーブの含有量は、樹脂シート7の樹脂材料(ベース樹脂)とモレキュラーシーブの総重量に対して、5重量%以上であるか、又は80重量%以下である。
【0020】
本実施形態の乾燥剤混入シートの吸湿特性は、その一例が図4に示されており、同図の横軸が時間軸であり、縦軸が吸湿率を示している。同図(イ)が、樹脂にモレキュラーシーブ3Aを混練した乾燥剤混入シートの吸湿率を図示したものであり、同図(ロ)は、樹脂にモレキュラーシーブ4Aを混練した乾燥剤混入シートの吸湿率を図示したものである。なお、図4は、室温30℃で湿度60%の環境下での吸湿性試験の結果を示しており、乾燥剤混入シートの厚さは、0.5mmであった。
【0021】
一方、樹脂シート7の樹脂材料は、高メルトフローレート(以下、MFRと称する)であり、かつ低融点(低軟化点)、低温ドローダウン性に優れた樹脂であることが望ましい。高MFR樹脂であれば、モレキュラーシーブや顔料を添加することによるMFRが低下しても、ある程度の流れ特性を確保することができる。また、低融点であれば、樹脂が低温で軟化することで、低温射出の目安となり、発泡のおそれを回避できる。低温ドローダウン性に優れた樹脂であれば、モレキュラーシーブや顔料を添加したとしても射出成形機による射出成形が容易である。
【0022】
このような観点から、例えばLDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、各種共重合体(コポリマー)として、アイオノマー、EAA、EMAA、EVA、EEA、EMA、EMMAが用いられ、このような樹脂の中から高MFR、好ましくはMFRが10以上のものを適宜選んで使用する。例えば、LDPEではペトロセン202(東ソー社製)やミラソン68(三井石油化学社製)、LLDPEではNUCポリエチレンLL(日本ユニカー社製)等が用いられる。また、共重合体であるアイオノマー(例えば、エチレンアクリル酸共重合体の塩)ではハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、EAA(エチレンアクリル酸共重合体)ではプリマコール(ダウケミカル社製)、EMAA(エチレンメタクリル酸共重合体)ではニュクレルAN42115C(三井デュポン社製)、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)ではエバフレックス(三井デュポン社製)、EEA(エチレンエチレンアクリレート共重合体)ではNUC−6220(日本ユニカー社製)、EMA(エチレンメチルアクリレート共重合体)ではTC−120(エクソン社製)、EMMA(エチレンメチルメタクリレート共重合体)ではアクリフト(住友化学社製)等が挙げられる。
【0023】
次に、図1の乾燥剤混入シートの製造方法の実施形態について説明する。本実施形態の乾燥剤混入シートの製造には、射出成形機が使用される。射出成形機には、プランジャ式、プリプラ式、プランジャプリプラ式、スクリュ式、スクリュプリプラ式等があり、何れの形式でもよいが、以下、プランジャ式とスクリュ式の射出成形機を例示して説明する。
【0024】
図2は、プランジャ式射出成形機の概略図を示している。同図を参照し、その射出成形機について説明し、乾燥剤混入シートの製造方法について説明する。同図において、射出成形機11は、加熱シリンダ12内にトーピード13が設けられ、加熱シリンダ12内を往復運動する射出プランジャ16が設けられ、加熱シリンダー12の外周には、ヒータ14が設けられ、加工温度を計測するための温度計15が装着されている。加熱シリンダー12には、モレキュラーシーブ等の乾燥剤が混練された粒状の樹脂材料(以下、粒状樹脂と称する)Aが投入されるホッパー17が設けられている。加熱シリンダー12の先端には、ノズル18が装着されている。ノズル18の先端部には、乾燥剤混入シートを成形するための金型19,20が固定盤と可動盤とに介挿されて配置され、その先端部が金型19のスプルー19aに当接している。
【0025】
金型19,20は、実施形態に限定するものではないが、金型19には、冷却孔22が設けられ、かつスプル19aが設けられ、金型19,20を接合した状態でライナ部19bと、ゲート部19cと、成形品が形成されるキャビティー部23とが形成される。スプル19aの直下には、スプールロックピン21が突出している。なお、キャビティー部23は、乾燥剤混入シートの厚さを可変し得るように、シートの表面積に等しい雌型と雄型とを組み合わせてもてもよい。
【0026】
乾燥剤混入シートの製造方法は、ホッパー17から投入された粒状樹脂Aを、射出プランジャ16で押圧して加熱シリンダー12内に押し込む。粒状樹脂Aは、240℃以下の温度で加熱して溶融し、ノズル18からスプル19a、ライナ部19b、ゲート部19c、及びキャビティー部23へと流し込まれる。その後、冷却孔22に冷却水を通水して溶融樹脂を硬化させ、金型20を可動させ、スプールロックピン21を押出して成形品(乾燥剤混入シート)を剥離する。
【0027】
図3は、スクリュ式射出成形機の概略図を示している。スクリュ式射出成形機は、ヒータ14による加熱される加熱シリンダ12内に、スクリュー24が挿入されて、加熱シリンダ12内の温度は、温度計15で計測されている。スクリュー24の先端部には、スクリューヘッド24aが設けられている。加熱シリンダ12の先端には、シリンダヘッド12aが設けられ、シリンダヘッド12aの先端には、ノズル18が設けられている。ノズル18の先端は、金型19,20のスプル19aに当接している。金型19,20は、先に説明した通りである。
【0028】
このスクリュ式射出成形機では、ホッパ17に投入された粒状樹脂Aは、スクリュー24の回転に伴って、前方に搬送される。粒状樹脂Aは、ヒータ14によって240℃以下の温度で加熱されて溶融し、溶融樹脂は、スクリュー24により押し出されてノズル18から金型19,20内に射出されて成形される。
【0029】
また、図2,図3に示した金型19,20は、加熱装置を組み込み、加熱装置で金型19,20を240℃以下の温度に保持するようにして、射出成形機から注入される溶融樹脂の硬化を防ぐようにするとよい。
【0030】
なお、図2,図3において、粒状樹脂Aは、モレキュラーシーブを上記樹脂材料に練り込んで分散させたものを適当な長さに切断した、通常チップ或いはペレットと称せられるものである。先に、説明したように、モレキュラーシーブは、4Åまたは5Åの細孔径を有する粉末状の無機多孔性物質であり、かつ粒状樹脂に混合されるモレキュラーシーブの混合比は、5重量%以上であるか、または80重量%以下とする。
【0031】
さらに、本実施形態の乾燥剤混入シートは、モレキュラーシーブが混入した粒状樹脂を溶融して射出成形機で金型内に押出して、シートの厚みが0.5〜3.0mmに引き出しており、その成形には、粒状樹脂の溶融状態での流れ特性が重要な要素となる。粒状樹脂のメルトフローレート(以下、MFRと称する)が高い数値であることが重要である。MFRは、JISK7210に規定される条件のもとで、溶融した樹脂を射出し、一定時間あたりに押出される熱可塑性樹脂の量であり、具体的には試験温度190℃、試験荷重21.18Nの条件のもとで測定された値である。乾燥剤混入フィルムは、そのベース樹脂のMFRが5以上であることが望ましい。
【0032】
また、モレキュラーシーブを樹脂に混練した混練樹脂のMFRは、金型のキャビティー部への注入は、種々の射出における要件、例えば混練樹脂を溶融するための加工温度、乾燥剤濃度(重量比)、キャビティー部の形状(成形品の形状)等を考慮して、混練樹脂のMFRが5以上であれば、成膜が可能である。なお、乾燥剤混入フィルムの樹脂材料が樹脂を混合したものであれば、その一つの樹脂のMFRが10以上であれば、射出成形機による乾燥剤混入シートの成形が可能である。
【0033】
さらに、射出成形による加工温度が高い場合、モレキュラーシーブを混入した混練樹脂は、発泡し易いので、加工温度を低く抑えることが望ましく、例えば240℃以下が望ましい。なお、射出成形機の加工温度の制御は、シリンダーの外周に設けたヒータと温度計とで、シリンダーの温度を計測しながらヒータに通電して、所望の加工温度となるように制御している。
【0034】
なお、本発明の乾燥材混入成形品は、シート状に限らず、射出成形によって得られる包装形態の成形品とすることができる。この成形品には、例えば容器の内蓋、カップ、トレー、ボトル等の形態とすることができる。また、シート状に形成したものは包装袋の内面側に溶着したり、金属製などの蓋の内面側に装着するなどして使用することができる。無論、この乾燥材混入成形品は、包装材料のみならず、梱包材料としても利用可能であることは言うまでもない。
【0035】
【実施例】
次に、本発明の乾燥剤混入成形品について、シート状に成形した場合の実験結果に基づいて説明する。先ず、試料1〜5と比較例1,2との組成物及びその重量比等を説明する。射出成形機は、図3に示したスクリュー式を使用した。金型は、試験的に乾燥剤混入シートの寸法が、100mm×80mm×2.5mmとなるようなものを使用して、乾燥剤混入シートが成膜されるか否かを確認し、より広いシートの作製を試みた。
【0036】
試料1は、モレキュラーシーブ3Aが60重量部に対して、ポリチレン(PE)(ミラソン68,三井石油化学社製)を40重量部を混練して、ペレット状の粒状樹脂を形成し、下記の表1に示した加工温度で射出成形した。
【0037】
試料2は、モレキュラーシーブ3Aが70重量部に対して、ポリチレン(PE)(ミラソン68,三井石油化学社製)を30重量部を混練して、ペレット状の粒状樹脂を形成し、下記の表1に示した加工温度で射出成形した。
【0038】
試料3は、モレキュラーシーブ4Aが60重量部に対して、エチレンとメタクリレートのランダム共重合体(EMAA)(ニュクレルAN42115C,三井デュポンポリケミカル社製)を40重量部を混練して、ペレット状の粒状樹脂を形成し、下記の表1に示した加工温度で射出成形した。
【0039】
試料4は、モレキュラーシーブ4Aが70重量部に対して、エチレンとメタクリレートのランダム共重合体(EMAA)(ニュクレルAN42115C,三井デュポンポリケミカル社製)を30重量部を混練して、ペレット状の粒状樹脂を形成し、下記の表1に示した加工温度で射出成形した。
【0040】
試料5は、モレキュラーシーブ4Aが80重量部に対して、エチレンとメタクリレートのランダム共重合体(EMAA)(ニュクレルAN42115C,三井デュポンポリケミカル社製)を20重量部を混練して、ペレット状の粒状樹脂を形成し、下記の表1に示した加工温度で射出成形した。
【0041】
比較例1は、ポリチレン(PE)(ミラソン68,三井石油化学社製)を100重量部でペレット状の粒状樹脂を形成し、下記の表1に示した加工温度で射出成形した。
【0042】
比較例2は、エチレンとメタクリレートのランダム共重合体(EMAA)(ニュクレルAN42115C,三井デュポンポリケミカル社製)を100重量部でペレット状の粒状樹脂を形成し、下記の表1に示した加工温度で射出成形した。
【0043】
【表1】
【0044】
上記試料1〜5及び比較例1,2は、表1から明らかなように、試料1〜5では、加工温度が280℃のとき、モレキュラーシーブが混合した溶融樹脂が発泡することが確認され、射出成形によって成膜することができなかった。しかし、それ以外の各加工温度では、乾燥剤混入シートが射出成形により作製できた。また、モレキュラーシーブの混合比が80重量%以下であれば、成膜が可能であることが判った。従って、モレキュラーシーブの混合比が、1重量%以上であれば、吸湿性能を有する乾燥剤混入シートを提供することができる。なお、モレキュラーシーブを混合していない比較例1,2では、全ての加工温度で成膜することができた。
【0045】
続いて、本発明者等は、試料1〜5の乾燥剤混入シートである実施例1〜5と比較例1,2との吸湿性能試験を行った。この試験では、実施例1〜5と比較例1,2とを同一寸法に切断してシート状の試料を作成し、これらの試料を、室温20℃で湿度60%の環境下(20℃60%RH)及び室温40℃で湿度90%の環境下(40℃90%RH)で保管し、それぞれの重量の経時変化を計測して、各試料の吸湿性能を試験した。
【0046】
実施例1〜5と、比較例1,2の吸湿性能は、各試料の初期の重量に対して、所定時間経過後の各試料の重量変化に基づいて、各試料の吸湿性能を知ることができる。表2,3は、その吸湿性能試験結果を示すものである。表2,3は、モレキュラーシーブの混合比に対応して、各時間経過後の各試料の重量の変化を、初期重量に対する所定時間経過後の重量変化の割合で示している。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
本実施例1〜5の乾燥剤混入シートは、表2,3に示した吸湿性能から明らかなように、経時変化に応じて、徐々に湿気を吸収しているのに対して、比較例1,2では、全く湿気を吸収していないことから、本実施例1〜5の乾燥剤混入シートの吸湿性能が確認された。また、乾燥剤混入シートは、湿度が高い試験環境程、湿気の吸収量が多いことからも乾燥剤であるモレキュラーシーブによる吸収であることが確認された。無論、モレキュラーシーブの含有量が多いほど吸収量が多いことも確認された。しかも、シートの厚さが、2.5mmでは、吸湿性能が持続することも確認された。この吸湿性能の持続性は、乾燥剤混入シートの厚さが、0.1mm以上であれば、同様な結果を得ることが確認された。
【0050】
無論、本発明の乾燥剤混入成型品では、例えば乾燥剤混入シートの場合、ガスバリア性フィルム材料とともに多色成形したり、共射出成形したり、或いは成形後にガスバリア性材料をコーティングすることで、意匠的に優れ、かつ乾燥商品を包む包装材料として利用することができる。
【0051】
なお、本発明の乾燥剤混入シートは、樹脂シートに混入するモレキュラーシーブが水分を吸収して白濁から透明に変化するので、他の着色を用いていないシートであれば、このシートが白濁から透明になた時点で、吸湿性能の限界点に達したことを示すインジケータとして利用することができる。
【0052】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、粉末状のモレキュラーシーブをベース樹脂に混練して、このモレキュラーシーブ混練樹脂を射出成形機により金型内に射出して、モレキュラーシーブが均一に分散した乾燥剤混入成形品を作製することができることを確認した。この乾燥剤混入成形品は、包装材料として利用することができるとともに、それ自体が吸湿性能を有する特性を有する成形品であり、この乾燥剤混入成形品による包装容器、包装材料、或いは梱包材料では、乾燥剤小袋を封入する必要がない利点がある。
【0053】
また、本発明によれば、乾燥剤混入成形品が強度的に包装材料として十分耐え得るものであり、また、ガスバリア性フィルム材料とともに多色成形したり、共射出成形したり、或いは成形後にガスバリア性材料をコーティングした乾燥剤混入成形品とすることも可能であり、意匠的に優れ、乾燥商品を包む包装材料として利用することができる。従って、従来、菓子袋内に同封していた乾燥剤小袋を同封する必要がなく、梱包作業の省力化が図られるとともに、誤って乾燥剤を食品に混入したり、誤飲するおそれがなく、極めて安全性が高く、意匠的にも優れた包装材料として乾燥剤混入成形を提供することができる利点がある。さらには、食品のみならず美術品、フィルム状製品、工業部品、ガラス部品或いは木工製品等種々の搬送用の包装・梱包材料としても優れた効果を有する。
【0054】
また、本発明によれば、乾燥剤混入成形品を射出成形機を用いて製造することで、ベース樹脂として、MFRを高い値のものを用いることなく、成形できる利点がある。しかし、乾燥剤混入成形品の厚さを薄くした場合は、ベース樹脂のMFRが高い値であることが望ましいが、少なくとも一つの樹脂のMFRの値を10以上の高い値とすることで、ベース樹脂にモレキュラーシーブや顔料を混練したとしても乾燥剤混入成形品を製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾燥剤混入成形品の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本実施形態の乾燥剤混入成形品を製造する射出成形機の概略図である。
【図3】本実施形態の乾燥剤混入成形品を製造する射出成形機の他の例を示す概略図である。
【図4】モレキュラーシーブ3Aと4Aの吸湿特性を示す図である。
【図5】従来の乾燥剤を用いた包装材料の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
6 乾燥剤混入成形品
7 樹脂シート
8 乾燥剤(モレキュラーシーブ)
11 射出成形機
12 加熱シリンダー
12a シリンダーヘッド
13 トーピード
14 ヒータ
15 温度計
16 射出プランジャ
17 ホッパー
18 ノズル
19 金型
19a スプルー
19b ライナ部
19c ゲート部
20 金型
21 スプールロックピン
22 冷却孔
23 キャビティー
24 スクリュー
24a スクリューヘッド
Claims (4)
- 粉末状の乾燥剤であるモレキュラーシーブと樹脂とを混練した混練樹脂を用いて射出成形してなる乾燥剤混入成形品であって、
前記モレキュラーシーブの含有量が、前記樹脂と前記モレキュラーシーブとの総重量の60重量%〜80重量%であり、かつ前記樹脂のMFRが10以上である前記混練樹脂であることを特徴とする乾燥剤混入成形品。 - 請求項1に記載の乾燥剤混入成形品において、
前記乾燥剤混入成形品に含有する前記モレキュラーシーブが水分を吸収して白濁から透明に変化した時点で吸湿性能の限界点を示すインジケータであることを特徴とする乾燥剤混入成形品。 - 前記樹脂と前記モレキュラーシーブとを混練した状態でMFRが5以上となる前記混練樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥剤混入成形品。
- 請求項1に係る乾燥剤混入成形品の製造方法において、
粉末状の乾燥剤であるモレキュラーシーブと樹脂とを混合した粒状樹脂を用い、該モレキュラーシーブの含有量が、前記樹脂と前記モレキュラーシーブとの総重量の60重量%〜80重量%であり、該粒状樹脂を射出成形機の加熱シリンダ内の前記粒状樹脂及び金型の温度を180℃〜240℃に設定し、前記粒状樹脂をMFRが5以上となる溶融樹脂とし、前記金型内に射出することを特徴とする乾燥剤混入成形品の製造方法。
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