JP3860070B2 - 熱電冷却型パワーリード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超伝導コイルと電源との電気的接続を行なうパワーリードに関し、特に、熱電変換(ペルチェ効果)により冷却作用を行なう熱電冷却型パワーリードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超伝導コイル装置におけるパワーリード(「電流リード」ともいう)の構成を図7を参照して説明する。図7には、従来のガス冷却型パワーリードの構成の一例が示されている。
【0003】
図7を参照して、超伝導コイルは低温空間(極低温空間)すなわち液体He内(4.2K)に配置され、電源は常温空間に配設され、超伝導コイルはパワーリードの一端に接続され、パワーリードの他端は電源端子に接続されている。
【0004】
パワーリードは、例えばOFCu(Oxygen Free Copper)等の常伝導体から形成され、高い電気伝導度を有するが、熱伝導率も高いため、常温空間からの熱が容易に侵入し低温空間側に流入してしまうことになる。
【0005】
このため、超伝導コイル装置においては、図7に示すように、パワーリードをガスHe等の冷媒によって冷却することが必要とされる。
【0006】
このように、低温空間から常温空間への遷移領域において低温側からガス冷媒(ガスHe)を流すことにより、(1)冷却に伴うパワーリードの電気抵抗の低減によるジュール発熱の低減、(2)常温側からの熱を熱交換することによって外部に排出する等の作用をなしている。
【0007】
そして、パワーリードは、ガス冷媒との熱交換率を向上させるために、表面積をできるだけ大きくする構成とされ、このため例えばメッシュ状又はスパイラル管状の構成とされている。なお、図7にはメッシュ状の形態(図中のパワーリードの破線部で示す)のパワーリードが示されている。
【0008】
図7を参照して、ヒータは、液体Heを加熱してガス冷媒としてのガスHeをより強制的に気化させるためのものである。液体Heは供給口から供給されている。
【0009】
更に図16に縦断面図を示す超伝導装置を参照して、従来のガス冷却型パワーリードを以下に説明する。前述した通り、超伝導コイルは冷媒として高価な液体ヘリウムを使用して超伝導状態に保持するため、この液体ヘリウムの蒸発量を小さく抑えることが望ましく、またパワーリード(電流リード)から超伝導コイルへの熱侵入量を小さくすることも必要である。
【0010】
図16を参照して、低温容器1の内部に超伝導コイル2が設置されており、低温容器1の外周は、外周からの熱侵入(輻射熱)を断熱するために二重円筒型状の液体窒素シールド13で囲繞されており、さらに液体窒素シールド13の外周には、真空断熱層を形成するための真空容器15が設置されている。液体窒素シールド13の内部には、液体窒素31と、この液体窒素31が蒸発した低温の窒素ガス32が収容されている。この窒素ガス32は液体窒素シールド13の上部に設置された窒素ガス配管14から外部に放出される。
【0011】
超伝導コイル2は、パワーリード3の構成要素の一つであるリード導体3aの一端に引出し線20を介して接続され、リード導体3aの他端は外部の常温部端子3bに接続されている。一般に、通電時にリード導体3aに発生するジュール発熱と外部の常温部から内部の極低温部への伝導による熱侵入を除去するために、液体ヘリウム22が蒸発した低温のヘリウムガス23を、リード導体3aを収納するリード配管3c内に導き、リード配管3c内部の間隙3dを流通させてリード導体3aを冷却する方法が採用されている。ヘリウムガス23はリード導体3aを冷却したのちリード配管3cの上部から分岐して電気絶縁性の管継手4によって電気的に絶縁されたガス配管5、6に入り、さらにガス配管6に結合された外部配管7より放出される。なおリード配管3cと真空容器15、低温容器1とは電気絶縁体8によって電気的に絶縁されている。
【0012】
次に、図8を参照して、高温超伝導体を用いたパワーリードを説明する。
【0013】
これは、パワーリードにBi系2223焼結体又はYCBO等の高温超伝導体を用いたもので、低温空間は液体Heで冷却され(4.2K)、高温超伝導体が配置された遷移領域(常温と低温に挟まれた領域)は液体ヘリウム(LHe)及び液体窒素にて冷却される。
【0014】
この遷移領域はサーマルアンカーにて常温空間と区画され、高温超伝導体が超伝導特性を示す温度以下に保たれる。サーマルアンカーは熱容量の大きな材料で構成され例えばCu等から成る。
【0015】
図8に示す高温超伝導パワーリードにおいては、高温超伝導体部(約100K以下)は通電時の発熱がないため、低温側への熱侵入量を低減できる。
【0016】
さらに、伝導冷却により全体を高温超伝導体の臨界温度Tc以下に保ち、ガス冷却を行なわないような構成も可能とされる等の利点を有する。例えばガス冷却を用いない電流リード(パワーリード)として、低熱侵入型の酸化物超伝導電流リードの構成が提案されている(例えば、横山その他、「クライストロン用伝導冷却方式 超電導磁石の開発 〜酸化物超電導電流リードの設計・試験〜」、第52回、1994年度秋季低温工学・超電導学会予稿集、第235頁参照)。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示す従来のガス冷却型パワーリードにおいては、以下の問題点を有する。
【0018】
(1)ガス冷媒の消費量が多く不経済である(高価)。
【0019】
(2)低温側への熱侵入量を決めるパワーリードの電気抵抗分布、温度分布はガス冷媒量の関数として与えられるが、パワーリードの温度分布は逆にガス冷媒のコンダクタンスに影響するため、ガス冷媒の最適な流量調節を図ることは極めて困難である。このため、図7に示すように、ヒータを用いて強制的に液体Heを気化させている。
【0020】
また、図16を参照して説明した上記従来のパワーリード部の構成によれば、通電時において、極低温部への熱侵入量を大幅に低減することは困難である。
【0021】
さらに、図8の高温超伝導体を用いたパワーリードの場合、高温側からの熱侵入を零にすることはできないため何等かの冷却手段を設けることが必要とされる。
【0022】
そして、高温超伝導体として酸化物超伝導体を用いたパワーリードも開発されている(例えば、文献(「工業材料」、Vol.41、No.3、第33頁)等参照)が、高温超伝導体の上部の温度が77K(液体窒素温度)で固定されているため、高温超伝導体の臨界電流値が小さく、高温超伝導体の断面積を大きくする必要がある。このため、高温超伝導体からの伝導熱により、極低温部への熱侵入量の低減にも制約があり、大幅な熱侵入量の低減は困難であった。
【0023】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、特別な冷却手段を不要とし効率的に自ら放熱・冷却を行なうパワーリードを提供することを目的とする。また、本発明の目的は、常温部から低温容器内における低温部への熱侵入を軽減し、その結果高価な液体ヘリウムの消費量を削減すると共に経済性の高い装置の運転を可能とするパワーリードを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、超伝導コイルと該超伝導コイルを駆動する電源とを電気的に接続するパワーリードが、前記電源の正極に接続されたN型熱電材料と、前記電源の負極に接続されたP型熱電材料とから成る熱電冷却素子を含むことを特徴とする熱電冷却型パワーリードを提供する。
【0025】
また、本発明は、超伝導コイルと該超伝導コイルを駆動する電源とを電気的に接続するパワーリードが、前記電源の正極に接続されたN型熱電材料と前記電源の負極に接続されたP型熱電材料とから成る熱電冷却素子と、前記熱電冷却素子と前記超伝導コイルとの間に接続された高温超伝導体と、を含むことを特徴とする熱電冷却型パワーリードを提供する。
【0026】
さらに、本発明は、超伝導コイルと該超伝導コイルを駆動する電源とを電気的に接続するパワーリードが、前記電源の正極に接続されたN型熱電材料と前記電源の負極に接続されたP型熱電材料とから成る熱電冷却素子と、前記熱電冷却素子に一端がそれぞれ接続された金属又は半導体から成る導電体と、前記導電体と前記超伝導コイルとの間に接続された高温超伝導体と、を含むことを特徴とする熱電冷却型パワーリードを提供する。
【0027】
本発明の熱電冷却型パワーリードは、好ましくは、N型熱電材料とP型熱電材料とから成る熱電冷却素子を複数段接続してなることを特徴とする。
【0028】
本発明の熱電冷却型パワーリードは、好ましくは、N型熱電材料とP型熱電材料とから成る熱電冷却素子を複数個直列接続して成るモジュールをさらに複数段カスケード形態に構成してなることを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、別の視点として、超伝導コイルと該超伝導コイルを駆動する電源とを電気的に接続するパワーリードにおいて、電源が交流電源からなり、N型熱電材料とP型熱電材料との対から成る第1及び第2の熱電冷却素子を備え、前記交流電源の一側の端子と前記第1の熱電冷却素子の間に第1のスイッチを設けると共に、前記交流電源の他側の端子と前記熱電冷却素子との間に第2のスイッチを設け、前記第1及び第2の熱電冷却素子の前記交流電源に対向する側に前記超伝導コイルを接続し、前記第1及び第2の熱電冷却素子における前記N型熱電材料が上流、前記P型熱電材料が下流に配されるようにライン周波数に応じて前記第1及び第2のスイッチを切替え制御し、前記超伝導コイルを交流駆動することを特徴とする熱電冷却型パワーリードを提供する。
【0030】
本発明の熱電冷却型パワーリードにおいては、好ましくは、前記第1及び第2の熱電冷却素子と前記超伝導コイルとの間に接続された高温超伝導体と、を含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の熱電冷却型パワーリードにおいては、好ましくは、N型熱電材料とP型熱電材料から成る熱電冷却素子を前記第1及び第2の熱電冷却素子にそれぞれ複数段接続してなることを特徴とする。
【0032】
さらに、本発明は、別の視点として、超伝導コイルと該超伝導コイルを駆動する電源(「第1の電源」という)を電気的に接続するパワーリードにおいて、N型熱電材料とP型熱電材料との対から成る第1及び第2の熱電冷却素子を備え、前記第1及び第2の熱電冷却素子のN型熱電材料とP型熱電材料は、超伝導コイル側において互いに電気的に接続されて前記超伝導コイルに接続され、前記第1の電源側においては、前記N型熱電材料と前記P型熱電材料との間に、前記N型熱電材料が前記P型熱電材料に対して正の電圧を供給する第2の電源がそれぞれ接続され、さらに、前記超伝導コイルと前記熱電冷却素子に流れる電流とをそれぞれ監視して、最適な冷却を保持するように第1の電源及び第2の電源を制御する制御回路を備えたことを特徴とする熱電冷却型パワーリードを提供する。本発明においても、好ましくは、前記第1及び第2の熱電冷却素子と前記超伝導コイルとの間に接続された高温超伝導体と、を含むことを特徴とする。また、本発明においても、好ましくは、N型熱電材料とP型熱電材料とから成る熱電冷却素子を前記第1及び第2の熱電冷却素子にそれぞれ複数段接続してなることを特徴とする。
【0033】
本発明は、さらに別の視点として、超伝導コイルと該超伝導コイルを駆動する電源とを電気的に接続するパワーリードが、前記電源の正極に接続されたN型熱電材料と、前記電源の負極に接続されたP型熱電材料とから成る熱電冷却素子を含み、前記N型熱電材料と前記P型熱電材料とが、前記電源と反対側の端部を含む所定の領域において互いに熱的に接続されると共に電気的には絶縁されていることを特徴とする熱電冷却型パワーリードを提供する。
【0034】
そして、本発明(請求項1)は、真空断熱容器内に収納され液体ヘリウムに浸漬された超伝導コイルに外部電源から励磁電流を通電するパワーリードにおいて、常温側から順に、液体窒素で冷却される金属導体と、該金属導体に接続されたN型熱電材料又はP型熱電材料を含むことを特徴とする熱電冷却型パワーリードを提供する。
【0035】
本発明の熱電冷却型パワーリードにおいては、好ましくは、前記N型熱電材料又はP型熱電材料と前記超伝導コイルとの間に高温超伝導体からなる電気導体を接続してなることを特徴とする。(請求項2)
【0036】
また、本発明においては、常温側から順に、金属導体と、高温超伝導体と、を含み、前記金属導体の前記超伝導コイル側の端部側近傍に熱良導体を設け、熱電冷却素子が前記熱良導体を介して前記金属導体、前記高温超伝導体および前記超伝導コイルを冷却するように構成してもよい。(請求項3)
【0037】
本発明によれば、熱電変換材料(ペルチェ素子)が電源に接続され、ペルチェ効果により、放熱、吸熱作用を行なうため、従来必要とされていたガス冷媒等による冷却は不要とされる。
【0038】
本発明においては、ペルチェ素子を複数段接続した場合、冷却効果は一段と高められる。
【0039】
そして、本発明においては、パワーリードをペルチェ素子と高温超伝導体とから構成した場合、ペルチェ素子によりTc(臨界温度)にまで冷却され、液体窒素による高温超伝導体を冷却することが不要とされる。あるいは、高温超伝導体の冷却が不足する場合には、液体窒素により冷却してもよいが、高温超伝導体の超伝導コイル側はガスHeにより冷却される。
【0040】
また、本発明においては、前記従来例(高温超伝導を利用したパワーリード)のように、液体ヘリウムもしくは液体窒素を利用しない時には、放熱部のみが常温大気に露出されるが、その他の部分は真空中に設置されることはいうまでもない。これによって断熱特性が向上するからである。
【0041】
本発明によれば、熱電冷却素子を形成するN型とP型の熱電材料は、冷却側にて、熱伝導率が大で、電気的絶縁体となる材料を介して互いに接続されたことにより、吸熱量が制御され、低温側温度が同一に保たれる。
【0042】
さらに、本発明の第1の構成(請求項1参照)によれば、真空断熱容器内に収納され液体ヘリウムに浸漬された超伝導コイルに外部電源から励磁電流を通電するパワーリードを、常温側から順に金属導体と、該金属導体に接続されたN型熱電材料又はP型熱電材料を含むものとし、前記金属導体を例えば、液体窒素(77K)で冷却する。これによって、前記パワーリードの金属導体は液体窒素で冷却されるとともに、熱電冷却素子によっても冷却されるので、前記金属導体を介して侵入する極低温部への熱侵入量が低減する。
【0043】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明を、特に極低温側に高温超伝導体からなる電気導体を設けたパワーリードに適用したものである。この発明では、高温超伝導体は100K程度で超伝導状態となり、電気抵抗がゼロとなることから、ジュール発熱の発生がゼロとされると共に、熱伝導率も銅導体の1/100以下とされるため、極低温部への熱侵入量が低減できる。そして、常温側の導体が液体窒素で冷却されていることから、高温超伝導体の臨界電流は、77K近傍の値となる。さらに、本発明によれば、高温超伝導体の高温側に熱電冷却素子を設置して冷却することにより、より低温に保持できるため、臨界電流値が大きく、必要な断面積を減少でき、結果として、極低温部への熱侵入量を低減できる。
【0044】
また、さらに第2の構成において、N型及びP型熱電材料を含むパワーリードに通電しない場合には、パワーリードの温度が上昇して、安定な(通電できる状態)温度分布を維持することは困難となる場合があるが、請求項3に記載の発明は、この技術的課題を解決するもので、パワーリードの導体構成を、常温側から順に金属導体および高温超伝導体からなるものとし、前記金属導体の下部近傍(即ち、超伝導コイル側の端部側近傍)に熱良導体を設け、前記熱良導体を介して熱電冷却素子で金属導体、高温超伝導体および超伝導コイルを冷却する構成とした。
【0045】
本発明の上記構成(請求項3参照)によれば、パワーリードに通電しない場合でも、パワーリードは低温に冷却されることから、いつでも通電可能な状態を維持できる。また、熱電冷却素子の電流を制御することにより、温度分布も最適に制御することが可能とされる。同様な観点から、一般的に言えば、第1の冷却手段により超伝導状態とされる超伝導コイルに外部電源から励磁電流を通電するパワーリードにおいて、常温側から、第2の冷却手段で所定温度に冷却される金属導体と、該金属導体に接続されたN型熱電材料又はP型熱電材料と、をこの順に含むことを特徴とする。(請求項5参照)
【0046】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態を以下に説明する。
【0047】
【実施形態1】
図1は本発明の第1の実施形態の構成を説明する図である。図1を参照して、液体He中に配設された超伝導コイルと室温に配設された電源とを接続するパワーリードは、電源の正極側にN型熱電材料が、電源の負極側にP型熱電材料が接続されて構成されている。
【0048】
P型、N型の熱電材料をπ型に接合し、N電極からP電極に直流電流を流すと、ペルチェ効果によりP型とN型の接合部で吸熱が生じ、それぞれの電極端子側で放熱が生じることにより、熱電冷却が行なわれる。
【0049】
より詳細には低温側では、次式(1)で与えられる吸熱が行なわれる。
【0050】
qN−qP=(ΠN−ΠP)J …(1)
【0051】
ここに、Jは電流密度、ΠN、ΠPはN型、P型熱電材料の絶対ペルチェ係数、qN、qPはN型、P型熱電材料中で電子が運ぶ熱流をそれぞれ表わしている。
【0052】
図1を参照して、パワーリードがN型及びP型の熱電冷却素子から形成されたことにより、通電時に低温側から熱が除去されるため、常温空間から低温側への熱侵入も回避され、結果として、従来必要とされたパワーリードの冷却機構が不要とされる。
【0053】
液体窒素温度領域において、大きな性能指数を示す熱電冷却素子として、例えば、N型のBi−Sb系合金、P型材料としてBi系2223相(焼結体)高温超伝導体が用いられる(例えば、中野その他、「高温超伝導体を用いたペルチェ冷凍(熱電冷却)」、第50回、1993年度秋季低温工学・超電導学会予稿集、第270頁参照)。
【0054】
なお、本実施形態においては、N型及びP型の熱電冷却素子を液体Heから気化したガスHeを用いて補助的に冷却してもよいことは勿論である。この場合、本実施形態によれば、ガスHeの消費量は特段に削減される。
【0055】
【実施形態2】
図2は、本発明の第2の実施形態の構成を説明する図である。
【0056】
図2を参照して、本実施形態に係るパワーリードにおいては、電源の正極側にN型熱電材料が、電源の負極側にP型熱電材料が接続され、これらの熱電材料には高温超伝導体が接続され、高温超伝導体が超伝導コイルに接続されている。
【0057】
N型、P型熱電材料(熱電冷却素子)は、実質的に常温(約300K)から冷却して温度を下げ、高温超伝導体が配設された領域において吸熱が行なわれ、好ましくは、高温超伝導体のTc(臨界温度)以下に冷却維持されるが、不足の場合には、液体窒素による冷却を用いてもよい。この場合も、N型、P型材料(熱電冷却素子)により冷却効率が高められる。
【0058】
本実施形態においては、高温超伝導体は、液体Heが気化したガスHeによっても冷却される。
【0059】
本実施形態においては、パワーリードに高温超伝導体を用いたことにより、Tc以下の温度において通電時の発熱がないため、低温側への熱侵入量を大幅に低減すると共に、パワーリードが熱電冷却素子から構成されることにより、特別な冷却機構を必要とせずに高温超伝導体のTc以下に容易且つ効率的に冷却維持できる。
【0060】
また、本実施形態においては、高温超伝導体を液体窒素あるいはガスHeで冷却した場合にも、熱電冷却素子による冷却作用のために、液体窒素、Heの消費量は前記従来例と比較して特段に削減される。
【0061】
【実施形態3】
図3は、本発明の第3の実施形態の構成を説明する図である。図3を参照して、本実施形態において、パワーリードは、N型、P型熱電材料、金属(又は半導体)、及び高温超伝導体から構成されている。
【0062】
本実施形態においては、金属又は半導体を液体窒素により冷却してもよい。この場合、図3の金属部(又は半導体部)には液体窒素のバス(不図示)が設けられる。
【0063】
本実施形態は、N型、P型熱電材料からなる熱電冷却素子のみでは高温超伝導体のTc(臨界温度)以下に冷却できない場合に好適に用いられる。
【0064】
【実施形態4】
図4は、本発明の第4の実施形態の構成を説明する図である。図4を参照して、本実施形態において、パワーリードは、N型、P型熱電材料から成る熱電冷却素子を複数段カスケード形態に接続してなるものである。図4において、各段の熱電冷却素子はそれぞれ異なった温度領域に配置され、それぞれ低温側から吸熱を、高温側にて放熱を行う。
【0065】
本実施形態によれば、複数段(=n)の熱電冷却素子による最高温度と最低温度の温度差は、各熱電冷却素子による冷却温度差ΔTi(i=1〜n)の略総和程度に等しい値が期待される。このため、パワーリードの冷却が全く不要になる場合もある。
【0066】
また、本実施形態においては、熱電冷却素子の別の態様として、図9に示すように、N型、P型熱電材料から成る熱電冷却素子をセラミック板の間に挟んで数個から十数個の直列形態に接続して構成してもよい(この構成を「1段モジュール」ともいう)。
【0067】
図9に示すように、N型、P型熱電材料から成る熱電冷却素子の金属電極による接合部が一側になるようにアレイ状に配列されており、各熱電冷却素子についてN型熱電材料には電流が流れ込み、P型熱電材料からは電流が流れ出すように接続され、各熱電冷却素子はそれぞれ低温側(接合部側)から吸熱、高温側にて放熱を行なう。
【0068】
本実施形態において、図9に示す熱電冷却モジュールを用いる場合、液体Heに配設された超伝導コイル(不図示)は、図中の吸熱側において1段モジュールの所定の熱電冷却素子の間に接続される。
【0069】
本実施形態によれば、複数の直列に接続された熱電冷却素子による最高温度と最低温度の温度差は、直列形態に接続された熱電冷却素子の数に略比例し、冷却効果が増大する。このため、パワーリードの冷却が全く不要になる場合さえある。
【0070】
なお、直列形態に接続された複数(=n)の熱電冷却素子は、各温度領域において最適な性能指数が得られるように、各段毎に異なる材料から構成してもよいことは勿論である。
【0071】
また、図9に示した一段モジュールを複数段、例えば、図10に示すように、ピラミッド型に多段(例えば6段カスケード形態)に構成する(下部側で熱電冷却素子数が大、上部側で熱電冷却素子数が小)ことによって、さらに大きな温度差を得ることができる。
【0072】
図17に、図10に斜視図にて示したピラミッド型に多段構成の熱電冷却素子からなる電流リードの、超伝導コイル及び駆動電源との電気的接続の様子を模式的に示す(但し、図17では3段カスケード形態が示されている)。図17を参照して、高段側端部(図では3段目)のN型及びP型熱電材料から成る熱電冷却素子に超伝導コイル端部がそれぞれ接続され、1段目のアレイ状に複数配設された、N型及びP型熱電材料から成る熱電冷却素子に対して、N型熱電材料に電流が流れ込み、P型熱電材料からは電流が流れ出すように電源端子が接続配線され、各段の熱電冷却素子はそれぞれ低温側(図示上部接合部側)から吸熱し、高温側(図示下部接合部)にて放熱を行なう。
【0073】
図9に示す一段モジュール構成の場合、素子接合部温度差は、一般に、N型、P型材料から成る熱電冷却素子の最大温度差(「ΔTJM」という)を超えることはできない。従って、一段モジュールにおける個々の熱電冷却素子の温度差(ΔTj)について、ΔTj=ΔTJMの場合、低温接合部の吸収能力及び成績係数は零となる。しかしながら、図10に示すように、モジュールを多段に積み重ね、上段モジュールの高温側発熱を下段モジュールの低温側で吸収することにより、上記制約が解消される。
【0074】
なお、本実施形態においては、図9に示す1段モジュール、又は図10に示す多段モジュール(不図示)から成る熱電冷却モジュールを、後に説明するように、超伝導コイルを駆動するための電源とは別の電源により駆動してもよいことは勿論である。
【0075】
【実施形態5】
図5は、本発明の第5の実施形態の構成を説明する図である。図5を参照して、本実施形態においては、電源として、超伝導コイルを交流駆動するための交流電源が用いられ、N型、P型熱電材料から成る2つの熱電冷却素子をパワーリードとし、交流電源の一側の端子と第1の熱電冷却素子の間に第1のスイッチSW1が設けられ、交流電源の他側の端子と第2の熱電冷却素子の間に第2のスイッチSW2が設けられている。
【0076】
より詳細には、図5を参照して、第1の熱電冷却素子のN型、P型熱電材料の一端はそれぞれ第1のスイッチSW1の端子に接続され、N型、P型熱電材料の他端は超伝導コイルの端部に接続されている。また、第2の熱電冷却素子のN型、P型熱電材料の一端はそれぞれ第2のスイッチSW2の端子に接続され、N型、P型熱電材料の他端は超伝導コイルの端部に接続されている。
【0077】
第1及び第2のスイッチを介して、第1及び第2の熱電冷却素子におけるN型熱電材料は、交流電源から常に電流が流れ込み(上流に配置され)、P型熱電材料からは交流電源側電流が流れ出す(下流に配置される)ように、ライン周波数の半周期毎に切替制御され、このため、N型、P型材料は熱電冷却素子として作用する。
【0078】
超伝導コイルの両端部と熱電冷却素子の端部とがライン周波数の半周期毎に切替制御され、超伝導コイルは交流駆動される。なお、本実施形態において、パワーリードとして、高温超伝導体を含む構成、あるいは、熱電冷却素子を多段に含むようにした構成としてもよいことは勿論である。
【0079】
【実施形態6】
図6は、本発明の第6の実施形態の構成を説明する図である。図6を参照して、本発明の第6の実施形態を説明する。
【0080】
N型、P型熱電材料からなる熱電冷却素子による冷却は、該素子に流す電流に依存する。
【0081】
前記各実施形態においては、超伝導コイルを駆動するための電源と、熱電冷却素子とは直接接続されているため、冷却と超伝導コイル電流とを互いに独立に制御することはできない。
【0082】
本実施形態は、この問題を解決するものであり、電源1は、超伝導コイルに流れる電流を供給し、電源2は熱電冷却素子(「ペルチェ素子」ともいう)に流れる電流を供給し、これらの電源は、制御装置を介して常に最適な冷却が維持されるように制御される。より詳細には、制御装置は、超伝導コイル電流と熱電冷却素子に流れる電流のそれぞれを監視しながらそれぞれの電源に制御信号を出力し、電源電流の可変に制御して冷却を最適制御する。
【0083】
【実施形態7】
図11は、本発明の第7の実施形態の構成を説明する図である。図11を参照して、本発明の第7の実施形態を説明する。
【0084】
熱電冷却素子を構成するN型とP型の熱電材料は、その特性に関して完全に対称的であることはなく、このため、冷却素子の作製時においては、性能指数が最大となるように、最適設計が行なわれる。その際、N型とP型の熱電材料の断面積が異なることになる。その結果、N型とP型の熱電材料で吸収熱量に相違が生じる。
【0085】
一般のペルチェ素子の場合には、典型的にはΠ型で構成され、N型とP型の熱電材料は熱伝導率の高いCu等で接続されているため、このN型とP型の熱電材料における熱吸収量の差は問題とはならないが、パワーリードとして利用する場合、N型とP型の熱電材料は互いに電気的に隔離されているため、N型とP型の熱電材料は冷却側にて温度が互いに異なることになる。
【0086】
本実施形態は、このような問題を解消するものであり、図11に示すように、N型とP型の熱電材料の冷却側を熱的に接続し、且つ電気的に絶縁したものである。すなわち、N型とP型の熱電材料は、冷却側において、電気的に絶縁性で且つ熱伝導率の大きな部材により互いに接続され、N型とP型の熱電材料は、冷却側において同一温度に維持される。
【0087】
【実施形態8】
通常、大電流電源は高価である。特に超伝導コイルのようにインピーダンスの低い負荷には大電流低電圧の電源になるので、電源としてはあまり好ましいものではない。このため、ペルチェ素子では多くの素子を直列に接続し、低電流で適当な電圧の電源を利用している。
【0088】
また超伝導コイルを励磁する電流は大きいので、超伝導コイル励磁用の電源の電流は大きくなり高価になる。そして超伝導コイル励磁用の電源を作動させない時に低温側に熱が入らないようにするためには、ペルチェ素子に電流を供給する電源2を設けた前記第6の実施形態(図6参照)の構成とすればよいが、電源2も大電流を出力できる電源である必要がある。
【0089】
しかしながら、これは高価になるので、本実施形態においては、図12に示すように、数多くのP型、N型の熱電材料を並列に接続する場合には、電源1で超伝導コイルを励磁し(電源からスイッチSW1を介して並列に配設されたN型熱電材料にそれぞれ流れ込み、超伝導コイル下流の並列に配設されたP型熱電材料からスイッチSW1を介して電源1に戻る)、それ以外の場合には、切替スイッチSW1、SW2を利用して複数の熱電変換素子を直列形態に接続して、電源2の電流値を下げる。
【0090】
【実施形態9】
図13を参照して、本発明の第9の実施形態を説明する。図13を参照して、本実施形態においては、図3を参照して説明した前記第3の実施形態において、N型及びP型熱電材料(半導体)と高温超伝導体との間に配設された導体部(Cu等)間に新たにスイッチSWが設けられている。
【0091】
このスイッチSWは、超伝導コイル(「超伝導マグネット」ともいう)が励磁していないときで超伝導コイルを冷却しているときには閉成され、二つの導体部間を電気的に接続し電源からの電流はN型熱電材料、導体及びスイッチSWを介してP型熱電材料側の導体に流れることになる。これによって、超伝導コイルが磁場を発生していない時にも、低温系への熱の侵入を減らすことができる。一方、超伝導コイルを励磁する時は、当然このスイッチSWを開状態として電源からN型熱電材料、導体、高温超伝導体、超伝導コイル、高温超伝導体、導体、P型熱電材料のループに電流が流れる。
【0092】
なお、本実施形態においては、N型及びP型熱電材料(半導体)にはラジエターが備えられて放熱特性を向上している。
【0093】
【実施形態10】
図14を参照して、本発明の第10の実施形態を以下に説明する。図14において、従来の超伝導装置の説明で参照した図16の要素と同一又は同等の機能の要素については同一の参照符号が付されている。以下では前記従来例との相違点を主に説明する。
【0094】
本実施形態によるパワーリードと従来の高温超伝導体を用いたパワーリード(例えば、前記文献(「工業材料」、Vol.41、No.3、第33頁))との主たる相違点は、銅導体300と高温超伝導体(酸化物超伝導体)301との間において直流電源50の正極側にN型熱電材料200を接続し、負極側にP型熱電材料201を接続して構成した点である。以下に詳説する。
【0095】
真空断熱などにより断熱された低温容器1の内部に超伝導コイル2が配置され、極低温の液体ヘリウム22により冷却される。超伝導コイル2は、接続線21を介してパワーリード(正極:301、200、300、負極:301、201、300で構成)に接続されている。銅導体300の室温部はケーブル9によって直流電源50に接続され、直流電源50は超伝導コイル2に必要な電流を供給している。
【0096】
パワーリードの常温部はフタ(蓋)101により支持されている。フタ101には、常温側導体(銅導体300)を冷却するための液体窒素31が蒸発したガス32を外部に放出するための配管が設置され外部に室温近傍の窒素ガスが放出される。
【0097】
銅導体300を液体窒素31で冷却することにより銅導体300の下部の温度を77K近傍に保持している。さらに、銅導体300と高温超伝導体301の間に正極にN型熱電材料200、負極にP型熱電材料201を接続して高温超伝導体の温度を77K以下に冷却している。
【0098】
なお、図14の構成において、超伝導コイル2の線材を高温超伝導材料で形成した場合には、超伝導コイル2の温度も77K以下に冷却すればよいので、冷媒の液体ヘリウム22が不要になるとともに、パワーリードの内の高温超伝導体301も不要になり、超伝導コイル2の両端子と銅導体300との間にN型熱電材料200およびP型熱電材料201が接続されるという簡易な構成の超伝導コイル装置を提供することができる。
【0099】
【実施形態11】
図15を参照して、本発明の第11の実施形態を以下に説明する。図14に示した前記第10の実施形態では、超伝導コイル2に電流を通電している状態では、パワーリード3は冷却され、極低温部への熱侵入量を低減できるが、超伝導コイル2の電流をゼロにした場合、熱電冷却素子(200、201)に流れる電流がゼロになるため、熱電冷却素子(ペルチェ素子)による冷却作用が無くなる。本実施形態は、上記問題を解決するために、パワーリードの構成を以下のように構成したものである。
【0100】
図15において、前記第10の実施形態の説明で参照した図14と同一又は同等の機能の要素には同一の参照符号が付されている。以下では、前記第10の実施形態との相違点を説明する。
【0101】
低温容器1の内部に配置される液体ヘリウム容器100の内部に超伝導コイル2が収容されている。超伝導コイル2は、接続線21を介して高温超伝導体301に接続され、さらに銅導体300に接続されている。
【0102】
そして、銅導体300の室温部はケーブル9を介して外部電源50に接続される。フタ101は、低温容器1内部を真空に封止するための気密部品である。銅導体300はこのフタ101により支持されている。
【0103】
本実施形態においては、銅導体300の低温部に、好ましくは電気絶縁性の熱良導体203を介して、N型熱電材料200、P型熱電材料201からなる熱電冷却素子の共通接続部202を接続する。熱電冷却素子(200、201)は電源51の正極にN型熱電材料200を、また負極にP型熱電材料201を接続するように配設されておりフタ101において所定の気密封止がされて支持されている。
【0104】
電源51と熱電冷却素子(200、201)はケーブルによって接続される。本実施形態に係るパワーリードにおいては、銅導体300、高温超伝導体301から導体を構成しているが、それぞれの導体の内部を液体ヘリウムが蒸発した低温のガスヘリウムで冷却してもよい。
【0105】
また、超伝導コイル用の線材は金属系超伝導線材又は高温超伝導体線材であってよい。この場合の冷媒は液体ヘリウム又は液体窒素である。
【0106】
以上、上記実施形態を説明したが、本発明は、上記各形態及びその組合せにのみ限定されるものでなく、本発明の原理に準ずる各種形態を含むことは勿論である。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱電冷却素子(ペルチェ素子)が電源に接続され、ペルチェ効果により、放熱、吸熱作用を行なうため、従来必要とされていたガス冷媒等によるパワーリードの冷却は不要とされるか或いは大幅に軽減される。
【0108】
そして、本発明においては、パワーリードを熱電冷却素子と高温超伝導体とから構成した場合、ペルチェ素子により高温超伝導体のTc(臨界温度)以下にまで冷却され、液体窒素による高温超伝導体を冷却することが不要とされ或いは軽減される。
【0109】
本発明においては、パワーリードを構成する高温超伝導体を液体窒素あるいはガスHeで冷却した場合にも、熱電冷却素子による冷却作用のために、液体窒素、Heの消費量は従来例と比較して特段に削減され、ランニングコストを大幅に低減する。
【0110】
あるいは、本発明においては、高温超伝導体の冷却が不足する場合には、液体窒素により冷却してもよいが、高温超伝導体の超伝導コイル側はガスHeにより冷却され、冷却効率が向上する。
【0111】
本発明においては、熱電冷却素子を複数段カスケード形態に接続した場合、冷却効果は一段と高められる。
【0112】
そして、本発明によれば、熱電冷却素子を含むパワーリードと交流電源との間に切替スイッチを設けたことにより、熱電冷却を行ないながら超伝導コイルを交流駆動できるという利点を有する。
【0113】
さらに、本発明によれば、熱電冷却素子に電流を供給する電源を超伝導コイル電流を供給する電源とは別途設け、超伝導コイルに流れる電流と、熱電冷却素子に流れる電流をモニタして、それぞれの電源電流を制御することにより最適な冷却が達成される。
【0114】
本発明によれば、熱電冷却素子を形成するN型とP型の熱電材料は、冷却側にて、熱伝導率が大で、電気的絶縁体となる材料を介して互いに接続されたことにより、N型とP型の熱電材料の特性の非対称性に原因する、低温側におけるN型とP型の熱電材料の温度差が解消され、これらは同一温度に保たれる。
【0115】
そして、本発明の第1の構成によれば、真空断熱容器内に収納され液体ヘリウムに浸漬された超伝導コイルに外部電源から励磁電流を通電するパワーリードを、常温側から順に、金属導体と、該金属導体に接続されたN型熱電材料又はP型熱電材料を含むものとし、前記金属導体を液体窒素で冷却する。これによって、前記パワーリードの金属導体は液体窒素で冷却されるとともに、熱電冷却素子によっても冷却されるので、前記金属導体を介して侵入する極低温部への熱侵入量をより低減することができる。また、前記N型熱電材料またはP型熱電材料と前記超伝導コイルとの間に高温超伝導体からなる電気導体を接続してなる構成とすることにより、高温超伝導体が金属導体を介して液体窒素で冷却されるとともに、熱電冷却素子によっても冷却されるため、より低温に保持できることから、臨界電流値が大きくなり、必要な断面積を減少することができ、極低温部への熱侵入量を大幅に低減することができ、その結果、高価な液体ヘリウムの消費量を大幅に削減することができるという効果が得られる。
【0116】
また、本発明の第2の構成によれば、真空断熱容器内に収納され液体ヘリウムに浸漬された超伝導コイルに外部電源から励磁電流を通電するパワーリードにおいて、導体の構成を常温側から順に金属導体および高温超伝導体からなるものとし、金属導体の下部近傍を熱良導体を介してかつ超伝導コイル用電源とは別の電源により熱電冷却素子で冷却することにより、高温超伝導体を超伝導状態に保持し、超伝導コイルの非通電状態時においても、パワーリードを低温に冷却することが可能とされ、さらに、熱電冷却素子用の電源の電流を制御することにより、パワーリードの温度分布も任意に制御できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を説明する図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の構成を説明する図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の構成を説明する図である。
【図4】本発明の第4の実施形態の構成を説明する図である。
【図5】本発明の第5の実施形態の構成を説明する図である。
【図6】本発明の第6の実施形態の構成を説明する図である。
【図7】従来のガス冷却型パワーリードの構成を説明する図である。
【図8】従来の高温超伝導体を用いたパワーリードの構成を説明する図である。
【図9】直列接続された熱電冷却モジュールの構成例を説明する図である。
【図10】多段にカスケード接続された熱電冷却モジュールの構成例を説明する図である。
【図11】本発明の第7の実施形態の構成を説明する図である。
【図12】本発明の第8の実施形態の構成を説明する図である。
【図13】本発明の第9の実施形態の構成を説明する図である。
【図14】本発明の第10の実施形態の構成を説明する図である。
【図15】本発明の第11の実施形態の構成を説明する図である。
【図16】従来のパワーリードを用いた超伝導装置の縦断面を示す図である。
【図17】図10に示した、本発明の実施形態に係る、多段カスケード接続構成の熱電冷却素子からなる電流リードの、超伝導コイル及び駆動電源との電気的接続の様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 低温容器
2 超伝導コイル
3 パワーリード
3a リード導体
3b 常温部端子
3c リード配管
22 液体ヘリウム
23 ヘリウムガス
31 液体窒素
32 窒素ガス
50 超伝導コイル用の電源
51 熱電冷却素子用の電源
100 LN2タンク(液体窒素タンク)
200 N型熱電材料
201 P型熱電材料
203 熱良導体(電気絶縁物)
300 銅導体
301 高温超伝導体(酸化物超伝導体)
LHe 液体He
GHe ガスHe
Claims (3)
- 真空断熱容器内に収納され液体ヘリウムに浸漬された超伝導コイルに外部電源から励磁電流を通電するパワーリードにおいて、
前記外部電源の正極に接続される側は、常温側から、液体窒素で冷却される金属導体と、該金属導体に接続されたN型熱電材料と、をこの順に含み、
前記外部電源の負極に接続される側は、常温側から、液体窒素で冷却される金属導体と、該金属導体に接続されたP型熱電材料と、をこの順に含むことを特徴とする熱電冷却型パワーリード。 - 前記N型熱電材料と前記超伝導コイルの一端との間に高温超伝導体からなる電気導体を接続し、
前記P型熱電材料と前記超伝導コイルの他端との間に高温超伝導体からなる電気導体を接続してなることを特徴とする請求項1記載の熱電冷却型パワーリード。 - 第1の冷却手段により超伝導状態とされる超伝導コイルに外部電源から励磁電流を通電するパワーリードにおいて、
前記外部電源の正極に接続される側は、常温側から、第2の冷却手段で所定温度に冷却される金属導体と、該金属導体に接続されたN型熱電材料と、をこの順に含み、
前記外部電源の負極に接続される側は、常温側から、前記第2の冷却手段で所定温度に冷却される金属導体と、該金属導体に接続されたP型熱電材料と、をこの順に含む、ことを特徴とする熱電冷却型パワーリード。
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