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JP3734341B2 - 冷却水系生物障害防止方法および装置 - Google Patents

冷却水系生物障害防止方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷却水系生物障害防止方法および装置に関する。さらに詳しくは、冷却塔を有する閉鎖冷却水回路における生物障害を防止する冷却水系生物障害防止方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水は多くの工業、その他の分野で種々の目的で多量に使用されているが、その中でも冷却水として使用されている量が多い。熱交換などにより温まった冷却水を使い捨てる一過式の冷却方式もあるが、使用できる水資源に制限があるばあい、冷却塔を用いて空気と水の温度差あるいは蒸発を利用して水温を下げ、循環使用する方法がとられる。循環使用するばあい、条件により異なるが、多くのばあい2%程度の水消費で1℃程度水温を下げることができる。水資源の効率的な使用の観点から、このような閉鎖冷却水回路による冷却はたいへん重要である。
【0003】
かかる冷却塔を有する典型的な閉鎖冷却水回路を用いた冷却水系生物障害防止装置としては、たとえば図5に示すように、通気扇(送風機)50、充填部51および貯水槽52からなる冷却塔53と、熱交換器54と、冷却水の循環ポンプ55と、薬剤の注入溶解機56と、薬剤の貯蔵槽57と、補給のための新水用配管58と、循環水の引き抜き水用配管59とからなるものがある。
【0004】
かかる冷却水系生物障害防止装置では、冷却水は循環ポンプ55により熱交換器54と冷却塔53を循環するが、熱交換器54で温まった水は、冷却塔頭部で分散器により充填部51内の充填材に分散され充填材壁面で水膜を形成して落下するあいだに、通気扇50による空気流と強制的に接触されることにより温度が下げられ、貯水槽52を経由して再び熱交換器54に送られる過程が繰り返される。冷却塔53では、必然的に水が強制蒸発および飛散するので、少なくともそれに相当する分量の新水が配管58から補給される。また、循環水中のミネラル分などの蒸発しない物質の蓄積を防ぐために、循環水の一部が配管59から引き抜き水として引き抜かれる。したがって、その分の新水の補給も必要になる。
【0005】
このように、循環水は大量の空気と接触するため、系内に空中の種々雑多な微生物などが混入し、それらが系内で生息、増殖、貯留される。これらの微生物などは生物膜として冷却塔の充填材、熱交換器表面およびその他水路壁に付着し、目詰まり、熱交換効率の低下または構成材料の腐食の原因になる。さらに、レジオネラ菌に代表される病原菌が冷却塔の通気扇を通して大気に放出される惧れがある。
【0006】
このような障害は一般に生物障害と呼ばれる。かかる生物障害を防止するため、殺菌剤を循環水に注入することが行なわれる。殺菌剤としては、塩素系薬剤が主に用いられている。このばあい、通常、図5に示したように、貯蔵槽57から注入溶解機56に投入された殺菌剤は新水に溶けて冷却塔53へ連続的またはそれに近い間歇注入が行なわれる。
【0007】
かかる塩素系薬剤などの殺菌剤を使用するばあい、充分な効果を出すためには冷却水中の殺菌剤の濃度を高く保つ必要がある。そうすると、冷却水系構成材料の腐食、冷却塔内の飛沫による周辺環境の問題、引き抜き排水中の残留殺菌剤や有機塩素化合物などの殺菌副生成物による環境汚染が問題になる。また、循環水中に塩素イオンが蓄積されるので、それを防ぐため引き抜き水量を多くしなければならないという問題がある。
【0008】
一方、アメリカなどの一部の国で塩素の代わりにオゾンを用いるばあいがある。オゾンは塩素系薬剤などと比べて、水中で比較的短時間で分解または消費される。たとえば、図6に示すように、前記薬剤注入方式に代えてオゾン注入方式がある。図6において、60はオゾン発生器、61はエジェクターなどのオゾン注入機、62は循環水を引き抜くポンプである。冷却塔53の貯水槽52の冷却水が前記ポンプ62で引き抜かれ、オゾン発生器60で発生させた気体状のオゾン含有ガスは注入機61で引き抜かれた冷却水に溶解され、貯水槽52に戻される。塩素系薬剤などと異なる注入方式をとるのは、オゾンは不安定でかつ反応性が高いので、水中で速やかに分解および消滅するからである。通常は連続的に注入される。オゾン注入量は冷却水の水質に依存するが、1トンの保持冷却水量に対して、1日1.7〜80グラム必要とされている(フェデラル テクニカル アラーツ(Federal Technical Alerts), 米国エネルギー省,エー イー プライヤ( A. E. Pryor )およびエム フィッシャー( M. Fisher), オゾン サイエンス アンド エンジニアリング(Ozone Science & Engineering), 16(6),505-536(1994))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記オゾンを用いるばあい、適正にオゾンを注入すると、前記塩素系薬剤などの殺菌剤を使ったばあいの問題点の多くは解決できるが、オゾン発生器およびオゾンを効率よく発生させるための費用が比較的高くなるという問題や、水中のオゾンが気中に放出されやすいため、充分な効果を出すのに必要なオゾン量を注入できず、冷却水中の溶存オゾン濃度に制限があるという問題がある。このため、設備および維持費が高くなりやすい。
【0010】
前記オゾン注入方式の装置に代えて、たとえば発電所の冷却用水管に用いられている微生物除去装置(特公昭59−2559号公報参照)を接続することが考えられる。しかしながら、かかる除去装置により、前記ポンプ62で引き抜かれた冷却水にオゾンを注入しても配管59から流し出されるため、不経済であり、効率よく生物障害を防止できない。
【0011】
本発明は、叙上の事情に鑑み、経済的、かつ、確実に生物障害を防止できる冷却水系生物障害防止方法および装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかわる冷却水系生物障害防止方法は、冷却水を冷却塔と熱交換器からなる閉回路で循環させる冷却水系の循環水路に、高濃度のオゾンを間歇的に注入し、オゾン注入期間中および冷却水中の溶存オゾン量が所定値以下の期間中、冷却塔の通気を停止または減速することにより通気量を制御することを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明にかかわる冷却水系生物障害防止方法は、オゾン注入間隔および時間が、それぞれ1日に2回以下および5分以下であり、注入時間中の冷却水系中の冷却水中の溶存オゾン濃度の平均値が約0.1mg/リットル以上にしたものである。
【0014】
請求項3の発明にかかわる冷却水系生物障害防止装置は、原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置と、生成したオゾンを一時的に貯蔵するオゾン貯蔵装置と、冷却水を冷却塔と熱交換器からなる閉回路で循環させる冷却水系の循環水路に、貯蔵したオゾンを注入するオゾン注入溶解機と、オゾン注入期間中および冷却水中の溶存オゾン濃度が所定値以下の期間中、冷却塔の通気を停止または減速する通気量制御手段とからなることを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明にかかわる冷却水系生物障害防止装置は、前記オゾン貯蔵装置が、オゾン化酸素からオゾンを吸着貯留し、かつ、このオゾンを脱着する吸脱着装置と、該吸脱着装置によりオゾンが吸着されたのちの酸素をオゾン発生装置へ戻す循環ブロアを備えているようにしたものである。
【0017】
請求項の発明にかかわる冷却水系生物障害防止装置は、オゾン注入期間中および冷却水中の溶存オゾン濃度が所定値以上の期間中、冷却塔排気空気に紫外線を照射する紫外線照射手段を設けるようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1にかかわる冷却水系生物障害防止装置を示す構成図である。かかる生物障害防止装置は、図1に示すように、通気扇1、充填部2および貯水槽3からなる冷却塔4と、該冷却塔4に冷却水を閉回路で循環させる循環水路WLに連結される循環ポンプ5および熱交換器6と、前記循環水路WLに接続される分岐回路に連結される分岐ポンプ7およびオゾン注入溶解機8と、該オゾン注入溶解機8に接続されるオゾン貯蔵装置9とから構成されている。またオゾン貯蔵装置9は、オゾンを発生するオゾン発生装置10と、酸素供給源11と、循環ブロア12と、生成したオゾンを一次的に貯留する吸脱着装置(塔)13と、該吸脱着塔13を冷却する冷熱源14と、前記吸脱着塔13を加熱する加熱源15および切換弁(電磁弁)群16a〜16gとから構成されている。なお、4aは補給のための新水用配管58であり、4bは循環水の引き抜き水用配管である。そして、前記オゾン注入溶解機8として、たとえば前記吸脱着塔13からオゾンを減圧吸引して取り出すエジェクタを用いることができる。また、吸脱着塔13は二重筒になっており、そのうち内筒は吸着剤が充填されているとともに、外筒は熱媒体が充填されている。吸着剤としては、オゾンと接触したときの分解率が低いものを選ぶことが望ましく、たとえばシリカゲル、活性アルミナやフルオロカーボンを含浸させた多孔質材料などが用いられ、一方、熱媒体としては、たとえばエチレングリコールやアルコール類が使用される。なお、前記循環ブロア12、オゾン発生器10および吸脱着塔13の順に一つの循環系OLを構成している。
【0019】
つぎにかかる装置の動作について説明する。この動作にはオゾンの吸着動作、脱着動作および生物除去動作の3つの動作がある。
【0020】
最初に吸着動作について説明する。酸素供給源11により循環系OL内が常時一定圧力になるように酸素を供給する。切換弁16c〜16dが開いた状態で、循環ブロア12により循環系OL内に酸素を流通させると、オゾン発生器10の放電空隙中を通過するあいだに、無声放電により酸素の一部がオゾンに変換されてオゾン化酸素になったのち、このオゾン化酸素は吸脱着塔13へ搬送される。吸脱着塔13内の吸着剤は、オゾンを選択的に吸着し、残りの酸素は切り換え弁16cを介して循環ブロア12に返送される。オゾンとして消費された酸素は酸素供給源11により補充される。このとき、吸着剤は冷却するほどオゾンの吸着容量が増えるという性質を有することから、通常冷却温度は冷熱源14により−40℃以下にされている。また、循環系OL内の圧力を高くするほど、オゾンを効率的に蓄えることができる。しかし、オゾン発生効率やオゾン貯蔵効率を考えると、過度に循環系OL内の圧力を高くすることは、貯蔵時の消費電力を増大させることになり、最大でも5kg/cm2G程度に維持することが望ましい。
【0021】
吸脱着塔13内の吸着剤がオゾン飽和吸着量近くまで吸着すると、つぎにオゾンの脱着(分離)動作へ移行する。脱着動作ではオゾン発生器10、循環ブロア12および冷熱源14が稼動を停止し、切換弁16a〜16dが閉じる。そののち、加熱源15、分岐ポンプ7が稼動を始めて切換弁16e〜16gが開く。このとき、吸着剤に吸着されていたオゾンが脱着し易いように加熱源15により、数分間で分離できる10℃以上の熱が加えられ吸着剤の温度を上昇させる。そしてエジェクタ9で吸脱着塔13内のオゾンを一気に減圧吸引し、オゾンが冷却塔4の貯水槽3から熱交換器6に至る配管の途中に設けられた分岐回路に間歇的に注入される。このようにして、冷却塔4の充填部2内の充填材、熱交換器6の表面およびその他水路壁にオゾンが供給され、それらの表面に付着している生物の除去が行なわれる。このとき、減圧吸引することによる吸脱着塔13内の到達圧力は絶対圧で約0.1kg/cm2となる。このように、脱着期間が終了すると、再び初期の吸着動作へと移行して連続的に運転が繰り返される。
【0022】
注入されるオゾン濃度は、循環流中の溶存オゾン濃度が所定濃度以上でなければならないため、高濃度であることが望ましい。本実施の形態によれば、小容量のオゾン発生装置で高濃度のオゾンを大量に間歇供給できる。注入間隔および注入時間が長くなると、生物除去に与える影響が小さい低濃度のオゾンが注入されるために、注入時間は1〜5分で充分である。また、注入回数が多くなるほど、生物除去に与える影響は多少大きくなるが、1回と10回とでは生物除去効果の差は小さい。さらに、注入回数が増えると、容量の大きなオゾン発生装置が必要となることから、経済的な効果が小さくなるため、注入間隔は1日1〜2回で充分である。
【0023】
注入時間中の冷却水系中の溶存オゾン濃度は、オゾン注入部から最も離れている冷却塔4の充填部2内の充填剤表面での生物付着を確実に行うために、平均で少なくとも0.1mg/リットル、望ましくは0.2mg/リットルである。溶存オゾン濃度が高ければ注入時間を短くすることができる。
【0024】
つぎに、100m3の冷却水をもつ冷却水系について具体的に述べる。このばあいの循環水量を1635m3/日とする。1日2回、5分間で平均2〜5g/m3のオゾンを注入することにより、系内の生物障害は防止できる。このばあいのオゾン注入量は1日23〜57gである。なお、前記従来の技術によれば、必要なオゾン量は1日当たり、170〜8000g必要である。またオゾン発生器の容量は、前記従来の技術では7〜333g/時であるのに対して、本実施の形態のシリカゲルによる吸着と貯蔵型の間歇オゾン発生装置では、オゾン蓄積のためのオゾン発生装置の稼働時間を1日20時間として12〜2.9g/時と極めて小容量でよい。循環水量が前記より多くなると、必要オゾン量も増加するが、従来の技術と比べて経済性は高い。
【0025】
このように、高濃度のオゾンを冷却水に注入することにより、極めて短時間で付着生物の殺菌が可能になり、それにより短時間の間歇注入ができる。
【0026】
本実施の形態では、分岐ポンプ7で分岐駆動するエジェクタがオゾン注入溶解機8として用いられているが、分岐回路を設けず循環流に直接注入してもよい。なお、前記溶解機8はエジェクタに限られるものではない。また、本実施の形態では、オゾン注入箇所は貯水槽と熱交換器のあいだであるが、循環水の貯水量や配管長さにより、他の箇所であってもよいし、系内の汚損状態により、注入箇所を複数にするばあいもあるが、要するに循環水路WL内にあればよい。たとえば、熱交換器の前後の配管にオゾンを注入することにより、冷却塔の充填材と熱交換器表面を効率的に生物除去でき、生物障害防止能力を増大できる。
【0027】
前記実施の形態では、シリカゲルなどの吸着剤にオゾンを吸着させてオゾンを貯蔵し、そのオゾンを間歇的に注入するばあいについて説明したが、オゾンをガス状態のまま圧縮して貯蔵するようにしてもよい。これにより、オゾン貯蔵装置を構成する部品数を低減することができ、装置を簡素化できる。しかし、ガス圧縮貯蔵では、オゾン貯蔵装置に供給した以上のオゾン濃度でオゾンを注入することができないといった欠点を有している。
【0028】
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2における冷却水系生物障害防止装置を示す構成図であり、図2において、前記実施の形態と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0029】
21は冷却塔4の充填部2を通過した冷却水中のオゾン濃度を測定するオゾン濃度計、22はオゾン濃度計21からの信号を受けて、冷却塔4の通気扇1の運転を制御する制御装置である。
【0030】
つぎに動作について説明する。この動作にはオゾンの吸着動作、脱着動作および生物除去動作の三つの動作がある。しかし、オゾンを吸着する動作およびオゾンを脱着する動作については前記実施の形態1と同様であるため、ここでは省略する。
【0031】
貯蔵されていたオゾンが、冷却塔4の貯水槽3からオゾン貯蔵装置9内の熱交換器6(図1参照)に至る配管の途中に設けられた分岐回路に間歇的に注入されると、充填部2の充填材、熱交換器表面およびその他水路壁にオゾンが供給され、それらの表面に付着している生物の除去が行なわれる。この際、冷却塔4の充填部2の出口において、冷却水中のオゾン濃度はオゾン濃度計21によってモニタリングされている。オゾン濃度が所定値以上のばあいには、オゾン濃度計21より信号が制御装置22に送られ、制御装置22は冷却塔4における通気扇1の強制通気が停止または減速されるように信号を送る。
【0032】
オゾン注入時の冷却水中のオゾン濃度は少なくとも0.1〜0.2mg/リットルになる。オゾンは水に比較的解けにくい気体であるため、循環水から空気中にオゾンが放散される。またオゾンは空気中でも不安定であるので、比較的問題は少ないが、それでも空気中への放散は防がなければならない。オゾン注入時に通気扇の通気を停止または減速することにより、オゾンが水中で速やかに消費および分解されるという特性を利用することができ、放散を最小限にすることができる。また、これにより、大気放散するオゾン量を低減でき、オゾンを有効に利用できるようになる。なお、強制通気を停止または減速しても、その時間が短いので、実用上問題になることは少ない。
【0033】
本実施の形態では、冷却水中のオゾン濃度をモニタリングしておき、その値に合わせて強制通気が停止または減速されるばあいについて示したが、オゾン注入時間中またはその直後の一定時間のあいだ、冷却塔の通気を強制的に停止または減速することもできる。
【0034】
また、前記実施の形態では、冷却水中のオゾン濃度をモニタリングするばあいについて説明したが、冷却塔内を流れる空気中のオゾン濃度をモニタリングすることもできる。
【0035】
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3における冷却水系生物障害防止装置を示す構成図であり、図3において、前記実施の形態と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0036】
31は冷却塔4内に流れる空気中のオゾンを分解する紫外線を照射する紫外線照射装置であり、前記オゾン濃度計21と前記紫外線照射装置31を制御する制御装置32とにより紫外線照射手段を構成する。
【0037】
つぎに動作について説明する。この動作にはオゾンの吸着動作、脱着動作および生物除去動作の三つの動作がある。しかし、オゾンを吸着する動作およびオゾンを脱着する動作については前記実施の形態1と同様であるため、ここでは省略する。
【0038】
貯蔵されていたオゾンが、冷却塔4の貯水槽3からオゾン貯蔵装置9内の熱交換器6(図1参照)に至る配管の途中に設けられた分岐回路に間歇的に注入されると、充填部2の充填材、熱交換器6の表面およびその他水路壁にオゾンが供給され、それらの表面に付着している生物の除去が行なわれる。この際、冷却塔4の充填部2の出口において、冷却水中のオゾン濃度はオゾン濃度計21によってモニタリングされている。オゾン濃度が所定値以上のばあいは、オゾン濃度計21より信号が制御装置32に送られ、制御装置32は紫外線照射装置31に信号を送り、紫外線の照射が開始される。
【0039】
オゾンは紫外線を吸収すると瞬時に分解され、さらに水分があるとつぎの式で示すように高い量子効率でオゾンを分解できるので、比較的小容量の紫外線ランプで簡単、かつ、経済的にオゾンを分解することができる。なお、紫外線ランプは通気空気と直接接触しない、または接触が少ない位置に設置することにより、ランプ表面の汚染を少なくできる。
【0040】
3 +紫外線→ O2 +O
O + H2O→2OH
OH+ O3 →HO2 +O2
HO2+ O3 → OH +2O2
これにより、冷却水中の溶存オゾンの大気放散を防止することができ、安全な冷却水系生物障害防止装置をうることができる。
【0041】
本実施の形態では、強制通気の制御の有無については触れなかったが、紫外線によるオゾンの分解は非常に速いために、当該制御の有無のばあいにおいてもほぼ同様の効果がえられる。
【0042】
また、本実施の形態では、冷却塔4の通気扇1の入り口に紫外線照射装置31を設けるばあいについて示したが、図4に示すように、冷却塔4の通気扇1の出口に紫外線照射装置31を設けるようにし、冷却塔4の通気扇1を稼働するようにしてオゾンを分解するようにしても同様の効果がえられる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、冷却水を冷却塔と熱交換器からなる閉回路で循環させる冷却水系の循環水路に、短期間に効率良く高濃度のオゾンを間歇的に注入し、オゾン注入期間中および冷却水中の溶存オゾン量が所定値以下の期間中、冷却塔の通気を停止または減速することにより通気量を制御できるようにしたので、経済的、かつ、確実に生物障害を防止できる。また生物障害防止を行なう際に用いるオゾン量を低減することができるとともに、装備するオゾン発生器の能力を低減することができる効果がある。
【0044】
請求項2の発明によれば、オゾン注入間隔および時間を1日に2回以下および5分以下とし、注入時間中の冷却水系中の冷却水中の溶存オゾン濃度の平均値が約0.1mg/リットル以上、望ましくは0.2mg/リットル以上とするようにしたので、生物障害防止を行なう際に用いるオゾン量を低減することができる効果がある。
【0045】
請求項3の発明によれば、原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置と、生成したオゾンを一時的に貯蔵するオゾン貯蔵装置と、冷却水を冷却塔と熱交換器からなる閉回路で循環させる閉回路で循環する冷却水系の循環水路に、貯蔵したオゾンを注入するオゾン注入溶解機と、オゾン注入期間中および冷却水中の溶存オゾン濃度が所定値以下の期間中、冷却塔の通気を停止または減速する通気量制御手段とから構成するようにしたので、生物障害防止を行なう際に用いるオゾン量を低減することができ、装備するオゾン発生器の能力を低減することができる効果がある。
【0046】
請求項4の発明によれば、オゾン化酸素からオゾンを吸着貯留し、かつ、このオゾンを脱着する吸脱着装置と、前記吸脱着装置によりオゾンが吸着されたのちの酸素をオゾン発生装置へ戻す循環ブロアを備えるオゾン貯蔵装置を有するようにしたので、生物障害防止を行なう際に用いるオゾン量を低減することができ、装備するオゾン発生器の能力を低減することができる効果がある。
【0048】
請求項の発明によれば、オゾン注入期間中および冷却水中の溶存オゾン濃度が所定値以上の期間中、冷却塔排気空気に紫外線を照射する紫外線照射手段を設けるようにしたので、大気へのオゾンの放散を最小限にすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における冷却水系生物障害防止装置を示す構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態2における冷却水系生物障害防止装置を示す構成図である。
【図3】 本発明の実施の形態3における冷却水系生物障害防止装置を示す構成図である。
【図4】 本発明の実施の形態3における他の冷却水系生物障害防止装置を示す構成図である。
【図5】 従来の冷却水系生物障害防止装置を示す構成図である。
【図6】 従来の他の冷却水系生物障害防止装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 通気扇、2 充填部、3 貯水部、4 冷却塔、5 循環ポンプ、6 熱交換器、7 分岐ポンプ、8 オゾン注入溶解機、9 オゾン貯蔵装置、10 オゾン発生装置、11 酸素供給源、12 循環ブロア、13 吸脱着塔、14 冷熱源、15 加熱源、16a〜16g 切換弁、21 オゾン濃度計、22、32 制御装置、31 紫外線照射装置、OL 循環系、WL 循環水路。

Claims (5)

  1. 冷却水を冷却塔と熱交換器からなる閉回路で循環する冷却水系の循環水路に、高濃度のオゾンを間歇的に注入し、オゾン注入期間中および冷却水中の溶存オゾン量が所定値以下の期間中、冷却塔の通気を停止または減速することにより通気量を制御することを特徴とする冷却水系生物障害防止方法。
  2. オゾン注入間隔および時間が、それぞれ1日に2回以下および5分以下であり、注入時間中の冷却水系中の冷却水中の溶存オゾン濃度の平均値が約0.1mg/リットル以上である請求項1記載の冷却水系生物障害防止方法。
  3. 原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置と、生成したオゾンを一時的に貯蔵するオゾン貯蔵装置と、冷却水を冷却塔と熱交換器からなる閉回路で循環させる冷却水系の循環水路に、貯蔵したオゾンを注入するオゾン注入溶解機と、オゾン注入期間中および冷却水中の溶存オゾン濃度が所定値以下の期間中、冷却塔の通気を停止または減速する通気量制御手段とからなることを特徴とする冷却水系生物障害防止装置。
  4. 前記オゾン貯蔵装置が、オゾン化酸素からオゾンを吸着貯留し、かつ、このオゾンを脱着する吸脱着装置と、該吸脱着装置によりオゾンが吸着されたのちの酸素をオゾン発生装置へ戻す循環ブロアを備えてなる請求項3記載の冷却水系生物障害防止装置。
  5. オゾン注入期間中および冷却水中の溶存オゾン濃度が所定値以上の期間中、冷却塔排気空気に紫外線を照射する紫外線照射手段が設けられてなる請求項3または4記載の冷却水系生物障害防止装置。
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