JP3732311B2 - 有機インジウム化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体を製造する為のMOCVD(Meralorganic Chemical Vapor Deposition)によるエピタキシャル成長用材料として有用な有機インジウム化合物をグリニャール反応を応用して製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、III−V族及びII−VI族の化合物半導体が、半導体発光素子、マイクロ波トランジスタ等の広い分野に用いられるようになり、それらの優れた特性を利用して、高速コンピューター用集積回路、オプトエレクトロニクス用集積回路等にも使用されるようになった。
【0003】
これら広範な用途に利用される化合物半導体は、結晶成長法として、有機金属化合物を用いたMOCVD法により製造される。MOCVD法は、化合物あるいは混晶半導体のエピタキシャル薄膜を形成する上で多く用いられる結晶成長法のひとつで、例えば、トリメチルインジウム、トリメチルガリウム、ジメチル亜鉛のような有機金属化合物を原料とし、その熱分解反応を利用して薄膜の結晶成長を行う方法である。
【0004】
これら有機金属化合物は、通常、ハロゲン化金属とグリニャール試薬とを反応させたり、金属単体あるいは、合金とハロゲン化炭化水素とを反応させて製造されるが、特に、有機インジウム化合物を製造する場合、ハロゲン化インジウムとしては、塩化インジウムが用いられ、エーテル溶媒中でグリニャール試薬と反応させて製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、固体であるハロゲン化インジウムの添加コントロールが困難であり、添加量が一定せず、反応温度の急上昇や、副生する溶媒に溶けにくく析出しやすいハロゲン化マグネシウムが急激に生成するため、反応溶液の粘性が上昇して反応自体が進行しなくなるばかりか、前述の副生物や最終生成物によって固化して、攪拌不能の状態となるという問題点を有していた。
【0006】
本発明者は上記問題点に鑑み鋭意研究した結果、有機マグネシウムハロゲニドをエーテル溶媒に懸濁させたエーテル懸濁液中に、ハロゲン化インジウムを溶解したエーテル溶液を添加して反応させると上記問題点が解決し、有機インジウム化合物を容易に効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、トリメチルインジウム等の結晶性の有機インジウム化合物を容易に安全に効率よく製造できる方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、有機マグネシウムハロゲニドをジエチルエーテル溶媒に懸濁させたジエチルエーテル懸濁液中に、三塩化インジウムを溶解したジエチルエーテル溶液を添加して反応させることを特徴とするトリメチルインジウムの製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0012】
本発明は、有機インジウムと有機マグネシウムハロゲニドとをグリニャール反応させて有機インジウムを製造する方法の改良発明であり、該製造方法において有機マグネシウムハロゲニドのエーテル懸濁液中に、ハロゲン化インジウムをエーテル溶液に溶解させた状態で添加、反応させることを特徴とするものである。
【0013】
エーテル溶媒に懸濁させる有機マグネシウムハロゲニドとしては、例えば、低級アルキルマグネシウムハロゲニド、フェニルマグネシウムハロゲニド、シクロペンタジエニルマグネシウムハロゲニドなどが挙げられる。これらフェニル基やシクロペンタジエニル基はさらに低級アルキル基が置換されてもよい。
【0014】
上記の有機マグネシウムハロゲニドを構成する低級アルキル基としては、炭素数1〜4の置換基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、l−プロピル、n−ブチル、l−ブチル、s−ブチル、t−ブチル基等が挙げられる。アルキル置換フェニル基としては、トリル、キシリル、エチルフェニル、イソプロピルフェニル、n−ブチルフェニル、l−ブチルフェニル、s−ブチルフェニル、t−ブチルフェニル基等が挙げられる。また、これらのアルキル基置換フェニル基には、上記の例にさらに1または2以上の低級アルキル基が置換してアルキル基置換フェニル基を構成してもよい。アルキル基置換シクロペンタジエニル基としては、メチルペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、及び炭素数6個以上の同一または、異なるアルキル基で置換されたシクロペンタジエニル基などが挙げられる。有機マグネシウムハロゲニドを構成するハロゲンは、塩素でもよく臭素でもよい。
【0015】
有機マグネシウムハロゲニドを懸濁させるエーテル溶媒としては、炭素数2〜5の鎖状脂肪族エーテル等が好ましく、特に、ジエチルエーテルが最も好ましい。テトラヒドロフランの様に溶解度の高いエーテル系溶媒を用いることも可能であるが、テトラヒドロフランを用いると合成されてくる有機インジウム化合物と溶媒とで錯体が形成され、この錯体の結合を解離させて単離精製することは困難を伴う。
【0016】
次に、本発明においては、マグネシウムハロゲニドのエーテル懸濁液中に、ハロゲン化インジウムをエーテル溶媒に溶解して添加する。エーテル溶媒としては、上記の有機マグネシウムハロゲニドを懸濁させるエーテル溶媒と同じものが好ましく、炭素数2〜5の鎖状脂肪族エーテル、特に、ジエチルエーテルが最も好ましい。エーテル溶液中のハロゲン化インジウムの濃度であるが、5〜30重量%が好ましい。30%重量%を越えると、溶解に長時間を要し、5重量%未満では、エーテル溶媒を多量に使用することとなり不経済である。また、ハロゲン化インジウムのハロゲンは臭素または塩素が好ましい。
【0017】
有機マグネシウムハロゲニドは溶解性が低く、攪拌を停止すると沈降し、沈降状態では、ハロゲン化インジウムと反応しにくくなるので、有機マグネシウムハロゲニドのエーテル懸濁液を攪拌しながらハロゲン化インジウムが添加される。有機マグネシウムハロゲニドは、グリニャール試薬合成反応によって、ハロゲン化有機物とマグネシウムとが上記エーテル溶媒中で反応して合成される。反応温度は30〜50℃が好ましく、30℃未満では反応が遅く、また、50℃より高いと不経済である。
【0018】
本発明において製造される有機インジウム化合物は、例えば、トリメチルインジウム等が挙げられる。これら有機インジウム化合物は、化合物半導体の形成にあたり、エピタキシャル成長用有機インジウム化合物として好ましく用いられる。
【0019】
グリニャール試薬である有機マグネシウムハロゲニドとハロゲン化インジウムとを反応させて有機インジウム化合物を製造する従来の製造方法においては、グリニャール試薬のエーテル懸濁液中にハロゲン化インジウムを直接添加すると、固体であるハロゲン化インジウムの添加コントロールが困難であり、添加量が一定せず、反応温度の急上昇や、副生する溶媒に溶けにくく析出しやすいハロゲン化マグネシウムが急激に生成するため、反応溶液の粘性が上昇して反応自体が進行しなくなるばかりか、前述の副生物や最終生成物によって固化して、攪拌不能の状態となるという問題点があった。本発明においては、ハロゲン化インジウムをエーテル溶媒に溶解させてそのエーテル溶液を添加することによって、上記問題点が回避され、安全に効率よく製造できるようになる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるのもではない。
【0021】
[実施例1]
容量5リットルのガラス製反応器にマグネシウム屑98g(4.1モル)と、ジエチルエーテル1250ミリリットルとを添加し、さらに沃化メチル1ミリリットルを添加してマグネシウムと沃化メチルとの反応の開始を確認した。その後反応器内に塩化メチルを10リットル/時の速度でフィードした。マグネシウムと塩化メチルとを反応させながら継続的にその中を攪拌し続け、12時間後に懸濁状態のグリニャール試薬を得た。
その後このグリニャール試薬の懸濁液にベンゼン750ミリリットルを加え、その後攪拌を続けた。
それとは別に、マグネット回転子を入れた2000ミリリットルの三角フラスコに微粉末状態の三塩化インジウム250g(1.14モル)を入れ、750gのジエチルエーテルに常温で、2日間かけて溶解し準備した。
三塩化インジウムの溶液を、前述のグリニャール試薬の入った容器内に4時間かけて少量ずつ添加し、三塩化インジウムとグリニャール試薬とを反応させ、これによってトリメチルインジウムの粗反応液を得た。この時の反応器内は、急激な反応温度の上昇も見られず、30〜35℃と安定していた。
次いで、そのトリメチルインジウムの粗反応液をガラスビーズを充填した30cm×1.5cmφのカラムを用いて蒸留し、留分440gを得た。この留分を1H−NMRにて分析したところトリメチルインジウムを示すシグナルが確認され、35重量%で154g含有されていた。収率は、三塩化インジウム基準で85%であった。
この実験から、ジエチルエーテルに溶解した三塩化インジウムを滴下すると、急激な反応温度の上昇も緩和され、攪拌状態が良好に保て、反応が順調に進行することがわかった。
【0022】
[比較例1]
実施例1と同様にグリニャール試薬を合成した後、実施例1に示すジエチルエーテルに溶解した塩化インジウムを使用せず、微粉末状態の三塩化インジウム250gを粉末のまま直接添加したこと以外は、実施例1に示す方法と同様にトリメチルインジウムの合成反応したところ、粉末状態の三塩化インジウムの添加コントロールが難しく、均一に添加できず、反応温度が20℃から35℃に急上昇し、塩化マグネシウムの生成も一時的に激しくなり、攪拌困難な状態が確認された。
その後実施例1と同様に得られた粗反応液の蒸留を行い、留分425gが得られ、このものを分析したところ、トリメチルインジウムは、含有量33重量%の140gであり、三塩化インジウム基準で収率77%と若干低い値であった。
【0023】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、グリニャール反応で有機インジウム化合物を製造する際に、反応液の急激な温度上昇がなくなり、攪拌不能の状態になることがなく、反応の中断が生じることがない。これにより、エピタキシャル成長材料として有用な有機インジウム化合物を安全に効率よく製造できるようになり、有機インジウム化合物の優れた製造方法を提供することが出来る。
Claims (1)
- 有機マグネシウムハロゲニドをジエチルエーテル溶媒に懸濁させたジエチルエーテル懸濁液中に、三塩化インジウムを溶解したジエチルエーテル溶液を添加して反応させることを特徴とするトリメチルインジウムの製造方法。
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| JP18588797A JP3732311B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 有機インジウム化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP18588797A JP3732311B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 有機インジウム化合物の製造方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
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| JP18588797A Expired - Fee Related JP3732311B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 有機インジウム化合物の製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
| EP2559681B1 (en) * | 2011-08-15 | 2016-06-22 | Dow Global Technologies LLC | Organometallic compound preparation |
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1997
- 1997-06-26 JP JP18588797A patent/JP3732311B2/ja not_active Expired - Fee Related
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