JP3718635B2 - ポリプロピレン系樹脂の積層発泡成形品とその製造に用いる積層発泡体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、新規なポリプロピレン系樹脂の積層発泡成形品とその製造に用いる積層発泡体、ならびに上記積層発泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンビニエンスストアやスーパーマーケットにおいて販売される弁当、丼などの食品包装容器その他の一般包装容器としては、保温性、断熱性、強度等を考慮して発泡ポリスチレン製のものが広く用いられてきた。
しかし近時、とくに食品包装容器に、発泡ポリスチレン製の容器では得られない高い耐熱性、耐油性が要求されるようになってきた。これは、コンビニエンスストアでの、弁当等の、電子レンジを用いた加熱調理サービスが普及しつつあることや、一般家庭への電子レンジの普及率が向上して、一般家庭でも、容器ごと食品を加熱調理する機会が増加しつつあることなどが原因である。
【0003】
耐熱性、耐油性に優れ、電子レンジ調理が可能な食品包装容器としては現在、タルク等のフィラーを充てんしたポリプロピレンシート製の、非発泡の容器が一般的である。しかし上記容器は非発泡ゆえに断熱性が不十分であり、特に電子レンジによる加熱調理後、容器を取り出す際に壁面や底面が高温になるという問題がある。また、フィラーを多量に含有しているためリサイクルが難しいという問題もある。
【0004】
そこで、ポリプロピレン系樹脂の発泡シートを熱成形して食品包装容器を製造することが検討された。ポリプロピレン系樹脂の発泡シートは、発泡ポリスチレンと同様に発泡構造を有するため断熱性に優れている。また発泡ポリスチレンに比べて耐熱性、耐油性に優れ、なおかつ殆どの場合は多量のフィラーを含有しないためリサイクル性にも優れている。
ところがポリプロピレン系樹脂の発泡シートを単独で熱成形して製造した容器は剛性が低く、特に電子レンジによる加熱調理後の高温の状態では強度が大きく低下する。このため、例えば弁当容器や麺類容器、カレー容器、パスタ容器のように開口部の広い容器において、内容物の重みで容器の全体が湾曲、変形して、内容物がこぼれやすいという問題がある。そこで現在は、発泡シートの目付重量を上げることで高温時の湾曲、変形に対応しているが、このことが容器のコスト上昇を招くという新たな問題を生じている。
【0005】
また、上記ポリプロピレン系樹脂の発泡シートを熱成形して容器を製造する際には、成形装置の加熱ゾーンにおいてシートが大きく垂れ下がるドローダウンや、シートが波打つコルゲート等を生じやすい。そして、シートの加熱が不均一になって良好な容器を製造できなくなるという問題もある。特に目付重量の大きい発泡シートほど、この傾向が強い。
ポリプロピレン系樹脂の発泡シート単独での、こうした問題を解決するために、同系である二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム(以下「OPPフィルム」と略記する)を積層した積層発泡体を使用することが提案されている(特許第2904337号公報、特開平11−170455号公報等)。
【0006】
かかる積層発泡体は、OPPフィルムの積層によって高温時の容器の剛性を改良したものゆえ、加熱調理時に大きく湾曲、変形することが防止される。また、この積層によって発泡シートの目付重量を小さくできるため、製造工程上の問題をも解決できると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし発明者らが検討したところによると、上記従来の積層発泡体から製造される、容器等の積層発泡成形品は、その表面に光沢がありすぎて落ち着いた風合いが得られないという問題があることが明らかとなった。
表面の光沢は、発泡シートとOPPフィルムとを積層して積層発泡体を製造する際の条件、とくに積層時にOPPフィルムが受ける熱量を大きくすることで、ある程度は抑えることができる。また、製造された積層発泡体を熱成形して積層発泡成形品を製造する際にOPPフィルムが受ける熱量を大きくすることでも、表面の光沢をある程度、抑えることができる。しかしそれでもなお、成形品の表面は、十分に艶消しがされた、落ち着いた風合いを持ったものとはなりえない。
【0008】
のみならず上記の方法では、加える熱量に対する光沢の変化の程度が、積層体を形成する発泡シートおよびOPPフィルムの特性などの、種々の要因によって変動してしまって一定しないという問題もある。たとえば積層体上の、とくに樹脂の押出方向(MD方向)と交差する幅方向(TD方向)の位置の違いや、発泡シートの密度、OPPフィルムの厚み、基材樹脂の種類などの違いによって、加える熱量に対する光沢の変化の程度が異なったものとなる。このため、積層時や熱成形時の熱量をコントロールすることだけでは、艶消しの度合いがほぼ一定である成形品を、安定して製造することは困難である。
【0009】
この発明の目的は、電子レンジ調理等に使用できる耐熱性、耐油性、断熱性を有し、かつ高温時の剛性に優れる上、その表面が、十分に艶消しされた、落ち着いた風合いを有し、これまでにない特有の美麗な外観を備えたポリプロピレン系樹脂の積層発泡成形品を提供することにある。
この発明の他の目的は、上記の積層発泡成形品を、表面の艶消しの度合いを一定に維持しつつ安定して製造することができる積層発泡体を提供することにある。
【0010】
この発明のさらに他の目的は、上記の積層発泡体を、効率的に製造しうる製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、この発明のポリプロピレン系樹脂の積層発泡成形品は、ポリプロピレン系樹脂の発泡シートからなる基材層の少なくとも片面に、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの中間層を介して、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面層を有することを特徴とするものである。
かかる積層発泡成形品は、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム(以下「CPPフィルム」と略記する)の表面層と、その下のOPPフィルムの中間層との相乗作用によって、表面層の表面が適度に艶消しされた状態となる。すなわちCPPフィルムがOPPフィルムの光沢を和らげるとともに、OPPフィルムの光沢が、CPPフィルムが艶消しになりすぎるのを防止する作用をする。そしてその表面は、従来の、OPPフィルムに加える熱量を調整して得られる表面では得られない、十分に艶消しされた、落ち着きのある風合いを有するものとなる。しかもこの表面状態は、表面層の全面にわたってほぼ均一に現れる。したがってこの発明の積層発泡成形品は、これまでにない特有の美麗な外観を有するものとなる。
【0012】
またこの発明の積層発泡成形品は、全体がポリプロピレン系樹脂にて形成されるため、電子レンジ調理等に使用できる耐熱性、耐油性を有しており、なおかつほとんどの場合は多量のフィラーを含有しないためリサイクル性にも優れている。しかも、発泡シートを含むため高い断熱性を有する上、主にOPPフィルムによって補強されているため高温時の剛性にも優れている。
上記積層発泡成形品を製造するための、この発明の積層発泡体は、ポリプロピレン系樹脂の発泡シートの少なくとも片面に、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを介して、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層したことを特徴とするものである。
【0013】
かかる積層発泡体は、CPPフィルムとその下のOPPフィルムとの相乗作用によって、CPPフィルムの表面の全面が十分に、かつ均一に艶消しされた、落ち着きのある風合いを有している。しかもこの表面状態は、従来の、OPPフィルムに加える熱量を調整して得られる表面の状態とは違い、熱成形時に加える熱量の大小や、あるいは積層発泡体を構成する各層の特性の違いなどに応じて大きく変化することがない。したがってこの発明の積層発泡体によれば、前記のように特有の美麗な外観を有する積層発泡成形品を、表面の艶消しの度合いを一定に維持しつつ安定して製造することができる。
【0014】
上記積層発泡体を製造するための、この発明の製造方法は、あらかじめ作製した発泡シート、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム、および無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを、サーマルラミネート法によって直接に積層、接着することを特徴とするものである。
この発明の製造方法によれば、例えばホットメルト接着剤などを使用することなく直接に、上記各層を積層、接着できるため、層構成を単純化して積層発泡体のコストダウンを図ることができる。また各層を、長時間にわたって高温にさらすことなく、例えば後述するように熱ロールとニップロールとの間を通過させる間のごく短時間だけ加熱するだけで積層発泡体を製造できる。このため、OPPフィルムに大きな応力が蓄積されるのを防止することもでき、上記のように接着剤を省略して層構成を単純化できることと相まって、積層発泡体の熱成形性を向上することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明を説明する。
〈積層発泡体とその製造方法〉
この発明の積層発泡体は、例えば図2(a)に示すようにポリプロピレン系樹脂の発泡シート10の少なくとも片面(図では片面であるが、両面の場合も含む)に、OPPフィルム20を介して、CPPフィルム30を積層したものである。かかる積層発泡体は、図2(b)に示すように印刷層4を有していてもよい。印刷層4は、図ではOPPフィルム20とCPPフィルム30との界面に形成しているが、発泡シート10とOPPフィルム20との界面に形成してもよい。またこの両方の界面に、ともに印刷層4を形成してもよい。
【0016】
上記積層発泡体においては、先に述べたようにCPPフィルム30と、その下のOPPフィルム20との相乗作用によって、CPPフィルム30の表面の全面が、十分にしかも均一に艶消しされた、落ち着きのある風合いを有する表面状態とされる。
CPPフィルム30の表面状態は、表面の鏡面光沢度(入射角θ=60°)と、中心線平均粗さRaとで規定することができる。
【0017】
このうち鏡面光沢度は、これに限定されないが6〜60であるのが好ましい。鏡面光沢度が6未満では艶消しが強すぎ、また逆に鏡面光沢度が60を超える場合には艶消しが不十分で光沢が強すぎるため、このいずれの場合にも、落ち着きのある風合いが得られないおそれがある。なお、さらなる意匠性の向上を考慮すると、CPPフィルム30の表面の鏡面光沢度は、上記範囲内でもとくに40以下であるのが好ましい。
【0018】
また中心線平均粗さRaは、やはりこれに限定されないものの、4μm以下であるのが好ましい。中心線平均粗さRaが4μmを超えるものは、やはり落ち着きのある風合いが得られないおそれがある。なお、さらなる意匠性の向上を考慮すると、中心線平均粗さRaは、上記の範囲内でもとくに3μm以下であるのが好ましい。ちなみに中心線平均粗さRaの下限値は、言うまでもなく0μmである。
【0019】
鏡面光沢度は、日本工業規格JIS Z8741-1997「鏡面光沢度−測定方法」に規定された測定方法に準じて、下記の方法で測定される。
すなわち、上記規格に準拠する鏡面光沢度測定装置を用いて、入射角θ=60°の条件で、CPPフィルム30の、表面の反射率を測定する。次にこの測定値を、基準面の光沢度を100としたときの百分率数に換算して鏡面光沢度として表す。基準面としては、上記規格に規定された、屈折率が可視波長範囲全域にわたって一定値1.567である黒色ガラス基準面を用い、入射角θ=60°のときは、鏡面反射率10%を光沢度100と規定する。尤も、最近では、測定を行うと上記の換算を自動的に行って、鏡面光沢度を出力する機能を有する鏡面光沢度測定装置(例えば後述する実施例で使用した、株式会社堀場製作所製のグロスチェッカーIG−330など)が市販されている。かかる装置を使用すれば、上記の換算作業を省略することができる。
【0020】
一方、中心線平均粗さRaは、下記の方法で求められる。
すなわちまず、表面粗さ測定機を用いて測定するなどして、CPPフィルム30の表面の断面曲線を得る。次にこの断面曲線から、JIS B0601-1994「表面粗さ−定義及び表示」に規定された方法に基づいて、中心線平均粗さRaを求める。なお、この中心線平均粗さRaに関しても、測定を行なうと、自動的に、上記規定の方法に基づいて演算をして、その結果を出力する機能を有する表面粗さ測定機(例えば、これも後述する実施例で使用した、株式会社東京精密製のハンディサーフE−35Aなど)が市販されている。かかる測定機を使用すれば、中心線平均粗さRaを求める作業を省略することができる。
【0021】
なお、上で説明した鏡面光沢度、および中心線平均粗さRaの好適範囲は、同じ積層発泡体の、複数のサンプルについて測定した値の平均値の範囲である。測定値のうち最小値および/または最大値が好適範囲を外れていても、平均値が好適範囲内であれば、良好な外観を有するものといえる。このことは、後述する積層発泡成形品の鏡面光沢度、および中心線平均粗さRaについても同様である。
(発泡シート)
積層発泡体のうち発泡シート10を形成するポリプロピレン系樹脂としては、無架橋のポリプロピレン系樹脂が好ましい。無架橋のポリプロピレン系樹脂としては、
(A) 分子中に自由末端長鎖分岐を有する、メルトテンションが6g以上、40g以下のポリプロピレン系樹脂〔以下「樹脂(A)」とする〕、および
(B) メルトテンションが0.01g以上、6g未満で、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが3〜8であるポリプロピレン系樹脂〔以下「樹脂(B)」とする〕
からなる群より選ばれた少なくとも1種が好適に使用される。
【0022】
このうち樹脂(A)のメルトテンションの好適範囲が6g以上、40g以下とされるのは、メルトテンションが6g未満では良好な発泡性を得ることができないからである。また逆にメルトテンションが40gを超える場合には、流動性が極端に悪くなったり、ゲルを生じやすくなったりして押出加工性が低下するおそれがあるからである。なお樹脂(A)のメルトテンションは、発泡性と押し出し加工性とのバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に20〜30gであるのが好ましい。
【0023】
このような自由末端長鎖分岐を有する樹脂(A)としては、例えばモンテルSDKサンライズ社から発泡用グレードとして販売されている、商品名Pro−fax PF−814、Pro−fax SD−632などが挙げられる。
上記樹脂(A)は、押出発泡等によって発泡させた際の発泡性が良好であり、例えばその密度が0.3g/cm3未満といった低密度で発泡倍率の高い、断熱性に特に優れた発泡シート10を形成するのに適している。
【0024】
したがって樹脂(A)を単独で使用して発泡シート10を形成してもよいが、樹脂(A)は高価で、製品コストの上昇をもたらすおそれがある。このため通常は、ポリプロピレン系樹脂として樹脂(A)と樹脂(B)とを併用して発泡シート10を形成するのが好ましい。その場合にも、比較的低密度で発泡倍率の高い、断熱性に優れた発泡シート10を形成することができる。
樹脂(B)のメルトテンションの好適範囲が、前記のように0.01g以上、6g未満とされるのは、つぎの理由による。すなわちメルトテンションが0.01g未満では張力が低すぎるために、得られる発泡シート10が連続気泡構造となり易い。また逆に6g以上では、樹脂の溶融粘度が高くなって融点近傍まで樹脂温度を下げることが困難となる結果、やはり連続気泡構造となり易い。このため、このいずれの場合にも発泡シート10の品質が低下するおそれがある。なお樹脂(B)のメルトテンションは、張力と溶融粘度とのバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に0.1g以上、6g未満であるのが好ましく、0.1g以上、3g未満であるのがさらに好ましい。
【0025】
このような樹脂(B)としては、例えばプロピレンの単独重合体やエチレン−プロピレン共重合体などの、汎用のポリプロピレン系樹脂のうち、上記条件を満足するものが挙げられる。
上記樹脂(A)と樹脂(B)との総量に対する、樹脂(A)の占める割合は、10〜50重量%であるのが好ましく、10〜40重量%であるのがさらに好ましい。この理由は下記のとおりである。
【0026】
すなわち樹脂(A)は、その分子中に導入した自由末端長鎖分岐の働きによって、通常はあまり発泡性が良好でない無架橋の汎用ポリプロピレン系樹脂、つまり樹脂(B)の発泡性を向上させる機能を有する。そして、断熱性、耐油性、耐熱性を備えた発泡シート10を得るために貢献する。
しかし、自由末端長鎖分岐を有するポリプロピレン系樹脂は、自由末端長鎖分岐を有しない汎用のポリプロピレン系樹脂に比べて、剛性に劣るという問題を有している。また自由末端長鎖分岐を有するポリプロピレン系樹脂は高価であるため、製品の製造コストを上昇もたらす。
【0027】
それゆえ、樹脂(A)と樹脂(B)との総量に対する、樹脂(A)の占める割合が、前記のように50重量%以下、特に40重量%以下であるのが好ましい。
また一方、前述した樹脂(B)の発泡性を向上して、前記樹脂(A)単独の場合と同様に、その密度が0.3g/cm3未満といった低密度で発泡倍率の高い、断熱性に優れた発泡シート10を形成するためには、樹脂(A)と樹脂(B)との総量に対する、樹脂(A)の占める割合は、10重量%以上であるのが好ましい。
【0028】
なお前述したように樹脂(B)は、通常はあまり発泡性が良好でないものの、例えばその密度が0.3g/cm3以上といった、比較的発泡倍率の低い発泡シート10を製造することは可能である。したがって、ポリプロピレン系樹脂として樹脂(B)を単独で使用して発泡シート10を形成してもよい。
発泡シート10は、上記のポリプロピレン系樹脂を、例えば発泡剤とともに押出機を用いて溶融混練し、次いで押出機先端に接続した金型を通して押出発泡することによって製造される。
【0029】
金型には円形スリットダイ、T型ダイなどがあるが、円形スリットダイを通して押出発泡させた円筒状の発泡体を、その円周上の1個所または2個所以上で切開して発泡シート10を製造するのが好ましい。
押出発泡に使用する発泡剤としては、種々の揮発性発泡剤や分解型発泡剤、あるいは二酸化炭素、窒素ガス、水等が挙げられる。
このうち揮発性発泡剤としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素や、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素などの1種または2種以上が挙げられ、とくにブタンが好適に使用される。ブタンとしてはノルマルブタン、もしくはイソブタンをそれぞれ単独で使用してもよいし、ノルマルブタンとイソブタンとを任意の割合で併用してもよい。
【0030】
また分解型発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの有機系発泡剤、クエン酸等の有機酸もしくはその塩と、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩との組み合わせなどの無機系発泡剤が挙げられる。
これらの発泡剤は、いずれかを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
またポリプロピレン系樹脂にはあらかじめ、または押出機で溶融混練する際に、種々の添加剤を、この発明の効果を損なわない範囲で適宜、添加してもよい。添加剤としては、例えばタルクや、あるいはクエン酸と重炭酸ナトリウム等の、発泡の際に気泡の大きさを調整するための気泡調整剤、顔料、安定剤、フィラー、帯電防止剤等があげられる。
このうちフィラーは、成形品の強度、高温での剛性、耐久性および耐熱性を向上するために添加されるものである。かかるフィラーとしては、例えばタルク、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、クレー等の無機フィラーが挙げられる。無機フィラーは、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して5〜50重量部程度の割合で配合できる。ただし、前述したようにリサイクル性を考慮すると、フィラーの配合量はできるだけ少ないのが好ましく、全く配合しないのが理想的である。
【0032】
かくして形成される発泡シート10は、その密度が0.1〜0.85g/cm3であるのが好ましい。
発泡シート10の密度が0.1g/cm3未満では、成形品の強度や高温での剛性が低下するおそれがあり、逆に0.85g/cm3を超える場合には、成形品の断熱性が低下するおそれがある。なお発泡シート10の密度は、成形品の強度や剛性と、断熱性とのバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に0.18〜0.6g/cm3であるのが好ましい。
【0033】
また発泡シート10の厚みは、目的とする成形品の仕様などにもよるが、熱成形性を勘案すると0.3〜5mmであるのが好ましく、0.5〜3mmであるのがさらに好ましい。
(OPPフィルム)
OPPフィルム20のもとになるポリプロピレン系樹脂としては、例えばプロピレンの単独重合体が挙げられる他、プロピレンと他の樹脂とのブロック共重合体、またはランダム共重合体などが単独で、あるいは2種以上、混合して使用される。
【0034】
プロピレン以外の他の樹脂としては、例えばエチレンや、炭素数が4〜10のα−オレフィン(1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)などのオレフィンの、1種または2種以上が挙げられる。
特に好適なポリプロピレン系樹脂としては、例えばプロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、並びにプロピレン成分とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分とを含むブロック共重合体などが挙げられる。
【0035】
またポリプロピレン系樹脂には、この発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂を混合しても良い。
当該他の樹脂としては、例えばエチレン、α−オレフィン等の単独重合体もしくは共重合体、ポリオレフィン系ワックス、ポリオレフィン系エラストマー等のオレフィン系樹脂の他、石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素系樹脂などが、1種単独で、または2種以上混合して使用される。
【0036】
またポリプロピレン系樹脂には、必要に応じて種々の添加剤を、この発明の効果を損なわない範囲で適宜、添加してもよい。添加剤としては、例えば帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤、すべり性付与およびアンチブロッキング性付与を目的とした界面活性剤、フィラー等があげられる。
OPPフィルム20を製造するには、まずポリプロピレン系樹脂を、押出機を用いて溶融混練し、次いで押出機先端に接続した金型を通してフィルム状に押出成形する。そして押出成形されたフィルムを、樹脂の押出方向(縦方向、MD)と、それと直交する方向(横方向、TD)の2方向に逐次に、あるいは同時に延伸(二軸延伸)することによってOPPフィルム20が製造される。
【0037】
上記のうち逐次二軸延伸法においては、まず押出機を用いて溶融した樹脂を、押出機の先端に接続したTダイよりフィルム状に押出して、冷却ロール上で冷却固化する。次いで加熱ロール延伸機を用いてMD方向に延伸したのち、テンター横延伸機を用いてTD方向に延伸する方法が行われる。また、同時二軸延伸法としてはテンター法、チューブラーインフレーション法などが挙げられる。
OPPフィルム20の延伸量などは特に限定されないが、その面積延伸倍率、すなわち
面積延伸倍率=(MD方向の延伸倍率)×(TD方向の延伸倍率)
は4〜50倍であるのが好ましい。
【0038】
面積延伸倍率が4倍未満では、OPPフィルム20を積層したことによる、積層発泡体のドローダウンを改善する効果や、あるいは成形品の強度、高温での剛性等を向上する効果が不十分になるおそれがある。一方、面積延伸倍率が50倍を超える場合には、積層発泡体の熱成形性が低下するおそれがある。なお面積延伸倍率は、ドローダウンの改善効果や、成形品の強度および剛性を向上する効果と、積層発泡体の熱成形性とのバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に15〜35倍であるのが好ましい。
【0039】
またMD方向およびTD方向の延伸倍率は、ともに2〜10倍であるのが好ましい。
延伸倍率が2倍未満では、OPPフィルム20を積層したことによる、積層発泡体のドローダウンを改善する効果や、あるいは成形品の強度、高温での剛性等を向上する効果が不十分になるおそれがある。一方、延伸倍率が10倍を超える場合には、積層発泡体の熱成形性が低下するおそれがある。なおMD方向およびTD方向の延伸倍率は、ドローダウンの改善効果や、成形品の強度および剛性を向上する効果と、積層発泡体の熱成形性とのバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に3〜9倍であるのが好ましい。
【0040】
OPPフィルム20の厚みは、5〜50μmであるのが好ましい。
厚みが5μm未満では、積層発泡体のドローダウンを改善するとともにコルゲートの発生を防止する効果や、成形品の、高温での剛性を改善する効果が不十分になるおそれがある。逆に厚みが50μmを超える場合には、OPPフィルム20を、発泡シート10、CPPフィルム30と積層して積層発泡体を作製する際や、作製した積層発泡体を熱成形して成形品を製造する際に多くの熱量を必要とする。このため製造効率が悪くなるおそれがある。また発泡シート10が熱によって侵されて、熱成形時に局部的に伸ばされた部分が生じるなどして、成形品の外観が悪化するおそれもある。なおOPPフィルム20の厚みは、上記各特性のバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に6〜45μmであるのが好ましい。
【0041】
また、例えばプロピレンの単独重合体などで形成される一般的なOPPフィルムは熱成形時の伸びが低いため、厚みが大きくなるほど熱成形性が低下する傾向がある。しかも上記OPPフィルムは機械的強度に優れており、厚みが小さくても十分な強度を発揮することができる。このため一般的なOPPフィルムを使用する場合、その厚みは、前記の範囲内でも小さいほど好ましい。機械的強度と熱成形性とのバランスを考慮すると、その好適な範囲は6〜25μm程度である。
【0042】
また近時、一般的なOPPフィルムに比べて機械的強度は若干、低下するものの、伸びが著しく改善されたOPPフィルムが開発された。かかるOPPフィルムは、エチレン含有量が1〜4重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体、またはエチレン含有量が0.5〜3.0重量%、1−ブテン含有量が4〜15重量%のプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体などの、比較的融点の低いプロピレン系共重合体にて形成される(特開平7−241906号公報等)。それゆえ、一般的なOPPフィルムに比べて熱成形時の伸びが良く、深絞りなどが可能で良好な成形品を得ることができる。ただし前記のように機械的強度が若干低いため、十分な強度と剛性とを有する成形品を製造するには、その厚みを、前記の範囲内で、できるだけ大きくすることが好ましい。その好適な範囲は、20〜45μm程度である。
【0043】
OPPフィルム20の表面には、例えば印刷性等を向上すべく、コロナ放電処理等の表面処理を施しても良い。
OPPフィルム20は単層のものには限定されない。例えば組成の異なるポリプロピレン系樹脂からなるOPPフィルム同士、あるいは延伸倍率の異なるOPPフィルム同士などの、2層以上のOPPフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。その場合、全てのOPPフィルムの合計の厚みが、前述した好適範囲となるように、各層の厚みを設定するのが好ましい。
【0044】
またOPPフィルム20には、この発明の効果を損なわない範囲で、例えばガスバリヤ性等の向上を目的として、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなるフィルムなど、組成の異なる他のフィルムを積層してもよい。
(CPPフィルム)
CPPフィルム30のもとになるポリプロピレン系樹脂としては、OPPフィルム20の場合と同様のポリプロピレン系樹脂が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂に、発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂を混合できる点も同様である。また、他の樹脂の種類も先の場合と同様である。さらに、ポリプロピレン系樹脂に添加してもよい添加剤の種類も先の場合と同様である。
【0045】
CPPフィルム30は、ポリプロピレン系樹脂を、押出機を用いて溶融混練し、次いで押出機先端に接続した金型を通して押出成形したフィルムを、実質的に延伸しないことで製造される。
CPPフィルム30の厚みは、5〜80μmであるのが好ましい。
厚みが5μm未満では、前述した、OPPフィルム20の光沢を和らげる効果が十分に得られず、艶消しが不十分になって、落ち着きのある風合いが得られないおそれがある。一方、厚みが80μmを超える場合には艶消しが強すぎて、やはり落ち着きのある風合いが得られないおそれがある。またCPPフィルム30を、発泡シート10、OPPフィルム20と積層して積層発泡体を作製する際や、作製した積層発泡体を熱成形して成形品を製造する際に多くの熱量を必要とする。このため製造効率が悪くなるおそれがある。また発泡シート10が熱によって侵されて、熱成形時に局部的に伸ばされた部分が生じるなどして、成形品の外観が悪化するおそれもある。なおCPPフィルム30の厚みは、上記各特性のバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に10〜50μmであるのが好ましい。
【0046】
またCPPフィルム30の厚みは、OPPフィルム20の厚みの40〜500%であるのが好ましい。
上記の範囲未満では、前述した、CPPフィルム30によってOPPフィルム20の光沢を和らげる効果が十分に得られず、艶消しが不十分になって、落ち着きのある風合いが得られないおそれがある。一方、上記の範囲を超える場合には、相対的にOPPフィルム20の効果が薄れる結果、熱成形時の積層発泡体にドローダウンやコルゲートなどが発生しやすくなるおそれがある。また、成形品の高温での剛性を改善する効果が不十分になるおそれもある。さらに、艶消しが強すぎて、落ち着きのある風合いが得られないおそれもある。なおCPPフィルム30の厚みは、上記各効果のバランスを考慮すると、上記範囲内でも特に、OPPフィルム20の厚みの50〜450%であるのが好ましい。
【0047】
CPPフィルム30の表面には、例えば印刷性等を向上すべく、コロナ放電処理等の表面処理を施しても良い。
CPPフィルム30は単層のものには限定されない。例えば組成の異なるポリプロピレン系樹脂からなるCPPフィルム同士などの、2層以上のCPPフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。その場合、全てのCPPフィルムの合計の厚みが、前述した好適範囲となるように、各層の厚みを設定するのが好ましい。
【0048】
またCPPフィルム30には、OPPフィルム20の場合と同様に、例えばガスバリヤ性等の向上を目的として、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなるフィルムなど、組成の異なる他のフィルムを積層してもよい。
上記CPPフィルム30と、その上に積層されるOPPフィルム20との合計の厚みは、20〜120μmであるのが好ましい。
厚みが20μm未満では、成形品の強度や、高温での剛性を改善する効果が不十分になるおそれがある。逆に120μmを超えた場合には、積層発泡体を熱成形する際に多くの熱量を要し、発泡シート10が熱によって侵されて、熱成形時に局部的に伸ばされた部分が生じるなどして、成形品の外観が悪化するおそれがある。なおOPPフィルム20とCPPフィルム30の厚みの合計は、これらの特性のバランスを考慮すると、上記範囲内でも特に30〜90μmであるのが好ましい。
【0049】
(印刷層4)
意匠性などを向上させるための印刷層4は、発泡シート10とCPPフィルム30との間に位置する各層の界面のいずれかに形成される。具体的には、前記のようにCPPフィルム30とOPPフィルム20との界面、もしくは発泡シート10とOPPフィルム20との界面のいずれか一方または両方に形成される。
より具体的には、
(i) OPPフィルム20の、CPPフィルム30側の表面、
(ii) CPPフィルム30の、OPPフィルム20側の表面、
(iii) OPPフィルム20の、発泡シート10側の表面、
(iv) 発泡シート10の、OPPフィルム20側の表面、
のいずれかに、積層に先立ってあらかじめ印刷層4を形成しておき、それを積層、接着することで、上記所定の位置に印刷層4が形成される。
【0050】
このうち特に(iv)の、発泡シート10の表面を除く、(i)〜(iii)のいずれかの表面に印刷層4を形成するのが、平滑性に優れ、美麗な印刷を施すことができるため好ましい。
上記(i)〜(iv)の構成では、印刷層4を、透明ないし半透明でかつ適度に艶消しされたCPPフィルム30の表面を通して見ることになる。このため、CPPフィルム30の落ち着いた風合いと相まって美麗な外観が得られる。この外観は、熱成形後の成形品においても保持されるため、意匠性に優れた成形品が得られる。
【0051】
例えば木目の印刷層4を、グラビア印刷等で、上記いずれかの面に形成してやると、CPPフィルム30の適度な艶消しと相まって、実際の白木のような外観と質感を有する成形品が得られる。また印刷層4の下地となる層に顔料を練りこんで着色することで、印刷層4とともに、さらに美麗な外観を形作ることもできる。また印刷層4を、同一のCPPフィルム30の外側から見ることのできる2つの界面に形成することで、その2つの印刷層4の重ね合わせによって、さらに美麗な外観を形成することもできる。さらに印刷層4を形成せずに、発泡シート10、OPPフィルム20、およびCPPフィルム30のいずれかに顔料を練りこんで着色するだけでも、特有の美麗な外観を形成できる。
【0052】
印刷層4を形成するための印刷方法としては、上記グラビア印刷が好適に採用される他、上記各表面に印刷可能なインキを使用できる従来公知の種々の印刷方法が、いずれも採用可能である。
また各層に練りこむ顔料としては、ポリプロピレン系樹脂との相溶性、分散性に優れた種々の顔料が、いずれも使用可能である。
(積層発泡体)
この発明の積層発泡体は、前述したようにポリプロピレン系樹脂の発泡シート10の片面もしくは両面に、OPPフィルム20を介して、CPPフィルム30を積層することで構成される。また各層のいずれかの界面に、必要に応じて印刷層4を形成してもよい。
【0053】
上記この発明の積層発泡体は、基本的には、下記(I)〜(XIV)の14種の積層構造を包含する(実際にはここへ、OPPフィルム20やCPPフィルム30の積層構造などによるバリエーションが加わる。しかし記載が煩雑になるので、下記分類中のOPPフィルム20、CPPフィルム30には、単層のものの他にそのような積層構造を有するものも全て含むものとする)。
(I) CPPフィルム30/OPPフィルム20/発泡シート10の3層構造。
【0054】
(II) CPPフィルム30/印刷層3/OPPフィルム20/発泡シート10の4層構造。
(III) CPPフィルム30/OPPフィルム20/印刷層3/発泡シート10の4層構造。
(IV) CPPフィルム30/印刷層3/OPPフィルム20/印刷層3/発泡シート10の5層構造。
【0055】
(V) CPPフィルム30/OPPフィルム20/発泡シート10/OPPフィルム20/CPPフィルム30の5層構造。
(VI) CPPフィルム30/印刷層3/OPPフィルム20/発泡シート10/OPPフィルム20/CPPフィルム30の6層構造。
(VII) CPPフィルム30/OPPフィルム20/印刷層3/発泡シート10/OPPフィルム20/CPPフィルム30の6層構造。
【0056】
(VIII) CPPフィルム30/印刷層3/OPPフィルム20/印刷層3/発泡シート10/OPPフィルム20/CPPフィルム30の7層構造。
(IX) CPPフィルム30/印刷層3/OPPフィルム20/発泡シート10/OPPフィルム20/印刷層3/CPPフィルム30の7層構造。
(X) CPPフィルム30/OPPフィルム20/印刷層3/発泡シート10/印刷層3/OPPフィルム20/CPPフィルム30の7層構造。
【0057】
(XI) CPPフィルム30/印刷層3/OPPフィルム20/発泡シート10/印刷層3/OPPフィルム20/CPPフィルム30の7層構造。
(XII) CPPフィルム30/印刷層3/OPPフィルム20/印刷層3/発泡シート10/OPPフィルム20/印刷層3/CPPフィルム30の8層構造。
(XIII) CPPフィルム30/印刷層3/OPPフィルム20/印刷層3/発泡シート10/印刷層3/OPPフィルム20/CPPフィルム30の8層構造。
【0058】
(XIV) CPPフィルム30/印刷層3/OPPフィルム20/印刷層3/発泡シート10/印刷層3/OPPフィルム20/印刷層3/CPPフィルム30の9層構造。
(積層発泡体の製造方法)
上記の各層を積層してこの発明の積層発泡体を製造する方法としては、前記のようにサーマルラミネート法が好適に採用される。
【0059】
例えば前記(I)〜(IV)のように発泡シート10の片面に、OPPフィルム20を介してCPPフィルム30を積層した積層発泡体を連続的に製造する場合を例にとると、図3(a)に示す逐次ラミネートと、図3(b)に示す同時ラミネートのいずれかが採用できる。
このうち図3(a)の逐次ラミネートによるサーマルラミネート法では、下記の手順でラミネートを行う。
【0060】
まず、あらかじめ押出発泡して製造し、ロール状に巻回しておいた長尺の発泡シート10を、そのロール10aから一定速度で繰り出す。そして、予熱ヒータH1を通して、発泡シート10の表面温度が50〜90℃になるように予熱したのち、加熱ローラR1aとニップローラR1bとからなる第1のローラ対R1に供給する。
また、これもあらかじめ押出成形して製造し、必要に応じてその片面、もしくは両面に印刷層4を施した状態で、ロール状に巻回しておいた長尺のOPPフィルム20を、そのロール20aから一定速度で繰り出す。そして、ガイドローラGR1を介して上記第1のローラ対R1に供給して、発泡シート10の片面に重ね合わせつつ連続的に加熱、加圧してラミネートする。
【0061】
第1のローラ対R1によるラミネートの好適な条件は、発泡シート10およびOPPフィルム20の通過速度5〜15m/分、加熱ローラR1aの加熱温度180〜210℃、ニップローラR1bのニップ圧力4〜10kg/cm2である。
次に、上記の積層体を一定速度で送りながら、加熱ローラR2aとニップローラR2bとからなる第2のローラ対R2に供給する。
【0062】
また、これもあらかじめ押出成形したのち二軸延伸して製造し、必要に応じてその片面に印刷層4を施した状態で、ロール状に巻回しておいた長尺のCPPフィルム30を、そのロール30aから一定速度で繰り出す。そして、ガイドローラGR2を介して上記第2のローラ対R2に供給して、発泡シート10とOPPフィルム20との積層体の、OPPフィルム20側の表面に重ね合わせつつ連続的に加熱、加圧してラミネートする。
【0063】
そうすると、前記のように発泡シート10の片面に、OPPフィルム20を介してCPPフィルム30が積層された、長尺の積層発泡体が連続的に製造される。
第2のローラ対R2によるラミネートの好適な条件は、前記と同様である。すなわち発泡シート10、OPPフィルム20、およびCPPフィルム30の通過速度5〜15m/分、加熱ローラR2aの加熱温度180〜210℃、ニップローラR2bのニップ圧力4〜10kg/cm2である。
【0064】
一方、図3(b)の同時ラミネートによるサーマルラミネート法では、下記の手順でラミネートを行う。
すなわち、前記と同様にあらかじめ押出発泡して製造し、ロール状に巻回しておいた長尺の発泡シート10を、そのロール10aから一定速度で繰り出す。そして、まず予熱ヒータH1を通して発泡シート10の表面温度が50〜90℃になるように予熱したのち、加熱ローラRaとニップローラRbとからなるローラ対Rに供給する。
【0065】
また前記と同様の長尺のOPPフィルム20とCPPフィルム30とを、それぞれのロール20a、30aから一定速度で繰り出し、ガイドローラGRで重ね合わせて上記ローラ対Rに供給する。
そして、発泡シート10、OPPフィルム20、CPPフィルム30の順に重ね合わせつつ連続的に加熱、加圧してラミネートすると、上記各層がこの順に積層された、長尺の積層発泡体が連続的に製造される。
【0066】
ローラ対Rによるラミネートの好適な条件は、前記と同様である。すなわち発泡シート10、OPPフィルム20、およびCPPフィルム30の通過速度5〜15m/分、加熱ローラRaの加熱温度180〜210℃、ニップローラRbのニップ圧力4〜10kg/cm2である。
なお発泡シート10は、図(a)(b)の装置に直結した押出機から押出発泡した直後のものを直接に、図(a)の場合は第1のローラ対R1に、また図(b)の場合はローラ対Rに供給してもよい。その場合、発泡直後の発泡シート10は余熱を持っているので、予熱ヒータH1を省略することもできる。
〈積層発泡成形品〉
上記積層発泡体から、この発明の積層発泡成形品を製造するための熱成形の方法としては、例えば真空成形、圧空成形、熱板成形、あるいはこれらの応用としてのマッチド・モールド成形、プラグアシスト成形等の、従来公知の種々の成形法を採用することができる。
【0067】
かくして製造されるこの発明の成形品は、例えば図1(b)にその断面を拡大して示すように、発泡シート10からなる基材層1の少なくとも片面(図では片面であるが、後述するように両面の場合も含む)に、OPPフィルム20からなる中間層2を介して、CPPフィルム30からなる表面層3を有している。
そして、このうち表面層3の表面が、前述したようにOPPフィルム20とCPPフィルム30との相乗作用によって適度に艶消しされた、落ち着きのある風合いを有している。しかもこの表面状態は、表面層3の全面にわたってほぼ均一に現れるため、上記積層発泡成形品は、これまでにない特有の美麗な外観を有するものとなる。
【0068】
またとくに発泡シート10とCPPフィルム30との間に位置する各層の界面のいずれかに印刷層4を設けたり、発泡シート10やOPPフィルム20などに顔料を練り込んで着色したりした場合には、意匠性が格段に優れた成形品となる。
しかも上記積層発泡成形品は、当該成形品を構成する各層1〜3がいずれもポリプロピレン系樹脂にて形成されるため耐熱性、耐油性、耐薬品性に優れている上、リサイクルも容易である。
【0069】
表面層3の表面状態は、積層発泡体の場合と同様に、表面の鏡面光沢度(入射角θ=60°)と、中心線平均粗さRaとで規定される。その好適な範囲も、積層発泡体の場合と同様である。
すなわち鏡面光沢度は6〜60であるのが好ましい。鏡面光沢度が6未満では艶消しが強すぎ、また逆に鏡面光沢度が60を超える場合には艶消しが不十分で光沢が強すぎるため、このいずれの場合にも、落ち着きのある風合いが得られないおそれがある。なお、さらなる意匠性の向上を考慮すると、表面層3の表面の鏡面光沢度は、上記範囲内でもとくに40以下であるのが好ましい。
【0070】
また中心線平均粗さRaは4μm以下であるのが好ましい。中心線平均粗さRaが4μmを超えるものは、やはり落ち着きのある風合いが得られないおそれがある。なお、さらなる意匠性の向上を考慮すると、中心線平均粗さRaは、上記の範囲内でもとくに3μm以下であるのが好ましい。ちなみに中心線平均粗さRaの下限値は、言うまでもなく0μmである。
なお図1(a)(b)は、この発明の積層発泡成形品の一例としての、パスタ容器Cを示している。
【0071】
図のパスタ容器Cは、浅い角形の容器本体C1と、その上端開口より外方に延設された、蓋体(図示せず)を嵌合するための鍔部C2とを、この発明の積層発泡体から熱成形して製造されるものである。
CPPフィルム30から形成される表面層3は、図の例の場合、容器Cの内側面に設けているが、容器の用途によっては外側面に設けてもよい。また、前述した(V)〜(XIV)の積層発泡体を使用することで、容器Cの両面に表面層3を設けてもよい。
【0072】
【実施例】
以下にこの発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
なお各実施例、比較例で使用したポリプロピレン系樹脂、発泡シート、および製造した積層発泡体、成形品の各特性は、それぞれ下記の方法によって測定、ならびに評価を行った。
〈メルトテンション測定〉
ポリプロピレン系樹脂のメルトテンションは、(株)東洋精機製作所製の測定装置〔キャピログラフPMD−C〕を使用して、以下のようにして測定した。
【0073】
まず試料樹脂を、230℃に加熱して溶融させた状態で、上記装置の、ピストン押出式プラストメーターのノズル(口径2.095mm、長さ8mm)から、ピストンの降下速度を10mm/minの一定速度に保ちつつ紐状に押出した。次にこの紐状物を、上記ノズルの下方35cmに位置する張力検出プーリーに通過させた後、巻き取りロールを用いて、その巻き取り速度を、約66m/min2の加速度でもって徐々に増加させながら巻き取って行った。そして紐状物が切れた時点で、張力検出プーリーによって検出された張力をもって、試料樹脂のメルトテンションとした。
【0074】
〈発泡シートの密度測定〉
発泡シートの密度は、発泡シートの重量と体積とを測定して、重量(g)÷体積(cm3)により求めた。
〈積層発泡体の熱成形性評価〉
積層発泡体の熱成形性は、積層発泡体を、CPPフィルム30側の面が容器の内側になるようにプラグアシスト成形して製造した、積層発泡成形品としてのパスタ容器C〔図1(a)(b)に示す外観を有し、縦195mm、横175mm、高さ25mmのもの〕の外観を目視にて観察して、下記の3段階で評価した。
【0075】
×:破れ等を生じ、所定の形状に成形することができなかった。熱成形性不良。
△:成形時の伸びが悪く、局部的に厚みの薄い部分を生じた。熱成形性やや不良。
○:成形時の伸びが良好であり、厚みが均一でかつ寸法精度の高い良好な成形品が得られた。熱成形性良好。
【0076】
〈鏡面光沢度の測定〉
積層発泡体および積層発泡成形品の鏡面光沢度を、下記の方法で測定した。
すなわち積層発泡体の場合は、図2(a)または(b)の装置を用いて連続的に製造した長尺の積層発泡体のうち、MD方向の5個所において、それぞれTD方向の5個所(計25個所)から切り出したものをサンプルとした。また積層発泡成形品としてのパスタ容器〔図1(a)(b)〕の場合は、その平板状の底面C1aから切り出したものをサンプルとした。
【0077】
そして、鏡面光沢度測定装置(前出の、株式会社堀場製作所製のグロスチェッカーIG−330)を用いて、入射角θ=60°の条件で、CPPフィルム30、および表面層3の表面の、TD方向およびMD方向の鏡面光沢度を測定し、両方向の測定値の平均値を、そのサンプルの鏡面光沢度とした。
なお積層発泡体では、上記のように複数の個所から切り出したサンプルの鏡面光沢度のうち、最小値と最大値とを記録するとともに、全サンプルの鏡面光沢度の平均値を求めた。またパスタ容器の場合は、長尺の積層発泡体を用いて連続的に製造中に、任意に抽出した10個の容器から採取したサンプルにおける鏡面光沢度のうち、最小値と最大値とを記録するとともに、全サンプルの鏡面光沢度の平均値を求めた。
【0078】
〈中心線平均粗さRaの測定〉
積層発泡体および積層発泡成形品の中心線平均粗さRaを、下記の方法で測定した。
すなわちサンプルとしては、上記鏡面光沢度の測定で採取した全サンプルを用いた。そして表面粗さ測定機(これも前出の、株式会社東京精密製のハンディサーフE−35A)を用いて、カットオフ値0.8mm、測定長4.0mmの条件で、CPPフィルム30、および表面層3の表面の、TD方向およびMD方向の中心線平均粗さRaを求め、両方向の測定値の平均値を、そのサンプルの中心線平均粗さRaとした。
【0079】
そして、前記鏡面光沢度の場合と同様にデータ処理して、積層発泡体と積層発泡成形品の、中心線平均粗さRaの最小値、最大値および平均値を求めた。
〈成形品の断熱性評価〉
各実施例、比較例で製造したパスタ容器に200ccの熱湯(98℃)を入れて、出力500Wの電子レンジで2分間、加熱したのち、加熱直後の容器を素手で電子レンジから取り出したときの状態から、その断熱性を、下記の基準で評価した。
【0080】
◎:熱さを殆ど感じることなく、問題なく取り出すことができた。断熱性極めて良好。
○:ぬくもりを感じる程度で、問題なく取り出すことができた。断熱性良好。
△:熱さを感じ、長く持っていることができなかった。断熱性やや不良。
×:熱くて、素手では取り出すことができなかった。断熱性不良。
また以下の各実施例、比較例においては、発泡シートを製造するために、前記樹脂(A)に属する下記A−1の樹脂、並びに樹脂(B)に属する下記B−1、B−2の樹脂を、それぞれ表1に示す割合で含有するポリプロピレン系樹脂PP1〜PP4のいずれかを選択して用いた。
〈樹脂A−1〉
モンテルSDKサンライズ社製のプロピレン−エチレンブロック共重合体、商品名SD632。
【0081】
メルトテンション:21.9g
メルトインデックス(MI)値:3
密度:0.90g/cm3
〈樹脂B−1〉
モンテルSDKサンライズ社製のプロピレン単独重合体、商品名PM600A。
【0082】
メルトテンション:0.8g
MI値:7.5
密度:0.90g/cm3
〈樹脂B−2〉
モンテルSDKサンライズ社製のプロピレン単独重合体、商品名PL500A。
【0083】
メルトテンション:1.8g
MI値:3.3
密度:0.90g/cm3
【0084】
【表1】
【0085】
またOPPフィルムとしては、下記3種のフィルムの中から1種を選択して用いた。
〈OPPフィルムO−1〉
プロピレンの単独重合体からなる、融点159.6℃、厚み20μmのOPPフィルム〔東洋紡績社製の商品名P−2161〕。
〈OPPフィルムO−2〉
プロピレンの単独重合体からなる、融点159.6℃、厚み25μmのOPPフィルム〔東洋紡績社製の商品名P−2161〕。
〈OPPフィルムO−3〉
プロピレン−エチレンランダム共重合体からなる、融点144.6℃、厚み40μmのOPPフィルム〔サントックス社製の商品名SF−21〕。
【0086】
さらにCPPフィルムとしては、下記3種のフィルムの中から1種を選択して用いた。
〈CPPフィルムC−1〉
プロピレンの単独重合体からなる、厚み20μmのCPPフィルム〔東洋紡績社製の商品名P−1111〕。
〈CPPフィルムC−2〉
プロピレンの単独重合体からなる、厚み25μmのCPPフィルム〔東洋紡績社製の商品名P−1111〕。
〈CPPフィルムC−3〉
CPPフィルムC−2の片面に、赤色の単一色の印刷層を形成したCPPフィルム。
【0087】
実施例1
〈発泡シートの作製〉
表1のPP1のポリプロピレン系樹脂100重量部と、気泡調整剤〔ベーリンガー社製の商品名ハイドロセロールHK−70〕0.3重量部とをドライブレンドした。
次にこの混合物を、第1および第2の2台の押出機を有するタンデム押出機(口径φ90−φ115mm)のホッパーに供給した。そして供給した混合物を、ホッパーに接続した第1押出機内で溶融、混合しつつ、発泡剤としてのブタン(イソブタン/ノルマルブタン=65/35)を圧入した。ブタンの圧入量は、樹脂100重量部あたり2.0重量部とした。
【0088】
ブタンの圧入後、さらに溶融、混合した溶融混合物を、第1押出機から第2押出機に連続的に供給した。そしてこの第2押出機内で均一に冷却したのち、第2押出機の先端に接続した口径240mmの円筒状ダイから、毎時120kgの吐出量で、大気中に連続的に、円筒状に押し出しながら発泡させた。
次に、得られた円筒状の発泡体を、24℃の水で冷却された、直径672mmのマンドレルに沿わせて円筒の内部から冷却し、また円筒の外形より大きいエアリングからエアーを吹き付けて円筒の外部から冷却した。そして冷却後、円周上の2点でカッターによって切開して、密度0.25g/cm3、厚み1.5mm、幅1045mmの長尺の発泡シートを作製した。
【0089】
〈積層発泡体の製造〉
上記で作製した発泡シートの片面に、幅1040mmの長尺のOPPフィルムO−1と、幅1040mmの長尺のCPPフィルムC−1とを、図2(b)に示す同時ラミネートによるサーマルラミネート法で積層、接着して長尺の積層発泡体を製造した。積層の条件は下記のとおりとした。
予熱ヒータH1による発泡シートの予熱温度(発泡シートの表面温度):65℃
加熱ローラRaの加熱温度:190℃
ニップローラRbのニップ圧力:6kg/cm2
各層の送り速度:10m/分
〈積層発泡成形品の製造〉
上記積層発泡体を、そのCPPフィルム側が容器の内面側となるようにプラグアシスト成形して、積層発泡成形品としての前記パスタ容器を製造した。成形時のヒータの設定温度は250℃であった。
【0090】
実施例2
〈発泡シートの作製〉
表1のPP2のポリプロピレン系樹脂を用い、ブタンの圧入量を、樹脂100重量部あたり1.8重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、密度0.3g/cm3、厚み1.0mm、幅1045mmの長尺の発泡シートを作製した。
〈積層発泡体の製造〉
上記で作製した発泡シートを使用したこと以外は実施例1と同様にして、積層発泡体を製造した。
【0091】
〈積層発泡成形品の製造〉
上記積層発泡体を、そのCPPフィルム側が容器の内面側となるように、実施例1と同条件でプラグアシスト成形して、成形品としての前記パスタ容器を製造した。
実施例3
〈発泡シートの作製〉
表1のPP3のポリプロピレン系樹脂を用い、ブタンの圧入量を、樹脂100重量部あたり1.8重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、密度0.33g/cm3、厚み1.0mm、幅1045mmの長尺の発泡シートを作製した。
【0092】
〈積層発泡体の製造〉
上記で作製した発泡シートの片面に、幅1040mmの長尺のOPPフィルムO−1と、幅1040mmの長尺のCPPフィルムC−3とを、図2(b)に示す同時ラミネートによるサーマルラミネート法で積層、接着して積層発泡体を製造した。積層の条件は実施例1と同じとした。CPPフィルムC−3は、その片面の印刷層が、OPPフィルムとの界面に位置するように積層した。
【0093】
〈積層発泡成形品の製造〉
上記積層発泡体を、そのCPPフィルム側が容器の内面側となるように、実施例1と同条件でプラグアシスト成形して、成形品としての前記パスタ容器を製造した。
実施例4
OPPフィルムO−2を使用したこと以外は実施例3と同様にして積層発泡体を製造し、成形品としての前記パスタ容器を製造した。
【0094】
実施例5
〈積層発泡体の製造〉
実施例3で作製したのと同じ発泡シートの片面に、幅1040mmの長尺のOPPフィルムO−3と、幅1040mmの長尺のCPPフィルムC−3とを、図2(a)に示す逐次ラミネートによるサーマルラミネート法で積層、接着して積層発泡体を製造した。積層の条件は下記のとおりとした。またCPPフィルムC−3は、その片面の印刷層が、OPPフィルムとの界面に位置するように積層した。
【0095】
予熱ヒータH1による発泡シートの予熱温度(発泡シートの表面温度):75℃
加熱ローラR1aの加熱温度:190℃
ニップローラR1bのニップ圧力:6kg/cm2
加熱ローラR2aの加熱温度:190℃
ニップローラR2bのニップ圧力:6kg/cm2
各層の送り速度:13m/分
〈積層発泡成形品の製造〉
上記積層発泡体を、そのCPPフィルム側が容器の内面側となるように、実施例1と同条件でプラグアシスト成形して、成形品としての前記パスタ容器を製造した。
【0096】
実施例6
CPPフィルムC−2を使用したこと以外は実施例3と同様にして積層発泡体を製造し、成形品としての前記パスタ容器を製造した。
実施例7
〈発泡シートの作製〉
表1のPP4のポリプロピレン系樹脂を用い、ブタンの圧入量を、樹脂100重量部あたり1.4重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、密度0.46g/cm3、厚み0.9mm、幅1045mmの長尺の発泡シートを作製した。
【0097】
〈積層発泡体の製造〉
上記で作製した発泡シートを使用したこと以外は実施例1と同様にして、積層発泡体を製造した。
〈積層発泡成形品の製造〉
上記積層発泡体を、そのCPPフィルム側が容器の内面側となるように、実施例1と同条件でプラグアシスト成形して、成形品としての前記パスタ容器を製造した。
【0098】
比較例1
OPPフィルムを省略して、発泡シートとCPPフィルムC−2とを直接に積層したこと以外は実施例6と同様にして積層発泡体を製造し、成形品としての前記パスタ容器を製造した。
比較例2
CPPフィルムを省略したこと以外は実施例4と同様にして積層発泡体を製造し、成形品としての前記パスタ容器を製造した。
【0099】
比較例3
OPPフィルムとCPPフィルムの積層順序を逆にし、OPPフィルムが表面層となるようにしたこと以外は実施例6と同様にして積層発泡体を製造し、成形品としての前記パスタ容器を製造した。
以上の結果を表2〜4にまとめた。
【0100】
【表2】
【0101】
※比較例3は、本文中に記載したようにOPPフィルムとCPPフィルムの積層順序を逆にしたものである。
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
表の、鏡面光沢度および中心線平均粗さRaの結果より、OPPフィルムを省略した比較例1は、積層発泡体、成形品ともに艶消しが強すぎる上、表面粗さが大きすぎて、適度に艶消しされた、落ち着きのある風合いが得られないことがわかった。またCPPフィルムを省略した比較例2、およびOPPフィルムとCPPフィルムの積層順序を逆にした比較例3は、積層発泡体、成形品ともに艶消しが不十分で光沢がありすぎるため、やはり落ち着きのある風合いが得られないことがわかった。
【0105】
これに対し実施例1〜7はいずれも、積層発泡体、成形品ともに適度、かつ十分に艶消しされた、落ち着きのある風合いを有することが確認された。またその表面状態は、長尺の積層発泡体上の複数個所、および多数製造した複数個の成形品でほぼ一定でばらつきが小さいことも確認された。
また成形性の結果より、実施例1〜7の積層発泡体はいずれも良好な成形性を有することもわかった。
【0106】
さらに断熱性の結果より、実施例1〜6の成形品はいずれも十分な断熱性を有することも明らかとなった。さらに実施例7の結果より、発泡シートを前記樹脂(B)のみで形成した場合には、密度の小さい、高い断熱性を有する積層発泡体こそ得られないものの、中程度の密度を有する積層発泡体を形成できることも確認された。
【0107】
【発明の効果】
以上、詳述したようにこの発明によれば、電子レンジ調理等に使用できる耐熱性、耐油性、断熱性を有し、かつ高温時の剛性にすぐれる上、その表面が、十分に艶消しされた、落ち着いた風合いを有し、これまでにない特有の美麗な外観を備えたポリプロピレン系樹脂の積層発泡成形品を提供することができる。
またこの発明によれば、上記の積層発泡成形品を、表面の艶消しの度合いを一定に維持しつつ安定して製造することができる積層発泡体を提供することができる。
【0108】
さらにこの発明によれば、上記の積層発泡体を、効率的に製造しうる製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の積層発泡成形品の、実施の形態の一例であるパスタ容器を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は縦断面図である。
【図2】同図(a)(b)はともに、この発明の積層発泡体の、層構成の一例を示す断面図である。
【図3】この発明の積層発泡体を、サーマルラミネート法によって製造する工程を説明する図であって、同図(a)は逐次ラミネートによるサーマルラミネート法、同図(b)は同時ラミネートによるサーマルラミネート法の説明図である。
【符号の説明】
C パスタ容器(積層発泡成形品)
1 基材層
2 中間層
3 表面層
10 発泡シート
20 二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム(OPPフィルム)
30 無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム(CPPフィルム)
Claims (12)
- ポリプロピレン系樹脂の発泡シートからなる基材層の少なくとも片面に、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの中間層を介して、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面層を有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂の積層発泡成形品。
- ポリプロピレン系樹脂の発泡シートの少なくとも片面に、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを介して、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層した積層発泡体を熱成形して形成された請求項1記載の積層発泡成形品。
- 表面層の表面の鏡面光沢度(入射角θ=60°)が6〜60である請求項1記載の積層発泡成形品。
- 表面層の表面の中心線平均粗さRaが4μm以下である請求項1記載の積層発泡成形品。
- 発泡シートと無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムとの間に位置する各層の界面のいずれかに印刷層が設けられた請求項1記載の積層発泡成形品。
- ポリプロピレン系樹脂の発泡シートの少なくとも片面に、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを介して、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層したことを特徴とする積層発泡体。
- 無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面の鏡面光沢度(入射角θ=60°)が6〜60である請求項6記載の積層発泡体。
- 無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面の中心線平均粗さRaが4μm以下である請求項6記載の積層発泡体。
- 二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの厚みが5〜50μm、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの厚みが5〜80μmで、かつ両フィルムの厚みの合計が20〜120μmである請求項6記載の積層発泡体。
- 発泡シートが、
(A) 分子中に自由末端長鎖分岐を有する、メルトテンションが6g以上、40g以下のポリプロピレン系樹脂10〜50重量%と、
(B) メルトテンションが0.01g以上、6g未満で、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが3〜8であるポリプロピレン系樹脂90〜50重量%と
を混合し、押出発泡して形成された請求項6記載の積層発泡体。 - 発泡シートと無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムとの間に位置する各層の界面のいずれかに印刷層が設けられた請求項6記載の積層発泡体。
- 請求項6〜11のいずれかに記載の積層発泡体を製造する方法であって、あらかじめ作製した発泡シート、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム、および無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを、サーマルラミネート法によって直接に積層、接着することを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層発泡体の製造方法。
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