JP3715081B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時に乗員を拘束するベルトの内部に膨張可能なバッグを収納した乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる乗員保護装置は、例えば特開平6−262996号公報により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来の乗員保護装置は、シート側に設けたバックルにベルト側に設けたタングを結合する際に、タングと一体のタングパイプをバックルに設けたガス流通路に接続することにより、前記タングパイプに一端を結合されたベルトの内部にガス流通路からガスを供給するようになっている。車両の衝突時にベルトに大きな引張荷重が作用したとき、ベルトとタングパイプとの結合部が外れないように、ベルトの端部外周に嵌めたカシメ金具を内側にカシメてタングパイプに固定しているが、これだけの固定構造ではベルトの抜けを確実に防止できない問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ベルトとタング側ダクトとを強固に固定して引張荷重に対する耐久性を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、シートに支持したバックルと一体のバックル側ダクトと、ベルトに支持したタングと一体のタング側ダクトとを備えてなり、バックル及びタングを結合してバックル側ダクトの出口開口にタング側ダクトの入口開口を接続し、車両の衝突時にインフレータが発生するガスをバックル側ダクト及びタング側ダクトを介してベルトに供給することにより該ベルトを膨張させる乗員保護装置において、タング側ダクトの外周に嵌めたベルトをバンドで締め付けて固定するとともに、ベルトの端部に設けたストッパを前記バンドの縁部に係合させることにより、ベルトのタング側ダクトからの抜けを防止することを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、車両の衝突時に慣性で前進しようとする乗員の荷重がベルトをタング側ダクトから引き抜く方向に作用しても、ベルトの端部がバンドによってタング側ダクトの外周に締め付けられて固定されており、且つベルトの端部に設けたストッパがバンドの縁部に係合しているので、前記荷重によるベルトの抜けを確実に防止することができる。
【0007】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記ベルトが内側のバッグ及び外側のカバーの2重構造であり、前記ストッパがバッグ及びカバーを一体に縫製する縫製部であることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、バッグ及びカバーを一体に縫製する縫製部を利用してストッパを構成するので、特別のストッパを設ける必要がなくなってコストが削減される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図13は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両のフロントシート部の側面図、図2は図1の2方向矢視図、図3は乗員保護装置の斜視図、図4は図2の4方向拡大矢視図、図5は図4の5方向矢視図、図6は図4の6−6線断面図、図7は図4の7−7線断面図、図8は図4の8−8線断面図、図9は図8の9−9線矢視図、図10は図8の10−10線矢視図、図11はバックル及びタングを分離した状態を示す図、図12はバックル及びタングの分解斜視図、図13は固定バンドの変形例を示す図である。
【0011】
図1〜図3に示すように、乗員(実施例ではドライバー)を前部右側シート1に拘束する乗員保護装置は、センターピラー2の下部に設けられたショルダーベルト用リトラクタ3と、このショルダーベルト用リトラクタ3の下側に設けられたラップベルト用リトラクタ4と、ショルダーベルト用リトラクタ3から引き出され、センターピラー2の上部に設けたスリップガイド5を迂回して延びるショルダーベルト6と、ラップベルト用リトラクタ4から引き出されるラップベルト7と、ショルダーベルト6及びラップベルト7の端部に固定されたタング装置8と、タング装置8が結合されるバックル装置9と、バックル装置9と一体化されてシート1の左下の基部10に固定されたインフレータ11とを備える。
【0012】
公知のショルダーベルト用リトラクタ3及びラップベルト用リトラクタ4は、それぞれショルダーベルト6及びラップベルト7を引き出し可能に巻き取るもので、図示せぬ加速度センサが所定値以上の加速度を検出していない通常時には、前記両ベルト6,7を引き出し可能にして乗員の身体の移動を許容し、車両の衝突時に前記加速度センサが所定値以上の加速度を検出すると、両ベルト6,7を引き出し不能にロックして乗員を拘束するようになっている。公知のインフレータ11は、前記加速度センサが所定値以上の加速度を検出したときに点火し、推薬の燃焼による高圧ガスを発生する。
【0013】
ラップベルト7は通常の合成繊維の平織ベルトから構成される。一方、ショルダーベルト6のうちの乗員の胸部に接触する部分は、図7に示すように、筒状に形成されたゴム製のバッグ12と、その外側を覆うカバー13とから構成される。丸編みニットから構成されたカバー13は半径方向に伸縮し易く、長手方向に伸縮し難い性質を備えている。バッグ12及びカバー13は通常時には偏平な帯状になっているが、インフレータ11からバッグ12に高圧ガスが供給されると、図1及び図2に示す状態に膨張して乗員を柔らかく拘束する。
【0014】
図4及び図5から明らかなように、シート1の左下の基部10に固定されたブラケット16に、概略円筒状の前記インフレータ11が軸線を上下方向に向けた状態で支持される。インフレータ11の外周は合成樹脂製のインフレータカバー17で覆われる。
【0015】
次に、図4〜図12を参照しながらタング装置8の構造を説明する。
【0016】
タング装置8は二股に分岐した合成樹脂製のタング側ダクト18を備えており、このタング側ダクト18のベルト結合部181 に基端部を埋め込まれた金属板よりなるタング19は、その先端部が二股になったタング側ダクト18の一対のダクト部182 ,182 間に延びている。タング側ダクト18の一対のダクト部182 ,182 の先端に、シート1の基部10に向かって開放する入口開口183 ,183 が形成される。図8及び図10から明らかなように、タング側ダクト18の入口開口183 ,183 の内部には9個の小孔184 …が形成されており、この小孔184 …によってタング側ダクト18へのガスの供給を許容しながら塵等の侵入を防止することができる。
【0017】
図4及び図7に最も良く示されるように、内外2重に重ね合わせたショルダーベルト6のバッグ12及びカバー13の端部は、それらの外側に更にラップベルト7の端部を重ね合わせた状態で、チェーンステッチよりなる縫製部20において一体に縫製される。そしてショルダーベルト6の端部をタング側ダクト18のベルト結合部181 の外周に嵌めた状態で、その外側に固定バンド21を嵌めて内向きにカシメるとともに、固定バンド21、ラップベルト7、カバー13及びバッグ12を貫通するボルト22がタング側ダクト18のベルト結合部181 に埋め込んだタング19の基端部にねじ込まれる。これにより、タング19、タング側ダクト18、ショルダーベルト6及びラップベルト7が分離不能に一体化される。
【0018】
車両の衝突時に慣性で前進しようとする乗員の胸部を支持するショルダーベルト6及びラップベルト7に作用する引張荷重は、これらショルダーベルト6及びラップベルト7をタング側ダクト18のベルト結合部181 から引き抜くように作用するが、固定バンド21のカシメによる圧縮力及びボルト22の締結力に加えて、縫製部20のストッパ機能によってショルダーベルト6及びラップベルト7の抜けが防止される。即ち、チェーンステッチよりなる縫製部20の糸がショルダーベルト6及びラップベルト7の表面から盛り上がるため、この縫製部20を固定バンド21の端縁に接触させてストッパとして機能させることにより、ショルダーベルト6及びラップベルト7の抜けを確実に防止することができる。また前記ボルト22は、タング19及びタング側ダクト18を強固に結合する機能も有している。
【0019】
尚、図13に示すように、固定バンド21をボルト22及びナット23で締め付けるようにすれば、ショルダーベルト6及びラップベルト7の抜けを一層確実に防止することができる。
【0020】
次に、図4〜図12を参照しながらバックル装置9の構造を説明する。
【0021】
図5及び図12から明らかなように、バックル装置9は、インフレータ12を支持するブラケット16の頂部にボルト26及びナット27で固定されたバックル側ダクト28と、前記ブラケット16にリベット29,29で結合したブラケット30に固定されたバックル31とを備える。バックル側ダクト28は、インフレータ12の上端のガス噴出部を囲むように接続されたガス受入部281 と、このガス受入部281 から二股に分岐する一対のダクト部282 ,282 とを備える。そしてバックル側ダクト28及びバックル31は、合成樹脂製のバックルハウジング32のダクトカバー33及び本体カバー34によってそれぞれ覆われる。
【0022】
図8及び図9から明らかなように、バックル側ダクト28の先端とバックルハウジング32のダクトカバー33の先端の出口開口331 ,331 との間に、ゴム製のシール部材35,35の外周の固定部351 ,351 が挟まれて固定される。この出口開口331 ,331 は、実質的にバックル側ダクト28を流れるガスの出口開口を構成する。出口開口331 ,331 に露出するシール部材35,35の周縁には肉厚が内側に向けて次第に減少するリップ部352 ,352 が形成されるともに、このリップ部352 ,352 の内側には肉厚が極めて薄い破断部353 ,353 が形成される。そしてタング19をバックル31に結合した状態で、シール部材35,35が臨むダクトカバー33の一対の出口開口331 ,331 は、前記タング側ダクト18の一対の入口開口183 ,183 に僅かな隙間α(図8参照)を存して対向する。バックル側ダクト28にタング側ダクト18が結合されていない状態でも、シール部材35,35がバックル側ダクト28の出口開口331 ,331 を覆っているので、その出口開口331 ,331 から塵等が侵入する虞がない。
【0023】
図12から明らかなように、バックルハウジング32の本体カバー34は、タング19をバックル31に挿入するためのタング挿入口341 を備える。タング挿入口341 の近傍の本体カバー34には、バックル31に結合されたタング19を解放するためのリリースボタン36が設けられる。
【0024】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用を説明する。
【0025】
乗員がシート1に座ってタング装置8のタング19をバックル装置9のバックル31に結合すると、バックル側ダクト28の出口開口331 ,331 がタング側ダクト18の入口開口183 ,183 に僅かな隙間αを介して対向する。車両の衝突時にインフレータ11が発生するガスがバックル側ダクト28に供給されると、そのバックル側ダクト28の出口開口331 ,331 を閉塞するシール部材35,35の破断部353 ,353 がガスの圧力で破断し、リップ部352 ,352 がタング側ダクト18側に撓んで入口開口183 ,183 に密着する(図8の鎖線参照)。これによりバックル側ダクト28の出口開口331 ,331 とタング側ダクト18の入口開口183 ,183 とが気密に接続され、インフレータ11が発生するガスがバックル側ダクト28及びタング側ダクト18を介してショルダーベルト6のバッグ12に供給される。その結果、ショルダーベルト6が膨張して乗員の胸部を柔らかく拘束する。
【0026】
インフレータ11がガスの発生を停止すると、シール部材35,35のリップ部352 ,352 が自己の弾性でタング側ダクト18の入口開口183 ,183 から離れるため、出口開口331 ,331 及び入口開口183 ,183 間の隙間αが開放される。通常、バッグ12にはベントホールが形成されており、バッグ12の膨張完了後に該ベントホールからガスを逃がすことにより乗員に与える衝撃を弱めているが、前記隙間αからガスを逃がすことによりベントホールを廃止してコストを削減することができる。
【0027】
以上のように、タング19をバックル31に結合してタング側ダクト18をバックル側ダクト28に接続するとき、タング側ダクト18の入口開口183 ,183 とバックル側ダクト28の出口開口331 ,331 とをシール部材35,35を介して気密に接触させる必要がないため、シール部材35,35に邪魔されずにタング19及びバックル31の着脱をスムーズに行うことができるだけでなく、摩擦によるシール部材35,35の損傷を防止することができる。
【0028】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0029】
例えば、実施例ではバッグ12及びカバー13を一体に縫製する縫製部20でストッパを構成しているが、別部材のストッパをベルト6に縫い付けたり、ベルト6の表面を突出させることによりストッパを一体に形成しても良い。
【0030】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、車両の衝突時に慣性で前進しようとする乗員の荷重がベルトをタング側ダクトから引き抜く方向に作用しても、ベルトの端部がバンドによってタング側ダクトの外周に締め付けられて固定されており、且つベルトの端部に設けたストッパがバンドの縁部に係合しているので、前記荷重によるベルトの抜けを確実に防止することができる。
【0031】
また請求項2に記載された発明によれば、バッグ及びカバーを一体に縫製する縫製部を利用してストッパを構成するので、特別のストッパを設ける必要がなくなってコストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のフロントシート部の側面図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】乗員保護装置の斜視図
【図4】図2の4方向拡大矢視図
【図5】図4の5方向矢視図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】図4の7−7線断面図
【図8】図4の8−8線断面図
【図9】図8の9−9線矢視図
【図10】図8の10−10線矢視図
【図11】バックル及びタングを分離した状態を示す図
【図12】バックル及びタングの分解斜視図
【図13】固定バンドの変形例を示す図
【符号の説明】
1 シート
6 ショルダーベルト(ベルト)
11 インフレータ
18 タング側ダクト
183 入口開口
19 タング
20 縫製部(ストッパ)
21 固定バンド(バンド)
28 バックル側ダクト
31 バックル
331 出口開口
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時に乗員を拘束するベルトの内部に膨張可能なバッグを収納した乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる乗員保護装置は、例えば特開平6−262996号公報により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来の乗員保護装置は、シート側に設けたバックルにベルト側に設けたタングを結合する際に、タングと一体のタングパイプをバックルに設けたガス流通路に接続することにより、前記タングパイプに一端を結合されたベルトの内部にガス流通路からガスを供給するようになっている。車両の衝突時にベルトに大きな引張荷重が作用したとき、ベルトとタングパイプとの結合部が外れないように、ベルトの端部外周に嵌めたカシメ金具を内側にカシメてタングパイプに固定しているが、これだけの固定構造ではベルトの抜けを確実に防止できない問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ベルトとタング側ダクトとを強固に固定して引張荷重に対する耐久性を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、シートに支持したバックルと一体のバックル側ダクトと、ベルトに支持したタングと一体のタング側ダクトとを備えてなり、バックル及びタングを結合してバックル側ダクトの出口開口にタング側ダクトの入口開口を接続し、車両の衝突時にインフレータが発生するガスをバックル側ダクト及びタング側ダクトを介してベルトに供給することにより該ベルトを膨張させる乗員保護装置において、タング側ダクトの外周に嵌めたベルトをバンドで締め付けて固定するとともに、ベルトの端部に設けたストッパを前記バンドの縁部に係合させることにより、ベルトのタング側ダクトからの抜けを防止することを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、車両の衝突時に慣性で前進しようとする乗員の荷重がベルトをタング側ダクトから引き抜く方向に作用しても、ベルトの端部がバンドによってタング側ダクトの外周に締め付けられて固定されており、且つベルトの端部に設けたストッパがバンドの縁部に係合しているので、前記荷重によるベルトの抜けを確実に防止することができる。
【0007】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記ベルトが内側のバッグ及び外側のカバーの2重構造であり、前記ストッパがバッグ及びカバーを一体に縫製する縫製部であることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、バッグ及びカバーを一体に縫製する縫製部を利用してストッパを構成するので、特別のストッパを設ける必要がなくなってコストが削減される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図13は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両のフロントシート部の側面図、図2は図1の2方向矢視図、図3は乗員保護装置の斜視図、図4は図2の4方向拡大矢視図、図5は図4の5方向矢視図、図6は図4の6−6線断面図、図7は図4の7−7線断面図、図8は図4の8−8線断面図、図9は図8の9−9線矢視図、図10は図8の10−10線矢視図、図11はバックル及びタングを分離した状態を示す図、図12はバックル及びタングの分解斜視図、図13は固定バンドの変形例を示す図である。
【0011】
図1〜図3に示すように、乗員(実施例ではドライバー)を前部右側シート1に拘束する乗員保護装置は、センターピラー2の下部に設けられたショルダーベルト用リトラクタ3と、このショルダーベルト用リトラクタ3の下側に設けられたラップベルト用リトラクタ4と、ショルダーベルト用リトラクタ3から引き出され、センターピラー2の上部に設けたスリップガイド5を迂回して延びるショルダーベルト6と、ラップベルト用リトラクタ4から引き出されるラップベルト7と、ショルダーベルト6及びラップベルト7の端部に固定されたタング装置8と、タング装置8が結合されるバックル装置9と、バックル装置9と一体化されてシート1の左下の基部10に固定されたインフレータ11とを備える。
【0012】
公知のショルダーベルト用リトラクタ3及びラップベルト用リトラクタ4は、それぞれショルダーベルト6及びラップベルト7を引き出し可能に巻き取るもので、図示せぬ加速度センサが所定値以上の加速度を検出していない通常時には、前記両ベルト6,7を引き出し可能にして乗員の身体の移動を許容し、車両の衝突時に前記加速度センサが所定値以上の加速度を検出すると、両ベルト6,7を引き出し不能にロックして乗員を拘束するようになっている。公知のインフレータ11は、前記加速度センサが所定値以上の加速度を検出したときに点火し、推薬の燃焼による高圧ガスを発生する。
【0013】
ラップベルト7は通常の合成繊維の平織ベルトから構成される。一方、ショルダーベルト6のうちの乗員の胸部に接触する部分は、図7に示すように、筒状に形成されたゴム製のバッグ12と、その外側を覆うカバー13とから構成される。丸編みニットから構成されたカバー13は半径方向に伸縮し易く、長手方向に伸縮し難い性質を備えている。バッグ12及びカバー13は通常時には偏平な帯状になっているが、インフレータ11からバッグ12に高圧ガスが供給されると、図1及び図2に示す状態に膨張して乗員を柔らかく拘束する。
【0014】
図4及び図5から明らかなように、シート1の左下の基部10に固定されたブラケット16に、概略円筒状の前記インフレータ11が軸線を上下方向に向けた状態で支持される。インフレータ11の外周は合成樹脂製のインフレータカバー17で覆われる。
【0015】
次に、図4〜図12を参照しながらタング装置8の構造を説明する。
【0016】
タング装置8は二股に分岐した合成樹脂製のタング側ダクト18を備えており、このタング側ダクト18のベルト結合部181 に基端部を埋め込まれた金属板よりなるタング19は、その先端部が二股になったタング側ダクト18の一対のダクト部182 ,182 間に延びている。タング側ダクト18の一対のダクト部182 ,182 の先端に、シート1の基部10に向かって開放する入口開口183 ,183 が形成される。図8及び図10から明らかなように、タング側ダクト18の入口開口183 ,183 の内部には9個の小孔184 …が形成されており、この小孔184 …によってタング側ダクト18へのガスの供給を許容しながら塵等の侵入を防止することができる。
【0017】
図4及び図7に最も良く示されるように、内外2重に重ね合わせたショルダーベルト6のバッグ12及びカバー13の端部は、それらの外側に更にラップベルト7の端部を重ね合わせた状態で、チェーンステッチよりなる縫製部20において一体に縫製される。そしてショルダーベルト6の端部をタング側ダクト18のベルト結合部181 の外周に嵌めた状態で、その外側に固定バンド21を嵌めて内向きにカシメるとともに、固定バンド21、ラップベルト7、カバー13及びバッグ12を貫通するボルト22がタング側ダクト18のベルト結合部181 に埋め込んだタング19の基端部にねじ込まれる。これにより、タング19、タング側ダクト18、ショルダーベルト6及びラップベルト7が分離不能に一体化される。
【0018】
車両の衝突時に慣性で前進しようとする乗員の胸部を支持するショルダーベルト6及びラップベルト7に作用する引張荷重は、これらショルダーベルト6及びラップベルト7をタング側ダクト18のベルト結合部181 から引き抜くように作用するが、固定バンド21のカシメによる圧縮力及びボルト22の締結力に加えて、縫製部20のストッパ機能によってショルダーベルト6及びラップベルト7の抜けが防止される。即ち、チェーンステッチよりなる縫製部20の糸がショルダーベルト6及びラップベルト7の表面から盛り上がるため、この縫製部20を固定バンド21の端縁に接触させてストッパとして機能させることにより、ショルダーベルト6及びラップベルト7の抜けを確実に防止することができる。また前記ボルト22は、タング19及びタング側ダクト18を強固に結合する機能も有している。
【0019】
尚、図13に示すように、固定バンド21をボルト22及びナット23で締め付けるようにすれば、ショルダーベルト6及びラップベルト7の抜けを一層確実に防止することができる。
【0020】
次に、図4〜図12を参照しながらバックル装置9の構造を説明する。
【0021】
図5及び図12から明らかなように、バックル装置9は、インフレータ12を支持するブラケット16の頂部にボルト26及びナット27で固定されたバックル側ダクト28と、前記ブラケット16にリベット29,29で結合したブラケット30に固定されたバックル31とを備える。バックル側ダクト28は、インフレータ12の上端のガス噴出部を囲むように接続されたガス受入部281 と、このガス受入部281 から二股に分岐する一対のダクト部282 ,282 とを備える。そしてバックル側ダクト28及びバックル31は、合成樹脂製のバックルハウジング32のダクトカバー33及び本体カバー34によってそれぞれ覆われる。
【0022】
図8及び図9から明らかなように、バックル側ダクト28の先端とバックルハウジング32のダクトカバー33の先端の出口開口331 ,331 との間に、ゴム製のシール部材35,35の外周の固定部351 ,351 が挟まれて固定される。この出口開口331 ,331 は、実質的にバックル側ダクト28を流れるガスの出口開口を構成する。出口開口331 ,331 に露出するシール部材35,35の周縁には肉厚が内側に向けて次第に減少するリップ部352 ,352 が形成されるともに、このリップ部352 ,352 の内側には肉厚が極めて薄い破断部353 ,353 が形成される。そしてタング19をバックル31に結合した状態で、シール部材35,35が臨むダクトカバー33の一対の出口開口331 ,331 は、前記タング側ダクト18の一対の入口開口183 ,183 に僅かな隙間α(図8参照)を存して対向する。バックル側ダクト28にタング側ダクト18が結合されていない状態でも、シール部材35,35がバックル側ダクト28の出口開口331 ,331 を覆っているので、その出口開口331 ,331 から塵等が侵入する虞がない。
【0023】
図12から明らかなように、バックルハウジング32の本体カバー34は、タング19をバックル31に挿入するためのタング挿入口341 を備える。タング挿入口341 の近傍の本体カバー34には、バックル31に結合されたタング19を解放するためのリリースボタン36が設けられる。
【0024】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用を説明する。
【0025】
乗員がシート1に座ってタング装置8のタング19をバックル装置9のバックル31に結合すると、バックル側ダクト28の出口開口331 ,331 がタング側ダクト18の入口開口183 ,183 に僅かな隙間αを介して対向する。車両の衝突時にインフレータ11が発生するガスがバックル側ダクト28に供給されると、そのバックル側ダクト28の出口開口331 ,331 を閉塞するシール部材35,35の破断部353 ,353 がガスの圧力で破断し、リップ部352 ,352 がタング側ダクト18側に撓んで入口開口183 ,183 に密着する(図8の鎖線参照)。これによりバックル側ダクト28の出口開口331 ,331 とタング側ダクト18の入口開口183 ,183 とが気密に接続され、インフレータ11が発生するガスがバックル側ダクト28及びタング側ダクト18を介してショルダーベルト6のバッグ12に供給される。その結果、ショルダーベルト6が膨張して乗員の胸部を柔らかく拘束する。
【0026】
インフレータ11がガスの発生を停止すると、シール部材35,35のリップ部352 ,352 が自己の弾性でタング側ダクト18の入口開口183 ,183 から離れるため、出口開口331 ,331 及び入口開口183 ,183 間の隙間αが開放される。通常、バッグ12にはベントホールが形成されており、バッグ12の膨張完了後に該ベントホールからガスを逃がすことにより乗員に与える衝撃を弱めているが、前記隙間αからガスを逃がすことによりベントホールを廃止してコストを削減することができる。
【0027】
以上のように、タング19をバックル31に結合してタング側ダクト18をバックル側ダクト28に接続するとき、タング側ダクト18の入口開口183 ,183 とバックル側ダクト28の出口開口331 ,331 とをシール部材35,35を介して気密に接触させる必要がないため、シール部材35,35に邪魔されずにタング19及びバックル31の着脱をスムーズに行うことができるだけでなく、摩擦によるシール部材35,35の損傷を防止することができる。
【0028】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0029】
例えば、実施例ではバッグ12及びカバー13を一体に縫製する縫製部20でストッパを構成しているが、別部材のストッパをベルト6に縫い付けたり、ベルト6の表面を突出させることによりストッパを一体に形成しても良い。
【0030】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、車両の衝突時に慣性で前進しようとする乗員の荷重がベルトをタング側ダクトから引き抜く方向に作用しても、ベルトの端部がバンドによってタング側ダクトの外周に締め付けられて固定されており、且つベルトの端部に設けたストッパがバンドの縁部に係合しているので、前記荷重によるベルトの抜けを確実に防止することができる。
【0031】
また請求項2に記載された発明によれば、バッグ及びカバーを一体に縫製する縫製部を利用してストッパを構成するので、特別のストッパを設ける必要がなくなってコストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のフロントシート部の側面図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】乗員保護装置の斜視図
【図4】図2の4方向拡大矢視図
【図5】図4の5方向矢視図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】図4の7−7線断面図
【図8】図4の8−8線断面図
【図9】図8の9−9線矢視図
【図10】図8の10−10線矢視図
【図11】バックル及びタングを分離した状態を示す図
【図12】バックル及びタングの分解斜視図
【図13】固定バンドの変形例を示す図
【符号の説明】
1 シート
6 ショルダーベルト(ベルト)
11 インフレータ
18 タング側ダクト
183 入口開口
19 タング
20 縫製部(ストッパ)
21 固定バンド(バンド)
28 バックル側ダクト
31 バックル
331 出口開口
Claims (2)
- シート(1)に支持したバックル(31)と一体のバックル側ダクト(28)と、ベルト(6)に支持したタング(19)と一体のタング側ダクト(18)とを備えてなり、バックル(31)及びタング(19)を結合してバックル側ダクト(28)の出口開口(331 )にタング側ダクト(18)の入口開口(183 )を接続し、車両の衝突時にインフレータ(11)が発生するガスをバックル側ダクト(28)及びタング側ダクト(18)を介してベルト(6)に供給することにより該ベルト(6)を膨張させる乗員保護装置において、タング側ダクト(18)の外周に嵌めたベルト(6)をバンド(21)で締め付けて固定するとともに、ベルト(6)の端部に設けたストッパ(20)を前記バンド(21)の縁部に係合させることにより、ベルト(6)のタング側ダクト(18)からの抜けを防止することを特徴とする乗員保護装置。
- 前記ベルト(6)が内側のバッグ(12)及び外側のカバー(13)の2重構造であり、前記ストッパ(20)がバッグ(12)及びカバー(13)を一体に縫製する縫製部であることを特徴とする、請求項1に記載の乗員保護装置。
Priority Applications (2)
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| US09/114,256 US6168195B1 (en) | 1997-07-15 | 1998-07-13 | Occupant protecting device |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18956397A JP3715081B2 (ja) | 1997-07-15 | 1997-07-15 | 乗員保護装置 |
Publications (2)
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| JPH1134776A JPH1134776A (ja) | 1999-02-09 |
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ID=16243436
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP18956397A Expired - Fee Related JP3715081B2 (ja) | 1997-07-15 | 1997-07-15 | 乗員保護装置 |
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Families Citing this family (2)
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-
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- 1997-07-15 JP JP18956397A patent/JP3715081B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
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| JPH1134776A (ja) | 1999-02-09 |
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