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JP3777241B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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和幸 梅田
庸雄 森川
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
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    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/02Carcasses
    • B60C9/023Carcasses built up from narrow strips, individual cords or filaments, e.g. using filament winding

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーカスコードを左右一対のビード部間に往復させてカーカス層を形成した空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、生産性を向上すると共に、ビードワイヤの使用量を低減して軽量化を図ることを可能にする空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的な空気入りラジアルタイヤに適用されるカーカス層を形成する場合は、予め引き揃えられた複数本のカーカスコードをカレンダー工程に掛けて未加硫ゴムをゴム引きして帯状のシート材にし、このゴム引きシート材を長手方向に略カーカス層の径方向長さより両端の巻き上げ高さ分だけやや長い大きさに切断した後、それら裁断片をタイヤサイズに応じて単数もしくは複数枚をタイヤ周方向に必要な周長になるように継ぎ合わせてカーカス材を形成する。
【0003】
このように準備されたカーカス材は、グリーンタイヤの成形工程に移されて成形ドラムに巻き付けられ、次いでその外周の両端部にビードコアを嵌め込んだ後、カーカス材の両端部をビードコアを包み込むように巻き上げ、さらにサイドゴム等を巻き付けることによって、グリーンタイヤが成形されるようになっている。
【0004】
しかるに、このようにして成形されるカーカス層では、成形後のカーカス材の巻き上げ端部にカーカスコードの切断破面が形成され、この切断破面が変形量の大きなタイヤサイドウォール部に存在するため、切断破面への応力集中によってタイヤ故障を招くことが少なくなかった。
そこで、タイヤ成形用中子の外周上に1本のカーカスコードを編み上げてカーカス層を形成し、その往復折り返し部をタイヤ周方向に巻回させたビードワイヤからなるビードコアによって両面から挟み込むようにしたビード構造(特開平6−171306号公報)が提案されている。このビード構造は、ビードコアとカーカスコードとの間の剪断力(引抜き抵抗)によってカーカス層をビードコアに締結するものであり、カーカス材の両端部を巻き上げる場合とは異なって切断破面がタイヤサイドウォール部に存在することはない。
【0005】
しかしながら、上述のビード構造では、ビードコアとカーカスコードとの間の引抜き抵抗を十分に確保する必要があるため、ビードワイヤの使用量を低減することができないという問題があった。特に、近年の電気自動車等の低燃費車両用タイヤでは軽量化が厳しく要求されているが、上記ビード構造を有するタイヤではこれら要求に答えることができなかった。また、上記タイヤでは、1本のカーカスコードを編み上げてカーカス層を形成しているので、生産性が極めて悪いという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生産性を向上すると共に、ビードワイヤ使用量を低減して軽量化を図ることを可能にする空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、2〜8本の引き揃えられたカーカスコードを左右一対のビード部間に連続的に往復させてカーカス層を形成し、その往復折り返し部に前記2〜8本のカーカスコードをタイヤ周方向に平行に束ねたカーカスコード集束部を設けると共に、該カーカスコード集束部のタイヤ径方向上部域を、1×Nの撚り構造を有するビードワイヤをタイヤ周方向に複数回巻回させたビードコアによって両面から挟み込み、前記カーカスコード集束部を該ビードコアに係止するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
このように往復折り返し部に複数本のカーカスコードをタイヤ周方向に略平行に束ねたカーカスコード集束部を設けると共に、該往復折り返し部をビードワイヤからなるビードコアによって両面から挟み込み、該カーカスコード集束部をビードコアに係止するようにしたことにより、ビードコアとカーカスコードとの間の引抜き抵抗を大幅に高めることができるので、ビードワイヤの使用量を低減してタイヤの軽量化を図ることができる。しかも、複数本の引き揃えられたカーカスコードを左右一対のビード部間に連続的に往復させてカーカス層を形成することにより、1本のカーカスコードを編み上げてカーカス層する場合に比べてタイヤの生産性を大幅に向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示するものである。図において、左右一対のビード部1,1間には、カーカス層2が装架されており、このカーカス層2のタイヤ幅方向両端部がタイヤ周方向に巻回させたビードワイヤ3aからなるビードコア3の内部に挟み込まれている。トレッド部4におけるカーカス層2の外側には、2層のベルト層5がタイヤ1周にわたって環状に配置されている。
【0010】
カーカス層2は、図2に示すように、引き揃えられた複数本(図では6本)のカーカスコード6を左右一対のビードコア3,3間に連続的に往復させると共に、そのタイヤ幅方向両端部の往復折り返し部7において複数本のカーカスコード6をタイヤ周方向Rに略平行に束ねたカーカスコード集束部6aを設けるように形成されている。
【0011】
このようなカーカス層2は、寸動可能なコンベアベルトや成形ドラム上で形成することが可能である。すなわち、複数の糸出し機10をタイヤ周方向Rに略一列に配置し、これら糸出し機10を一体的にタイヤ幅方向Wに往復移動可能に保持すると共に、各糸出し機10からカーカスコード6を給糸するようにする。
そして、例えば成形ドラム上に未加硫のゴムシートを貼り付けた後、このゴムシート上に糸出し機10からタイヤ幅方向Wに複数本のカーカスコード6を平行に載置していき、全てのカーカスコード6がビードコア3の位置の外側へ超えたときに糸出し機10を静止させ、成形ドラムをタイヤ周方向Rに寸動させることにより、往復折り返し部7において複数本のカーカスコード6をタイヤ周方向Rに平行移動させ、この部分にカーカスコード集束部6aを設けるようにする。
【0012】
このように複数の糸出し機10のタイヤ幅方向Wの往復移動と、成形ドラムのタイヤ周方向Rの寸動とを交互に繰り返すことにより、往復折り返し部7にカーカスコード集束部6aを設けながら、タイヤ全周にわたってカーカス層2を容易に形成することができる。このカーカス層2の両端部の往復折り返し部7は、図3に示すように1×Nの撚り構造を有するビードワイヤ3aをタイヤ周方向に複数回巻回させてなるビードコア3によって両面から挟み込まれ、そのカーカスコード集束部6aがビードコア3の内端側に配置される。
【0013】
上述した空気入りラジアルタイヤでは、往復折り返し部7に複数本のカーカスコード6をタイヤ周方向に略平行に束ねたカーカスコード集束部6aを設けると共に、この往復折り返し部7をビードワイヤ3aからなるビードコア3によって両面から挟み込み、カーカスコード集束部6aをビードコア3に係止するようにしたので、ビードコア3とカーカスコード6との間の引抜き抵抗を大幅に高めることができる。このため、ビードコア3を構成するビードワイヤ3aの使用量を従来より低減した場合に、ビードコア3とカーカスコード6との間の剪断力が低下するもののカーカスコード集束部6aの係止力が作用するので、加硫成形中の内圧負荷によってビードコア3からカーカスコード6が抜けるという不都合を生じにくくなる。従って、このタイプのビード構造において、ビードワイヤ3aの使用量を低減することが可能になり、タイヤの軽量化を図ることができる。
【0014】
しかも、上述のカーカスコード集束部6aを形成するに当たって、複数本の引き揃えられたカーカスコード6を左右一対のビード部1,1間に連続的に往復させてカーカス層2を形成するようにしたので、従来のように1本のカーカスコードを左右一対のビード部間に編み上げてカーカス層する場合に比べてタイヤの生産性を大幅に向上することができる。
【0015】
本発明において、引き揃えられたカーカスコード6の本数は2〜8本、さらに好ましくは2〜6本にすることが望ましい。カーカスコード6の引き揃え本数が1本だけであると、カーカスコード集束部6aを形成することができないため本発明の効果が得られない。一方、カーカスコード6の引き揃え本数を多くするとカーカスコード集束部6aが大きく形成されるようになり、その本数が8本を超えると、タイヤのユニフォミティーが悪化するので好ましくない。
【0016】
なお、上記実施形態は1層のカーカス層を設けたものであるが、本発明において、カーカス層は複数層を積層して設けるようにしてもよい。このようにカーカス層を複数層設けた場合、少なくとも1層のカーカス層について上述のビード構造とカーカス構造を形成することによりビードコアとカーカスコードとを互いに締結すればよい。
【0017】
【実施例】
タイヤサイズを185/60R14とし、図1に示すタイヤ構造において、カーカス構造及びビード構造だけを下記のように異ならせた本発明タイヤ、従来タイヤ及び比較タイヤ1,2を製作した。
本発明タイヤ1
5本のカーカスコードを引き揃えて左右一対のビード部間に連続的に往復させてカーカス層を形成し、その往復折り返し部にカーカスコードをタイヤ周方向に略平行に束ねたカーカスコード集束部を設けると共に、この往復折り返し部をタイヤ周方向に巻回させたビードワイヤからなるビードコアによって両側から挟み込み、そのカーカスコード集束部をビードコアに係止するようにした。ビードワイヤとして、1×6の撚り構造(素線径:0.43mm、コード径:1.30mm)を有するものを使用し、往復折り返し部を10本のビードワイヤが把持するように巻回数を設定した。なお、上記カーカスコード集束部の最大直径は1.25mmとなっていた。
【0018】
従来タイヤ
1本のカーカスコードを左右一対のビード部間に連続的に往復させてカーカス層を形成し、その往復折り返し部をタイヤ周方向に巻回させたビードワイヤからなるビードコアによって両側から挟み込むようにした。ビードワイヤとして、2+7の撚り構造(素線径:0.35mm、コード径:1.35mm)を有するものを使用し、往復折り返し部を16本のビードワイヤが把持するように巻回数を設定した。
【0019】
比較タイヤ1
ビードワイヤとして、1×6の撚り構造(素線径:0.43mm、コード径:1.30mm)を有するものを使用したこと以外は、従来タイヤと同じ構造にした。
比較タイヤ2
ビードワイヤとして、1×6の撚り構造(素線径:0.43mm、コード径:1.30mm)を有するものを使用し、往復折り返し部を10本のビードワイヤが把持するようにしたこと以外は、従来タイヤと同じ構造にした。
【0020】
これら試験タイヤについて、下記の試験方法により、生産速度、カーカスコード使用量、ビードワイヤ使用量、加硫成形時におけるカーカス端の変位量を評価し、その結果を表1に示した。
生産速度:
各試験タイヤについて成形に要した時間を測定し、従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が小さいほど生産性が優れている。
【0021】
カーカスコード使用量:
各試験タイヤに使用したカーカスコードの重量を測定し、従来タイヤを100とする指数にて示した。この指数値が小さいほどカーカスコードの使用量が少ない。
ビードワイヤ使用量:
各試験タイヤに使用したビードワイヤの重量を測定し、従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が小さいほどビードワイヤの使用量が少ない。
【0022】
加硫成形時におけるカーカス端の変位量:
各試験タイヤを内圧を掛けながら加硫成形し、未加硫時のカーカス端位置に対する加硫後のカーカス端位置の変位量を測定した。評価結果は、従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が小さいほどカーカス端の変位量が少ない。
【0023】
表1
Figure 0003777241
【0024】
この表1から明らかなように、本発明タイヤは、引き揃えられたカーカスコードを使用して連続生産が可能であると共に、従来タイヤに比べて生産速度を向上することができ、しかも加硫成形後におけるカーカス端の変位量を従来と同等に抑制しながらビードワイヤの使用量を大幅に低減することができた。
【0025】
これに対して、比較タイヤ1は、本発明タイヤと同じビードワイヤを使用しているものの、本発明タイヤと同等の性能を得るためにはビードワイヤの使用量を従来タイヤと同じにする必要があった。また、比較タイヤ2は、本発明タイヤと同じビード構造を採用することにより軽量化されているものの、カーカスコードの往復折り返し部にカーカスコード集束部を有していないので、加硫成形時におけるカーカス端の変位量が従来タイヤに比べて大幅に増大していた。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数本の引き揃えられたカーカスコードを左右一対のビード部間に連続的に往復させてカーカス層を形成し、その往復折り返し部に前記複数本のカーカスコードをタイヤ周方向に略平行に束ねたカーカスコード集束部を設けると共に、該往復折り返し部をタイヤ周方向に巻回させたビードワイヤからなるビードコアによって両面から挟み込み、前記カーカスコード集束部を該ビードコアに係止するようにしたことにより、ビードコアとカーカスコードとの間の引抜き抵抗を大幅に高めることができるので、ビードワイヤの使用量を低減してタイヤの軽量化を図ることができる。しかも、本発明によれば、従来のように1本のカーカスコードを編み上げてカーカス層する場合に比べてタイヤの生産性を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示する子午線断面図である。
【図2】図1のタイヤのカーカス層の製造方法を示す説明図である。
【図3】図1のタイヤのビード廻りの構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 カーカス層
3 ビードコア
3a ビードワイヤ
6 カーカスコード
6a カーカスコード集束部
7 往復折り返し部

Claims (2)

  1. 2〜8本の引き揃えられたカーカスコードを左右一対のビード部間に連続的に往復させてカーカス層を形成し、その往復折り返し部に前記2〜8本のカーカスコードをタイヤ周方向に平行に束ねたカーカスコード集束部を設けると共に、該カーカスコード集束部のタイヤ径方向上部域を、1×Nの撚り構造を有するビードワイヤをタイヤ周方向に複数回巻回させたビードコアによって両面から挟み込み、前記カーカスコード集束部を該ビードコアに係止するようにした空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ビードワイヤの撚り構造が1×6である請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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