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JP3752052B2 - コード位相捕捉回路 - Google Patents

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JP3752052B2
JP3752052B2 JP9688797A JP9688797A JP3752052B2 JP 3752052 B2 JP3752052 B2 JP 3752052B2 JP 9688797 A JP9688797 A JP 9688797A JP 9688797 A JP9688797 A JP 9688797A JP 3752052 B2 JP3752052 B2 JP 3752052B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトル拡散されている受信信号に対するコード位相同期を確立及び維持するコード位相同期ループと共に用いられ、受信信号に係るPNコードの位相を細くするコード位相捕捉回路に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
GPS(Global Positioning System),GLONASS(Global Orbiting Navigation Satellite System)等に代表されるGNSS(Global Navigation Satellite System)は、車両、船舶、航空機等の移動体や野外活動している人間の位置、速度等を知るために、近年広く利用されているシステムである。GNSSは、一般に、地球周回軌道上にある所定個数の測位衛星から構成される宇宙部分、地球上の移動体に搭載され又は人間により携帯される衛星測位装置から構成される利用者部分、及びシステムの運用を管理する制御部分から構成される。測位衛星は、測位衛星の軌道や送信時刻を示す航法データを、擬似雑音(PN)コードにてスペクトル拡散されている信号にて地球上に送信する。衛星測位装置は、測位衛星から受信した信号を、測位衛星にてスペクトル拡散に使用したPNコードと同じ内容のPNコードにてスペクトル逆拡散することにより、航法データを復調し、必要な個数以上の測位衛星から航法データを集め、その結果に基づき自己の位置、移動速度等を求める。
【0003】
図5に、衛星測位装置の一例構成を示す。この図の装置では、信号処理部40での信号処理に先立って、測位衛星から送信され空中線10によって受信した信号に、周波数変換部20により周波数変換や増幅等の処理を施し、更にA/D変換部30によってこの受信信号をディジタルデータに変換している。信号処理部40はN個の受信チャネル41―i(i=1,2,…N)を有しており、各受信チャネル41―iはディジタルデータに変換された受信信号から航法データを復調する。各受信チャネル41―iは、現在可視状態にある測位衛星のうち制御/演算部50により測位演算用に選択されたもののうちひとつからの受信信号に対し、キャリア同期及びコード同期を確立し更に維持するよう、制御/演算部50によって制御される。各受信チャネル41−iは、キャリア同期及びコード同期が確立かつ維持されている状態では、その測位衛星から得た航法データを制御/演算部50に供給する。受信チャネル41―iの個数Nは、測位演算に必要な測位衛星の個数に応じて、即ち制御/演算部50が測位演算を行うのに必要な個数以上の測位衛星から同時に航法データを集めることができるよう、設定されている。制御/演算部50は、信号処理部40から得た航法データに基づき測位衛星までの距離(誤差を含むため擬似距離と呼ばれる)やその測位衛星の位置を求め、所定個数以上の測位衛星に関し求めた擬似距離及び位置から衛星測位装置の位置(利用者位置)を求め、更に、キャリア同期制御の際に得られるドプラシフトに関する情報に基づき衛星測位装置の移動速度(利用者速度)を求める。出力部60は、この演算即ち測位演算にて得られる利用者位置や移動速度を、映像や音声等の形態で出力する。
【0004】
図6に、受信チャネル41―iの一例構成を示す。この図に示す構成は、キャリア周波数及び/又は位相に係る同期ループ(キャリア同期ループ)と、コード位相に係る同期ループ(コード(位相)同期ループ)とを、形成可能な構成である。
【0005】
まず、キャリア同期ループは、制御/演算部50、キャリア発生器41a、キャリア比較器41b及び積分部41eによって形成できる。即ち、キャリア発生器41aは制御/演算部50から指令される周波数及び/又は位相を有する内部キャリアを発生させ、キャリア比較器41bは受信信号の周波数及び位相と内部キャリアの周波数及び位相とを比較し、ループを安定させる積分部41eを介し比較の結果を制御/演算部50に帰還している。キャリア比較器41bにおいては受信信号に係るキャリアに対する内部キャリアの周波数・位相の誤差を示す情報が得られるから、この誤差が抑制される方向に制御/演算部50がキャリア発生器41aに対する指令を発生させることにより、受信信号に対し内部キャリアを周波数・位相同期させることができる(キャリア同期)。
【0006】
また、コード位相同期ループは、制御/演算部50、コード発生器41c、コード比較器41d及び積分部41eによって形成できる。即ち、コード発生器41cは測位衛星で用いられている拡散用PNコードと同一内容でかつ制御/演算部50から指令される位相を有する逆拡散用の内部PNコードを発生させ、コード比較器41dは受信信号の位相と内部PNコードの位相とを比較し、その結果を積分部41eを介し制御/演算部50に帰還している。コード比較器41dにおいては、受信信号に係るPNコードに対する内部PNコードの位相の誤差を示す情報、言い換えれば受信信号に対する内部PNコードの相関の度合いを示す情報が得られるから、この誤差が抑制され相関の度合いが高まる方向に制御/演算部50がコード発生器41cに対する指令を発生させることにより、受信信号に対し内部PNコードを位相同期させることができる(コード同期)。キャリア同期及びコード同期が確立された状態では、積分部41eの出力は、航法データを示す信号になる。
【0007】
電源投入直後や、利用者の移動に伴いそれまで建物にて遮られていた測位衛星からの信号を受信できるようになった直後等においては、上述のようなキャリア同期やコード同期は確立されていない。そこで、これらの同期を確立するための処理が必要になる。図7に、コード同期のために制御/演算部50や受信チャネル41―iが実行する処理の概要を示す。この図に示すように、制御/演算部50は、コード発生器41cに対し内部PNコードの位相に関する指令を与え(100)、コード比較器41dにおける比較の結果を(102)、積分部41eを介し入力する(104)。制御/演算部50は、内部PNコードの位相を1チップ分ずらす旨の指令を生成し(106)、同様の動作を繰り返す。ここでいうチップとは、PNコードを構成する各ビットのことであり、例えばGPSで用いられているPNコードのうちのC/Aコードでは、PNコードの1繰返し周期が1023チップである。以下、1繰返し周期に含まれるチップの個数をn(n:2以上の自然数)と表す。上述のステップ100〜106がn回繰り返されたとき、即ち内部PNコードの位相が1回転したとき(108)、制御/演算部50は、n通り得られているコード比較結果のなかで、最も大きな相関の度合いを与えているものに係る位相を選択・検出し、この位相に基づきコード発生器41cに指令を与える(110)。コード発生器41cは、指令された位相を初期位相として、コード位相同期が確立された状態に移行する(112)。この後は、コード位相の誤差が抑制されるようにコード同期ループを保持する制御状態即ち追尾状態になる。
【0008】
図5乃至図7に示した構成の問題点は、第1に、コード位相同期確立に要する時間が長いことである。即ち、コード同期ループを用いてかつ追尾状態での制御と同一乃至類似の手順でコード位相同期を確立するのでは、特に、相関の度合いを求める処理に時間がかかる。具体的には、ある位相値の内部PNコードについて受信信号との相関の度合いを求めるのには少なくともPNコード1繰返し周期分の受信信号を入力する必要があり、その位相値から1チップ分ずれた位相値を有する内部PNコードについて相関の度合いを求めるのには次の少なくともPNコード1繰返し周期分の受信信号を入力する必要があり、…というように、合計で少なくともPNコードn繰返し周期分の受信信号が必要になる。これは、十分高い相関値を得て好適にデータを復調するには受信信号に対する逆拡散用PNコードの位相差を少なくとも1チップ以内に抑えねばならず、従って、n通り全ての相関を求めねばならないことによる。ここに、GPSのC/A(Coarse Acquisition)コードを例とすると、チップレート=1.023MHz、n=1023、従って1繰返し周期=1023/1.023MHz=1msecであるから、図7の処理を実行するには少なくとも1msec×n=1023msecが必要になる。
【0009】
【発明の概要】
本発明の目的の一つは、従来に比べ高速に、測位衛星等からの信号にコード位相同期を確立できるコード位相同期回路を実現することにある。本発明の目的の一つは、上述の目的の達成及びその成果の衛星測位装置への適用によって、測位率の向上、建物の陰等による受信中断からの復帰時の迅速な測位再開等を達成した衛星測位装置を実現できるようにすることにある。
【0010】
本発明に係るコード位相捕捉回路は、受信信号と逆拡散用PNコードの間の相関値が所定水準を上回り続けるよう、拡散用PNコードと同一内容を有する逆拡散用のPNコードの位相を逐次可変設定することにより、送信の際拡散用PNコードを用いてスペクトル拡散されている受信信号に対する逆拡散用PNコードの位相同期を維持するコード位相同期ループと共に用いられる。その特徴は、受信信号に係るPNコード位相が未特定であるときに、受信信号を保持する一方で、いずれも拡散用PNコードの一部分と同一内容で互いに位相が異なる複数の初期捕捉用PNコードを発生させ、発生させた複数の初期捕捉用PNコードをレジスタに保持し、レジスタに保持された複数の初期捕捉用PNコードの中から、保持されている受信信号との間の相関値が最大になる初期捕捉用PNコードを選択する初期捕捉部と、初期捕捉部にて選択された初期捕捉用PNコードが有している位相に基づきコード位相同期ループに対し逆拡散用PNコードの初期位相を指令することにより、上記位相同期を確立させる制御手段と、を備えることにある。
【0011】
このように、本発明においては、初期捕捉部において受信信号を保持し、この受信信号から検出したコード位相に基づき逆拡散用PNコードの初期位相を設定するようにしているため、従来に比べ迅速に、測位衛星等から送信された受信信号に対するコード位相同期を確立することができる。すなわち、逆拡散用PNコードの位相を変化させてゆき受信信号とのコード位相同期を確立していた従来技術と異なり、内部PNコードたる逆拡散用PNコードのチップ数×逆拡散用PNコードの1周期長という長い時間がコード位相同期の確立に費やされることはなく、例えば、逆拡散用PNコードの2繰返し周期分という短い時間で、コード位相同期を確立することができる。
【0012】
また、本発明を実現するに際しては、初期捕捉用PNコードと保持されている受信信号との間の相関値の演算を、初期捕捉部が、複数の初期捕捉用PNコードについて同時並列的に実行するような構成とするのが望ましい。このような構成とすることにより、受信信号に係るコード位相の検出に要する時間が更に短縮されることになる。また、より好ましくは、保持されている受信信号との間の相関値の演算を同時並列的に実行すべき初期捕捉用PNコードの個数及び/又はチップ個数を、制御手段が、初期捕捉部に指令するような構成とするのが望ましい。このような構成とすることにより、必要に応じ受信信号に係るコード位相の検出ひいてはコード位相同期の確立に要する時間を短縮するといった制御が可能になる。
【0013】
なお、本願では、本発明を「コード位相捕捉回路」に係る発明であると表現しているが、本発明は、例えば「コード位相捕捉方法」「衛星測位装置」等としても表現することができる。これらの表現への変更は、本願による開示を参照した当業者であれば、容易に成し得るであろう。また、以下の説明ではGPSを前提とし、また使用するPNコードとしてはC/Aコードを前提とするが、本発明はこれ以外の種類のGNSS及びPNコードに適用することもできる。以下、本発明に関し、実施形態を提示してより詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の一実施形態に係る衛星測位装置の構成を示す。この図に示す装置においては、受信チャネル41−1,41−2,…41−Nに加え初期捕捉部42を備えた信号処理部40Aが用いられている。また、初期捕捉部42の追加に伴い制御/演算部の制御機能には一部改変が施されており、そのため、図1では制御/演算部を50Aの符号によって表している。
【0015】
図2に、この実施形態における初期捕捉部42の一例構成を示す。図中、キャリア発生器42aは、制御/演算部50Aから周波数及び/又は位相に関する指令を受け取り、指令された周波数及び/又は位相を有する初期捕捉用の内部キャリアを発生させ、キャリア比較器42bに供給する。キャリア比較器42bは、A/D変換部30から供給される受信信号の周波数及び/又は位相と、キャリア発生器42aから供給される内部キャリアの周波数及び/又は位相とを比較し、その結果を表す信号を信号保持器42cに供給する。信号保持器42cは、シフトレジスタやRAM等の部材によって構成されており、キャリア比較器42bを介して供給されるデータを、PNコードの少なくとも1繰返し周期分にわたって保持する。他方、コード発生器42dは、測位衛星にてスペクトル拡散の際に用いたPNコードと同一内容を有する初期捕捉用PNコードを発生させ、コード比較器42eに供給する。コード比較器42eは、信号保持器42cにて保持されている受信信号と、コード発生器42dから供給される初期捕捉用PNコードとを比較し、両者の相関の度合いを求め、その結果を最大値検出器42gに供給する。比較制御器42fは、最終的には互いに1チップずつ位相がずれたn通り以上の初期捕捉用PNコードについて比較結果が得られるよう、コード比較器42eにおける比較の際、初期捕捉用PNコードの位相を逐次ずらしてゆく。最大値検出器42gは、このn通り以上の比較結果の中で最大の相関の度合いを与える比較結果Cmax及びこの比較結果Cmaxを与えるコード位相Pmaxを検出し、制御/演算部50Aに供給する。
【0016】
図3に、この実施形態における信号保持器42c及びコード比較器42eの一例機能構成を示す。この図に示すように、信号保持器42cは、そのサイズがそれぞれMビットである一対のレジスタ42hを有している。レジスタ42hは、キャリア比較器42bから出力される信号、すなわち直交性のキャリアに係るI相及びQ相の信号を保持する。レジスタ42hのサイズMは、測位衛星にて用いられているPNコードの1繰返し周期に含まれるチップ個数n以上の値であり、例えば2nである。他方、コード比較器42eは、コード発生器42dから供給される初期捕捉用PNコードを保持するためのレジスタ42iをm通り有している。各レジスタ42iのサイズkは、1≦k≦nとなるよう設定されており、各レジスタ42iは、nチップの初期捕捉用PNコードから取り出したkチップのコードを保持する。更に、1個目のレジスタ42iに対し2個目のレジスタ42iは1チップずれ、…というように、各レジスタ42iにて保持されるコードの内容は1チップずつずれている。後述のように、本実施形態では、レジスタ42hにより保持されているキャリア比較器42bの出力と、レジスタ42iにより保持されている初期捕捉用PNコードに係る信号との比較により受信信号に係るPNコードの位相を特定しているため、レジスタ42iのサイズkとレジスタ42iの個数mの間には、km≧nなる関係を設けておく。本実施形態では、独立のm通りのレジスタによりレジスタ42iを構成しているが、(k+m)段のシフトレジスタ1個を用いて実現しても、同様の機能を実現できる。
【0017】
コード比較器42eは、更に、レジスタ42hの内容とレジスタ42iの内容とを比較する比較器42jを有している。例えば、図中1番上に記されている比較器42jは、I相に係るレジスタ42hにより保持されている信号のうち一連のkチップ分の信号を入力する一方で、コード発生器42dにより生成された初期捕捉用PNコードのうち1個目のレジスタ42iにより保持されている一連のkチップ分の部分を入力し、両者を比較する。また、図中上から2番目に記されている比較器42jは、1番上に記されている比較器42jとは異なり、I相に係るレジスタ42hからではなくQ相に係るレジスタ42hからkチップ分の信号を入力し、これを1番目のレジスタ42iにより保持されている信号と比較する。各比較器42jの後段には絶対値演算器42kが設けられており、更に、同じレジスタ42iから信号を入力している一対の比較器42jに係る絶対値演算器42kの出力は加算器42lにて加算されている。更に、これら、一対の比較器42j、一対の絶対値演算器42k及び1個の加算器42lの組は、レジスタ42iの個数mと等しい個数、設けられている。従って、図中C1,C2,…Cmにて表されている各加算器42lの出力は、それぞれ、対応するレジスタ42iの内容をキャリア比較器42bのI相出力のうちkチップと比較した結果の絶対値と、同レジスタ42iの内容をキャリア比較器42bのQ相出力のうちkチップと比較した結果の絶対値とを、加算した値となる。更に、各加算器42lの出力C1,C2,…Cmは、対応するレジスタ42i同士の内容が1チップずつずれているのに対応して、異なる値となる。
【0018】
このように、I相とQ相とに分けて行った結果の絶対値を求めこれを加算することにより比較結果たるC1,C2,…Cmを求めるようにするのは、キャリア位相が0〜2π[rad]のいずれの値を有していても最大の比較結果Cmaxを好適に特定できるようにするためであり、また、GPSのように航法データの位相が常時反転するような信号でも好適に最大の比較結果Cmaxを得られるようにするためである。また、図3において用いているレジスタ42iのサイズkは、いわば、レジスタ42hにより保持されている信号のうち同時比較に供するチップの個数を定めるものであり、またレジスタ42iの個数mは同時比較に供され互いにその位相が1チップずつずれているコードの個数を示すものである。以下の説明では、kを同時比較チップ個数、mは同時比較コード個数と呼ぶ。
【0019】
図4に、この実施形態におけるコード位相同期確立の流れを示す。この図に示すように、まず初期捕捉部42の信号保持器42cが、キャリア比較器42bのI相及びQ相出力を、PNコードの少なくとも1繰返し周期分入力して保持し(200)、比較制御器42fが、制御/演算部50から同時比較コード個数m及び同時比較チップ個数kに関する指令を受け取る(202)。比較制御器42fは、指令された同時比較コード個数m及び同時比較チップ個数kに基づき、コード比較器42e内のレジスタ42iそれぞれに、互いに1チップずつ位相がずれておりその幅が各々kチップであるm通りの初期捕捉用PNコード(厳密にはその一部分)を保持させる。コード比較器42eは、比較制御器42fの制御の下で、比較器42j、絶対値演算器42k及び加算器42lを用いて、レジスタ42h上の信号とレジスタ42i上の信号との比較処理を行う(204)。コード比較器42eは、m個設けられているレジスタ42iそれぞれに関し順に(205)、この比較処理を行い、レジスタ42i全てについて比較処理を終えた時点で(206)、次のm通りの位相について(207)、ステップ204〜206を繰返し実行する。この繰返しによって、最終的に(n/k)×(n/m)通りの、従ってn通り以上の位相について比較処理を終えたとき(208)、最大値検出器42gが、それまでに入力・収集している(n/k)×(n/m)通りの比較結果の中から前述のCmax及びPmaxを求め、その結果を制御/演算部50Aに出力する(210)。制御/演算部50Aは、このようにして得られたPmaxすなわち受信信号に係るコード位相を、受信チャネル41−iを構成するコード発生器41cに対し初期位相として指令する(212)。これによって、受信チャネル41−iは、コード位相同期を確立して追尾状態へ遷移する(214)。
【0020】
ここに、図4に示す処理を実行するに際しては、まず、信号保持器42cが受信信号を保持するためにPNコードの1繰返し周期分の時間を費やしている。次に、互いに1チップずつ位相が異なる合計n通り以上の初期捕捉用PNコードについて比較処理が実行される。この比較処理の繰返しは、信号保持器42cによって保持されている受信信号に対して実行されるものであるから、コード位相同期ループを用いてコード位相を検出していた従来技術のように長時間が必要になることはない。具体的には、PNコードの1繰返し周期分の時間以内で終了することができる。従って、図4の手順にてコード位相同期を確立するのに要する時間は、例えば、GPSのC/Aコードを例とした場合には、2msec以下という短い時間になる。特に、信号保持器42cを構成するレジスタ42hのサイズMを、PNコードのチップ数nの2倍にしたときには、レジスタ42hによって、比較処理の繰返しに使用する1周期分の信号を保持しながら逐次キャリア比較器42bの出力を取り込むことが可能になるため、キャリア比較器42bからPNコード1繰返し周期分の信号をまだ入力していないため比較処理を行うことができないといった状況は、回路使用開始後の1繰返し周期だけでとどまり、その後は、1繰返し周期毎に、比較処理の結果を得ることができる。更に、制御/演算部50Aが比較制御器42fに対し指令している同時比較コード個数m及び同時比較チップ個数kを、2以上の適当な自然数に設定することにより、ステップ204において複数通りの初期捕捉用PNコードについて一度に比較処理を終えることができるから、図3に示す処理を終えるのに要する時間を更に短縮することが可能になる。例えば、GPSのC/Aコードを例とすると、k=1023、m=1023であるときには、1023/m×1023/k=約1回というステップ204の実行回数にて、図3に示す処理を実現することが可能になる。なお、以上の説明では初期捕捉用PNコードを順に1チップずつずらしているが、0.5チップ、0.1チップ等といったより微細なずらし幅としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る衛星測位装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この実施形態における処理捕捉部の構成を示すブロック図である。
【図3】 この実施形態における信号保持器コード及びコード比較器の一例機能構成を示すブロック図である。
【図4】 この実施形態におけるコード位相同期確立の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】 従来技術に係る衛星測位装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 各受信チャネルの構成を示すブロック図である。
【図7】 従来技術におけるコード位相同期確立の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
40A 信号処理部、41−1,41−2,…41−N 受信チャネル、41a,42a キャリア発生器、41b,42b キャリア比較器、41c,42d コード発生器、41d,42e コード比較器,41e 積算部、42f 比較制御器、42g 最大値検出器、50A 制御/演算部。

Claims (4)

  1. 受信信号と逆拡散用PNコードの間の相関値が所定水準を上回り続けるよう、拡散用PNコードと同一内容を有する逆拡散用PNコードの位相を逐次可変設定することにより、送信の際拡散用PNコードを用いてスペクトル拡散されている受信信号に対する逆拡散用PNコードの位相同期を維持するコード位相同期ループと共に用いられ、
    受信信号に係るPNコード位相が未特定であるときに、受信信号を保持する一方で、いずれも拡散用PNコードの一部分と同一内容で互いに位相が異なる複数の初期捕捉用PNコードを発生させ、発生させた複数の初期捕捉用PNコードをレジスタに保持し、レジスタに保持された複数の初期捕捉用PNコードの中から、保持されている受信信号との間の相関値が最大になる初期捕捉用PNコードを選択する初期捕捉部と、
    初期捕捉部にて選択された初期捕捉用PNコードが有している位相に基づきコード位相同期ループに対し逆拡散用PNコードの初期位相を指令することにより、上記位相同期を確立させる制御手段と、
    を備えることを特徴とするコード位相捕捉回路。
  2. 請求項1記載のコード位相捕捉回路において、
    上記初期捕捉部が、初期捕捉用PNコードと保持されている受信信号との間の相関値の演算を、複数の初期捕捉用PNコードについて同時並列的に実行することを特徴とするコード位相捕捉回路。
  3. 請求項2記載のコード位相捕捉回路において、
    上記制御手段が、保持されている受信信号との間の相関値の演算を同時並列的に実行すべき初期捕捉用PNコードの個数を、上記初期捕捉部に指令することを特徴とするコード位相捕捉回路。
  4. 請求項2又は3記載のコード位相捕捉回路において、
    上記制御手段が、保持されている受信信号との相関値の演算を同時並列的に実行すべき初期捕捉用PNコードのチップ個数を、上記初期捕捉部に指令することを特徴とするコード位相捕捉回路。
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