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JP3749641B2 - 光触媒粉体及び光触媒膜の製造方法 - Google Patents

光触媒粉体及び光触媒膜の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高温で加熱処理を施さなくても光触媒活性を有する光触媒粉体又は光触媒膜を製造できる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
酸化チタン等の半導体物質にバンドギャップ以上のエネルギーを有する波長の光を照射すると強力な酸化力が発現し、その半導体物質に吸着接触した有害物質や臭気成分を分解して、脱臭、自己浄化作用等の光触媒作用を発揮する。
【0003】
酸化チタンの工業的製造方法としては塩化チタンを高温で分解酸化して酸化チタンとする気相法と、硫酸チタニルや塩化チタンを加水分解または中和して得られた沈殿物を焼成して酸化チタンとする液相法が採用されている。液相法には、無機チタン塩を用いる場合のほか、チタンアルコキシドを用いる方法もある。
【0004】
気相法で製造された酸化チタンは光触媒活性の高いアナターゼ形結晶と光触媒活性の低いルチル形結晶の混合物となるため、光触媒用酸化チタンの製造方法としては好ましくない。
【0005】
液相法の場合、得られる酸化チタンの結晶形は焼成温度に依存するので、焼成温度をコントロールすることにより、実質的にアナターゼ形からなる酸化チタンを製造することができる。例えば、特許2805202号では、コロイド粒子の一つ一つが互いに強固に結合することなく粉体として得ることができる方法として、チタン塩の加水分解により得られる水酸化チタンを有機溶媒中に分散させた後、共沸温度以上で蒸留し、得られた水和酸化チタンを母液から分離した後、乾燥、仮焼する方法が開示されている。この方法の仮焼温度は、アナターゼ形結晶を得るために、300〜800℃としている。つまり、焼成温度を低くすると一次粒子径が小さく高比表面積の酸化チタンを得ることができ、比表面積が高くなると気相中の有害物質や臭気成分と光触媒とが接触しやすくなるので好ましい。しかしながら、300℃以下の低温で焼成すると、酸化チタンの結晶化が不十分となり、高い光触媒活性が得られない。また低温で焼成した場合、得られた光触媒には不純物が残っている場合が多く、これらの不純物は光照射により生成した電子と正孔の再結合に寄与するため、結果として光触媒反応の量子効率が低下するという問題がある。
【0006】
また、基材に光触媒体が含有された膜を形成して、基材に抗菌や防汚機能を付与することが試みられている。光触媒膜は、一般に、酸化チタンの前駆体ゾル等のコーティング液を基材に塗布し加熱処理することにより形成される。しかしながら酸化チタンの前駆体ゾルを用いて光触媒活性を有する酸化チタン膜を形成するためには、400〜500℃程度で前駆体を加熱する必要がある。このため、このような方法は、プラスチック、紙、繊維等の耐熱性に問題がある基材には適用できなかった。
【0007】
プラスチック、木材、紙などの非耐熱性基材の表面に酸化チタン膜を形成する方法としては、特開平11−21127号に、酸化チタンゾルをコーティングした後、マイクロ波を照射する方法が提案されている。しかしながら、マイクロ波の照射は大規模な設備を要するため、生産コストが高くなる。また大型の基材表面にコーティングした膜の硬化方法としては、不適当である。
【0008】
尚、光触媒粉体(酸化チタン粉末)を樹脂等の有機バインダーやシリカゾル、アルミナゾル等の無機バインダーに分散させてなる液をコーティング液として、基材に塗布し乾燥して固定化する方法であれば、高温の加熱工程を経ることなく、光触媒膜を非耐熱性基材の表面に形成することが可能である。しかしながら、200m2/g以上の高い比表面積を有し、かつ微粒子の光触媒粉体を高分散させることは難しく、良好な塗膜を得ることは困難である。また比表面積が100m2/g以下のものを使用すれば分散は可能となるが、酸化チタンは隠蔽用顔料として用いられることから明らかなように、光触媒粉体を分散させてなるコーティング液の乾燥硬化による方法からは透明な膜を形成することはできない。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高温での加熱処理を施さなくても優れた光触媒活性を有する光触媒粉体を容易に製造する方法及び非耐熱性基材の表面であっても光触媒膜を作製できる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の光触媒粉体の製造方法は、チタン化合物含有溶液を加熱又はアルカリで処理することによりチタン含有沈殿物を生成する第1工程;該チタン含有沈殿物を硝酸水溶液に分散させて、光触媒前駆体ゾルを得る第2工程;該光触媒前駆体ゾルにアルカリ性化合物を添加して得られたゲル状物を200℃以下で乾燥する第3工程を含むことを特徴とする。
【0011】
前記第1工程に代えて、水酸化チタン又は酸化チタンの水和物を使用して、第2工程以降を行なってもよい。
【0012】
また、前記チタン化合物含有溶液として、チタン化合物及びケイ素化合物を含有する溶液を使用してもよい。この場合、第1工程で生成されるチタン含有沈殿物がチタンとケイ素の複合系共沈物であって、第3工程で得られる光触媒粉体のチタン含有率は20モル%以上である。
【0013】
上記本発明の光触媒粉体の製造方法において、前記アルカリ性化合物として、アンモニアを使用することが好ましい。また、製造される光触媒粉体は、比表面積が300m2/g以上であることが好ましい。ここでいう比表面積は、BET法で測定した値をいう。
【0014】
本発明の光触媒膜の製造方法は、チタン化合物含有溶液を加熱又はアルカリで処理することによりチタン含有沈殿物を生成する第1工程;該チタン含有沈殿物を硝酸水溶液に分散せしめて光触媒前駆体ゾルを得る第2工程;該光触媒前駆体ゾルを含むコーティング液を基材に塗布する第3工程;第3工程で得られた塗膜にアルカリ性化合物処理を施した後、200℃以下で乾燥する第4工程を含むことを特徴とする。
【0015】
光触媒粉体の製造方法の場合と同様に、本発明の光触媒膜の製造方法においても、第1工程で得られるチタン含有沈殿物に代えて、水酸化チタン又は酸化チタンの水和物を使用してもよい。また、前記チタン化合物含有溶液として、チタン化合物及びケイ素化合物を含有する溶液を用いてもよい。この場合、第1工程で生成される沈殿物がチタンとケイ素の複合系共沈物であり、得られる光触媒膜のチタン含有率が20モル%以上である。
【0016】
前記アルカリ性化合物処理は、前記塗膜をアンモニアガス雰囲気に曝すことにより行なってもよい。また、第4工程の乾燥は、120℃以下で行なってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
〔光触媒粉体の製造方法〕
まず、本発明の光触媒粉体及びその製造方法について説明する。
【0018】
本発明の光触媒粉体の製造方法は、チタン化合物含有溶液を加熱又はアルカリで処理することによりチタン含有沈殿物を生成する第1工程;該チタン含有沈殿物を硝酸水溶液に分散させて、光触媒前駆体ゾルを得る第2工程;該光触媒前駆体ゾルにアルカリ性化合物を添加して得られたゲル状物を200℃以下で乾燥する第3工程を含む。以下、第1工程から順に説明する。
【0019】
第1工程で用いられるチタン化合物としては、塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニル等の無機系チタン化合物やチタンのアルコキシド、アルキルアルコキシド等の有機系チタン化合物が挙げられる。これらのうち、取り扱いやコストの観点より硫酸チタニルが好ましい。チタン化合物含有溶液の溶媒としては水を用いることが好ましい。
【0020】
チタン化合物含有溶液を加熱する場合、その加熱温度は、80〜100℃が好ましい。この程度の温度で加熱すれば、上記チタン化合物の加水分解が達成できるからである。
【0021】
アルカリ処理する場合、アルカリとしては、アンモニア、炭酸ナトリウム、尿素などを用いることができる。これらのアルカリを添加することにより、上記チタン化合物を加水分解することができる。
【0022】
以上のように、加熱又はアルカリ処理によりチタン化合物を加水分解すると、チタン含有沈殿物が得られるので、この沈殿物を濾過等により分離採取すればよい。チタン含有沈殿物は、主として、水酸化チタンあるいは水和酸化チタンである。従って、第1工程に代えて、他の方法により製造された水酸化チタン又は水和酸化チタン、あるいは購入した水酸化チタン又は水和酸化チタンを用いてもよい。
【0023】
チタン含有沈殿物の分離採取に際しては、必要に応じてアンモニア等のアルカリによって中和処理してから濾別してもよい。また、第2工程に供する前に、十分に水洗することが好ましい。
【0024】
このようにして、分離採取したチタン含有沈殿物を、硝酸水溶液に分散させて、光触媒前駆体ゾルを得る(第2工程)。
【0025】
チタン含有沈殿物を分散させる硝酸溶液の量は、チタン含有沈殿物に含まれるチタンに対して0.5〜10倍当量の硝酸であり、分散液の濃度が酸化物換算で3〜10質量%となるように調整することが好ましい。硝酸に分散すると、チタン含有沈殿物は解膠され無色透明あるいは乳白色のゾル状の分散液(光触媒前駆体ゾル)となる。
【0026】
次に、この光触媒前駆体ゾルにアルカリ性化合物を添加し、得られたゲル状物を200℃以下にて乾燥する(第3工程)。
【0027】
光触媒前駆体ゾルに添加するアルカリ性化合物としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の弱アルカリ性化合物;水酸化ナトリウムなどの強アルカリ性化合物などが挙げられる。これらのうち、弱アルカリ性化合物が好ましく、特にアンモニアを用いると、光触媒活性の高い光触媒粉体が得られる。
【0028】
アルカリ性化合物の添加量は、分散液の硝酸を中和できる程度の量が好ましく、具体的には、1〜1.5倍当量が好ましい。
【0029】
アルカリ性化合物の添加によりゲル状物が生成されるので、このゲル状物を濾過により採取する。採取したゲル状物をそのまま乾燥してもよいが、十分に水洗してから乾燥することが好ましい。
【0030】
ゲル状物の乾燥は、200℃以下で行なう。好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下である。一方、乾燥温度の下限は50℃以上とすることが好ましい。50℃以下で乾燥しても光触媒粉体を得ることは可能であるが、水分を除去するための乾燥時間が長くなり好ましくない。
【0031】
乾燥により得られたチタン化合物は、そのままで本発明の光触媒粉体として用いてもよいし、必要に応じてハンマーミル等により更に微粉化してもよい。
【0032】
以上のようにして、比表面積が300m2/g以上である本発明の光触媒粉体を製造することができる。
【0033】
上記本発明の製造方法において、第1工程で、チタン化合物とともにケイ素化合物を含有する溶液を使用し、得られたチタンとケイ素の複合系共沈物を用いて、第2工程に供してもよい。当該複合系共沈物を用いても、第2工程以降を同様に行なうことにより、光触媒活性を有し、且つ比表面積が300m2/g以上の光触媒粉体が得られる。チタンとケイ素の複合系共沈物を用いて得られるチタンとケイ素の複合系光触媒粉体は、チタン単独の光触媒粉体よりも光触媒活性を高くて好ましい。
【0034】
ケイ素化合物としては、シリカゾル、コロイド状シリカ、水ガラス、塩化ケイ素等の無機系ケイ素化合物やアルコキシシラン等の有機系ケイ素化合物を用いることができる。
【0035】
チタン化合物及びケイ素化合物を含有する溶液におけるチタン化合物とケイ素化合物の含有比率は、得ようとする光触媒粉体のチタンとケイ素の含有比率に応じて選択すればよい。従って、光触媒活性の観点から、チタン化合物及びケイ素化合物を含有する溶液中のチタン含有率が20モル%以上となるようにすることが好ましい。
【0036】
このように、チタンとケイ素の複合系共沈物を用いて同様の操作を行なうことにより、得られた光触媒体におけるチタンの含有率は20モル%以上であり、好ましくは50モル%以上である。チタン含有率が50モル%未満からは、チタン含有率が下がるに従って、光触媒活性が徐々に低くなり、20モル%未満となると、チタン単独の酸化物と同等以下の性能となって複合化の効果がなくなり、且つ第3工程で行なうゲル状物の採取作業が困難となるからである。
【0037】
以上説明したように、本発明の方法により得られる光触媒粉体は比表面積が高いので、有害ガス成分の吸着が大きく、優れた脱臭性能、有害成分の除去性能を示すことができる。この点、従来の光触媒では、アナターゼ形酸化チタンの比表面積が小さいことをカバーするために、活性炭やゼオライト等の吸着材を併用するケースが多かったが、本発明の光触媒粉体を用いれば、吸着材を併用することなく、単独で優れた吸着性能を示すことができる。また、活性炭やゼオライトによる吸着効果は、有害成分が活性炭等の表面を覆いつくすように吸着される飽和状態に達すると、それ以上の有害成分を吸着することはできないが、光触媒への吸着は光触媒作用による分解除去が並行して進行するので、吸着飽和状態にならずに済む。従って、本発明の光触媒を用いれば、従来の光触媒を用いる場合と比べて、有害成分の分解量の増大、光触媒粉体量あたりの有害成分の分解速度の増大、効果の持続性を期待できる。
【0038】
〔光触媒膜の製造方法〕
次に、本発明の光触媒膜の製造方法について説明する。
【0039】
まず、チタン化合物含有溶液を加熱又はアルカリで処理することによりチタン含有沈殿物を得る。この第1工程は、光触媒粉体の製造方法の第1工程と共通である。すなわち、上記光触媒粉体の製造方法で用いたチタン化合物と同様のチタン含有化合物を使用でき、チタン含有沈殿物を得るための加熱条件、使用できるアルカリも同様である。
【0040】
第1工程により得られるチタン含有沈殿物は、光触媒粉体の製造方法の第1工程で得られるチタン含有沈殿物と同じで、主成分が酸化チタンの水和物又は水酸化チタンである。従って、第1工程に代えて他の方法により生成した酸化チタンの水和物又は水酸化チタン、あるいは市販されている酸化チタンの水和物又は水酸化チタンを用いて、第2工程に供しても良い。
【0041】
第1工程において、チタン化合物含有溶液に、必要に応じて、ケイ素化合物を含有した溶液を用いてもよい。ケイ素化合物を併存させた場合、チタンとケイ素の複合系共沈物が得られるので、これをチタン含有沈殿物として第2工程に供すればよい。尚、併存させるケイ素化合物としては、上記光触媒粉体の製造方法で用いたものを使用することができ、チタン化合物とケイ素化合物の含有比率も、上記光触媒粉体の製造方法と同様にすることが好ましい。
【0042】
次に、第1工程で得られたチタン含有沈殿物(ケイ素化合物を添加した場合にはチタンとケイ素の複合系共沈物)あるいは他の方法により入手した酸化チタンの水和物若しくは水酸化チタン(以下、これらを特に区別しないときは、単に「チタン含有沈殿物」と総称する)を硝酸水溶液に分散させて、光触媒前駆体ゾルを得る(第2工程)。チタン含有沈殿物を硝酸水溶液に分散させて光触媒前駆体ゾルを得る操作(硝酸濃度など)は、上記光触媒粉体の製造方法と同様にすればよい。
【0043】
第3工程は、第2工程で得られた光触媒前駆体ゾルを含むコーティング液を基材に塗布する工程である。
【0044】
光触媒前駆体ゾルは、そのままコーティング液として用いることも可能であるが、必要に応じて溶剤やバインダーを添加してもよい。基材と形成される光触媒膜との親和性が低い場合、基材との密着性に優れたバインダーを添加することにより、光触媒膜と基材との密着性を確保することができる。使用できるバインダーとしては、基材の種類により適宜選択すればよいが、具体的には、シリカゾル、アルミナゾル、水ガラス等の無機系バインダー;フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル樹脂等の有機系バインダーなどが挙げられる。
【0045】
本発明の方法で用いられる基材は特に限定しない。金属、セラミックスなどの耐熱性材は勿論、プラスチック、フィルム、紙、繊維、木材等の非耐熱性材に分類される基材であってもよい。本発明の方法は、全工程のうち最も高温で行われる工程が後述する200℃以下で行なう乾燥工程(第4工程)であることから、乾燥工程に耐え得る程度の耐熱性を有するものであればよい。
【0046】
コーティングにより基材表面に薄膜を形成した後、アルカリ処理を施し、200℃以下で乾燥する(第4工程)。
【0047】
第4工程で用いられるアルカリ性化合物は、光触媒粉体の製造の第3工程で用いたアルカリ性化合物と同様のものを用いることができる。すなわち、アンモニア、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどを用いることができ、これらのうちアンモニアが好ましく用いられる。
【0048】
アルカリ処理方法としては、当該アルカリガスの雰囲気(例えばアンモニア雰囲気)に曝す方法、アルカリ性化合物の水溶液を噴霧する方法、基材をアルカリ水溶液中に浸漬する方法などが挙げられる。特にアルカリ性化合物としてアンモニアを用い、コーティングした基材をアンモニアガス雰囲気に曝す方法が簡便であり、かつ良好な膜性状が得られるため好ましい。
【0049】
乾燥温度は、200℃以下、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下である。このような温度で乾燥しても光触媒活性を有する光触媒膜が得られるので、基材の耐熱性に応じて乾燥温度を適宜選択すればよい。但し、50℃未満では乾燥時間が長くなり、かつ基材との密着性も低くなるので、基材の耐熱性に問題がない限り、100℃以上で乾燥することが好ましい。また乾燥により光触媒膜が基材に固定されてから水洗により残留イオンを除去することが好ましい。
【0050】
上記本発明の製造方法によって光触媒膜を形成することにより、臭気成分や有害成分の浄化、殺菌、防汚等の光触媒機能を基材に付与することが可能となる。本発明の製造方法によれば、耐熱性を有する基材は勿論のこと、耐熱性に乏しい基材についても適用することができる。
【0051】
【実施例】
〔光触媒粉体の製造〕
実施例1:
硫酸チタニルの硫酸水溶液100cm3(TiO2濃度250g/l,全硫酸濃度1100g/l)を純水で2倍に希釈した。この希釈液に、攪拌しながら10質量%のアンモニア水溶液400gを徐々に滴下してチタン含有沈殿物を得た。この沈殿物を濾過水洗した後、純水を加えて200gの懸濁液とした。この懸濁液に、65質量%の硝酸100gを添加し、2時間ホモミキサーで攪拌して光触媒前駆体ゾルを得た。次にこの光触媒前駆体ゾルに、攪拌しながら10質量%のアンモニア水溶液200gを徐々に滴下してゲル状物を得た。濾過によりこのゲル状物を採取し、水洗した後、120℃で1晩乾燥した。乾燥後、ハンマーミルにて粉砕し光触媒粉体を得た。得られた光触媒粉体の比表面積は380m2/gであった。
【0052】
実施例2:
四塩化チタンの塩酸水溶液100g(TiO2濃度27.5%,全塩酸量360g/kg)を純水で3倍に希釈した。希釈液に、攪拌しながら10質量%のアンモニア水溶液200gを徐々に滴下して沈殿物を得た。濾過して沈殿物を採取し、水洗後、純水を加えて350gの懸濁液とした。この懸濁液に65質量%の硝酸50gを加えて2時間ホモミキサーで攪拌して光触媒前駆体ゾルを得た。次にこの光触媒前駆体ゾルに、攪拌しながら10質量%のアンモニア水溶液100gを徐々に滴下してゲル状物を沈殿させた。このゲル状物を濾過により採取し、水洗した後、120℃で1晩乾燥した。乾燥後、ハンマーミルにて粉砕し光触媒粉体を得た。得られた光触媒粉体の比表面積は410m2/gであった。
【0053】
実施例3:
シリカゾル10g(日産化学製NCS−30)に10質量%アンモニア水溶液350gを添加してケイ素含有溶液を得た。次に硫酸チタニルの硫酸水溶液90cm3(TiO2濃度250g/l,全硫酸濃度1100g/l)に水125gを加えて、チタン化合物溶液を得た。このチタン化合物溶液を、先に調製したケイ素含有溶液に、攪拌しながら徐々に滴下してチタンとケイ素の複合系化合物を共沈させた。この共沈物を濾過により採取した後、水洗し、さらに純水を加えて150gの懸濁液とした。この懸濁液に、65質量%の硝酸150gを添加し、2時間ホモミキサーで攪拌することにより光触媒前駆体ゾルを得た。次に、この光触媒前駆体ゾルに、攪拌しながら10質量%のアンモニア水溶液300gを徐々に滴下してゲル状共沈物を得た。この共沈物を濾過水洗した後、120℃で1晩乾燥した。乾燥後、ハンマーミルにて粉砕し光触媒粉体を得た。得られた光触媒粉体におけるチタン含有率は85モル%であり、比表面積は400m2/gであった。
【0054】
実施例4:
実施例3においてチタンとケイ素の配合比を変えた以外は実施例3と同様にしてチタン及びケイ素の複合系光触媒粉体を得た。得られた光触媒粉体のチタン含有率は50モル%であり、比表面積は430m2/gであった。
【0055】
比較例1〜4:
実施例1及び2においてチタン化合物含有溶液にアンモニアを加えてチタン含有沈殿物を得、これを濾過水洗した後、120℃で1晩乾燥したものを夫々比較例1及び2とした。また比較例1及び2の乾燥品を更に500℃で2時間焼成したものを比較例3及び4とした。
【0056】
比較例5,6:
これらは、いずれも光触媒用酸化チタンとして市販されているものであり比較例5は一次粒子径が7nmで比表面積が300m2/g、比較例6は一次粒子径が20nmで比表面積が50m2/gある酸化チタン単独である。
【0057】
〔光触媒粉体の評価〕
実施例1〜4および比較例1〜6にて得られた光触媒粉体について、アセトアルデヒドの分解性能を下記試験方法に基づいて調べた。
【0058】
光透過性のある10l試験容器に光触媒粉体1g及び300ppmのアセトアルデヒド300ppmを入れて密閉した。かかる状態で、ブラックライト照射下(0.3mW/cm2)における経時的なガス濃度の減衰を測定し、分解速度定数をもとめた。同様の実験を暗所でも行なった。
【0059】
尚、初期の吸着による影響を避けるため、30分経過後以降に一次反応的に濃度減衰が進んでいることを確認してから速度定数を求めた。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0003749641
【0061】
比較例1および比較例2の粉体では光照射の有無による性能差は認められず、単に第1工程の沈殿物を乾燥しただけでは光触媒性能は得られないことがわかる。これら沈殿物を活性化するためには高温での加熱処理が必要であり、比較例3及び比較例4に示すように500℃で焼成することによって光触媒性能を発現している。
【0062】
一方、実施例の光触媒粉体は、高温で焼成した比較例3,4及び市販の光触媒用酸化チタンと同程度以上に、光触媒活性を示した。特に実施例3及び実施例4のチタンにケイ素を複合せしめた光触媒粉体は光触媒活性を有していることがわかる。
【0063】
〔光触媒膜を有する複合材の製造〕
実施例5:
実施例1の方法に基づいて光触媒前駆体ゾルを調製し、得られた光触媒前駆体ゾル300gと20質量%のシリカゾル150gを混合してゾル状のコーティング液を調製した。調製したコーティング液を、アクリル板の表面に、ディップコーティング法にて塗布した。
【0064】
デシケーターに10質量%のアンモニア水100gが入った300cm3のビーカーを静置し、このデシケータの中に、コーティングしたアクリル板を入れて、蓋を閉めた。
【0065】
5分後に、デシケータからアクリル板を取り出して、100℃の乾燥機に入れて10分間乾燥することにより、光触媒膜が固定化されたアクリル板を得た。
【0066】
実施例6:
実施例3と同様にして得られたチタンとケイ素の複合系光触媒前駆体ゾル300gを使用した以外は、実施例5と同様にして、チタン含有率が85モル%の光触媒膜をアクリル板に形成した。
【0067】
比較例7:
市販の光触媒用チタニアゾル(TiO2:10質量%)300gとシリカゾル150gを混合してゾル状のコーティング液を調製した。調製したコーティング液を実施例5と同様にしてアクリル板をコーティングした後、100℃の乾燥機に入れて10分間乾燥することによりチタン含有膜を形成した。
【0068】
〔光触媒膜の評価〕
実施例5,6及び比較例7で得た光触媒膜が形成されたアクリル板について、下記方法に基づいて光触媒活性を調べた。
【0069】
光触媒膜上にサラダ油を滴下して、光触媒表面に薄く広げた後、ブラックライトにより3mW/cm2の紫外線を12時間照射した。照射後のサラダ油付着重量を測定した。重量減少量が多いほど、光触媒膜のサラダ油分解能力が強いこと、すなわち光触媒活性が高いことを示している。
【0070】
測定結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
Figure 0003749641
【0072】
表2より、実施例の光触媒膜は、サラダ油分解率が高く、光触媒活性を示すことがわかる。一方、市販の光触媒用ゾルを用いた比較例の光触媒膜は、サラダ油の分解能力が小さく、光触媒活性をほとんど有していないことがわかる。
【0073】
【発明の効果】
本発明の光触媒粉体の製造方法によれば、安価な原料を使用して高い比表面積を有する光触媒粉体を製造できる。これにより各種有害成分に対する吸着能力を高めることが可能となる。光触媒粉体に高い吸着能を持たせることにより、活性炭等の吸着材を併用しないくても優れた除去効果が得られる。
【0074】
本発明の光触媒膜の製造方法によれば、高温で焼成しなくても優れた光触媒活性を有する膜を製造できる。従って、耐熱性に乏しい基材に対しても、優れた光触媒活性を有する膜を形成することができる。

Claims (9)

  1. チタン化合物含有溶液を加熱又はアルカリで処理することによりチタン含有沈殿物を生成する第1工程、該チタン含有沈殿物を硝酸水溶液に分散させて、光触媒前駆体ゾルを得る第2工程、該光触媒前駆体ゾルにアンモニアを添加して得られたゲル状物を200℃以下で乾燥する第3工程を含むことを特徴とする光触媒粉体の製造方法。
  2. 請求項1の第1工程で得られるチタン含有沈殿物に代えて、水酸化チタン又は酸化チタンの水和物を使用する光触媒粉体の製造方法。
  3. チタン化合物含有溶液にはケイ素化合物が含有されていて、第1工程で生成されるチタン含有沈殿物がチタンとケイ素の複合系共沈物であり、第3工程で得られる光触媒粉体のチタン含有率が20モル%以上である請求項1に記載の光触媒粉体の製造方法。
  4. 比表面積が300m2/g以上の光触媒粉体を製造する請求項1〜のいずれかに記載の光触媒粉体の製造方法。
  5. チタン化合物含有溶液を加熱又はアルカリで処理することによりチタン含有沈殿物を生成する第1工程、該チタン含有沈殿物を硝酸水溶液に分散せしめて光触媒前駆体ゾルを得る第2工程、該光触媒前駆体ゾルを含むコーティング液を基材に塗布する第3工程、第3工程で得られた塗膜にアルカリ性化合物処理を施した後、200℃以下で乾燥する第4工程を含む光触媒膜の製造方法。
  6. 請求項の第1工程で得られるチタン含有沈殿物に代えて、水酸化チタン又は酸化チタンの水和物を使用する光触媒膜の製造方法。
  7. 前記チタン化合物含有溶液は、チタン化合物及びケイ素化合物を含有する溶液であり、第1工程で生成される沈殿物がチタンとケイ素の複合系共沈物であって、得られる光触媒膜のチタン含有率が20モル%以上である請求項に記載の光触媒膜の製造方法。
  8. 前記アルカリ性化合物処理は、前記塗膜をアンモニアガス雰囲気に曝すことにより行なう請求項のいずれかに記載の光触媒膜の製造方法。
  9. 第4工程の乾燥を、120℃以下で行なう請求項のいずれかに記載の光触媒膜の製造方法。
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