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JP3742775B2 - 固体撮像素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像素子に係り、特に、単板式撮像装置に利用される固体撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日では、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の多くの撮像装置において、CCD(電荷結合素子)型の固体撮像素子やMOS(金属−酸化物−半導体)型の固体撮像素子がエリア・イメージセンサとして利用されている。
【0003】
CCD型およびMOS型のいずれの固体撮像素子も、半導体基板の一表面に複数行、複数列に亘って行列状に配置された多数個の光電変換素子を有し、光の入射によってこれらの光電変換素子に蓄積された電荷に基づいて出力信号(画素信号)を生成する。多くの固体撮像素子では、画素信号を生成するための出力信号生成部が、光電変換素子と一緒に1つの半導体基板に集積される。
【0004】
出力信号生成部は、その構成によって2つのタイプに大別することができる。1つは、CCD型の固体撮像素子での出力信号生成部のように、CCDによって構成された1種または2種の電荷転送素子を用いて、光電変換素子に蓄積された電荷を電荷検出回路まで転送し、ここで出力信号を生成するタイプの出力信号生成部である。
【0005】
エリア・イメージとして利用されるCCD型の固体撮像素子は、通常、1つの光電変換素子列に1つずつ対応して配置される第1電荷転送素子(以下、「垂直電荷転送素子」という。)と、これらの垂直電荷転送素子に電気的に接続される1つの第2電荷転送素子(以下、「水平電荷転送素子」という。)とを有する。CCDは、半導体基板の一表面にチャネルを設け、このチャネル上に電気的絶縁膜を介して複数の電極(転送電極)を配置することによって構成される。
【0006】
他の1つは、MOS型の固体撮像素子での出力信号生成部のように、トランジスタを介して光電変換素子と出力信号線とを接続し、光電変換素子に蓄積された電荷に応じて前記の出力信号線に発生する電圧信号または電流信号を検出して出力信号を生成するタイプの出力信号生成部である。前記のトランジスタは、光電変換素子と信号線とを所望の時期に電気的に接続するためのスイッチング素子として利用される。
【0007】
CCD型およびMOS型のいずれであるかに拘わらず、カラー撮像用の単板式撮像装置に利用される固体撮像素子は、一般に、光電変換素子の上方に配置された色フィルタアレイを有する。この色フィルタアレイでは、カラー撮像に必要な複数色の色フィルタが一定のパターンで配列されており、1個の光電変換素子に1つの色フィルタが対応する。原色系の色フィルタアレイと補色系の色フィルタアレイとがある。
【0008】
また、個々の光電変換素子への入射光量を増大させるために、多くの場合、色フィルタアレイの上方にマイクロレンズアレイが配置される。このマイクロレンズアレイは、1個の光電変換素子に1個ずつ対応して配置された多数個のマイクロレンズによって構成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
色フィルタアレイおよびマイクロレンズアレイを備えた従来の固体撮像素子では、マイクロレンズによって分光された種々の波長の光が、その下の色フィルタに入射する。しかしながら、個々の光電変換素子に入射することができる光は、迷光を除けば、その光電変換素子の上方に配置されている色フィルタを透過し得た所定波長域の光のみである。
【0010】
例えば、固体撮像素子が赤色フィルタ、緑色フィルタ、および青色フィルタによって構成された原色系の色フィルタアレイを有する場合、赤色フィルタの下方に位置する光電変換素子に入射することができる光は、迷光を除けば、この赤色フィルタを透過し得た所定波長域の赤色光のみである。赤色フィルタに入射した緑色光や青色光等は、基本的に、当該赤色フィルタの下方に位置する光電変換素子へ入射できない。
【0011】
個々の光電変換素子は、入射した光量に応じた電荷を生成する。入射光量が少なければ、光電変換素子に蓄積される電荷も少なくなる。
今日、固体撮像素子では高解像度が進められており、光電変換素子の集積度が高まっている。それに伴って、個々の光電変換素子は小型化している。マイクロレンズアレイを利用したとしても、光電変換素子が小型化すると個々の光電変換素子への入射光量が低減し、固体撮像素子の感度の低下が起きやすくなる。
【0012】
本発明の目的は、個々の光電変換素子への入射光量を増大させることが可能な固体撮像素子を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、(i) 半導体基板と、(ii)前記半導体基板の一表面に複数行、複数列に亘って行列状に配置された多数個の光電変換素子と、(iii) 前記光電変換素子の各々に蓄積された電荷に基づいて出力信号を生成することができる出力信号生成部と、(iv)前記半導体基板の上方に配置されて前記多数個の光電変換素子を平面視上覆う分光素子であって、各々が複数個の光電変換素子に対応する複数の分光領域を有し、前記分光領域の各々が、入射光中に含まれるカラー撮像に必要な複数色の光をそれぞれ別個の方向に分光して、該分光領域が対応する前記複数個の光電変換素子のうちの所定の光電変換素子に入射させることができる分光素子とを有する固体撮像素子が提供される。
【0014】
この固体撮像素子では、複数個の光電変換素子に対応している上記の分光領域に入射した光に含まれているカラー撮像に必要な複数色の光、例えば赤色光、緑色光、および青色光が、この分光領域に対応する複数個の光電変換素子中の異なる光電変換素子に入射する。
【0015】
従来の固体撮像素子に比べて、個々の光電変換素子への入射光量を増大させることが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、第1の実施例による固体撮像素子100での光電変換素子10、第1電荷転送素子(垂直電荷転送素子)20、第2電荷転送素子(水平電荷転送素子)40、および電荷検出回路50の平面配置を概略的に示す。
【0017】
図示の固体撮像素子100は、エリア・イメージセンサとして利用される固体撮像素子であり、半導体基板1の一表面に多数個の光電変換素子10が複数行、複数列に亘って正方行列状(行数と列数とが異なる場合を含む。)に配置されている。エリア・イメージセンサとして利用される実際の固体撮像素子での光電変換素子10の総数は、例えば数10万個〜数100万個である。
【0018】
光電変換素子10の各々は例えば埋込み型のpnフォトダイオードによって構成され、平面視上、例えば矩形を呈す。光電変換素子10に光が入射すると、この光電変換素子10に電荷が蓄積される。
【0019】
個々の光電変換素子10に蓄積された電荷を電荷検出回路50へ転送するために、1つの光電変換素子列に1つずつ、この光電変換素子列に沿って垂直電荷転送素子20が配置される。個々の垂直電荷転送素子20は、例えば4相駆動型のCCDによって構成される。
【0020】
光電変換素子10からの電荷の読み出しを制御するために、各垂直電荷転送素子20は、対応する光電変換素子10それぞれに1つずつ、読出しゲート30を有する。図1においては、読出しゲート30の位置を判りやすくするために、各読出しゲート30にハッチングを付してある。
【0021】
読出しゲート30に読出しパルス(電位は例えば15V程度)を供給すると、この読出しゲート30に対応する光電変換素子10から垂直電荷転送素子20へ電荷が読み出される。光電変換素子10から垂直電荷転送素子20への電荷の読出しは、光電変換素子行単位で行われる。
【0022】
各垂直電荷転送素子20は、所定の駆動信号によって駆動されて、対応する光電変換素子10から読み出した電荷を水平電荷転送素子40へ転送する。
水平電荷転送素子40は、例えば2相駆動型のCCDによって構成される。この水平電荷転送素子40は、所定の駆動信号によって駆動されて、各垂直電荷転送素子20から受け取った電荷を電荷検出回路50へ転送する。
【0023】
電荷検出回路50は、水平電荷転送素子40から転送されてくる電荷を順次検出して信号電圧を生成すると共に増幅して、画素信号を順次生成する。
この電荷検出回路50は、例えば、水平電荷転送素子40の出力端に電気的に接続された出力ゲートと、出力ゲートに隣接して半導体基板1に形成されたフローティングディフュージョン領域(以下、「FD領域」と略記する。)と、このFD領域に電気的に接続されたフローティングディフュージョンアンプ(以下、「FDA」と略記する。)とを用いて構成することができる。
【0024】
出力ゲートは、水平電荷転送素子40からFD領域への電荷転送を制御する。FD領域の電位は、当該FD領域内の電荷量に応じて変化する。
FDAは、FD領域の電位変動を増幅して画素信号を生成する。この画素信号が、固体撮像素子100からの出力信号となる。
【0025】
FD領域に隣接してリセットゲートが配置され、このリセットゲートに隣接して、リセットドレイン領域が半導体基板1に形成される。FD領域と、リセットゲートと、リセットドレイン領域とは、リセットトランジスタを構成する。
【0026】
FDAによって検出された後の電荷、あるいは、FDAによって検出する必要のない電荷は、FD領域からリセットゲートを介してリセットドレイン領域へ掃き出され、例えば電源電圧に吸収される。
【0027】
上述した構成を有する固体撮像素子100では、各垂直電荷転送素子20、水平電荷転送素子40、および電荷検出回路50によって出力信号生成部が構成される。
【0028】
この固体撮像素子100の特徴の1つは、その最上層として特定の分光素子が配置されている点にある。
図2は、固体撮像素子100を概略的に示す上面図である。固体撮像素子100の最上層である分光素子90は、3つの分光領域90A、90B、および90Cを有する。1つの分光領域に3列の光電変換素子列が対応する。
【0029】
図3は、図2に示した分光領域90Aの分光特性を概略的に示す。同図に示すように、分光領域90Aは、入射光L中に含まれる赤色光LR 、緑色光LG 、および青色光LB を、それぞれ別個の方向に分光する。分光領域90Aと半導体基板1との間の屈折率が均一であると仮定すると、赤色光LR は半導体基板1表面の領域RR 上に分光され、緑色光LG は半導体基板1表面の領域RG 上に分光され、青色光LB は半導体基板1表面の領域RB 上に分光される。分光領域90B、90Cそれぞれの分光特性も同様である。
【0030】
固体撮像素子100は、分光領域90Aによって分光された赤色光LR が、この分光領域90Aに対応する3列の光電変換素子列の1つ(例えば図2に示した向きで見たときの左端の光電変換素子列)に含まれる各光電変換素子10の受光面に入射し、緑色光LG が3列の光電変換素子列の中央の列に含まれる各光電変換素子10の受光面に入射し、青色光LB が残りの1列に含まれる各光電変換素子10の受光面に入射するように構成される。また、分光領域90A以外の分光領域とそれに対応する3列の光電変換素子列との位置関係が、分光領域90Aとこれに対応する3列の光電変換素子列との位置関係と同様になるように構成される。
【0031】
このようにして構成された固体撮像素子100では、集光素子90中の個々の分光領域90A、90B、90Cそれぞれの平面視上の面積が、3列の光電変換素子列を覆い得る大きさであることから、従来の固体撮像素子に比べて、個々の光電変換素子10への赤色光、緑色光、または青色光の入射量を増大させることが可能である。固体撮像素子としての感度を高めやすい。
【0032】
この固体撮像素子100の特徴の1つである分光素子90は、例えば回折光学素子(ホログラフィック素子を含むものとする。)によって構成される。
図4(A)は、回折格子パターン93を有する回折光学素子90aによって構成された分光素子(以下、「分光素子90a」という。)の一部を概略的に示す。回折格子パターン93は、例えば透明樹脂等によって形成された透明材料層95に矩形断面の環状溝93aを同心円状に多数設けることによって形成されている。分光素子90aは、個々の分光領域にそれぞれ同一形状の回折格子パターン93を有する。
【0033】
回折格子パターン93は、例えば、フォトリソグラフィ、電子線リソグラフィ等のリソグラフィ技術によって形成された微細パターンをマスクとして用いて、透明樹脂層95の片面をパターニングすることによって形成可能である。
【0034】
図4(B)は、他の回折格子パターン97を有する回折光学素子90bによって構成された分光素子(以下、「分光素子90b」という。)の一部を概略的に示す。回折格子パターン97は、内壁が階段状に成形された溝97aを透明樹脂層95に例えば同心円状に多数設けることによって形成されている。分光素子90aは、個々の分光領域にそれぞれ同一形状の回折格子パターン97を有する。
【0035】
溝97aの内壁を階段状に成形することにより、互いに波長が異なる複数の赤色光、互いに波長が異なる複数の緑色光、および互いに波長が異なる複数の青色光のそれぞれを所望方向に回折させることが可能になる。
【0036】
個々の回折格子パターン97は、図4(A)に示した回折格子パターン93を形成する際の方法と同様の方法によって形成可能である。ただし、透明樹脂層のパターニングは、複数回に亘って行われる。パターニングのたび毎に、異なる形状のマスクが使用される。
【0037】
分光素子90aおよび分光素子90bは、いずれも、回折格子パターンが受光面となる向きで配置される。
また、分光素子90は、前述のようにホログラフィック素子によって構成することもできる。ホログラフィック素子によって分光素子90を構成する場合、この分光素子(以下、「分光素子90c」という。)は、例えば、有機フォトリフラクティブ材料によって形成した透明材料層の面内方向および厚さ方向の屈折率を所定のパターンで変化させることによって形成可能である。
【0038】
図5(A)、図5(B)、および図5(C)は、それぞれ、分光素子90cの製造工程を示す。以下の説明は、図3に示した分光領域90Aを形成する場合を例にとって、図3で用いた参照符号を引用しつつ行う。
【0039】
まず、図5(A)に示すように、有機フォトリフラクティブ材料によって形成した透明材料層98の一主表面98aに所望波長を有する赤色光LR1を照射する一方で、透明材料層98の他の主表面98bに、スリットS1を有するマスク部材M1の外側から所望波長を有する赤色光LR2を照射する。
【0040】
赤色光LR1、LR2は互いに同じ波長を有する単色のコヒーレント光であり、透明材料層98に入射する赤色光LR1は平行光線束または収束光線束、透明材料層98に入射する赤色光LR2は拡散光線束である。
【0041】
次いで、図5(B)に示すように、透明材料層98の一主表面98aに所望波長を有する緑色光LG1を照射する一方で、透明材料層98の他の主表面98bに、スリットS2を有するマスク部材M2の外側から所望波長を有する緑色光LG2を照射する。
【0042】
緑色光LG1、LG2は互いに同じ波長を有する単色のコヒーレント光であり、透明材料層98に入射する緑色光LG1は平行光線束または収束光線束、透明材料層98に入射する緑色光LG2は拡散光線束である。
【0043】
この後、図5(C)に示すように、透明材料層98の一主表面98aに所望波長を有する青色光LB1を照射する一方で、透明材料層98の他の主表面98bに、スリットS3を有するマスク部材M3の外側から所望波長を有する青色光LB2を照射する。
【0044】
青色光LB1、LB2は互いに同じ波長を有する単色のコヒーレント光であり、透明材料層98に入射する青色光LB1は平行光線束または収束光線束、透明材料層98に入射する青色光LB2は拡散光線束である。
【0045】
このようにして赤色光LR1、LR2、緑色光LG1、LG2、および青色光LB1、LB2を透明材料層98に順次照射すると、照射した同色の光同士が互いに干渉しつつ透明材料層98の面内方向および厚さ方向の屈折率を変化させる。透明材料層98に分光領域90Aが形成される。
【0046】
分光素子90cに形成すべき他の分光領域も、上記と同様にして形成することができる。
勿論、図5(A)〜図5(C)に示した各工程の実施順は、順不同で適宜入れ替え可能である。
【0047】
このようにして製造された分光素子90cは、図5(A)〜図5(C)に示した主表面98aが受光面となる向きで配置される。
分光素子90cに入射した光に含まれる所定波長の赤色光、すなわち、分光素子90cの製造時に使用した赤色光LR と同じ波長を有する赤色光、および赤色光LR の波長に近い波長を有する赤色光は、分光素子90cの下方が空気層であると仮定すれば、分光素子90cを製造するために用いたスリットS1と平面視上の形状および大きさがほぼ同じ領域を通過するように分光される。この領域と分光素子90cとの相対的な位置関係は、分光素子90cの製造時におけるスリットS1と透明材料層98との相対的な位置関係とほぼ同じになる。分光素子90cに入射した光に含まれる緑色光および青色光についても同様である。
【0048】
実際には、分光素子90cと半導体基板1との間に複数の層が介在する。したがって、分光素子90cを製造するにあたっては、製造しようとする固体撮像素子の層構成および各層での赤色光LR 、緑色光LG 、および青色光LB それぞれの屈折率に応じて、スリットS1、S2、S3それぞれの平面視上の形状および大きさ、ならびに、分光素子90cの製造時におけるスリットS1〜S3と透明材料層98との相対的な位置関係が適宜選定される。
【0049】
分光素子90cの製造時に使用する赤色光、緑色光、および青色光として、それぞれ、波長が異なる複数の単色光を用いることによって、分光素子90c中の各分光領域の分光効率を高めることができる。
【0050】
上述のように、図2または図3に示した分光素子90と半導体基板1との間には、実際には、複数の層が介在する。このため、固体撮像素子100内での赤色光LR 、緑色光LG 、および青色光LB それぞれの光路は、図3に示した光路とは異なる。集光素子90の分光特性は、製造しようとする固体撮像素子の層構成および各層での赤色光LR 、緑色光LG 、および青色光LB それぞれの屈折率に応じて、適宜選定される。
【0051】
以下、固体撮像素子100の具体的な層構成について、図6を参照しつつ詳述する。
図6は、図2に示すVI−VI線に沿った固体撮像素子100の断面構造を概略的に示す。
【0052】
同図に示すように、半導体基板1は、例えばn型シリコン基板1aと、その一表面に形成されたp- 型不純物添加領域1bとを有する。p- 型不純物添加領域1bは、n型シリコン基板1aの一表面にp型不純物をイオン注入した後に熱処理を施すことによって、あるいは、p型不純物を含有したシリコンをn型シリコン基板1aの一表面上にエピタキシャル成長させることによって形成される。
【0053】
以下の説明においては、同じ導電型を有する不純物添加領域間での不純物濃度の大小を区別するために、不純物濃度が相対的に低いものから順番に、p- 型不純物添加領域、p型不純物添加領域、p+ 型不純物添加領域、あるいはn- 型不純物添加領域、n型不純物添加領域、n+ 型不純物添加領域と表記する。p- 型不純物添加領域1bをエピタキシャル成長法によって形成する場合以外、全ての不純物添加領域は、イオン注入とその後の熱処理とによって形成することが好ましい。
【0054】
光電変換素子10は、例えば、p- 型不純物添加領域1bの所定箇所をn型不純物添加領域10aに転換し、更に、このn型不純物添加領域10aの表層部をp+ 型不純物添加領域10bに転換することによって形成された埋込み型のフォトダイオードによって構成される。n型不純物添加領域10aは、電荷蓄積領域として機能する。
【0055】
1列の光電変換素子列に1本ずつ対応して、p- 型不純物添加領域1bにn型チャネル23が形成される。個々のn型チャネル23は、その全長に亘ってほぼ均一な不純物濃度を有し、対応する光電変換素子列に沿って延在する。これらのn型チャネル23は、それぞれ、垂直電荷転送素子20での電荷転送チャネル(以下、「垂直電荷転送チャネル」という。)として機能する。
【0056】
各光電変換素子10(n型不純物添加領域10a)における図1または図6での右側縁部に沿って、p型不純物添加領域30aが1つずつ配置される。p型不純物添加領域30aの列方向の長さは、対応する光電変換素子10の列方向の長さの例えば半分程度である。各p型不純物添加領域30aは、読出しゲート30用チャネル領域30aとして利用される。
【0057】
必要に応じて、個々の垂直電荷転送チャネル23の下方にも、p型不純物添加領域が配置される。
チャネルストップ領域CSが、読出しゲート用チャネル領域30aの形成箇所を除いた光電変換素子10および垂直電荷転送チャネル23の平面視上の周囲、および水平電荷転送素子40(図1参照)を構成する電荷転送チャネル(以下、「水平電荷転送チャネル」という。)の平面視上の周囲に形成される。チャネルストップ領域CSは、例えばp+ 型不純物添加領域によって構成される。
【0058】
なお、水平電荷転送素子40を2相駆動型のCCDによって構成する場合、その水平電荷転送チャネルは、例えば、n型不純物添加領域とn- 型不純物添加領域とが下流側から上流側に向かってこの順番で繰り返し配置することによって構成することができる。
【0059】
本明細書では、光電変換素子10から電荷検出回路50へ転送される電荷の移動を1つの流れとみなして、個々の部材等の相対的な位置を、必要に応じて「何々の上流」、「何々の下流」等と称して特定する。
【0060】
第1の電気的絶縁層5が、半導体基板1上に配置される。各光電変換素子10上には、第1の電気的絶縁層5として例えば熱酸化膜が配置され、光電変換素子10上の領域を除いた他の領域上には、第1の電気的絶縁層5として例えばONO膜が配置される。
【0061】
上記のONO膜は、例えば、膜厚が20〜70nm程度のシリコン酸化膜(熱酸化膜)と、膜厚が30〜80nm程度のシリコン窒化膜と、膜厚が10〜50nm程度のシリコン酸化膜とを、半導体基板1上にこの順番で堆積させた積層膜によって構成される。図6においては、便宜上、1つの層で第1の電気的絶縁層5を表している。
【0062】
第1の電気的絶縁層5上に、垂直電荷転送素子20を構成する転送電極(以下、「垂直転送電極」という。)、水平電荷転送素子40を構成する転送電極(以下、「水平転送電極」という。)、および電荷検出回路50(図1参照)を構成する各種の電極が配置される。図6においては、1本の垂直転送電極25中の2つの領域が見えている。
【0063】
これらの電極は、例えば第1ポリシリコン層と、第1ポリシリコン層を所定の電極にパターニングした後に形成されて、その後に所定の電極にパターニングされる第2ポリシリコン層とを用いて形成される。個々の電極は、例えば熱酸化膜等の電気的絶縁膜IFによって覆われる。
【0064】
第2の電気的絶縁層60が、各光電変換素子10、各垂直転送電極、水平電荷転送素子40、および電荷検出回路50を覆って、後述する光遮蔽膜65とその下の各種の電極との電気的な分離を十分なものとする。第2の電気的絶縁層60は、物理的気相蒸着法(以下、「PVD」と略記する。)または化学的気相蒸着法(以下、「CVD」と略記する。)によって例えばシリコン酸化物を堆積させることで形成される。
【0065】
光遮蔽膜65が、各垂直転送電極、水平電荷転送素子40、および電荷検出回路50を平面視上覆って、光電変換素子10以外の領域で無用の光電変換が行われるのを防止する。この光遮蔽膜65は、タングステン、アルミニウム、クロム、チタン、モリブデン等の金属や、これらの金属の2種以上からなる合金等をPVDまたはCVDによって堆積させることで形成される。
【0066】
各光電変換素子10へ光が入射できるように、光遮蔽膜65は、個々の光電変換素子10の上方に開口部65aを1つずつ有する。個々の開口部65aの平面視上の面積は、この開口部65aが対応している光電変換素子10の平面視上の面積の例えば20%程度ないしはそれより小さい。光電変換素子10表面において上記の開口部65a内に平面視上位置する領域が、この光電変換素子10における受光面となる。
【0067】
垂直電荷転送素子20用の駆動信号が供給される配線(図示せず。)や水平電荷転送素子40用の駆動信号が供給される配線(図示せず。)を、光遮蔽膜65の材料とは異なる材料によって形成する場合には、図6に示すように、光遮蔽膜65上に層間絶縁膜70を形成することが好ましい。
【0068】
この層間絶縁膜70は、例えばPVDまたはCVDによってシリコン酸化物等を堆積させることによって形成され、各垂直転送電極と配線との短絡、および水平転送電極と前記の配線との短絡を防止する。前記の配線を光遮蔽膜65の材料と同じ材料によって形成する場合には、層間絶縁膜70を省略する代わりに第2の電気的絶縁層60を厚膜化して、この第2の電気的絶縁層を層間絶縁膜として利用することも可能である。
【0069】
パッシベーション膜75が層間絶縁膜70上に形成されて、その下の部材を保護する。このパッシベーション膜75は、例えばPVDまたはCVDによってシリコン窒化物等を堆積させることによって形成される。
【0070】
第1の平坦化膜80が、例えばフォトレジスト等の光透過性有機材料をパッシベーション膜75上にスピンコートすることによって形成されて、分光素子90を配置するための平坦面を提供する。
【0071】
前述した集光素子90は、第1の平坦化膜80上に配置される。集光素子90が有する分光領域90A、90B、または90C(図1参照)の平面視上の内縁部に入射した赤色光、緑色光、および青色光は、第1の平坦化膜80の膜厚が薄い程、所望の光電変換素子10に入射しにくくなる。分光素子90によって分光された赤色光LR 、緑色光LG 、青色光LB (図3参照)が、それぞれ所定の光電変換素子10の受光面にできるだけ多く入射するように、第1の平坦化膜80の膜厚が適宜選定される。
【0072】
次に、第2の実施例による固体撮像素子について説明する。
図7は、第2の実施例による固体撮像素子120の断面構造を概略的に示す。同図に示した構成要素のうちで図6に示した構成要素と共通するものについては、図6で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を要略する。
【0073】
図示の固体撮像素子120は、第1の平坦化膜80上に色フィルタアレイ110および第2の平坦化膜115がこの順番で積層され、第2の平坦化膜115上に分光素子90が配置されている点で、第1の実施による固体撮像素子100と構成上異なる。他の構成は固体撮像素子100と同様である。ただし、第1の平坦化膜80の膜厚は、できるだけ薄くすることが好ましい。
【0074】
色フィルタアレイ110は、個々の光電変換素子10へ所望色の光以外の光が入射するのを抑制するためのものである。分光素子90によって分光された赤色光を入射させようとする光電変換素子10の上方には赤色フィルタ110Rが配置され、緑色光を入射させようとする光電変換素子10の上方には緑色フィルタ110Gが配置され、青色光を入射させようとする光電変換素子10の上方には青色フィルタ110Bが配置される。
【0075】
これらの色フィルタ110R、110G、および110Bは、それぞれ、所定の光電変換素子の上方に1つずつ配置することもできるし、光電変換素子列単位でストライプ状に配置することもできる。
【0076】
第2の平坦化膜115は、第1の平坦化膜80と同様に、例えばフォトレジスト等の光透過性有機材料をスピンコートすることによって形成される。第2の平坦化膜115の膜厚は、分光素子90によって分光された赤色光、緑色光、青色光が、それぞれ所定の光電変換素子10の受光面にできるだけ多く入射するように適宜選定される。
【0077】
上記の構成を有する固体撮像素子120は、第1の実施による固体撮像素子100と同様の効果を奏する。さらに、分光素子90の他に色フィルタアレイ110を有しているので、その出力信号(画素信号)に基づいて画質の高い再生画像を得やすい。
【0078】
次に、第3の実施例による固体撮像素子について説明する。
図8は、第3の実施例による固体撮像素子140の断面構造を概略的に示す。同図に示した構成要素のうちで図7に示した構成要素と共通するものについては、図7で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を要略する。
【0079】
図示の固体撮像素子140は、パッシベーション膜75Aの所定領域、すなわち、光電変換素子10の上方に位置する領域の各々が、それぞれ1つのマイクロレンズ75aとして機能するという点で、第2の実施による固体撮像素子120と構成上異なる。他の構成は固体撮像素子120と同様である。
【0080】
図示のパッシベーション膜75Aは、例えば次の方法によって形成することができる。
まず、パッシベーション膜の材料として利用することができ、かつ、マイクロレンズ75aを形成するに十分な膜厚を有する透明材料層、例えばシリコン窒化物層を形成し、その上に、所定形状のマイクロレンズアレイを形成する。このマイクロレンズアレイは、例えば、透明樹脂(フォトレジストを含む。)層をフォトリソグラフィ法等によって所定形状に区画した後、熱処理によって各区画の透明樹脂層を溶融させ、表面張力によって角部を丸め込ませた後に冷却することによって得られる。1つの区画が1つのマイクロレンズに成形される。
【0081】
この後、マイクロレンズアレイとその下の透明材料層とをエッチングすることにより、マイクロレンズアレイの立体形状を透明材料層に転写する。所定箇所がマイクロレンズ75aとして機能するパッシベーション膜75Aが得られる。
【0082】
上記の構成を有する固体撮像素子120は、第2の実施による固体撮像素子120と同様の効果を奏する。さらに、個々の光電変換素子10の上方にマイクロレンズ75aが1つずつ配置されているので、各光電変換素子10への所定色の光の入射量を増加させることができる。固体撮像素子としての感度を更に高めやすい。
【0083】
次に、第4の実施例による固体撮像素子について説明する。
図9は、第4の実施例による固体撮像素子160での光電変換素子10、第1電荷転送素子(垂直電荷転送素子)20、第2電荷転送素子(水平電荷転送素子)40、および電荷検出回路50の平面配置を概略的に示す。
【0084】
この固体撮像素子160は、(i) 多数個の光電変換素子10が画素ずらし配置されている点、(ii)個々の垂直電荷転送素子20が蛇行形状を有する点、および(iii) 後述する分光素子の分光特性を除き、前述した第1の実施例による固体撮像素子100と同様の構成を有する。
【0085】
ここで、本明細書でいう「画素ずらし配置」とは、奇数番目に当たる光電変換素子列中の各光電変換素子に対し、偶数番目に当たる光電変換素子列中の光電変換素子の各々が、光電変換素子列内での光電変換素子のピッチの約1/2、列方向にずれ、奇数番目に当たる光電変換素子行中の各光電変換素子に対し、偶数番目に当たる光電変換素子行中の光電変換素子の各々が、光電変換素子行内での光電変換素子のピッチの約1/2、行方向にずれ、光電変換素子列の各々が奇数行または偶数行の光電変換素子のみを含むような、多数個の光電変換素子の配置を意味する。「画素ずらし配置」は、多数個の光電変換素子を複数行、複数列に亘って行列状に配置する際の一形態である。
【0086】
上記の「光電変換素子列内での光電変換素子のピッチの約1/2」とは、1/2を含む他に、製造誤差、設計上もしくはマスク製作上起こる画素位置の丸め誤差等の要因によって1/2から外れてはいるものの、得られる固体撮像素子の性能およびその画像の画質からみて実質的に1/2と同等とみなすことができる値をも含むものとする。上記の「光電変換素子行内での光電変換素子のピッチの約1/2」についても同様である。
【0087】
図9に示した構成要素と機能上共通する構成要素が全て図1に示されている。図1に示した構成要素と機能上共通する構成要素には図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0088】
多数個の光電変換素子10を画素ずらし配置した場合には、垂直電荷転送素子20の各々を図9に示すような蛇行形状にすることによって、光電変換素子10の集積度を高めやすくなる。
【0089】
図10は、固体撮像素子160を概略的に示す上面図である。固体撮像素子160では、最上層として分光素子190が配置されている。
分光素子190は、同図に示す例では、5つの分光領域190A〜190Eを有する。これらの分光領域190A〜190Eの平面形状は、光電変換素子行方向に延在する対角線と光電変換素子列方向に延在する対角線とを有する矩形である。1つの分光領域に、互いに近接する4個の光電変換素子10が対応する。
【0090】
1つの分光領域に対応する4個の光電変換素子10は、補間処理で必要となる最小単位の信号(4種類の画素信号)に対応する電荷を蓄積する。補完処理は、固体撮像素子160からの出力信号(画素信号)を用いて再生画像用の画素信号を生成する際に行われる。
【0091】
分光領域190Cに対応する4個の光電変換素子を例にとって、1つの分光領域に対応する4個の光電変換素子10相互の位置関係を説明する。
図示の例では、1列の光電変換素子列C1において互いに隣り合う2個の光電変換素子10A、10Bと、これらの光電変換素子10A、10Bが属している2つの光電変換素子行の間の光電変換素子行R1において互いに隣り合う2個の光電変換素子10C、10Dとが、分光領域190Cに対応する。光電変換素子10Cは、光電変換素子列C1の左隣の光電変換素子列に属し、光電変換素子10Dは、光電変換素子列C1の右隣の光電変換素子列に属する。
【0092】
図11は、図10に示した分光領域190Cの分光特性を概略的に示す。同図に示すように、分光領域190Cは、入射光L中に含まれる赤色光LR 、緑色光LG 、および青色光LB を、それぞれ別個の方向に分光する。分光領域190Cと半導体基板1との間の屈折率が均一であると仮定すると、赤色光LR は半導体基板1表面の領域Rr 上に分光され、緑色光LG は半導体基板1表面の2つの領域Rg1、Rg2上に分光され、青色光LB は半導体基板1表面の領域Rb 上に分光される。
【0093】
分光領域190C以外の分光領域190A、190B、190D、190Eそれぞれの分光特性は、上述した分光領域190Cの分光特性と同様である。
実際には、分光素子190と半導体基板1との間に複数の層が介在する。固体撮像素子160は、分光領域190Cに対応する光電変換素子10Aの受光面が領域Rg1内に、光電変換素子10Bの受光面が領域Rg2内に、光電変換素子10Cの受光面が領域Rb 内に、光電変換素子10Dの受光面が領域Rr 内に位置するように構成される。また、分光領域190C以外の分光領域とそれに対応する4個の光電変換素子10との位置関係が、分光領域190Cとこれに対応する光電変換素子10A〜10Dとの位置関係と同様になるように構成される。
【0094】
分光素子190は、ホログラフィック素子によって構成することが好ましい。ホログラフィック素子によって構成された分光素子190は、図5を用いて既に説明した方法に準じて製造することができる。ただし、透明材料層に緑色光を照射する際には、図11に示したように2つの領域に緑色光を分光することができる分光素子が得られるように、2つのスリットを使用する。
【0095】
上述した固体撮像素子160は、前述した第1の実施例による固体撮像素子100と同様の効果を奏する。
なお、多数個の光電変換素子を画素ずらし配置した固体撮像素子においても、前述した第2の実施例による固体撮像素子120と同様に、分光素子の下方に色フィルタアレイを設けることができる。また、前述した第3の実施例による固体撮像素子140と同様に、光電変換素子の上方に位置する領域が1つのマイクロレンズとして機能するパッシベーション膜を設けることができる。
【0096】
以上、実施例によるマイクロレンズアレイの製造方法、固体撮像素子およびその製造方法について説明したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではない。
【0097】
特に、固体撮像素子における分光素子以外の構成は、目的とする固体撮像素子の用途や性能等に応じて種々変更可能である。
例えば、多数個の光電変換素子を正方行列状に配置した場合、垂直電荷転送素子の構成は、1行の光電変換素子行あたり例えば2〜3本の垂直転送電極を備えた構成にすることができる。
【0098】
図12は、多数個の光電変換素子10が正方行列状に配置され、各垂直電荷転送素子20が1行の光電変換素子行あたり2本の垂直転送電極25a、25bを備えた固体撮像素子100Aを概略的に示す。
【0099】
同図に示す垂直電荷転送素子20の各々は、配線WLV1〜WLV4を介して供給される4相の駆動信号φV1〜φV4によって駆動される4相駆動型のCCDによって構成され、それぞれの垂直電荷転送チャネル23は、対応する光電変換素子列に沿って直線的に延在する。
【0100】
これらの垂直電荷転送チャネル23を平面視上横切るようにして、各光電変換素子行の上流側に第1垂直転送電極25aが1本ずつ配置され、各光電変換素子行の下流側に第2垂直転送電極25bが1本ずつ配置されている。これら第1〜第2垂直転送電極25a〜25bは対応する光電変換素子行に沿って延在し、各垂直電荷転送チャネル23上において、第2垂直転送電極25bの一端が第1垂直転送電極25aの一端に平面視上重なっている。
【0101】
必要に応じて、最も下流の第2垂直転送電極25bの下流側に、更に複数本の垂直転送電極、例えば3本の垂直転送電極が配置される。
垂直転送電極の各々は、全ての垂直電荷転送素子20について、その一部を構成する。
【0102】
図12においては図示を省略しているが、固体撮像素子100Aにおいても、前述した固体撮像素子100と同様に、半導体基板1の上方に第2の電気的絶縁層、光遮蔽膜、層間絶縁膜、パッシベーション膜、第1の平坦化膜を順次配置し、更に、第1の平坦化膜上に分光素子を配置することができる。また、前述した第2の実施例による固体撮像素子120と同様に、分光素子の下方に色フィルタアレイを設けることもできるし、前述した第3の実施例による固体撮像素子140と同様に、光電変換素子の上方に位置する領域が1つのマイクロレンズとして機能するパッシベーション膜を設けることもできる。
【0103】
図13は、多数個の光電変換素子が画素ずらし配置され、各垂直電荷転送素子20が1行の光電変換素子行あたり2本の垂直転送電極25a、25bを備えた固体撮像素子160Aを概略的に示す。
【0104】
図13に示した構成要素と機能上共通する構成要素が全て図12に示されている。図12に示した構成要素と機能上共通する構成要素には図12で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0105】
多数個の光電変換素子10を画素ずらし配置した場合には、図示のように、垂直電荷転送チャネル23の各々を、対応する光電変換素子列に沿って蛇行させ、第1垂直転送電極25aおよび第2垂直転送電極25bの各々を、対応する光電変換素子行に沿って蛇行させることが好ましい。
【0106】
図13においては図示を省略しているが、固体撮像素子160Aにおいても、前述した固体撮像素子100と同様に、半導体基板1の上方に第2の電気的絶縁層、光遮蔽膜、層間絶縁膜、パッシベーション膜、第1の平坦化膜を順次配置し、更に、第1の平坦化膜上に分光素子を配置することができる。また、前述した第2の実施例による固体撮像素子120と同様に、分光素子の下方に色フィルタアレイを設けることもできるし、前述した第3の実施例による固体撮像素子140と同様に、光電変換素子の上方に位置する領域が1つのマイクロレンズとして機能するパッシベーション膜を設けることもできる。
【0107】
多数個の光電変換素子を正方行列状に配置する場合および画素ずらし配置する場合のいずれにおいても、垂直電荷転送素子や水平電荷転送素子を何相の駆動信号で駆動するかは、1行の光電変換素子行に対応する垂直転送電極の数、または1つの垂直電荷転送素子に対応する水平転送電極の数、あるいは、垂直電荷転送素子または水平電荷転送素子の駆動方法等に応じて、適宜選定可能である。水平電荷転送素子は、1つの垂直電荷転送素子あたり2本以上の水平転送電極を配置することによって構成可能である。
【0108】
図2〜図3を用いて説明した分光素子90や、図10〜図11を用いて説明した分光素子190は、MOS型の固体撮像素子に適用することもできる。
図14(A)は、エリア・イメージセンサとして利用されるMOS型の固体撮像素子での光電変換素子および出力信号生成部の配置を概略的に示す。
【0109】
図示の固体撮像素子300では、半導体基板201の一表面に複数行、複数列に亘って多数個の光電変換素子210が正方行列状に配置される。1個の光電変換素子210に1つずつ、図示を省略したスイッチング回路が接続される。
【0110】
1つの光電変換素子列に1本ずつ、この光電変換素子列に沿って出力信号線230が配置され、これらの出力信号線230に1つずつ、負荷トランジスタ240が接続される。各出力信号線230は、信号生成部250に接続される。
【0111】
光電変換素子210に光が入射すると、この光電変換素子210に電荷が蓄積される。図示を省略したスイッチング回路の動作を適宜制御することにより、光電変換素子210に蓄積された電荷に応じた大きさの電気信号を、対応する出力信号線230に発生させることができる。この電気信号は信号生成部250によって検出されると共に、所定の出力信号(画素信号)に変換されて出力される。この出力が、固体撮像素子300の出力となる。
【0112】
個々の光電変換素子210に接続されたスイッチング回路の動作を光電変換素子行単位で制御するために、行読出し走査部260と行リセット走査部265とが半導体基板201に配置される。
【0113】
行読出し走査部260は、各スイッチング回路の動作を制御して、光電変換素子210とこれに対応する出力信号線230との電気的な接続を制御する。行リセット走査部265は、各スイッチング回路の動作を制御して、光電変換素子210に蓄積された電荷の掃き出し動作を制御する。
【0114】
これらの制御に必要な信号を伝達するために、行選択信号線224およびリセット信号線227が、それぞれ、1行の光電変換素子行に1本ずつ対応して配置される。また、1行の光電変換素子行もしくは1列の光電変換素子列に1本ずつ対応して、電源電圧供給線225が配置される。各スイッチング回路は、これらの信号線および供給線にも電気的に接続可能である。
【0115】
制御部270が半導体基板201上に配置されて、信号生成部250、行読出し走査部260、および行リセット走査部265の動作を制御する。
図14(B)は、スイッチング回路の一例を示す。同図に示すスイッチング回路220は、出力用トランジスタ221、行選択用トランジスタ222、およびリセット用トランジスタ223を含む。これらのトランジスタは、例えばMOS型トランジスタである。
【0116】
出力用トランジスタ221と行選択用トランジスタ222とが直列に接続され、出力用トランジスタ222のゲートに光電変換素子210が、行選択用トランジスタ222のゲートに行選択信号線224が接続される。出力用トランジスタの残りの一端が電源電圧供給線225に接続され、行選択用トランジスタ222の残りの一端が出力信号線230に接続される。
【0117】
リセット用トランジスタ223は、出力用トランジスタ222と光電変換素子210とを接続する配線226に接続されると共に、電源電圧供給線225にも接続され、そのゲートにはリセット信号線227が接続される。
【0118】
各スイッチング回路220、各出力信号線230、各負荷トランジスタ240、信号生成部250、行読出し走査部260、および行リセット走査部265は、出力信号生成部を構成する。
【0119】
行読出し走査部260から行選択信号線224に読出し信号が供給されると、この行選択信号線224に接続されている行選択用トランジスタ222がオンになる。出力用トランジスタ221と、これに対応する出力信号線230とが電気的に接続される。
【0120】
出力用トランジスタ221のゲートに印加される電圧の値は、この出力用トランジスタ221に接続されている光電変換素子10に蓄積された電荷に応じて変化する。したがって、出力用トランジスタ221に流れるドレイン電流の大きさも、光電変換素子210に蓄積された電荷に応じて変化する。結果的に、行選択用トランジスタ222がオンになると、光電変換素子210に蓄積された電荷に応じた電気信号が出力用信号線230に発生する。
【0121】
行リセット走査部265からリセット信号線227にリセット信号が供給されると、このリセット信号線227に接続されているリセット用トランジスタ223がオンになる。このリセット用トランジスタ223に対応する光電変換素子210が電源電圧供給線225に接続され、光電変換素子210に蓄積されていた電荷が電源電圧供給線225に排出される。
【0122】
MOS型の固体撮像素子300においても、前述した固体撮像素子100と同様に、半導体基板201の上方に第2の電気的絶縁層、光遮蔽膜、層間絶縁膜、パッシベーション膜、第1の平坦化膜を順次配置し、更に、第1の平坦化膜上に分光素子を配置することができる。また、前述した第2の実施例による固体撮像素子120と同様に、分光素子の下方に色フィルタアレイを設けることもできるし、前述した第3の実施例による固体撮像素子140と同様に、光電変換素子の上方に位置する領域が1つのマイクロレンズとして機能するパッシベーション膜を設けることもできる。
【0123】
分光素子における分光領域の数およびその配置は、半導体基板に形成されている光電変換素子の数およびそれらの配置形態、垂直電荷転送素子の駆動方法、固体撮像素子を用いた撮像装置での信号処理方法等に応じて適宜選定可能である。
【0124】
個々の分光領域の平面視上の面積は、2個の光電変換素子の平面視上の面積の和よりも広くすることが好ましい。ただし、個々の光電変換素子上に分光される光が、この光電変換素子からあまりにも遠い箇所において分光素子に入射した光であると、固体撮像素子からの出力信号(画素信号)に基づいて再生される画像の画質が低下する。
【0125】
分光素子における個々の分光領域は、その分光領域に対応している個々の光電変換素子上へ分光される光が、この光電変換素子から概ね2行、3列以内にある光電変換素子の上方において分光素子に入射した光となるように形成することが好ましい。
【0126】
回折格子パターンを有する回折光学素子によって分光素子を構成する場合、個々の分光領域に形成する回折格子パターンの形状は、目的とする分光特性に応じて適宜選定可能である。
【0127】
また、分光素子の製造方法も、目的とする分光特性や生産性等を勘案して、適宜選定可能である。
固体撮像素子は、分光素子と、分光素子を除いた各構成部材とが互いに分離された構造にすることもできる。この場合には、分光素子を他の構成部材と一体化させる場合に分光素子の下地層として利用する層を省略することが可能である。ただし、分光素子を所定の位置に保持するための部材が別途必要になる。
【0128】
また、固体撮像素子の構造を、分光素子が所定の下地層上に貼り合わされた貼合わせ構造にすることも可能である。
固体撮像素子の構造を、分光素子と、分光素子を除いた各構成部材とが互いに分離された構造、または、上記の貼合わせ構造にした場合には、分光素子の材料の選択の自由度が高くなる。
【0129】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能であることは、当業者に自明であろう。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、個々の光電変換素子への入射光量を増大させることが可能な固体撮像素子が提供される。感度の高い固体撮像素子を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による固体撮像素子での光電変換素子、第1電荷転送素子(垂直電荷転送素子)、第2電荷転送素子(水平電荷転送素子)、および電荷検出回路の平面配置を示す概略図である。
【図2】図1に示した固体撮像素子を概略的に示す上面図である。
【図3】図2に示した分光領域の分光特性を概略的に示す斜視図である。
【図4】図4(A)は、回折格子パターンを有する回折光学素子によって構成された分光素子の一部を概略的に示す斜視図であり、図4(B)は、他の回折格子パターンを有する回折光学素子によって構成された分光素子の一部を概略的に示す断面図である。
【図5】図5(A)、図5(B)、および図5(C)は、それぞれ、ホログラフィック素子によって構成された分光素子の製造工程を示す側面図である。
【図6】図2に示すVI−VI線に沿った固体撮像素子の断面構造を示す概略図である。
【図7】第2の実施例による固体撮像素子の断面構造を示す概略図である。
【図8】第3の実施例による固体撮像素子の断面構造を示す概略図である。
【図9】第4の実施例による固体撮像素子での光電変換素子、第1電荷転送素子(垂直電荷転送素子)、第2電荷転送素子(水平電荷転送素子)、および電荷検出回路の平面配置を示す概略図である。
【図10】図9に示した固体撮像素子を概略的に示す上面図である。
【図11】図10に示した分光領域の分光特性を概略的に示す斜視図である。
【図12】多数個の光電変換素子が正方行列状に配置され、各垂直電荷転送素子が1行の光電変換素子行あたり2本の垂直転送電極を備えた固体撮像素子を示す概略図である。
【図13】多数個の光電変換素子が画素ずらし配置され、各垂直電荷転送素子が1行の光電変換素子行あたり2本の垂直転送電極を備えた固体撮像素子を示す概略図である。
【図14】図14(A)は、エリア・イメージセンサとして利用されるMOS型固体撮像素子での光電変換素子および出力信号生成部の配置を示す概略図であり、図14(B)は、図14(A)に示した光電変換素子に接続されるスイッチング回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1、201…半導体基板、 10、210…光電変換素子、 20…第1電荷転送素子(垂直電荷転送素子)、 23…垂直電荷転送チャネル、 25…垂直転送電極、25a…第1垂直転送電極、 25b…第2垂直転送電極、 30…読出しゲート、 40…第2電荷転送素子(水平電荷転送素子)、 50…電荷検出回路、 60…第2の電気的絶縁層、 65…光遮蔽膜、 70…層間絶縁膜、 75…パッシベーション膜、 80…第1の平坦化膜、 90…分光素子、 90A〜90C、190A〜190E…分光領域、 100、120、140、160、300…固体撮像素子。

Claims (10)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の一表面に複数行、複数列に亘って行列状に配置された多数個の光電変換素子と、
    前記光電変換素子の各々に蓄積された電荷に基づいて出力信号を生成することができる出力信号生成部と、
    前記半導体基板の上方に配置されて前記多数個の光電変換素子を平面視上覆う分光素子であって、各々が複数個の光電変換素子に対応する複数の分光領域を有し、前記分光領域の各々が、入射光中に含まれるカラー撮像に必要な複数色の光をそれぞれ別個の方向に分光して、該分光された光の各々を該分光領域が対応する前記複数個の光電変換素子中の異なる光電変換素子に入射させることができる分光素子と
    を有する固体撮像素子。
  2. 前記多数個の光電変換素子が正方行列状に配置され、
    前記複数の分光領域が、1つの分光領域に3列の光電変換素子が対応するように対置されると共に、該複数の分光領域の各々が、入射光中に含まれる第1色光を前記対応する3列の光電変換素子列の1つに、第2色光を前記対応する3列の光電変換素子列の他の1つに、第3色光を前記対応する3列の光電変換素子列の残りの1つに入射させることができる請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記多数個の光電変換素子が画素ずらし配置され、
    前記複数の分光領域が、1つの分光領域に4個の光電変換素子が対応するように配置されると共に、該複数の分光領域の各々が、入射光中に含まれる第1色光を前記対応する4個の光電変換素子の1個に、第2色光を前記対応する4個の光電変換素子の他の1個に、第3色光を前記対応する4個の光電変換素子列の残りの2個に入射させることができる請求項1に記載の固体撮像素子。
  4. 前記第1色光が赤色光であり、前記第2色光が青色光であり、前記第3色光が緑色光である請求項2または請求項3に記載の固体撮像素子。
  5. 前記分光素子と前記多数個の光電変換素子との間に色フィルタアレイが介在する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  6. 前記分光素子と前記多数個の光電変換素子との間にマイクロレンズアレイが介在する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  7. 前記分光素子が回折光学素子である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  8. 前記分光素子がホログラフィック素子である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  9. CCD型の固体撮像素子である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  10. MOS型の固体撮像素子である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
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