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JP3631685B2 - 吸水・撥水性の二層構造織編地およびその製造方法 - Google Patents

吸水・撥水性の二層構造織編地およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水性および撥水性を有する二層構造織編地およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、優れた吸水性および撥水性を有し、それらの特性が長期にわたって維持される二層構造織編地およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
雨水を防ぐことができ、その一方で吸水性を有し蒸れないようにするために、布帛の表面側を撥水加工し、裏面側を吸水加工することが従来から行われている。この従来技術では、布帛の表面側に撥水剤を付与し、裏面側に吸水剤を付与する方法が一般に採用されている。しかしながら、表面側に付与した撥水剤が裏面側まで浸透してしまったり、また裏面側に付与した吸水剤が表面側まで浸透してしまい、表面側を撥水性にすると同時に裏面側を吸水性にすることが困難であった。この方法により、表面側に付与した撥水剤が裏面側にまで浸透せず、しかも裏面側に付与した吸水剤が表面側にまで浸透しないようにするためには、布帛を厚くする必要があるが、布帛を厚くすると目付が大きくなり、衣服などにしたときに軽量性や着用性などを損なうという欠点がある。
【0003】
特開昭61−6351号公報には、片面がポリエステル系繊維からなり、もう一方の面がポリアミド系繊維からなる二層構造布帛のいずれか片方の面に吸水加工を施した吸水性布帛が開示されている。そして、この吸水性布帛では、ポリエステル系繊維面を吸水加工する場合はポリアミド系繊維に親和性のない吸水性樹脂が用いられ、一方ポリアミド系繊維面を吸水加工する場合はポリエステル系繊維に親和性のない吸水性樹脂が用いられている。
しかしながら、ポリエステル系繊維およびポリアミド系繊維は、疎水性繊維ではあっても撥水性能には乏しく、そのため吸水加工を施していないポリエステル系繊維面またはポリアミド系繊維面に十分な撥水性を付与することが困難である。しかも、一方の面に付与した吸水性樹脂が洗濯や使用に伴って繊維から脱落し易く、吸水性能の耐久性に不足している。
【0004】
また、特開昭61−275471号公報には、表面がポリエステル繊維よりなり、裏面が綿糸又はポリエステル/綿混紡糸よりなる二層繊維構造物の表面に撥水剤を付与・固着させて、吸水性を有する撥水加工繊維構造物を製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法で得られる繊維構造物は、十分に満足できる吸水性能を有していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた吸水性能と撥水性能を兼ね備えていて、しかもそれらの性能が洗濯や使用(着用など)によって短期間に失われず、長期にわたって良好な吸水性および撥水性を維持することのできる布帛を提供することである。
さらに、本発明の目的は、目付を低く抑えながら、優れた吸水性能および撥水性能を布帛に兼備させることができ、それによって軽量性、着用性に優れる衣服などをつくることのできる、吸水・撥水性布帛を提供することである。
また、本発明の目的は、伸縮性を有し、さらには帯電防止性に優れていて、スポーツやアスレチック用のアウターウエアなどとして有効に用い得る吸水・撥水性布帛を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、布帛を、少なくとも一方の面にポリエステル系繊維よりなるパイルを有する二層構造織編地とし、ポリエステル系繊維よりなるパイルを有する一方の面に吸水剤を付与すると共にもう一方の面に撥水剤を付与すると、吸水剤が付与される表面積が大きくなり、しかも吸水剤がパイル状になった繊維の内部まで浸透して強固に付与されるために、洗濯や使用によっても短期間に失われない耐久性のある高い吸水性能を有し、それと共に優れた撥水性を有する布帛が得られることを見出した。また、そのような二層構造織編地は、パイルに吸水剤が強固に付着しているため、静電気がたまりにくく、耐久性に優れる帯電防止性能を有することを見出した。
さらに、本発明者らは、そのようなパイルを有する二層構造織編地では、パイルを有していることによって二層構造織編地の見かけの厚さが厚くなるため、パイルを有する一方の面に吸水剤を付与し、もう一方の面に撥水剤を付与したときに、一方の面に施した吸水剤がもう一方の面(撥水面)まで浸透することが防止でき、さらにはもう一方の面に施した撥水剤がパイル面(吸水面)にまで浸透することが防止されて、それぞれの面で吸水性と撥水性を十分に発揮させ得ることを見出した。しかも、パイルによって二層構造織編地のみかけの厚みが厚くなってはいても、二層構造織編地自体の目付はそれほど増していないために、軽量性や着用性に優れる吸水・撥水性布帛が得られることが判明した。
また、本発明者らは、上記した二層構造織編地を伸縮性繊維または伸縮性糸を少なくとも一部として用いて形成すると、二層構造織編地の表面へのパイルの形成が良好に行われ、しかも伸縮性で着用性に優れる吸水・撥水性布帛が得られることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) 二層構造織編地の少なくとも一方の面にポリエステル系繊維よりなるパイルを配置してなり、前記パイルを有する片方の面に吸水剤を付与し、もう片方の面に撥水剤を付与してなることを特徴とする吸水・撥水性の二層構造織編地である。
【0008】
そして、本発明は、
(2) パイルがカットパイルである前記(1)の二層構造織編地;
(3) 撥水剤を付与してなる面がポリアミド系繊維から主としてなる前記(1)または(2)の二層構造織編地;
(4) 二層構造織編地を構成する繊維または糸の少なくとも一部が、伸縮性繊維または伸縮性糸からなる前記(1)〜(3)のいずれかの二層構造織編地;
(5) 経方向及び/又は緯方向の伸長率が5〜30%である前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の二層構造織編地;および、
(6) 吸水剤が、ポリエチレングリコール、テレフタル酸およびエチレングリコールをブロック共重合してなるブロック共重合体からなる前記(1)〜(5)のいずれかの二層構造織編地;
を好ましい態様として包含する。
【0009】
さらに、本発明は、
(7) 少なくとも一方の面にポリエステル系繊維よりなるパイルを配置してなる二層構造織編地の前記パイルを有する片方の面に吸水剤を付与し、もう片方の面に撥水剤を付与して吸水・撥水性の二層構造織編地を製造する方法であって、撥水剤を3〜30倍に起泡させた状態で該もう片方の面に付与することを特徴とする吸水・撥水性の二層構造織編地の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の二層構造織編地は、少なくとも一方の面にポリエステル系繊維よりなるパイルを有し、且つその地組織が、一般に“2重組織”、“重ね組織”などと称される二層構造をなす織編地であればいずれでもよく、二層構造織編地における織組織または編組織の形態は特に制限されない。
二層構造織地の織形態は、例えば、平織地、2ウエイ平織地、1ウエイ平織地などのいずれであってもよい。より具体的には、二層構造織地の例としては、経糸1種と緯糸2種を用いてなる緯2重平織地、経糸2種と緯糸1種を用いてなる経2重平織地、経糸2種と緯糸2種を用いてなる経緯2重平織地、経糸1種と緯糸1種を用いてなる平織地などを挙げることができ、それらのいずれであってもよい。
【0011】
何ら限定されるものではないが、緯2重平織地において、例えば、経糸にポリアミド糸1種を使用し、緯糸にポリエステル糸とポリアミド糸の2種を使用すると、一方の面にポリアミド糸が多く配置され、もう一方の面にポリエステル糸が多く配置された緯2重平織地が得られる。また、緯2重平織地において、経糸にカチオン可染性ポリエステル糸1種を使用し、緯糸にレギュラーポリエステル糸2本使いの仮撚加工糸1本を使用すると、一方の面にカチオン可染性ポリエステル糸が主として配置され、もう一方の面にレギュラーポリエステル糸が主として配置された緯2重平織地が得られる。また、経2重平織地において、例えば、経糸にポリエステル糸とポリアミド糸の2種を使用し、緯糸にポリアミド糸1種を使用した場合には、一方の面にポリアミド糸が多く配置され、もう一方の面にポリエステル糸が多く配置された経2重平織地が得られる。
【0012】
二層構造編地の場合は、トリコット編地、ラッセル編地などの経編地、丸編地などの緯編地のいずれであってもよい。
【0013】
二層構造織編地における地組織(パイル以外の部分)を構成する繊維の種類は特に制限されず、地組織は、合成繊維、半合成繊維、天然繊維などから形成されていることができるが、合成繊維から形成されていることが好ましい。
二層構造織編地の地組織の形成に用い得る合成繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維などを挙げることができ、二層構造織編地の地組織は、これらの合成繊維の1種または2種以上から形成されていることができる。
そのうちでも、二層構造織編地の地組織は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびポリウレタン系繊維のうちの1種または2種以上から形成されていることが、強度などの点から好ましく、ポリエステル系繊維および/またはポリアミド系繊維から形成されていることがより好ましい。
【0014】
二層構造織編地の地組織の形成に好ましく用いられるポリエステル系繊維としては、従来既知のポリエステル系繊維のいずれもが使用でき、代表例としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、イソフタル酸、パラオキシ安息香酸(塩)、スルホイソフタル酸(塩)などを共重合成分とする共重合ポリエステル系繊維などを挙げることができる。
また、二層構造織編地の地組織の形成に好ましく用いられるポリアミド系繊維としては、従来既知のポリアミド系繊維のいずれも使用でき、代表例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン4、ナイロン10、ナイロン11などからなるポリアミド系繊維を挙げることができる。
【0015】
そして、上記したように、本発明の二層構造織編地では、少なくとも一方の面にポリエステル系繊維よりなるパイルが配置されていることが必要である。
ここで、本発明における「ポリエステル系繊維よりなるパイル」とは、ポリエステル系繊維からなるパイル、およびポリエステル系繊維から形成された糸(ポリエステル糸)よりなるパイルの両方を包含する。
本発明の二層構造織編地では、その少なくとも一方の面にポリエステル系繊維よりなるパイルが配置されていることにより、二層構造織編地の目付を大きくしなくても、パイルによって二層構造織編地の見かけの厚みを厚くすることができる。その結果、二層構造織編地のポリエステル系繊維よりなるパイルを有する片方の面に吸水剤を付与したときに、吸水剤がもう片方の面にまで浸透(到達)することが防止され、更に二層構造織編地のもう片方の面に撥水剤を付与したときに、撥水剤が吸水剤を付与した面にまで浸透(到達)することが防止されて、二層構造織編地のそれぞれの面で吸水性および撥水性という互いに相反する機能を十分に発現させることができる。
しかも、パイルによって二層構造織編地の見かけの厚みは増しているが、二層構造織編地自体の目付はそれほど増加しないので、軽量性を維持することができ、スポーツウエアやアウターウエアなどの衣類を製造したときに、軽量性および着用性に優れたものとなる。
その上、吸水剤を付与する面では、パイルの存在により吸水剤が付与される表面積が増し、しかもパイルを構成するポリエステル系繊維の内部に吸水剤が十分に浸入して固着されることにより、高い吸水性能が付与され、かつ洗濯耐久性や着用耐久性に優れる吸水性能が付与される。それと共に耐久性のある帯電防止性が付与される。
【0016】
パイルを構成するポリエステル系繊維の種類は特に制限されず、従来既知のポリエステル系繊維であればいずれでもよく、代表例としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、イソフタル酸、パラオキシ安息香酸(塩)、スルホイソフタル酸(塩)などを共重合成分とする共重合ポリエステル系繊維などを挙げることができる。
パイルを構成するポリエステル系繊維は丸形断面繊維または異形断面繊維のいずれであってもよく、異形断面繊維である場合は表面積が大きくなり、パイル部分に吸水剤がより多く付与されるため、吸水性能が向上する。
【0017】
二層構造織編地の少なくとも一方の面に存在するポリエステル系繊維よりなるパイルは、ループ状になったループパイルであっても、パイルの先端や途中で切断されているカットパイルであっても、またはループパイルとカットパイルとが混在していてもいずれでもよい。パイルをカットパイルにすると、二層構造織編地の風合や外観を変えることができ、またパイルの表面積が増してパイル部分に吸水剤がより多く付与されるため、吸水性能および帯電防止性能が向上する。
【0018】
パイル長(二層構造織編地の地組織の表面から自然状態のパイルの先端までの距離)は、二層構造織編地の種類や用途、パイルを形成するポリエステル系繊維の種類や太さなどに応じて調節し得るが、吸水剤の付着性、付着量、パイルの倒立防止性、パイル形成の容易性、布帛の伸縮性などの点から、一般的には、0.1〜2mm程度であることが好ましく、0.1〜1mm程度であることがより好ましい。
【0019】
二層構造織編地の表面へのパイルの形成方法は特に制限されず、例えば、二層構造織編地を製造するための製編織時に、地組織の形成と同時に表面にパイルを形成する方法などにより行うことができ、そのような方法は従来から種々知られている。
また、二層構造織編地を構成する繊維または糸の少なくとも一部として伸縮性繊維または伸縮性糸を使用し、地組織を収縮させることで、ポリエステル系繊維をパイル状で表面に配置する(突出させる)こともできる。例えば、吸水面となる地組織を形成するための糸または繊維の少なくとも一部として、或いは吸水面となる地組織を形成するための糸または繊維および撥水面となる地組織を形成するための糸または繊維の少なくとも一部として、伸縮性繊維または伸縮性糸を使用し、それと同時に伸縮性を有していないか又は伸縮性の程度の低いポリエステル系繊維(ポリエステル糸)を併用して二層構造織編地を製造し、二層構造織編地を緊張状態(伸長状態)を解くと、伸縮性繊維または伸縮性糸は収縮し、その際に伸縮しないか又は伸縮性の程度の低いポリエステル系繊維(ポリエステル糸)は弛んで地組織の表面からループ状に突出してループパイルを形成する。
二層構造織編地が二層構造織地の場合は、経糸および/または緯糸の一部または全てとして伸縮性繊維または伸縮性糸を用いると共に、伸縮しないか又は伸縮性の程度の低いポリエステル系繊維(ポリエステル糸)を併用して二層構造織地を形成することにより、二層構造織編地の少なくとも一方の面にポリエステル系繊維(ポリエステル系糸)よりなるパイルを形成することができる。
【0020】
二層構造織編地を構成する繊維または糸の少なくとも一部として伸縮性繊維または伸縮性糸を用いて二層構造織編地の少なくとも一方の面にパイルを形成させる上記した方法を採用する場合は、二層構造織編地における経方向および/または緯方向の伸長率が5〜30%となるようにして、伸縮性繊維や伸縮性糸の種類を選択し、その適量を含有させることが好ましい。二層構造織編地の伸長率が5%未満であると、表面にパイルが発現しにくくなる。一方、二層構造織編地の伸長率が30%を超えると、後加工の際の取り扱い性が不良になり易く、例えば、二層構造織編地に吸水性樹脂や撥水性樹脂を付与する際に全面に均一に付与することが困難になったり、縫製性が低下したり、着用時の取り扱い性が不良になり易い。
なお、本明細書における織編地の伸長率とは、以下の実施例の項に記載したように、JIS L−1096(A法)に従って測定した伸長率をいう。
【0021】
伸縮性繊維または伸縮性糸としては、例えば、合成繊維に仮撚加工などにより捲縮を付与したいわゆる伸縮加工糸、ポリウレタン糸などの弾性糸からなる芯糸に合成繊維や糸を巻き付けなどにより被覆したカバリング糸、弾性ポリウレタンなどのような弾性ポリマーと他のポリマーとを同時紡糸した複合糸や混繊糸などを挙げることができる。
【0022】
本発明の二層構造織編地では、二層構造織編地の少なくとも一方にポリエステル系繊維よりなるパイルを有していて、該パイルを有する片方の面に吸水剤が付与され、もう片方の面に撥水剤が付与されている。すなわち、二層構造織編地が片方の面のみにポリエステル系繊維よりなるパイルを有する場合は、該パイルを有する面に吸水剤が付与され、パイルを有していないもう一方の面に撥水剤が付与されている。また、二層構造織編地の両面にポリエステル系繊維よりなるパイルを有する場合は、ポリエステル系繊維よりなるパイルを有するそれら2つの面のいずれか片方に吸水剤が付与され、もう片方のパイルを有する面に撥水剤が付与されている。
【0023】
吸水剤としては、パイルを形成しているポリエステル系繊維と親和性のある吸水剤であればいずれも使用でき、特にポリエステル系繊維と親和性のある吸水性重合体が好ましく用いられる。そのような、吸水性重合体としては、例えば、特公昭46−13197号公報、特公昭47−2512号公報、特公昭53−46960号公報、特公昭53−47437号公報などに記載されているような、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)と、テレフタル酸および/またはイソフタル酸および低級アルキレングリコール(エチレングリコールなど)をブロック共重合してなるブロック共重合体;ポリ−β−メタアクリルオキシエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどのような(メタ)アクリル酸誘導体4級アンモニウム塩ポリマーなどを挙げることができる。本発明では、1種類の吸水剤のみを使用しても又は2種類以上の吸水剤を併用してもよい。そのうちでも、本発明では、吸水剤として、ポリエチレングリコール、テレフタル酸およびエチレングリコールをブロック共重合してなるブロック共重合体が好ましく用いられる。
吸水剤として、ポリエステル系繊維と親和性の強い前記した吸水性重合体を使用する場合は、反対側の撥水剤付与面に影響を与えることなく、ポリエステル系繊維よりなるパイルを有する面のにみ吸水性を付与することができる。しかも、洗濯や使用によって吸水性重合体が脱落しにくいため、良好な吸水性能を長期にわたって維持することができ、吸水性能の耐久性に優れる。
【0024】
ポリエステル系繊維よりなるパイルを有する片面への吸水剤の付与量は、吸水剤の種類などに応じて調整し得るが、一般的には二層構造織編地1m当たり、吸水剤の付与量(乾物換算)が0.1〜10g程度であることが好ましく、0.5〜8g程度あることが好ましい。吸水剤の付与量が少なすぎると、二層構造織編地の片方の面に吸水性を十分に付与できにくくなり、一方吸水性の付与量が多すぎても吸水性能はそれほど向上せず、二層構造織編地の風合が硬く、不良になり易い。
【0025】
吸水剤をポリエステル系繊維よりなるパイルを有する片面に付与するに当たっては、吸水剤(例えば上記した吸水性重合体)を水やその他の液体媒体に溶解または分散させた溶液または分散液をパイルを有する片面に塗布する方法が好ましく採用される。その際の吸水剤の溶液または分散液中での濃度は、吸水剤の種類などに応じて調整し得るが、水溶液では一般的に1〜20質量%程度の濃度とすることが好ましい。吸水剤水溶液の濃度が1質量%未満であると、十分な吸水性を付与しにくくなり、一方20質量%を超えると吸水剤の付与量が過多になり、吸水性能がそれほど向上しない上に風合の硬化を生じ易い。
【0026】
吸水剤の付与方法は特に制限されず、二層構造織編地のポリエステル系繊維よりなるパイルを有する布帛の片面のみに吸水剤を付与し得る方法であればいずれの方法で行ってもよく、例えば、フラットスクリーンプリント法、ロータリースクリーンプリント法、ローラープリント法、グラビアロール法、キスロール法、泡加工機による方法などを挙げることができる。
【0027】
二層構造織編地のパイルを有する片面に吸水剤(吸水剤を含有する水溶液など)を塗布した後に、乾燥し、熱処理することにより、吸水剤をポリエステル系繊維よりなるパイル部分、および場合によってはパイルの基部の地組織面に強固に付着させることができる。乾燥は一般的には100〜120℃程度の温度で、また熱処理は一般的には150〜180℃程度の温度で行うことが好ましい。
【0028】
二層構造織編地のもう片方の面に付与される撥水剤としては、繊維に対して従来から用いられている撥水剤のいずれもが使用でき、代表例としては、フッ素樹脂系撥水剤、シリコーン樹脂系撥水剤を挙げることができる。本発明では、1種類の撥水剤のみを使用しても、または2種類以上の撥水剤を併用してもよい。
撥水剤を付与するに当たって、架橋剤、例えばメラミン系架橋剤やイソシアネート系架橋剤などを併用すると、撥水剤をより強固に二層構造織編地に付着させることができる。
【0029】
二層構造織編地のもう片方の面への撥水剤の付与量は、撥水剤の種類などに応じて調整し得るが、一般的には二層構造織編地1m当たり、撥水剤の付与量(乾物換算)が0.01〜2.0g程度であることが好ましく、0.05〜1.0g程度あることが好ましい。撥水剤の付与量が少なすぎると、二層構造織編地のもう片方の面に撥水性を十分に付与できにくくなり、一方撥水剤の付与量が多すぎても撥水性能はそれほど向上せず、二層構造織編地の風合が硬くなり易い。
【0030】
撥水剤を二層構造織編地のもう片方の面に付与するに当たっては、撥水剤を水やその他の液体媒体に溶解または分散させた溶液または分散液を塗布する方法が好ましく用いられる。その際の撥水剤の溶液または分散液中での濃度は、撥水剤の種類などに応じて調整し得るが、水溶液では一般的に1〜25質量%程度の濃度とすることが好ましい。撥水剤水溶液の濃度が1質量%未満であると、十分な撥水性を付与しにくくなり、一方25質量%を超えると撥水剤の付与量が過多になり、風合が硬くなったり、チョークマークやクラックマークなどが発生し易くなる。
【0031】
撥水剤の付与方法は特に制限されず、吸水剤の付与方法と同様に、例えば、フラットスクリーンプリント法、ロータリースクリーンプリント法、ローラープリント法、グラビアロール法、キスロール法、泡加工機による方法などを挙げることができる。
特に、二層構造織編地のもう片方の面に撥水剤を付与するに当たって、撥水剤溶液に起泡剤を添加して、起泡倍率が3〜30倍程度となるようにして起泡させて塗布すると、撥水剤の量を削減することができ、コスト面や二層構造織編地の軽量化の面で好ましい。しかも、起泡することにより、撥水剤が、パイルを有する片方の面まで浸透することが抑制されて、二層構造織編地のもう片方の面にのみ撥水性を付与することが可能になる。起泡倍率が3倍以下であると、起泡させたことによる前記した効果が十分に得られにくくなり、一方30倍を超えると撥水剤の塗布量が極端に少なくなり、十分な撥水性を付与することが困難になり易い。起泡剤としては、例えば、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤や、アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミドなどを使用することができる。
【0032】
二層構造織編地の前記もう片方の面に撥水剤を塗布した後に、乾燥し、熱処理することにより、撥水剤をもう片方の面に強固に付着させることができる。乾燥は一般的には100〜120℃程度の温度で、また熱処理は一般的には150〜180℃程度の温度で行うことが好ましい。
【0033】
吸水剤および撥水剤を二層構造織編地に付与する順序は特に制限されず、撥水剤を撥水面に付与した後に吸水剤をポリエステル系繊維よりなるパイルを有する片方の面に付与しても、または吸水剤をポリエステル系繊維よりなるパイルを有する片方の面(吸水面)に付与した後に撥水剤をもう片方の面(撥水面)に付与してもよいが、撥水剤を撥水面に付与した後に吸水剤をポリエステル系繊維よりなるパイルを有する片方の面(吸水面)に付与する前者の方法が、吸水剤の撥水面(もう片方の面)への浸透を良好に防止し得ることから好ましく採用される。
【0034】
上記により、吸水性能と撥水性能という相反する性能を良好に併せ持ち、しかもその吸水性能および撥水性能が洗濯や着用などによっても短期間に失われず、耐久性のある吸水性および撥水性を有する本発明の二層構造織編地が得られる。本発明の二層構造織編地は、吸水剤がポリエステル系繊維よりなるパイルに強固に付着していることから、静電気がたまりにくく、帯電防止効果にも優れる。
本発明の二層構造織編地は、そのような優れた特性を活かして、スポーツやアスレチック用のアウターウエア、
などの種々の用途に有効に用いることができる。
【0035】
【実施例】
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されない。
また、以下の例中、織物の伸長率の測定、並びに洗濯前および洗濯後の織物の撥水性と吸水性の評価および摩擦帯電圧の測定は、次のようにして行った。
【0036】
▲1▼織物の伸長率:
JIS L−1096(A法)に従って測定した。
【0037】
▲2▼織物の撥水性:
洗濯前の織物(試料)およびJIS L−0217「103法」に準じて10回および20回洗濯した後の試料について、JIS L−1092「スプレー法」に準じて、試料の撥水処理面の撥水性を、下記の表1に示す評価基準に従って点数評価した。
【0038】
【表1】
Figure 0003631685
【0039】
▲3▼織物の吸水性:
洗濯前の織物(試料)をJIS L−0217「103法」に準じて10回および20回洗濯した後の試料について、JIS L−1907「滴下法」に従って、試料の吸水処理面の吸水性を評価した。
【0040】
▲4▼摩擦帯電圧:
洗濯前の織物(試料)をJIS L−0217「103法」に準じて10回および20回洗濯した後の試料の摩擦帯電圧を、JIS L−1096に従って測定した。
【0041】
《実施例1》
(1) 経糸にカチオン可染性ポリエステル糸[75d/96f(83dtex/96f)]、緯糸にポリエチレンテレフタレート(以下「レギュラーポリエステル」という)仮撚加工糸[75d/96f(83dtex/36f);2本使い]を用いて、片面が主としてカチオン可染性ポリエステル糸で構成され、もう片面が主としてレギュラーポリエステル糸で構成された緯2重平織物[生機密度:経糸密度=111本/inch(43.7本/cm)、緯糸密度=77本/inch(17.3本/cm)]を作製し、80℃で精練後、130℃で染色して仕上げを行った後、フッ素系撥水剤(旭硝子株式会社製「アサヒガードLS317」)を8質量%、架橋剤(住友化学株式会社製「スミテックス レジンM−3」)を0.3質量%、触媒(スミテックス アクセレーターACX」)を0.1質量%および起泡剤(非イオン界面活性剤)を0.5質量%の割合で含有する撥水処理用水溶液を起泡装置により約13倍に起泡させ、ロータリープリント方式にて該緯2重平織物のカチオン可染性ポリエステル糸から主としてなる面に約15g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、160℃で45秒の熱処理を行った。
【0042】
(2) 上記(1)の撥水処理加工後に、該緯2重平織物のレギュラーポリエステル糸から主としてなる面に、吸水剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「CYBERFIT TFC−1」;ポリエチレングリコールとポリエチレンテレフタレートとのブロック共重合体)を8質量%含有する吸水処理用水溶液を、キスロール方式で、約38g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、150℃で45秒の熱処理を行った。
(3) 上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の緯2重平織物は、仕上がり密度が、経糸密度=150本/inch(59.1本/cm)、緯糸密度=82本/inch(32.3本/cm)であった。
また、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の緯2重平織物の伸長率を上記した方法で測定したところ、経方向2%、緯方向22%であり、レギュラーポリエステル糸から主としてなっていた面(吸水処理面)にレギュラーポリエステル糸がパイル状に配置されていた。
さらに、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の緯2重平織物の撥水性、吸水性および摩擦帯電圧を上記した方法で評価または測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0043】
《実施例2》
(1) 経糸にナイロン6捲縮糸[75d/24f(83dtex/24f);S撚1000T/M]、緯糸にレギュラーポリエステル捲縮糸[150d/48f(167dtex/48f);S撚1000T/M]を用いて、片面が主としてナイロン6糸で構成され、もう片面が主としてレギュラーポリエステル糸で構成された2ウエイ2重織物[生機密度:経糸密度=101本/inch(39.8本/cm)、緯糸密度=87本/inch(34.3本/cm)]を作製し、80℃で精練後、120℃で染色して仕上げを行った後、実施例1の(1)で用いたのと同じ撥水処理用水溶液を起泡装置により約8倍に起泡させ、ロータリープリント方式にて該2ウエイ2重織物のナイロン6糸から主としてなる面に約30g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、160℃で45秒の熱処理を行った。
(2) 上記(1)の撥水処理加工後に、該2ウエイ2重織物のレギュラーポリエステル糸から主としてなる面に、実施例1の(2)で使用したのと同じ吸水処理用水溶液を、キスロール方式で約70g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、150℃で45秒の熱処理を行った。
【0044】
(3) 上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の2ウエイ2重織物は、仕上がり密度が、経糸密度=155本/inch(61.0本/cm)、緯糸密度=94本/inch(37.0本/cm)であった。
また、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の2ウエイ2重織物の伸長率を上記した方法で測定したところ、経方向27%、緯方向7%であり、レギュラーポリエステル糸から主としてなっていた面(吸水処理面)にレギュラーポリエステル糸がパイル状に配置されていた。
さらに、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の2ウエイ2重織物の撥水性、吸水性および摩擦帯電圧を上記した方法で評価または測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0045】
《実施例3》
(1) 経糸にナイロン6糸[75d/34f(83dtex/34f);2本使い]、緯糸にレギュラーポリエステル糸[150d/60f(167dtex/60f)]とナイロン6仮撚加工糸[75d/34f(83dtex/34f);2本使い]を用いて、片面が主としてナイロン6糸で構成され、もう片面が主としてレギュラーポリエステル糸で構成された緯2重平織物[生機密度:経糸密度=76本/inch(29.2本/cm)、緯糸密度=76本/inch(29.9本/cm)]を作製し、80℃で精練後、120℃で染色して仕上げを行った後、実施例1の(1)で用いたのと同じ撥水処理用水溶液を起泡装置により約11倍に起泡させ、ロータリープリント方式にて該緯2重平織物のナイロン6糸から主としてなる面に約20g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、160℃で45秒の熱処理を行った。
(2) 上記(1)の撥水処理加工後に、該緯2重平織物のレギュラーポリエステル糸から主としてなる面に、実施例1の(2)で使用したのと同じ吸水処理用水溶液を、キスロール方式で約45g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、150℃で45秒の熱処理を行った。
【0046】
(3) 上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の緯2重平織物は、仕上がり密度が、経糸密度=92本/inch(36.2本/cm)、緯糸密度=82本/inch(32.3本/cm)であった。
また、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の緯2重平織物の伸長率を上記した方法で測定したところ、経方向2%、緯方向22%であり、レギュラーポリエステル糸から主としてなっていた面(吸水処理面)にレギュラーポリエステル糸がパイル状に配置されていた。
さらに、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の緯2重平織物の撥水性、吸水性および摩擦帯電圧を上記した方法で評価または測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0047】
《実施例4》
(1) 経糸にナイロン6糸[70d/34f(78dtex/34f)]、緯糸にポリウレタン糸を芯としてレギュラーポリエステル糸を被覆したカバリング糸[75d/36f(83dtex/36f)]を用いて、片面が主としてナイロン6糸で構成され、もう片面が主としてカバリング糸で構成された緯2重平織物[生機密度:経糸密度=95本/inch(37.4本/cm)、緯糸密度=115本/inch(45.3本/cm)]を作製し、80℃で精練後、120℃で染色して仕上げを行った後、実施例1の(1)で用いたのと同じ撥水処理用水溶液を起泡装置により約10倍に起泡させ、ロータリープリント方式にて該緯2重平織物のナイロン6糸から主としてなる面に約25g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、160℃で45秒の熱処理を行った。
(2) 上記(1)の撥水処理加工後に、該緯2重平織物のカバリング糸から主としてなる面に、実施例1の(2)で使用したのと同じ吸水処理用水溶液を、キスロール方式で約60g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、150℃で45秒の熱処理を行った。
【0048】
(3) 上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の緯2重平織物は、仕上がり密度が、経糸密度=123本/inch(48.2本/cm)、緯糸密度=118本/inch(46.5本/cm)であった。
また、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の緯2重平織物の伸長率を上記した方法で測定したところ、経方向2%、緯方向22%であり、カバリング糸から主としてなっていた面(吸水処理面)にレギュラーポリエステル糸がパイル状に配置されていた。
さらに、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の緯2重平織物の撥水性、吸水性および摩擦帯電圧を上記した方法で評価または測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0049】
《実施例5》
(1) 実施例2の(1)と同じ糸使いにより、片面が主としてナイロン6糸で構成され、もう片面が主としてレギュラーポリエステル糸で構成された2ウエイ2重織物[生機密度:経糸密度=101本/inch(39.8本/cm)、緯糸密度=87本/inch(34.3本/cm)]を作製し、80℃で精練後、120℃で染色して仕上げを行った後、針布起毛処理を行って地組織表面から突出しているレギュラーポリエステル糸よりなるループパイルを切断して、カットパイル状に毛羽立たせた。次いで、実施例1の(1)で用いたのと同じ撥水処理用水溶液を起泡装置により約8倍に起泡させ、ロータリープリント方式にて該2ウエイ2重織物のナイロン6糸から主としてなる面に約30g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、160℃で45秒の熱処理を行った。
(2) 上記(1)の撥水処理加工後に、該2ウエイ2重織物のレギュラーポリエステル糸から主としてなる面に、実施例1の(2)で使用したのと同じ吸水処理用水溶液を、キスロール方式で約74g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、150℃で45秒の熱処理を行った。
【0050】
(3) 上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の2ウエイ2重織物は、仕上がり密度が、経糸密度=155本/inch(61.0本/cm)、緯糸密度=94本/inch(37.0本/cm)であった。
また、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の2ウエイ2重織物の伸長率を上記した方法で測定したところ、経方向27%、緯方向7%であり、レギュラーポリエステル糸から主としてなっていた面(吸水処理面)にレギュラーポリエステル糸が羽毛状(カットパイル状)に配置されていた。
さらに、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の2ウエイ2重織物の撥水性、吸水性および摩擦帯電圧を上記した方法で評価または測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0051】
《比較例1》
(1) 経糸にナイロン6糸[70d/24f(78dtex/24f)]、緯糸にレギュラーポリエステル糸[70d/34f(78dtex/34f)]を用いて、平織物[生機密度:経糸密度=118本/inch(46.5本/cm)、緯糸密度=85本/inch(33.5本/cm)]を作製し、80℃で精練後、120℃で染色して仕上げを行った後、実施例1の(1)で用いたのと同じ撥水処理用水溶液を起泡装置により約13倍に起泡させ、ロータリープリント方式にて該平織物の一方の面に約12g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、160℃で45秒の熱処理を行った。
(2) 上記(1)の撥水処理加工後に、該平織物のもう一方の面に、実施例1の(2)で使用したのと同じ吸水処理用水溶液を、キスロール方式で約25g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、150℃で45秒の熱処理を行った。
【0052】
(3) 上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の平織物は、仕上がり密度が、経糸密度=125本/inch(49.2本/cm)、緯糸密度=87本/inch(34.3本/cm)であった。
また、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の平織物の伸長率を上記した方法で測定したところ、経方向0.5%以下、緯方向0.5%以下であり、両面共にフラットな状態であり、パイルのないものであった。
さらに、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の平織物の撥水性、吸水性および摩擦帯電圧を上記した方法で評価または測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0053】
《比較例2》
(1) 経糸にナイロン6糸[70d/24f(78dtex/24f)]、緯糸にレギュラーポリエステル糸[150d/60f(167dtex/60f)]を用いて、片面が主としてナイロン6糸からなり、もう片面が主としてレギュラーポリエステル糸からなる二重織物[生機密度:経糸密度=118本/inch(46.5本/cm)、緯糸密度=76本/inch(29.2本/cm)]を作製し、80℃で精練後、120℃で染色して仕上げを行った後、実施例1の(1)で用いたのと同じ撥水処理用水溶液を起泡装置により約10倍に起泡させ、ロータリープリント方式にて該二重織物のナイロン6糸から主としてなる面に約22g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、160℃で45秒の熱処理を行った。
(2) 上記(1)の撥水処理加工後に、該二重織物のレギュラーポリエステル糸から主としてなる面に、実施例1の(2)で使用したのと同じ吸水処理用水溶液を、キスロール方式で約40g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で乾燥した後、150℃で45秒の熱処理を行った。
【0054】
(3) 上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の二重織物は、仕上がり密度が、経糸密度=126本/inch(49.6本/cm)、緯糸密度=79本/inch(31.1本/cm)であった。
また、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の二重織物の伸長率を上記した方法で測定したところ、経方向3%以下、緯方向2%以下であり、両面共にフラットな状態であり、パイルのないものであった。
さらに、上記(2)で得られた吸水・撥水処理後の平織物の撥水性、吸水性および摩擦帯電圧を上記した方法で評価または測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0055】
【表2】
Figure 0003631685
【0056】
上記の表2の結果から、織編地(織物)を二層構造にすると共に少なくとも一方の面にポリエステル系繊維(ポリエステル糸)よりなるパイルを配置し、該ポリエステル系繊維(ポリエステル糸)よりなるパイルを有する片方の面に吸水剤を付与し、もう片方の面に撥水剤を付与してなる実施例1〜5の二層構造織物は、吸水性および撥水性に優れ、特に吸水剤がポリエステル系繊維(ポリエステル糸)よりなるパイルに強固に付着されているために極めて優れた吸水性を有しており、洗濯前は勿論のこと、20回洗濯した後もその優れた吸水性および撥水性が失われず、良好に維持されることがわかる。
しかも、実施例1〜5の二層構造織地は、ポリエステル系繊維(ポリエステル糸)よりなるパイルに吸水剤が強固に付着されていることにより、摩擦帯電圧が低く、静電気がたまりにくく、帯電防止性に優れている。
それに対して、比較例1および2の織物は、洗濯前においてもその吸水性能が実施例1〜5の二層構造織地に比べて著しく劣っており、しかも洗濯によってその吸水性が失われ易く、また摩擦帯電圧が高く、静電気がたまり易い。
【0057】
【発明の効果】
本発明の二層構造織編地は、少なくとも一方の面にポリエステル系繊維よりなるパイルを有していて、ポリエステル系繊維よりなるパイルを有する一方の面に吸水剤を付与され且つもう一方の面に撥水剤が付与されていることにより、吸水剤が付与される表面積が大きくなり、しかも吸水剤がパイル状になった繊維の内部まで浸透して強固に付与されるために、洗濯や着用などによっても短期間に失われず、耐久性のある高い吸水性能を有し、しかも優れた撥水性を有している。さらに、本発明の二層構造織編地は、パイルに吸水剤が強固に付着しているため、静電気がたまりにくく、耐久性に優れる帯電防止性能を有している。
また、本発明の二層構造織編地は、パイルを有していることによって二層構造織編地の見かけの厚みが厚くなるため、パイルを有する一方の面に吸水剤を付与し、もう一方の面に撥水剤を付与したときに、一方の面に施した吸水剤がもう一方の面(撥水面)まで浸透することが防止され、且つもう一方の面に施した撥水剤がパイル面(吸水面)にまで浸透することが防止されて、それぞれの面で吸水性と撥水性という相反する性能をそれぞれ十分に発揮させることができる。
しかも、パイルによって二層構造織編地のみかけの厚みが厚くなってはいても、二層構造織編地自体の目付はそれほど増さないために、軽量性や着用性に優れている。
さらに、本発明の二層構造織編地のうち、伸縮性繊維または伸縮性糸を少なくとも一部として用いて形成したものは、二層構造織編地の表面へのパイルの形成が良好に行われる共に、伸縮性を有していることから着用性に優れている。
本発明の製造方法による場合は、撥水剤の吸水面への浸透を防止しながら、二層構造織編地の撥水面に撥水剤を円滑に付与することができる。

Claims (7)

  1. 二層構造織編地の少なくとも一方の面にポリエステル系繊維よりなるパイルを配置してなり、前記パイルを有する片方の面に吸水剤を付与し、もう片方の面に撥水剤を付与してなることを特徴とする吸水・撥水性の二層構造織編地。
  2. パイルがカットパイルである請求項1に記載の二層構造織編地。
  3. 撥水剤を付与してなる面がポリアミド系繊維から主としてなる請求項1または2に記載の二層構造織編地。
  4. 二層構造織編地を構成する繊維または糸の少なくとも一部が、伸縮性繊維または伸縮性糸からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の二層構造織編地。
  5. 経方向および/または緯方向の伸長率が5〜30%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の二層構造織編地。
  6. 吸水剤が、ポリエチレングリコール、テレフタル酸およびエチレングリコールをブロック共重合してなるブロック共重合体からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の二層構造織編地。
  7. 少なくとも一方の面にポリエステル系繊維よりなるパイルを配置してなる二層構造織編地の前記パイルを有する片方の面に吸水剤を付与し、もう片方の面に撥水剤を付与して吸水・撥水性の二層構造織編地を製造する方法であって、撥水剤を3〜30倍に起泡させた状態で該もう片方の面に付与することを特徴とする吸水・撥水性の二層構造織編地の製造方法。
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