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JP3630471B2 - リソグラフィーにおける性能向上用塗布組成物および当該塗布組成物を使用したパターン形成方法 - Google Patents

リソグラフィーにおける性能向上用塗布組成物および当該塗布組成物を使用したパターン形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、リソグラフィーにおける性能向上用塗布組成物およびおよび当該塗布組成物を使用したパターン形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、集積回路などの製造に使用される微細加工技術(フォトリソグラフィー技術)は、その加工精度が著しく向上しており、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)においては、サブミクロンの加工技術が大量生産レベルの技術として確立している。サブミクロンの加工には、露光光源として、g線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザー光(248nm)等の短波長の光が使用され、そして、使用されるフォトレジスト組成物として、種々の高性能なフォトレジスト塗布組成物が提案されている。
【0003】
近年、開発されている化学増幅型フォトレジスト組成物は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、溶解抑制剤、感光性酸発生化合物、溶媒より成り、そのパターン形成のメカニズムは次の様である。
【0004】
露光により感光性酸発生化合物が分解して酸を発生する。溶解抑制剤は、例えば、フェノール性の水酸基の水素原子の一部をt−ブチルオキシカルボニル基で置換した化合物であり、この化合物は、上記の酸の触媒作用により分解してアルカリ可溶性樹脂に対する溶解抑制機能を失う。その結果、露光部は、現像液に対し溶解性が向上してパターンが形成される。
【0005】
ところで、実際のプロセス上問題となっている現象として、所謂T−topと呼ばれる現象がある。具体的には、本来現像後に現像除去されていなければならない露光部の(形成パターン周辺の)表面が残存し、その結果、形成パターンの断面形状が(パターントップが両サイドに広がり)あたかもT−字形になる現象である。
【0006】
上記のT−top現象は、プロセス雰囲気中のアミン成分が発生した酸を中和してパターン形成を妨害するために惹起されると言われている。そして、斯かる現象を防止するため、フォトレジスト塗布膜上に透明な保護膜を塗布してアミン成分の吸収を防止する方法、フォトレジスト塗布膜上に酸性の透明な膜を塗布してアミン成分の吸収を防止すると同時にT−top部を化学的に削りとる(フォトレジスト塗布膜全表面部の溶解抑制剤を分解させてフォトレジスト塗布膜表面の一部を現像溶解して除去する)方法などが提案されている。
【0007】
しかしながら、上記の方法ではフォトレジスト塗布膜の保護機能が充分とは言えない。また、本来残存しているべき筈の未露光部のフォトレジスト塗布膜までが除去されてしまうため、残膜率が低くなる、パターントップが丸くなる等の問題も惹起される。
【0008】
一方、T−topの発生を防止するため、有機溶媒に溶解して成る表面塗布組成物に感光性酸発生化合物を添加して成るパターン形成方法も提案されている(特開平6−110214号公報)。しかしながら、上記の表面塗布組成物の場合、膜形成材料が(又、一部の感光性酸発生化合物が)水に溶解しないため、使用する有機溶媒によっては塗布時に下層のフォトレジスト層との間でミキシング等を起こして良好に塗布できない問題がある。
【0009】
すなわち、使用する感光性酸発生化合物によっては有機溶媒に対する溶解性も限られ、逆に、感光性酸発生化合物が溶解する溶媒では表面塗布組成物溶液を塗布する際に下層の化学増幅型フォトレジスト組成物を溶解してしまい良好に表面塗布組成物溶液を塗布することが出来ない。しかも、水性の現像液を使用する場合、不溶性成分のため、一括処理できないと言う問題もある。
【0010】
また、フォトレジスト塗布組成物(パターン形成方法)に要求される特性としては、より高解像性であることは勿論、転写パターンの形状がより矩形性に近く良好なこと、また、焦点深度が大きいこと等の特性を備えた高性能なフォトレジスト塗布組成物(パターン形成方法)が求められている。斯かる目的を達成するため、フォトレジスト組成物塗布膜上に光退色性材料を塗布し、実行上の投射光のコントラストを向上させる方法などが提案されている(Semicon NEWS,,vol 12,60(1988))。
【0011】
また、塗布膜厚による転写されたパターンの寸法変動をより少なくするため、フォトレジスト組成物塗布膜上にそれとは異なる屈折率をもった透明な膜を形成させ、フォトレジスト組成物塗布膜上面より反射される光と、このフォトレジスト組成物塗布膜上面を通過し、新たに塗布された屈折率が異なる膜上面より反射される光との位相差の干渉を利用し、上記の膜内多重反射の影響を小さくして寸法制御性を向上させる方法が提案されている(特開昭60−149130号公報、特開昭62−62520号公報、特開昭62−62521号公報、特開平5−188598号公報など)。
【0012】
しかしながら、プロセス上意味のある低屈折率(1.45以下)を達成する低屈折率組成物としては、未だ、酸性の組成物しか知られておらず、従って、その適用は、上記同様に残膜率が低くなる等の問題を惹起する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、1種類の表面塗布組成物を塗布するだけの簡単な方法により、高解像にて、転写パターンの形状および焦点深度が良好であり、且つ、転写パターン寸法の塗布膜厚による変化が小さく、良好な結果を与えるパターン形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の要旨は、化学増幅型フォトレジスト組成物塗布膜の上面に塗布して使用される塗布組成物であって、水溶性であり、且つ、感光性酸発生化合物を含有し、pHが4以上であることを特徴とする、リソグラフィー上の性能向上を図る塗布組成物に存し、第2の要旨は、基板上に塗布された化学増幅型フォトレジスト組成物塗布膜の上面に上記の塗布組成物を塗布し、光を投射してパターン潜像を転写し、次いで、加熱処理した後に現像を行うことを特徴とするパターン形成方法に存する。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明が適用される化学増幅型フォトレジスト組成物としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂、溶解抑制剤、感光性酸発生化合物、溶媒を含有する組成物が挙げられ、特に、本発明は、ポジ型の化学増幅型フォトレジスト組成物に対して良好な結果を与える。
【0016】
アルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン若しくはその誘導体が挙げられる。ノボラック樹脂は、ヒドロキシ芳香族化合物とカルボニル化合物とを酸性触媒の存在下、加熱重縮合して得ることが出来る。
【0017】
上記のヒドロキシ芳香族化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3−エチルフェノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、フェニルフェノール等のアルキル基またはアリール基で置換されていてもよいフェノール類;2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、4−フェノキシフェノール等のアルコキシ又はアリルオキシフェノール類;α−ナフトール、β−ナフトール、3−メチル−α−ナフトール等のアルキル基で置換されていてもよいナフトール類;1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシ−5−メチルベンゼン等のアルキル基で置換されていてもよいポリヒドロキシベンゼン類などが挙げられる。
【0018】
上記のカルボニル化合物としては、例えば、フォルムアルデヒド、パラフォルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の脂肪族アルデヒド類;ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド類;アセトン等のアルキルケトン類が挙げられる。上記の酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、蓚酸などが挙げられる。
【0019】
ポリヒドロキシスチレンとしては、例えば、4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−クロロ−4−ヒドロキシスチレン等の重合物が挙げられる。ポリヒドロキシスチレン誘導体としては、上記のポリヒドロキシスチレンと他の成分との共重合体が挙げられ、他の成分としては、スチレン、4−メチルスチレン、スチルベン等のスチレン誘導体;エチレン、プロピレン等のエチレン誘導体;マレイン酸、2−メチルマレイン酸、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のマレイン酸誘導体;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル等のアクリル酸誘導体などが挙げられる。
【0020】
上記のノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン若しくはその誘導体の中では、特に、ポリヒドロキシスチレン又はその誘導体が好ましい。これらの樹脂は、必要に応じ、短波長領域の吸光を低くするため、水素などにより還元されていてもよく、また、本発明に悪影響を与えない限り、芳香環にハロゲン原子、ニトロ基、エステル基等の置換基を有していてもよい。また、フェノール性の水酸基の一部がt−ブチルオキシカーボネート、アセテート等のエステル化物;メチルエーテル、トリメチルシリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル等のエーテル化物として置換されていてもよい。
【0021】
アルカリ可溶性樹脂の最適な重量平均分子量は、通常2000〜30000、好ましくは3000〜20000である。また、分別結晶などにより上記樹脂中の低分子量成分を除いた樹脂、または、分子量の異なる樹脂を2種類以上混合することにより分子量分布を広くした樹脂を使用することも出来る。
【0022】
溶解抑制剤としては、ポリヒドロキシ芳香族化合物のエステル化物が好適であり、具体的には、ポリヒドロキシ芳香族化合物のフェノール性の水酸基をt−ブチルオキシカーボネート、アセテート等によりエステル化物とした化合物が好適である。そして、ポリヒドロキシ芳香族化合物としては、上記のノボラック樹脂;ポリヒドロキシスチレン若しくはその誘導体;ピロガロール、フロログルシノール、ビスフェノールA、4,4′,4″−トリヒドロキシフェニルメタン、トリス(4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、没食子酸エステル、ケルセチン、モリン、ポリヒドロキシベンゾフェノン等が使用される。
【0023】
また、他の溶解抑制剤としては、上記のポリヒドロキシ芳香族化合物の1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルフォン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸などによるエステル化合物が挙げられる。これらの中ではフェノール性の水酸基をt−ブチルオキシカルボニル化した化合物が酸性条件下で容易に分解されるために好適である。
【0024】
感光性酸発生化合物としては、例えば、ヘキサクロロエタン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサクロロシクロヘキサン、四臭化炭素、ヨードフォルム、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ビス(トリクロロメチル)−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、ビス(トリクロロメチル)−(4−メトキシフェニル)−s−トリアジン、ビス(トリクロロメチル)−(4−メチルチオフェニル)−s−トリアジン、ビス(トリクロロメチル)−(4−メトキシナフチル)−s−トリアジン、ビス(トリブロモメチル)ベンゼン、トリブロモメチルフェニルスルフォン等の様なポリハロゲン化炭化水素基を含有する化合物が挙げられる。
【0025】
他の感光性酸発生化合物としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムトリフロオロメタンスルフォネート、トリフェニルスルフォニウムブロマイド、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルフォニウムトリフロオロメタンスルフォネート、ジフェニル−(4−メトキシフェニル)スルフォニウムトリフロオロメタンスルホネート、トリ(4−メトキシフェニル)スルフォニウムトリフロオロメタンスルホネート、ジフェニル−(4−(フェニルチオ)フェニル)スルフォニウムトリフロオロメタンスルホネート、ジフェニル−(4−(フェニルチオ)フェニル)スルフォニウムヘキサフルオロホスホネート、ジメチル−(4−ヒドロキシナフチル)スルフォニウムトリフロオロメタンスルホネート、2−ナフトイルメチルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、2−ナフトイルメチルテトラメチレンスルフォニウムトリフロオロメタンスルホネート等のオニウム塩;ピロガロールトリトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、ベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾイントシレート、N−(トリフロオロメタンスルフォニルオキシ)フタルイミド等のスルフォン酸エステル類;ベンゼンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、ベンゼンスルフォン酸ヒドラジド等のスルフォン酸アミド類;ジフェニルジスルフォン、ビス(p−トリール)ジスルフォン等のスルフォン類が挙げられる。更には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォン酸のエステル化物も感光性酸発生化合物として使用することが出来る。
【0026】
溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のカルボン酸エステル類;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート等のグリコールエーテルアルキルカルボン酸エステル類;乳酸メチル、乳酸エチル等のヒドロキシアルキルカルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メチル−3−メトキシプロピオン酸メチル、2−メチル−3−エトキシプロピオン酸エチル等のアルコキシアルキルカルボン酸エステル類;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のピルビン酸エステル類;メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等の単独または2種類以上の混合溶媒が挙げられる。
【0027】
化学増幅型フォトレジスト塗布組成物における、アルカリ可溶性樹脂の濃度は通常1〜30重量%であり、溶解抑制剤の濃度は通常1〜15重量%であり、感光性酸発生化合物の濃度は通常0.001〜10重量%である。そして、アルカリ可溶性樹脂に対する溶解抑制剤および感光性酸発生化合物の割合は、通常、1:0.1〜0.7:0.01〜0.5である。化学増幅型フォトレジスト塗布組成物には、塗布性を向上させるための塗布性改良剤、基板よりの乱反射光の影響を少なくするための吸光性材料、感度向上のための増感剤などの添加剤を添加することが出来る。
【0028】
本発明のリソグラフィーにおける性能向上用塗布組成物は、上記の様な化学増幅型フォトレジスト組成物塗布膜の上面に塗布して使用され、水溶性であり、且つ、感光性酸発生化合物を含有し、pHが4以上である特徴を有する。そして、通常、膜形成材料を含有する。
【0029】
本発明の塗布組成物は、媒体が有機溶媒ではなく水性媒体であるため、下層に塗布された化学増幅型フォトレジスト塗布膜とのミキシングが少ないと言う効果を有する。水性媒体としては、フッ素原子で置換されていてもよいメタノール、エタノール、イソプロパノール等の水と混合し得る有機溶媒を含有してもよい水が使用される。しかしながら、ミキシング防止の観点から、混合する有機溶媒の量は、少ない方が好ましく、全媒体に対する割合として、有機溶媒の量は通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。
【0030】
上記の膜形成材料としては、水溶性のものが使用され、具体的な膜形成材料としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、プルラン等の水溶性ポリマーが挙げられる。これらの膜形成材料は、後記の水溶性フッ素化合物にて一部または全てを代替してもよい。膜形成材料の使用量は、全塗布組成物に対し、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。これらの膜形成材料は、屈折率が1.5以上のものが多いのでその使用量は少なくする方が好ましい。膜形成材料の一部をフッ素化合物にて代替する方法は、後記の低屈折化のために好ましい実施態様である。
【0031】
上記の感光性酸発生化合物としては、前記の化学増幅型フォトレジスト塗布組成物の場合と同様に、ポリハロゲン化炭化水素基を有する化合物、オニウム塩化合物、スルフォン酸エステル化合物、スルフォン化合物などを使用し得るが、膜形成材料と同様、分子内に水可溶性基を持つ水溶性のものが好適に使用される。
【0032】
水溶性の感光性酸発生化合物の具体例としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルフォネート、トリフェニルスルフォニウムブロマイド、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート、ジフェニル−(4−メトキシフェニル)スルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート、ジフェニル−(4−(フェニルチオ)フェニル)スルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート、ジフェニル−(4−(フェニルチオ)フェニル)スルフォニウムヘキサフルオロホスホネート、ジメチル−(4−ヒドロキシナフチル)スルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート等のオニウム塩;ベンゼンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、ベンゼンスルフォン酸ヒドラジト等のスルフォン酸アミド類などが挙げられる。
【0033】
感光性酸発生化合物の混合比率は、塗布組成物の溶媒を除いた成分全量に対する混合比率として、通常0.005〜0.3重量倍、好ましくは0.01〜0.2重量倍である。
【0034】
本発明の塗布組成物のpHは、4以上の弱酸性からアルカリ性領域までの広い範囲から選択選択し得るが、好ましく7〜14、更に好ましくは7.1〜10の弱アルカリ性範囲である。すなわち、余りにも酸性が強すぎる場合は、酸によって未露光部の表面付近の溶解性が上がるため未露光部の膜減りが大きくなり、一方、余りにもアルカリ性が強すぎる場合は、露光部を酸性にするために必要な露光量のエネルギーが高くなる。特に、pH7.1〜10の弱アルカリ性の場合は、未露光部の膜減りを抑え、且つ、露光部から未露光部へ滲み出した酸を中和し、パターントップの形状が丸くなるのを防止できる等、極めて良好な結果が得られる。上記のアルカリ性度は、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液などの有機アミン等にて調整することが出来る。
【0035】
ところで、前記の感光性酸発生化合物の添加量は、塗布組成物液のpHをも勘案して決定され、露光後において、露光部分を酸性にし得る様に調整することが好ましい。すなわち、本発明の塗布組成物は、プロセス雰囲気中の成分によるパターン形成の妨害防止を目的とするが、従来の塗布膜とは異なり、前記の組成および成分の組合せにより、上記の妨害防止効果が本来の目的である露光部分のみを対象にして発揮され、更に、露光部と未露光部の溶解コントラストを大きくすることが出来、その結果、パターン形状が矩形性となると言う効果をも発揮させることが出来る。
【0036】
更に、本発明の塗布組成物は、その塗布膜の投射光波長に対する屈折率が下層のフォトレジスト組成物塗布膜の屈折率を[m]で表した場合に[m0.5 ]に近づく組成にし、且つ、投射光波長をλとした際、本発明の塗布組成物塗布膜の塗布膜厚をλ/4の奇数倍にするならば、前記の膜内多重反射の影響を小さくすることが出来るので好ましい。
【0037】
本発明の塗布組成物による塗布膜の好ましい屈折率は、通常のフォトレジスト組成物塗布膜の屈折率が通常1.6〜1.7であることから1.25〜1.3となされる。しかしながら、実際的には、斯かる低屈折率の塗布膜を得るのは非常に困難であるため、現実的な好適範囲は1.3〜1.45である。斯かる屈折率の塗布膜によれば、干渉作用により反射光強度が小さくなり、フォトレジスト組成物塗布膜の膜厚に対する寸法制御性を向上することが出来る。
【0038】
上記の低屈折率塗布膜を達成するための材料としては、フッ素含有化合物が有効であり、本発明の塗布組成物に水溶性フッ素含有化合物を添加するのが好ましい。好ましい水溶性フッ素含有化合物としては、本出願人によって既に提出された特願平7−64132号明細書に記載の水溶性フッ素含有化合物、すなわち、1気圧20℃において固体である後述の水溶性フッ素化合物および/または1気圧20℃において液状であり且つ1気圧での沸点が100℃以上である後述の水溶性フッ素化合物が挙げられる。特に、これらの混合物の使用により、前記のポリアクリル酸などの膜形成材料の使用量を少なくすることが出来、しかも、前記の1.45以下の低屈折率の塗布膜を得ることが出来る。フッ素含有化合物の使用量は、膜形成材料と同様、全塗布組成物に対し、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0039】
上記の1気圧20℃において固体である水溶性フッ素化合物としては、好ましくは1気圧25℃において固体である水溶性フッ素化合物であり、更に好ましくは1気圧の沸点が150℃以上、より好ましくは200℃以上、最も好ましくは250℃以上の化合物である。ここに水溶性とは、1気圧下20℃の条件下、前記の水性媒体に対し、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上溶解することを意味する。
【0040】
上記の水溶性フッ素化合物としては、炭素数が通常3〜30、好ましくは5〜20のパーフルオロアルキルスルフォン酸やパーフルオロアルキルカルボン酸が挙げられる。その他の例としては、炭素数が通常8〜40、好ましくは9〜20のパーフルオロアルキルベンゼンスルフォン酸、パーフルオロアルキルオキシベンゼンスルフォン酸、パーフルオロアルキルベンゼンカルボン酸、パーフルオロアルキルオキシベンゼンカルボン酸が挙げられる。更にその他の例としては、炭素数が通常4〜1000、好ましくは4〜500のパーフルオロアルキルポリエーテルスルフォン酸やパーフルオロアルキルポリエーテルカルボン酸が挙げられる。これらのフッ素含有酸化合物は、フリーの酸として使用される他、アンモニウム塩、フッ素で置換されていてもよいモノ〜テトラアルキルアンモニウム塩などの形態にて使用され、2種類以上の混合物として使用してもよい。
【0041】
上記のフッ素含有酸化合物の具体例としては、パーフルオロブタンスルフォン酸、パーフルオロヘプタンスルフォン酸、パーフルオロオクタンスルフォン酸、パーフルオロデカンスルフォン酸、パーフルオロブタン酸、パーフルオロアジピン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロアゼライン酸、パーフルオロセバチン酸、パーフルオロ−1,10−デカンジカルボン酸、パーフルオロヘプタオキシベンゼンスルフォン酸、パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルフォン酸、パーフルオロアルキルポリエーテルスルフォン酸(例えば、E.I.du Pont社製の商品「Nafion」)、パーフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナン酸、パーフルオロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカン酸、パーフルオロアルキルポリエーテルジカルボン酸などが挙げられる。また、他の固体の水溶性フッ素化合物の具体例としては、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタン−1,5−ジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジオール等のフルオロアネキルアルコール類、三菱マテリアル(株)製のフッ素界面活性剤、例えば、「EF−121」(商品名)等が挙げられる。
【0042】
一方、前記の1気圧20℃において液状であり且つ1気圧での沸点が100℃以上である水溶性フッ素化合物としては、好ましくは1気圧10℃において液状であり且つ1気圧での沸点が100℃以上、更に好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上の水溶性フッ素化合物である。ここに水溶性とは、1気圧下20℃の条件下、水性媒体に対し、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上溶解することを意味する。
【0043】
上記の水溶性フッ素化合物としては、例えば、トリフルオロメタンスルフォン酸、ヘプタフルオロブタン酸のような酸性化合物も使用し得るが、これらの酸性化合物は、機器の腐食などを抑制するため、多量に使用するのは避けるのが好ましい。斯かる観点から、上記の水溶性フッ素化合物としては、中性の化合物が好ましい。中性水溶性フッ素化合物とは、例えば、下記の化学式で表される化合物が挙げられる。
【0044】
【化1】
−(R−O)−(CX−CX(OH)−CX(OH)
【0045】
上記の化学式中、Rはフッ素含有アルキル基、Rはフッ素を含有してもよいアルキレン基を表し、Xは水素原子またはフッ素原子を表し、これらは同一または異なっていてもよい。mおよびnは0〜5の整数を表す。
【0046】
上記の化学式で表される中性水溶性フッ素化合物の具体例としては、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン等が挙げられるが、類似の化合物であるα−パーフルオロノネニル−ω−メトキシポリオキシエチレンの様なパーフルオロアルキルアルコールエチレンオキシド付加物やその末端アルキルエーテル化合物は、露光/現像後において、転写されたパターンの剥離などを惹起するので好ましくない。
【0047】
他の中性水溶性フッ素化合物としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタノール等のフルオロアルキルアルコール類、住友スリーエム(株)製のフッ素系界面活性剤、例えば、「FC−171」(パーフルオロアルキルアルコキシレート)、「FC−430」(フッ素化アルキルエステル)等が挙げられる。
【0048】
上記のフッ素化合物は、単独使用の他、2種類以上の混合物として使用され、特に、1気圧の沸点が100℃以上200℃以下の化合物と200℃以上の化合物との混合物としての使用は好ましい結果を与える。
【0049】
前記の固体または液体の水溶性フッ素化合物は、アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換された化合物であるが、そのフッ素置換割合は、高い方が好ましく、通常50%、好ましくは70%以上である。
【0050】
水溶性フッ素化合物は前記の膜形成材料に添加して使用される。そして、その添加は1種類でもよいが、例えば、固体のフッ素化合物類と液体のフッ素化合物類とを重量割合にて通常10:1〜1:20好ましくは5:1〜1:10の割合にて混合使用することにより、膜形成材料の使用がなくても良好に低屈折率の塗布膜を形成できる。
【0051】
また、投射光の波長に対する塗布膜の吸光度が当該投射光の投射により減少する化合物を本発明の塗布組成物に含有させるならば、フォトレジスト塗布膜内での露光部と未露光部との光のコントラストが向上して高解像性が得られので好ましい。吸光度の減少割合は、完全変化前後の減少割合として、通常10%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上である。
【0052】
上記の吸光度減少用化合物としては、α−カルボキシ−N−メチルニトロン、α−(p−(ジメチルアミノ)フェニル)−N−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、α−(p−(ジエチルアミノ)フェニル)−N−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、α−(p−(ジメチルアミノ)フェニル)−N−(2−メチル−4−カルボキシフェニル)ニトロン、α−(p−(ジエチルアミノ)フェニル)−N−(2−メチル−4−カルボキシフェニル)ニトロン、α−(p−(ジメチルアミノ)スチリル)−N−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、α−(p−(ジエチルアミノ)スチリル)−N−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、α−(p−(ジメチルアミノ)スチリル)−N−(2−メチル−4−カルボキシフェニル)ニトロン、α−(p−(ジエチルアミノ)スチリル)−N−(2−メチル−4−カルボキシフェニル)ニトロン等が挙げられる。
【0053】
吸光度減少用化合物の混合比率は、塗布組成物の溶媒を除いた成分全量に対する割合として、通常0.01〜0.5重量倍、好ましくは0.1〜0.4重量倍である。
【0054】
本発明の塗布組成物による塗布膜を使用したパターン形成方法としては、基本的には、フォトレジスト塗布膜上面に保護膜などの塗布膜を形成する通常の化学増幅型ポジ型フォトレジストの場合と同様の方法を採用することが出来る。具体的には次の手順を採用することが出来る。
【0055】
先ず、基板に化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物を塗布した後にプリベーク(1)を行って残存する溶媒を蒸発させる。次いで、本発明の塗布組成物を化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物塗布膜上に塗布した後にプリベーク(2)を行って残存する溶媒を蒸発させる。なお、プリベーク(1)を省略し、プリベーク(2)にて各ステップの塗布膜の溶媒を同時に蒸発させることも出来、また、プリベーク(2)を省略することも出来る。
【0056】
次いで、露光を行ってパターン潜像を形成させる。露光は、g線、i線、エキシマレーザー光などによって行うことが出来、本発明の塗布組成物は、これらの全ての露光波長に対応し得る。勿論、露光波長に対する材料などの最適化が行われる。次いで、露光後にベークを行い、そして、現像を行ってパターンを形成させる。現像液としては、通常、有機アミン水溶液が使用され、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド及び/又はコリンの水溶液が好適に使用される。また、現像液との接触に先立ち、本発明の塗布組成物による塗布膜を水にて溶解して除去した後、化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物塗布膜と現像液を接触させてもよい。
【0057】
なお、化学増幅型フォトレジストとして感光性塩基発生化合物を利用したフォトレジスト組成物も知られているが、本発明者等の知見によれば、感光性酸発生化合物を含有する塗布組成物の代わりに感光性塩基発生化合物を含有する塗布組成物を使用し、そして、前述した本発明と同じ概念に基づき、上記のフォトレジスト塗布膜の上面に感光性塩基発生化合物を含有する塗布組成物を塗布してリソグラフィーにおける性能向上を図ることが出来る。つまり、本願発明と同様のリソグラフィーにおける性能向上用塗布組成物および当該塗布組成物を使用したパターン形成方法を実現することが出来る。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されない。
【0059】
(表面塗布組成物調製例A)
ヘプタデカフルオロオクタンスルフォン酸をテトラメチルアンモニウムヒドロキシドにて中和(中和率100%)した塩3.6g、3−(2−トリデカフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン2.4g、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート0.30gを水94gに溶解した。更に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドにて組成物溶液のpHを9に調整した。この溶液を0.2μmのフィルターにて濾過して表面塗布組成物Aを調製した。
【0060】
(表面塗布組成物調製例B)
表面塗布組成物調製例Aにおいて、ヘプタデカフルオロオクタンスルフォン酸のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドでの中和率を95%に変更して得た塩を使用し、組成物溶液のpHを3.9に変更した以外は、表面塗布組成物調製例Aと同様にして表面塗布組成物Bを調製した。
【0061】
(表面塗布組成物調製例C)
表面塗布組成物調製例Aにおいて、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネートを使用しない以外は、表面塗布組成物調製例Aと同様にして表面塗布組成物Cを調製した。
【0062】
(表面塗布組成物調製例D)
ポリアクリル酸2gとトルエンスルフォン酸0.012gとを水98gに溶解した。この溶液を0.2μmのフィルターにて濾過して表面塗布組成物Dを調製した。この組成物のpHは2.5であった。
【0063】
(表面塗布組成物調製例E)
低分子量ポリプロピレン(数平均分子量3000)4gとトリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート1gとをキシレン95gに溶解しようとしたが、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネートがキシレンに溶解せず、均一な表面塗布組成物を得ることが出来なかった。なお、キシレンに代わりに、トルエン、シクロヘキサン、オクタン等の数種類の溶媒にて溶解テストを行ったが、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネートは何れの溶媒に溶解せず、均一な表面塗布組成物を得ることが出来なかった。
【0064】
(表面塗布組成物調製例F)
低分子量ポリプロピレン(数平均分子量3000)4gとトリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート1gとをジプロピレングリコールジメチルエーテル95gに溶解した。この溶液を0.2μmのフィルターにて濾過して表面塗布組成物Fを調製した。
【0065】
(表面塗布組成物調製例G)
低分子量ポリプロピレン4gとトリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート1gとを水95gに溶解しようとしたが、低分子量ポリプロピレンが水に溶解せず、均一な表面塗布組成物を得ることが出来なかった。
【0066】
(表面塗布組成物調製例H)
低分子量ポリプロピレン4gとp−トルエンスルフォン酸フェニルエステル1gとを水95gに溶解しようとしたが、低分子量ポリプロピレン及びp−トルエンスルフォン酸フェニルエステルが水に溶解せず、均一な表面塗布組成物を得ることが出来なかった。
【0067】
(表面塗布組成物調製例I)
ヘプタデカフルオロオクタンスルフォン酸をテトラメチルアンモニウムヒドロキシドにて中和(中和率100%)した塩3.0g、3−(2−トリデカフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン3.0g、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート0.40g、α−カルボキシ−N−メチルニトロン2.0gを水91gに溶解した。更に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドにて組成物溶液のpHを9に調整した。この溶液を0.2μmのフィルターにて濾過して表面塗布組成物Iを調製した。
【0068】
(化学増幅型フォトレジスト調製例A)
ポリ−p−ビニルフェノール(MW=6000)の部分(22%)t−ブチルオキシカルボニル化変成物84g、ビスフェノールAのt−ブチルオキシカルボニル化変成物36g、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート6gをジエチレングリコールジメチルエーテル260gに溶解し、0.2μmのフィルターにて濾過して化学増幅型フォトレジストAを調製した。
【0069】
実施例1及び比較例1〜4
化学増幅型フォトレジストAを5インチの5枚のシリコンウェハーにそれぞれスピンコートし、ホットプレート上にて120℃で90秒間加熱ベークして塗布膜を乾燥し、約1μmの塗布膜厚のフォトレジスト塗布膜を得た。更に、その中の4枚のシリコンウエハーのフォトレジスト塗布膜上に表面塗布組成物A〜Dをそれぞれ塗布し約450Åの塗布膜厚の被覆膜を形成した(実施例1及び比較例1〜3)。
【0070】
ニコン社製エキシマレーザーステッパー(商品名:NSR1505EX)にて露光し、100℃で60秒間、露光後にベークした。水で表面塗布組成物をリンス除去した後、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて70秒間現像を行った。なお、5枚のシリコンウェハーの中の1枚については表面塗布組成物を塗布しないで露光現像を行った(比較例4)。
【0071】
表面塗布組成物Aを使用して露光現像を行った実施例1の場合は、0.5μmのL&S(線幅とスペース幅の比)が1:1に仕上がる露光量にて0.30μmのL&Sまで良好に解像できており、T−topは発生していなかった。また、現像後の残膜率は99%と良好であり、パターントップの断面形状は矩形性があり良好であった。
【0072】
表面塗布組成物Bを使用して露光現像を行った比較例1の場合は、0.30μmのL&Sまで良好に解像できており、T−topは発生していなかったが、現像後の残膜率は97%とやや低く、パターントップの断面形状の矩形性も表面塗布組成物Aを使用した場合より悪かった。
【0073】
表面塗布組成物Cを使用して露光現像を行った比較例2の場合は、露光部表面に現像残りが発生し、T−topが発生していた。表面塗布組成物Dを使用して露光現像を行った比較例3の場合は、0.5μmのL&Sが1:1に仕上がる露光量にて0.30μmのL&Sまで良好に解像できており、T−topは発生していなかったが、現像後の残膜率は94%と低く、パターントップの断面形状は丸みがあり良好とは言えなかった。表面塗布組成物を使用しないで露光現像を行った比較例4の場合は、露光部表面に現像残りが多く発生し、T−topが発生していた。
【0074】
実施例2及び比較例5〜6
化学増幅型フォトレジストAを使用し、実施例1と同様にして、複数枚のウェハーに塗布からベークの各操作を行い、フォトレジスト塗布膜厚が約100Åの間隔にて10000〜12000Åの範囲となる様に塗布膜を形成した。更に、実施例1と同様にして表面塗布組成物A及びDをそれぞれフォトレジスト塗布膜上に塗布した(実施例2及び比較例5)。なお、塗膜厚は、表面塗布組成物Aでは450Å、表面塗布組成物Dでは410Åであった。また、上表面塗布組成物を塗布しない以外は、上記と同様にして、フォトレジスト塗布膜を形成したウェハーを比較のために準備した(比較例6)。なお、上記の実施例および比較例において、各塗布膜の屈折率は、化学増幅型フォトレジストA:1.65、表面塗布組成物A:1.38、表面塗布組成物D:1.51であった。
【0075】
次いで、実施例1と同様にして露光から現像の各操作を行った。同一露光量での0.5μmのマスクパターン像の仕上がり線巾を電子顕微鏡で測定した。その結果、フォトレジスト塗布膜の膜厚変化に対する仕上がり線巾の変化は、表面塗布組成物を使用しなかった比較例6の場合が最も大きく、表面塗布組成物Aを使用した実施例2の場合が最も小さかった。表面塗布組成物Dを使用した比較例5の場合は、比較例6の場合より小さかったが、実施例2の場合に比べて遙に大きかった。
【0076】
比較例7
実施例1と同様にして、化学増幅型フォトレジストAを約1μm、表面塗布組成物Fを約450Åの膜厚になる様に塗布した。実施例1と同様にして露光、露光後のベークを行った。そして、キシレンに60秒間浸漬し、表面塗布組成物Fを溶解除去し、更に、実施例1と同様にして現像を行った。各露光量に相関なく、感度、解像度、パターン形状などがウェハー面内にてばらばらの結果となっており、フォトレジスト塗布組成物と表面塗布組成物が塗布時にミキシングを起こしたことが推測された。
【0077】
上記のミキシングを確認するため、実施例1と同様にして塗布した化学増幅型フォトレジストAの塗布膜上に、表面塗布組成物の代わりに同量のジプロピレングリコールジメチルエーテルを使用して実施例1と同様の塗布を行った。基板表面を観察したところ、ウェハー全面にて化学増幅型フォトレジスト塗布膜が一部溶解除去されており、フォトレジスト塗布組成物と表面塗布組成物が塗布時にミキシングを起こしたことが確認された。
【0078】
比較例8
比較例7と同様にして、塗布した化学増幅型フォトレジストAの塗布膜上に、ジプロピレングリコールジメチルエーテルに代わりにキシレンを使用して塗布を行った。基板表面を観察したところ、キシレン塗布前後において、フォトレジストAの塗布膜厚が各場所にて相当変化しており、ジプロピレングリコールジメチルエーテルの程ではないが、キシレン溶媒の表面塗布組成物でもフォトレジスト塗布組成物と表面塗布組成物が塗布時にミキシングを起こすことが推測された。
【0079】
上記のミキシングを確認するため、化学増幅型フォトレジストAに使用した各成分のキシレンに対する溶解性を調べたところ、ポリ−p−ビニルフェノールの部分t−ブチルオキシカルボニル化変成物とトリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネートとはキシレンに対し殆ど溶解しなかったが、ビスフェノールAのt−ブチルオキシカルボニル化変成物は良好に溶解したため、表面塗布組成物の溶媒としてキシレンの使用は困難と考えられた。なお、キシレンに代わりに水を使用して同様の実験を行ったが、フォトレジストAの塗布膜厚の変化は殆どなく、ミキシングの心配の少ないことが確認された。
【0080】
実施例3及び比較例9
実施例1において、表面塗布組成物Iを使用し、表面塗布組成物の塗布膜厚を440Åに変更した以外は、実施例1と同様にして露光から現像の各操作を行った(実施例3)。また、表面塗布組成物を使用しない以外は、上記と同様にして、フォトレジスト塗布膜を形成したウエハーを比較のために準備した(比較例9)。表面塗布組成物Iを使用して露光現像を行った実施例3の場合は、表面塗布組成物を使用せずに露光現像を行った比較例9の場合に比し、解像度、パターンの矩形性、焦点深度、フォトレジスト塗布膜厚に対するパターン寸法の依存性などの点において優れて良好であった。
【0081】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、1種類の表面塗布組成物を塗布するだけの簡単な方法により、高解像にて、転写パターンの形状および焦点深度が良好であり、且つ、転写パターン寸法の塗布膜厚による変化が小さく、良好な結果のパターンを形成することが出来る。

Claims (4)

  1. 化学増幅型フォトレジスト組成物塗布膜の上面に塗布して使用される塗布組成物であって、水溶性であり、且つ、感光性酸発生化合物および水溶性フッ素化合物を含有し、pHが7〜14であることを特徴とする、リソグラフィーにおける性能向上用塗布組成物。
  2. 投射光の波長に対する塗布組成物塗布膜の吸光度が当該投射光の投射により減少する化合物を含有する請求項1記載の塗布組成物。
  3. 水溶性フッ素化合物が、1気圧20℃において固体のフッ素化合物と、1気圧20℃において液体のフッ素化合物との混合物である、請求項1記載の塗布組成物。
  4. 基板上に塗布された化学増幅型フォトレジスト組成物塗布膜の上面に請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布組成物を塗布し、光を投射してパターン潜像を転写し、次いで、加熱処理した後に現像を行うことを特徴とするパターン形成方法。
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