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JP3612005B2 - セメント分散剤 - Google Patents

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JP3612005B2
JP3612005B2 JP2000167465A JP2000167465A JP3612005B2 JP 3612005 B2 JP3612005 B2 JP 3612005B2 JP 2000167465 A JP2000167465 A JP 2000167465A JP 2000167465 A JP2000167465 A JP 2000167465A JP 3612005 B2 JP3612005 B2 JP 3612005B2
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  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメント分散剤として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体とから製造された共重合体が知られている。
【0003】
この種の共重合体においては、アルキレンオキサイド(以下AOという)の付加モル数(以下、nで表す)やモノマー比を変化させることで、特徴的な性能を付与することが可能であることが開示されている。例えば、特開昭58−74552号には、nが1〜100の単量体を用いることが、特開平8−12396号には、nが50〜100の単量体を用いることが、更に特開平7−223852号には、nが110よりも大きい単量体を用いた場合に分散性に優れることが記載されている。また、nの異なる2種以上の単量体を共重合したポリカルボン酸系セメント分散剤として、特開平7−247150号には、nが110〜300と1〜30の単量体を共重合した分散剤が開示されている。しかし、これらは単独で使用すると、配合条件が多岐に渡り、年間を通じて広い範囲で温度が変動する実際のコンクリート製造条件に対して、極めて汎用性が低い。
【0004】
そこで、汎用性を広げるために、異なる2種以上の共重合体を配合して、相互の欠点を補い合うことが提案されている。例えば、特開平9−40446号には、nが100〜300と1〜30の単量体を共重合した共重合体を混合したものが開示されている。しかし、例えば、併用する共重合体の単量体重量比が互いに接近していると、汎用性の広がりが小さく、逆に単量体重量比があまり離れたものを選択すると、相互の欠点が補えない領域が生じるため、性能が不十分な領域が生じる。このような問題を解消するためには単量体重量比の異なる多数の共重合体を使用する必要があるが、この方法は大量生産のためには製造効率が低く、また製造コストも増大する。
【0005】
更に、本発明者らは、より高い分散性と流れ性を有するセメント分散剤として、特定2種の単量体を共重合させて得られた共重合体混合物であって、単量体モル比が反応途中において少なくとも1回変化されている共重合体混合物を使用することを提案した(特願平11−361108号)。この分散剤は、異なる共重合体を配合する場合に比べ大量生産するには効率的で安価である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際のコンクリート製造条件は、配合条件が多岐に渡り、年間を通じて広い範囲で温度が変動するなど、従来の分散剤では未だ性能が不十分な領域が残り、分散剤の汎用性の更なる向上が求められている。具体的には、多様なコンクリート製造条件に対して、コンクリート組成物の分散性と初期強度発現性に優れ、更にこの効果を維持しつつコンクリートに適度な粘性と優れた分散性や分散保持性を付与できるセメント分散剤が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の一般式(a1)で表される単量体の少なくとも1種(A1)と下記の一般式(a2)で表される単量体の少なくとも1種(A2)とを共重合させて得られ、且つ反応系に添加される前記単量体(A1)と単量体(A2)のモル比(A1)/(A2)が反応途中において少なくとも1回変化されており、モル比 (A1) (A2) の最大値と最小値の差が少なくとも 0.05 である共重合体混合物(A)と、
下記の一般式(b1)で表される単量体の少なくとも1種(B1)と、下記の一般式(b2-1)で表される単量体及び下記一般式(b2-2)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種(B2)とを共重合させて得られる共重合体(B)とを含有するセメント分散剤に関する。
【0008】
【化5】
Figure 0003612005
【0009】
(式中、
,R:水素原子又はメチル基
m:0〜2の数
:水素原子又は−COO(AO)
p:0又は1の数
AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、好ましくは炭素数2〜3のオキシアルキレン基
n:2〜300の数
X:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
を表す。)
【0010】
【化6】
Figure 0003612005
【0011】
(式中、
〜R:水素原子、メチル基又は(CH)mCOOMであり、(CH)mCOOMはCOOM又は他の(CH)mCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM,Mは存在しない。
,M:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
m1:0〜2の数
を表す。)
【0012】
【化7】
Figure 0003612005
【0013】
(式中、
,R:水素原子又はメチル基
:炭素数2〜3のアルキレン基
10:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
q:0〜2の数
r:110〜300の数
を表す。)
【0014】
【化8】
Figure 0003612005
【0015】
(式中、
11〜R13:水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMはCOOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM,Mは存在しない。
14:水素原子又はメチル基
,M,Y:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
s:0〜2の数
を表す。)
【0016】
【発明の実施の形態】
〔共重合体混合物(A)〕
共重合体混合物(A)の製造に用いられる一般式(a1)で表される単量体(A1)としては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリブチレングリコール、メトキシポリスチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸、マレイン酸との(ハーフ)エステル化物や、(メタ)アリルアルコールとのエーテル化物、及び(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アリルアルコールへのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物が好ましく用いられ、Rは水素原子が好ましく、pは1が、mは0が好ましい。より好ましくはアルコキシ、特にはメトキシポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である。
【0017】
一般式(a1)で表される単量体(A1)のAO付加モル数nは小さくなると硬化速度、分散性、粘性が低減される傾向にあり、nが大きくなるとこれらは増加する傾向にある。従って、目的とする性能に合わせてnを選べばよい。
【0018】
例えば、コンクリートの初期強度発現性を重視する場合は、80≦nであることが好ましく、より好ましくは90≦n、さらに好ましくは100≦n、最も好ましくは110≦nであることである。また、300<nでは、分散性が低下し、製造の際の重合性も低下するので、nは300を越えないことが必要で、より好ましくはn≦200、さらに好ましくはn≦150、特に好ましくはn≦130である。
【0019】
コンクリートの粘性を低減することを重視する場合は、2≦n≦100が好ましく、より好ましくは5≦n≦80、さらに好ましくは5≦n≦50、最も好ましくは5≦n≦30である。
【0020】
初期強度発現性と粘性低減を併せ持つことが必要な場合、nの大きなものと小さなものとを共重合することが好ましく、特に単量体(A1)として、下記一般式(a1−1)で表される単量体(A1−1)及び下記一般式(a1−2)で表される単量体(A1−2)とを併用することが好ましい。
【0021】
【化9】
Figure 0003612005
【0022】
(式中、
a1:水素原子又はメチル基
AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、好ましくは炭素数2〜3のオキシアルキレン基
:12〜300の数
:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
を表す。)
【0023】
【化10】
Figure 0003612005
【0024】
(式中、
a2:水素原子又はメチル基
AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、好ましくは炭素数2〜3のオキシアルキレン基
:2〜290の数(ただし、一般式(a1−1)中のnとの関係は、n>n且つ(n−n)≧10、好ましくは≧30、更に好ましくは≧50である。)
:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
を表す。)。
【0025】
この場合、両者の平均重量比は、好ましくは(A1−1)/(A1−2)=0.1〜8、より好ましくは0.2〜2.5、特に好ましくは0.4〜2の範囲にあることである。なお、この平均重量比は、反応に用いる全単量体の重量比の平均である。
【0026】
また、単量体(A1−1)、(A1−2)と、(A2)との反応モル比[(A1−1)+(A1−2)]/(A2)は、好ましくは、変化前後の該モル比の少なくとも何れかが0.02〜4、さらに好ましくは0.05〜2.5、特に好ましくは0.1〜2の範囲にあることである。最も好ましくは、変化前後の該モル比が共に、これらの範囲にあることである。
【0027】
このような条件の下で、12≦n≦300、2≦n≦290、n+10≦nであることが好ましく、より好ましくはn+30≦n、さらに好ましくはn+50≦nであれば、両者の性能が顕著に発現する。さらに好ましくは80≦n≦300、2≦n<50、より好ましくは100≦n≦300、2≦n<30、特に好ましくは110≦n≦300、2≦n<10からn、nを選ぶことである。
【0028】
また、共重合体混合物(A)の製造に用いられる一般式(a2)で表される単量体(A2)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等のジカルボン酸系単量体、又はこれらの無水物もしくは塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、水酸基が置換されていてもよいモノ、ジ、トリアルキル(炭素数2〜8)アンモニウム塩が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、更に好ましくは(メタ)アクリル酸又はこれらのアルカリ金属塩である。
【0029】
共重合体混合物(A)は、上記単量体(A1)、(A2)とを、好ましくは(A1)/(A2)=0.02〜4の範囲のモル比で反応させて得られた共重合体混合物(A)を含有するが、これらのモル比(A1)/(A2)は反応途中において少なくとも1回変化されている。そして、本発明では、共重合体混合物(A)を製造するための全単量体に対する単量体(A2)の平均重量比(X)と異なる平均重量比(XII)により得られた共重合体混合物(A’)を併用することが好ましい。すなわち、共重合体混合物(A’)は、上記単量体(A1)、(A2)とを、好ましくは(A1)/(A2)=0.02〜4の範囲のモル比で反応させて得られた共重合体混合物であって、これらのモル比(A1)/(A2)は反応途中において少なくとも1回変化されており、該共重合体混合物(A’)を製造するための全単量体に対する単量体(A2)の平均重量比(XII)が、共重合体混合物(A)の平均重量比(X)とは異なるものである。平均重量比は、〔単量体(A2)の合計量/全単量体量〕×100(重量%)で表され、それぞれ1〜30(重量%)の範囲にあることが好ましい。なお、以下この平均重量比を「(A2)平均重量比」という場合もある。また、この平均重量比(X)、(XII)は、少なくとも0.1(重量%)、更に少なくとも0.5重量%、特に少なくとも1.0相違することが好ましい。なお、共重合体混合物(A)と(A’)とで、製造に用いる単量体(A1)、(A2)の種類が異なっていても、本発明では平均重量比(X)、(XII)が異なっていればよいが、単量体(A1)、(A2)として同一の種類のものを用いるのが好ましい。
【0030】
本発明では、共重合体混合物(A)の平均重量比(X)が、1〜30重量%、更に7〜20重量%、特に8〜16重量%であることが好ましい。そして、この共重合体混合物(A)を主剤として、配合系を組み立てると、各性能のバランスのよいコンクリート減水剤を得られる。
【0031】
すなわち、本発明において、共重合体混合物(A)の分散性が良好に発現するW/Cよりも、さらに低いW/Cである場合、当該共重合体混合物よりも大きい(A2)平均重量比の共重合体混合物を併用することで、この条件下でも良好な分散性を示すセメント分散剤が得られる。同様に、共重合体混合物(A)の分散性が良好に発現する温度よりも、さらに低い温度である場合、当該共重合体混合物よりも大きい(A2)平均重量比の共重合体混合物を併用することで、この条件下でも良好な分散性を示すセメント分散剤が得られる。この場合、(A2)平均重量比が0.5重量%以上、特に1.0重量%以上相違すると、改善の効果がより明確になる。
【0032】
また、コンクリート温度のより高い製造条件での分散保持性を改善するには、共重合体混合物(A)よりも小さい(A2)平均重量比を有する共重合体混合物を併用することが有効である。
【0033】
共重合体混合物(A)と(A’)の併用比率は限定されないが、コンクリート配合が一定の場合、(A2)平均重量比が大きい方の割合を増やすことで低温での分散保持性を安定にすることができ、逆に(A2)平均重量比が大きい方の割合を減らすことで高温での分散保持性を安定にすることができる。
【0034】
本発明においては、共重合体混合物(A’)として、(A2)平均重量比の異なる複数の単量体混合物からそれぞれ得られた複数の共重合体を用いることができる。実用的な面から、(A2)平均重量比の異なる1〜3つの単量体混合物からそれぞれ得られた1〜3つの共重合体混合物を用いるのが好ましい。共重合体(A’)として1つの共重合体混合物を用いる場合、すなわち全部で2つの共重合体混合物を使用する場合、便宜的にそれらを共重合体混合物(A)、(Aii)とし、これらの(A2)平均重量比をそれぞれ(X)、(Xii)とすると、
5≦(X)<8(重量%)
8≦(Xii)≦16
であることが好ましい。また、共重合体混合物(A’)として2つの共重合体混合物を用いる場合、すなわち全部で3つの共重合体混合物を使用する場合、便宜的にそれらを共重合体混合物(A)、(Aii)、(Aiii)とし、これらの(A2)平均重量比をそれぞれ(X)、(Xii)、(Xiii)とすると、
5≦(X)<8(重量%)
8≦(Xii)≦16(重量%)
16<(Xiii)≦30(重量%)
であることが好ましい。
【0035】
(A2)平均重量比が異なる共重合体混合物が多数存在することで広い範囲のW/Cとコンクリート温度で良好な分散性と分散保持性が発現する。特に長時間にわたる分散保持性が安定になる。その結果、W/Cの変動や温度の変動にも十分対応できるセメント分散剤となる。
【0036】
上記の通り、本発明のセメント分散剤は、上記単量体(A1)、(A2)とを、好ましくは(A1)/(A2)=0.02〜4の範囲のモル比で反応させて得られた共重合体混合物(A)、好ましくは更に(A’)を含有するが、何れにおいても、これらのモル比(A1)/(A2)は反応途中において少なくとも1回変化されている。該モル比の変化は、増加、減少、それらの組み合わせの何れでもよい良い。該モル比を段階的ないし断続的に変化させる場合は、変化の回数は1〜10回、特に1〜5回が好ましい。また、該モル比を連続的に変化させる場合は直線的な変化、指数関数的な変化、その他の変化の何れでもよいが、変化の度合いは1分あたり0.0001から0.2、更に0.0005から0.1、特に0.001から0.05が好ましい。また、該モル比は、変化前後のモル比(A1)/(A2)の少なくとも何れかが0.02〜4の範囲にあることが好ましく、特に変化前後のモル比(A1)/(A2)が共に0.02〜4の範囲にあることが好ましい。また、前記したようにモル比の変化は種々の態様があるが、何れの場合も、全共重合反応における該モル比(A1)/(A2)の最大値と最小値の差が、少なくとも0.05、特に0.05〜2.5の範囲にあることが好ましい。
【0037】
かかる共重合体混合物は、(A1)/(A2)モル比を少なくとも1回変化させて重合する工程を有する製造方法により得られるが、具体的には、単量体(A1)の水溶液の滴下開始と同時に、単量体(A2)の滴下を開始し、それぞれのモル比が、所定範囲となるように滴下流量(重量部/分)を変化させて所定時間滴下する方法が挙げられる。この方法では、単量体(A1)/(A2)モル比の変化量(最大値と最小値の差)は、0.05〜2.5が好ましく、より好ましくは0.1〜2である。この方法のように反応途中で一回でもモル比を変化させることで得られた共重合体混合物は、一定の(A1)/(A2)モル比で反応させて得られる共重合体より(A1)/(A2)モル比の分布が広い多数の共重合体の混合物であると推測される。
【0038】
なお、単量体の総重量の30%以上、特には50〜100%を上記のように滴下流量を変化させて製造することが好ましい。
【0039】
上記方法において、モル比や重量比の変化は、添加する単量体全ての添加速度を変えたり、添加単量体の一部のみの添加速度を変えることによって調整してもよい。また、滴下速度の変化は連続的に行ってもよいし、段階的に行ってもよく、これらを組み合わせてもよい。更に変化量は、増加あるいは減少の一元的変化のみでなく、増加、減少を交互に行ってもよい。添加する単量体は、それぞれ個別に添加してもよく、また予め単量体組成比の異なる単量体混合溶液を2種以上調製した後に順次添加してもよい。個別に滴下する場合は、添加する重量の最も多い単量体の滴下流量を一定とし、他の単量体を所定の単量体組成となるように滴下流量を変化させるのが好ましい。更に単量体滴下槽に添加する単量体の一部を仕込み、残りの単量体を連続的にあるいは段階的に変化させ単量体滴下槽に添加しながら該単量体混合溶液を滴下槽より反応槽に滴下させてもよい。
【0040】
上記方法において、モル比や重量比の変化の度合いは、供給する単量体の流量を流量計や液面計等により測定し、調節する。その際、具体的な変化の度合いを決める基準は単量体の種類や仕込量(速度)による。一般に、単量体(A1)の含量が増すと流れ性が良好になり、単量体(A2)の含量が増すと分散性が良好になり、また単量体(A1)の一般式(a1)中のnが小さいと硬化速度が遅く分散保持性が低くなり、nが大きいと硬化速度が速く分散保持性が高くなる傾向を示すので、目的とする性能に合わせて重合時のモル比や重量比を決めればよい。
【0041】
重合反応は溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等を挙げることができる。これらの中でも、取り扱いが容易で、単量体、重合体の溶解性の点から、水、低級アルコールが好ましい。
【0042】
共重合反応においては、重合開始剤を添加することができる。重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、ニトリル系化合物、アゾ系化合物、ジアゾ系化合物、スルフィン酸系化合物等を挙げることができる。重合開始剤の添加量は、単量体(A1)、単量体(A2)及び他の単量体の合計に対して0.05〜50モル%が好ましい。重合開始剤の滴下は単量体と同時に開始することが好ましい。滴下流量は変化させても一定でもよく、所望の分子量及び反応速度が得られるように設定すればよい。
【0043】
共重合反応においては、連鎖移動剤を添加することができる。連鎖移動剤としては、低級アルキルメルカプタン、低級メルカプト脂肪酸、チオグリセリン、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタノール等を挙げることができる。特に水を溶媒として用いる場合には、これらの連鎖移動剤を添加することで、分子量調整をより安定に行うことができる。連鎖移動剤は単量体に混合あるいは個別に単量体と同時に滴下することができる。滴下流量は変化させても一定でもよく、所望の分子量が得られるように調整すればよい。共重合反応の反応温度は、0〜120℃が好ましい。
【0044】
得られたポリカルボン酸系重合体は、必要に応じて、脱臭処理をすることができる。特に連鎖移動剤としてメルカプトエタノール等のチオールを用いた場合には、不快臭が重合体中に残存しやすいため、脱臭処理をすることが望ましい。
【0045】
上記の製造方法により得られるポリカルボン酸系重合体は、酸型のままでもセメント用分散剤として適用することができるが、酸性によるエステルの加水分解を抑制する観点から、アルカリによる中和によって塩の形にすることが好ましい。このアルカリとしては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、モノ、ジ、トリアルキル(炭素数2〜8)アミン、モノ、ジ、トリアルカノール(炭素数2〜8)アミン等を挙げることができる。(メタ)アクリル酸系重合体をセメント用分散剤として使用する場合は、一部又は完全中和することが好ましい。
【0046】
なお、上記の製造方法により得られるポリカルボン酸系重合体の重量平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、ポリエチレングリコール換算、カラム:G4000PWXL + G2500PWXL(東ソー(株)製)、溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=7/3(体積比)〕は、セメント用分散剤として充分な分散性を得るため、10,000〜200,000が好ましく、20,000〜100,000が特に好ましい。
【0047】
なお、更に、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン、(メタ)アクリル酸アルキル(水酸基を有していてもよい炭素数1〜12のもの)エステル、スチレンスルホン酸等の共重合可能な単量体を併用してもよい。これらは全単量体中50重量%以下、更に30重量%以下の比率で使用できるが、0重量%が好ましい。
【0048】
〔共重合体(B)〕
共重合体(B)の製造に用いられる前記一般式(b1)で表される単量体としては、前記単量体(A1)で例示したものが挙げられる。なお、一般式(b1)中のRは水素原子が好ましく、qは0が好ましい。
【0049】
また、一般式(b2−1)で表される単量体としては、前記単量体(A2)で例示したものが挙げられる。
【0050】
また、一般式(b2−2)で表される単量体としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸及びこれらの塩等が挙げられる。塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、水酸基が置換されていてもよいモノ、ジ、トリアルキル(炭素数2〜8)アンモニウム塩が好ましい。
【0051】
共重合体(B)は、例えば反応容器に水を仕込み昇温し、その中で単量体(B1)と単量体(B2)とを連鎖移動剤等の存在下、モル比及び重量比を一定として反応させ、熟成後、中和することにより製造することができる。
【0052】
共重合体(B)がセメント分散剤として機能するには、該共重合体を製造するための全単量体に対する単量体(B2)の平均重量比(Y)が1〜30(重量%)であることが好ましい。平均重量比は、〔単量体(B2)の合計量/全単量体量〕×100(重量%)で表される。なお、以下この平均重量比を「(B2)平均重量比」という場合もある。共重合体(B)の汎用性をより広くするには、該共重合体(B)の(B2)平均重量比とは異なる平均重量比(YII)により製造された共重合体(B’)を併用することが好ましい。すなわち、本発明においては、共重合体(B)として、(B2)平均重量比の異なる複数の単量体混合物からそれぞれ得られた複数の共重合体(B’)を用いることができる。実用的な面から、(B2)平均重量比の異なる1〜10の単量体混合物、特に1〜3つの単量体混合物からそれぞれ得られた1〜10の共重合体、特に1〜3つの共重合体を用いるのが好ましい。共重合体(B’)として1つの共重合体を用いる場合、すなわち全部で2つの共重合体を使用する場合、便宜的にそれらを共重合体(B)、(Bii)とし、これらの(B2)平均重量比をそれぞれ(Y)、(Yii)とすると、
2≦(Y)<5(重量%)
5≦(Yii)≦15(重量%)、更に5≦(Yii)≦10(重量%)
であることが好ましい。また、共重合体(B’)として2つの共重合体を用いる場合、すなわち全部で3つの共重合体を使用する場合、便宜的にそれらを共重合体(B)、(Bii)、(Biii)とし、これらの(B2)平均重量比をそれぞれ(Y)、(Yii)、(Yiii)とすると、
2≦(Y)<5(重量%)
5≦(Yii)≦10(重量%)
10<(Yiii)≦30(重量%)
であることが好ましい。
【0053】
共重合体(B)及び(B’)は、平均重量比(Y)と(YII)とが2以上異なるように選択することが好ましい。なお、共重合体(B)と(B’)とで、製造に用いる単量体(B1)、(B2)の種類が異なっていても同一であってもよいが、同一の種類のものを用いるのが好ましい。
【0054】
また、共重合体(B)がコンクリートの初期強度とセメント分散性をより強く発現するために、一般式(b1)中のrは110〜300であり、重合性からrは200以下、更に150以下、特に130以下が好ましい。
【0055】
〔セメント分散剤〕
本発明のセメント分散剤は、上記共重合体混合物(A)〔以下(A)成分という〕と共重合体(B)〔以下(B)成分という〕とを任意の比率で併用でき、要求特性によっていずれを主剤とするかを決めればよい。
【0056】
一般に、(A)成分は、コンクリートの多様な製造条件に対して比較的汎用性は高いが、更に(B)成分を併用することで、初期強度発現性及び粘性に大きな影響を与えることなく分散性を向上させたり、より強い粘性を発現させたりすることができる。これにより、例えば、より低いW/Cのコンクリートでの分散性や、より低い温度でのコンクリート混練性が改善され、(A)成分の汎用性をより拡大させたり、材料分離抵抗性を向上させたりすることができる。
【0057】
また、(B)成分の特長を生かした上で、特に初期強度発現性に大きな影響を与えることなく、粘性を低減し分散性を向上するために(A)成分との併用が有効である。すなわち、(A)成分を併用することにより、(B)成分だけでは粘性が強くなる低いW/Cのコンクリート配合であっても、(B)成分の他の性状をあまり変えることなく、粘性を低下させ、ポンプ圧送性等を向上させることができる。
【0058】
本発明では、(A)成分を構成する単量体(A1)のnと、(B)成分を構成する単量体(B1)のrとが同程度の場合、(A)成分は、
▲1▼分散保持性が同程度であれば、(B)成分に比べ、分散性は低くなる
▲2▼分散性が同程度であれば、(B)成分に比べ、分散保持性は高くなり、フレッシュコンクリートの粘性は低くなる
▲3▼(B)成分に比べ、初期強度発現性が低くなる
▲4▼(B)成分に比べ、多様なコンクリート製造条件に対する汎用性が高くなる
という傾向を示す。従って、これらを勘案して(A)成分と(B)成分の併用割合や種類を決めればよく、その一例を挙げれば次の通りである。
【0059】
(1)共重合体混合物(A)を主剤とする場合
共重合体混合物(A)を主剤とする場合、すなわち、共重合体(B)の共重合体混合物(A)と共重合体(B)の合計に対する重量比〔(B)/[(A)+(B)]〕×100が0超50未満(重量%)、好ましくは0超30以下(重量%)、より好ましくは0超20以下(重量%)である場合は、(A)成分の特長を汎用性広く発現させるためには、平均重量比(X)は前記した範囲を満たすことが好ましい。
【0060】
(A)成分の分散性の強さに応じて、より分散性の強い(B)成分を選択することができ、その場合、(B)成分は、その(B2)平均重量比(Y)が、(A)成分の(A2)平均重量比(X)のうち、最大のもの(Xmax)に対して、(Xmax)−5≦(Y)、更に(Xmax)−4≦(Y)となるものを選択することが好ましい。また、この系において、(B)成分として(B2)平均重量比の異なる複数の共重合体を使用する場合は、少なくとも1つの共重合体が前記(Xmax)と(Y)の関係を満たすことが好ましく、且つこの共重合体よりも(B2)平均重量比が2以上大きい(B2)平均重量比を有する共重合体を併用することが好ましい。
【0061】
また、(A)成分の粘性の強さに応じて、より粘性発現の強い(B)成分を選択することで、他の性状をあまり変化させることなく、(A)成分の粘性を強くすることができる。その場合、(B)成分は、その(B2)平均重量比(Y)が、(A)成分の(A2)平均重量比(X)のうち、最小のもの(Xmin)に対して、(Y)≦(Xmin)−4、更に(Y)≦(Xmin)−5となるものを選択することが好ましい。また、この系において、(B)成分として(B2)平均重量比の異なる複数の共重合体を使用する場合は、少なくとも1つの共重合体が前記(Xmin)と(Y)の関係を満たすことが好ましく、且つこの共重合体よりも(B2)平均重量比が2以上小さい(B2)平均重量比を有する共重合体を併用することが好ましい。また、(A)成分の粘性を強くするという目的には、(Xmax)−5≦(Y)、更に(Xmax)−4≦(Y)となる共重合体と、(Y)≦(Xmin)−4、更に(Y)≦(Xmin)−5となる共重合体とを併用することも好ましい。
【0062】
(2)共重合体(B)を主剤とする場合
共重合体(B)を主剤とする場合、すなわち、共重合体混合物(A)の共重合体混合物(A)と共重合体(B)の合計に対する重量比〔(A)/[(A)+(B)]〕×100が0超50未満(重量%)、好ましくは0超30以下(重量%)、より好ましくは0超20以下(重量%)である場合は、(B)成分の特長を汎用性広く発現させるためには、(B2)平均重量比(Y)は前記した範囲を満たすことが好ましい。
【0063】
(B)成分単独の粘性と分散性の強さに応じて、より粘性を低く、分散性を向上できる(A)成分を選択することで、初期強度発現性をあまり変化させることなく、(B)成分の粘性を低減し、分散性を向上することができる。その場合、(A)成分は、その(A2)平均重量比(X)が、(B)成分の(B2)平均重量比のうち、最大のもの(Ymax)に対して、(X)≦(Ymax)+5、更に(X)≦(Ymax)+4となるものを選択することが好ましい。また、この系において、(A)成分として(A2)平均重量比の異なる複数の共重合体混合物を使用する場合は、少なくとも1つの共重合体混合物が前記(Ymin)と(X)の関係を満たすことが好ましく、且つこの共重合体混合物よりも(A2)平均重量比が2以上大きい(A2)平均重量比を有する共重合体混合物を併用することが好ましい。また、このような目的には、(X)≦(Ymin)+5、更に(X)≦(Ymin)+4となる共重合体混合物と、(Ymax)+4≦(X)、更に(Ymax)+5≦(X)となる共重合体混合物とを併用することも好ましい。
【0064】
本発明のセメント分散剤は、その他の添加剤(材)を含有することもできる。例えば、樹脂石鹸、飽和もしくは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸(塩)、アルカンスルホネート、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル(塩)、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル(塩)、蛋白質材料、アルケニルコハク酸、α−オレフィンスルホネート等のAE剤;グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸等のオキシカルボン酸系、デキストリン、単糖類、オリゴ糖類、多糖類等の糖系、糖アルコール系等の遅延剤;起泡剤;増粘剤;珪砂;AE減水剤;塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、沃化カルシウム等の可溶性カルシウム塩、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物等、硫酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸塩、チオ硫酸塩、蟻酸(塩)、アルカノールアミン等の早強剤又は促進剤;発泡剤;樹脂酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス等の防水剤;高炉スラグ;流動化剤;ジメチルポリシロキサン系、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル系、鉱油系、油脂系、オキシアルキレン系、アルコール系、アミド系等の消泡剤;防泡剤;フライアッシュ;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系、ポリマレイン酸系等の高性能減水剤;シリカヒューム;亜硝酸塩、燐酸塩、酸化亜鉛等の防錆剤;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、β−1,3−グルカン、キサンタンガム等の天然物系、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、オレイルアルコールのエチレンオキシド付加物もしくはこれとビニルシクロヘキセンジエポキシドとの反応物等の合成系等の水溶性高分子;(メタ)アクリル酸アルキル等の高分子エマルジョンが挙げられる。
【0065】
本発明のセメント分散剤は、生コンクリート、コンクリート振動製品分野の外、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、石膏スラリー用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、グラウト用、寒中用等の種々のコンクリートの何れの分野においても有用である。本発明のセメント分散剤は、セメントに対して0.01〜5.0重量%(固形分として)、特に0.05〜2.0重量%の比率で使用されるのが好ましい。
【0066】
【実施例】
<共重合体混合物(A)>
表1に示す共重合体混合物を製造した。その際、単量体(A1)と(A2)のモル比(A1)/(A2)を表1のように反応途中において変化させた。
【0067】
【表1】
Figure 0003612005
【0068】
(注)
表1中、MPEGMMは、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートの略であり、( )内の数字はエチレンオキシド平均付加モル数である(以下同様)。また、MAAはメタクリル酸である(以下同様)。
【0069】
<共重合体(B)>
表2に示す共重合体を製造した。その際、単量体(B1)と(B2)の重量比は一定とした。
【0070】
【表2】
Figure 0003612005
【0071】
<コンクリート試験条件>
(1)材料
W=水道水
C=普通ポルトランドセメント(比重=3.16)
LS=石灰石微粉末(比重=2.70、ブレーン値=5200)
細骨材=関東君津産(比重=2.63)
粗骨材=茨城産砕骨(比重=2.62)
W/P=〔Wの単位重量/(Cの単位重量+LSの単位重量)〕×100%
s/a=(細骨材容積/(細骨材容積+粗骨材容積))×100%
(2)配合
上記材料により調製したコンクリートの配合を表3に示す。
【0072】
【表3】
Figure 0003612005
【0073】
(3)混練条件
コンクリート30リットル分の材料と分散剤を、強制2軸ミキサー(50リットル)に投入し、90秒間混練し、排出直後の性能(初期スランプ値、初期スランプフロー値)を測定する。スランプ試験はJIS−A1101、スランプフロー値は土木学会「高流動コンクリート施工指針」(コンクリートライブラリー93)に準じて実施した。
【0074】
(4)養生条件
排出後のコンクリートを圧縮試験用型枠(試験体直径10cm、試験体高さ20cm)に充填し、30分間室温に静置後、65℃×4時間の蒸気養生を行った。蒸気養生後1時間20℃に静置した後、試験体の圧縮強度を測定する。圧縮強度はJIS−A1132/A1108に準じて測定した。
【0075】
(5)試験方法
(5−1)比較例1−1〜1−2、実施例1−1〜1−4
表3のコンクリート配合Aに対して室温20℃で実施した。分散性と保持性を以下の方法で測定した。結果を表4に示す。この例は、共重合体混合物(A)を主剤とした例である。
分散性:初期スランプ値が20±1cmになるのに要する分散剤固形分の総粉体に対する添加率。数値が小さい程、分散性が良い。
保持性:初期スランプ値に対する、30分後のスランプ値の百分率。数値が大きい程、分散保持性が良い。
【0076】
(5−2)比較例2−1〜2−2、実施例2−1〜2−2
表3のコンクリート配合Bに対して室温20℃で実施した。分散性と保持性を以下の方法で測定した。結果を表5に示す。この例は、共重合体混合物(A)を主剤とした例である。
分散性:初期スランプフローが600±25mmになるのに要する分散剤固形分の総粉体に対する添加率。数値が小さい程、分散性が良い。
保持性:初期スランプフロー値に対する、30分後のスランプ値の百分率。数値が大きい程、分散保持性が良い。
【0077】
(5−3)比較例3−1、実施例3−1〜3−2
表3のコンクリート配合Bに対して室温20℃で実施した。分散性と保持性を(5−2)と同様の方法で測定した。また、流下時間を以下の方法で測定した。結果を表6に示す。この例は、共重合体混合物(A)を主剤とした例である。
流下時間:ステンレス鋼(SUS304)を加工して作製した図1の形状の装置を用いて、モルタルの流下試験を行った。モルタルは、フレッシュコンクリートから目開き5mmのふるいを用いて粗骨材を分離して得たものを用いた。該モルタルを、評価用装置に下部排出開口を閉じた状態で充填し上部投入開口の面で擦り切った後、下部排出開口を開放してモルタルを自然流下させ、上部投入開口から目視で観察したときにモルタルの少なくとも一部に孔が確認されるまでの時間を測定し、これを流下時間とした。
【0078】
(5−4)比較例4−1、実施例4−1〜4−2
表3のコンクリート配合Bに対して、表7のセメント分散剤を用いて(5−3)と同様の評価を行った。結果を表7に示す。この例は、共重合体(B)を主剤とした例である。
【0079】
【表4】
Figure 0003612005
【0080】
(注)Xは、共重合体混合物の製造の際の全単量体に対する単量体(A2)の平均重量比、Yは、共重合体の製造の際の全単量体に対する単量体(B2)の平均重量比である(以下同様)。
【0081】
【表5】
Figure 0003612005
【0082】
【表6】
Figure 0003612005
【0083】
【表7】
Figure 0003612005
【0084】
(説明)
比較例1−1、実施例1−1、1−2、1−3から、共重合体混合物(A)の単独使用に比べ、共重合体(B)を併用した場合は分散性が向上し、圧縮強度は同等以上となることがわかる。これは分散性が向上してセメント粒子の水との接触面積が増大することが寄与するためと推定される。実施例1−1〜1−3の系では、分散性は共重合体(B)のYの増大に伴い向上する。
【0085】
比較例1−2、実施例1−4から、共重合体混合物(A)の分散性が低い場合は共重合体(B)を多く配合することで分散性を向上でき、圧縮強度も向上できることがわかる。
【0086】
比較例2−1、2−2、実施例2−1、2−2から、高流動コンクリートにおいても、共重合体混合物(A)の単独使用に比べ、共重合体(B)を併用することにより、分散保持性と圧縮強度を同等以上としつつ分散性を向上できることがわかる。
【0087】
比較例3−1、実施例3−1、3−2から、共重合体混合物(A)のXよりも低いYの共重合体(B)を併用した場合は、コンクリートの材料分離抵抗性を向上(流下時間が増大)でき(実施例3−1)、更にこの系にXよりも高いYの共重合体(B)を併用する(実施例3−2)と、材料分離抵抗性を維持したまま、分散性、圧縮強度を向上できることがわかる。
【0088】
比較例4−1、実施例4−1、4−2から、材料分離抵抗性が強く、粘性が大きい(流下時間が大きい)共重合体(B)に、共重合体混合物(A)を併用すると分散性、分散保持性、圧縮強度を変化させることなく粘性(流下時間)を低減でき、更に共重合体混合物(A)の量を増加することでこの傾向はより顕著となることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で流下時間の測定に用いた装置を示す概略図
【符号の説明】
1…上部投入開口
2…下部排出開口

Claims (8)

  1. 下記の一般式(a1)で表される単量体の少なくとも1種(A1)と下記の一般式(a2)で表される単量体の少なくとも1種(A2)とを共重合させて得られ、且つ反応系に添加される前記単量体(A1)と単量体(A2)のモル比(A1)/(A2)が反応途中において少なくとも1回変化されており、モル比 (A1) (A2) の最大値と最小値の差が少なくとも 0.05 である共重合体混合物(A)と、
    下記の一般式(b1)で表される単量体の少なくとも1種(B1)と、下記の一般式(b2-1)で表される単量体及び下記一般式(b2-2)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種(B2)とを共重合させて得られる共重合体(B)とを含有するセメント分散剤。
    Figure 0003612005
    (式中、
    R1,R2:水素原子又はメチル基
    m:0〜2の数
    R3:水素原子又は-COO(AO)nX
    p:0又は1の数
    AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基
    n:2〜300の数
    X:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基
    を表す。)
    Figure 0003612005
    (式中、
    R4〜R6:水素原子、メチル基又は(CH2)m1COOM2であり、(CH2)m1COOM2はCOOM1又は他の(CH2)m1COOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1,M2は存在しない。
    M1,M2:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
    m1:0〜2の数
    を表す。)
    Figure 0003612005
    (式中、
    R7,R8:水素原子又はメチル基
    R9:炭素数2〜3のアルキレン基
    R10:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
    q:0〜2の数
    r:110〜300の数
    を表す。)
    Figure 0003612005
    (式中、
    R11〜R13:水素原子、メチル基又は(CH2)sCOOM4であり、(CH2)sCOOM4はCOOM3又は他の(CH2)sCOOM4と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM3,M4は存在しない。
    R14:水素原子又はメチル基
    M3,M4,Y:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
    s:0〜2の数
    を表す。)
  2. 前記一般式(a1)で表される単量体の少なくとも1種(A1)と前記一般式(a2)で表される単量体の少なくとも1種(A2)とを共重合させて得られ、且つ反応系に添加される前記単量体(A1)と単量体(A2)のモル比(A1)/(A2)が反応途中において少なくとも1回変化されており、モル比 (A1) (A2) の最大値と最小値の差が少なくとも 0.05 である共重合体混合物であって、該共重合体混合物を製造するための全単量体に対する単量体(A2)の平均重量比(XII)が、前記共重合体混合物(A)を製造するための全単量体に対する単量体(A2)の平均重量比(XI)とは異なる共重合体混合物(A')を含有する請求項1記載のセメント分散剤。
  3. 平均重量比(XI)、(XII)が、それぞれ1〜30(重量%)の範囲にある請求項2記載のセメント分散剤。
  4. 前記一般式(b1)で表される単量体の少なくとも1種(B1)と、前記一般式(b2-1)で表される単量体及び前記一般式(b2-2)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種(B2)とを共重合させて得られる共重合体であって、該共重合体を製造するための全単量体に対する単量体(B2)の平均重量比(YII)が、前記共重合体(B)を製造するための全単量体に対する単量体(B2)の平均重量比(YI)とは異なる共重合体(B')を含有する請求項1〜3の何れか1項記載セメント分散剤。
  5. 平均重量比(YI)、(YII)が、それぞれ1〜30(重量%)の範囲にある請求項4記載のセメント分散剤。
  6. 共重合体(B)の共重合体混合物(A)と共重合体(B)の合計に対する重量比が0超50未満(重量%)であるか、又は共重合体混合物(A)の共重合体混合物(A)と共重合体(B)の合計に対する重量比が0超50未満(重量%)である請求項1〜5の何れか1項記載のセメント分散剤。
  7. 共重合体混合物 (A) が、反応系に同時に添加される前記単量体 (A1) と単量体 (A2) のモル比 (A1) (A2) が反応途中において少なくとも1回変化されている共重合体混合物である請求項1〜6の何れか1項記載のセメント分散剤。
  8. 共重合体混合物 (A) が、反応系に同時に添加される前記単量体 (A1) 単量体 (A2) のモル比 (A1) (A2) が反応途中において少なくとも1回変化されている共重合体混合物であり、共重合体混合物 (A') が、反応系に同時に添加される前記単量体 (A1) と単量体 (A2) のモル比 (A1) (A2) が反応途中において少なくとも1回変化されている共重合体混合物である請求項2〜7の何れか1項記載のセメント分散剤。
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