JP3688173B2 - プラズマ密度情報測定用プローブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜素子の製造工程や、粒子ビーム源あるいは分析装置などに用いられるプラズマにおけるプラズマ密度情報測定用プローブに係り、特にプラズマ密度情報を長期間にわたって簡単に測定するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマの利用が盛んである。薄膜素子の製造工程では、例えば、10MHz程度のRF帯の周波数から2.45GHzに代表されるマイクロ波帯の周波数の高周波パワー(高周波電力)によって生起させた高周波プラズマを用い、エッチング処理やCVD(化学気相成長)処理などが行われている。このようなプラズマ応用技術では、生成プラズマの特性を良く示すプラズマ密度に関する情報(プラズマ密度情報)を十分に把握することが、適切な処理を行う上で非常に重要となる。一価の正イオンと電子からなる典型的なプラズマの場合、電気的中性が保たれるプラズマ特有の性質に起因して正イオン密度と電子密度とは実質的に等しいので、普通、電子密度をプラズマ密度と呼ぶ。
【0003】
従来、プラズマ中の電子密度を測定する方法として、ラングミュア (Langmuir) ・プローブ法や、マイクロ波干渉計測法の他、比較的最近開発された電子ビーム照射式のプラズマ振動プローブ法がある。
【0004】
ラングミュア・プローブ法は、プラズマ中に金属プロープを直に晒した状態で設置しておき、金属プローブへ直流バイアス電圧、又は、高周波電圧を重畳させた直流バイアス電圧を印加した時に金属プローブに流れる電流値に基づいて電子密度を求める方法である。
【0005】
マイクロ波干渉計測法は、プラズマ生成用のチャンバーの壁にプラズマを間にして向き合う窓を設けておき、一方の窓からマイクロ波(例えば単色のレーザ光)をプラズマに入射するとともにプラズマを通過して他方の窓から出射するマイクロ波を検出し、入射・出射マイクロ波間の位相差に基づいて電子密度を求める方法である。
【0006】
また、電子ビーム照射式プラズマ振動法は、熱フィラメントをチャンバーの内に設置しておき、熱フィラメントからプラズマに電子ビームを照射した時に生じるプラズマ振動の周波数に基づいて電子密度を求める方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のラングミュア・プローブ法を反応性プラズマに適用した場合には、測定を長時間にわたって続けられない(すなわち寿命が短い)という問題がある。測定中の金属プローブ表面には短時間のうちに絶縁性皮膜からなる汚れが付着し、金属プローブに流れる電流値が変動して、正確な測定が直ぐに出来なくなるからである。金属プローブ表面に付着した汚れを除くために、金属プローブに負のバイアス電圧を印加しイオンでスパッタ除去する方法や、金属プローブを赤熱させて汚れを蒸発除去する方法も試みられてはいるが、効果が薄くて問題の解決には至らない。
【0008】
また、マイクロ波干渉計測法には、測定実施が簡単でないという問題がある。大がかりで高価な装置や難しいマイクロ波伝送路の調整が必要な上、入射・出射マイクロ波間の位相差が僅かなことから、正確な測定が難しいからである。それに、マイクロ波干渉計測法の場合、平均密度しか求められず空間分解能が全くないという欠点もある。
【0009】
さらに、電子ビーム照射式のプラズマ振動プローブ法の場合、熱フィラメントから蒸発するタングステンによるプラズマ雰囲気汚染の心配に加えて、熱フィラメントの断線による測定中断の心配という問題がある。特に酸素やフロン系ガスを用いるプラズマの場合には熱フィラメントが断線し易く、頻繁にフィラメント交換を行う必要があるので、実用向きとは言いがたい。
【0010】
そこで、本出願人は上記課題を解決するため、先に特願平11ー058636号を出願している。この特願平11ー058636号(以下、適宜「先発明」と略記)は、以下のような構成を採り、作用をもたらす。
【0011】
〔先発明の原理〕
図8は先発明に係るプラズマ密度情報測定用プローブ(以下、適宜「測定プローブ」と略記)の一例の構成を示す一部縦断面図である。
測定プローブ101は、図8に示すように、チャンバー102内に、測定プローブ101の先端を挿入した状態で設けられている。なお、チャンバー102は、高周波電源によって生成された反応性プラズマ(以下、適宜「プラズマ」と略記)PMを有する。
【0012】
測定プローブ101は、先端が閉じているとともに後端が大気(外気)に開いている。また、ループアンテナ103と同軸ケーブル104はループアンテナ103が先となるようにしてチューブ105の内に納められている。さらに、同軸ケーブル104をチューブ105の長手方向に対して引いたり押したりすることによって、測定プローブ101は、ループアンテナ103の根元からチューブ105の先端部までの長さLを簡単に変更することができる。
【0013】
高周波発振器から入射された電力は、測定プローブ101により伝送され、ループアンテナ103から放出されてプラズマ負荷に吸収されるか、反射されて戻ってくる。図9は、それぞれの先端部長さLにおける、高周波パワーの反射率の対周波数変化(100kHz〜3GHz)を測定したものである。
【0014】
反射率が大きく下がるところは、プラズマ密度に起因して高周波パワーの強い吸収が起こる吸収ピーク(以下、適宜「吸収ポイント」と呼ぶ)である。図9の曲線Ra〜Rfには、プラズマ負荷側での高周波パワーの強い吸収があることを示す吸収ポイントPa〜Pdが幾つか現れている。吸収ポイントPa〜Pdの位置の周波数が、プラズマ吸収周波数である。プラズマ吸収周波数はプラズマ密度と一定の相関関係があるので、有用なプラズマ密度情報が得られる。プラズマ吸収周波数が、表面波共鳴周波数fの場合、プラズマ密度と実質的に等価であるプラズマ中の電子密度ne を算出することにより、プラズマ密度情報を得ることができる。
【0015】
最も低い周波数の吸収ポイントPaだけは、図10に示すように、先端部長さLが変化しても同一周波数の位置に出現している。このように、先端部長さLに依存しないプラズマ吸収周波数は、プラズマ表面波共鳴周波数fである。なお、最も低い周波数側に現れる吸収ポイントであっても、先端部長さLを変化させると、その周波数が変位するものはプラズマ表面波共鳴周波数ではない。つまり、先発明では、最も低い周波数側に現れる吸収ポイントがプラズマ表面波共鳴周波数であるか否かを確認するために、先端部長さLを変えて測定している。
【0016】
こうしてプラズマ表面波共鳴周波数fが得られたら、前述したとおり、電子プラズマ角振動数ωp とプラズマPMの電子密度ne 、即ちプラズマ密度np が、簡単に算出されるので、生成プラズマPMの特性を把握し易い。
【0017】
先発明の場合、ループアンテナ103および同軸ケーブル104とプラズマPMとの間にチューブ105が介在するので、ループアンテナ103や同軸ケーブル104からプラズマPM中へ異物などが侵入することがなく、プラズマの清浄性を確保することができる。また、チューブ105が介在することにより、プラズマPMによるループアンテナ103や同軸ケーブル104の損傷を阻止する。また、測定中、チューブ105の表面に絶縁性皮膜からなる汚れが薄く付着しても、絶縁性皮膜が誘電体であるため、実質的に測定系が変化せず、絶縁性皮膜の汚れによる測定結果の変動は生じない。したがって、長期間にわたってプラズマ密度情報を測定することが出来る。
【0018】
また、チューブ105を介して高周波パワーをループアンテナ103から供給して測り易い共鳴的な高周波パワーの吸収現象を捉える程度のことであるので、プラズマ密度情報が至極簡単に測定できる。さらに、熱フィラメントレス方式であるので、蒸発タングステンによる雰囲気汚染を心配する必要も、熱フィラメント交換を行う必要もない。
【0019】
また、先発明の課題を説明する前に、プラズマ吸収周波数について補足説明をする。
図9および図10に示すように、プラズマ吸収ポイントPa〜Pdのうち、先端部長さLに最も依存するプラズマ吸収ポイントはPbである。本明細書ではこのプラズマ吸収ポイントPbを、0次の吸収ポイント、またはMAIN ABS(Absorption)と定義付ける。吸収ポイントPbの次に先端部長さLに依存する吸収ポイントはPcである。その吸収ポイントPcを1次の吸収ポイントと定義付ける。以下同様の手順で、高次(次数の高いこと、逆に次数の低いことを低次と定義付ける)の吸収ポイントと定義付ける。
【0020】
上記のように定義付けると、次数が高いほど、吸収ポイントは先端部長さLに依存しにくいことになる。なお、一番高次(無限大次、∞次)の吸収ポイントの周波数は、プラズマ表面波共鳴周波数である。その∞次の吸収ポイントがPaにあたり、先述したとおり、Paは先端部長さLに依らず一定である。また、先端部長さLを0に近づけると、高次の吸収ポイントも低次の吸収ポイントも、表面波共鳴周波数における吸収ポイントPaに収束する。
【0021】
一方、理論的にはまだ説明されていないが、吸収ポイントは、図9に示すように、実験では次数が高いほど吸収が小さくなる傾向がある。従って、∞次の吸収ポイントPaが最も吸収が小さいことになる。逆に、一番低次の吸収ポイント、即ち0次の吸収ポイントが一番吸収が大きいことになる。
【0022】
〔本発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、先述の先発明でも、以下の様な問題点がある。
前述したように、MAIN ABS(0次の吸収ポイント)が大きく出やすい。しかし実際、プラズマ密度を算出する上で重要である高次の吸収ポイント、特にプラズマ表面波共鳴周波数における(∞次の)吸収ポイントPaは、半値幅が広く吸収レベルが小さくなりがちになるので、共鳴周波数を読み取ることが困難である。
【0023】
前述したように、先端部長さLを0に近づけると、高次の吸収ポイントも低次の吸収ポイントも、表面波共鳴周波数における吸収ポイントPaに収束する。従って、吸収ポイントPaを読み取るために、先端部長さL=0のときの吸収ポイントを見ればよい。しかし、実際に先端部長さL=0にするには、限りなくアンテナを短くしないといけない。しかも、アンテナを短くすると感度が悪くなるので、現実的には不可能である。
【0024】
また先端部長さL=0以外において、プラズマ表面波共鳴周波数と思われる最も低い周波数側に現れる、吸収ポイントを読み取ることができたとする。しかしその場合でも、前述したように、その吸収ポイントが先端部長さLに依存するならば、その周波数はもはやプラズマ表面波共鳴周波数ではない。つまり、最も低い周波数側に現れる吸収ポイントがプラズマ表面波共鳴周波数であるか否かを確認するために、先端部長さLを変えて測定する必要がある。従って、条件を変えて繰り返し測定しないと吸収ポイントを判断できない。このため、経験を必要とし汎用性に欠けてしまうという欠点がある。
【0025】
以上の理由から、高次の吸収ポイントの判定に経験を必要とせずに、読み取れる方法が望まれている。そこで、本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、先端部の長さを動かさずに、プラズマ表面波共鳴周波数を読み取ることができるプラズマ密度情報測定用プローブを提供することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
先発明では、図8に示すように、測定プローブ先端の表面波励起部での、誘電体製のチューブ内は空気などのように誘電体領域のみで構成されていた。このとき、図10に示すように、先端部長さLが大きくなるにつれて、吸収ポイントは高周波側にシフトする。また、誘電体領域を導電体領域に置き変えると、先端部長さLが大きくなるにつれて吸収ポイントは低周波側にシフトすると考えられている。
【0027】
図11は、ループアンテナを用いたときの、電子プラズマ角振動数ωP に対する吸収ポイントにおける角振動数の比(ω/ωP )の、対先端部長さLの変化の理論値及び実測値である。因みに、電子プラズマ角振動数ωP は、表面波共鳴角振動数ωSW(ωSW=2πf、f:表面波共鳴周波数)と比誘電率εを用いて、ωp =ωSW×√(1+ε)と表される。
【0028】
図11の(プロット)点は誘電体領域のみのときの実測値で、実線は理論値である。黒丸のプロットは、MAIN ABS(0次の吸収ポイント)の実測値で、白丸のプロットは、SECOND(1次の吸収ポイント)の実測値である。同様にそれぞれ黒と白抜きの方形のプロットは、THIRD(2次の吸収ポイント)の実測値、FOURTH(3次の吸収ポイント)の実測値である。実線のm=0、1、2、3はそれぞれ0次、1次、2次、3次の吸収ポイントの理論値である。また破線は導電体領域のみのときの理論値である。なお、実際に導電体領域のみで測定すると、プローブ先端部全部が導電体領域になり、アンテナから電磁波を放射できないので、物理的に不可能である。従って、導電体領域のみのときの実測値はない。
【0029】
それぞれ高次になるほど、実測値及び理論値のときも、誘電体領域及び導電体領域のときも、図11に示すように、ω/ωP は先端部長さLに依存しにくくなる。また図11からも、先端部長さLが大きくなるにつれて、誘電体領域のみのとき吸収ポイントは高周波側にシフトして、導電体領域のみのとき吸収ポイントは低周波側にシフトすることがわかる。
【0030】
以上のようなことから、単一の領域では先端部長さLが変化するにつれて、高周波側または低周波側にシフトしてしまう。そこで、本発明者は、誘電体領域と導電体領域を組み合わせることで、高周波側または低周波側にシフトする両特性を、互いに相殺させることに想到した。
【0031】
以上のような知見に基づいて創作された本発明は、以下のような構成を取る。
即ち、請求項1に記載の発明に係るプラズマ密度情報測定用プローブは、先端が閉じられている誘電体製外皮と、誘電体製外皮内に収容されて高周波パワーを放射するアンテナと、誘電体製外皮内に収容されている誘電体領域と、誘電体製外皮内に収容されている導電体領域とを備え、誘電体製外皮の先端寄りで、かつアンテナの延びる方向に誘電体領域および導電体領域をその順に配設する構造を含み、かつ誘電体製外皮の先端には導電体領域が終端となっていることを特徴とする。
【0032】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、誘電体領域は気体の誘電体で形成されていることを特徴とする。
【0033】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、誘電体領域は固体の誘電体で形成されていることを特徴とする。
【0034】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、導電体領域が金属で形成されていることを特徴とする。
【0035】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、導電体領域は誘電体製外皮内に配設された金属膜で形成されていることを特徴とする。
【0036】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のプラズマ密度情報測定用プローブは、中心から外側に向かって順に同芯状に配設された中心導体、中心絶縁体、外部導体及び外部絶縁体からなる同軸ケーブルで構成されており、誘電体外皮は同軸ケーブルの外部絶縁体で形成され、アンテナは同軸ケーブルの中心導体で形成され、誘電体領域は同軸ケーブルの外部絶縁体および外部導体をスリット状に除去したことにより露出した中心絶縁体で形成され、導電体領域は前記スリットより先の同軸ケーブルの外部導体で形成されていることを特徴とする。
【0037】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、誘電体領域と導電体領域とが多層構造で形成されていることを特徴とする。
【0038】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用について説明する。
誘電体領域のみのとき、誘電体領域の長さが大きくなるのに伴い吸収ポイントは高周波側にシフトする。逆に導電体領域のみのとき、導電体領域の長さが大きくなるのに伴い吸収ポイントは低周波側にシフトする。従ってそれぞれの誘電体領域と導電体領域の特性を生かすべく、下記の様な構成を採る。即ち誘電体製外皮内にアンテナを収容して、さらにそのアンテナの先端寄りに誘電体領域を配設して、その誘電体領域よりもさらにアンテナの先端寄りに導電体領域を配設する。上記のように、誘電体領域と導電体領域を組み合わせることにより、吸収ポイントが高周波側または低周波側にシフトする両特性が互いに相殺する。その結果、吸収ポイントがアンテナの先端部の空気層及び金属層の長さに依存しなくなる。
【0039】
請求項2に記載の発明によれば、誘電体領域は気体の誘電体で形成されているので、厚さや長さ等を簡単に変更することができる。特に、気体の誘電体のなかでも空気は身近に有り、大変扱いやすい。
【0040】
請求項3に記載の発明によれば、誘電体領域に固体を選択することにより、気体の誘電体の比誘電率より大きい固体の誘電体の比誘電率εを、10付近まで選択できる。この選択により高周波供給側と表面波が励起する負荷側との間の伝送系のインピーダンスを自在に調整できて、これにより反射損失を抑えることができる。
【0041】
請求項4に記載の発明によれば、導電体領域に金属を選択することにより加工が簡単、かつ広い温度範囲で高い導電率が得られる。これにより、チャンバー内の過酷な温度条件下(100〜500°)でも安定してプローブを機能させることができる。
【0042】
請求項5に記載の発明によれば、導電体領域は誘電体製外皮内に配設された金属膜で形成されているので、金属膜と誘電体製外皮との間に隙間がない。
【0043】
請求項6に記載の発明によれば、中心から外側に向かって順に同芯状に配設された中心導体、中心絶縁体、外部導体及び外部絶縁体からなる同軸ケーブルにおいて、その同軸ケーブルの外部導体(及び外部絶縁体)がスリット状に除去されて、中心絶縁体がスリット状に露出している。従って同軸ケーブルの外部絶縁体は本発明における誘電体製外皮に相当して、同軸ケーブルの中心導体は本発明におけるアンテナに相当して、同軸ケーブルの外部絶縁体および外部導体をスリット状に除去したことにより露出した中心絶縁体は本発明における誘電体領域に相当して、前記スリットより先の同軸ケーブルの外部導体は本発明における導電体領域に相当する。
【0044】
請求項7に記載の発明によれば、誘電体領域と導電体領域が多層構造で形成されている。従って、多層にわたる導電体層によって、表面波を効率よく吸収する。
【0045】
【発明の実施の形態】
続いて、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。図1は、実施例に係るプラズマ密度情報測定用プローブを示す縦断面図である。図2は、吸収ポイントを測定するときの測定プローブを示す縦断面図である。図3は、実施例に係るプラズマ処理装置の概略図である。図4は、実施例に係るプラズマ密度情報測定用の高周波パワーの反射率周波数特性を示すグラフである。
【0046】
先ず、実施例のプラズマ処理装置の構成及び作用について説明する。因みに前記のプラズマ処理装置は、先発明でプラズマ密度を求める際にも用いられている。
実施例のプラズマ処理システムは、図3に示すように、プラズマPMが生成される室内空間Sを有する直径数10cmのステンレス鋼製チャンバー11と、チャンバー11の内に配設されたプラズマ生起用の放電電極(放電アンテナ)12と、排気用パイプ13を介してチャンバー11の室内空間Sと連通している真空排気ポンプ14と、流量調節弁15が介設されたガス供給用パイプ16を介してチャンバー11の室内空間Sと連通しているガス源17とを備えている。この他、実施例のシステムのチャンバー11には、ワーク(被処理物)Wの載置台(図示省略)やワークWの搬入・搬出機構(図示省略)なども配設されている。
【0047】
チャンバー11の室内空間Sは真空排気ポンプ14によって排気されて適当な室内圧力が保たれる。またガス源17からガスが適当な流量で供給される。供給ガスの種類としては、アルゴン,チッ素,酸素ガス,フッ素系ガス、塩素系ガスなどが例示される。
【0048】
また、チャンバー11の外にはプラズマ生起用の高周波パワー(高周波電力)を供給するための高周波電源18と、放電電極12に供給されるプラズマ生起用の高周波パワー(以下、適宜「生起用高周波パワー」と略記)を制御するための高周波パワー制御部19とが設けられている。
【0049】
高周波パワー制御部19は、高周波電源側とプラズマ側の間のインピーダンス整合状態を調節するインピーダンス整合器20aと、チャンバー11に生起させるプラズマについての目標プラズマ密度を設定するためのプラズマ密度設定部20bと、設定された目標プラズマ密度と実測されるプラズマ密度との差に従ってインピーダンス整合器20aを制御する整合器制御部20cとからなる。
【0050】
なお、実施例のシステムの場合、高周波電源18から出力される高周波パワーの出力量を検出する出力パワーモニタ機構(図示省略)や、プラズマ負荷側で吸収されることなく電源側に戻ってくる高周波パワーの反射量を検出する反射パワーモニタ機構(図示省略)がプラズマ生成状況を大まかに把握する等の手段のひとつとして配設されている。
【0051】
上記のようにして生成されるプラズマPMによって、ワークWに対しエッチング処理やCVD(化学気相成長)処理などが施されるのであるが、実施例のシステムには、以下に述べるように、プラズマ密度情報を時々刻々求めるプラズマ密度情報求出部21が設けられている。また、実施例のプラズマ密度情報求出部21は、図3に示すように、チャンバー11の壁に取り付けられている測定プローブ1と、チャンバー11の外側に配設されているプローブ制御部22とで構成される。先ず、測定プローブ1の具体的構成について説明する。
【0052】
実施例の測定プローブ1は、図1に示すように、先端が閉じられている誘電体製のチューブ2を備え、そのチューブ2内に高周波パワーを放射するアンテナ3が収容されている。そして、アンテナ3の後端に、高周波パワーをアンテナ3に伝送する同軸ケーブル4が接続されている。さらに、そのアンテナ3の先端寄り(すなわち、誘電体製外皮に相当するチューブ2の先端寄り)には、空気層5が配設されている。その空気層5よりもさらにアンテナ3の先端寄りには、銅などに代表される金属層6が配設されている。なお、チューブ2は本発明における誘電体製外皮に相当し、空気層5は本発明における誘電体領域に相当し、金属層6は本発明における導電体領域に相当する。
【0053】
またチューブ2の軸芯に沿った空気層5の厚さt(以下、適宜「空気層5の厚さt」と略記)は1mmから10mmまでが望ましい。空気層5の厚さtが1mm未満では高周波パワーを放射しにくく、 空気層5の厚さtが10mmを超えると高周波パワーが金属層6に拡散しにくい。またチューブ2の軸芯に沿った金属層6の厚さl(以下、適宜「金属層6の厚さl」と略記)も1mmから10mmまでが望ましい。金属層6の厚さlが1mm未満では金属層6の効果が小さく、金属層6の厚さlが10mmを超えると表面波が伝わりにくいので10mm以上にする必要はない。
【0054】
なお、本実施例では高周波パワーを放射するアンテナ3として線状アンテナを用いているが、先発明のループアンテナであってもよく、アンテナの形状に限られることはない。図1ではアンテナ3は金属層6に接続されているが、アンテナ3により放射された高周波パワーが金属層6に充分拡散するならば、アンテナ3は必ずしも金属層6に接続されている必要はない。なお、チューブ2を形成する誘電体材料は特に限定されないが、例えば石英、セラミックス、ガラス、フッ化樹脂などが例示される。また、アンテナ3、同軸ケーブル4、空気層5、及び金属層6の外側は必ずしもチューブ2によって覆われる必要はない。誘電体で形成されている物質で被覆されるならば、測定プローブ1として使用できる。
【0055】
なお、上記の構成を有している測定プローブ1が、チューブ2の先端部の長さを変えても吸収ポイントが高周波側または低周波側にシフトしないことを、実験で確認をしている。実験のために、測定プローブ1は、図2に示すような構成を採っている。即ち金属層6の先端寄りに、先端部空気層7がチューブ2内に配設されていて、その先端部空気層7の先端部長さdは簡単に変更することができる。なお、先発明に係る実施例での先端部長さLと区別するために、本実施例での先端部の長さを、先端部長さdとしている。なお、先発明における先端部長さLは、ループアンテナ103の根元から(先発明の)チューブ105の先端部までを示しているが、本実施例での先端部長さdは、金属層6の先端からチューブ2の先端部まで、即ちチューブ2の軸芯に沿った先端部空気層7の厚さを示している。
【0056】
続いて、プローブ制御部22の具体的構成について説明する。プローブ制御部22は、周波数掃引式の高周波発振器23と、方向性結合器24と、減衰器25と、フィルタ26とを備えていて、これらが、図3に示す順で次々と測定プローブ1へ接続されている。高周波発振器23は100kHzから800MHzの周波数でプラズマ密度情報測定用の高周波パワーを自動掃引しながら出力する。高周波発振器23から出力された高周波パワーは方向性結合器24−減衰器25−フィルタ26と経由して測定プローブ1へ伝送される。
【0057】
一方、プラズマ密度情報測定用の高周波パワー(以下、適宜「測定用高周波パワー」と略記)はアンテナ3から放出されてプラズマ負荷に全て吸収されるとは限らず、プラズマ負荷に吸収されずに反射して戻ってくる分もある。プラズマ負荷に吸収されずに戻ってくる高周波パワーの反射量は、方向性結合器24で検出されて、プラズマ吸収周波数求出部27へ送り込まれる。プラズマ吸収周波数求出部27には高周波発振器23から出力される測定用高周波パワーの周波数も逐次送り込まれる。
【0058】
なお、フィルタ26はアンテナ3を経由してプローブ制御部22へ混入してくるプラズマ励起用の高周波パワーを除去する働きをする。また、減衰器25は測定プローブ1へ送り込む測定用高周波パワーの量を調整する働きをする。
【0059】
プラズマ吸収周波数求出部27は、高周波パワーの周波数と、高周波パワーの検出反射量にしたがって、測定用高周波パワーの反射率の対周波数変化を求めるとともに、得られた結果に基づいて、プラズマ密度に起因して高周波パワーの強い吸収が起こるプラズマ吸収周波数を求める構成となっている。すなわち、プラズマ吸収周波数求出部27では、〔高周波パワーの検出反射量〕÷〔高周波パワーの全出力量(実施例では一定量)〕なる演算が行われて測定用高周波パワーの反射率が求められ、刻々変わる周波数と対応付けてプロットされることにより、測定用高周波パワーの反射率の対周波数変化が求められる処理が行われる。反射率が大きく下がるところは、プラズマ密度に起因して高周波パワーの強い吸収が起こる吸収ピーク即ち吸収ポイントであり、吸収ポイントの周波数がプラズマ吸収周波数ということになる。さらにプラズマ吸収周波数求出部27では、吸収ポイントを自動検出して対応する周波数をプラズマ吸収周波数として認定算出する処理が行われる。
【0060】
プラズマ吸収周波数求出部27で求出されたプラズマ吸収周波数は、プラズマ密度と一定の相関関係がある有用なプラズマ密度情報である。実施例システムの場合、プラズマ吸収周波数は表面波共鳴周波数fである。表面波共鳴周波数fはプラズマ密度と実質的に等価であるプラズマ中の電子密度ne と直接対応している有用なプラズマ密度情報である。
【0061】
続いて、実施例の測定プローブ1による具体的な吸収ポイントの測定例について説明する。
アルゴンガスをチャンバー内に供給して、チャンバー内の圧力が20Paになるように調整をしている。高周波電源よりプラズマ生成用の高周波パワーとして、550Wを出力している。その出力されたプラズマ生成用の高周波パワーは、チャンバー内の放電電極により、反応性プラズマPMを発生させる。チューブ2は、外径は6mmで厚さが1mmの石英管で形成されている。また、同軸ケーブル4は50Ωのセミリジッドケーブルで形成されている。金属層6は銅で形成されていて、その厚さlは2mmである。また、空気層5の厚さtは6mmである。
【0062】
先ず、先端部空気層7の先端部長さdが1mmとなるように測定プローブ1をセットする。高周波発振器より高周波パワーを100kHzから800MHzまで周波数を掃引しながら出力する。そして、そのときの高周波パワーの反射率(dBで表示)を測定する。同様の方法で、先端部長さdが2mm、3mm、4mm、5mmとなるように測定プローブ1をセットして、高周波パワーの反射率の対周波数変化を測定する。その測定結果は図4に示す通りである。
【0063】
反射率が大きく下がるところは、プラズマ密度に起因して高周波パワーの強い吸収が起こる吸収ポイントである。図4に示すように、先端部長さdを変化させても、吸収ポイントは高周波側にも低周波側にもシフトしない。即ち吸収ポイントにおけるプラズマ吸収周波数は、先端部長さdに依存しない。このことから、先端部空気層7にまで表面波が到達しておらず、空気層5と金属層6のみで高周波パワーがプラズマに吸収されていることがわかる。一方で、先発明の測定結果に係る図9では吸収ポイントの分散が見られるが、図4では吸収ポイントの分散が見られない。このことから、0次の吸収ポイント(MAIN ABS)を含む低次の吸収ポイントも、∞次の吸収ポイント(プラズマ表面波共鳴周波数における吸収ポイント)を含む高次の吸収ポイントも収束していることがわかる。さらには、先発明の図9と比較して、図4では大きなQ値の吸収ポイントが得られる、即ち吸収ポイントが大きいことがわかる。なお、本明細書では、共鳴時の損失、即ち共鳴時の吸収をQ値(quality factor)と定義付ける。
【0064】
プラズマ吸収周波数が先端部長さdに依存しないことから、アンテナ3を動かさなくてもプラズマ表面波共鳴周波数を測定できることがわかる。また、空気層5と金属層6のみで高周波パワーはプラズマに吸収されていることから、先端部空気層7がなくても図1の構成のみで測定できることがわかる。さらに、低次と高次の吸収ポイントが収束していることと、吸収ポイントが大きいことより、プラズマ表面波共鳴周波数における吸収ポイントを容易に読み取ることができる。
【0065】
本発明は、上記実施の形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上記の実施例では、アンテナ3の先端寄りには空気層5が配設されているが、必ずしもそのような構成になる必要はない。前述のように空気層5は本発明における誘電体領域に相当するので、アンテナ3の先端寄りに誘電体製の物質を配設してもよい。誘電体物質のなかでも、気体の誘電体は特に扱いやすく、厚さや長さ等を簡単に変更することができる。特に、気体の誘電体のなかでも上記の実施例のように誘電体領域が空気層5で形成されているときには、空気は身近に有るので測定プローブ1として大変扱いやすい。また誘電体物質のなかでも、固体の誘電体の場合は次のようなことができる。即ち固体の誘電体の比誘電率εは、気体の誘電体の比誘電率と比較して大きいので、比誘電率が大きいほど、Q値は高くなり共鳴時の吸収は大きくなる。従って、固体の誘電体における共鳴時の吸収は、気体の誘電体の共鳴時の吸収と比較して大きくなるので、共鳴時におけるプラズマ吸収周波数を容易に算出することができる。また、固体で形成されているので、熱的及び機構的に安定である。なお、固体の誘電体材料は特に限定されないが、例えば石英、セラミックス、ガラス、フッ化樹脂などが例示される。
【0066】
(2)実施例の場合、空気層5よりもさらにアンテナ3の先端寄りには、金属層6が配設されている。しかし、前述のように金属層6は本発明における導電体領域に相当するので、空気層5あるいは誘電体領域よりもさらにアンテナ3の先端寄りに導電体製の物質を収容してもよい。また導電体物質のなかでも、金属の場合は次のようなことができる。加工が簡単かつ広い温度範囲で高い導電率が得られるので、チャンバー内の過酷な温度条件下(100〜500°)でも安定してプローブを機能させることができる。なお、金属の種類は特に限定されないが、例えば銅、アルミニウム、ステンレス鋼などが例示される。また、金属以外の導電体材料は特に限定されないが、例えばカーボンなども導電体材料として使用することができる。
【0067】
(3)実施例の場合、図1及び図2に示すように金属層6の内部は全て金属で形成されている。しかし、金属層6に替えて、チューブ2の内壁に金属膜を配設してもよい。また前述のようにチューブ2は本発明における誘電体製外皮に相当するので、誘電体製外皮内に金属膜を配設してもよい。具体的には、図5に示すように、チューブ2の内壁に金属コーティング8を施すといったことなどが考えれる。上記のような構成の場合、金属膜と誘電体製外皮との間に隙間がないので、導電体領域が誘電体製外皮内に単純に配設されている場合と比較して安定性がある。
【0068】
(4)実施例の場合、チューブ2内にアンテナ3の後端より高周波パワーをアンテナ3に伝送する同軸ケーブル4が接続されている。しかし、同軸ケーブル4の被覆部分は絶縁体で構成されていて誘電体の物質からなるので、必ずしもチューブ2に覆われる必要はない。即ち同軸ケーブル4の外部導体及び外部絶縁体をスリット状に除去することにより、同軸ケーブル4を測定プローブ1として用いることができる。具体的には、図6に示すように、同軸ケーブル4に対して、外側にある誘電体製の外部絶縁体4aと導電体製の外部導体4bの1部分をスリット状に除去することで、測定用プローブ1を容易に作ることができる。図6では誘電体領域9はスリット状に除去したことにより露出した誘電体製の中心絶縁体4cの部分である。そして導電体領域10はスリットより先の同軸ケーブル4の外部導体4bの部分である。そして中心導体4dは本発明におけるアンテナに相当し、外部絶縁体4aは本発明における誘電体製外皮に相当する。また同軸ケーブル中でも、セミリジッドタイプのものを用いれば、外部導体に切り込みを入れ、数ミリ程度ずらすだけでスリットを設けたのと同じ効果が得られる。なお、その際同軸ケーブルの先端部を導電体及び絶縁体で被覆して閉じる必要がある。このような加工は非常に簡単であり、十分な効果が得られる。また同軸ケーブルの被覆部即ち外部絶縁体が耐熱性の弱い誘電体製の物質の場合、上述の実施例と同様に誘電体製のチューブ内に上記の構成を有する同軸ケーブルを挿入してもよい。
【0069】
(5)実施例の場合、図1に示すように、アンテナ3の先端寄りには空気層5と金属層6のみが配設されている。しかし、図7に示すように、アンテナ3の先端寄りに誘電体領域と導電体領域とを多層に重ねて配設してもよい。従って、多層にわたる導電体層によって、より表面波を吸収するのでQ値が高くなる。従って、共鳴時におけるプラズマ吸収周波数を容易に算出することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上に詳述したように、請求項1の発明に係るプラズマ密度情報測定用プローブによれば、誘電体製外皮内に誘電体領域と導電体領域を備えることで、吸収ポイントが高周波側または低周波側にシフトする両特性が互いに相殺する。従って先端部の長さを変化させても、吸収ポイントはシフトしない。さらに、低次と高次の吸収ポイントが収束して、大きなQ値の高次吸収ポイントを得ることができるので、プラズマ表面波共鳴周波数における吸収ポイントを容易に読み取ることができる。以上より、先端部の長さを変えなくても、一回の測定のみでプラズマ表面波共鳴周波数を正確に求めることができる。
【0071】
請求項2の発明に係るプラズマ密度情報測定用プローブによれば、誘電体領域は気体の誘電体で形成されている。誘電体物質のなかでも、気体の誘電体は特に扱いやすく、厚さや長さ等を簡単に変更することができる。特に、気体の誘電体のなかでも空気は身近に有り、大変扱いやすい。
【0072】
請求項3の発明に係るプラズマ密度情報測定測定用プローブによれば、誘電体領域は固体の誘電体で形成されている。固体の誘電体の比誘電率εは、気体の誘電体の比誘電率と比較して大きいので、反射損失を抑えてその結果、Q値は高くなり共鳴時の吸収は大きくなる。従って、固体の誘電体における共鳴時の吸収は、気体の誘電体の共鳴時の吸収と比較して大きくなるので、共鳴時におけるプラズマ吸収周波数を容易に算出することができる。また、固体で形成されていて熱的及び機構的に安定であるので、常に安定した測定結果が得られる。
【0073】
請求項4の発明に係るプラズマ密度情報測定方用プローブによれば、導電体部に金属を選択することにより加工が簡単、かつ広い温度範囲で高い導電率が得られる。これにより、チャンバー内の過酷な温度条件下(100〜500°)でも安定してプローブを機能させることができる。なお、金属の示す電子密度は1023/cm3 オーダであり、プローブで測定するプラズマの電子密度の1011/cm3 オーダに比べ十分に大きく、Q値を最大に取ることができるので、吸収ポイントを正確に判定することができる。
【0074】
請求項5の発明に係るプラズマ密度情報測定用プローブによれば、導電体領域は誘電体製外皮内に配設された金属膜で形成されているので、金属膜と誘電体製外皮との間に隙間がない。従って、導電体領域が誘電体製外皮内に、単純に配設されている場合と比較して安定性がある。従って、常に安定した測定結果が得られる。
【0075】
請求項6の発明に係るプラズマ密度情報測定用プローブによれば、中心から外側に向かって順に同芯状に中心導体、中心絶縁体、外部導体及び外部絶縁体からなる同軸ケーブルにおいて、その同軸ケーブルの外部導体及び外部絶縁体がスリット状に除去されて、除去されたことにより中心絶縁体が露出している。上記のような構成において、同軸ケーブルの外部絶縁体は本発明における誘電体製外皮に相当し、同軸ケーブルの中心導体は本発明におけるアンテナに相当し、同軸ケーブルの外部絶縁体および外部導体をスリット状に除去したことにより露出した中心絶縁体は本発明における誘電体領域に相当し、前記スリットより先の同軸ケーブルの外部導体は本発明における導電体領域に相当する。従って同軸ケーブルに切り込みを入れてずらすだけで本発明における測定用プローブを容易に作ることができる。
【0076】
請求項7の発明に係るプラズマ密度情報測定用プローブによれば、誘電体領域と導電体領域とが多層構造で形成されている。従って、多層にわたる導電体層によって、表面波を効率的に吸収するので、Q値が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るプラズマ密度情報測定用プローブを示す縦断面図である。
【図2】吸収ポイントの測定例に供する測定プローブの縦断面図である。
【図3】実施例に係るプラズマ処理装置の概略図である。
【図4】実施例に係るプラズマ密度情報測定用の高周波パワーの反射率周波数特性を示すグラフである。
【図5】本発明に係る測定プローブの変形例を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る測定プローブの他の変形例を示す縦断面図である。
【図7】本発明に係る測定プローブの他の変形例を示す縦断面図である。
【図8】先発明に係る測定プローブの一例の構成を示す一部縦断面図である。
【図9】先発明に係るプラズマ密度情報測定用の高周波パワーの反射率周波数特性を示すグラフである。
【図10】先発明に係るプラズマ吸収周波数と測定プローブのチューブの先端部長さとの関係を示すグラフである。
【図11】電子プラズマ角振動数に対する吸収ポイントにおける角振動数の比と、アンテナの先端部長さとの関係を示す理論値及び実測値である。
【符号の説明】
1 …測定プローブ
2 …チューブ
3 …アンテナ
4 …同軸ケーブル
4a …外部絶縁体
4b …外部導体
4c …中心絶縁体
4d …中心導体
5 …空気層
6 …金属層
7 …先端部空気層
8 …金属コーティング
9 …誘電体領域
10 …導電体領域
PM …反応性プラズマ
t …空気層5の厚さ
l …金属層6の厚さ
d …先端部長さ
Claims (7)
- 先端が閉じられている誘電体製外皮と、
誘電体製外皮内に収容されて高周波パワーを放射するアンテナと、
誘電体製外皮内に収容されている誘電体領域と、
誘電体製外皮内に収容されている導電体領域と
を備え、
誘電体製外皮の先端寄りで、かつアンテナの延びる方向に誘電体領域および導電体領域をその順に配設する構造を含み、かつ誘電体製外皮の先端には導電体領域が終端となっていることを特徴とするプラズマ密度情報測定用プローブ。 - 請求項1に記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、
誘電体領域は気体の誘電体で形成されていることを特徴とするプラズマ密度情報測定用プローブ。 - 請求項1に記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、
誘電体領域は固体の誘電体で形成されていることを特徴とするプラズマ密度情報測定用プローブ。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、
導電体領域は金属で形成されていることを特徴とするプラズマ密度情報測定用プローブ。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、
導電体領域は誘電体製外皮内に配設された金属膜で形成されていることを特徴とするプラズマ密度情報測定用プローブ。 - 請求項1に記載のプラズマ密度情報測定用プローブは、中心から外側に向かって順に同芯状に配設された中心導体、中心絶縁体、外部導体及び外部絶縁体からなる同軸ケーブルで構成されており、
誘電体外皮は同軸ケーブルの外部絶縁体で形成され、
アンテナは同軸ケーブルの中心導体で形成され、
誘電体領域は同軸ケーブルの外部絶縁体および外部導体をスリット状に除去したことにより露出した中心絶縁体で形成され、
導電体領域は前記スリットより先の同軸ケーブルの外部導体で形成されていることを特徴とするプラズマ密度情報測定用プローブ。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のプラズマ密度情報測定用プローブにおいて、
誘電体領域と導電体領域とが多層構造で形成されていることを特徴とするプラズマ密度情報測定用プローブ。
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