JP3681481B2 - フォトクロミック重合性組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、眩しさやコントラスト低下をその症状とする眼疾患者に対して室内、室外共すぐれた防眩効果、コントラスト及び遮光精度を有するフォトクロミックレンズの製造に好適な組成物及びレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
水晶体摘出者などの眼疾患者に対して目の保護、防眩効果又はちらつきのない視界を確保する事を目的に染料を使用した合成樹脂レンズが特開平2−221914号公報や特開平3−144416号公報に提案されている。これらの公報には、合成樹脂レンズに成型した後に、該合成樹脂レンズの表面近傍に染料を含浸させることにより染色した合成樹脂レンズが開示されている。
【0003】
しかしながら、これらの公報に提案されている眼鏡レンズは水晶体摘出者の選択的波長の遮光及びコントラスト機能を有したフィルターレンズとしては優れているが、網膜色素変性症や糖尿性網膜症などの網膜眼疾患を含めたいろいろな目疾患者に対しては性能上不十分である。網膜眼疾患者に対しては選択的波長の遮光及びコントラスト機能の他に進入する光の量を調整するフォトクロミック機能も必要となってくる。
【0004】
一方、眼鏡レンズにフォトクロミック機能を付与するために、フォトクロミック化合物をモノマーに混合して重合する方法が知られている。しかしながら、眼鏡レンズとして広く用いられているジエチレングリコールビスアリルカーボネートにフォトクロミック化合物を混合して重合すると、重合時に発生するラジカルによって、フォトクロミック化合物が劣化するという問題のあることが判明した。
【0005】
また、仮に重合時にフォトクロミック化合物が劣化しなかったとしても、重合して得られた眼鏡レンズにさらに染料を含浸させるために、上記した公報に記載されている方法に従って染料を眼鏡レンズに含浸させると、フォトクロミック化合物の発色濃度が大きく低下するという問題があることがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は室内で選択的波長の遮光及びコントラスト機能を有し、室外においても上記の機能に加え、光の量を調整する遮光精度を有し、眩しさやコントラスト低下をその症状とする眼疾患者を含めたいろいろな眼疾患者に対して実用的な眼鏡レンズを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、重合性単量体、フォトクロミック化合物及び染料又は顔料とを混合して重合を行い、選択的波長の遮光、コントラスト機能及び光の量を調整する遮光精度を有する網膜色素変性症や糖尿性網膜症などの網膜眼疾患を含めたいろいろな眼疾患者に対して実用的な眼鏡レンズを得るためのフォトクロミック組成物について鋭意研究を続けた。
【0008】
その結果、下記のフォトクロミック組成物を用いることにより、選択的波長の遮光及びコントラスト機能に優れているばかりではなく、フォトクロミック作用の発色濃度及び耐久性が優れた眼鏡レンズが得られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、眼疾患用眼鏡レンズを製造するために使用されるフォトクロミック重合性組成物であって、
(A)多官能性(メタ)アクリレート系単量体 100重量部
(B)フォトクロミック化合物 0.001〜10重量部
(C)分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物 0.1〜30重量部
(D)染料及び又は顔料 0.005〜0.1重量部
を含むことを特徴とする組成物である。
【0010】
本発明における(A)成分である多官能性(メタ)アクリレート系単量体としては、下記一般式(1)
【0011】
【化1】
【0012】
(但し、R1は、水素原子またはメチル基であり、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、aは1〜10の整数である。)
で示される単量体又は、下記一般式(2)
【0013】
【化2】
【0014】
(但し、R1は、水素原子又はメチル基であり、R3は、エチレン基又はプロピレン基であり、b、c、d及びeはそれぞれ0〜10の整数であり、0の場合は結合手を示し、R4は、炭素数5〜10のアルキレン基又は、下記式
【0015】
【化3】
【0016】
で示される基又は、下記式
【0017】
【化4】
【0018】
で示される基又は、下記式
【0019】
【化5】
【0020】
{但し、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ同一または異なる水素原子またはフッ素を除くハロゲン原子を示す。}で示される基である。)
で示される単量体又は、下記一般式(3)
【0021】
【化6】
【0022】
(但し、R1は、水素原子又はメチル基であり、R3は、エチレン基又はプロピレン基であり、fは0〜10の整数であり、gは0又は1であり、0の場合は結合手を示し、hは0〜2の整数であり、R9は、水素原子、ヒドロキシメチル基又は、メチル基、エチル基等のアルキレン基である。)
で示される単量体を挙げることができる。
【0023】
上記一般式(1)、(2)及び(3)で示される多官能性(メタ)アクリレート系単量体を具体的に例示すると、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシ・ポリエトキシフェニル)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシ・ポリプロポキシフェニル)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、2,2’−ビス[(3,5−ジブロモ−4−メタクリロイルオキシエトキシ)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、水素添加ビスフェノールAエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物のアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンポリエトキシジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール又はポリエチレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物、プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物、ビスフェノールAエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物とグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物、水素添加ビスフェノールAエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物とグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物等が挙げられる。これら多官能性(メタ)アクリレートは一種または二種以上を混合して使用しても、何等差し支えない。なお本発明において、(メタ)アクリレートはメタクリレートとアクリレートの総称である。
【0024】
次に、本発明における(B)成分であるフォトクロミック化合物は、フォトクロミック作用を示す化合物を何ら制限なく採用することができる。例えば、フルギド化合物、クロメン化合物及びスピロオキサジン化合物等のフォトクロミック化合物がよく知られており、本発明においてはこれらのフォトクロミック化合物を使用することができる。上記のフルギド化合物及びクロメン化合物は、USP4,882,438、USP4,960,678、USP5,130,058、USP5,106,998、特開平2−28154号、特開平3−11074号、特開平3−133988号等で公知の化合物を好適に使用できる。
【0025】
本発明において、フルギド化合物は、(C)成分である分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物との併用によるフォトクロミック性の耐久性の向上効果が他のフォトクロミック化合物に比べて特に大きいために好適に使用することができる。本発明において好適に使用できるフルギド化合物を一般式で示すと、次式(4)で示すことができる。
【0026】
【化7】
【0027】
〔但し、
【0028】
【化8】
【0029】
はそれぞれ置換基を有していてもよい二価の芳香族炭化水素基または二価の不飽和複素環基であり、R10は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または一価の複素環基であり、
【0030】
【化9】
【0031】
は、ノルボルニリデン基またはアダマンチリデン基であり、Xは、酸素原子、
基 >N−R11、
基 >N−A1−B1−(A2)i−(B2)j−R12、
基 >N−A3−A4、または
基 >N−A3−R13であり、
(ここで、R11は、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、R12は、アルキル基、ナフチル基またはナフチルアルキル基であり、R13は、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基であり、A1、A2およびA3は、同一もしくは異なり、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基またはアルキルシクロアルカン−ジイル基であり、A4は、ナフチル基であり、B1およびB2は、同一もしくは異なる
【0032】
【化10】
【0033】
であり、iおよびjは、それぞれ独立して0または1を示すが、iが0の時はjは0である。)〕
上記一般式(4)中、
【0034】
【化11】
【0035】
で示される二価の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環1個またはその2〜3個の縮合環から誘導される二価の基を挙げることができ、また、二価の不飽和複素環基としては、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子を環構成原子として1〜2個含む5〜7員環またはこれとベンゼン環との縮合環から誘導される二価の基を挙げることができる。二価の芳香族炭化水素基を具体的に例示すると、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等から誘導される炭素数6〜14の基をあげることができ、また、二価の不飽和複素環基を具体的に例示すると、フラン環、ベンゾフラン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピロール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環等から誘導される炭素数4〜9の基を挙げることができる。
【0036】
これらの置換基としては、特に制限されないが、例えば、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子:メチル基、エチル基等の炭素数1〜4のアルキル基:メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基:フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基:炭素数7〜14のアルコキシアリール基(炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数6〜10のアリール基):アミノ基:ニトロ基:シアノ基等を例示することができる。
【0037】
上記一般式(4)中、R10で示されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基および複素環基は、上記した炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、および、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子を環構成原子として1〜2個含む5〜7員環またはこれとベンゼン環との縮合環から誘導される一価の基を挙げることができる。
【0038】
基Xが窒素原子を含む基である場合のR11で示されるアルキル基、アリール基はR10と同様である。A1、A2およびA3で示されるアルキレン基は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数1〜4の基であることが好ましく、アルキリデン基は、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等の炭素数2〜4の基であることが好ましく、また、シクロアルキレン基は、シクロヘキシレン基が好ましく、さらにアルキルシクロアルカン−ジイル基は、ジメチルシクロヘキサン−ジイル基が好ましい。更に、 R12で示されるアルキル基は上記R10と同様であり、ナフチルアルキル基は、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等の炭素数11〜14の基であることが好ましい。
【0039】
上記式で示されるフルギド化合物のなかでも、フォトクロミック作用の耐久性等を勘案すると、R10がアルキル基及びシクロプロピル基であり、Xが>N−Rであり、Rは炭素数1〜4のシアノアルキル基、炭素数1〜4のニトロアルキル基、または炭素数3〜9のアルコキシカルボニルアルキル基(炭素数1〜4のアルコキシ基と炭素数1〜4のアルキレン基を含む)であり、
【0040】
【化12】
【0041】
はアダマンチリデン基であり、
【0042】
【化13】
【0043】
は、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数7〜14のアルコキシアリール基(炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数6〜10のアリール基)で置換されていてもよい複素環基、特にチオフェン環から誘導される基である化合物が好ましい。
【0044】
フォトクロミック化合物をメガネレンズに使用する場合は、グレーまたはブラウン等の色調が好まれるが、このような色調は単一のフォトクロミック化合物では得られないために、二種以上の異なるフォトクロミック化合物を混合する方法が採用される。上記したフルギド化合物は一般に橙〜青に発色するが、これに黄〜橙に発色するクロメン化合物を混合することにより、グレー、ブラウン等の中間色を得ることができる。しかし、上記したフルギド化合物は、クロメン化合物に比べてフォトクロミック性の耐久性に乏しい化合物であるために、時間の経過に伴って色調の変化が生じ、このために、フルギド化合物とクロメン化合物との混合色も経時的に変化するという問題があった。しかし、本発明において、(C)成分である分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物との併用により、フルギド化合物のフォトクロミック性の耐久性を向上させてクロメン化合物の耐久性に近付けることにより、経時的な色調のずれを少なくすることができる。
【0045】
フルギド化合物と混合して中間色を得るために好適に使用されるクロメン化合物は、下記式(5)で示すことができる。
【0046】
【化14】
【0047】
〔但し、R14、R15、R16およびR17は、それぞれ同一または異なる水素原子、アルキル基、アリール基、置換アミノ基または飽和複素環基であり、R16およびR17は、一緒になって環を形成していてもよく、
【0048】
【化15】
【0049】
で示される基は、それぞれ置換されていてもよい芳香族炭化水素基または不飽和複素環基である。〕
上記式(5)中、R14、R15、R16およびR17で示されるアルキル基、アリール基は、前記一般式(4)について説明したアルキル基およびアリール基を採用でき、置換アミノ基は、上記したようなアルキル基またはアリール基で水素原子の少なくとも1つが置換されたアミノ基を挙げることができ、また、飽和複素環基は、ピロリジン環、イミダゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等の窒素原子、酸素原子、またはイオウ原子を環構成原子として1〜2個含む5〜6員環から誘導される一価の基を挙げることができる。
【0050】
上記一般式(5)中、R16およびR17が一緒になって形成する環は、ノルボルニリデン基、ビシクロ[3.3.1]9−ノニリデン基等をあげることができる。
【0051】
また、一般式(5)中、
【0052】
【化16】
【0053】
で示される芳香族炭化水素基または不飽和複素環基は、前記一般式(4)における基と同様であり、これらの各基の置換基は特に制限されないが、例えば、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子:メチル基、エチル基等の炭素数1〜20のアルキル基:メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基:フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基:アミノ基:ニトロ基:シアノ基等を例示することができる。
【0054】
クロメン化合物としては、特にR14およびR15は共に水素原子であり、R16およびR17は、それぞれ同一または異なる炭素数1〜4のアルキル基であるか、これらが一緒になって形成されたビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン基またはノルボルニリデン基であり、
【0055】
【化17】
【0056】
は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜20のアルコキシ基で置換されていてもよいナフタレン環から誘導される基である化合物が好適に使用できる。
【0057】
本発明において好適に使用できるフルギド化合物およびクロメン化合物を示すと、次のような化合物を例示することができる。
【0058】
フルギド化合物:
1)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカン)
2)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−2−(p−メトキシフェニル)−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカン)
3)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカン)
4)6,7−ジヒドロ−N−メトキシカルボニルメチル−4−メチル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカン)
5)6,7−ジヒドロ−4−メチル−2−(p−メチルフェニル)−N−ニトロメチルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカン)
6)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−シクロプロピル−3−メチルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカン)
7)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−シクロプロピル−スピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカン)
クロメン化合物:
1)スピロ〔ノルボルナン−2,2′−〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン〕
2)スピロ〔ビシクロ〔3.3.1〕ノナン−9,2′−〔2H〕ベンゾ〔f〕クロメン〕
3)7′−メトキシスピロ〔ビシクロ〔3.3.1〕ノナン−9,2′−〔2H〕ベンゾ〔f〕クロメン〕
4)7′−メトキシスピロ〔ノルボルナン−2,2′−〔2H〕ベンゾ〔f〕クロメン〕
5)2,2−ジメチル−7−オクトキシ〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン
またフルギド化合物、クロメン化合物の他にスピロオキサジン化合物(以下オキサジン化合物と略す)を用いても良い。オキサジン化合物は、スピロオキサジン骨格を有し、フォトクロミック性を有する公知の化合物が何等制限なく採用でき、下記一般式(6)で示されるスピロオキサジン化合物が好適に使用される。
【0059】
【化18】
【0060】
ここで、一般式(6)において、R18、R19およびR20は、それぞれ同一または異なるアルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基、アシル基、アシロキシ基またはアミノ基であり、R19およびR20は、一緒になって環を形成してもよく、R18、R19およびR20は置換基を有してもよく、置換基としては上記のような基のほかに、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基または複素環基等が上げられる。また、
【0061】
【化19】
【0062】
で示される基は、それぞれ置換されていてもよい芳香族炭化水素基または不飽和複素環基であり、
【0063】
【化20】
【0064】
で示される基は、それぞれ置換されていてもよい芳香族炭化水素基または不飽和複素環基である。置換基としては上記のR18、R19およびR20で述べたものと同じ基を選択できるが、中でも
【0065】
【化21】
【0066】
(但し、R21およびR22は置換されても良い、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基等であり、またR21およびR22は互いに結合、環化し、含窒素複素環を形成しても良い。)
で示される基が初期のフォトクロミック性能においてその発色濃度が高い点で好適である。
【0067】
本発明において、好適に使用できるオキサジン化合物を具体的に示すと、次のような化合物を例示することができる。
【0068】
1)6’−フルオロ−1’−メチル−8''−メトキシ−6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
2)1’−メトキシカルボニルメチル−8''−メトキシ−6''−(4−メチルピペラジノ)ジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
3)5’−フルオロ−1’−メチル−6''−ピペリジノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
4)1’−メチル−8''−メトキシジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(2,3−a)(1,4)オキサジン)
5)6’−フルオロ−1’,7’−ジメチル−6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
6)6’−フルオロ−1’,5’−ジメチル−6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
7)6’−フルオロ−1’−イソブチル−6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H) ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
8)6’−フルオロ−5’−メチル−1’−イソブチル−6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
9)6’−フルオロ−5’−メチル−1’−ネオペンチル−6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
10)1’,3’,3’−トリメチル−6''−ピペリジノジスピロ((3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
11)3’,3’−ジメチル−1’−イソブチル−ジスピロ((3H)インドー ル−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
12)1’,3’,3’−トリメチル−ジスピロ((3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
本発明において、(B)成分であるフォトクロミック化合物の配合比は、低配合量であっても(C)成分のエポキシ化合物及び(A)成分のジ(メタ)アクリレート系単量体の寄与によりフォトクロミック性能の可逆的な耐久性を損なうことないが、あまりに多いときにはフォトクロミック化合物の凝集が起き、耐久性が急激に低下する。このため、(A)成分の多官能性(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して、フォトクロミック化合物は、通常、0.001〜10重量部の範囲で用いられ、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部の範囲で用いられ、この範囲において最も良好なフォトクロミック性能が得られる。
【0069】
本発明の組成物中に(C)成分のエポキシ化合物を配合することにより、その硬化体において、(B)成分のフォトクロミック化合物の内、特にフルギド化合物の可逆的な耐久性を向上させることができる。又、(B)成分のフォトクロミック化合物の内特にスピロオキサジン化合物のソルバトクロミズム現象(紫外線を照射しない状態でも発色する現象)も抑える事ができる。本発明で用いられる(C)成分のエポキシ化合物は、公知の化合物を何ら制限なく採用される。例えば、一価、二価、三価アルコール等のアルコール性水酸基含有化合物、または、フェノール、ハイドロキノン等のフェノール性水酸基含有化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物、あるいは、安息香酸、テレフタル酸等のカルボン酸とエピクロロヒドリンとの反応生成物を挙げることができる。このような化合物は、下記一般式で表すことができる。
【0070】
【化22】
【0071】
(但し、Aは、k価のアルコール性水酸基含有化合物の残基、k価のフェノール性水酸基含有化合物の残基、または、k価のカルボン酸残基であり、R23は水素原子またはメチル基であり、kは1〜4の整数である。)
本発明においてエポキシ化合物は、分子中に少なくとも1個の重合性基をも有するものであることが好ましい。このような重合性基とエポキシ基とを有する化合物を使用し、フォトクロミック化合物との組成物を重合してフォトクロミック硬化体を製造すれば、分子中に少なくとも1個の重合性基と少なくとも1個のエポキシ基とを有する化合物が重合して高分子マトリックスに固定されるために、このような化合物を大量に使用してもフォトクロミック硬化体の物性を損なうことがないためである。
【0072】
重合性基としては、一般には、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等をあげることができるが、良好なフォトクロミック物性を得るためにはアクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。
【0073】
エポキシ化合物の中で、重合性基を有さない化合物として、本発明において好適に使用できる化合物を示せば、前記した式において、kは1または2であり、Aは、kが1のときは水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキル基、−R−(OR)l−OH(但し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、lは1〜20の整数である。)で示される基、水酸基で置換されていてもよい炭素数6〜7のシクロアルキル基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、またはカルボキシル基で置換されていてもよいベンゾイル基であり、kが2のときは水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキレン基、−R−(OR)l−(但し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、lは1〜20の整数である。)で示される基、水酸基で置換されていてもよい炭素数6〜7のシクロアルキレン基、水酸基で置換されていてもよいフェニレン基、またはフタロイル基、イソフタロイル基、もしくはテレフタロイル基、または
【0074】
【化23】
【0075】
である化合物である。
【0076】
また、エポキシ化合物の中で、少なくとも1個の重合性基をも有する化合物として、本発明において好適に使用できる代表的な化合物は一般式で示すと次の通りである。
【0077】
【化24】
【0078】
(ただし、R24およびR27は、それぞれ水素原子またはメチル基であり、R25およびR26は、それぞれ同種または異種のヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基、または
【0079】
【化25】
【0080】
であり、mおよびnは、それぞれ0または1である。)
上記式中のR25及びR26で示されるアルキレン基は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等を例示することができる。
【0081】
エポキシ化合物として、本発明において好適に使用できる化合物を具体的に示すと次のとおりである。分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有するが、重合性基を有さない化合物としては、例えば、エチレングリコールグリシジルエーテル、プロピレングリコールグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAまたは水素化ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物、テレフタル酸ジグリシジルエステル、スピログリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0082】
また、分子中に少なくとも1個の重合性基と少なくとも1個のエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4−グリシジルオキシブチルメタクリレート、3−(グリシジル−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−(グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のメタクリレートまたはアクリレートをあげることができる。
【0083】
本発明のエポキシ化合物の配合比は、フォトクロミック硬化体を使用する用途に合わせ適宜使用量を決めれば良いが、わずかな量を用いることで効果を発揮するため、配合比は幅広い中から選択することができる。一般には(A)成分の多官能性(メタ)アクリレート系単量体100重量部中に、エポキシ化合物を0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部使用すれば本発明の効果は発揮される。但し、重合性基を有さないエポキシ化合物を用いる場合、重合性基を有さないエポキシ化合物の量があまりにも多すぎると硬化体の硬化の妨げになるため、全ラジカル重合性単量体100重量部中に0.1〜1重量部の範囲であることが好適である。
【0084】
本発明中の(D)成分である染料及び又は顔料を配合することにより、その硬化体において、眩しさやコントラスト低下をその症状とする眼疾患者に対して目の保護、防眩効果又はちらつきのない視界を確保する事ができる。本発明で好適に用いられる(D)成分の染料及び又は顔料を具体的に例示すると次のとおりである。尚、以下の名称は商品名である。三井東圧染料株式会社製の着色油溶性染料でイエロー系染料としてはPS Yellow S−K、PS YellowGG、PS Yellow S−3G、PS Yellow S−G、PS Orange GG、PS OrangeHG、レッド系染料としてはPS Red G、PS Red HGG、PS Red GG、PS Brilliant Red FG、PS Brilliant Red HEY、PS Red BB、PS Red EB、PS Brilliant Pink FFR、PS RED VC、バイオレット系としてPS Violet RR、PSViolet RC、ブルー系としてPS Blue 3R、PS BlueBN、グリーン系としてPS Black ME−1、PS Black ME−3などが挙げられる。さらに、日本化薬株式会社製染料としてRed A−G、Red A−2G、Yellow A−G、Orange A−N、Blue A−2R、Blue A−D、Red A−BR、Violet A−Rなどが挙げられる。
【0085】
本発明の組成物における染料又は顔料の配合量は、フォトクロミック硬化体の用途に合わせて適宜決めればよいが、(A)の多官能性(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して、0.001重量部より少ない場合は、防眩効果が発揮できない。また、1重量部より多い場合はフォトクロミック硬化体の耐衝撃性などのレンズ物性が低下する。本発明においては、効果をより発揮するために、染料又は顔料の配合量は、(A)の多官能性(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して、0.005〜0.1重量部とする。
【0086】
本発明の組成物において、上記した(A)、(B)、(C)及び(D)成分の他に(E)成分として単官能性(メタ)アクリレート系単量体及び/又はスチリル系単量体を、目的に応じて添加しても良い。好適に用いられる単量体を例示すれば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロメチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート系単量体;ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシ・ポリエトキシフェニル)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシ・ポリプロポキシフェニル)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、2,2’−ビス(3,5−ジブロモ−4−メタクリロイルオキシエトキシ)プロパンのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、水素添加ビスフェノールAエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物のアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンポリエトキシジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール又はポリエチレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物、プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物、ビスフェノールAエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物とグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物、水素添加ビスフェノールAエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物とグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物;スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、ブロモスチレン、ジビニルベンゼン等のスチリル系単量体である。
【0087】
これらの単官能性(メタ)アクリレート系単量体及び/又はスチリル系単量体は一種または二種以上を混合して使用でき、その配合比は使用する用途に応じて、決定していけばよいが、あまり多すぎると本発明の効果を損ねるため、全ラジカル重合性単量体100重量部中に、通常0〜35重量部、好ましくは0〜25重量部、より好ましくは0〜15重量部になるように選択するのが好適である。
【0088】
本発明の多官能性(メタ)アクリレート系単量体、エポキシ化合物及びフォトクロミック化合物を混合して組成物とする際の順序としては、予め多官能性(メタ)アクリレート系単量体とエポキシ化合物を十分混合攪拌した後、フォトクロミック化合物を添加する方法が好ましい。その理由としては本発明で使用するフォトクロミック化合物のうち特にスピロオキサジン化合物と多官能性(メタ)アクリレート化合物を先に混合すると混合溶液が着色し、光又は混合溶液中に含まれる酸素等の不純物の影響により、着色状態のスピロオキサジン化合物が劣化しやすいためである。染料及び又は顔料の混合順序としては特に制限はない。
【0089】
本発明のフォトクロミック組成物には、更に離型剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、帯電防止剤、香料等の各種安定剤、添加剤を必要に応じて混合して使用することができる。
【0090】
上記した紫外線安定剤を混合して使用するとフォトクロミック化合物の耐久性をさらに向上させることができるために好適である。特に、フルギド化合物は、紫外線安定剤による耐久性向上の効果が大きいために、前記したようなフルギド化合物とクロメン化合物とを混合して使用する場合にこれらの化合物の中間色の経時的な変化を良好に防止することができる。
【0091】
紫外線安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノール光安定剤、イオウ系酸化防止剤を好適に使用することができる。
【0092】
紫外線安定剤の使用量は特に制限されるものではないが、通常は、全ラジカル重合性単量体100重量部に対して各紫外線安定剤の配合量が0.001〜10重量部、さらに0.005〜1重量部の範囲であることが好適である。
【0093】
更に又、赤外線吸収剤を混合して使用すると、フォトクロミック作用の他にも赤外線吸収能も有するフォトクロミック硬化体を得ることができる。赤外線吸収剤としてはポリメチン系化合物、ジイモニウム系化合物、シアニン系化合物、アントラキノン系化合物、アルミニウム系化合物が使用できるが、分子吸光係数が大きく、少量の添加で効果を発揮するジイモニウム系化合物が好適である。
【0094】
赤外線吸収剤の配合量は、全ラジカル重合性単量体100重量部に対して、0.0001〜1重量部、さらに0.001〜0.01重量部であることが好ましい。
【0095】
本発明のフォトクロミック重合性組成物から硬化体を得る重合方法は特に限定的でなく、公知のラジカル重合方法を採用できる。重合開始手段は、種々の過酸化物やアゾ化合物などのラジカル重合開始剤の使用、又は、紫外線、α線、β線、γ線等の照射あるいは両者の併用によって行うことができる。代表的な重合方法を例示すると、エラストマーガスケット又はスペーサーで保持されているモールド間に、ラジカル重合開始剤を混合した本発明のフォトクロミック重合性組成物を注入し、空気炉中で酸化させた後、取り外す注型重合が採用される。
【0096】
ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、公知のものが使用できるが、代表的なものを例示すると、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等をあげることができる。
【0097】
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合条件や開始剤の種類、前記の単量体の組成によって異なり、一概に限定できないが、一般的には、全ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部の範囲が好適である。
【0098】
重合条件のうち、特に温度は得られるフォトクロミック硬化体の性状に影響を与える。この温度条件は、開始剤の種類と量や単量体の種類によって影響を受けるので一概に限定はできないが、一般的に比較的低温で重合を開始し、ゆっくりと温度を上げていき、重合終了時に高温下に硬化させる所謂テーパ型の2段重合を行うのが好適である。重合時間も温度と同様に各種の要因によって異なるので、予めこれらの条件に応じた最適の時間を決定するのが好適であるが、一般に2〜40時間で重合が完結するように条件を選ぶのが好ましい。
【0099】
さらに、上記の方法で得られるフォトクロミック硬化体は、その用途に応じて以下のような処理を施すこともできる。即ち、シランカップリング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、アルミニウム、スズ、タングステン等のゾルを主成分とするハードコート剤や、SiO2、TiO2、ZrO2等の金属酸化物の薄膜の蒸着や有機高分子の薄膜の塗布による反射防止処理、帯電防止処理等の加工および2次処理を施すことも可能である。
【0100】
【発明の効果】
本発明のフォトクロミック組成物を重合して得られる硬化体は、フォトクロミック作用の耐久性に優れるばかりでなく、成形性が優れ、硬化体の長期保間に対しても初期のフォトクロ性能を保つことができる。さらに表面硬度、耐溶剤性、耐熱性、耐衝撃性、及びコート性に優れたフォトクロミック硬化体を得ることができる。
【0101】
したがって、本発明のフォトクロミック組成物を重合して得られる硬化体は、室内で選択的波長の遮光及びコントラスト機能を有し、室外においても上記の機能に加え、光の量を調整する遮光精度を有する眩しさやコントラスト低下をその症状とする眼疾患用眼鏡レンズとして有用である。
【0102】
【実施例】
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0103】
以下の例で使用した化合物は下記のものである。
【0104】
(A)多官能性(メタ)アクリレート:
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
4G:テトラエチレングリコールジメタクリレート(ポリエチレングリコールジメタクリレートの混合物で、オキシエチレン鎖の平均モル数が4である単量体)(B)フォトクロミック化合物
フルギド化合物;
F1:N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカン)
F2:N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−2−(p−メトキシフェニル)−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカン)
クロメン化合物;
C1:スピロ〔ビシクロ〔3.3.1〕ノナン−9,2′−〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン〕
スピロオキサジン化合物;
S1:6’−フルオロ−1’,7’−ジメチル−6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン)
(C)エポキシ化合物:
GMA:グリシジルメタクリレート
BPMGMA:ビスフェノールA−モノグリシジルエーテルメタクリレート
(D)染料
S−K:PS Yellow S−K
G:PS Red G
RR:PS Blue RR
(E)単官能性(メタ)アクリレート系単量体及びスチリル系単量体
MS:α−メチルスチレン
MSD:α−メチルスチレンダイマー
実施例1
表1に示した各種の多官能性(メタ)アクリレート、エポキシ化合物と単官能性(メタ)アクリレート系単量体及びスチリル系単量体成分を室温で2時間混合攪拌した。その混合溶液の中に、クロメン化合物:C1を0.05重量部、フルギド化合物:F2を0.07重量部、スピロオキサジン化合物:S1を0.05重量部、と染料としてS−Kを0.03重量部、Gを0.002重量部、RRを0.001重量部、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートを1重量部添加してよく混合した。この混合液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中へ注入し、注型重合を行った。重合は空気炉を用い、30℃から90℃で18時間かけ、徐々に温度を上げていき、90℃に2時間保持した。重合終了後、鋳型を空気炉から取り外し、放冷後、硬化体を鋳型のガラス型から取り外した。
【0105】
得られたフォトクロミック硬化体のフォトクロミック特性、及び分光特性を以下の方法で試験した。結果を表1に示した。
【0106】
(1)発色濃度
得られたフォトクロミック硬化体(厚み2mm)に浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介して20℃±1℃、フォトクロミック硬化体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm2,245nm=24μW/cm2で120秒間照射して発色させ、ε(120秒)−ε(0秒)の値を求め、発色濃度とした。但し、ε(120秒)は、最大吸収波長におけるフォトクロミック硬化体の上記条件下での光照射120秒間の後の吸光度であり、ε(0秒)は、光照射時の最大吸収波長における未照射硬化体の吸光度である。疲労寿命試験を行う前の初期発色濃度は表1中の発色濃度で示した。
【0107】
(2)耐久性
スガ試験機(株)製キセノンフェードメーターFAC−25AX−HCにより疲労寿命を測定した。フォトクロミック特性の疲労寿命は、重合体をキセノンフェードメーターに200時間照射した後、上記(1)記載の方法にて硬化体を発色させ、その時のフォトクロミック化合物に基づく最大吸収波長における吸光度を、フェードメーター照射前の発色での吸光度に対する割合で表した。表1中では疲労寿命試験後のA200/A0(%)がこれに相当する。染料の疲労寿命は、上記と同様に重合体をキセノンフェードメーターに200時間照射した後の550nmの透過率で示した。表1では疲労試験寿命後のT200/550nmがこれに相当する。疲労寿命試験前のT0/550nmは重合体をキセノンフェードメーターに照射する前の550nmの透過率である。
【0108】
【表1】
【0109】
実施例2
実施例1において、フォトクロミック化合物を表2に示したフォトクロミック化合物に変えた以外は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示した。
【0110】
【表2】
【0111】
比較例1
実施例1において、染料を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして表1中、No.1に示す単量体、エポキシ化合物及びフォトクロ化合物を用いて、硬化体を得た。その後、表1中、No.1で得た硬化体と同じ光線透過率を示すように実施例1と同じ染料を用い、後染色法により染色した。得られたフォトクロミック硬化体のフォトクロミック特性、及び分光特性を試験した。後染色法によると、フォトクロミック化合物はまったく発色しなかった。結果を表3に示した。
【0112】
【表3】
【0113】
比較例2
実施例1において、エポキシ化合物を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして表1中、No.1に示す単量体を用い、実施例1と同様に実施した。エポキシ化合物を使用しなかった場合はフォトクロミック化合物の耐久性が極端に低下した。結果を表4に示した。
【0114】
【表4】
Claims (2)
- 眼疾患用眼鏡レンズを製造するために使用されるフォトクロミック重合性組成物であって、
(A)多官能性(メタ)アクリレート系単量体 100重量部
(B)フォトクロミック化合物 0.001〜10重量部
(C)分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物 0.1〜30重量部
(D)染料及び又は顔料 0.005〜0.1重量部
を含むことを特徴とする組成物。 - 請求項1記載の組成物の硬化体からなる眼疾患用眼鏡レンズ。
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