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JP3645271B2 - アーク炉を有する製錬装置 - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野
この発明は、アーク炉を有する製錬装置に関する。
従来の技術
上述した種類の製錬装置は国際特許公開公報第90/10086号(WO90/10086)に開示されている。従来の製錬装置においては、容器カバーの外側部分はシャフトに置き換えられている。シャフトは保持構造へ固定されており、その上側領域に、供給材料のための閉じることのできる充填開口部と、ガス流通開口部とを有している。高温の炉ガスはシャフトを介して排出され、シャフトの中に設置されている充填材料を熱交換により加熱するようになっている。これによって、かなりのエネルギを節約することが可能となる。
すぐあとに引き続いて充填を行うことなく製錬プロセスを実行できるようにするためには、タップオフしようとする液体金属の重量に対する充填材料の全体量が、炉とシャフトから成る全体容積にぴったりと合っていることが好ましい。そのために、そしてシャフトの高さを制限するという別の必要性に関連して、シャフトの断面は矩形で、また平面図視において炉容器は一方の側が直線から形成された楕円形の形状を有しているのが好ましい。このため、広く広がった円形の容器形状と違って、下側の容器形状を含めて、新たな容器形状を採用することが必要になる。
従来の製錬装置においては、容器カバー全体が、シャフトを搭載している保持構造といっしょに、あるいは独立に、容器に対して可動になっている。容器カバーを保持構造へ解放可能な状態で固定して、シャフトを含めた容器カバーを炉容器に対して回動可能にするか、あるいは直線的に可動にすると都合がよいことがわかっている。最後に述べた構造においては、目的とする特定の供給材料をシャフトを介して炉容器の異なる領域へ充填することが可能になる。
従来の製錬装置の場合には、シャフトの下側領域に設けられた保持部材によって、シャフトの中のスペースの充填材料が保持され、充填材料を溶融したあとの精錬のときに高温の排気ガスを供給材料の予加熱に利用することができる。
その種の保持部材が国際特許公開公報第95/04910号(WO95/04910)に詳しく開示されている。本願においてはこれを特に参照している。
ドイツ連邦共和国公開特許公報第4332913号(DE−A−43 32 913)は円形の炉容器を閉じるための容器カバーが第1及び第2のカバー部分を有しているアーク炉を備えた精錬装置を開示している。これらの2つのカバー部分の各々には供給材料を炉容器に充填するための供給開口部が設けられている。炉容器内に充填される供給材料を予熱するため、これらの供給開口部の上方にはシャフトの形態の貯蔵コンテナがそれぞれ設けられている。これらはアーク炉の上方でホールプラットフォーム(hall platform)に固定されており、供給材料を充填した高重量のコンテナが炉容器と独立してプラットフォームにより直接支持できるようになっている。
上記公報の実施形態において、炉カバーは電極支持アームの方向で分割されており、独立したウィング内において上側の容器部分から離れる方向に回動可能である。これによって、特定の場合や、炉の検査の場合にも上側容器部分を開くことができるようになっている。炉のプラットフォームに懸架された貯蔵コンテナをも回動できるようにはなっていない。回動により離れることができるカバー半割部間には単一の電極開口部だけが存在する。電極を支持する電極支持アームは、該電極支持アームを囲みかつ炉プラットフォームに懸架された貯蔵コンテナによって、側方へ離れて回動することはできなくなっている。従って、このためにスクラップバスケットによる炉容器内への供給材料の直接充填は行えない。
この発明の目的は、既存の設備においてトライ・アンド・テストされた技術を利用することである。既存の設備のコンポーネントをできる限り多く使用できるように、また製錬装置が設置されている建物をあまり変更する必要がないような形で、既存のアーク炉を最小限のコストで改造するようにしている。この点に関しては、特別の問題がある。すなわち、電極が容器カバーの中心に配置されているような円形あるいは楕円形の炉容器を有する従来のアーク炉の場合には、充填材料の予熱装置として使用され容器カバーの外側部分として電極の側に配置されるシャフトに必要なスペースが制限され、中でも特に建物の高さが非常に制限されるため、加熱しようとする充填材料に対するシャフトに十分な容積を提供することが不可能である。炉容器は一つの部分から成っている場合もあるし、スラグラインの上方において、下部容器(下側容器部分)と上部容器(上側容器部分)とに分割されている場合もある。炉カバーは一般にアーチ形状を有しており、電極のための同心状に配置された三つの通路部材を有しているか(三相炉の場合)、あるいは中心に一つの通路部材を有している(dc炉の場合)。これらの通路部材は電極開口部と称される。
発明の説明
この発明の目的は、既存のアーク炉の部品をできる限り多く使用するように、すなわち交換あるいは変更する部品の数ができる限り少なくなるような形で、請求項1の分類部分に述べられているような種類の製錬装置を構成することである。
この発明は、電極が中心領域に同心状に配置される円形のあるいは楕円形の下側容器部分を有するアーク炉の場合に、電極の配置や建物の高さによってスペースが制限されているという条件のもとで、加熱しようとする充填材料に対して、できる限り充填後の作業を行うことなく製錬プロセスを実行できるような十分なシャフト容積を設けることを目的としている。
充填材料を保持するためにシャフトの中に設けられている保持部材を、関係する特定の要因に適合させている。
この発明はまた、この発明による解決策によって、カバーの領域で炉ガスが発生しないようにすることを目的としている。
この発明の特徴は請求項1もしくは請求項2に記載されている。この発明の有利な構成は他の請求項に記載されている。
予熱すべき充填材料のための適切な容積を、容器カバーの上で電極の側に配置されているシャフトの中に提供するためには、選択されたシャフト断面を非常に大きくすることによって、平面視において、少なくともシャフト上部の、電極開口部から遠い側のシャフト壁の内側輪郭が、下側容器部分の上端の内側輪郭の外側に配置されるようにする。その部分のシャフトの断面形状は矩形形状であるか、あるいは台形形状のラインから成っている。シャフトの下方領域における上側容器部分の部分に対するこの発明の構造では、すなわちその上端からその下端まで収束するような形状を有する壁部分を有する上側容器部分の設計構造によれば、下側容器部分の内側輪郭の外側に配置されるシャフト壁から、下側容器部分、すなわち炉床の上端の内側輪郭への遷移を行っている。この構造によれば、充填材料はシャフトの外側領域から下側容器部分の中へ妨げられることなくガイドされる。矩形形状を有するシャフト形状から、円形あるいは楕円形の炉容器への遷移は、例えば矩形−楕円形−円形の断面あるいは矩形−多角形−円形の断面など様々な方法で実現が可能である。収束形状を有する壁部分は、上側容器部分の他の部分と同様に、通常は、水冷式の壁パネルによって形成されている。この壁パネルは、供給材料がシャフトを介して充填されると、円形あるいは楕円形の断面を有する下側容器部分(炉床)へその材料を供給する。
平面視において下側容器部分の上端の内側輪郭の外側に位置するシャフト壁の内側輪郭から、円形あるいは楕円形の下側容器部分の上端への遷移は、電極開口部から離れれているシャフト壁が容器の中心(容器の中心線)の方へあるいは上側容器部分の上端の方へ向けて内側へ傾斜してガイドされることによって、上側容器部分の上端の上方で、すなわち容器の端部の上方ですでに始まるようにできる。こうした構造は、収束形状を有する楕円形状の壁部によって、あるいは電極から離れたシャフト壁に対して、水平方向の断面が直線状であるような形状から多角形形状(好ましくは台形形状)へ遷移するようにする平坦部材によって、シャフト下部に設けることができる。電極から離れたシャフト壁の下端は容器の上端の内側輪郭にほぼ等しい内側輪郭を有していることが好ましい。その輪郭は、シャフトがその上に配置されている第2のカバー部分の輪郭にも対応している。
この発明による製錬装置においては、改造するときに、下側容器部分や電極の引き上げ及び回動機構を含む炉構造の全体を使用し続けることができる。
矩形の断面から円形の容器断面への収束変遷が、例えば上側シャフト開口部のすぐ下側など、シャフト上部ですでに始まっている場合には、電極開口部に近い側のシャフト壁は電極開口部から遠い側のシャフト壁と平行に延びていて、シャフトの内側断面が下方へ向けて小さくならないようになっていなければならない。
従って、シャフト上部において矩形形状を有しているシャフトの電極開口部から遠い側の直線的断面形状が、好ましくは台形形状のラインから成る多角形形状へ変換される場合には、それと平行して、電極開口部に近い側のシャフト壁にもそれが必要とされる。言い換えると、電極開口部に近い側のシャフト壁の直線的な形状は、同じような形で容器の中心の方へ向けて収束する形状で、問題としている多角形形状へ変換されなければならない。従って、シャフト下部の断面形状は、側壁形状に接続されている二つの平行な多角形あるいは台形のラインによって形成されている。シャフト下部において、電極 開口部から遠い側のシャフト壁と、それと隣接する側方のシャフト壁が、円形あるいは楕円形の容器の上端の方へ向けて収束するような壁部分によって形成されていると、改造作業において、既存の円形あるいは楕円形の上側容器部分を使用し続けることさえ可能である。この解決策は、アーチ形状のカバーと、保持部材を備えたシャフトを有するアーク炉に関して、特に重要な意義がある。
この発明の別の側面においては、電極開口部を有する第1のカバー部分と、シャフトを有する第2のカバー部分が、カバーギャップによって互いに離間されており互いに独立に容器に対して水平方向に可動なユニットの形を有している。この場合には、古いカバーの各部分を、改造するときになおも使用することができる。
容器に対して水平方向に回動可能あるいは移動可能な二つの相互に独立なユニットに分離することによって生じるカバーギャップは、必要であれば簡単な方法でシールすることができる。従って、単一のユニットから成るカバーに比べて、炉ガスが逃げることによって生じる環境汚染の危険性がない。
保持部材の特定の構造及び配置によって、矩形から円形への変遷が考慮されている。
【図面の簡単な説明】
この発明を10の図を参照しつつ4つの実施形態によって、より詳しく説明する。図面において、
図1は、容器カバーを閉じた状態にあるこの発明の製錬装置の側面図であり、
図2は、シャフトを含む第2のカバー部分を取り除いた状態にある図1の装置を示しており、
図3は図2に示されているシャフトのIII−III線断面での製錬装置の平面図で、第1のカバー部分は回動して開けられて、シャフトの矩形の断面形状から円形の下側容器部分へ遷移する途中の楕円形状を示しており、
図4は図3のIV−IV線断面図であって、容器カバーは閉じた状態、すなわち電極を含めて第1のカバー部分を回動して閉じ、第2のカバー部分を内側へ移動した状態にあり、。
図5は図4の一部の拡大図であり、
図6は第2の実施の形態の図3に対応した図であって、シャフトの矩形形状から円形の炉容器への遷移部が保持部材の下方のシャフト下部で始まる多角形形状をなしており、
図7は第3の実施の形態の図3に対応した図であって、シャフトの矩形形状から円形の炉容器への遷移が保持部材の上方のシャフト上部ですでに始まっており、
図8はこの実施の形態の図4に対応した図であり、
図9は、図8のIX−IX線断面の主要部を示しており、
図10は第3の実施の形態の変形に対する図8に対応した図であって、円形の炉容器は、収束形状の壁部分を有していない。
発明を実施するための手段
第1の実施形態として図1〜図5に示されている製錬装置は、アーク炉1を有している。アーク炉1は炉クレードル2の上に取り付けられた炉容器3と、炉容器3の上端を覆っているアーチ形状の容器カバー4とを有している。炉容器3は、溶融金属を受容するため、レンガでライニングされた炉床を形成する下側容器部分5と、通常は水冷式の部材から形成されている上側容器部分6とを有している。特に図3〜図5からわかるように、容器カバー4は第1のカバー部分7と第2のカバー部分8とを有している。第1のカバー部分7は図3においては外側へ回動された状態が示されている。第2のカバー部分8は、シャフト9、あるいはシャフト9の下部を収容しているフレーム10の下側端部によって実質的に形成されている(図1及び図2)。図1においては二つの部分から成る容器カバーは閉じられており、図2においてはシャフト9を含む第2のカバー部分は伸びている。
特に図3〜図5に示されているように、図面において炉容器の中心の右側に示されている部分は、従来のアーク炉に対応しており、円形の炉容器と電極12とを有している。電極12は炉容器の中へ、容器中心11(容器の中心軸、図3及び図4を参照のこと)に対して同心位置に移動することができる。円形の容器形状を有するアーク炉の通常の構造と比べると、図面において電極12の左側に示されている部分のみが、下側容器部分の上方において変形されている。
第1のカバー部分7はアーチ形状を有しており、いわゆるカバー中心部あるいはコア部分13を有している。コア部分13は三つのアーク電極12を受容するための電極開口部14(図5)を有している。電極12は三相アーク炉の通常の三角形配置で容器の中へ挿入される。電極12は電極キャリヤーアーム15へ取り付けられており、電極引き上げ及び回動機構16によって、上昇/下降と、側方への回動が可能になっている。第1のカバー部分7はカバー引き上げ及び回動機構17によって引き上げることができ、図4及び図5に示されている位置から引き上げることができる。その位置においては、第1のカバー部分7は容器の端部の上にあり、図3に示されている位置まで側方へ回動して、例えば上方からバスケットで充填するために炉容器を開けることができる。最適なカバー引き上げ及び回動機構は例えば欧州特許公報第0203339号(EP−0203339)に開示されている。
図示した実施形態においては、炉容器3だけでなく、カバー引き上げ及び回動機構17と電極引き上げ及び回動機構16も炉クレードル2へ取り付けられていて、炉容器を電極といっしょに傾斜させることができるようになっている。
転換作業において電極機構を変更する必要がないようにするために、第1の実施形態における構造は、第1のカバー部分が弦18によって限定される楕円形19の形状をしており、通常の電極構造を有している。第1のカバー部分が炉容器へ取り付けられているとき、弦18は傾斜方向になければならない。すなわち図2おいて紙面と直角な方向になければならない。これによって、カバー部分7を閉じてしかもカバー部分8が位置ずれすることなく炉容器を傾斜させて、タップオフ作業や、スラグの除去作業を行うことができる。その状況では、シャフト9は若干上昇させるだけでよい。このため、放射による熱損失が低減し、あるいは高温の炉ガスの大部分が予熱用シャフトの中へ流れる。シャフト9を上昇させたときにシャフトの下端もしくは第2のカバー部分8と容器端部(図5における39)との間に生じるギャップは、エプロンか、あるいはシャフトや容器端部へ取り付けられた他の手段によってシールすることができる。
シャフト9は、かごのようにシャフト9を閉じ込めることのできるフレーム構造20の中に固定される。図1及び図2に示されている第2のカバー部分のフレーム10はこのフレーム構造の一部である。シャフト9を搭載している、図面では概略を示したフレーム構造20は保持機構21に取り付けられていて、フレーム構造20は引き上げ装置22によってシャフトといっしょに上昇及び下降することができるようになっている。そのために、フレーム構造の横ビーム部材23には、保持構造21に支持された引き上げ装置22に対する係合箇所24が設けられている。こうして、横ビーム部材23と、シャフトを搭載しているフレーム構造20とを、図1に示されている下側の位置から図2に示されている上側の位置まで引き上げることができるようになっている。その状況においては、必要なガイドはガイドバー25によって与えられる。
シャフト9を有する保持機構21は水平方向に移動可能である。そのために、支持構造26の上にはレール27が設けられており、保持機構21には、保持機構21の水平方向の移動を可能にするホイール28が設けられている。
シャフト9の上部はシャフトカバー29によって閉じられている。シャフトカバー29は図示した実施形態においてはレール30の上で水平方向に移動できるようになっており、クレーン31(図4)によって、充填のために上側のシャフト開口部を開けられるようになっている。図1においては後ろ側になる側において、カップ状あるいはドーム状の構造を有するシャフトカバー29はガス流通開口部32を有している。ガス流通開口部32はシャフト9とフレーム10が図1の位置にあるときに排気ガス導管33へ接続される。
図3からわかるように、シャフト9は矩形の断面形状を有している。以下でより詳しく説明するように、このアセンブリが供給材料を保持するための保持部材を有しているときには、シャフトはその下部領域において矩形であることが好ましい。従って、シャフト9は、少なくともその下部領域において矩形形状を有するシャフト壁を有している。シャフト壁は容器カバーを閉じたときには第1のカバー部分7の弦18に隣接する(図1、図4、図5)近い側のシャフト壁34と、弦18から離れている 側のシャフト壁35と、これらの壁を連結する二つの側方のシャフト壁36、37を有している。この構造においては、弦に18に近い側のシャフト壁34は弦18とほぼ同じ長さを有している。すなわち、シャフト壁34は狭いカバーギャップ38が形成される状態で弦18と隣接している。カバーギャップは図5では拡大して示されている。
ここで留意すべきことは、図4及び図5に示されているようなドーム状の容器カバーの場合には、弦は平面図においては単なる直線にすぎないが、実施にはドーム形状の部分に沿ったラインであり、従ってシャフト壁34の下端も同じ形状を有しているということである。
容器カバーを閉じたとき、すなわち図1、図4、図5に示されている状態のときには、容器カバーの外側の輪郭はシャフト壁35の下端と、隣接する二つの側方シャフト壁36、37の下端と、同じく隣接する第1のカバー部分7の楕円形部分19から形成されている。容器の上端39、すなわち上側容器部分6の上端はその輪郭に合わされている。従って、容器の上端39の輪郭は、この実施の形態においては、直線あるいは緩やかな弧40によって形成される楕円形に対応しており、円形のコーナ41を有している。
直線40と楕円形のそれと隣接する部分によって形成された容器の上端の部分から、下側容器部分の円形断面の部分への遷移部は、上側容器部分6の収束形状の壁部分42によって形成されている(図3)。
図5に示されており、すでに説明したように、第1のカバー部分7は第2のカバー部分8から、弦18と平行に伸びるギャップ38によって離間している。その結果、炉容器は炉クレードルによって決まる方向で、容器の中心11から見て、タッピング穴43や作業開口部44が設けられている方向に、シャフト9の隣接するシャフト壁に邪魔されることなく、傾斜させることが可能である。第2のカバー部分8とシャフト9とが支持構造26に搭載されている保持機構の中に固定されていることから、すなわち炉クレードルの上に固定されていないことから、そのカバー部分も傾斜できないようになっている。しかし、第1のカバー部分を炉容器の上に載せ電極を引っ込めた状態で炉容器を若干傾斜できるようにするには、シャフトの下端を容器の上端39から若干引き上げるだけで十分である。
二つのカバー部分の間のギャップ38を介して炉ガスが逃げないようにするために、この発明では、第1及び第2のカバー部分のそれぞれの相互に隣接する端部45、46の少なくとも一方にカバーギャップ38をシールするための手段が設けられている。こうしたシーリング手段について以下で説明する。
このような手段の一つとしては、シーリングガス47がギャップ38の中に吹き込まれる。この目的のために、端部46に沿って、そなわち近い側のシャフト壁34のところにダクト48が設けられている。ダクト48は、カバーギャップ38の方を向いたスリット形状のノズルか、あるいは穴の列を有している。図示した実施形態においては、このダクトは近い側のシャフト壁34へ固定された中空形状のバー部分49によって形成されている。ノズル開口部は中空形状のバー部分の下側に配置されており、参照番号50によって示されている。
追加的な形で使用することのできる別の手段は第1のカバー部分の上端45に設けられた、ストリップ構造51である。ストリップ構造51は冷却用チューブによって形成されている。カバーを閉じたときに、ストリップ構造51は隙間を形成した状態で溝52の中に係合する。この場合には、溝52は中空形状のバー部分49の下側と、中空形状のバー部分49の上に配置された斜めのシール用ストリップ部材53とによって形成されている。
シャフト9には充填材料のための保持部材54(フィンガ)が設けられていることが好ましい。国際特許公開公報第95/04910号(WO95/04910)に開示されている保持部材がその目的に特に適している。
しかしながら、容器の上端39、40、41のそれぞれの輪郭や、収束する形状を有する壁部分42の形状に応じて、これらの保持部材54を特別な構造や形状にすることが必要となる。
シャフトの矩形の断面から、下側容器部分の円形の形まで、楕円形によって変遷する第1の実施形態においては、上側容器部分の収束する形状の壁部分42について、フィンガを解放位置へ回動したときの充填材料のガイドに関連していくつかの別の要求が存在する。外側のフィンガの回転角度は制限されている。
上側容器部分6の壁部分42の形状に合わせるために、この機構は回動可能なフィンガ54のほかに、ディフレクタとして機能する固定フィンガ55も有している。
回動式フィンガ54は互いに平行に離間した状態で配置されており(図3を参照のこと)、シャフト壁35においてフレーム構造20の中に配置されている回転取付具56に取り付けられている。回動式フィンガ54は図5において実線で示されている閉じた状態から、図5において破線で示されている解放位置まで下方へ回動可能である。閉じた状態においては、回動式フィンガの内側部分はシャフトの内部スペースの中へ突き出して、充填材料がそこを通過しないようにする。解放位置においては、回動式フィンガの内側部分は下方を向いており、充填材料はシャフトの中を通過できるようになる。回動式フィンガ54はまた、閉じた状態において、水平方向から約20度下方へ傾斜している。
固定フィンガの形態の別のフィンガ55が側方のシャフト壁36、37に隣接するフレーム構造に弾力的に取り付けられており、シャフト壁36、37を貫いてシャフトの内部へ突き出している。これらのフィンガも互いに離間した状態で配置されている。外側の二つの回動式フィンガ54が閉じた位置(図5における実線)にあるときは、固定フィンガの端部57は回動式フィンガに隣接している。これによって、充填材料の保持部材がシャフトの下部領域に形成される。保持部材はシャフトの断面全体にわたって延びており、高温の炉ガスをシャフトの中に保持されている充填材料のコラム中へ通して、充填材料のコラムを加熱できるようになっている。回動式フィンガ54を、図5において実線で示されている閉じた位置から、破線で示されている開いた位置までいっしょに下方へ回動すると、下方へ落下する材料は回動式フィンガ54と固定フィンガ55の両方によって中心の方へ、すなわち円形の下側容器部分の中へガイドされる。その結果、上側容器部分の壁部分42に過度の大きな負荷が掛からないように保護される。
図6に示されている第2の実施の形態においては、シャフト9の矩形の断面から下側容器部分5の円形の断面への遷移部は、多角形の断面によって形成されている。この実施の形態では多角形断面は台形形状のラインである。さらに、保持部材54の下側のシャフト下部においてシャフト壁35、36や35、37の間のコーナが容器の中心に向けて収束するような形状を有しているので、この遷移部は、上側容器部分の上端39の上方ですでに始まっている。収束形状のシャフト壁部分は参照番号58、59で示されている。これらの壁部分は平坦な面であり、矩形の断面を、シャフト壁35、36、37の断面形状へ変換している。この断面形状は台形形状のラインであり、これは直線部分40a、41aによって、容器の上端39の形状に反映されている。シャフト9の下端の領域における台形形状ラインから成る、上側容器部分の上端39の輪郭から、下側容器部分の円形の断面へのさらなる遷移部が収束形状の壁部分42aによって実現されている。
図6に示されている台形形状においては、ディフレクタとして機能する第1の実施形態における固定フィンガを省略することが可能である。しかし、シャフト壁部分58、59の上方に配置されているフィンガ54は、中央のフィンガに関する限りにおいて、下方へ回動することができない。図6においては、フィンガ54の解放位置は実線で示されており、閉じた位置は破線で示されている。ここで問題としている実施形態においては、シャフト壁36、37のそれぞれに隣接しており図面では最大限に開いた状態が示されている三つのフィンガは、中央のフィンガに関するかぎりにおいて下方へ回動することができない。これは、これらのフィンガは個別に回動駆動される一方で、中央のフィンガはいっしょに回動できることを意味している。
第2の実施形態においては、矩形の断面から円形の断面への遷移部は、保持部材の下側のシャフト下部においてすでに始まっている。一方、電極開口部に隣接するシャフト壁34は第1の実施の形態から変更されていない。それにもかかわらず、シャフト下部における通路の断面は、容器カバーがアーチ状の構造を有しシャフト壁34の下端がアーチ状の輪郭を有していれば、少なくとも大きく低下することはない。
図7〜図9に示されている実施の形態においては、矩形の断面から円形の断面への遷移は、図8に示されているように、上側のシャフト開口部のすぐ下側のシャフト上部においてすでに起きている。一方、この場合にも第2の実施形態におけると同様に、電極から遠い側の壁となるシャフト壁35は台形形状のラインから成る輪郭へ変換されている。シャフトの断面が下方へ向けて減少しないようにするために(中を空にする作業を妨げないためにはむしろ寸法を大きくする必要がある)、第3の実施形態でも、電極開口部から近い側の壁であるシャフト壁34が、容器の中心へ向けて収束するように、そしてさらに詳しくはシャフト壁35と平行になるような構造になっている。電極から遠い側のシャフト壁の収束部分は参照番号60、61によって示されており、電極に近い側のシャフト壁の収束部分は参照番号は62、63で示されている。
この実施の形態においても遷移はフィンガ54の上方ですでに始まっていることから、フィンガは平面内に配置されており、その平面内において電極から遠い側のシャフト壁35と近い側のシャフト壁34の両方の輪郭は台形形状のラインから成っている。その断面と整合させるために、シャフト壁35に隣接しており内部に回動式フィンガ54の回転式取付部材56が配置されているフレーム構造20の水平方向のフレーム部材も、シャフト壁35の台形のラインの輪郭と平行に配置されている。第2の実施の形態と比べると違うのは、すべてのフィンガが第1の実施の形態のように、同じように開くことができることである。フィンガ54の解放位置は図7及び図9においては実線で、閉じた位置は破線でそれぞれ示されている。
通路断面における詰まりを避けるために、近い側のシャフト壁も下方へ向けた収束形状を有している。その結果、平面視においてはシャフト壁34の下端の輪郭は台形形状のラインから成っている。また、第1のカバー部分7の隣接する端部(弦18)も同じ輪郭を有している。このため、二つのカバー部分7、8が図9に示されているように内側へ回動して引っ込んだ位置に位置している場合に、これら二つのカバー部分の間のギャップは先の実施形態と同じくらい、その長さ全体にわたって狭くなっている。
図10は第3の実施形態の変形を示している。この場合のように変換しても、既存の円形の、あるいは楕円形の上側容器部分を使用し続けることが可能である。図10に示されている実施形態においては、シャフト壁35はフィンガ54の下方で、円形あるいは楕円形の炉容器の上側容器部分6の上端が有する円形の断面形状へ収束している。他の点では図10の実施形態は第3の実施形態に対応している。望ましい構造はシャフトの内部断面が下部領域において小さくならないようなアーチ形状であり、回動式フィンガ54が下方へ回動すると該フィンガ54が充填材料を容器の中心の方へ向けてガイドし、容器の上端が供給材料を下へ落下させないようなものである。

Claims (20)

  1. アーク炉1を有し、
    アーク炉1は下側容器部分5と上側容器部分6とを有する炉容器3と、容器カバー4とを有しており、
    容器カバー4が第1及び第2のカバー部分7、8を有しており、
    第1のカバー部分7が少なくとも一つの電極開口部14を有し、
    第2のカバー部分8が保持構造21の中に固定されたシャフト9を有し、該シャフト9の上部領域には閉じることのできる充填用開口部と、炉容器の中に充填される供給材料を予熱するためのガス流通開口部32とが設けられており、
    保持構造21と容器3とが互いに水平方向に移動可能な製錬装置であって、
    上下方向の突出部内におけるシャフト断面の内側輪郭の一部が下側容器部分の上端の内側輪郭の外側にあり、
    シャフト壁35の下側の領域における上側容器部分6が容 器の中心11の方に向けて収束する壁部分42,42aを有し、 及び/もしくは、電極開口部14から遠い側のシャフト9 のシャフト壁35が容器の中心11の方に向けて収束する壁 部分58、59、60、61を有している精錬装置。
  2. 第1及び第2のカバー部分7、8の少なくとも一方が容器3に対して互いに独立して水平方向に移動可能なユニット構造となっている請求項1の精錬装置。
  3. 前記第1のカバー部分7が、カバー引き上げ及び回動機構17によって、上昇/下降と、側方への回動が可能になっている請求項1もしくは請求項2記載の製錬装置。
  4. 電極引き上げ及び回動機構16が、前記カバー引き上げ及び回動機構17といっしょに回動できるようになっている請求項3記載の製錬装置。
  5. 前記第2のカバー部分8が、保持構造21内のシャフト9といっしょに上昇/下降が可能であり、保持構造21が水平方向に移動可能である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の製錬装置。
  6. 前記保持構造21がカバーギャップ38に対して垂直方向に移動可能である請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の製錬装置。
  7. 前記カバーギャップ38をシールするための手段が、第1及び第2のカバー部分7、8の二つの互いに隣接する端部45、46の少なくとも一方に設けられている請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の製錬装置。
  8. 前記電極開口部14から遠い側のシャフト壁であるシャフト壁35が、下側容器部分5の上側の方へ向けて収束する壁部分58、59、60、61を有している請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の製錬装置。
  9. 前記第1のカバー部分7が、平面視において、弦18、18aによって限定された楕円の形状を有しており、電極開口部14に近い側のシャフト壁であるシャフト壁34の下端の輪郭が、弦18、18aの輪郭に適合している請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の製錬装置。
  10. 前記電極開口部及び隣接する側壁36、37から遠い側のシャフト壁であるシャフト壁35の下端の形状が、第2のカバー部分8の領域において、容器の上端39の形状に対応している請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の製錬装置。
  11. 前記シャフト9の上部における断面形状が矩形であり、電極開口部14とそれと隣接する側壁36、37から遠い側のシャフト壁であるシャフト壁35の形状が、楕円を経て、下側容器部分15の上端あるいは上側容器部分6の円形へと下方へ収束している請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の製錬装置。
  12. 前記シャフト9の上部における断面形状が矩形であり、電極開口部14及びそれと隣接する側壁36、37から遠い側のシャフト壁であるシャフト壁35の形状が、多角形を経て、下側容器部分5の上端あるいは上側容器部分6の円形へと下方に収束している請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の製錬装置。
  13. 前記多角形の形状が台形形状のラインから成っている請求項12記載の製錬装置。
  14. 前記電極開口部14に近い側のシャフト壁であるシャフト壁34が、前記電極開口部14から遠い側のシャフト壁35に対して平行な形で収束している請求項1〜請求項13のいずれか1項記載の製錬装置。
  15. 前記シャフト9がその下部領域に、加熱すべき供給材料のための保持部材54、55を有し、この保持部材が、ガスは通すことができるが充填材料は遮断するような閉じた位置から、保持部材がシャフト9の中で供給材料を通過させる解放位置まで移動可能である請求項1〜請求項14のいずれか1項記載の製錬装置。
  16. 前記保持部材54、55がフィンガ54を有し、これらのフィンガ54が隙間隔てて互いに平行に配置されており、また回転式取付部材56に取り付けられていて、閉じた位置から解放位置まで下方へ回動可能であり、前記閉じた位置においてはフィンガ54の内側の部分がシャフトの内部の中へ突き出して、その中を充填材料が通過しないように遮断し、前記解放位置においてはフィンガ54の前記部分が下方へ向いて充填材料がシャフト9の中を通過するように解放する請求項15記載の製錬装置。
  17. 前記回動可能なフィンガのための前記回転式取付部材56が、前記電極開口部14から遠い側のシャフト壁35においてフレーム構造20の中に配置されており、固定フィンガ55がシャフト9の内部へ、それと隣接するシャフトの側壁36、37から突き出しており、回動式フィンガ54を閉じたときに固定フィンガ55の端部が外側の二つの回動式フィンガ54と隣接する、請求項6の従属としての請求項16記載の製錬装置。
  18. 前記回動式フィンガ54の内側部分が、閉じた位置において下方へ斜めに傾斜しており、前記回動式フィンガ54の方を向いた固定フィンガの内側の端部57が、閉じた位置における外側の二つの回動式フィンガ54とほぼ同じ傾斜を有している請求項17記載の製錬装置。
  19. シャフトの側壁に隣接する前記外側のフィンガ54の回動を独立して制御することにより、これらのフィンガは、これらの間に位置しかつともに回動可能な中心のフィンガほどには下方に回動できなくなっている請求項16記載の精錬装置。
  20. 電極開口部14から遠い側のシャフト壁35と、これに隣接するシャフト側壁36,37とは台形のラインに従った多角形形状によって下方に収束しており、回動フィンガ54のための回動取付部材56を有するフレーム構造20の、前記電極開口部14から遠い側のシャフト壁35に隣接する、水平ビーム部材は前記電極開口部14から遠 側のシャフト壁35の台形ラインと平行に延びている請求項16記載の精錬装置。
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