JP3642030B2 - 高強度マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として油井あるいはガス井(以下、単に「油井」と総称する)において用いられる鋼管用のステンレス鋼で、特に炭酸ガスを含んだ環境下での耐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
油井の環境は苛酷化しつつあり、深さの増加に対応できる高強度材の要求への対応に加えて、炭酸ガス、硫化水素を含む油井の増加に対応した耐食性向上の実現が課題となっている。
【0003】
従来、一般の油井用鋼材の一つである油井管あるいはラインパイプには炭素鋼や低合金鋼を使用するのが通常であったが、使用する油井の環境が苛酷になるにつれて、合金元素を増加させた鋼が用いられるようになってきている。例えば、炭酸ガスを多く含有する油井では、Crの添加が耐食性を著しく向上させることが知られており、Crを9%程度含有するいわゆる9%Cr−1%Mo鋼や、Crを13%程度含有するSUS420マルテンサイト系ステンレス鋼が使用されている。炭酸ガスと硫化水素とを同時に含む油井環境においては、現状の技術ではさらに合金元素量を高めた2相ステンレス鋼やNiを多量に含有するオーステナイト系ステンレス鋼を用いざるを得ないが、合金元素の添加が多くなることからコスト上昇が著しい。
【0004】
一方、最近の油田開発においてはfit in purposeの考え方が定着し、開発する井戸の腐食環境にもっとも適した鋼管、すなわち、耐食性が十分に確保でき、かつ最もコストが安い鋼管のニーズが高い。つまり、大深度で炭酸ガスなどの腐食性ガス濃度が高くかつ高温の厳しい腐食環境となる油井において、高強度、高耐食性を具備しながらかつ安価な材質が望まれているのである。したがって、このような要望にこたえるためには、腐食環境を細分化して、それぞれの環境に応じた材質設計を行う必要がある。
【0005】
特開平8−246107号公報には、SUS420鋼をベースにC含有量を0.005〜0.05%に制限して、Cu:1〜3%、Mo:2〜3%を含有させ、40C+34N+Ni+0.3Cu+Co−1.1Cr−1.8Mo−0.9W≧−10なる関係を満足させて耐炭酸ガス腐食性及び耐硫化物応力腐食割れ性を改善したマルテンサイトステンレス鋼が開示されている。
【0006】
また、特開平05−287455号公報には、SUS420鋼をベースにC含有量を0.05%以下に制限し、Ni:4.0〜8.0%、Mo:0.5〜7.0%を含有させ、C量に応じて定められるTi量を含有させて、マルテンサイト相とした耐硫化物応力割れ性を改善した鋼およびその製造方法が開示されている。
【0007】
しかし、これらの鋼は、硫化水素が存在する環境を考慮して、耐硫化物応力腐食割れ性に対する対策を講じているために、高価な合金元素であるNi、Mo等を多量に含む鋼である。そのために、大部分が炭酸ガスで、硫化水素が殆ど含まれず、したがって、耐硫化物応力割れ性を考慮する必要性がなく、主として、高温環境下での耐孔食性あるいは耐全面腐食性が要望される、いわゆるスイート環境においては、このようにNi、Mo等を多量に含有する鋼はコスト面で経済性に劣り、上述のfit in purposeを満足する材料とはなり難い。
【0008】
特開2000−226642号公報には、ラインパイプ用の高Cr鋼管として、C:0.02%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.2〜3%、Cr:10〜14%、Ni:2〜3%、N:0.02%以下を含有し、さらにNbを0.3%以下の範囲で含有する鋼管が開示されている。また、NbはCとの親和力が強く、炭化物形成によりCを固定するので、Cr炭化物の析出によって耐食性に有効に作用するCr量の減少を抑制し、耐炭酸ガス腐食性の改善に有効に作用することが説明されている。
【0009】
しかし、この鋼はラインパイプ用途に限定されたものであり、強度は552〜655MPa(80〜95ksi)程度までであって、本発明の課題とする760MPa(110ksi)以上の油井管用の高強度材としては使用できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、スイート環境用途に好適な、安価でかつ耐炭酸ガス腐食性に優れたステンレス鋼、特に油井管用途に適する760MPa以上の降伏強度を有する高強度材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を達成するために、耐炭酸ガス腐食性の向上および高強度化につき鋭意検討を重ね、下記のa)〜e)の知見を得て、本発明を完成させた。
a)150℃以下の温度域における炭酸ガス環境下での用途であれば、Mo等の高価な合金元素の含有は特に必要ではなく、またC含有量の低減によりCr炭化物の析出量を減少させればSUS420鋼よりもさらにCr量を低減できる。
b)しかし、単純な低C−13%Cr系ではマルテンサイト単相組織が得られないので、Niなどのオーステナイト形成元素を添加してマルテンサイト単相組織とする必要があるが、低C−13%Cr−Ni系では、油井管用途で必要とされる760MPa以上の高強度化は困難である。
【0012】
そこで、優れた耐炭酸ガス腐食性を得ると同時に、760MPa以上の高強度をも満足する鋼の製造を種々検討した結果、さらに以下の事実を見出した。
【0013】
c)低C−13%Cr−Ni系にNbを含有させ、適切な温度範囲での焼戻し処理を行うことにより、Cr窒化物、特にCr2Nが微細に分散した組織を有し、優れた耐炭酸ガス腐食性および高強度の双方を満足する鋼が得られる。
d)上記c)に記載の適切な焼戻し温度範囲は、Nb含有量の増加に伴い、高温領域にシフトするとともに、最高強度は上昇する。これらの関係に基づき、油井管用途に求められる760MPa以上の高強度が得られる焼戻し適正温度範囲は、Nb含有量の関数として求めることができる。
e)さらに、0.2%以上のMoの含有は、焼戻し脆性の抑制効果を有することから、特に靭性を要求される場合にはMoを含有させるのが有効である。
【0014】
上記の知見に基づいて完成させた本発明の要旨は、下記の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法にある。
【0015】
(1)質量%で、C:0.08%以下、Si:1%以下、Mn:0.1〜2%、Cr:7〜15%、Ni:0.5〜7%、Nb:0.005〜0.5%、Al:0.01〜0.1%、N:0.015〜0.05%、P:0.04%以下、S:0.005%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物であり、Cr、C、NbおよびNi含有量が下記式(1)で与えられる関係を満足し、断面の鋼組織が大きさ0.2μm以下のクロム窒化物を102 〜108 個/mm2 含み、降伏強度が760MPa以上であることを特徴とする耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼。
【0016】
ここで、式中の元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
【0017】
また、クロム窒化物の大きさとは、クロム窒化物粒子の最大直径を表す。
【0018】
(2)前記(1)に記載の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼においては、Feの一部に代えて、質量%で、Mo:0.1〜3%を含有させてもよい。
【0019】
(3)前記(1)または(2)に記載の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼においては、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.005〜0.1%およびV:0.005〜0.1%のうちの1種または2種を含有させてもよい。
【0020】
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼においては、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.0005〜0.01質量%、Mg:0.0005〜0.01質量%、La:0.0005〜0.01質量%およびCe:0.0005〜0.01質量%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有させてもよい。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の化学組成を有する鋼を、オーステナイト域に加熱した後焼入れ処理を行い、さらに、Ac1 点以下の温度域でかつ下記式(2)で与えられる関係を満足する温度T(℃)にて焼戻し処理する耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
ここで、Tは焼戻し温度、Nbは鋼中のNb含有量(質量%)を表す。
【0021】
【発明の実施の形態】
炭酸ガス環境における耐食性の改善に対しては、従来よりCr添加量の増加が有効であることが知られている。そのために、炭素鋼に代わって従来からSUS420(0.2%C−13%Cr)鋼が使用されてきた。
【0022】
ところがSUS420鋼はCを0.2%程度含有しているので、焼入れ焼戻し処理により552〜655MPa程度までの強度の高いマルテンサイト組織を得ることができる反面、Cr炭化物の形成により、炭酸ガス環境下での腐食抑制に有効に作用するCr量(いわゆる「有効Cr量」)は、(Cr−16.6C)(%)により算出される9.6%程度に減少する。したがって、実際にはCrを13%程度も含有させているにもかかわらず、耐食性は期待される耐食性よりも劣り、孔食などに対する耐局部腐食性の点においても充分な性能を有しているわけではない。
【0023】
そこで、0.01%程度の極低C含有量化により、Cr炭化物の析出を抑え、Crの添加量に見合う有効Cr量を確保することが考えられる。このような場合、単純にC含有量を低減させるだけではマルテンサイト単相組織の確保は難しく、一般的にはNiなどのオーステナイト形成元素を適正量添加してマルテンサイト単相組織を確保する必要がある。
【0024】
ここで、スイート用途に限定した場合は、耐硫化物応力腐食割れ性を考慮する必要がなく、必ずしもMo等の元素を含有させる必要はないが、それでは焼入れ焼戻し処理によって得られる強度には限界があり、760MPa以上の高強度化は難しいことが判明した。
【0025】
そこで、上記の課題を解決するために、種々の組成を有するマルテンサイト系ステンレス鋼の耐炭酸ガス腐食性および高強度化の機構について検討した結果、Nb含有による効果が大きく、しかも従来から提唱されているNbの添加効果とは異なったメカニズムにより、高耐食性及び高強度化の効果が発現することを見出した。
【0026】
従来から、NbはNbCの微細分散によって強度上昇に効果があることが知られている。また、前記の特開2000−226642号公報にも記載されているとおり、NbはCとの親和力が強く、炭化物形成によりCを固定することで、Cr炭化物の析出によって耐食性に有効に作用するCr量の減少が抑制されるために、結果的に耐炭酸ガス腐食性の改善に有効に作用するものと考えられてきた。
しかし、本発明者らの詳細な検討により、Nbの効果は、単にC元素の固定による有効Cr量の低減抑制効果によるものではないとの新たな事実を見出した。
【0027】
図1は、高温炭酸ガス環境下での腐食速度におよぼす有効Cr量およびNb含有の有無の効果を示すグラフである。
【0028】
同図の横軸はCr−16.6(C−0.129Nb)により計算される有効Cr量(含有Cr量から炭化物形成によって消費されるCr量を減じた値)であり、NbCの析出によるC元素の固定についても考慮されている。従来から耐炭酸ガス腐食性は有効Cr量と相関関係にあることが知られており、このパラメータで整理すれば、腐食速度と有効Cr量の関係は単調減少の直線関係が得られる(図中の●印およびa線)。
【0029】
ところが、本発明者らが検討したNb含有鋼は、腐食速度と有効Cr量との関係が前記の直線関係から下側に偏寄することが明らかとなった(図中の○印およびb線)。すなわち、Nbは、前記のような炭化物形成による有効Cr量によって整理されるのとは異なる機構によって、耐炭酸ガス腐食性の改善に有効に作用しており、そのメカニズムは、ミクロ組織の観察結果から、以下のとおりであることが判明した。
【0030】
すなわち、非金属介在物であるクロム窒化物、特にCr2Nの析出形態がNbを含有する鋼と含有しない鋼とでは異なり、Nb含有鋼ではCr2Nが非常に微細に分散していることが判明した。ここで、クロム窒化物には、Cr2N、CrN等の種類があるが、本発明者らの検討によれば、特に、Cr2Nの析出形態の差異への影響が大きいことが明らかとなった。したがって、炭酸ガス環境下における全面腐食の場合には、このようなカソードサイトとなるCr2Nの微細分散により、カソードサイトは小さくなり、その結果、全体としての腐食速度が低減するものと考えられ、また孔食などの局部腐食の発生も生じにくくなることがわかった。
【0031】
さらに、Nb含有鋼を適切な温度範囲において焼入れ焼戻し処理することにより、Cr2Nが微細分散して強度も上昇し、0.005%以上のNb含有により、760MPa以上の強度を有する鋼が得られることが判明した。
【0032】
このように、Nb含有による効果でCr2Nが微細に分散することを新たに知見したが、その析出物の大きさが0.2μmを超えると強度および耐食性の面で十分な効果が得られないことも明らかとなった。このため、本発明のNb含有鋼においてCr2Nの微細分散による効果を得るためには、その大きさを0.2μm以下とする必要がある。
【0033】
なお、特開2000−226642号公報では、本発明と同様にNbを含有した鋼が開示されているが、その強度は552〜655MPa程度までであり、本発明が課題とする油井管用途の高強度材(760MPa以上)は得られていない。同公報では、焼戻し温度が640℃以上と高く、Cr2Nの析出形態が本発明とは異なって粗大であると推定され、そのために本発明が課題とする強度および耐食性の効果が達成できないものと推定される。
【0034】
次に、Niを含有させることによる腐食速度の低減効果を確認した。
【0035】
図2は、炭酸ガス環境下での腐食速度と(Cr−16.6C+6Nb+0.5Ni)の計算値(%)との関係を示すグラフである。
【0036】
同図より、鋼の化学組成に基づき計算される(Cr−16.6C+6Nb+0.5Ni)(%)の値と腐食速度とは良好な直線関係を有することが見出された。
ここで、各含有元素の係数は、本発明者らが統計的手法により求めたものであり、その意味するところは、以下のとおりである。
【0037】
Crは炭酸ガス腐食性改善に主として有効に作用する元素であり、Cは炭化物形成により炭酸ガス腐食性改善に有効に作用する有効Cr量を低減させることから、係数は負の値となる。NbおよびNiは耐炭酸ガス腐食性に対するCrの作用を補うものであり、正の値となる。また、Nbは、図1の横軸に示されるような従来から認識されていた影響度合よりも大きな影響度合を有する。特に、Niに比べて大きな影響度合を有し、耐炭酸ガス腐食性に有効に作用することを表している。
【0038】
さらに、この化学組成に基づく計算値が9.6以上であれば、150℃における炭酸ガス環境中での腐食速度が1g/m2/h以下に抑えられ、充分な耐食性の得られることが明らかとなった。
【0039】
次に、本発明鋼の範囲を前記のとおり定めた理由について説明する。
(A)化学組成
C:
C含有量が0.08%を超えると、Cr炭化物であるM23C6 の析出量が増加して局部腐食が発生しやすくなり、高温炭酸ガス環境中での十分な耐食性が得られなくなるので、上限を0.08%とした。C含有量は低いほど炭化物の析出が少なく、有効Cr量が確保されるので好ましい。望ましくは0.04%以下である。
【0040】
また、過度に極低炭素化することは製造コストの上昇を招くことから、C含有量は0.0005%以上が好ましい。
【0041】
Si:
Siは、通常の精錬過程で脱酸剤として必要な元素であるが、1%を超えて含有させると靭性が低下するので1%以下とする。好ましい上限は0.8%である。なお、下限は特に規定する必要はなく、不純物レベルでもよいが、十分な脱酸効果を得るにはその含有量を0.1%以上とするのが好ましい。より好ましくは0.2%以上とするのがよい。
【0042】
Mn:
Mnは脱酸および熱間加工性の確保のために含有させる。また、オーステナイト形成元素であることから、C含有量を低減させた場合においてもマルテンサイト単相組織とするために相バランス確保の観点から含有させる。Mn含有量が0.1%未満では上記の効果が十分に得られず、一方、2%を超えて含有させると靭性が低下するので、Mn含有量を0.1〜2%とした。好ましい範囲は0.7〜1.8%であり、さらに好ましい範囲は1.0〜1.5%である。
【0043】
Cr:
Crは、炭酸ガス環境中における耐食性を改善するのに有効な元素であり、その効果は7%以上で十分に得られる。しかし、15%を超える含有は、耐食性改善効果以上に材料製造コストの上昇を招くことになることから、上限を15%とした。好ましい範囲は9〜14%であり、より好ましい範囲は10〜13%である。
【0044】
Ni:
Niは、低炭素鋼においてもマルテンサイト単相組織を得るために、相バランスを保つ目的で含有させる元素である。含有量が0.5%未満では十分な効果が得られないため、0.5%以上の含有が必要である。一方、7%を超える含有は相バランス的に過剰となるのみで有用な効果が得られず、また、Niは高価な元素であることから経済性を損ねることとなるので、上限を7%とした。好ましい範囲は1.0〜3.5%であり、より好ましい範囲は1.5〜2.5%である。
【0045】
Nb:
Nbは、本発明における高耐食性および高強度の効果を得るために最も重要な元素である。Nbを0.005%以上含有させることにより、クロム窒化物であるCr2Nの析出物が微細に分散し、これにより高温炭酸ガス環境中での耐食性が大幅に改善され、さらに降伏強度760MPa以上の高強度が得られる。
【0046】
Nb含有量が0.005%以上の場合にCr2Nの析出物の大きさを0.2μm以下にする効果があり、上記の耐食性改善および強度向上の作用が得られるので、下限を0.005%とした。一方、0.5%を超えて含有させても上記の効果は飽和することから、0.5%を上限とした。Nb含有量の好ましい範囲は0.010〜0.35%であり、より好ましい範囲は0.015〜0.2%である。
【0047】
Al:Alは、脱酸剤として使用される元素である。0.01%未満ではその効果が得られず、0.1%を超えて含有させると介在物が多くなり、耐食性が損なわれるので、Al含有量は0.01〜0.1%とした。
【0048】
なお、本発明において、Al含有量とは、酸可溶Al含有量(sol.Al含有量)をいう。
【0049】
N:Nは、Niと同様にオーステナイト形成元素であることから、安価に相バランスを保たせる目的で含有させる元素である。また、強度を高める作用も有している。含有量が0.015%未満ではその効果が得られず、一方、0.05%を超える多量の含有は強度を過度に上昇させ好ましくない。そこで、N含有量を0.015〜0.05%とした。
【0050】
Mo:
Moは、焼戻し脆性を抑制する作用を有する元素であり、含有してもしなくてもよい。例えば遷移温度vTrsが0℃未満であるような靭性が要求される場合には0.1%以上を含有させることにより焼戻し脆性の抑制効果が得られる。また、耐食性改善効果もあり、0.1%以上含有させることにより耐孔食性が改善される。一方、3%を超えて含有させても焼戻し脆性の改善効果は飽和すること、また、Moは高価な元素であることから、それ以上の含有は経済性を損なうことにもなる。そこで、含有させる場合の含有量の範囲は0.1〜3%とした。含有量の好ましい範囲は0.15〜0.8%であり、より好ましい範囲は0.2〜0.5%である。
【0051】
P:
Pは鋼中の不純物元素であり、0.04%を超えると靭性を劣化させることから0.04%以下とした。含有量は少なければ少ないほどよく、好ましくは0.03%以下である。
S:
Sは、鋼中の不純物元素であり、熱間加工性確保の観点から少なければ少ないほどよい。脱硫コストとの兼ね合いから0.005%以下とした。好ましくは0.003%以下である。
TiおよびV:
TiおよびVは鋼の強度を上昇させるとともに、靭性を改善する効果も有している元素であり、含有してもしなくてもよい。強度や靭性を要求される場合には、これらの元素の1種または2種をそれぞれ0.005%以上含有させることによりそれらの効果を得ることができる。一方、それぞれの元素を0.1%を超えて含有させても効果が飽和するばかりでなく、靭性がかえって劣化するので上限を0.1%とした。そこで、含有させる場合の含有量の範囲はそれぞれ0.005〜0.1%とした。好ましい範囲は、0.01〜0.08%であり、より好ましい範囲は0.01〜0.06%である。
【0052】
Ca、Mg、LaおよびCe:
これらの元素は、熱間加工性の改善に有効に作用する元素であり、含有してもしなくてもよい。例えば穿孔圧延時における疵発生の低減等のような熱間加工性が要求される場合は、これらの元素のうちから選ばれた1種または2種以上をそれぞれ0.0005%以上含有させることによりその効果が得られる。一方、それぞれの元素を0.01%を超えて含有させてもその効果は飽和する。そこで、含有させる場合の含有量の範囲はそれぞれ0.0005〜0.01%とした。好ましい範囲はそれぞれ0.001〜0.008%であり、さらに好ましい範囲はそれぞれ0.001〜0.006%である。
【0053】
なお、上記の元素以外の残部は、実質的にFeである。
(B)クロム窒化物
前記のとおり、クロム窒化物であるCr2N析出物の大きさが0.2μmを超えると強度および耐食性の面で十分な効果が得られないことから、クロム窒化物の大きさは0.2μm以下とした。一方、クロム窒化物の大きさが小さすぎると耐食性の改善効果が不十分となる場合があるので、その大きさは0.003μm以上であることが好ましい。より好ましい大きさの範囲は0.007〜0.1μmである。
また、クロム窒化物の個数が鋼の断面において102 個/mm2 未満の場合は、強度および耐食性の十分な改善効果が得られず、一方、108 個/mm2 を超えて存在すると靭性が悪化する。そこで、クロム窒化物の個数は102〜108 個/mm2 とした。好ましい範囲は2×102 〜50×106
個/mm2 である。
(C)熱処理条件
Nbを0.005〜0.5%含有させた鋼をオーステナイト域に加熱後、水冷または空冷による焼入れ処理を行い、さらにAc1 点以下でかつNb含有量により上下限が規定される適正な温度範囲において焼戻すことにより、Cr2N析出物の粗大化が防止され、前記のとおりCr2N析出物を微細に分散できる。
【0054】
このようにCr2N析出物を微細に分散することにより、優れた耐炭酸ガス腐食性を有し降伏強度が760MPa以上を確保できる焼戻しの適正温度範囲を求めた結果、下記式(2)により表される温度範囲であることが判明したので、これを本発明の焼戻し温度範囲とした。
ここで、Tは焼戻し温度、Nbは鋼中のNb含有量(質量%)を表す。
【0055】
【実施例】
表1に示す化学成分を有する7種類の鋼を溶製した。
【0056】
【表1】
これらの鋼を用いて一辺が50mmの角インゴットを鋳造し、1200℃に加熱後、熱間鍛造および熱間圧延を施して厚さ10mmの板材を得た。
【0057】
この板材を950℃に加熱後、水冷による焼入れ処理を行い、さらに550℃に加熱後放冷する焼戻し処理を行った。こうして得た板材から引張り試験および炭酸ガス腐食試験に供する試験片を採取して、供試材とした。
【0058】
また、供試鋼8、11および14については、550℃での焼戻し処理とは別に、それぞれ540℃、565℃、640℃での焼戻し処理も行った。
【0059】
〔高温炭酸ガス環境下での耐食性の評価〕
10mm×40mm×厚さ2mmの試験片を切出して、表面を研磨後、オートクレーブを用いて下記の環境下における腐食試験を行い、腐食減量から腐食速度を算出して評価した。なお、腐食速度の評価は、1供試鋼あたり3個の試験片による試験を行い、その試験結果の平均値で評価した。
【0060】
腐食試験環境は、25%NaCl+30atmCO2 とし、150℃で336時間の浸漬試験を行った。
【0061】
試験結果の評価は、本腐食環境下における腐食速度が1g/m2h以下の場合を合格とした。
【0062】
〔クロム窒化物の調査〕
供試鋼の抽出レプリカによる電子顕微鏡観察を行い、倍率30000倍の視野内におけるCr2 N析出物を調査した。Cr2 N析出物のサイズは、析出物粒子の最大直径により表示した。
【0063】
また、析出物の数については、前記視野内におけるCr2 N析出物の個数を画像解析法により計測した。
【0064】
表2に、各供試鋼についての式(1)および式(2)による計算値、降伏強度(0.2%耐力)、Cr2 N析出物の大きさ、Cr2 N析出物の個数、高温炭酸ガス環境中での腐食速度および靭性(破面遷移温度により評価)の各試験結果ならびに総合評価を示した。
【0065】
【表2】
供試鋼8、10および11を用いた試験番号8a、8b、10、11aおよび11bの鋼は本発明例であり、供試鋼13〜16を用いた試験番号13〜16の鋼は比較例である。
【0066】
試験番号13および15の鋼は、式(1)による計算値は本発明で規定する範囲内にあるものの、Nbを含有しない鋼であることから、Cr2 N析出物のサイズが本発明で規定する範囲よりも大きい。その結果、耐炭酸ガス腐食性は得られるが、降伏強度は低く、760MPaを下回っている。
【0067】
試験番号14aの鋼は、Nb含有鋼であって鋼の化学組成は本発明で規定する範囲内にあるが、式(1)の値が低い。したがって降伏強度は高い値が得られるものの、十分な耐炭酸ガス腐食性が得られない。さらに、試験番号14bの鋼は、本発明で規定する式(2)の温度範囲よりも高温で焼戻したために、降伏強度が760MPaを下回っている。
【0068】
試験番号16の鋼は、一般的なSUS420相当の化学組成を有するが、C含有量が高く、Ni含有量は低く、Nbは含有しないことから、式(1)の値が低く、したがって、十分な耐食性が得られず、降伏強度も低い。これらに対して、試験番号8a、8b、10、11aおよび11bの鋼は、鋼の化学組成、式(1)の値、Cr2N析出物の大きさおよび個数がいずれも本発明で規定する範囲内にあり、したがって降伏強度は760MPaを上回る高強度を有し、かつ高温炭酸ガス環境中での耐食速度も1g/m2h以下であって、高い耐食性を有している。
【0069】
試験番号8a、8b、10、11aおよび11bの鋼は、本発明で規定する範囲内のMoを含有する鋼であり、靭性に優れている。
【0070】
また、試験番号8bおよび11bの鋼は、それぞれ焼戻し温度を550℃よりも低温側および550℃よりも高温側に変化させたものである。焼戻し温度が式(2)で規定される温度の範囲内であり、かつ、もっとも好ましい焼戻し温度範囲で処理したために、それぞれ試験番号8aおよび11aの鋼よりも降伏強度が向上している。
【0071】
【発明の効果】
本発明の高強度マルテンサイト系ステンレス鋼は、高温炭酸ガス環境下、特にスイート環境下において、安価でかつ耐腐食性に優れ、しかも760MPa以上の降伏強度を有する高強度材として好適である。とりわけ油井管用高強度ステンレス鋼としての利用価値が高く、産業の発展に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭酸ガス環境下での腐食速度におよぼす有効Cr量およびNb含有の効果を示すグラフである。
【図2】炭酸ガス環境下での腐食速度と(Cr−16.6C+6Nb+0.5Ni)の計算値との関係を示すグラフである。
Claims (5)
- 質量%で、C:0.08%以下、Si:1%以下、Mn:0.1〜2%、Cr:7〜15%、Ni:0.5〜7%、Nb:0.005〜0.5%、Al:0.01〜0.1%、N:0.015〜0.05%、P:0.04%以下、S:0.005%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物であり、Cr、C、NbおよびNi含有量が下記式(1)で与えられる関係を満足し、断面の鋼組織が大きさ0.2μm以下のクロム窒化物を102〜108個/mm2含み、降伏強度が760MPa以上であることを特徴とする耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼。
Cr−16.6C+6Nb+0.5Ni≧9.6 ・・(1)
ここで、式中の元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。 - Feの一部に代えて、質量%で、Mo:0.1〜3%を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼。
- Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.005〜0.1%およびV:0.005〜0.1%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼。
- Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.0005〜0.01%、Mg:0.0005〜0.01%、La:0.0005〜0.01%およびCe:0.0005〜0.01%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の化学組成を有する鋼を、オーステナイト域に加熱した後焼入れ処理を行い、さらに、Ac1点以下の温度域でかつ下記式(2)で与えられる関係を満足する温度T(℃)にて焼戻し処理することを特徴とする耐炭酸ガス腐食性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
480−27Nb0.09≦T(℃)≦480+187Nb0.09 ・・(2)
ここで、Tは焼戻し温度、Nbは鋼中のNb含有量(質量%)を表す。
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