JP3598431B2 - 水性エマルジョン - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、水性エマルジョンに関し、さらに詳しくは、耐水接着力に優れ、木工用接着剤、合板用接着剤、塗料、繊維加工剤、紙加工剤などとして好適な水性エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水性ポリマーエマルジョンは、木、紙、プラスチック等の接着剤、塗料、繊維加工剤、紙加工剤など多くの用途で広範に使用されている。しかし、近年、接着製品等の耐久性に対する要求が高まる中で、水性エマルジョンの耐水性の改良が強く望まれている。このような状況において、水性ポリマーエマルジョンに架橋性基を導入する試みが多くなされており、接着剤の耐久性も飛躍的に向上しつつある。
例えば、最近、アセトアセチル基を水性ポリマーエマルジョンに導入する方法が検討されており、耐水性の顕著な向上が報告されているが、アセトアセチル基自身が極めて反応性に富むが故にポットライフが悪く、しかも、第三成分を添加して組成物とする場合に厳しい制限がある。
また、以前より、カルボキシル基を水性エマルジョンに導入し、その水性エマルジョンにカルボキシル基と反応する多官能性架橋剤を添加する方法が数多く検討されている。しかし、この場合も、耐水性とポットライフのバランスをとることが難しい状況にある。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、皮膜の耐水性に優れ、しかもポットライフの良好な水性エマルジョンを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とし、エポキシ基を有する単量体と酢酸ビニルからなる重合体の側鎖のエポキシ基に、アミノ基を有するメルカプタンを付加反応させ、さらに鹸化して得た分子内に一級または二級アミノ基を0.1〜30モル%有するポリビニルアルコールを分散剤とする水性エマルジョンを提供することによって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の水性エマルジョンは、エチレン性不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とし、上記した分子内に一級または二級アミノ基を有する変性ポリビニルアルコールを分散剤とするもので、成分の分離、沈降、凝集などが生じず、安定な水性液の状態を保つことができる。
このような水性エマルジョンの代表例としては、
(a)分子内に一級または二級アミノ基を有する変性ポリビニルアルコールの存在下に水性媒体中でエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体を乳化重合して得られる水性エマルジョン[以下これを「(a)」ということがある];
(b)エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンに、分子内に一級または二級アミノ基を有する変性ポリビニルアルコールを添加して得られる水性エマルジョン[以下これを「(b)」ということがある];
を挙げることができる。
【0006】
そこでまず(a)および(b)に用いる、分子内に一級または二級アミノ基を有する変性ポリビニルアルコール(以下これを「アミノ基含有PVA」と略称することがある)について具体的に説明する。
分子内に一級または二級アミノ基を含有するポリビニルアルコール系重合体は、アリルグルシジルエーテルなどのエポキシ基を有する単量体と酢酸ビニルからなる重合体の側鎖のエポキシ基に、アミノ基を有するメルカプタン(2−アミノチオフエノ−ル、2−アミノエタンチオ−ルなど)をNaOH等を触媒として付加反応させた後、鹸化する方法により得られる。
【0007】
本発明の分子内に一級または二級アミノ基を有する変性ポリビニルアルコールは、分子内に一級または二級アミノ基以外の官能基を有していても、また他の単量体を共重合成分として有していても本発明の効果を損なわない限り差し支えない。ここで他の単量体成分としては、エチレン、イソブチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フマル酸、(無水)マレイン酸,イタコン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸スルホプロピル、メタクリル酸スルホプロピル及びそれらのアルカリ塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重合することによって得られる末端に官能基を有するものでも良い。
【0008】
本発明の分子内に一級または二級アミノ基を有する変性ポリビニルアルコールにおける一級アミノ基または二級アミノ基の含有量は、特に制限はなく各種の状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は、該官能基を含有する単量体単位として0.1〜30モル%、このましくは0.5〜25モル%である。該官能基が0.1モル%未満では官能基を導入したことによる効果が十分に発現しない場合があり、一方、30モル%をこえるとポリビニルアルコール本来の特性が十分に発現しなくなる恐れがある。
また、この官能基を有する変性ポリビニルアルコールの重合度は、使用目的により異なり、一義的に定めることはできないが、100以上が好ましく特に200〜8000がより好ましい。また、この変性ポリビニルアルコールの鹸化度についても特に制限はないが、50モル%以上が好ましく特に80〜99.9モル%がより好ましい。
【0009】
次に(a)について具体的に説明する。
(a)は、一般にアミノ基含有PVAの存在下にエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体を乳化重合して得られる水性エマルジョンからなっている。アミノ基含有PVAの存在下に乳化重合できる不飽和単量体としては、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル系不飽和単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル等のアクリル系不飽和単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン含有不飽和単量体、スチレン系単量体、エチレン、プロピレンなどのオレフィン系単量体、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体などを挙げることができ、(a)はこれらの不飽和単量体の1種または2種以上をアミノ基含有PVAの存在下に乳化重合することによって得ることができる。
【0010】
(a)においては、分散質である上述の不飽和単量体単位からなる(共)重合体と分散剤であるアミノ基含有PVAとの比率は各々の状況に応じて調節することができるが、通常はアミノ基含有PVAの量を、分散質100重量部に対して0.5〜300重量部とすることが好ましく、1〜200重量部とすることがより好ましい。分散質100重量部に対してアミノ基含有PVAの量が0.5重量部未満である場合には、ポリビニルアルコール保護コロイド系の特徴である機械的安定性に優れる実用的な高固形分濃度のエマルジョンが得られなくなる場合があり、一方アミノ基含有PVAの量があまり多すぎると、エマルジョンの放置安定性が低下するなどの問題を生ずる場合がある。アミノ基含有PVAを前記した量にすると、保存安定性、機械的安定性に優れる(a)を得ることができる。
【0011】
また、(a)は、目的を阻害しない範囲内の量で、アミノ基含有PVAと共に、従来公知の各種PVAや、水溶性セルロース誘導体等の水溶性高分子やアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは両性の低分子界面活性剤を含有していてもよい。
そして、(a)では、水性液中における全重合体の合計濃度が約20〜70重量%であることが、(a)の分散安定性、取り扱い性などの点から好ましく、30〜60重量%であることがより好ましい。
【0012】
(a)の製造方法は特に制限されないが、好ましくは、アミノ基含有PVAの存在下に、上記した不飽和単量体の1種または2種以上を用いて乳化重合を行うことにより製造される。乳化重合時の不飽和単量体とアミノ基含有PVAの使用割合は、重合により得られる(a)における分散質(不飽和単量体の重合により得られる重合体)とアミノ基含有PVAとの割合が上記した好ましい範囲になるようにして定めることが望ましい。
乳化重合は、通常の乳化重合反応におけるのと同様に、水系媒体中でアミノ基含有PVAの存在下に、上記した不飽和単量体の1種または2種以上を、ラジカル重合開始剤を使用して重合させることによって実施される。その際の重合開始剤としては、例えば過酸化水素水、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、キュメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、過硫酸塩(カリウム、ナトリウムあるいはアンモニウム塩)、過酢酸t-ブチル、安息香酸t-ブチル、水溶性アゾ系開始剤(V−50等)などが単独で、あるいは前記した化合物と亜硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、ロンガリット、L- アスコルビン酸、酒石酸などの還元剤を併用して用いられる。
【0013】
また、(a)を製造するための具体的な重合方法も特に制限されないが、例えば、〔1〕アミノ基含有PVA、前述の不飽和単量体および水を一括して仕込んで重合する方法;〔2〕アミノ基含有PVAを含有する水中に不飽和単量体の一部を仕込んで重合を開始し、次いで残りの不飽和単量体を重合系に逐次添加して重合する方法;〔3〕アミノ基含有PVA、不飽和単量体および水を予め混合しておき、この一部を仕込んで重合を開始し、残りを重合系に逐次添加して重合する方法;〔4〕アミノ基含有PVAを含有する水中に2種以上の単量体組成の異なる不飽和単量体を2段階以上に分けて重合系に逐次添加して多段階で共重合させる方法;などを挙げることができる。
【0014】
本発明の(a)は、長期間放置しても安定であり、エマルジョン中に含まれる成分の沈降や凝集、凝固などが生じず、また、外部から多少の機械的作用(例えば撹拌や揺動など)が加えられてもその安定な分散状態が破壊されず、長期に亙って良好な接着性能を保つことができる。
【0015】
次に、(b)について具体的に説明する。
(b)エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンに、分子内に一級または二級アミノ基を有する変性ポリビニルアルコールを添加して得られる水性エマルジョンであり、一般に、予め製造されているエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンに、アミノ基含有PVAを直接そのまま混合するか、またはアミノ基含有PVAの水溶液を混合することによって得ることができる。
その場合のエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンとしては、(a)の調製に用いいるのと同様の不飽和単量体、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル系不飽和単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル系不飽和単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン含有不飽和単量体、スチレン系単量体、エチレン、プロピレンなどのオレフィン系単量体、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体の1種または2種以上を、通常の乳化重合に用いられているのと同様、従来公知の各種PVAや、水溶性セルロース誘導体等の水溶性高分子やアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは両性の低分子界面活性剤を用いて、上記したのと同様のラジカル重合開始剤の存在下に乳化重合したものを用いればよい。
【0016】
また、本発明のエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンには、上記の如きエチレン性不飽和単量体を水性媒体中で乳化重合して得られるもの以外に、種々の重合方法により得られた重合体を水性媒体に各種乳化分散安定剤を用いて機械的に後乳化したものや、種々の重合方法に得られる分子中に水溶性官能基(カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基等)を有する重合体を水性媒体中に自己乳化させたもの、例えば、ポリウレタンエマルジョン、ポリオレフィンエマルジョン、エポキシエマルジョン、ポリエステル系エマルジョンなどを性能を損なわない範囲で混合してもよい。
本発明に用いられるエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンは、上記の方法等で得られるものを単独で用いても良いが、必要があれば、二種以上を併用しても良い。
【0017】
そして、(b)では、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンとアミノ基含有PVAとの比率は各々の状況に応じて調節することができるが、(a)の場合と同様に、水性エマルジョン中の重合体100重量部に対してアミノ基含有PVAの割合を好ましくは0.5〜300重量部、より好ましくは1〜200重量部としておくことによって、固形分濃度の高い、保存安定性および機械的安定性に優れるエマルジョン形態の(b)を得ることができる。
【0018】
また、(b)は、目的を阻害しない範囲内の量で、アミノ基含有PVAと共に、アミノ基を持たないPVAを含有していてもよい。
そして、(b)においても、水性液中における全重合体の合計濃度が約20〜70重量%であることが、(b)の分散安定性、取り扱い性などの点から好ましい。
【0019】
(b)の製造方法は特に制限はないが、一般的にはエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンに、アミノ基含有PVA水溶液を攪拌下混合することにより製造される。
このアミノ基含有PVA水溶液の調製法は特に制限されず、通常、上記したアミノ基含有PVAを適当な温度、好ましくは50〜100℃の温度で水に溶解させることによって調製することができる。
アミノ基含有PVA水溶液におけるアミノ基含有PVAの濃度は(b)中に含まれる他の成分の種類や濃度などに応じて調節し得るが、一般には5〜20重量%の濃度の水溶液にしておくことが、保存安定性、取り扱い性などの点から好ましい。
【0020】
さらに、本発明では、(b)には、(a)に対して、アミノ基含有PVAまたはその水溶液を更に追加添加したものも含まれる。
【0021】
また、本発明の水性エマルジョンは、必要に応じて、その乾燥性、セット性、粘度、造膜性などを調製するために、トルエン、パークレン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどの各種有機溶剤、でんぷん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、無水マレイン酸/イソブテン共重合体、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合体などの水溶性高分子や尿素/ホルマリン樹脂、尿素/メラミン/ホリマリン樹脂、フェノール/ホリマリン樹脂などの熱硬化性樹脂、さらに、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、木粉などの充填剤、小麦粉などの増量剤、酸化チタンなどの顔料あるいはその他、消泡剤、分散剤、凍結防止剤、防腐剤、防錆剤などの各種添加剤を含有するものでも良い。
本発明の水性エマルジョンは、耐水性が高いという特徴を生かして、木工用接着剤、紙加工用接着剤、塗料、繊維処理剤等の各種用途において用いられる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を意味する。また、得られたエマルジョンの皮膜耐水性、耐水接着力および粘度安定性を下記の要領で評価した。
【0023】
(エマルジョンの評価)
(1)皮膜の耐水性
得られた水性エマルジョンを20℃、65%RH下で、PET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥皮膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、それを試料として20℃水に24時間浸漬した場合の、皮膜の吸水率、溶出率を求めた。
(2)耐水接着力
得られた水性エマルジョンをツガ材(柾目)に150g/m2塗布し、はりあわせて7kg/m2の荷重で16時間圧締した。その後、解圧し、20℃、65%RH下で5日間養生した後、60℃の温水に3時間浸漬し、ぬれたままの状態で圧縮せん断強度を測定した。
(3)粘度安定性(ポットライフ)
エマルジョンを5℃および50℃に放置した場合の30日後の粘度変化を観察した。
【0024】
合成例1[アミノ基含有PVAの合成〔1〕]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反応器に、酢酸ビニルモノマー405部、アリルグリシジルエーテル11部およびメタノール30部を仕込み、窒素ガスを15分バブリングして脱気した。別途、メタノール15部に2,2−アゾビスイソブチロニトリル4.5部を溶解した開始剤溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、別途調製した開始剤溶液を添加し重合を開始した。60℃で4時間重合し冷却して重合を停止した。この時の固形分濃度は54.8%であった。続いて30℃、減圧下にメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(濃度44.5%)を得た。この共重合体は、アリルグリシジルエーテル単位(エポキシ基)を2.1モル%含有する粘度平均分子量が80×103のポリ酢酸ビニル共重合体であった。
次に、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反応器に、上記で得られたエポキシ基を有するポリ酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(濃度44.5%)100部を計り取り15分窒素ガスをバブリングした後、2−アミノチオフェノール8.0部と水酸化ナトリウム0.03部をメタノール48部に溶解したものを仕込んだ。撹拌しながら50℃で2時間反応させた後、40℃に冷却してから10%濃度の水酸化ナトリウムのメタノール溶液を40部添加し鹸化を行った。40℃で5時間放置した後粉砕し、酢酸8部を加えて中和し、メタノールで48時間ソックスレー抽出を行った後、60℃で20時間以上乾燥して、変性ポリビニルアルコールを得た。該変性ポリビニルアルコール(PVA−1)は、2.1モル%のアニリン基が導入されており、ビニルアルコール含量は97.0モル%、重合度1000であった。
【0025】
実施例1
合成例1の一級アミノ基含有PVA(重合度1000、けん化度97.0%、一級アミノ基含有量2.1モル%、PVA−1)5部に水100部を加え、95℃でPVAを加熱溶解した。該PVA水溶液を耐圧オートクレーブに仕込み、酢酸ビニル100部を添加して、窒素置換後、エチレンを40kg/cm2 まで圧入した。次いで、内温を60℃に上げ、V−50(和光純薬製水溶性アゾ系重合開始剤)の1%水溶液を逐次添加して共重合を行った。共重合は3時間で完了し、固形分濃度53.0%、粘度1120mPa・sの安定な酢酸ビニル- エチレン共重合体エマルジョン(Em−1)を得た。これを用いて、上記の(1)皮膜の耐水性(2)耐水接着力(3)粘度安定性の試験を行った。結果を表1に示す。
【0026】
実施例2
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水100部、合成例1の一級アミノ基含有PVA(重合度1000、けん化度97.0%、一級アミノ基含有量2.1モル%、PVA−1)5部を仕込み95℃で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、140rpmで撹拌しながら酢酸ビニル10部を仕込み、60℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系の存在下で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル90部を3時間にわたって連続的に添加し、重合を完結させた。固形分濃度48.5%のポリ酢酸ビニルエマルジョン(Em−2)が得られた。このエマルジョンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した。これを用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0027】
比較例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)を用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0028】
比較例2
合成例1のアミノ基含有PVA(PVA−1)にかえて、無変性ポリビニルアルコール(PVA−3)を用いる以外は実施例2と同様にポリ酢酸ビニルエマルジョン(Em−4)を調製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0029】
実施例3
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)100部に対して、合成例1のPVA−1の15%水溶液10部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性エマルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0030】
実施例4
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)100部に対して、合成例1のPVA−1の15%水溶液1部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性エマルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0031】
実施例5
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)100部に対して、合成例1のPVA−1の15%水溶液200部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性エマルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0032】
実施例6
比較例2のポリ酢酸ビニルエマルジョン(Em−4)100部に対して、合成例1のPVA−1の15%水溶液10部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性エマルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0033】
実施例7
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水100部、非イオン性界面活性剤(ノニポール200、三洋化成製)3部、アニオン界面活性剤(サンデットBL、三洋化成製)0.5部を仕込み溶解した。次に、窒素置換後、140rpmで撹拌しながらアクリル酸n−ブチル1.3部とメタクリル酸メチル1.3部を仕込み、70℃に昇温した後、過硫酸アンモニウム5%水溶液2.5部を添加し重合を開始した。重合開始15分後からアクリル酸n−ブチル50部とメタクリル酸メチル50部を混合したものを2時間にわたって連続的に添加し、重合を完結させた。固形分濃度46.5%のポリ(アクリル酸n−ブチル/メタクリル酸メチル)エマルジョン(Em−5)が得られた。このエマルジョン100重量部に対して合成例1のPVA−1の15%水溶液10部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性エマルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0034】
比較例3
実施例3のエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)100部に対して、無変性ポリビニルアルコール(PVA−3)の15%水溶液10部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性エマルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
本発明の水性エマルジョンは、放置粘度安定性(ポットライフ)に優れる上、皮膜の耐水性および耐水接着力に優れており、木工用接着剤、合板用接着剤、紙加工剤、塗料、繊維加工剤などに幅広く好適に用いられる。
Claims (2)
- エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とし、エポキシ基を有する単量体と酢酸ビニルからなる重合体の側鎖のエポキシ基に、アミノ基を有するメルカプタンを付加反応させ、さらに鹸化して得た分子内に一級または二級アミノ基を0.1〜30モル%有するポリビニルアルコールを分散剤とする水性エマルジョン。
- エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンに、エポキシ基を有する単量体と酢酸ビニルからなる重合体の側鎖のエポキシ基に、アミノ基を有するメルカプタンを付加反応させ、さらに鹸化して得た分子内に一級または二級アミノ基を0.1〜30モル%有する変性ポリビニルアルコールを添加して得られる水性エマルジョン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2300097A JP3598431B2 (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 水性エマルジョン |
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