JP3596381B2 - 新規ながんもどき及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトな食感を有する大豆蛋白惣菜の内、がんもどきの製造法に関し、より詳しくは、大豆蛋白ペースト及び肉からなるつなぎ材中に具材を含有する生地を成型し、多段加熱して得られるソフトな食感を有するがんもどき及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
大豆蛋白惣菜として、がんもどき、厚揚げ、油揚げ、高野豆腐等がある。その中でも、がんもどきは水気を搾った豆腐にすったやまいもをつなぎとして入れ、にんじん、ごぼう、しいたけ、こんぶ、きくらげ、ぎんなん、ごま、麻の美などを混ぜ合わせ、一定の大きさに整えて油で揚げたものである。厚揚げ(別名生揚げ)は、厚めに切った豆腐に重しをかけて水分をきり、高温(180℃前後)の油で揚げたものである。表面は脱水して油揚げのように固定化するが、中身はほとんど変化せず豆腐のままである。油揚げは薄く切って水きりした豆腐をダイズ油、ごま油、なたね油などで揚げたものである。この中で、従来のがんもどきでは、脱水した豆腐を油中加熱している為、固い食感の厚揚げだったが、最近では製造技術の進歩で柔らかい食感の絹厚揚げが多く市販されている。しかし、豆腐を油中加熱している為、具材入りで滑らかな厚揚げを製造するのは困難である。豆腐を製造する際、野菜等の具材を豆乳に入れる事も可能だが、具材が豆腐の下部に片寄ってしまう等、問題点が多く現実的ではない。がんもどきは、水切りした木綿豆腐を原料として野菜等の具材と、卵、山芋等でつなぎ、油中加熱して製造する。更に柔らかいがんもどきを製造する為に、絹ごし豆腐、或いは脱水していない木綿豆腐を原料とした場合は、油中加熱時に生地が散る(散るとは、生地の水分が高い為に油中加熱時に生地の水分が激しく蒸発する為、フライ油の中に生地から細片が離れたり、生地の表面に小さい不規則な凹凸が発生する等の現象の意味。以下、同様)という問題点などがある。
【0003】
このような大豆蛋白惣菜の開発の例は多岐に及んでおり、各種の大豆蛋白惣菜の開発例が報告されている。ここで、それらの開発例をいくつか例示すると、すり身と野菜を混合し、メッシュコンベヤー上で押圧手段により余分なすり身を取り除き、野菜をより多く含むねり製品の製造法(特開平9−224613号公報)が提案されている。一方、大豆蛋白含有量が高いにもかかわらず、食感がかたくならないがんもどきの製造法(特開平8−154614号公報)も報告されている。
【0004】
しかし、それらの内容は、すり身を使用し野菜を多量に含ませる方法を中心にしたものや、がんもどきにオリゴペプチドを加え、食感を改良したものであり、具材を多量に用いる場合に、つなぎ材の中に肉を含有せしめ、生地とともにうまく油中加熱、油中加熱と湿熱加熱し、ジューシーでソフト感のある大豆蛋白惣菜で、かつ冷蔵、冷凍またはレトルト処理してから保管後、喫食時に煮込み等で調理加熱した後にも柔らかい食感が保持できることを教えるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、具材が従来にない程多く含有されるため、調理加熱後時間が経過しても、かたくなりがちな食感をジューシーにし、ソフトな食感を有するがんもどきを提供することを目的とするものである。さらに、調理加熱後時間が経過しても食感がかたくならない品質を有するがんもどきを工業的に大量生産する製造法を提供することである。従来のがんもどきでは水分を多く含むと、油中加熱時に生地が散るために外観がよい商品ができず、水分を減らすと油中加熱中に散りはなくなるが食感がかたくなるという問題点などがある。そこで本発明は、肉をつなぎ材に添加する事により、大豆蛋白ペーストのみに比べて結着力を強めて、水分が多くても油中加熱時に散りをなくし、また大豆蛋白ペーストのゲル中に肉が入ることにより、大豆蛋白ペ−ストのみのゲルに比べて、ほろほろと崩れる不均一な食感を得る製造法を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、大豆蛋白ペーストを含むつなぎ材及び具材を混合成型した生地を、105〜135℃の油中加熱および150℃以上200℃未満の油中加熱を含む工程よりなる多段加熱し、がんもどきを製造する方法において、具材として野菜を生地中30〜70重量%、及びつなぎ材として肉を生地中5〜20重量%を含有させることを特徴とするがんもどきの製造法及びその製造法で得られるがんもどきである。
【0007】
【発明の実施の形態】
大豆蛋白惣菜の工業的に大量生産する一般的な製造工程は次の通りである。
原料処理−混合−成型−加熱−冷蔵、冷凍またはレトルト処理−保管。
喫食者はこれを調理加熱して喫食する。
【0008】
まず、本発明の用語を説明する。
豆腐は、木綿豆腐、絹ごし豆腐、ソフト豆腐、充てん豆腐、沖縄豆腐があるが、本願ではいずれの豆腐も使用することができる。
大豆蛋白とは、大豆、脱脂大豆から得られる大豆蛋白を高濃度(例えば乾物あたり50重量%以上)含む大豆蛋白素材で、分離大豆蛋白や濃縮大豆蛋白などを言う。
大豆蛋白ペーストは、大豆蛋白の2.5〜8重量倍、好ましくは3〜7重量倍、もっとも好ましくは3.7〜5重量倍の水に水和させた水和物、適当な重量倍の油脂と乳化させた乳化物又は豆腐である。
肉は、鶏肉、牛肉、豚肉等があり、いずれの肉も使用することができるが、好ましくは風味の問題上、鶏肉が望ましい。部位についてもむね肉やもも肉等があり、いずれの部位でも使用できるが風味の問題上、もも肉を使用する事が望ましい。例えば、挽肉は、3mmから10mmのチョッパー、好ましくは5mmから7mmの目皿で挽いた挽肉を使用することが望ましい。
【0009】
具材は、野菜をはじめ植物性、動物性の有形のものを指す。
野菜はかぼちゃ、ごぼう、たまねぎ、にんじん等の根菜類、さつまいも、さといも、じゃがいも等の芋類、枝豆、いんげん、小豆、大豆(黒豆)、ぎんなん等の種実類、キャベツ、ねぎ等の葉菜類である。特に、成型することにより水分がでる野菜は、本発明では、形を崩すことなく製品に含めることができる。
尚、しいたけ、きくらげ等のきのこ類、ひじき、わかめ、昆布などの海藻類は公知では野菜でないが、本発明においては野菜の一部として含めることができる。野菜は、5mm以下の径のもの、好ましくは3〜5mmの径のものを含んでいる野菜を用いるが、このことにより、含まれている野菜を視覚的にも食感的にも顕在化させ、彩りによって製品の色彩を冴えたものにすることができる。
【0010】
本発明における具材の配合量とは、加熱前の生地中の配合量をさし、野菜は切る前に水に漬けておいたもの、もしくは切った後に水に漬けておいたものを含む。尚、加熱工程である油中加熱工程で水分の移動があるため、製品中の野菜の配合量は加熱前の野菜の50重量%から99重量%に低下する場合もある。
【0011】
次に、つなぎ材は大豆蛋白ペースト単独又は大豆蛋白ペーストに肉及び必要に応じて食塩などを添加して、調整する。このつなぎ材の中に入れる肉は生地の5重量%以上好ましくは5〜20重量%加えるのが良い。肉が5重量%未満では油中加熱時に散りが生じ、外観のよい商品が得られない。また、肉が20重量%を越えると、肉の結着力が強くなりすぎ、食感がかたくなるので好ましくない。
【0012】
具材はつなぎ材と合わせ混合して生地とし、この生地を成型し、加熱固化するが、野菜の割合は、生地中30〜70重量%、好ましくは40〜65重量%、より好ましくは45〜55重量%が良く、野菜の割合が30重量%未満では、調理加熱後、時間経過とともに食感の柔らかさがなくなり、所期の効果を達成することができなくなる。また、野菜の割合が70重量%を越えると、生地がやわらかくなりすぎ成型ができず、所期の効果を得ることができなくなる。従って、このような意味で、本発明における野菜の添加量は、食感との関わりにおいて決定される重要なものである。
【0013】
また成型は、ドラム成型、モールディング成型など任意である。本工程により、円形、楕円形、三角形、四角形等任意の形に変えることが可能である。
【0014】
多段加熱は150℃未満の加熱及び150℃以上の加熱を含む工程よりなる。更に詳細には、多段加熱が150℃未満の油中加熱及び150℃以上の油中加熱工程や、150℃以上の油中加熱及び湿熱加熱を含む工程である。
150℃未満の油中加熱は油温度が100℃以上150℃未満、好ましくは105から135℃の温度帯で、10秒から10分、好ましくは4分から8分の加熱時間がよい。150℃以上の油中加熱は油温度が150℃以上200℃未満、好ましくは160から180℃の温度帯で、10秒から10分、好ましくは1分から5分の加熱時間がよい。湿熱加熱は蒸煮などの蒸気加熱式や熱水加熱式等がある。製品の中心温度が75℃以上にならないと、製品状態での具材が火のとおりのよい状態にはならず、中心温度が、好ましくは、75〜100℃、より好ましくは75〜85℃になるまで行うのがよい。焼き工程は200℃以上、好ましくは200から250℃、より好ましくは220から230℃の温度帯で実施し、加熱後の中心温度が75℃以上、好ましくは75〜100℃、より好ましくは75〜85℃になるまで加熱するのが望ましい。
【0015】
本発明における加熱とは製造時の生地の多段加熱を指し、調理加熱とは喫食者が喫食時に加熱する2回目の加熱を指す。
【0016】
また、本発明による商品の製品形態としては、冷蔵、冷凍またはレトルトのいずれかの形態が推奨される。
【0017】
【実施例】
以下実施例により本発明の実施様態を具体的に説明するが、本発明がこれらによってその技術範囲が限定されるものではない。
【0018】
大豆蛋白惣菜を製造法する時の配合表を表1に示す。
【0019】
実施例1〜2及び比較例1
粉末状分離大豆蛋白7重量部(以下、部と記す)、植物油脂6部、水23部をサイレントカッターでカッティングし、大豆蛋白ペーストを調製した。この大豆蛋白ペーストに鶏挽肉10部、食塩1部を加えて、つなぎ材を得た。ミキサーに、5mm程度にカッティングした湯葉5部、水戻ししたひじき1部、2mmの厚さにスライスしたごぼう4部、1cm角にスライスしたかぼちゃ3部、みじん切りにしたさやいんげん4部、みじん切りにしたえだまめ7部、8mm程度にカットしたくわい7部、5mmのダイス状にカットしたにんじん8部、5mmのダイス状にカットしたたまねぎ8部、調味料2部、でん粉4部を投入し、さらに上記のつなぎ材47部を加え混合し、生地を得た。この生地を40gの角型に成型し、油温度110℃で5分間油中加熱し、更に180℃で1分間油中加熱した(実施例1)。
【0020】
実施例1と同様に調製した野菜入りの生地を40gに成型し、油温度170℃で1分間油中加熱し、更に85℃で13分間湿熱加熱した(実施例2)。
粉末状分離大豆蛋白10部、植物油脂10部、水30部をサイレントカッターでカッティングし、食塩1部を加えて、つなぎ材を得た。ミキサーに、2mmの厚さにスライスしたごぼう2部、1センチ角にスライスしたかぼちゃ3部、みじん切りにしたさやいんげん5部、みじん切りにしたえだまめ9部、8mm程度にカットしたくわい9部、5mmのダイス状にカットしたにんじん8部、5mmのダイス状にカットしたたまねぎ8部、調味料2部、でん粉3部を投入し、さらに上記のつなぎ材51部を加え混合し、生地を得た。この生地を40gの角型に成型し、油温度110℃で5分間油中加熱し、更に180℃で1分間油中加熱した(比較例1)。
【0021】
冷凍保管後、1ヶ月経過した大豆蛋白惣菜2個をだし液で約15分間煮込み調理加熱後、および3時間経過後の食感評価を熟練したパネラー9名で5点評価法(5点柔らかい、4点やや柔らかい、3点普通、2点やや固い、1点固い)で行い、平均値をとった結果を表2に示した。
【0022】
実施例1及び2の大豆蛋白惣菜は煮込み調理加熱後、及び室温で3時間経過後も明らかに柔らかい食感であった。一方、比較例1については実施例1及び2と異なり、明らかにかたい食感であった。
また、実施例1と同配合で肉をつなぎ材中にではなく、具材と同時に投入、混合した場合では、油中加熱中に散りが生じ、明らかに外観に問題のある商品ができた。
【0023】
比較例2〜3
実施例1と同様に調製した野菜入りの生地を40gに成型し、230℃で6分間焼成した(比較例2)。
実施例1と同様に調製した野菜入りの生地を40gに成型し、85℃で40分間蒸煮した(比較例3)。
【0024】
【0025】
冷凍保管後、1ヶ月経過した大豆蛋白惣菜2個をだし液で約15分間煮込み調理加熱後、および3時間経過後の食感評価を熟練したパネラー9名で5点評価法(5点柔らかい、4点やや柔らかい、3点普通、2点やや固い、1点固い)で行い、平均値をとった結果を表4に示した。
【0026】
比較例2〜3の大豆蛋白惣菜は上記実施例1のそれに比べ、煮込み調理加熱後、及び室温で3時間経過後も明らかにかたい食感であった。
【0027】
実施例3及び比較例4〜5
粉末状分離大豆蛋白6重量部、植物油脂4部、水18部をサイレントカッターでカッティングし、大豆蛋白ペーストを調製した。この大豆蛋白ペーストに鶏挽肉10部、食塩1部を加えたつなぎ材を得た。ミキサーに5mm程度にカッティングした湯葉5部、水戻ししたひじき1部、2mmの厚さにスライスしたごぼう5部、1センチ角にスライスしたかぼちゃ3部、みじん切りにしたさやいんげん4部、みじん切りにしたえだまめ8部、8mm程度にカットしたくわい8部、5mmのダイス状にカットしたにんじん9部、5mmのダイス状にカットしたたまねぎ12部、調味料2部、でん粉4部を投入し、さらに上記のつなぎ材39部を加え混合し、生地を得た。この生地を40gの角型に成型し、油温度110℃で5分間油中加熱し、更に180℃で1分間油中加熱した(実施例3)。
実施例3と同様に調製した野菜入りの生地を40gに成型し、230℃で6分間焼成した。(比較例4)
実施例3と同様に調製した野菜入りの生地を40gに成型し、85℃で40分間蒸煮した(比較例5)。
【0028】
【0029】
冷凍保管後、1ヶ月経過した大豆蛋白惣菜2個をだし液で約15分間煮込み調理加熱後、および3時間経過後の食感評価を熟練したパネラー9名で5点評価法(5点柔らかい、4点やや柔らかい、3点普通、2点やや固い、1点固い)で行い、平均値をとった結果を表6に示した。
【0030】
実施例3の大豆蛋白惣菜は比較例4〜5のそれに比べ、煮込み調理加熱後、及び室温で3時間経過後、明らかに柔らかい食感であった。
【0031】
実施例4及び比較例6〜7
粉末状大豆蛋白4重量部、植物油脂3部、水12部をサイレントカッターでカッティングし、大豆蛋白ペーストを調製した。この大豆蛋白ペーストに鶏挽肉9部、食塩1部を加えたつなぎ材を得た。ミキサーに5mm程度にカッティングした湯葉5部、水戻ししたひじき1部、2mmの厚さにスライスしたごぼう7部、1センチ角にスライスしたかぼちゃ5部、みじん切りにしたさやいんげん4部、みじん切りにしたえだまめ9部、8mm程度にカットしたくわい9部、5mmのダイス状にカットしたにんじん10部、5mmのダイス状にカットしたたまねぎ15部、調味料2部、でん粉4部を投入し、さらに上記のつなぎ材29部を加え混合し、生地を得た。この生地を40gの角型に成型し、油温度110℃で5分間油中加熱し、更に180℃で1分間油中加熱した(実施例4)。
実施例4と同様に調製した野菜入りの生地を40gに成型し、230℃で6分間焼成した(比較例6)。
実施例4と同様に調製した野菜入りの生地を40gに成型し、85℃で40分間蒸煮した(比較例7)。
【0032】
【0033】
冷凍保管後、1ヶ月経過した大豆蛋白惣菜2個をだし液でで約15分間煮込み調理加熱後、および3時間経過後の食感評価を熟練したパネラー9名で5点評価法(5点柔らかい、4点やや柔らかい、3点普通、2点やや固い、1点固い)で行い、平均値をとった結果を表8に示した。
【0034】
実施例4の大豆蛋白惣菜は比較例6〜7のそれに比べ、煮込み調理加熱後、及び室温で3時間経過後、明らかに柔らかい食感であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明により、大豆蛋白ペースト及び肉からなるつなぎ材中に具材を含有する生地を成型して、多段加熱する大豆蛋白惣菜の製造法により、煮込み調理加熱でソフトな食感に仕上がり、3時間経過後も柔らかい食感を保っていた。
Claims (3)
- 大豆蛋白ペーストを含むつなぎ材及び具材を混合成型した生地を、105〜135℃の油中加熱および150℃以上200℃未満の油中加熱を含む工程よりなる多段加熱し、がんもどきを製造する方法において、具材として野菜を生地中30〜70重量%、及びつなぎ材として肉を生地中5〜20重量%を含有させることを特徴とするがんもどきの製造法。
- 大豆蛋白ペーストが分離大豆蛋白若しくは濃縮大豆蛋白及び水の水和物、分離大豆蛋白若しくは濃縮大豆蛋白、油及び水の乳化物又は豆腐である請求項1に記載の製造法。
- 請求項1又は2に記載の製造法で得られたがんもどき。
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