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JP3587031B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP3587031B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、詳しくはMOS(Metal−Oxide−Semiconductor )トランジスタのゲート、絶縁膜上に形成されるTFT(Thin Film Toransistor )等の半導体装置の製造方法、イオン注入を用いたシリサイド化技術を行う半導体装置の製造方法、イオン注入による低抵抗化を行う半導体装置の製造方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
低電圧のLSIにおいて、SOI(Silicon on Insulator)に形成されたトランジスタは、バルクMOSトランジスタに比べ寄生容量が小さいため、論理回路など高速性を要求される用途に有利であり、一部では実用化されている。一方、回路上、理想的な完全空乏型の基板としてSIMOX(Separation by Implanted Oxgen )基板、いわゆるSmart Cut技術を用いて形成したSOI基板、はり合わせエッチバック法を用いて形成したSOI基板など、製造コスト低減、膜厚均一性向上、結晶性改善をめざした検討が進められている〔電子情報通信学会誌「SOIの現状と課題」,80 [7] (1997) T.Yonehara, p.758−762 参照〕。
【0003】
MOSLSIにおいて、低電圧で動作させるデバイスとしては、低いリーク電流と高いトランスコンダクタンスgmを両立させるためにゲート電圧スイング値の低減と低いしきい値の制御が重要になっている。特にCMOSデバイスにおいては、微細化が進み、そのpMOSトランジスタではp型ポリシリコンゲートを使う表面チャネル型に移行している。そして表面チャネル型のデバイスにおいては、チャネル濃度が低い領域でpポリシリコンゲートはしきい値が下がりすぎ、トランジスタをエンハンスメントに保つことが困難になってくる。すなわち、低電圧(例えば1V未満)では、シリコンのバンドギャップ1.1Vの範囲で、フェルミレベルが変えられる材料が要求されている。特に完全空乏型SOIではチャネル濃度の制御によりしきい値の制御が困難となるので、ゲート膜の仕事関数により制御することが要求されている。シリコンよりバンドギャップの小さいpシリコンゲルマニウム(SiGe)は、その組成比をかえることで仕事関数を主に価電子帯のみ有効に変えることができるため、しきい値の制御性に優れている。そこで、微細なpMOSトランジスタおよびnMOSトランジスタのゲートに使う提案が、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) Electron Device Letters (USA),12 (1991) T.−J.King et al., p.533−535 、IEDM(Internatinal Electron Devices Meeting) (USA),10.4.1〜4 (1990) T.−J.King et al., p.253−256等でなされている。
【0004】
またシリコンゲルマニウム(Si1−x Ge)ではSiにおけるミッドギャップより上では制御しにくいが、p型でゲルマニウムの組成比(x)を変えることでSiにおけるミッドギャップより下の約0〜0.56Vで変化できる。現在、バルクMOSトランジスタを含め、SiGeをゲート材料に用いた0.1μm〜0.25μmルールのMOSトランジスタ、SOI・MOSFET(FET:Field Effect Transistor )がIEDM (USA),30.2.1 〜4 (1993) N.Kistler and J.Woo(UCLA) p.727−730に報告されている。
【0005】
また一方、SRAMやLCD(Liquid Crystal Device )、(もしくはFED(Field Emission Display)などにおいて、高移動度化が可能なポリシリコンFET(Field Effect Transistor )が使われているが、さらなる性能の向上と低温化プロセスの要求から、ポリSiGe・TFTが、J. Electrochem.Soc.(USA), 142 (9) (1995) J.A.Tsai,A.J.Tang,T.Noguchi and R.Reif,p.3220−3225 によって提案されている。
【0006】
上記説明したように、ポリSiGeゲートを用いたトランジスタの提案は活発化している。
【0007】
次にイオン注入を用いたシリサイド化技術を説明する。コバルトシリサイドやタングステンシリサイド等の高融点金属シリサイド膜を成膜する方法の一つに、スパッタ装置によって高融点金属〔モリブデン、タングステン、タンタル、チタン、またはコバルト〕膜を成膜した後、この高融点金属膜が最表面となった状態でシリコン(Si)をイオン注入して、上記高融点金属膜をシリサイド化してシリサイド膜を形成する方法がある。
【0008】
次にSiGe膜の低抵抗化技術を説明する。低電圧用のMOSトランジスタでは、低濃度のチャネルが要求されているが、しきい値を制御するのにゲートの仕事関数を制御する必要がある。そこで仕事関数を制御し易いSiGeがゲート材料に用いられている。ところが、SiGe膜はこのままでは抵抗が高すぎるために使い難いので、SiGe膜にホウ素イオン、二フッ化ホウ素イオン、ヒ素イオン、リンイオン等のドーパントをイオン注入して抵抗値を下げる方法が行われている。この場合もSiGe膜が最表面となった状態でイオン注入を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
SiGeを用いた半導体装置の製造方法では、Geの融点は937℃でありSiの融点である1415℃よりも低いので、SiGe薄膜に対し、Geの融点以上の温度で熱処理を行うことが困難であった。そのため、SiGeの結晶性の向上が制限されていた。さらに熱処理時にGeが外方拡散するため、クリーン化の観点より、別途、熱処理装置を準備する必要があった。またSiGeを用いた半導体装置の製造方法でも、一般のSi・LSIの製造工程と同様に洗浄工程が行われる。しかしながら、SiGe薄膜のエッチングレートは、特に溶液中ではSiとは著しく異なり、溶けやすい〔J. Electrochem.Soc.(USA), 139 (10) (1992) D.J.Godbey,A.H.Krist,K.D.Hobart and M.E.Twigg,p.2943−2947 参照〕ので、Si・LSIプロセスで一般的に使われているRCA(NH+H+HO……HCl+H)洗浄を採用することが難しい。そのため、Si・プロセスに適合させるのが困難であった。すなわち、別途、専用の洗浄槽を準備する必要があった。
【0010】
次に上記高融点金属を成膜した後にこの高融点金属膜にSiイオンを注入してシリサイド膜を形成する方法では、直接、高融点金属表面にイオン注入を行うため、スパッタされた金属原子がイオン注入装置の内部のエンドステーション部分に飛散し、その部分が汚染される。この状態で次のウエハ処理を行うと、装置内部に付着していた高融点金属がスパッタされ、それがウエハ表面に付着したり、注入されたりして、品質の劣化を来すという問題が起きていた。
【0011】
次にSiGeにイオン注入して抵抗値を下げる方法では、直接、SiGe表面にイオン注入を行うため、スパッタされたGe原子がイオン注入装置の内部のエンドステーション部分に飛散し、その部分が汚染される。この状態で次のウエハ1理を行うと、装置内部に付着していたGeがスパッタされ、それがウエハ表面に付着したり、注入されたりする問題が起きていた。
【0012】
上記エンドステーション部分の汚染問題を解決する方法の一つとして、ダミーウエハへイオン注入を行うことによって汚染物質を出し切る方法があるが、この方法は、作業が簡単である反面、高濃度汚染に対して長時間の処理を必要とすることから非現実的である。一方、装置のエンドステーション部分のメンテナンスを行う方法は、手間と時間がかかり、実際の生産ラインでは受け入れ難いという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた半導体装置の製造方法である。第1の製造方法は、上記熱処理時、洗浄時の課題を解決する方法であって、絶縁ゲート型トランジスタのゲート材料となるシリコンゲルマニウム(SiGe)膜を形成する際に、そのSiGe膜を形成した後、SiGe膜上にシリコン(Si)膜を被覆形成する工程と、SiGe膜をゲルマニウム(Ge)の融点以上Siの融点未満の温度で熱処理する工程とを備えていることを特徴とする。
【0014】
上記第1の製造方法では、SiGe膜上にSi膜を被覆形成した後、SiGe膜をGeの融点以上Siの融点未満の温度で熱処理することから、Si膜によってSiGe膜がキャップされた状態になり、SiGe膜が流動するようなことはなく、平坦性を維持した状態で良好なる結晶化されたSiGe膜が形成される。また、SiGe膜はSi膜に被覆されていることから、SiGe膜が溶解することなくウエハ表面の洗浄が容易に行える、そのため、従来のSi・LSIプロセスの洗浄プロセスを用いることが可能になるので、特別なる洗浄槽を用意する必要もなくなる。
【0015】
第2の製造方法は、上記熱処理時の課題、洗浄時の課題を解決する方法であって、薄膜トランジスタのチャネル材料となるSiGe膜を形成する際に、そのSiGe膜を形成した後、SiGe膜上にSi膜を被覆形成する工程と、SiGe膜をGeの融点以上Siの融点未満の温度で熱処理する工程とを備えていることを特徴とする。
【0016】
上記第2の製造方法では、前記第1の製造方法と同様に、Geの融点以上Siの融点未満の温度での熱処理時には、Si膜によってSiGe膜がキャップされた状態になり、SiGe膜が流動するようなことはなく、平坦性を維持した状態で良好なる結晶化されたSiGe膜が形成される。また、SiGe膜はSi膜に被覆されていることから、SiGe膜が溶解することなくウエハ表面の洗浄が容易に行える、そのため、従来のSi・LSIプロセスの洗浄プロセスを用いることが可能になるので、特別なる洗浄槽を用意する必要もなくなる。
【0017】
第3の製造方法は、上記イオン注入時の課題を解決する方法であって、高融点金属膜を成膜した後にこの高融点金属膜上にSi膜を被覆形成する工程と、そのSi膜を通して高融点金属膜にイオン注入する工程と、そのSi膜を除去する工程とを備えていることを特徴とする。
【0018】
上記第3の製造方法では、高融点金属膜上にSi膜を被覆形成した後、Si膜を通して高融点金属膜にSiをイオン注入することから、イオン注入されるSiにより高融点金属がスパッタリングされて飛散することなくシリサイド化がなされるので、装置内のエンドステーションの汚染がなくなる。そのため、装置内のエンドステーションの汚染除去を行う必要がない。
【0019】
第4の製造方法は、上記イオン注入時の課題を解決する方法であって、SiGe膜を成膜した後にこのSiGe膜上にSi膜を被覆形成する工程と、Si膜を通してSiGe膜にイオン注入する工程と、Si膜を除去する工程とを備えている。
【0020】
上記第4の製造方法では、SiGe膜上にSi膜を被覆形成した後、Si膜を通してSiGe膜にSiをイオン注入することから、イオン注入されるSiによりSiGeがスパッタリングされて飛散することがなくSiGe膜の低抵抗化がなされるので、装置内のエンドステーションの汚染がなくなる。そのため、装置内のエンドステーションの汚染除去を行う必要がない。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の製造方法に係わる実施形態の一例を、図1の製造工程図によって説明する。
【0022】
図1の(1)に示すように、シリコン(Si)基板11上に酸化Si層12、Si層13を積層してなるSOI基板10の該Si層13に素子分離領域14を形成した後、上記Si層13の表面にゲート絶縁膜15を形成する。ゲート絶縁膜15を薄く形成するには、例えばRTO(Rapid Thermal Oxidation )は、例えば酸素雰囲気中で高温短時間で行う。例えば950℃の乾燥酸素雰囲気中で30秒間のSi層13の表面の酸化処理を行い4nm程度の酸化Si膜を形成する。この場合、ホウ素(B)の酸化膜中への突き抜け混入によるしきい値変動を抑えるために、例えば一酸化二窒素(NO)雰囲気中でのRTN(Rapid Thermal Nitrogetion )を続けて行ってもよい〔IEEE Electron Device Letters (USA), 15 (12) (1994) Z.−Q.Yao et al., p.516−519 〕。
【0023】
次いで図1の(2)に示すように、ゲート絶縁膜15上にゲート膜として用いるSiGe膜16を形成する。SiGe膜16の成膜は、原料ガスにゲルマン(GeH)とモノシラン(SiH)とを用いた化学的気相成長(CVD)法を用いて成膜を行ってもよい。その方法は、J. Electrochem.Soc.(USA), 142 (9) (1995) J.A.Tsai,A.J.Tang,T.Noguchi and R.Reif, p.3220−3225、IEEE Electron Device Letters (USA), 12 (1991) T.−J.King et al., p.533−535 、IEDM (USA),10.4.1 〜4 (1990) T.−J.King et al., p.253−256等に提案されている。もしくは、スパッタ法により成膜を行ってもよい。
【0024】
後者のスパッタ法によりSiGe膜16の成膜を行う場合には、200℃程度の低温で、アルゴン(スパッタ原子)雰囲気でSiGeの堆積を行ってSiGe膜16を、例えば、所定の比に制御されたSiGeターゲットを用い、SiGeを例えばおよそ80.0nmの厚さに堆積して形成する。
【0025】
続いてSiGe膜16上にSiの堆積を行ってSi膜17の形成を行う。例えば、上記SiGe膜16の成膜雰囲気の真空を破らず、SiGeターゲットをSiターゲットに取り替えた後、もしくはSiGe用ターゲットを有する別の処理室に移動した後、1.0nm以上200nm以下、例えばおよそ6.0nmの厚さのSi膜17を形成して、このSi膜17で上記SiGe膜16を被覆する。上記Si膜17は、減圧CVD(LP−CVD)法によって行うことも可能であり、その場合にはおよそ500℃の温度で成膜できる。一方プラズマCVD法によりSi膜17を形成する場合には200℃程度まで低温化することができるが、膜中に多量の水素が取り込まれるので、結晶化をELA(Excimer Laser Annealing )で行う際には水素抜きのプリアニーリングが必要となる。
【0026】
次いで図1の(3)に示すように、SiGe膜16に、一定のドーズ量〔例えば、P型に対してはBFイオンまたはBイオンを3×1015個/cm程度〕でイオン注入を行った後、活性化・結晶化のための熱処理を施す。この熱処理温度は、Geの融点(937℃)以上Siの融点(1415℃)以下の温度とする。もしくはELA、RTA(Rapid Thermal Annealing )等の熱処理でも有効である。この場合もSiGeがGeの融点以上の温度になるように熱処理を行う。SiGe膜16がSi膜17によって被覆されているため、SiGe膜16のみでは溶融するために不可能であったGeの融点以上の温度で熱処理を行うことが可能になり、Si膜17によってSiGe膜16の平坦性を維持した状態で優れたSiGe膜16の結晶化膜が得られる。この結果、活性化率が高い低抵抗のSiGe膜16となる。
【0027】
一方、上記熱処理をSiの融点以上の温度で行うと、Si膜17も流動して熱処理前の形状を維持するとができなくなり不都合を生じる。また熱処理をGeの融点未満の温度で行ったのでは、十分なSiGeの結晶化膜が得られない。そこで、上記説明したように、この熱処理はGeの融点以上Siの融点未満で行うことが必要になる。
【0028】
その後図1の(4)に示すように、リソグラフィー技術とエッチング技術とを用いて、上記Si膜17/SiGe膜16をパターニングして、ゲートパターン21を形成する。その後、一定のドーズ量〔例えば、P型に対してはBFイオンまたはBイオンを3×1015個/cm程度〕でゲートパターン21をマスクにした自己整合的なイオン注入を行って、Si層13にソース・ドレイン領域22,23を形成する。
【0029】
次いで層間絶縁膜31の堆積、コンタクト形成のためのリソグラフィー工程とエッチングによる接続孔32,33の形成、そのエッチングに用いたマスクの除去、金属配線34,35の形成という従来のLSI製造プロセスを行う。
【0030】
上記第1の製造方法において、上記SiGe膜16を、その成膜雰囲気に不純物ガスを導入して不純物を含むSiGe膜で形成してもよい。その際に導入する不純物ガスとして、p型不純物ガスとしては例えばジボラン(B)を用いることが可能であり、n型不純物ガスとしては例えばホスフィン(PH)、アルシン(AsH)等を用いることが可能である。このように、SiGe膜16を不純物を含むSiGe膜で形成することにより、SiGe膜16にイオン注入を行わなくてもゲートパターン21は低抵抗なものとなり、高性能化が図れる。
【0031】
上記第1の製造方法では、SiGe膜16上にSi膜17を被覆形成した後、SiGe膜16をGeの融点以上Siの融点未満の温度で熱処理することから、Si膜17によってSiGe膜16がキャップされた状態になり、SiGe膜16が流動するようなことはなく、平坦性を維持した状態で良好なる結晶化されたSiGe膜16が形成される。また、SiGe膜16はSi膜17に被覆されていることから、SiGe膜16が溶解することなくウエハ表面の洗浄が容易に行える、そのため、従来のSi・LSIプロセスの洗浄プロセスを用いることが可能になるので、特別なる洗浄槽を用意する必要もなくなる。また、ゲートパターン21を形成した後、通常のサリサイド(Self−Aligned Silicidation )技術を行うことも可能である。
【0032】
次に、本発明の第2の製造方法に係わる実施形態の一例を、図2の製造工程図によって説明する。図2では、ガラス基板上などSOIにおけるTFTのチャネルに対して適用した一例を示す。
【0033】
図2の(1)に示すように、ガラス基板51上に例えば絶縁膜としてSiO膜52を形成し、その上にSiGe膜53を例えば50nmの厚さに形成する。SiGe膜53の成膜は、前記第1の製造方法で説明したのと同様に、CVD法もしくはスパッタ法によって行う。続いてSiGe膜53上にSiの堆積を行ってSi膜54を、例えば5nmの厚さに形成する。例えば、上記SiGe膜53をCVD法によって成膜した場合には、このSi膜54も同一チャンバにおいて原料ガスを替えることによって連続的に成膜する。もしくは、上記SiGe膜53をスパッタ法によって成膜した場合には、SiGe膜53の成膜雰囲気の真空を破らずSiGeターゲットをSiターゲットに取り替えて成膜する。その結果、上記SiGe膜53はSi膜54によって被覆され、このSi膜54とSiGe膜53とがチャネルになる。この場合のSiGe膜53の厚さは10nm以上100nm以下、好ましくは30nm以上80nm以下とし、一方、Si膜54の厚さは1.0nm以上100nm以下、好ましくは30nm以上50nm以下とする。
【0034】
その後図2の(2)に示すように、結晶化のための熱処理を施す。この熱処理温度は、Geの融点(937℃)以上Siの融点(1415℃)未満の温度、例えばこの温度範囲内での結晶化にとって適切なる最高処理温度とする。この熱処理は、ELA、ランプアニーリング(例えばハロゲンランプ光もしくは紫外線アークランプ光を用いたアニーリング)によるRTA等で行うことも有効である。この場合もSiGeがGeの融点以上Siの融点未満の温度になるようにエキシマレーザ光またはランプ光を照射する。その結果、SiGe膜53がSi膜54によって被覆されているため、SiGe膜53のみでは溶融するために不可能であったGeの融点以上の温度で熱処理を行うことが可能になり、Si膜54によってSiGe膜53の平坦性を維持した状態で優れたSiGe膜53の結晶化膜が得られる。したがって、SiGe膜53は高い移動度を有する膜となる。また、熱処理時にはSiGe膜53が半溶融の状態のため、SiO層52とSiGe膜53との界面においてもSiO/Si界面の場合と同様に、(100)面表面エネルギーが最小になる面方位制御の可能性もでてくる。一方図示はしないが、Si/SiGe界面でも、同様に(100)面が安定になるので、Siウエハ上のSiGeヘテロエピタキシャル成長の場合、通常(100)面のウエハが用いられる。
【0035】
一方、上記熱処理をSiの融点以上の温度で行うと、Si膜54も流動して熱処理前の形状を維持するとができなくなり不都合を生じる。また熱処理をGeの融点未満の温度で行ったのでは、十分なSiGeの結晶化膜が得られない。そこで、上記説明したように、この熱処理はGeの融点以上Siの融点未満の温度で行うことが必要になる。
【0036】
次いで図2の(3)に示すように、Si膜54の表面にゲート酸化膜(SiO膜)55を形成した後、通常のプロセスによって、Si膜54とSiGe膜53とをパターニングして活性化領域を分離し、さらにSiゲート56の形成し、Siゲートの両側のSi膜54とSiGe膜53とにソース・ドレイン57,58を形成する。そして層間絶縁膜61を堆積し、コンタクト形成のためのリソグラフィー工程とエッチングによる接続孔62,63を形成し、そのエッチングに用いたマスクの除去した後、金属電極64,65を形成するという従来のLSI製造プロセスを行って、TFT50を完成させる。このように形成されたTFT50においては、SiO/Si界面は、SiO/SiGe界面より界面準位密度が低いため、S(スイング)値にも優れ、リークも低減できる。
【0037】
上記第2の製造方法において、上記SiGe膜53を、その成膜雰囲気に不純物ガスを導入して不純物を含むSiGe膜で形成してもよい。その際に導入する不純物ガスとして、p型不純物ガスとしては例えばジボラン(B)を用いることが可能であり、n型不純物ガスとしては例えばホスフィン(PH)、アルシン(AsH)等を用いることが可能である。
【0038】
なお、現状の低融点の市販ガラスを基板に用いた場合には、600℃以下、好ましくは450℃以下の温度でのプロセス処理が要求されるが、上記製造方法の場合、500℃以下でSi膜54とSiGe膜53とを堆積した後、ELA法を用いることで低温化プロセスは可能となる。このELAの条件としては、一例として、波長が308nmのキセノン塩素(XeCl)エキシマレーザを用い、1shot当たり350mJ/cmのエネルギーで1shot照射する。
【0039】
上記第2の製造方法では、前記第1の製造方法と同様に、Geの融点以上Siの融点未満の温度での熱処理時には、Si膜54によってSiGe膜53がキャップされた状態になり、SiGe膜53が流動するようなことはなく、平坦性を維持した状態で良好なる結晶化されたSiGe膜53が形成される。また、SiGe膜53はSi膜54に被覆されていることから、SiGe膜53が溶解することなくウエハ表面の洗浄が容易に行える、そのため、従来のSi・LSIプロセスの洗浄プロセスを用いることが可能になるので、特別なる洗浄槽を用意する必要もなくなる。また、ゲートパターン21を形成した後、通常のサリサイド技術を行うことも可能である。
【0040】
また、600℃以下の低温プロセスによってガラス基板51上にSiGe膜53からなるチャネルを形成する場合、例えばエキシマレーザ(UVパルス)光の照射によって行う場合には、下地をほとんど加熱することなく上記SiGe膜53に対する熱処理を施すことが可能になるので、TFT50の高性能化が可能になる。
【0041】
次に、本発明の第3の製造方法に係わる実施形態の一例を、図3の製造工程図によって説明する。図3では、イオン注入による高融点金属膜のシリサイド化を一例として示す。
【0042】
図3の(1)に示すように、通常のMIS(Metal Insulator semiconductor )型トランジスタプロセスによって、半導体基板51に素子形成領域52を分離する素子分離領域53を形成した後、その素子形成領域52にゲート絶縁膜54を介してゲート電極55を形成する。次いでLDD(Lightly Doped Drain )56,57を形成した後、ゲート電極55の両側にサイドウォール58を形成し、さらにゲート電極55とサイドウォール58とをマスクに用いたイオン注入によりソース・ドレイン領域59,60を形成する。
【0043】
上記のような半導体基板51上に、上記ゲート電極55を覆う高融点金属膜61を成膜する。この高融点金属膜61は、例えばコバルトのようなシリサイド化できるものであればよく、上記コバルトの他では、例えばタングステン、モリブデン、タンタル、またはチタンであってもよい。続いてスパッタ法により高融点金属膜61の表面を覆う状態にSi膜62を形成する。上記高融点金属膜61およびSi膜62はCVD法によって連続成膜することも可能である。
【0044】
その後図3の(2)に示すように、Si膜62を通して高融点金属膜61にSiをイオン注入する。その際、イオン注入前にゲート電極55上に開口を設けるとともにソース・ドレイン領域59,60から素子分離領域53上にかけて開口を設けたイオン注入マスク(図示省略)を形成しておく。このイオン注入ではSi膜62はマスクとはならず、Si膜62を通してドーパントは高融点金属膜61に注入される。Si膜62の膜厚はイオン注入時の加速電圧を変えることによってあらゆる膜厚にすることができるが、100nm以下とすることが好ましい。これによってゲート電極55上にシリサイド層63が形成されるととともに、ソース・ドレイン領域59,60から素子分離領域53に至る領域上にシリサイド層64,65が形成される。その際、高融点金属膜61がスパッタされてイオン注入装置(図示省略)のエンドステーションに付着することが無くなる。
【0045】
その後上記イオン注入マスクを除去した後、さらにドライエッチング装置またはウエット洗浄装置を用いて上記Si膜62を除去する。これによってイオン注入装置を介した相互汚染を生じさせることなく、図3の(3)に示すように、ゲート電極55上およびソース・ドレイン領域59,60上にシリサイド層63,64,65が形成される。その後図示はしないが、シリサイド化されていない部分の高融点金属膜61を例えばエッチングによって除去する。
【0046】
上記第3の製造方法では、高融点金属膜61上にSi膜62を被覆形成した後、Si膜62を通して高融点金属膜61にSiをイオン注入することから、イオン注入されるSiにより高融点金属膜61がスパッタリングされて飛散することなくシリサイド化がなされる。そのため、イオン注入装置(図示省略)内のエンドステーションの汚染がなくなるので、イオン注入装置内のエンドステーションの汚染除去を行う必要がない。また、高融点金属膜61はSi膜62によって被覆されているため、イオン注入直前にRCA洗浄のような洗浄工程を加えることが可能になる。
【0047】
次に、本発明の第4の製造方法に係わる実施形態の一例を、図4の製造工程図によって説明する。図4では、イオン注入によるSiGe膜の低抵抗化を一例として示す。
【0048】
図4の(1)に示すように、基板71上に、、例えばスパッタ法によってSiGe膜72を成膜する。続いてスパッタ法によりSiGe膜72の表面を覆う状態にSi膜73を形成する。上記SiGe膜72およびSi膜73はCVD法によって連続成膜することも可能である。
【0049】
その後図4の(2)に示すように、Si膜73を通してSiGe膜72に抵抗を下げるためのドーパントをイオン注入する。このドーパントには、SiGe膜72をP型にして抵抗を下げる場合にはP型不純物イオンであるホウ素イオン、二フッ化ホウ素イオン等を用い、N型にして抵抗を下げる場合にはN型不純物イオンであるリンイオン、ヒ素イオン等を用いる。このイオン注入ではSi膜73はマスクとはならず、Si膜73を通してドーパントはSiGe膜72に注入される。Si膜73の膜厚はイオン注入時の加速電圧を変えることによってあらゆる膜厚にすることができるが、通常100nm以下である。これによって、SiGe膜72がスパッタされてGeがエンドステーションに付着することが無くなる。
【0050】
その後ドライエッチング装置またはウエット洗浄装置を用いて、上記Si膜73を除去する。これによってイオン注入装置を介した相互汚染を生じさせることなく、図4の(3)に示すように、低抵抗化されたSiGe膜72を得ることが可能になる。図示はしないが、上記基板71に、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成したものを用い、上記SiGe膜72をこのゲート絶縁膜上に形成し、パターニングすることにより、低抵抗なゲート電極を形成することが可能になる。
【0051】
上記第4の製造方法では、SiGe膜72上にSi膜73を被覆形成した後、Si膜73を通してSiGe膜72にSiをイオン注入することから、イオン注入されるSiによりSiGe膜72がスパッタリングされて飛散することがなくSiGe膜72の低抵抗化がなされるので、イオン注入装置(図示省略)内のエンドステーションの汚染がなくなる。そのため、装置内のエンドステーションの汚染除去を行う必要がない。また、SiGe膜72はSi膜73によって被覆されているため、イオン注入直前にRCA洗浄のような洗浄工程を加えることが可能になる。
【0052】
次に、SiGe膜上にSi膜を形成した後、イオン注入を行うことによるイオン注入装置のエンドステーションへの汚染状況を、イオン注入を行った直後に作業を行ったウエハ表面を濃縮蛍光X線分析することにより調べた。その結果を図5に示す。図5の(1)は、Si膜を形成した場合であり、Geのピーク(9.88keVにおけるピーク)は表れていない。一方、図5の(2)はSi膜を形成しない場合であり、Geのピーク(9.88keVにおけるピーク)が表れている。すなわち、Si膜を形成することにより、イオン注入によるGeの飛散が防止されることがわかる。なお、図5の縦軸は蛍光X線の積分強度を示し、横軸は蛍光X線のエネルギーを示す。
【0053】
【発明の効果】
以上、説明したように第1の発明によれば、SiGe膜上にSi膜を被覆した後、熱処理を行うので、Geの融点以上の温度での熱処理が可能になる。そのため、結晶性、活性化率を向上させることができる。また、Si膜で被覆されているため、通常のRCA洗浄を行うことが可能になる。
【0054】
第2の発明によれば、SiGe膜上にSi膜を被覆した後、熱処理を行うので、Geの融点以上の温度での熱処理が可能になる。そのため、チャネルとなるSiGe膜の結晶性を向上させることができるので、移動度の向上が図れる。
【0055】
第3の発明によれば、Si膜によってイオン注入時の高融点金属の飛散が防止されるため、高融点金属によるイオン注入装置のエンドステーションへの汚染を防ぐことが可能になる。そのため、イオン注入装置を通しての他のウエハへの汚染が無くなるので、品質に優れたシリサイド膜を形成することが可能になるとともに、汚染除去のための装置メンテナンスが不要になる。
【0056】
第4の発明によれば、Si膜によってイオン注入時のSiGe中のGeの飛散が防止されるため、Geによるイオン注入装置のエンドステーションへの汚染を防ぐことが可能になる。そのため、イオン注入装置を通しての他のウエハへの汚染が無くなるので、品質に優れたシリサイド膜を形成することが可能になるとともに、汚染除去のための装置メンテナンスが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の製造方法に係わる実施形態の一例を説明する製造工程図である。
【図2】本発明の第2の製造方法に係わる実施形態の一例を説明する製造工程図である。
【図3】本発明の第3の製造方法に係わる実施形態の一例を説明する製造工程図である。
【図4】本発明の第4の製造方法に係わる実施形態の一例を説明する製造工程図である。
【図5】Si膜の有無による作業ウエハ表面の汚染状況を調べた濃縮蛍光X線分析結果の説明図である。
【符号の説明】
16…SiGe膜、17…Si膜

Claims (12)

  1. 絶縁ゲート型トランジスタのゲート材料となるシリコンゲルマニウム膜を形成する際に、
    前記シリコンゲルマニウム膜を形成した後、該シリコンゲルマニウム膜上にシリコン膜を被覆形成する工程と、
    前記シリコンゲルマニウム膜をゲルマニウムの融点以上シリコンの融点未満の温度で熱処理する工程と
    を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記シリコンゲルマニウム膜を、その成膜雰囲気に不純物ガスを導入して不純物を含むシリコンゲルマニウム膜で形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 薄膜トランジスタのチャネル材料となるシリコンゲルマニウム膜を形成する際に、
    前記シリコンゲルマニウム膜を形成した後、該シリコンゲルマニウム膜上にシリコン膜を被覆形成する工程と、
    前記シリコンゲルマニウム膜をゲルマニウムの融点以上シリコンの融点未満の温度で熱処理する工程と
    を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項3記載の半導体装置の製造方法において、
    前記シリコンゲルマニウム膜を、その成膜雰囲気に不純物ガスを導入して不純物を含むシリコンゲルマニウム膜で形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項3記載の半導体装置の製造方法において、
    基板上に形成した絶縁膜上に前記シリコンゲルマニウム膜を形成し、
    前記シリコンゲルマニウム膜の成膜に連続して前記シリコン膜の成膜を行い、
    前記熱処理をエネルギー線の照射により行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
    基板上に形成した絶縁膜上に前記シリコンゲルマニウム膜を形成し、
    前記シリコンゲルマニウム膜の成膜に連続して前記シリコン膜の成膜を行い、
    前記熱処理をエネルギー線の照射により行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項5記載の半導体装置の製造方法において、
    前記エネルギー線の照射をランプ光もしくはエキシマレーザ光の照射により行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項6記載の半導体装置の製造方法において、
    前記エネルギー線の照射をランプ光もしくはエキシマレーザ光の照射により行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 高融点金属膜を成膜した後に該高融点金属膜上にシリコン膜を被覆形成する工程と、
    前記シリコン膜を通して前記高融点金属膜にイオン注入する工程と、
    前記シリコン膜を除去する工程と
    を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
    前記イオン注入ではドーパントにシリコンイオンを用い、
    前記イオン注入によって前記高融点金属膜をシリサイド化する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. シリコンゲルマニウム膜を成膜した後に該シリコンゲルマニウム膜上にシリコン膜を被覆形成する工程と、
    前記シリコン膜を通して前記シリコンゲルマニウム膜にイオン注入する工程と、
    前記シリコン膜を除去する工程と
    を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記イオン注入ではドーパントにp型不純物イオンもしくはn型不純物イオンを用い、
    前記イオン注入によって前記シリコンゲルマニウム膜の抵抗を下げる
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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