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JP3585701B2 - セルラ移動通信システム無線基地局 - Google Patents

セルラ移動通信システム無線基地局 Download PDF

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JP3585701B2
JP3585701B2 JP15502297A JP15502297A JP3585701B2 JP 3585701 B2 JP3585701 B2 JP 3585701B2 JP 15502297 A JP15502297 A JP 15502297A JP 15502297 A JP15502297 A JP 15502297A JP 3585701 B2 JP3585701 B2 JP 3585701B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
    • H01Q3/2605Array of radiating elements provided with a feedback control over the element weights, e.g. adaptive arrays
    • HELECTRICITY
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    • H01Q3/267Phased-array testing or checking devices

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセルラ移動通信システム無線基地局(以下、無線基地局と略す)に関し、特に、各セクタを指向するアンテナ素子で受信した受信信号を周波数変換した時の位相のずれを補正する位相補償に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車・携帯電話サービスをはじめとする各種移動通信サービスは、ここ数年、わが国だけでなく世界的にも目覚ましい発展を遂げている。移動通信の中でもセルラ方式による自動車・携帯電話サービスの発展は特に目覚ましい。
【0003】
セルラ方式による移動通信システムとは、各無線基地局のサービスゾーンである多数のセルでサービスエリアを覆う移動通信システムである。アンテナ素子の指向方向以外へのセルへ干渉を与えることが少なく、また、指向方向以外の移動局から到来する干渉波を除去するために、各セルを、複数、例えば、6個のセクタに分割して、各セクタを指向する複数のアンテナ素子でそのセクタ内に位置する移動局からの信号を受信している。
【0004】
各セクタを指向する複数のアンテナ素子で受信した受信信号は、LNA(Low Noise Amplifier)で低雑音増幅して、AGC回路を含むヘテロダイン構成された受信部により、ディジタルなベースバンドの直交するI,Q信号を生成(以下、受信信号をベースバンドに変換するまでの非線形素子で構成された回路を受信機と呼ぶ)して、ビームフォーマにより振幅ウェイト、位相回転を与えて合成することによって、所望のシャープなビームパターンに成形して、利得向上を図っている。
【0005】
このようにセルラ移動通信システムの無線基地局にディジタル信号処理によるマルチビームアンテナ、アダプティブアレーアンテナを適用すると、等価的にビームパターンをシャープにすることによる利得向上と、エリア内の干渉を低減する働きによって、1つのセルに収容できるユーザの数を比較的簡単に増大することができるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のディジタル信号処理によるビーム成形は、セルラ移動通信システムの無線基地局用としては未だ研究段階にあり、理想的な環境(各アンテナ素子の受信信号の受信機の出力(以下、アンテナブランチと呼ぶ)間の位相偏差が無い場合)を想定した計算機シミュレーションが殆どである。
【0007】
マルチビームアンテナ成形の場合では、アンテナブランチ間に位相偏差が無い場合を想定して複数のアンテナブランチの出力をビーム成形するために、LNA、ミキサなどの非線形素子、製作誤差、経年変化、温度特性などによるアンテナブランチ間に位相偏差がある場合には所望のビームパターンが得られず、特性の劣化を招くという問題があった。
【0008】
また、アダプティブアレーアンテナ成形の場合は、各アンテナブランチ間に位相偏差がある場合にも、それを含めて振幅、位相を制御するため問題としないことも考えられるが、位相偏差とアダプティブ処理の振幅、位相の制御量を分離しておくことは送信時に受信時の制御量から送信ビーム成形を行う場合には必要条件となるが、従来、この制御量を分離することができなかった。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、セクタ内の特定ユーザ信号を用いて受信機の非線形素子などによる位相偏差をディジタル領域のビーム成形の前段階で補償し、効率の良いビーム成形を行うセルラ移動通信システム無線基地局を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の第1原理図である。
図2は、セクタを示す図である。
【0011】
図2において、無線基地局は、中心に位置しており、一定の範囲のセル内に位置する移動局を制御する。セルは、複数個(例えば、6個)のセクタに分割され、各セクタを指向するアンテナ素子2−k(k=1〜n)が配置されている。
【0012】
いずれのセクタについても同じことが言えるので、図2中の斜線で示すセクタについて説明する。このセクタに指向性を有する複数のアンテナ素子2−k(k=1〜n)が、Y軸に平行に配置されている。
【0013】
本発明は、各アンテナ素子2−k毎に設けられ、同じセクタを指向するアンテナ素子2−kで受信した信号から所望の周波数成分を抽出し、所定の帯域に周波数変換をする受信機4−kと、複数の受信機4−kの出力信号に基づいて、所望のビームパターンに成形するビームフォーマ6と、同じセクタを指向する複数のアンテナ素子2−kのうち、基準となるアンテナ素子を第1アンテナ素子2−1、該第1アンテナ素子2−1で受信した信号から周波数変換をする受信機を第1受信機4−1、第1アンテナ素子と異なる任意のアンテナ素子2−j(j=2〜n)を第2アンテナ素子2−j、該第2アンテナ素子2−jで受信した信号から周波数変換をする受信機4−jを第2受信機4−jとし、第1及び第2受信機4−1,4−jの出力信号を入力して、特定の上り信号の第1及び第2受信機4−1,4−jの出力信号を入力して、第1と第2受信機4−1,4−jとの出力信号の位相差と、第1と第2受信機4−1,4−jとの入力信号の位相差との差分の位相量を示す位相補償量を算出する位相補償量演算手段8−j(j=2〜n)と、第2受信機4−jの出力信号に対して、位相補償量から位相補正をする位相補償手段10−j(j=2〜n)とを具備したことを特徴とする。
【0014】
以上のように発明を構成したので、このセクタのエリア内にいるユーザ数をm、セクタに指向するアンテナ素子2−k(k=1〜n)のエレメント数をnとすると、受信機4−k(k=1〜n)のユーザ信号Xk(k=1〜n)は、次式(1)のように、複素数で表現される。
【0015】
X1=exp[(−1)1/2(α(t)+φ)]
X2=exp[(−1)1/2(α(t)+Δθi2+ φ)]


Xn=exp[(−1)1/2(α(t)+Δθin+ φ)] ・・・(1)
但し、
α(t) :i(i=1〜k)番目のユーザ信号の各受信経路における位相
Δθij:X1を基準としたとき、アンテナ素子2−kの配置とi番目のユーザからの到来波角度により決まるXjの位相回転
φ:受信機4−jの位相偏差を含む位相
(−1)1/2 :虚数単位
この信号を用いて、
Yj=Xj・X1=exp[(−1)1/2(φ−φ+Δθij)] ・・・(2)
を計算する。
【0016】
但し、
*:複素共役
位相補償量演算手段8−jは、第1及び第2受信機4−1,4−jの出力信号X1,Xjを入力して、位相補償量ΔΦ=(φ−φ )を算出する。
【0017】
位相補償手段10−jは、第2受信機4−jの出力信号Xjに対して、次式(3)の位相補償を行う。
Aj=Xj・exp(−(−1)1/2ΔΦ)=exp[(−1)1/2(α(t)+φ+Δθij)]…(3)
ところで、
X1=A1=exp[(−1)1/2(α(t)+φ) ] ・・・(4)
よって、位相補償手段10−jの出力信号Ajの位相項は、アンテナ配置と各ユーザからの到来波角度によって決まる位相回転項Δθijを除いて、基準としたアンテナ素子2−1の受信経路と同じとなり、位相補償が行われる。
【0018】
ビームフォーマ6は、この位相補償された信号を元に所望のビームパターンにビームフォーミングする。ビームフォーマ6に入力される信号は、位相補償手段10−jにより位相補償されているので、マルチビームアンテナ成形の場合では、ビームパターンの成形の効率が向上する。
【0019】
また、位相補償量演算手段8−kは、第1及び第2アンテナ素子2−1,2−jが指向するセクタ内に位置する移動局からの上り信号の中で、第1アンテナ素子2−1の出力信号と第2アンテナ素子2−jの出力信号との位相差を示す位相回転量の平均値が既知の値となる母集団に属する上り信号の第1及び第2受信機4−1,4−jの出力であることを示す制御信号を出力する制御手段と、制御信号に基づいて、第1受信機2−1の出力信号と第2受信機2−jとの位相差の平均値と、既知の値との差分を位相補償量として算出する平均化手段とを具備して構成してもよい。
【0020】
式(2)に示すように、第1受信機4−1の出力信号X1と第2受信機4−jの出力信号Xjとの位相差は、(φ−φ+Δθij)となる。制御手段は、Δθijの平均値が既知の値ΔΘとなるような母集団に属する上り信号を用いるように、平均化手段を制御する。
【0021】
平均化手段は、次式(5)で示すX1とXjの位相差の平均値Bjを算出する。
【0022】
【数1】
Figure 0003585701
【0023】
式(5)に示すBjは、(φ−φ+ΔΘ)に等しくなるものと推定される。そして、位相補償量は、BjからΔΘを減算すると、その出力が、(φ−φ)となる。位相補償手段10−jにより、Xjの位相(α(t)+Δθij+ φ)から(φ−φ)を引く位相補正をする。これにより、位相補償手段10−jの出力は、式(3)に示すようになって、位相補償される。
【0024】
図3は、本発明の第2原理図である。
本発明は、図3に示すように、第1位相補償量を入力して、第2受信機4−jの出力信号に対して、第1位相補償量に基づいて位相補正をする位相補償手段12−jと、第1受信機4−1の出力信号及び位相補償手段10−jの出力信号を入力して、第1受信機4−1の出力信号と位相補償手段10−jの出力信号との位相差と、第1と第2受信機4−1,4−jの入力信号の位相差との差分の位相量を示す第2位相補償量を算出する位相補償量演算手段8−jと、第2位相補償量と自身の出力信号とを加算して、第1位相補償量を位相補償手段10−jに出力する加算手段12−jとを具備して構成してもよい。
【0025】
上記第2位相補償量は、位相補償手段10−jの出力に対して、位相補償しなければならない位相補償量を示している。加算手段12−jにより、位相補償量演算手段8−jからの出力である第2位相補償量に現在の位相補償量である自身の出力を加算すると、第2受信機4−jに対する全体の第1位相補償量が得られる。
【0026】
そして、位相補償手段8−jは、この第1位相補償量に基づいて、第2受信機4−jの出力に対して、位相補償をする。これにより、位相補償手段10−jの出力は、式(3)に等しくなり、ビームフォーマ6には、位相の揃った信号が入力されることになり、マルチビームアンテナ成形の場合では、ビームパターンの成形の効率が向上する。
【0027】
また、位相補償量演算手段8−jは、第1及び第2アンテナ素子が指向するセクタ内に位置する移動局からの上り信号の中で、第1アンテナ素子2−1の出力信号に対する第2アンテナ素子2−jの出力信号の位相差を示す位相回転量の平均値が既知の値となる母集団に属する上り信号の第1受信機4−1及び位相補償手段10−jの出力であることを示す制御信号を出力する制御手段と、制御信号に基づいて、第1受信機4−1の出力信号に対する位相補償手段10−jの出力信号の位相差の平均値と既知の値との差分を位相補償量として算出する平均化手段とを具備して構成してもよい。
【0028】
また、制御手段は、第1及び第2アンテナ素子2−1,2−jが指向するセクタと該セクタの特定の隣接セクタとの境界近傍に位置する移動局に対してセクタ間ハンドオーバを行っている上り信号に基づく出力信号であることを示す制御信号を生成し、平均化手段は、既知の値として、セクタ間ハンドオーバを行う対象となる移動局の平均位置及び前記第1と第2アンテナ素子の位置に基づいて予め求められる値を使用してもよい。
【0029】
一般に、第1アンテナ素子2−1の出力に対する第2アンテナ素子2−jの出力の位相回転量は、上り信号を平面波と仮定すると、アンテナ素子2−1,2−jの配置方向に対する、上り信号の到来角により求められる。
【0030】
よって、移動局の母集団の平均の位置とアンテナ素子2−1,2−jの位置から、既知の値ΔΘが予め求まる。この既知の値ΔΘを用いて、位相補償量を算出して位相補償を行う。
【0031】
また、制御手段は、セルラ移動通信システム無線基地局から一定の距離に位置する特定の中心から一定の範囲内に位置する移動局に対して、セル間ハンドオーバを行っている上り信号に基づく出力信号であることを示す制御信号を生成し、平均化手段は、既知の値として、前記特定の中心の位置及び前記第1と第2アンテナ素子の位置に基づいて予め求められる値を使用するようにしてもよい。
【0032】
また、制御手段は、第1及び第2アンテナ素子2−1,2−jが指向する第1セクタの特定の隣接セクタを指向する任意の第3アンテナ素子の出力信号と該第1セクタを指向する任意の第4アンテナ素子の出力信号のレベルの差が閾値以下となる上り信号に基づく出力信号であることを示す制御信号を生成し、平均化手段は、既知の値として、レベルの差が閾値以下となる移動局の平均位置、前記第1と前記第2アンテナ素子の位置、及び該第3と第4アンテナ素子の放射パターンに基づいて予め求められる値を使用するようにしてもよい。
【0033】
第3及び第4アンテナ素子はそれぞれ特有の放射パターンを形成するので、隣接セクタを指向する任意のアンテナ素子の出力信号と第1セクタを指向する任意のアンテナ素子の出力信号のレベルの差が閾値以下となるものは、隣接セクタとの境界近傍からの上り信号であることが推定される。
【0034】
よって、この境界近傍の範囲を予め計算などにより求めて、その平均位置及び第1、第2アンテナ素子2−1,2−jの位置から位相回転量ΔΘを推定することができる。この位相回転量ΔΘを用いて、位相補償量を算出することができる。
【0035】
また、制御手段は、第1及び第2アンテナ素子2−1,2−jが指向する第1セクタに隣接する2つの隣接セクタをそれぞれ指向する任意の第3及び第4アンテナ素子の出力信号と前記第1セクタを指向する任意の第5アンテナ素子の出力信号とのレベルの差が共に閾値以上である上り信号に基づく出力信号であることを示す制御信号を生成し、平均化手段は、既知の値として、前記レベルの差が共に閾値以上となる移動局の平均位置、第1と第2アンテナ素子2−1,2−jの位置、及び該第3と第4、及び第5アンテナ素子の放射パターンに基づいて予め求められる値を使用するようにしてもよい。
【0036】
このレベルの差が共に閾値以上である上り信号は、セクタの中心方向の近傍付近に位置すると推定されるので、この近傍付近での平均の位置及び第1と第2アンテナ素子2−1,2−jの位置から位相回転量ΔΘを推定することができる。この位相回転量ΔΘを用いて、位相補償量を算出することができる。
【0037】
また、第1及び第2アンテナ素子が指向するセクタ内の既知の位置から信号を送出する信号発生装置を更に具備し、位相補償量演算手段8−jは、信号発生装置の既知の位置及び前記第1と第2のアンテナ素子の位置から求められる第1アンテナ素子2−1の出力信号に対する第2アンテナ素子2−jの出力信号の位相差に基づいて、信号発生装置からの上り信号を用いて位相補償量又は第2位相補償量を算出するようにしてもよい。
【0038】
また、第1及び第2アンテナ素子2−1,2−jが指向するセクタ内の既知の位置から信号を送出する信号発生装置を更に具備し、位相補償量演算手段は、信号発生装置の既知の位置及び前記第1と第2のアンテナ素子2−1,2−jの位置から求められる前記第1アンテナ素子2−1の出力信号と第2アンテナ素子2−jの出力信号との位相差に基づき、信号発生装置からの信号の前記第1及び第2受信機の出力信号を用いて位相補償量又は第1位相補償量を算出するようにしてもよい。
【0039】
また、セルラ移動通信システムが使用する無線帯域と同じ帯域の信号を生成して、信号線に出力する信号発生装置と、信号線からの信号に基づく第1信号を第1受信機4−1に出力する第1出力手段と、信号線からの信号に基づく第2信号を第2受信機4−jに出力する第2出力手段とを更に具備し、位相補償量演算手段は、第1信号と前記第2信号との既知の位相差に基づいて、第1信号の第1受信機4−1の出力信号及び第2信号の第2受信機4−jの出力信号を用いて前記位相補償量又は第1位相補償量を算出するようにしてもよい。
【0040】
さらに、第1アンテナ素子2−1の出力信号に基づく第1信号及び第2アンテナ素子2−jの出力信号のいずれかを第2受信機4−jに出力するスイッチ手段を更に具備し、位相補償演算手段は、第1アンテナ素子2−1の出力信号と第1信号との既知の位相差に基づき、第1受信機4−1の出力信号及び第1信号の第2受信機4−jの出力信号を用いて位相補償量又は第1位相補償量を算出するようにしてもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1実施形態
図4は、本発明の第1実施形態による無線基地局のブロック図ある。
【0042】
この図に示すように、無線基地局は、例えば、TDMA方式のセルラ移動通信システムであり、同じセクタを指向する複数のアンテナ素子30−k(k=1〜n)、アンテナ素子30−kのブランチ毎に受信機32−k(k=1〜n)、位相補償量演算回路34、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42を具備する。
【0043】
図5は、図4中のアンテナ素子の配置図である。
図6は、リニアアレー座標系を示す図である。
図5及び図6に示すように、セクタの中心方向をX軸、水平面におけるX軸に直交する軸をY軸とした時、アンテナ素子30−k(k=1〜n)は、そのセクタを指向するためにY軸方向に配置されている。図6中のZ軸は、右手系をなすように、X軸及びY軸に直交する方向にとっている。
【0044】
リニアアレーシステムでは、通常アンテナ素子30−k(k=1〜n)が等間隔d(例えば、上りの受信信号の波長λに等しい)で配置される。以下、リニアアレー座標系の原点に配置されたアンテナ素子30−1を基準として説明する。原点と移動局とを結ぶ直線とX軸とのなす角ψ、原点と移動局とを結ぶ直線とZ軸とのなす角ξとする。
【0045】
受信機32−k(k=1〜n)は、アンテナ素子30−kの出力信号から所定の周波数成分を抽出して、ディジタルな直交するベースバンド信号Ik,Qkを生成するものであり、図示はしないが、LNA、及びAGC回路を含むヘテロダインの受信部とにより構成される。
【0046】
図7は、図4中の位相補償量演算回路の構成図である。
この図に示すように、位相補償量演算回路34は、制御回路50、乗算器52−j(j=2〜n)、加算器54−j(j=2〜n)、平均化部56−j(j=2〜n)を有する。
【0047】
制御回路50は、平均化部56−j(j=2〜n)において、加算器54−jの出力信号に対して平均値を取る対象を選択するための制御信号CNTLを生成する回路であり、平均値を取る対象に応じて回路構成される。
【0048】
例えば、特定の隣接セクタとセクタ間ハンドオーバを行っているユーザ信号を対象として選択する場合には、制御回路50は、例えば、1つの受信機32−kの出力信号Xkのパワーと隣接セクタの1つの受信機の出力信号のパワーがセクタ間ハンドオーバを行うレベルに達していることを示す制御信号CNTLを生成する回路構成となる。
【0049】
乗算器52−j(j=2〜n)は、受信機32−1の出力信号X1の複素共役X1(=(I1−(−1)1/2Q1))と受信機32−jの出力信号Xj(=(Ij+(−1)1/2Qj))との乗算をする回路である。
【0050】
加算器54−jは、乗算器52−jの出力Yjの位相argYjを求め、この位相argYjから平均化部56−jで平均値を求める対象となる移動局の平均位置から以下に説明するように予め算出しておいたアンテナ素子30−1の受信信号に対するアンテナ素子30−jの受信信号の位相回転量の平均値ΔΘを減算するものである。尚、加算器54−jの位置は平均化部56−jの後であってもよい。
【0051】
図6に示すような座標系において、移動局がX軸から角度ψ、Z軸から角度ξに位置するi番目のユーザからの上り信号を各アンテナ素子30−j(j=2〜n)で受信した場合、上り信号を平面波、アンテナ素子30−1が原点、アンテナ素子30−jの原点からの距離がd(j−1)であると仮定すると、i番目のユーザ信号のアンテナ素子30−1の受信信号に対するアンテナ素子30−jの受信信号の位相回転量Δθijは、次式(6)に示すようになる。
【0052】
Δθij=(2π/λ)(j−1)dsinψ・sinξ ・・・(6)
但し
λ:移動局の上り信号の波長
上記平均値ΔΘ(j=2〜n)は、対象となる複数のユーザについての位相回転量Δθijの平均値であり、平均値を求める対象の範囲を特定し、この対象の範囲にいるユーザの平均位置を式(6)に代入して予め計算により求めておいたものである。
【0053】
平均化部56−j(j=2〜n)は、図示はしないが、遅延回路、及び平均化回路を有する。遅延回路は、制御回路50の制御信号CNTLと加算器54−jの出力との同期を取るためのものであり、制御信号CNTLの加算器54−jの出力に対する遅れ時間だけ加算器54−jの出力を遅延させるものである。平均化回路は、制御信号CNTLが選択の指示(以下、アクティブと呼ぶ)を示す時に、遅延回路の出力に対して時間的な平均値を求めるものである。
【0054】
図8は、図4中の位相補償回路を示す図である。
位相補償回路36−jは、受信機32−jの出力Xjに対して、位相補償量演算回路34で算出された位相補正量Δφだけ位相を補正するものであり、図8に示すように、位相補正量Δφからexp[−(−1)1/2Δφ] を求める演算回路60、及びXj・exp[−(−1)1/2Δφ] を求める乗算器62を有する。
【0055】
ビームフォーマ38は、受信機32−1の出力X1(A1)、及び位相補償された位相補償回路36−j(j=2〜n)の出力Ajに対して、任意の振幅ウェイト、及び位相回転を与えて合成することにより、所望のビームパターンに成形するマルチビームアンテナ若しくはアダプティブアレーアンテナで構成されるディジタル信号処理回路である。
【0056】
ビームセレクタ40は、ビームフォーマ38の複数の出力のうち、所望ユーザ信号のレベルが最も強いビームを選択するものである。復調回路42は、π/4シフトQPSKなどの変調信号を復調する回路である。
【0057】
以下、これらの図を参照しつつ、第1実施形態による無線基地局の動作説明をする。
例えば、図2中の斜線で示されるセクタを指向するユーザの上り信号は、アンテナ素子30−k(k=1〜n)で受信されて、受信信号が受信機32−kに送られる。受信機32−kは、LNAで低雑音増幅、AGCで振幅等価、ヘテロダインの受信部によって、直交するディジタル信号Ik,Qkに変換する。
【0058】
ここで、ユーザ信号の受信機32−kの出力Xkは、次式(7)で表される。
Xk=exp[(−1)1/2(α(t)+(k−1)Δθ+ φ)] ・・・(7)
但し、
α(t) :i番目ユーザ信号の各受信経路における位相
Δθ:X1を基準としたとき、アンテナ素子間隔dとi番目のユーザからの到来角度により決まる位相回転。
【0059】
φ:受信機32−kの位相偏差を含む位相
ここで、振幅偏差はAGCで補償されているため振幅は一定としている。
受信機32−1の出力X1は、ビームフォーマ38に入力され、出力X1の複素共役X1は、位相補償量演算回路34に入力される。受信機32−j(j=2〜n)の出力Xjは、位相補償量演算回路34及び位相補償回路36−jに入力される。
【0060】
一方、図7中の制御回路50は、1つの受信機32−k(i=1〜n)の出力Xkや隣接セクタを指向する1つのアンテナ素子の受信信号の受信機の出力などを入力して、以下に示す範囲にいる上りのユーザ信号を選択するための制御信号CNTLを生成して、平均化部56−j(j=2〜n)に出力する。
【0061】
図9は、選択するユーザを示す図である。
この図に示すように、選択するユーザは、
・右に隣接するセクタとセクタ間ハンドオーバを行っているユーザHr
・左に隣接するセクタとセクタ間ハンドオーバを行っているユーザHl
・右上のエリアにいるセル間ハンドオーバを行っているユーザSr
・左上のエリアにいるセル間ハンドオーバを行っているユーザSl
・セクタの中で上記ユーザHr,Hl,Sr,Slを除くユーザC
である。
【0062】
(a) 右に隣接するセクタとセクタ間ハンドオーバを行っているユーザHr
制御回路50は、例えば、1つの受信機32−kの出力Xkのパワー(例えば、出力Xkを検波したその出力のパワー)と、右に隣接するセクタを指向する1つのアンテナ素子の受信信号の受信機の出力Xrのパワーがセクタ間ハンドオーバを行うレベルに達している時、制御信号CNTLをアクティブにし、これら以外の時に、制御信号CNTLをインアクティブにして、平均化部56−j(j=2〜n)に出力する。
【0063】
この場合、ユーザHrは、平均すると、右に隣接するセクタとの境界方向から信号が到来していることが分かる。すなわち、ユーザ信号は、ψ=30°、無線基地局からlの距離から到来する。
【0064】
従って、式(6)に示すΔθijを平均化すると、ψ=30°、無線基地局からlの距離に位置するユーザ信号の位相回転量に等しいものと推定される。よって、ΔΘは、この位相回転量を予め計算しておくことにより得ることができる。
【0065】
図10は、位相回転量の算出方法を示す図である。
無線基地局は、中心から半径Rのエリアをセルとして管理しているので、セクタ間ハンドオーバをしているユーザは、無線基地局からl=R/√2の距離に平均的に位置するものと推定される。
【0066】
図10に示すように、無線基地局のアンテナ素子30−k(k=1〜n)の高さをHとすると、無線基地局からR/√2の位置にいるユーザから見たアンテナ素子30−kの仰角αは次式(8)で表される。
【0067】
α=tan−1(√2H/R) ・・・(8)
よって、図6に示す座標系において、ユーザの位置座標(ψ,ξ)=(π/6,α+π/2)となる。これを式(6)に代入することにより、ΔΘが算出される。このΔΘが図7中の加算器54−jの(−)端子に入力されている。
【0068】
一方、乗算器52−jは、受信機32−1の複素共役X1と受信機32−jの出力Xjとを乗算して、次式(9)で示す乗算器52−jの出力Yjを加算器54−jに出力する。
【0069】
Yj=Xj・X1=exp[j(φ−φ+(j−1)Δθ)] ・・(9)
加算器54−jは、乗算器52−jの出力Yjの位相argYj(−π≦argYj≦π)を(+)端子に入力し、(j−1)Δθの平均値ΔΘを(−)端子に入力して、argYj−ΔΘを計算して、平均化部56−jに出力する。
【0070】
平均化部56−jは、加算器54−jの出力を入力して、遅延回路により、遅延させて、制御信号CNTLと同期を取る。平均化回路により、制御信号CNTLがアクティブであれば、スタックしておいた加算器54−jの出力に対して時間的な平均値を求めて、図4中の位相補償回路36−jに位相補償量Δφを出力する。
【0071】
式(9)の位相(φ−φ+(j−1)Δθ)の平均値は、(φ−φ+ΔΘ)であると推定されるので、平均化部56−jの出力Δφは、(φ−φ)に等しくなる。
【0072】
ここで、−π≦argYj−ΔΘ≦πとしているので、図11(a)に示すように、{argYj−ΔΘ}の集合が連続すれば問題はないが、同図(b)に示すように、πを上限とする第1部分と−πを下限とする第2部分とに離間した集合となる場合は、そのまま平均値を求めると正しい結果が得られないので、平均化部56−jは、同図(c)に示すように、第2部分を2πだけシフトする、もしくは、同図(d)に示すように、第1部分を−2πだけシフトして連続するように調整してから平均値を求める。
【0073】
位相補償回路36−jは、図8中の演算器60により、exp[−jΔφ] を求めて、乗算器62に出力する。乗算器62は、受信機32−jの出力Xjにexp[−jΔφ] を掛け合わせて、次式(10)に示すAjをビームフォーマ38に出力する。
【0074】
Aj=Xj・exp[−(−1)1/2Δφ]=exp[(−1)1/2(α(t)+φ+(j−1) Δθ)]・・・(10)
ところで、
X1=A1=exp[(−1)1/2(α(t)+φ)] ・・・(11)
よって、j番目の受信経路の位相項は、アンテナ配置と各ユーザからの到来波角度により決まる位相回転の項を除いて、基準として1番目の受信経路と同じとなり、位相補償が行われる。
【0075】
ビームフォーマ38は、受信機31−1の出力A1(=X1)及び位相補償された出力Aj(j=2〜n)を入力して、マルチビームアンテナ、又はアダプティブアレーアンテナシステム構成により、ディジタル信号処理を行う。マルチビームアンテナにおいては、入力の位相が補償されているので、ビーム成形の効率が良くなる。
【0076】
ビームセレクタ40は、ビームフォーマ38の複数の出力のうち、所望ユーザ信号のレベルが最も強いビームを選択して、復調回路42に出力する。復調回路42は、π/4シフトQPSKなどの変調信号を復調する。
【0077】
(b) 左に隣接するセクタとセクタ間ハンドオーバを行っているユーザHl
ユーザHlは、平均すると、左に隣接するセクタとの境界方向から信号が到来していることが分かる。すなわち、ユーザ信号は、ψ=30°、無線基地局からR/√2の距離から到来する。よって、図6に示す座標系において、ユーザの位置座標(ψ,ξ)=(−π/6,α+π/2)となる。これを式(6)に代入することにより、平均値ΔΘが得られる。
【0078】
このΔΘを用いて、(a)の場合と同様にして、位相補償量演算回路34にて、位相補償量Δφを求めて、位相補償回路36−jにて、Xjに対して、Xj・exp [−(−1)1/2 Δφ] を求めて、ビームフォーマ38に出力する。
【0079】
(c) 右上のエリアにいるセル間ハンドオーバを行っているユーザSr
ユーザSrは、平均すると、その中心に位置する方向から信号が到来していることが分かる。すなわち、ユーザ信号は、ψ=30°、無線基地局からRの距離から到来する。よって、図10に示すように、ユーザの位置座標(ψ,ξ)=(π/6,β+π/2)(β=tan −1( H/R))となる。これを式(6)に代入することにより、平均値ΔΘが得られる。
【0080】
このΔΘを用いて、(a)の場合と同様にして、位相補償量演算回路34にて、位相補償量Δφを求め、位相補償回路36−jにて、Xjに対して、Xj・exp [−j Δφ] を求めて、ビームフォーマ38に出力する。
【0081】
(d) 左上のエリアにいるセル間ハンドオーバを行っているユーザSl
ユーザSlは、平均すると、その中心に位置する方向から信号が到来していると推定される。すなわち、ユーザ信号は、ψ=−30°、無線基地局からRの距離から到来しているものと推定される。よって、図10に示すように、ユーザの位置座標(ψ,ξ)=(−π/6,β+π/2)(β=tan −1( H/R))となる。これを式(6)に代入することにより、平均値ΔΘが得られる。
【0082】
このΔΘを用いて、(a)の場合と同様にして、位相補償量演算回路34にて、位相補償量Δφを求め、位相補償回路36−jにて、Xjに対して、Xj・exp [−j Δφ] を求めて、ビームフォーマ38に出力する。
【0083】
(e) ユーザC
ユーザCは、平均すると、セクタの中心方向から信号が到来していると推定される。すなわち、ユーザ信号は、ψ=0°、無線基地局からR/√2の距離から到来していると推定される。よって、ユーザの位置座標(ψ,ξ)=(0,α+π/2)となる。これを式(6)に代入することにより、平均値ΔΘ=0が得られる。
【0084】
このΔΘ=0を用いて、(a)の場合と同様にして、位相補償量演算回路34にて、位相補償量Δφを求め、位相補償回路36−jにて、Xjに対して、Xj・exp [−j Δφ] を求めて、ビームフォーマ38に出力する。
【0085】
以上説明した第1実施形態によれば、位相補償量演算回路34により位相補償量を算出して、位相補償回路36−jにて、受信機32−jの出力Xjに対して、位相補償をするので、ビームフォーマ38に位相の揃った信号が入力されて、マルチビームアンテナシステムのビームフォーマでは、ビーム成形の効率が良くなる。また、アダプティブアンテナシステムのビームフォーマの場合は、位相偏差、アダプティブ処理の振幅、位相の制御量を分離することができて、送信時に受信時の位相偏差量から送信ビーム成形を行うことができる。
【0086】
第2実施形態
図12は、本発明の第2実施形態による無線基地局のブロック図あり、図4中の要素と同一の機能を有する要素には同一の符号を付してある。
【0087】
この図に示すように、無線基地局は、例えば、TDMA方式のセルラ移動通信システムであり、同じセクタを指向する複数のアンテナ素子30−k(k=1〜n)、受信機32−k(k=1〜n)、位相補償量演算回路70、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42を具備する。
【0088】
アンテナ素子30−k、受信機32−k(k=1〜n)、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42は、図4中のものと同じであり説明を省略する。
【0089】
図13は、図12中の位相補償量演算回路の構成図であり、図7中の要素と同一の機能を有する要素には同一の符号を付してある。
この図に示すように、位相補償量演算回路70は、制御回路50、乗算器52−j(j=2〜n)、加算器54−j(j=2〜n)、平均化部56−j(j=2〜n)、及び加算器72−j(j=2〜n)を有する。
【0090】
制御回路50は、図7中のものと同一である説明を省略する。乗算器52−j(j=2〜n)は、受信機32−1の出力X1の複素共役X1と位相補償回路54−jの出力Ajとの乗算を行うものである。加算器54−j、及び平均化部56−j(j=2〜n)は、図7中のものと同じであり説明を省略する。加算器72−jは、平均化部56−jの出力と自身の出力とを加算するものである。
【0091】
以下、これらの図を参照しつつ、第2実施形態による無線基地局の動作説明をする。
例えば、図2中の斜線で示されるセクタを指向するユーザの上り信号は、アンテナ素子30−k(k=1〜n)で受信されて、受信信号が受信機32−kに送られる。受信機32−kは、LNAで低雑音増幅、AGCで振幅等価、ヘテロダインの受信部によって、直交するディジタル信号Ik,Qkに変換する。
【0092】
受信機32−1の出力X1は、ビームフォーマ38に入力され、X1の複素共役X1は、位相補償量演算回路70に入力される。受信機32−j(j=2〜n)の出力Xjは、位相補償回路36−jに入力される。
【0093】
位相補償回路36−jは、受信機32−jの出力Xjと位相補償量演算回路70より出力される位相量Δρのexp[−jΔρ] との乗算して、次式(12)で示される出力Ajを、位相補償量演算回路70及びビームフォーマ38に出力する。
【0094】
Aj=exp[(−1)1/2(α(t)+(j−1) Δθ+ φ−Δρ)] ・・・(12)
位相補償量演算回路70中の乗算器52−jは、X1と位相補償回路36−jの出力Ajとを乗算して、次式(13)に示す出力Yjを加算器54−jに出力する。
【0095】
Yj=exp[(−1)1/2(φ− φ−Δρ+ ( j−1) Δθ)]・・・(13)
加算器54−jは、(+)端子に入力される乗算器52−jの出力Yjの位相argYj(−π≦argYj≦π)から(j−1)Δθの平均値Θを減算して、平均化部56−jに出力する。尚、加算器54−jの位置は平均化部56−jの後であってもよい。
【0096】
平均化部56−jは、制御回路50からの制御信号CNTLに従って、加算器54−jの出力の時間的な次式(14)に示す平均値Zjを求め、加算器72−jに出力する。
【0097】
Zj=φ− φ−Δρ ・・・(14)
加算器72−jは、平均化部56−jの出力に自身の現時点での位相補正量Δρを加算して、その加算結果(φ− φ)を位相補償回路36−jに出力する。これにより、位相補償回路36−jは、この位相補償量(φ− φ)から受信機32−jの出力Xjに対して位相補正して、ビームフォーマ38及び位相補正量演算回路70に出力する。
【0098】
この時点において、位相補償回路36−jにより、受信機32−jの出力Xjは、正しく位相補償されているので、平均化部56−jの出力は、0となり、加算器72−jの出力は、変化しない。
【0099】
ビームフォーマ38は、受信機32−1の出力X1及び位相補償された出力Aj(j=2〜n)を入力して、マルチビームアンテナ、又はアダプティブアレーアンテナシステム構成により、ディジタル信号処理を行う。マルチビームアンテナにおいては、入力の位相が補償されているので、ビーム成形の効率が良くなる。
【0100】
ビームセレクタ40は、ビームフォーマ38の複数の出力のうち、所望ユーザ信号のレベルが最も強いビームを選択して、復調回路42に出力する。復調回路42は、π/4シフトQPSKなどの変調信号を復調する。
【0101】
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、マルチビームアンテナシステムのビームフォーマでは、ビーム成形の効率が良くなる。また、アダプティブアンテナシステムのビームフォーマの場合は、位相偏差、アダプティブ処理の振幅、位相の制御量を分離することができて、送信時に受信時の位相偏差量から送信ビーム成形を行うことができる。
【0102】
第3実施形態
図14は、本発明の第3実施形態による無線基地局の機能ブロック図あり、図4中の要素と同一の機能を有する要素には同一の符号を付してある。
【0103】
この図に示すように、無線基地局は、例えば、TDMA方式のセルラ移動通信システムであり、同じセクタを指向する複数のアンテナ素子30−k(k=1〜n)、受信機32−k(k=1〜n)、位相補償量演算回路80、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42を具備する。
【0104】
アンテナ素子30−k、受信機32−k(k=1〜n)、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42は、図4中のものと同じであり説明を省略する。
【0105】
図15は、図14中の位相補償量演算回路80の構成図であり、図7中の要素と同一の機能を持つ要素には共通の符号を付してある。
制御回路82は、既知の位置にいる特定の上りの信号を対象とするように、制御信号CNTLを生成するものであり、例えば、図示しないが、ユーザが未使用の時間帯に、基地局を管理する図示しない交換機などから通信回線を通して、ユーザ信号の選択を指示する信号を受信して、制御信号CNTLを平均化部56−j(j=2〜n)に出力する構成にしている。
【0106】
加算器54−jに入力されるΔΘは、ユーザ信号の既知の位置uとアンテナ素子30−kの配置とにより、後述するように、式(6)から予め算出された値である。乗算器52−j、加算器54−j、及び平均化部56−jは、図7中のものと同じであり説明を省略する。
【0107】
図16は、上り信号発生装置の位置を示す図である。
以下、これらの図を参照ししつ、第3実施形態による無線基地局の動作説明をする。
【0108】
位相補償量を算出するために、交換機などから、位相補償量の算出を指示する信号が通信回線を介して無線基地局の制御回路82で受信される。制御回路82は、この信号を受信して、位相補償量の算出を指示する制御信号CNTLを平均化部56−j(j=2〜n)に出力する。
【0109】
一方、この制御信号CNTLと同期して、図16に示す位置uに配置された上り信号発生装置84から発生した上り信号がアンテナ素子30−k(k=1〜n)で受信されて、受信信号が受信機32−kに送られる。受信機32−kは、LNAで低雑音増幅、AGCで振幅等価、ヘテロダインの受信部によって、直交するディジタル信号Ik,Qkに変換する。
【0110】
受信機32−1の出力X1は、ビームフォーマ38に入力され、X1の複素共役X1は、位相補償量演算回路80に入力される。受信機32−j(j=2〜n)の出力Xjは、位相補償回路36−jに入力される。
【0111】
乗算器52−jは、X1・Xjを求めて、加算器54−jに出力する。図16に示すように、上り信号発生装置84の位置uはX軸とのなす角ψ及び位置uと無線基地局との距離はr、アンテナ素子30−kの高さはHである。位置uでは、図16(b)に示すように、ξ=(π/2+γ)(γ=tan −1(H/γ))となり、このξを式(6)に代入することにより算出されたΔΘが加算器54−jの(−)端子に入力されている。
【0112】
加算器54−jは、(+)端子に入力される乗算器52−jの出力Yjの位相argYj(−π≦argYj≦π)から(−)端子に入力されるΔΘを減算して、平均化部56−jに出力する。尚、加算器54−jの位置は平均化部56−jの後であってもよい。
【0113】
平均化部56−jは、制御回路80からの制御信号CNTLに従って、加算器54−jの出力の平均値を算出して、位相補償量Δφを位相補償回路36−jに出力する。ここで、平均化部56−jにより平均値を求めているのは、上り信号発生装置84の位置が既知なので第1実施形態などのように統計的な平均を取って位相回転量を推定する必要はないが、この平均を取ることにより、位相補償量Δφの精度が向上するからである。
【0114】
そして、位相補償量Δφが算出されると、交換機などから、位相補償量の算出を停止する指示する信号を制御回路82が受信して、制御信号CNTLをインアクティブにする。
【0115】
一方、上りのユーザ信号は、アンテナ素子30−k(k=1〜n)で受信され、受信機32−kで直交するベースバンド信号に変換される。位相補償回路36−jは、受信機32−j(j=2〜n)の出力Xjに対して、位相補償量演算回路80より既に算出されて位相補償量Δφに従って位相補償をして、ビームフォーマ38に出力する。
【0116】
ビームフォーマ38は、受信機32−1の出力A1(=X1)及び位相補償された出力Aj(j=2〜n)を入力して、マルチビームアンテナ、又はアダプティブアレーアンテナシステム構成により、ディジタル信号処理を行う。マルチビームアンテナにおいては、入力の位相が補償されているので、ビーム成形の効率が良くなる。
【0117】
ビームセレクタ40は、ビームフォーマ38の複数の出力のうち、所望ユーザ信号のレベルが最も強いビームを選択して、復調回路42に出力する。復調回路42は、π/4シフトQPSKなどの変調信号を復調する。
【0118】
以上説明した第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果がある。
第4実施形態
図17は、本発明の第4実施形態による無線基地局のブロック図であり、図4中の要素と同一の機能を有する要素には同一の符号を付してある。
【0119】
この図に示すように、無線基地局は、例えば、TDMA方式のセルラ移動通信システムであり、同じセクタを指向する複数のアンテナ素子30−k(k=1〜n)、受信機32−k(k=1〜n)、スイッチ回路90、分配器92、移相器94−k(k=1〜n)、スイッチ回路96−k(k=1〜n)、位相補償量演算回路98、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42を具備する。
【0120】
アンテナ素子30−k、受信機32−k(k=1〜n)、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42は、図4中のものと同じであり説明を省略する。
【0121】
スイッチ回路90は、アンテナ素子30−1と分配器92とのオン/オフをするものであり、位相補償量演算回路98により出力される制御信号CNTLにより制御されるものである。
【0122】
分配器92は、アンテナ素子30−1の出力を移相器94−k(k=1〜n)に分配するものである。移相器94−k(k=1〜n)は、受信機32−kへの入力信号の位相を移相器94−kから受信機32−kまでの伝送線路長の違いなどによる位相のずれを補償して、受信機32−jへの入力信号の位相と受信機32−1の入力信号との位相差が所望、例えば、位相差が0になるように位相を調整するためのものである。
【0123】
スイッチ回路96−k(k=1〜n)は、アンテナ素子30−kの出力又は移相器94−kの出力のいずれかを受信機32−kに出力するためのものであり、位相補償量演算回路98により出力される制御信号CNTLにより制御されるものである。
【0124】
位相補償量演算回路98は、受信機32−j(j=2〜n)の出力Xjに対する位相補償量を算出する回路であり、本例では、受信機32−jの出力Xjと受信機32−1の出力X1の位相差〔(φ−φ)+ΔΘ〕中のΔΘは、移相器94−1,94−jにより位相調整されており、例えば、ΔΘ=0である。
【0125】
位相補償量演算回路98中の制御回路は、受信機32−k(k=1〜n)への入力信号を選択するために、例えば、図示しない交換機などから、ユーザが未使用の時間帯に、位相補償量の算出を指示する信号を受信して、平均化部やスイッチ回路90,96−k(k=1〜n)に制御信号CNTLを出力するものである。
【0126】
図18は、図17の動作説明図である。
以下、これらの図を参照しつつ、第4実施形態によるセルラ移動通信システム無線基地局の動作説明をする。
【0127】
例えば、ユーザが使用していない時間帯などにおいて、位相補償量演算回路98中の図示しない制御回路は、図示しないが複数の無線基地局を管理する交換局などから、位相補償量の算出を指示する信号を受信して、制御信号CNTLをスイッチ回路90,96−k(k=1〜n)、及び平均化部に出力する。
【0128】
スイッチ回路90は、図18に示すように、制御信号CNTLに従い、アンテナ素子30−1の出力端子と分配器92の入力端子とを接続する。また、スイッチ回路96−k(k=1〜n)は、制御信号CNTLに従って、移相器94−kの出力端子と受信機32−kの入力端子とを接続する。
【0129】
一方、この制御信号CNTLに同期して、セクタに位置する移動局などの送信機より、上りの信号を無線基地局に送信する。アンテナ素子30−k(k=1〜n)は、この上りの信号を受信して、スイッチ回路90,96−k(k=1〜n)に出力する。
【0130】
アンテナ素子30−1の出力は、スイッチ回路90を介して、分配器92に入力される。分配器92は、アンテナ素子30−1の出力を入力して、各移相器94−k(k=1〜n)に分配する。移相器94−kは、受信機32−kに入力する位相をそれぞれ所望の位相に揃わせる、例えば、受信機32−1と同相にするために、一定の位相補正量で分配器92の出力を位相補正して、スイッチ回路96−kに出力する。
【0131】
スイッチ回路96−kは、受信機32−kに出力する。このため、受信機32−j(j=2〜n)への入力信号は、受信機32−1の入力信号と同相もしくは既知の値ΔΘだけずれている。
【0132】
受信機32−1は、スイッチ回路96−1の出力を入力して、直交するベースバンドの信号に変換して、ビームフォーマ38に出力し、その複素共役を位相補償量演算回路98に出力する。受信機32−j(j=2〜n)は、位相補償回路36−j及び位相補償量演算回路98に出力する。
【0133】
位相補償量演算回路98は、図示しない乗算器にて、受信機32−1の出力X1の複素共役X1と受信機32−jの出力Xjとの乗算をして、加算器にて、乗算器の出力の位相から移相器94−j(j=2〜n)によって調整された既知の位相差ΔΘ、例えば、移相器94−1の出力と同相であれば0を減算して、平均化部に出力する。そして、平均化部にて、制御信号CNTLに従って、平均値を求めて、位相補償回路36−jに位相補償量Δφを出力する。
【0134】
位相補償量Δφが算出されると、例えば、交換機は、位相補償量の算出の停止を指示する信号を位相補償量演算回路98に送信する。位相補償量演算回路98は、この信号を受信して、図17に示すように、アンテナ素子30−k(k=1〜n)の出力端子と受信機32−kの入力端子とを接続するように、スイッチ回路90、96−k(k=1〜n)を制御する。
【0135】
そして、ユーザからの上り信号は、アンテナ素子30−k(k=1〜n)で受信されて、受信機32−k(k=1〜n)で直交するベースバンド信号に変換される。受信機32−j(j=2〜n)の出力は、位相補償回路36−jにて、既に位相補償量演算回路98にて算出された位相補償量Δφに従って、位相補償されて、ビームフォーマ38に出力される
ビームフォーマ38は、受信機32−1の出力A1(=X1)及び位相補償された出力Aj(j=2〜n)を入力して、マルチビームアンテナ、又はアダプティブアレーアンテナシステム構成により、ディジタル信号処理を行う。マルチビームアンテナにおいては、入力の位相が補償されているので、ビーム成形の効率が良くなる。
【0136】
ビームセレクタ40は、ビームフォーマ38の複数の出力のうち、所望ユーザ信号のレベルが最も強いビームを選択して、復調回路42に出力する。復調回路42は、π/4シフトQPSKなどの変調信号を復調する。
【0137】
以上説明した第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果がある。
第5実施形態
図19は、本発明の第5実施形態による無線基地局のブロック図であり、図4中の要素と同一の機能を有する要素には同一の符号を付してある。
【0138】
この図に示すように、無線基地局は、例えば、TDMA方式のセルラ移動通信システムであり、同じセクタを指向する複数のアンテナ素子30−k(k=1〜n)、信号発生装置100、分配器102、移相器104−k(k=1〜n)、カプラ106−k(k=1〜n))、受信機32−k(k=1〜n)、位相補償量演算回路108、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42を具備する。
【0139】
アンテナ素子30−k(k=1〜n)、受信機32−k(k=1〜n)、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42は、図4中のものと同じであり説明を省略する。
【0140】
信号発生装置100は、高周波信号を生成する装置であり、例えば、無線基地局の無線帯域の高周波信号を生成するものである。分配器102は、信号発生装置100で生成した高周波信号を移相器104−k(k=1〜n)に分配するものである。
【0141】
移相器104−k(k=1〜n)は、受信機32−k(k=1〜n)への入力信号の位相を移相器104−kから受信機32−kまでの伝送線路長の違いやカプラ106−kの特性の違いなどによる位相のずれを補償して、受信機32−j(j=2〜n)への入力信号の位相と受信機32−1の入力信号との位相差が所望、例えば、位相差が0になるように、その位相を補正するためのものである。
【0142】
カプラ106−k(k=1〜n)は、アンテナ素子30−kの出力と移相器104−kの出力とを合波するものである。位相補償量演算回路108は、位相補償量を算出する回路である。
【0143】
以下、図19に示す第5実施形態による無線基地局の動作説明をする。
例えば、ユーザが使用していない時間帯などにおいて、位相補償量演算回路108中の図示しない制御回路は、図示しないが複数の無線基地局を管理する交換局などから、位相補償量の算出を指示する信号を受信して、制御信号を平均化部に出力する。
【0144】
信号発生装置100は、制御信号に同期して、例えば、制御信号を入力して、所定の周波数の信号を生成して、分配器102に出力する。分配器102は、信号発生装置100の出力を入力して、移相器104−k(k=1〜n)に分配する。
【0145】
移相器104−kは、受信機32−kに入力する位相がそれぞれ所望の位相に揃わせるために、例えば、受信機32−1と同相にするために一定の位相補正量で分配器102の出力を位相補正して、カプラ106−kに出力する。
【0146】
カプラ106−kは、アンテナ素子30−kの出力と移相器104−kの出力とを合波して、受信機32−kに出力する。この受信機32−j(j=2〜n)への入力は、受信機32−1の入力と所望の位相差ΔΘ、例えば、ΔΘ=0となる。
【0147】
受信機32−1は、カプラ106−1の出力を入力して、直交するベースバンドの信号に変換して、ビームフォーマ38に出力し、その複素共役を位相補償量演算回路108に出力する。受信機32−j(j=2〜n)は、カプラ106−jの出力を入力して、位相補償回路36−j及び位相補償量演算回路108に直交するベースバンドの信号を出力する。
【0148】
位相補償量演算回路108は、図示しない乗算器にて、受信機32−1の出力X1の複素共役X1と受信機32−jの出力Xj(j=2〜n)との乗算をして、加算器にて、乗算器の出力の位相から移相器104−j(j=2〜n)によって調整された既知の位相差ΔΘ、例えば、移相器104−1の出力と同相であれば0を減算して、平均化部に出力する。そして、平均化部にて、制御信号CNTLに従って、平均値を求めて、位相補償回路36−jに位相補償量Δφを出力する。
【0149】
位相補償量Δφが算出されると、例えば、交換機は、位相補償量の算出の停止を指示する信号を位相補償量演算回路108に送信する。位相補償量演算回路108は、この信号を受信して信号発生装置100の信号の発生を停止する。
【0150】
そして、ユーザからの上り信号は、アンテナ素子30−k(k=1〜n)で受信されて、カプラ106−kを通して、受信機32−kに出力される。受信機32−k(k=1〜n)で直交するベースバンド信号に変換される。
【0151】
ここで、信号発生装置100は信号の発生を停止しているので、ユーザの上り信号のみが抽出される。
受信機32−j(j=2〜n)の出力は、位相補償回路36−jにて、既に位相補償量演算回路108にて算出された位相補償量Δφに従って、位相補償されて、ビームフォーマ38に出力される
ビームフォーマ38は、受信機32−1の出力A1(=X1)及び位相補償された位相補償回路36−j(j=2〜n)の出力Ajを入力して、マルチビームアンテナ、又はアダプティブアレーアンテナシステム構成により、ディジタル信号処理を行う。マルチビームアンテナにおいては、入力の位相が補償されているので、ビーム成形の効率が良くなる。
【0152】
ビームセレクタ40は、ビームフォーマ38の複数の出力のうち、所望ユーザ信号のレベルが最も強いビームを選択して、復調回路42に出力する。復調回路42は、π/4シフトQPSKなどの変調信号を復調する。
【0153】
以上説明した第5実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果がある。
第6実施形態
図20は、本発明の第6実施形態による無線基地局のブロック図であり、図4中の要素と同一の機能を有する要素には同一の符号を付してある。
【0154】
この図に示すように、無線基地局は、例えば、TDMA方式のセルラ移動通信システムであり、同じセクタを指向する複数のアンテナ素子30−k(k=1〜n)、受信機32−k(k=1〜n)、位相補償量演算回路110、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42を具備する。
【0155】
アンテナ素子30−k、受信機32−k(k=1〜n)、位相補償回路36−j(j=2〜n)、ビームフォーマ38、ビームセレクタ40、及び復調回路42は、図4中のものと同じであり説明を省略する。
【0156】
図21は、図20中の位相補償量演算回路の構成図であり、図7中の要素と同一の機能を有する要素には、同一の符号を付してある。
位相補償量演算回路110は、受信機32−j(j=2〜n)の位相補償量を算出する回路であり、制御回路112、乗算器52−j(j=2〜n)、加算器54−j、及び平均化部56−jを有する。
【0157】
制御回路112は、図20と同様に構成される2つの隣接セクタのうち、左の隣接セクタの1つの受信機の出力X、右の隣接セクタの1つの受信機の出力X、及び図20中の受信機32−k(k=1〜n)のうちの1つの受信機の出力、例えば、受信機32−1の出力X1を入力して、パワーの差X1−X、及びX1−Xが、一定の閾値dを越える場合に、制御信号CNTLをアクティブにし、そうでない場合に、制御信号CNTLをインアクティブにするものである。
【0158】
この閾値dは、後述するように、位相補償量を算出するための対象を選択する対象範囲を規定するものであり、アンテナ素子30−k及び隣接するセクタのアンテナ素子の放射パターン及び規定する範囲により設定されるものである。
【0159】
乗算器52−j(j=2〜n)、加算器54−j、及び平均化部56−jは、図5中の要素と同じであり説明を省略する。
図22は、選択するユーザを示す図である。
【0160】
以下、図22を参照しつつ、図21に示す第6実施形態によるセルラ移動通信システム無線基地局の動作説明をする。
例えば、図2中の斜線で示されるセクタを指向するユーザの上り信号は、アンテナ素子30−k(k=1〜n)で受信されて、受信信号が受信機32−kに送られる。受信機32−kは、直交するディジタル信号に変換する。
【0161】
受信機32−1の出力X1は、ビームフォーマ38、及び位相補償量演算回路110中の制御回路112に入力され、X1の複素共役X1は、位相補償量演算回路110中の乗算器52−j(j=2〜n)入力される。受信機32−j(j=2〜n)の出力Xjは、位相補償量演算回路110中の乗算器52−j及び位相補償回路36−jに入力される。
【0162】
一方、図20と同様に構成された左の隣接セクタの1つのアンテナ素子の受信機出力X、及び右の隣接セクタの1つのアンテナ素子の受信機出力Xは、位相補償量演算回路110中の制御回路112に入力される。
【0163】
制御回路112は、検波することによって、X1,X,Xのパワーを求め、{(X1のパワー)−(Xのパワー)}、及び{(X1のパワー)−(Xのパワー)}を算出する。そして、これら2つの差が共に、一定の閾値dを越える場合には、制御信号CNTLをアクティブにし、そうでない場合に、制御信号CNTLをインアクティブにする。
【0164】
図22に示すように、各セクタのアンテナ素子は、一定の放射パターン(図中の太字が自セクタ(受信機32−1)の放射パターン、細字が隣接セクタの放射パターンを示す)を有している。
【0165】
従って、{(X1のパワー)−(Xのパワー)}、及び{(X1のパワー)−(Xのパワー)}が共に閾値dを越える上りの信号は、図22に示す自セクタの中心方向の近傍付近Aからのものであると推定される。
【0166】
また、図21中の乗算器52−jにて、受信機32−1の出力X1の複素共役X1と受信機32−jの出力Xjとの乗算をして、平均化部56−jに出力する。
【0167】
図22中のA部の平均位置は、自セクタの中心方向である。よって、A部に位置するユーザの上りの信号のアンテナ素子30−1に対するアンテナ素子30−jの位相回転量の平均値は0となる。
【0168】
そのため、加算器54−jの(−)端子には位相回転量の平均値ΔΘ=0が入力されており、加算器54−jは乗算器52−jの出力を位相回転量だけ減算する必要はなく、そのまま平均化部56−jに乗算結果を出力する。平均化部56−jは、制御信号CNTLに従って、乗算器52−jの出力の位相を求め、その位相の平均値を求めて、位相補償量Δφを位相補償回路36−jに出力する。
【0169】
位相補償回路36−jは、受信機32−jの出力Xjに対して、位相補償量演算回路110からの位相補償量Δφの位相補正をして、ビームフォーマ38に出力する。ビームフォーマ38は、受信機32−1の出力X1及び位相補償された位相補償回路36−j(j=2〜n)の出力Ajを入力して、マルチビームアンテナ、又はアダプティブアレーアンテナシステム構成により、ディジタル信号処理を行う。マルチビームアンテナにおいては、入力の位相が補償されているので、ビーム成形の効率が良くなる。
【0170】
ビームセレクタ40は、ビームフォーマ38の複数の出力のうち、所望ユーザ信号のレベルが最も強いビームを選択して、復調回路42に出力する。復調回路42は、π/4シフトQPSKなどの変調信号を復調する。
【0171】
以上説明した第6実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果がある。
本発明は上記実施形態に限定されずに種々の変形が可能であり、例えば、以下のような変形例があげられる。
【0172】
(a) 第1、第2実施形態ではセクタ間ハンドオーバ、セル間ハンドオーバを行っているユーザ信号を用いたが、これらを全て行っていないユーザを用いてもよい。この場合、このユーザ信号の到来角の平均値は0°となる。
【0173】
(b) 各実施形態では、TDMA方式のセルラ移動通信システム無線基地局について説明したが、CDMA方式のような複数のユーザ信号が同時刻に同周波数でコード多重化された信号に対しても、サーチャー部で相関演算により、式(1)のように各ユーザ信号に分離できるため、そのサーチャー部で分離したユーザ信号を位相補償量演算回路に入力して、位相補償量を算出して、この位相補償量を用いて、位相補償回路により位相補償して、ビームフォーマに出力する構成にすれば良い。
【0174】
(c) 各実施形態では、リニアアレイーアンテナの場合を説明したが、リニアアレイーアンテナ以外の場合でも、式中のΔθ,…,(n−1)Δθをそれぞれ、次式(15)に示される、Δθi2,…,Δθinとすればよい。
【0175】
Δθin=(xcosψ+ysinψ)sinθ+zcosθ・・・(15)
但し、
(x,y,z)はアンテナ素子座標
(d) 第6実施形態では、制御回路112には、受信機32−1の出力などを入力する構成にしたが、受信機32−1などが有するAGC回路への入力である中間波(IF)を入力するようにしてもよい。
【0176】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、位相補償量演算手段により、第1受信機の出力に対する第2受信機の出力の位相差を算出して、位相補償手段により、第2受信機の出力の位相を補正するので、ビームフォーマには、位相補正されたユーザ信号が入力されるため、マルチビームアンテナシステムのビームフォーマでは、ビーム成形の効率が良くなる。
【0177】
また、アダプティブアンテナシステムのビームフォーマの場合は、位相偏差、アダプティブ処理の振幅、位相の制御量を分離することができて、送信時に受信時の位相偏差量から送信ビーム成形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1原理図である。
【図2】セクタを示す図である。
【図3】本発明の第2原理図である。
【図4】本発明の第1実施形態による無線基地局の機能ブロック図である。
【図5】図4中のアンテナ素子の配置図である。
【図6】リニアアレー座標系を示す図である。
【図7】図4中の位相補償演算回路の構成図である。
【図8】図4中の位相補償回路の構成図である。
【図9】選択するユーザ信号を示す図である。
【図10】位相回転量の算出方法を示す図である。
【図11】位相補償量の算出方法を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態による無線基地局の機能ブロック図である。
【図13】図12中の位相補償量演算回路の構成図である。
【図14】本発明の第3実施形態による無線基地局の機能ブロック図である。
【図15】図14中の位相補償量演算回路の構成図である。
【図16】上り信号発生装置の位置を示す図である。
【図17】本発明の第4実施形態による無線基地局の機能ブロック図である。
【図18】図17の動作説明図である。
【図19】本発明の第5実施形態による無線基地局の機能ブロック図である。
【図20】本発明の第6実施形態による無線基地局の機能ブロック図である。
【図21】図20中の位相補償量演算回路の構成図である。
【図22】選択するユーザ信号を示す図である。
【符号の説明】
2−k(k=1〜n) アンテナ素子
4−k(k=1〜n) 受信機
6 ビームフォーマ
8−j(j=2〜n) 位相補償量演算回路
10−j(j=2〜n) 位相補償回路
12−j(j=2〜n) 加算器
30−k(k=1〜n) アンテナ素子
32−k(k=1〜n) 受信機
34 位相補償量演算回路
36−j 位相補償回路
38 ビームフォーマ
40 ビームセレクタ
42 復調回路
50 制御回路
52−j 乗算器
54−j 加算器
56−j 平均化部
60 演算回路
62 乗算器
70 位相補償量演算回路
72−j 加算器
80 位相補償量演算回路
82 制御回路
84 上り信号発生装置
90 スイッチ回路
92 分配器
94−k 移相器
96−k スイッチ回路
98 位相補償量演算回路
100 信号発生装置
102 分配器
104−k 移相器
106−k カプラ
108 位相補償量演算回路
110 位相補償量演算回路
112 制御回路

Claims (13)

  1. 移動局との間で送受信をする範囲であるセルが複数のセクタに分割された該各セクタに指向性を有する複数のアンテナ素子と、該各アンテナ素子毎に設けられ、同じセクタを指向する前記アンテナ素子で受信した信号から所望の周波数成分を抽出し、所定の帯域に周波数変換をする受信機と、前記各セクタを指向する複数の受信機の出力信号に基づいて、所望のビームパターンに成形するビームフォーマとを有するセルラ移動通信システム無線基地局において、
    同じセクタを指向する複数のアンテナ素子のうち、基準となるアンテナ素子を第1アンテナ素子、該第1アンテナ素子で受信した信号から周波数変換をする受信機を第1受信機、前記第1アンテナ素子と異なる任意のアンテナ素子を第2アンテナ素子、該第2アンテナ素子で受信した信号から周波数変換をする受信機を第2受信機とし、特定の上り信号の前記第1及び第2受信機の出力を入力して、第1と第2受信機の出力信号の位相差と、第1と第2受信機の入力信号の位相差との差分の位相量を示す位相補償量を算出する位相補償量演算手段と、
    前記位相補償量に基づいて、前記第2受信機の出力信号の位相補正をする位相補償手段と、
    を具備したことを特徴とするセルラ移動通信システム無線基地局。
  2. 前記位相補償量演算手段は、
    前記第1及び第2アンテナ素子が指向するセクタ内に位置する移動局からの上り信号の中で、前記第1アンテナ素子の出力信号に対する前記第2アンテナ素子の出力信号の位相差を示す位相回転量の平均値が既知の値となる母集団に属する上り信号の前記第1及び第2受信機の出力であることを示す制御信号を出力する制御手段と、
    前記制御信号に基づいて、前記第1受信機の出力信号と前記第2受信機の出力信号との位相差の平均値と、前記既知の値との差分を前記位相補償量として算出する平均化手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項1記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  3. 移動局との間で送受信をする範囲であるセルが複数のセクタに分割された該各セクタに指向性を有する複数のアンテナ素子と、該各アンテナ素子毎に設けられ、同じセクタを指向する前記アンテナ素子で受信した信号から所望の周波数成分を抽出し、所定の帯域に周波数変換をする受信機と、前記各セクタを指向する複数の受信機の出力信号に基づいて、所望のビームパターンに成形するビームフォーマとを有するセルラ移動通信システム無線基地局において、
    同じセクタを指向する複数のアンテナ素子のうち、基準となるアンテナ素子を第1アンテナ素子、該第1アンテナ素子で受信した信号から周波数変換をする受信機を第1受信機、前記第1アンテナ素子と異なる任意のアンテナ素子を第2アンテナ素子、該第2アンテナ素子で受信した信号から周波数変換をする受信機を第2受信機とし、第1位相補償量に基づいて、前記第2受信機の出力信号の位相補正をする位相補償手段と、
    前記第1受信機の出力信号と前記位相補償手段の出力信号との位相差と、前記第1と第2受信機の入力信号の位相差との差分の位相量を示す第2位相補償量を算出する位相補償量演算手段と、
    前記第2位相補償量と自身の出力信号とを加算して、前記第1位相補償量を前記位相補償手段に出力する加算手段と、
    を具備したことを特徴とするセルラ移動通信システム無線基地局。
  4. 前記位相補償量演算手段は、
    前記第1及び第2アンテナ素子が指向するセクタ内に位置する移動局からの上り信号の中で、前記第1アンテナ素子の出力信号と前記第2アンテナ素子の出力信号との位相差を示す位相回転量の平均値が既知の値となる母集団に属する上り信号の前記第1受信機及び前記位相補償手段の出力であることを示す制御信号を出力する制御手段と、
    前記制御信号に基づいて、前記第1受信機の出力信号と前記位相補償手段の出力信号との位相差の平均値と、前記既知の値との差分を前記位相補償量として算出する平均化手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項3記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  5. 前記制御手段は、
    前記第1及び第2アンテナ素子が指向するセクタと該セクタの特定の隣接セクタとの境界近傍に位置する移動局に対してセクタ間ハンドオーバを行っている上り信号に基づく出力信号であることを示す制御信号を生成し、
    前記平均化手段は、
    前記既知の値として、前記セクタ間ハンドオーバを行う対象となる移動局の平均位置及び前記第1と第2アンテナ素子の位置に基づいて予め求められる値を使用する、
    構成にしたことを特徴とする請求項2又は4記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  6. 前記制御手段は、
    セルラ移動通信システム無線基地局から一定の距離に位置する特定の中心から一定の範囲内に位置する移動局に対してセル間ハンドオーバを行っている上り信号に基づく出力信号であることを示す制御信号を生成し、
    前記平均化手段は、
    前記既知の値として、前記特定の中心の位置及び前記第1と第2アンテナ素子の位置に基づいて予め求められる値を使用する、
    構成にしたことを特徴とする請求項2又は4記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  7. 前記制御手段は、
    前記第1及び第2アンテナ素子が指向する第1セクタの特定の隣接セクタを指向する任意の第3アンテナ素子の出力信号と、該第1セクタを指向する任意の第4アンテナ素子の出力信号のレベルの差が閾値以下となる上り信号に基づく出力信号であることを示す制御信号を生成し、
    前記平均化手段は、
    前記既知の値として、前記レベルの差が閾値以下となる移動局の平均位置、前記第1と前記第2アンテナ素子の位置及び該第3と第4アンテナ素子の放射パターンに基づいて予め求められる値を使用する、
    構成にしたことを特徴とする請求項2又は4記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  8. 前記制御手段は、
    前記第1及び第2アンテナ素子が指向する第1セクタに隣接する2つの隣接セクタをそれぞれ指向する任意の第3及び第4アンテナ素子の出力信号と、前記第1セクタを指向する任意の第5アンテナ素子の出力信号とのレベルの差が共に閾値以上である上り信号に基づく出力信号であることを示す制御信号を生成し、
    前記平均化手段は、
    前記既知の値として、前記レベルの差が共に閾値以上となる移動局の平均位置、前記第1と前記第2アンテナ素子の位置及び該第3、第4及び第5アンテナ素子の放射パターンに基づいて予め求められる値を使用する、
    構成にしたことを特徴とする請求項2又は4記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  9. 前記第1及び第2アンテナ素子が指向するセクタ内の既知の位置から信号を送出する信号発生装置を更に具備し、
    前記位相補償量演算手段は、
    前記信号発生装置の既知の位置及び前記第1と第2のアンテナ素子の位置から求められる前記第1アンテナ素子の出力信号と前記第2アンテナ素子の出力信号との位相差に基づき、前記信号発生装置からの信号の前記第1及び第2受信機の出力信号を用いて前記位相補償量又は第1位相補償量を算出する、
    構成にしたことを特徴とする請求項1又は3記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  10. セルラ移動通信システムが使用する無線帯域と同じ帯域の信号を生成して、信号線に出力する信号発生装置と、
    前記信号線からの信号に基づく第1信号を前記第1受信機に出力する第1出力手段と、
    前記信号線からの信号に基づく第2信号を前記第2受信機に出力する第2出力手段とを更に具備し、
    前記位相補償量演算手段は、
    前記第1信号と前記第2信号との既知の位相差に基づいて、前記第1信号の第1受信機の出力信号及び前記第2信号の第2受信機の出力信号を用いて前記位相補償量又は第1位相補償量を算出する、
    構成にしたことを特徴とする請求項1又は3記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  11. 前記第1出力手段は、前記第1信号及び前記第1アンテナ素子の出力信号を合波する第1カプラで構成し、
    前記第2出力手段は、前記第2信号及び前記第2アンテナ素子の出力信号を合波する第2カプラで構成し、
    前記第1信号の前記第1受信機への入力信号と前記第2信号の前記第2受信機への入力信号との位相差が所望の既知の値となるように、前記信号線からの信号に対して位相調整をする移相器を更に具備したことを特徴とする請求項10記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  12. 前記第1アンテナ素子の出力信号に基づく第1信号を前記第2受信機に出力するスイッチ手段を更に具備し、
    前記位相補償演算手段は、
    前記第1アンテナ素子の出力信号と前記第1信号との既知の位相差に基づき、前記第1受信機の出力信号及び前記第1信号の前記第2受信機の出力信号を用いて前記位相補償量又は第1位相補償量を算出する、
    構成にしたことを特徴とする請求項1又は3記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
  13. 前記第1アンテナ素子の出力信号の第1受信機への入力信号と前記第1信号の第2受信機への入力信号との位相差が所望の既知の値となるように、前記第1アンテナ素子の出力信号に対して位相調整をする移相器を更に具備したことを特徴とする請求項12記載のセルラ移動通信システム無線基地局。
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