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JP3583630B2 - カラーデータ変換方法 - Google Patents

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  • Image Processing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色再現範囲(色域)の異なる機器でカラー画像全体の見た目が変わらないようにカラーデータを変換するカラーデータ変換方法に関し、特に、色再現範囲の広い画像表示用カラーデータを色再現範囲の狭い印刷用カラーデータに変換するカラーデータ変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、パーソナルコンピュータ、カラープリンタ、ディジタルカメラなどのカラー画像機器が、高性能化、低価格化によって普及し始めている。そのうちカラープリンタにおいては、CRTディスプレイに表示されたカラー画像を、画像全体の雰囲気を変えずに印刷することが重要である。
【0003】
異なる機器間で色を一致させるために、機器に依存しない絶対的な色を表す色信号として輝度色差分離糸のL* a* b* 空間やCIEXYZ空間などを基準として色信号を処理する方法がある。例えば、L* a* b* 空間のカラーデータを用いた画像をCRTディスプレイに出力する場合、L* a* b* 空間の色をCRTディスプレイの特性に従って、CRTディスプレイ固有のRGB空間のカラーデータに変換して表示すれば、基本的には、どのCRTディスプレイでも同じ色を出力することができる。
【0004】
またL* a* b* 空間のカラーデータを用いた画像をプリンタて印刷する場合、L* a* b* 空間の色を、プリンタ特性に従って、プリンタ固有のCMY空間の色に変換して印刷すれば、どのプリンタでも同じ色を出力することができる。
【0005】
更に、CRTディスクプレイに表示するRGB空間のカラーデータをプリンタのCMY空間のカラーデータに変換して印刷する場合、RGBカラーデータをL* a* b* カラーデータに変換し、続いてL* a* b* カラーデータをCMYカラーデータに変換することで、基本的には、CRTディスプレイの表示画像と同じカラー画像をプリンタで印刷することが可能である。
【0006】
しかし、L* a* b* 空間におけるCRTディスプレイの色域(以下「ディスプレイ色域」という)とカラープリンタの色域(以下「プリンタ色域」という)は広さ、形状とも大きく異なり、CRTディスプレイで表示できるがカラープリンタで印刷できない色が多く存在する。このためカラープリンタで印刷できないCRTディスプレイの色を、印刷できる色に変換するカラーデータ変換方法が必要である。
【0007】
このようなカラーデータ変換方法としては、例えば特開昭60−105376号(米国特許第4,675,704号)が知られている。
【0008】
図37は、L* a* b* 空間内で、ある色相角度値の断面での一般的なCRTディスプレイのRGB空間に対応したL* a* b* 色域となるディスプレイ色域100と、一般的なカラープリンタのCMY空間に対応したL* a* b* 色域となるプリンタ色域102である。
【0009】
ここでディスプレイ色域100の(L* a* b* )値、即ちカラーデータをOiで表わし、プリンタ色域102の(L* a* b* )値、即ちカラーデータをQiで表わす。この場合、iは任意の空間位置を示す整数のインデックスである。
【0010】
図37のプリンタ色域102は、ディスプレイ色域100と比較して小さいだけではなく、ディスプレイ色域100の白色O1、黒色O2と比較して、プリンタ色域102の白色Q1、黒色Q2は位置が異なっている。
【0011】
特開昭60−105376号の方法では、図38のように、ディスプレイ色域100に含まれ、プリンタ色域102に含まれないカラーデータO1〜O9を、矢印のように色相角度値と明度値L* を変えずに彩度値をプリンタ色域102まで減少させ、プリンタ色域102に含まれるカラーデータQ1〜Q9を得ている。
【0012】
しかしながら、この従来方法では、カラーデータO1からQ1、O9からQ9のように彩度値a* b* を最大に圧縮してもプリンタ色域102に含まれず、カラープリンタで印刷する際にCRTディスプレイのカラー画像を忠実に再現できない問題がある。
【0013】
この問題を解決するアルゴリズムとしては、特開昭61−288662号(米国特許第4,758,885号)がある。この従来方法は、まず図39のように、ディスプレイ色域100に含まれるカラーデータO1〜5を矢印のように色域の中心に向けて明度を圧縮し、カラーデータO11〜O15を得る。この明度の圧縮は、ディスプレイ色域100の形状を破線のディスプレイ色域104に変形したことになる。
【0014】
次に図40のように、カラーデータO11〜O15の彩度値を減少し、矢印のようにプリンタ色域102に移動してカラ−データQ1〜Q5を得ている。この図39,図40の従来方法では、図38の従来方法のCRTディスプレイの一部のカラーデータがカラープリンタで再現できないという問題は起きない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来のカラーデータ変換方法では、次のような問題がある。まず図38の従来方法のCRTディスプレイの一部のカラーデータがカラープリンタで再現できない問題は、図41のように、カラーデータO1,O2の彩度値を圧縮してカラーデータQ1,Q2を得た後に、カラーデータQ1,Q2を矢印のようにプリンタ色域102の中心に向けて明度を変化させれば、プリンタ色域102に含まれるカラーデータQ11,Q12を得ることができる。
【0016】
しかし、この方法では、図42に示すディスプレイ色域100に含まれプリンタ色域102の最高明度点より高明度である領域106とプリンタ色域102の最高明度点より低明度である領域108の各々に位置するカラーデータの全てが、図41のプリンタ色域102のカラーデータQ11,Q12という一点に集まってしまい、階調潰れが発生する問題がある。
【0017】
次に図39,40の従来方法の問題点を説明する。プリンタ色域102は、基本的には図37のような「く」字型の形状をしている。しかし、青色、青紫色、紫色の青色領域においては、プリンタ色域102は図43の境界110に示すような「L」字型の形状を有し、且つ「L」字型の底辺部分110は、内側に湾曲している。
【0018】
また、プリンタ色域の黄色領域においては、図44のプリンタ色域102のように、逆L字型の形状を有し、逆L字型の上辺部分112では内側に湾曲した形状をしている。
【0019】
このような図43の「L」字型,図44の逆「L」字型のプリンタ色域102に対し、図39、図40の従来方法に従ってカラーデータを色域中心に集めるように明度方向で圧縮を行うと、図45及び図46のようにプリンタ色域102の一部に圧縮後のディスプレイ色域100の外に出る領域114,116が発生する。
【0020】
このディスプレイ色域100を外れたプリンタ色域114,116に含まれる色は、印刷に使用されなくなるため、プリンタの性能を使い切った、より良質な印刷を得られなくなる。
【0021】
この問題は、明度値の圧縮量を彩度値によって変えることにより解決可能である。具体的には、ディスプレイ色域100のカラーデータを色域の中心に集まるように明度の圧縮を行う際に、図47の矢印118の長さで示すように、彩度値が大きくなるほど、明度の圧縮率を低下させる。すると図48のように、圧縮後のディスプレイ色域104はプリンタ色域102を完全に含むようになる。
【0022】
しかし、この彩度値によって明度値の圧縮率を変える方法を図39,図40の適用した場合には、次の問題を発生させる。
【0023】
図49は、図47のように彩度値によって明度値L* の圧縮率を変えて圧縮した場合のディスプレイ色域104とプリンタ色域102の低明度部分の拡大図である。この圧縮後のディスプレイ色域104に含まれるカラーデータO11〜O17をプリンタ色域102に含まれるように彩度値を圧縮すると、カラーデータO11〜O13はカラーデータQ1〜Q3に圧縮され、カラーデータO14〜O16は1つのカラーデータQ4に圧縮される。
【0024】
このため一定間隔で分布していたカラーデータO11〜O16を彩度方向に圧縮した際に、カラーデータO13とカラーデータO14以降との間に大きな色差が発生する。この色差は、カラー画像を印刷した場合に、階調の不連続を生じさせ、非常に大きな問題となる。
【0025】
また、カラーデータO14〜O16は同じカラーデータQ4に圧縮されているため、この部分では階調の潰れが発生する問題がある。
【0026】
また、図39,図40の従来方法は、明度の圧縮関数にも問題がある。この従来方法では、明度方向の階調を保存するため、明度圧縮する際に次式の圧縮関数を用いている。
【0027】
【数1】
Figure 0003583630
【0028】
この圧縮関数に、一般的なCRTディスプレイのディスプレイ色域100及びカラープリンタのプリンタ色域102の条件として、
L1 =0.0
L2 =30.0
L3 =100.0
L4 =90.0
を用いて明度の圧縮を行った場合の変換前のカラーデータの明度値(ディスプレイ色域明度値)L1と、変換後のカラーデータの明度値(プリンタ色域明度値)L2の関係を求めると、図50の変換特性120が得られる。
【0029】
図50の変換特性120から(1)式の圧縮関数によって明度方向の階調は保存できている。しかし、明度値に変化のない線形特性122と比べると、変換前のカラーデータのうち低明度の色は、変換後のカラーデータでは明度値が大幅に上昇しており、高明度の色は全体的に明度値が低下している。この結果、CRTディスプレイで表示されている明るいカラー画像は、プリンタで印刷すると全体的に暗くなってしまい、暗いカラー画像は、プリンタで印刷すると全体的に明るくなってしまう問題がある。
【0030】
以上の問題点を整理すると、図38の従来方法では、ディスプレイ色域に含まれるカラーデータの全てをプリンタ色域に含まれるカラーデータに変換することができず、CRTディスプレイのカラー画像をプリンタで忠実に再現することができなかった。また再現性を解決しようとすると、階調潰れが発生する問題があった。
【0031】
また図39,図40の従来方法では、青色系及び黄色系において階調の不連続と階調潰れが発生する問題があった。
【0032】
本発明は、機器に依存して大きさの異なる色域の間でカラーデータを変換する際に、色の欠落、画像全体の明度変動、階調の不連続や階調の潰れを発生させず、表示画像と印刷画像で見た目が変わらないようにしたカラーデータ変換方法を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。
【0034】
まず本発明は、第1カラー画像機器の第1色域に含まれる第1カラーデータから、第2カラー画像機器の第2色域に含まれる第2カラーデータを生成するカラーデータ変換方法を対象とする。
【0035】
具体的には、CRTディスプレイ等のカラー表示装置のRGB空間に対応したL* a* b* 空間の中のディスプレイ色域(第1色域)に含まれる第1カラーデータから、カラープリンタ等の印刷装置のCMY空間に対応したL* a* b* 空間の中のプリンタ色域(第2色域)に含まれる第2カラーデータを生成するカラーデータ変換方法を対象とする。
【0036】
このデータ変換方法として本発明は、図1(A)のように、仮想色域導出過程、カラーデータ変更過程、及びカラーデータ生成過程を有する。
【0037】
仮想色域導出過程は、図1(B)(C)のように、第2色域42の明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を変換し、少なくとも第1色域40の明度値を全て含む拡張した仮想色域44を導出する。カラーデータ変更過程は、図1(D)のように、第1色域40のカラーデータのうち、仮想色域に含まれないカラーデータに対して、明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を変更し、仮想色域に含まれる第3カラーデータを導出する。
【0038】
カラーデータ生成過程は、図1(D)のように、カラーデータ変更過程で導出した第3カラーデータに対して、仮想色域導出過程で第2色域42に対して行われた変換と逆の変換を行って第2カラーデータを生成する。
【0039】
このような本発明のカラーデータ変換方法によれば、第1色域40に対し第2色域40が狭くとも、変換元となる第1色域の全てのカラーデータは、仮想色域のカラーデータを介して変換先の第2色域のカラーデータに変換されるため、第1色域から第2色域に色変換されないカラーデータをなくすことができる。
【0040】
具体的には、L* a* b* 空間の中のディスプレイ色域52に対しプリンタ色域が狭くとも、変換元となるディスプレイ色域の全てのカラーデータは、仮想色域のカラーデータを介して変換先のプリンタ色域のカラーデータに変換されるため、ディスプレイ色域からプリンタ色域に色変換されないカラーデータをなくすことができる。
【0041】
仮想色域導出過程は、第1色域40の最低明度値と第2色域42の最低明度値が等しくなり、第1色域40の最大明度値42と第2色域の最大明度値が等しくなるように、第2色域を変換して仮想色域を導出する。
【0042】
この仮想色域を用いた色変換により、色変換できないカラーデータがなくなると同時に、第1カラー画像機器における白色を、第2カラー画像機器の白色に変換できるようになる。特に、第1カラー画像機器がCRTディスプレイ、第2カラー画像機器がプリンタである場合において、CRTディスプレイの白色をプリンタに印刷する際に、紙にインクやトナーなどが付き、紙が白く見えなくなることを防ぐことができる。
【0043】
加えて、第1カラー画像機器における黒色を第2カラー画像機器における黒色に変換しているため、白色の一致に加えて黒色も一致し、第1カラー画像機器における無彩色の階調が、一部分も潰れることなしに第2カラー画像機器で再現することができる。これは、無彩色の多いカラー画像、例えば人物をディジタルカメラ撮影して得られたカラー画像などにおける髪の毛の再現において効果的である。
【0044】
仮想色域導出過程は、第2色域42を明度値方向のみに拡張して仮想色域44を導出する。このように第2色域42を拡張、圧縮して仮想色域44を導出する際に、彩度方向には拡張を行わず、明度方向にのみ拡張を行うことで、特に第カラー画像機器がCRTディスプレイで、第2カラー画像機器がカラープリンタであるような、第1色域が第2色域と比べてかなり大きい場合に、カラーデータ生成過程で仮想色域を介して生成した第2色域のカラーデータの彩度が低下することを防ぐことができる。
【0045】
仮想色域導出過程は、第2色域の最高明度値と最低明度値の略中間の所定の明度値以下の第2色域において、明度が低下するに従って指数関数的に拡張量を大きくして拡張を行うことにより仮想色域を導出する。
【0046】
このようにすることで、変換前の第1色域の低明度部分のカラーデータを仮想色域を介して第2域のカラーデータに変換した際の明度上昇を抑え、変換後のカラー画像全体が明るくなることを防ぐことができ、かつ明度方向の階調は潰さずに保存することができる。
【0047】
仮想色域導出過程は、第2色域の最高明度値と最低明度値の略中間の所定明度値以上の第2色域においては、明度が増加するに従って指数関数的に拡張量を大きくして拡張を行うことにより仮想色域を導出する。
【0048】
このようにすることで、変前の第1色域に含まれる高明度のカラーデータを仮想色域を介して第2色域に変換した際の明度低下を抑え、カラー画像全体が暗くなることを防ぐことができ、且つ明度方向の階調は潰さずに保存することができる。
【0049】
仮想色域導出過程は、第2色域内で拡張を行う場所のカラーデータの彩度値が大きければ大きいほど明度値の拡張の絶対値を小さくする色域拡張制限過程を備える。
【0050】
このように仮想色域導出過程で、仮想色域を導出する際に、第2色域内で彩度値が大きければ大きいほど第2色域を拡張する絶対量を小さくするように制限することで、底面が内側に湾曲した「L」字型の第2色域から、第1色域に対応した「く」字型をした仮想色域が導出でき、一定間隔に並んだ第1色域のカラーデータを、階調の不連続および階調の潰れを起すことなく仮想色域を介して第2色域のカラーデータを導出できる。
【0051】
色域拡張制限過程は、彩度値に比例した関数に従って明度値の拡張の絶対値を小さくする。このように仮想色域導出過程で、仮想色域を導出する際に、第2色域内で彩度値に比例した関数によって、彩度値が大きければ大きいほど第2色域を拡張する絶対量を小さくするように制限することで、底面が内側に湾曲した
「L」字型の第2色域から第1色域に対応した「く」字型をした仮想色域が導出でき、一定間隔に並んだ第1色域のカラーデータを、仮想色域に変更した後に仮想色域の導出に使用した関数の逆関数を用いて第2色域のカラーデータに変換することで、階調の不連続および階調潰れが発生する問題もなくなる。
【0052】
色域拡張制限過程は、彩度値が増加するに従って指数関数的に明度値の拡張の絶対値を小さくする。
【0053】
このように仮想色域導出過程で、仮想色域を導出する際に、第2色域内で彩度値の増加に対し指数関数的に明度値の拡張の絶対値を小さくするように制限することで、底面が内側に湾曲した「L」字型の第2色域から、第1色域に対応した「く」字型をした仮想色域が導出でき、「く」字型に一定間隔に並んだ第1色域のカラーデータを、仮想色域に変更した後に仮想色域の導出に使用した指数関数の逆関数を用いて第2色域のカラーデータに変換することで、階調の不連続および階調潰れが発生する問題もなくなり、より彩度値保存することができる。
【0054】
本発明のカラーデータ変換方法は、具体例として、第1色域はL* a* b* 色空間の中のカラー表示装置で使用するRGB色空間のディスプレイ色域40であり、第2色域は、L* a* b* 色空間の中のカラー印刷装置で使用するCMY色空間に対応したプリンタ色域42であり、仮想色域44はプリンタ色域42の明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を変換し、少なくともディスプレイ色域の明度値を全て含むように拡張した色域である。
【0055】
また本発明のカラーデータ変換方法は、CRTディスプレイに表示するためのRGB空間のカラーデータをプリンタのCMY空間のカラーデータに変換する場合、次のようになる。
【0056】
まず仮想色域導出過程は、RGB/ディスプレイ色域変換テーブル、プリンタ色域/CMY変換テーブル及び仮想色域/CMY変換テーブルを作成する。
【0057】
RGB/ディスプレイ色域変換テーブルは、RGB空間のカラーデータをL*a* b* 色空間の中のディスプレイ色域のカラーデータに変換する変換テーブルである。プリンタ色域/CMY変換テーブルは、L* a* b* 色空間の中のプリンタ色域のカラーデータをCMY空間のカラーデータに変換する変換テーブルである。
【0058】
更に、仮想色域/CMY変換テーブルは、プリンタ色域の明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を変換し、少なくともディスプレイ色域の明度値を全て含むように拡張した仮想色域を導出し、仮想色域のカラーデータをCMY空間のカラーデータに変換すると共に仮想色域を外れるカラーデータを特定の色域外識別値に変換する変換テーブルである。
【0059】
次にカラーデータ変更過程が、RGB/ディスプレイ色域変換テーブルによりRGB空間のカラーデータをL* a* b* 色空間の中のディスプレイ色域のカラーデータに変換した後、ディスプレイ色域のカラーデータの内、仮想色域に含まれないカラーデータに対して、明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を、仮想色域/CMY変換テーブルにより色域外識別値に変換されなくなるまで変更することで仮想色域に含まれる第3カラーデータを導出する。
【0060】
最終的にカラーデータ生成過程が、カラーデータ変更過程で導出された第3カラーデータに対して、仮想色域導出過程でプリンタ色域に対して行われた変換と逆になる変換を行って第2カラーデータを生成し、この第2カラーデータをプリンタ色域/CMY変換テーブルによりCMY空間のカラーデータに変換してカラー印刷装置に出力する。
【0061】
このためディスプレイ色域に含まれる全てのカラーデータを、プリンタ色域に含まれるカラーデータに変換できる。またCRTディスプレイの白色をプリンタに印刷する際に、紙にインクやトナーなどが付き、紙が白く見えなくなることを防ぐことができる。また、CRTディスプレイでの無彩色の階調が、一部分も潰れることなしにプリンタで再現できる。
【0062】
またCRTディスプレイのカラー画像をプリンタで再現した際の彩度の低下防止、画像全体の明度変化の防止、明度方向の階調潰れの防止、彩度の保存を保証できる。
【0063】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明のカラーデータ変換方法が適用される装置構成の一例であり、一般的なパーソナルコンピュータとその周辺機器を例にとっている。
【0064】
図2において、パーソナルコンピュータ10は本発明のカラーデータ変換方法を実現するアプリケーションプログラムをインストールしており、パーソナルコンピュータ10に対してはCRTディスプレイ等の画像表示装置12と、カラープリンタ等の画像印刷装置14が接続されている。
【0065】
画像表示装置12は、RGB表色系のカラーデータにより画像表示を行い、また画像印刷装置14はCMY表色系のカラーデータによりカラー画像の印刷を行う。このためパーソナルコンピュータ10には、画像表示装置12にカラー画像を表示するためのRGBカラーデータで各画素を構成したカラー画像データと、画像印刷装置14にカラー画像を印刷するためのCMYカラーデータで各画素を構成したカラー画像データが、ハードディスクドライブ等の記憶装置により保存されている。
【0066】
パーソナルコンピュータ10は、RGBカラー画像データの各画素のRGB値となるカラーデータを駆動信号として画像表示装置12に送り、カラー画像を表示させる。また、CMYカラー画像データの各画素のCMY値となるカラーデータを画像印刷装置14にプリンタ制御信号として送ってカラー画像を印刷させる。
【0067】
図3は、本発明のカラーデータ変換方法が適用される装置構成の機能ブロック図である。図3において、本発明のカラーデータ変換方法を実現するための装置は、色変換準備処理部16と色変換装置18に大別することができる。
【0068】
色変換装置18は、例えば図2のパーソナルコンピュータ10により実現でき、色変換処理部20、制御メモリ22及び画像メモリ24を備える。色変換処理部20は、図2の画像表示装置12にカラー画像を表示するためのRGB画像データを、L* a* b* 空間を介して画像印刷装置14のCMY画像データに変換する。
【0069】
このRGB画像データからCMY画像データの変換を行うカラーデータ変換処理として、本発明のカラーデータ変換方法が採用される。色変換処理部20によるカラーデータ変換のため、制御メモリ22にはRGB/Lab変換テーブル26、Lab/CMY変換テーブル28、更に本発明の変換方法に固有な仮想色域判定用Lab/CMY変換テーブル30が格納される。
【0070】
これらRGB/Lab変換テーブル26、Lab/CMY変換テーブル28、及び仮想色域判定用Lab/CMY変換テーブル30のそれぞれは、色変換準備処理部16による準備行程の処理を通じて作成され、色変換装置18の制御メモリ22に格納される。
【0071】
ここでRGB/Lab変換テーブル26は、図2の画像表示装置12にカラー画像を表示するためのRGB空間のカラーデータを、機器に依存しないL* a*b* 色空間のカラーデータに変換する。またLab/CMY変換テーブル28は、L* a* b* 色空間のカラーデータを、図2の画像印刷装置14でカラー画像を印刷するためのCMY空間のカラーデータに変換する。更に仮想色域判定用Lab/CMY変換テーブル30は本発明のL* a* b* 色空間内におけるカラーデータの変換に利用されるもので、その詳細は後の説明で明らかにする。
【0072】
画像メモリ24には、RGBデータ格納部32、ディスプレイ色域データ格納部34、プリンタ色域データ格納部35、仮想色域データ格納部36及びCMYデータ格納部38が設けられる。RGBデータ格納部32は、図2の画像表示装置12にカラー画像を表示するためのRGB空間のカラーデータを画素に用いたカラー画像データを格納している。
【0073】
CMYデータ格納部38は図2の画像印刷装置14にカラー画像を印刷するためのCMY空間のカラーデータを画素に用いたカラー画像データを格納している。ディスプレイ色域データ格納部34、プリンタ色域データ格納部35及び仮想色域データ格納部36は、本発明のカラーデータ変換方法が適用されるL* a* b* 空間の色変換における変換前、変換途中、変換先の(L* a* b* )値をもつカラーデータを格納する。
【0074】
図4は、本発明のカラーデータ変換方法の基本的な処理手順のフローチャートである。本発明のカラーデータ変換方法は、ステップS1の仮想色域導出過程、ステップS2のカラーデータ変更過程、及びステップS3のカラーデータ生成過程を備える。
【0075】
この内、ステップS1の仮想色域導出過程が準備工程となり、次のステップS2,S3のカラーデータ変更過程及びカラーデータ生成過程が色変換過程となる。図3の装置構成の機能ブロックとの対応を見ると、ステップS1の仮想色域導出過程としての準備過程が色変換準備処理部16において行われ、次のステップS2,S3のカラーデータ変更過程及びカラーデータ生成過程を含む色変換過程が色変換装置18で行われることになる。
【0076】
図5は、本発明のカラーデータ変換方法の基本となる第1実施形態を表わしたもので、L* a* b* 色空間の、ある色相角度における断面図である。
【0077】
図5にはディスプレイ色域40とプリンタ色域42が示される。ディスプレイ色域40は、図2の画像表示装置12で使用するカラーデータのRGB色空間に対応したL* a* b* 色空間の領域であり、具体的には図3のRGB/ディスプレイ色域変換テーブル26によりRGBカラーデータから変換されたLabカラーデータが存在する領域である。
【0078】
プリンタ域42は、図2の画像印刷装置14でカラー画像を印刷するために使用するCMY色空間のカラーデータに対応した同じくL* a* b* 色空間の領域であり、具体的には図3のプリンタ色域/CMY変換テーブル28のCMYカラーデータに対応するLabカラーデータの存在する領域である。
【0079】
ディスプレイ色域40は、一般的に最高明度値(Ls)max が約100であり、最低明度値(Ls)min は通常0〜10程度である。この例では10付近を例にとっている。またプリンタ色域42の最高明度値(L)max が約90であり、最低明度値(L)min は通常約30程度となる。また横軸の彩度値にあっては、ディスプレイ色域40の最大値は例えば125になるが、プリンタ色域42はその半分以下の約50程度の値となる。
【0080】
本発明のカラーデータ変換方法にあっては、図4のステップS1に示した仮想色域導出過程において、図5の矢印50で示すように、プリンタ色域42を所定の関数で拡張、圧縮し、図6に示す仮想色域44を導出する。
【0081】
このプリンタ色域42から仮想色域44を導出する際には、仮想色域44の最高明度値(L)max と最低明度値(L)min との間にディスプレイ色域40の最高明度値(Ls)ma と最低明度値(Ls)mi とが含まれるように、所定の関数による変換で仮想色域44を導出する。
【0082】
次に図4のステップS2のカラーデータ変更過程において、図7に示すように、ディスプレイ色域40に含まれるカラーデータO1〜O6のうち仮想色域44の外に位置するカラーデータO2〜O5に対し、明度値L* 、彩度値、及び色相角度値のいずれか1つ以上の値を変更して、仮想色域44に含まれるカラーデータP2〜P5を導出する。
【0083】
この場合には彩度値のみを減少させることで、ディスプレイ色域40のカラーデータO2〜O5を仮想色域44に含まれるカラーデータP2〜P5に変更している。
【0084】
ここで、変更前に仮想色域44に既に含まれているディスプレイ色域40のカラーデータについては、明度値、彩度値、色相角度値の値を変化させずに、そのまま仮想色域44のカラーデータとしてもよいし、仮想色域44の外に出ないという制限の下で明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を変化させて仮想色域44のカラーデータに変更してもよい。
【0085】
図7の場合には、仮想色域44に既に含まれているディスプレイ色域40のカラーデータについては、値を変更せずにそのまま仮想色域44のカラーデータとしている。
【0086】
次に図4のステップS3のカラーデータ生成過程に進み、このカラーデータ生成過程では、図8に示すように、仮想色域44に変更したカラーデータP1〜P6に対して、図5,図6でプリンタ色域42から仮想色域44を導出するために用いた所定の関数の逆関数を用いて矢印52で示す逆変換を行い、プリンタ色域42に含まれるカラーデータQ1〜Q6を導出する。
【0087】
この図5〜図8に示した本発明のカラーデータ変換方法の第1実施形態によれば、ディスプレイ色域40の全てのカラーデータは仮想色域44のカラーデータを介して、それより狭いプリンタ色域42のカラーデータに変換され、ディスプレイ色域40からプリンタ色域44にカラーデータを変換する際に、色変換を行うことのできないカラーデータがなくなる。
【0088】
図9は、図4のステップS1における仮想色域導出過程となる色変換準備処理の具体例のフローチャートである。まず図9のステップS1,S2の処理により、図3の制御メモリ22に格納したRGB/Lab変換テーブル26の作成を行う。
【0089】
ステップS1で、図2の画像表示装置12においてカラー画像を表示するためのRGB値に対するディスプレイ色域40の(L* a* b* )値を測定する。具体的には、画像表示装置12に対し複数のRGB値に対応する駆動信号を送り、画像表示装置12に表示された色を測定器で測定し、(L* a* b* )値やCIEXYZ値等を測定する。CIEXYZ値を測定した場合には、計算式で(L*a* b* )値に変換する。
【0090】
この場合、測定するカラーデータはRGBカラーデータの値がとり得る全ての測定値を測定することが理想であるが、0〜255の値をもつRGB値の全数は256=1677.7万色となり、現実的に不可能である。
【0091】
そこで、実際にはRGB値のそれぞれにつき32おきに表示することで、9=729色程度を表示して測定する。この場合、色変換の際には、測定していないRGB値に対応する(L* a* b* )値を求めるには補間計算を行う必要が発生する。
【0092】
次にステップS2で、測定に使用したRGB値を引数として、測定結果として得られたディスプレイ色域40の(L* a* b* )値に変換するためのRGB/ディスプレ色域変換テーブル26を作成する。このRGB/ディスプレイ色域変換テーブル26は、実際には図10のようにRGB値の各値を引数とした3次元空間の座標位置(格子点)にL* 値、a* 値、b* 値のそれぞれを格納したL*値導出用テーブル26−1、a* 値導出用テーブル26−2、及びb* 値導出用テーブル26−3で構成される。
【0093】
続いて図9のステップS3,S4において、図3の制御メモリ22に格納するプリンタ色域/CMY変換テーブル28を作成する。まずステップS3で、図2の画像印刷装置14のカラー印刷に使用するCMY値に対応するプリンタ色域の(L* a* b* )値を測定する。
【0094】
具体的には、画像印刷装置14に対し複数のCMY値に対応するプリンタ制御信号を送り、画像印刷装置14で印刷された色を測定器で測定して(L* a* b* )値を取得する。この場合にも測定色の個数は取り得るCMY値の全てについて測定することが理想であるが、測定個数は256=1677.7万色となり、現実的には不可能である。実際にはCMY値のそれぞれにつき32おきに9=729色程度を測定する。
【0095】
次にステップS4で、プリンタ色域の(L* a* b* )値からCMY値に変換するためのプリンタ色域/CMY変換テーブル28を作成する。このプリンタ色域/CMY変換テーブル28は、図11に示すように、L* a* b* の各値を引数として、C,M,Yの各値を3次元座標位置(格子点)に格納した3次元配列を持つ3つのC値導出用テーブル28−1、M値導出用テーブル28−2、Y値導出用テーブル28−3で構成されている。
【0096】
ここでプリンタ色域/CMY変換テーブル28は、RGB/ディスプレイ色域変換テーブル26が画像表示装置に依存したRGBカラーデータを機器に依存しないL* a* b* のカラーデータに変換するテーブルであるのに対し、機器に依存しない(L* a* b* )値のカラーデータを画像印刷装置に依存したCMYカラーデータに変換するテーブルである。
【0097】
図4のステップS2,S3の色変換過程でプリンタ色域/CMY変換テーブル28と補間計算によってCMYカラーデータを求める場合、L* a* b* の各座標値が一定の格子間隔で並んでいる必要がある。しかし、ステップS3で測定したCMY値に対応するプリンタ色域のL* a* b* の各値は、C,M,Yの各値のように一定の格子間隔では並んでいない。
【0098】
このため、格子状に並んだ(L* a* b* )値に対するCMY値を求める計算が必要となる。この計算は、例えば特開平7−0954315(米国特許第5,625,378号)に開示されている。
【0099】
またプリンタ色域/CMY変換テーブル28にあっては、図5のプリンタ色域42に存在する(L* a* b* )値に対するCMY値しか有効にならず、プリンタ色域42の外に出ている(L* a* b* )値に対応するCMY値は得られない。この場合、プリンタ色域/CMY変換テーブル28にあっては、プリンタ色域42の外にある(L* a* b* )値の格納位置には、プリンタ色域42の外側であることを示す領域外識別値として(−10000,−10000,−10000)のCMY値を格納する。
【0100】
これによって、プリンタ色域/CMY変換テーブル28はプリンタ色域42内にある(L* a* b* )のカラーデータについては対応するCMY値が全て0〜255の値をとり、正常に(L* a* b* )値からCMY値に変換できる。
【0101】
これに対し(L* a* b* )値がプリンタ色域42の外側にある場合には、CMY値のいずれかが、0〜255の範囲外の値を取る。従って、ある(L* a*b* )値がプリンタ色域42の中にあるか外にあるかの判定に用いることができる。
【0102】
次に図9のステップS5,S6で、図3の制御メモリ22に格納する仮想色域/CMY変換テーブル30を作成する。即ち、ステップS5において、ステップS4で作成したプリンタ色域の(L* a* b* )値の測定値を、図5,図6におけるプリンタ色域42から仮想色域44を導出するために使用する色域拡張関数に従って、仮想色域44に拡張した(L* a* b* )値に変換する。
【0103】
具体的には、あるCMY値に対する測定された(L* a* b* )値を色変換拡張関数により変換して、仮想色域44の(L* a* b* )値に変換する。
【0104】
続いてステップS6において、ステップS5で変換した仮想色域44の(L*a* b* )値を引数として、図11の場合と同様なCMY値に変換するための仮想色域/CMY変換テーブル30を作成する。
【0105】
この仮想色域/CMY変換テーブル30も、ステップS4で作成したプリンタ色域CMY変換テーブル28と同様、CMY値は格子状に並んでいるが仮想色域に変換した(L* a* b* )値は格子状に並んでいないことから、仮想色域/CMY変換テーブル30と補間計算によってCMY値を求める場合には、特開平7−095431(米国特許第5,625,378号)に開示された計算で、格子状に並んだ(L* a* b* )値に対するCMY値を求める計算を行う。
【0106】
また仮想色域/CMY変換テーブル30において、図6に示した仮想色域44を外れる(L* a* b* )値に対応したCMY値としては、有効なCMY値である0〜255以外の領域外識別値として、例えば、テップS4で作成したプリンタ色域/CMY値変換テーブル28と同様、(−10000,−10000,−10000)のCMY値を格納する。
【0107】
これによって、ある(L* a* b* )値をもつカラーデータが仮想色域44の外にある場合は、CMY値のいずれかが0〜255の範囲外の値を取り、ある(L* a* b* )値が仮想色域44の中にあるか外にあるかの判定に用いることができる。
【0108】
図12は、図4のステップS2,S3の色変換過程の具体例を示したフローチャートである。図11の色変換準備過程によって、図3の色変換装置18の制御メモリ22に、RGB/ディスプレイ色域変換テーブル26、プリンタ色域/CMY変換テーブル28、及び仮想色域/CMY変換テーブル30が取得できたならば、図12のステップS1,S2のカラーデータ変更処理、及びステップS3,S4のカラーデータ生成処理を行う。
【0109】
まずカラーデータ変更処理は、ステップS1でRGB/ディスプレイ色域変換テーブル26を用いてRGB表色系で表わされるRGBカラーデータを、L* a* b* 表色系で表わされるディスプレイ色域の(L* a* b* )値であるカラーデータに変換する。
【0110】
具体的には、図3の色変換装置18の色変換処理部20が、画像メモリ24の中のRGBデータ格納部32に準備されたRGB画像データの中から画素単位にRGBカラーデータを取り出し、制御メモリ22のRGB/ディスプレイ色域変換テーブル26から対応するプリンタ色域の(L* a* b* )値を読み出してディスプレイ色域データ格納部34に格納する。
【0111】
次にステップS2で、ディスプレイ色域40の(L* a* b* )値が仮想色域44に含まれるように、仮想色域/CMY変換テーブルを仮想色域の判定に使用しながら、例えば色相角度値一定となるように彩度値を減少させ、仮想色域42に含まれる(L* a* b* )値を導出する。
【0112】
具体的には、変換対象とするディスプレイ色域の(L* a* b* )値を引数として仮想色域/CMY変換テーブル30から対応するCMY値を求め、CMY値すべてが0〜255の範囲内の値であれば、そのまま仮想色域の(L* a* b* )値とする。
【0113】
これに対し、テーブルから得られたCMY値のいずれかが0〜255の範囲外の値の場合は、ディスプレイ色域の(L* a* b* )値の彩度値を所定値ずつ減少させながら仮想色域/CMY変換テーブル30を参照し、CMY値のすべてが0〜255の範囲内の値となるまで彩度値の減少を繰り返し、CMY値すべてが0〜255の範囲内の値となったときに、その(L* a* b* )値を仮想色域の値として導出する。
【0114】
このように仮想色域に変換された(L* a* b* )値の各カラーデータは、図3の画像メモリ24に設けている仮想色域データ格納部36に格納される。
【0115】
次に図12のステップS3,S4において、画像印刷装置でカラー画像を印刷するためのカラーデータ生成処理を行う。
【0116】
まず図12のステップS3で、ディスプレイ色域40から仮想色域44に変更されたカラーデータについて、プリンタ色域42から仮想色域44を導出した場合の色域変換関数の逆関数により、プリンタ色域42の(L* a* b* )値を導出する。
【0117】
このようにしてステップS3で仮想色域44からプリンタ色域42の(L* a* b* )値へのカラーデータの変換ができたならば、最終的にステップS4でプリンタ色域/CMY変換テーブル28を用いて、プリンタ色域の(L* a* b* )値をCMY値に変換する。
【0118】
このステップS3,S4のカラーデータ生成につき図3にあっては、色変換装置18はステップS3で変換したプリンタ色域の(L* a* b* )値のカラーデータをプリンタ色域データ格納部35に格納し、続いてステップS4で、変換したCMY値のカラーデータをCMYデータ格納部38に格納する。
【0119】
そして最終的に、変換が済んだCMYデータ格納部38のカラーデータを画像印刷装置14にプリンタ制御信号として出力して、カラー画像を印刷することで、RGBデータ格納部32に格納されたRGBカラーデータに基づくカラー表示画像と同じ見えとなるカラー印刷画像を得ることができる。
【0120】
尚、図12のステップS2にあっては、ディスプレイ色域40から仮想色域44への変更につき彩度値の圧縮を行っているが、これ以外に明度値や色相角度値を変更してもよいことはもちろんである。
【0121】
図13は、図12の色変換処理に対応した図3の色変換装置18における処理機能のブロック図である。図13において、RGBデータ格納部32に格納されたRGB値のカラーデータは、RGB/ディスプレイ色域変換テーブル26によってL* a* b* 色空間の(L* a* b* )値に変換され、ディスプレイ色域データ格納部34に格納される。
【0122】
続いて彩度圧縮処理部46により、仮想色域/CMY変換テーブル30を用いて仮想色域の外か内かを判定しながら彩度値を圧縮して、プリンタ色域から仮想色域にカラーデータを変更し、仮想色域データ格納部36に変更後の(L* a*b* )値を格納する。
【0123】
次に逆変換処理部48でプリンタ色域42から仮想色域44を求めた色域拡張関数の逆関数を使用して、仮想色域44のカラーデータをプリンタ色域42のカラーデータに変換し、プリンタ色域データ格納部35に格納する。最終的にプリンタ色域/CMY変換テーブル28によりプリンタ色域42の(L* a* b* )値をCMY値に変換し、CMYデータ格納部38に格納する。
【0124】
図14は、本発明のカラーデータ変換方法の第2実施形態を説明するL* a*b* 色空間の等色相角度の断面図である。この第2実施形態にあっては、仮想色域導出過程で、プリンタ色域42を矢印52のように拡張する際に、プリンタ色域42の最高明度値(LD )max をディスプレイ色域40の最高明度値(Ls)max に一致させ、且つプリンタ色域42の最低明度値(LD )min をディスプレイ色域40の最低明度値(Ls)min に一致させるように拡張したことを特徴とする。
【0125】
図15は図14によるプリンタ色域42から拡張された仮想色域44であり、ディスプレイ色域40の最高明度値と最低明度値のカラーデータQ1,Q2が仮想色域44の最高明度値と最低明度値のカラーデータP1,P2にそれぞれ一致している。
【0126】
このようにディスプレイ色域40の最高明度値と最低明度値に一致するように仮想色域44を導出した場合の色変換処理は、図7,図8の第1実施形態の場合と同様、仮想色域44の外に位置するディスプレイ色域40のカラーデータを彩度値を減少して仮想色域44に変更した後、図8のように仮想色域44を導出した場合の色域拡張関数の逆関数により仮想色域のカラーデータをプリンタ色域42のカラーデータに変更すればよい。
【0127】
このようにディスプレイ色域40に一致する最高明度値と最低明度値の仮想色域44を用いたディスプレイ色域40からプリンタ色域42へのカラーデータの変換により、色変換が行えないカラーデータがなくなるという効果のみならず、ディスプレイ色域40の最高明度値に対応した白色を、同じ明度値を持つプリンタ色域42の白色に変換できる。即ち、CMYディスプレイ等の画像表示装置12で表示している白色を画像印刷装置14で印刷する際に、紙にインクやトナー等が付いて紙が白く見えなくなることを防止できる。
【0128】
加えてディスプレイ色域40の最低明度値となる黒色がプリンタ色域42の同じ明度値となる黒色に一致しているため、先に説明した白色の一致と黒色の一致の両者によって画像表示装置における無彩色の階調が全く潰れることなしに画像印刷装置で再現することができる。
【0129】
この無彩色に関する再現性の確立により、無彩色の多い例えば髪の毛を多く有する人物をディジタルカメラで撮影して得られたカラー画像等において、ディスプレイの表示画像とプリンタによる印刷画像がほぼ同じに見えるように再現できる。
【0130】
図16は、本発明によるカラーデータ変換方法の第3実施形態を説明するL*a* b* 色空間の等色相角度の断面図である。図16のディスプレイ色域40及びプリンタ色域42について、本発明のカラーデータ変換方法にあっては、プリンタ色域42について所定の拡張関数を適用することで仮想色域44を導出するが、第3実施形態にあっては彩度値の方向には拡張を行わず、明度値L* の方向にのみ拡張と圧縮を行うようにしたことを特徴とする。
【0131】
図17は、図16の第2実施形態による仮想色域44の導出結果であり、明度値L* 方向においてディスプレイ色域40の全てのカラーデータが仮想色域44の明度範囲に含まれることになる。このため、第1実施形態における図7及び図8の場合と同様、仮想色域44の外にあるディスプレイ色域40のカラーデータを例えば彩度値a* b* を減少させることで仮想色域44に変更した後、仮想色域44を導出した際の色域拡張関数の逆関数を適用して図16のプリンタ色域42に含まれるカラーデータに変更することができる。
【0132】
この図16,図17の第3実施形態は、ディスプレイ色域40がプリンタ色域42に比べてかなり大きい場合に有効であり、第1実施形態に比べ変換後のプリンタ色域42のカラーデータの彩度の低下を防ぐことができる。
【0133】
図18は、本発明のカラーデータ変換方法の第4実施形態を説明するためのL* a* b* 色空間の等色相角度の断面図であり、中間明度値から最低明度値の部分を取り出している。
【0134】
この第4実施形態にあっては、仮想色域導出過程で所定の中間明度値Lmを与える中間明度線56以下の色域について、矢印58,60,62,64の矢印の大きさで示すように、明度値が小さくなるほど指数関数的に拡張量を大きくするようにして、図19に示す仮想色域44を導出している。
【0135】
この場合のプリンタ色域42から仮想色域44を導出するための関係式は、プリンタ色域42の(L* a* b* )値を(L2 a2 b2 )とし、導出された仮想色域44の(L* a* b* )値を(L3 a3 b3 )とすると、次の関係式で得られる。
【0136】
【数2】
Figure 0003583630
【0137】
図20は、本発明の第4実施形態における仮想色域44を導出するための(2)式について、一般的なCRTディスプレイ及びカラープリンタの条件として
Lsmin =0.0
LDmin =30.0
Lsmax =100.0
LDmax =90.0
γ =1.90
とした場合の変換前のディスプレイ色域40の明度値L2に対する変換後のプリンタ色域42の明度値L3 の関係を従来方法と対比して示している。
【0138】
図20において、特性曲線66が前記(2)式で与えられる本発明のカラーデータ変換方法における変換前と変換後の明度値の関係であり、特性曲線68が図50に示した前記(1)式の従来方法における明度値の関係である。
【0139】
この明度値の関係から明らかなように、特性曲線68で与えられる従来方法と比較して特性曲線66における本発明のカラーデータ変換方法にあっては、低明度における変換後のカラーデータの明度上昇を抑え、変換後のカラー画像全体が明るくなることを防止できる。また明度方向の階調を潰すことなく適切に保存することができる。
【0140】
図21は、本発明のカラーデータ変換方法の第5実施形態を説明するL* a*b* 色空間の等色相角度の断面図であり、中間明度値より上の色域を取り出している。このように色域が逆L字型となるのは、図44に示したように、色相角度が黄色となるL* a* b* 色空間である。
【0141】
図21の第5実施形態にあっては、プリンタ色域42から仮想色域44を導出する仮想色域導出過程で、最低明度値と最高明度値の略中間の明度値Lm を与える明度線70により、高い明度部分について矢印74,76,78,80の大きさで示すように高明度部分であればあるほど指数関数的に明度値の拡張量を大きくするようにしたことを特徴とする。その結果、図22に示すような仮想色域44が導出される。この場合、仮想色域40の最高明度値はディスプレイ色域44の最高明度値に一致させている。
【0142】
この図21,図22の第5実施形態で仮想色域44を導出するための関係式は次式で与えられる。
【0143】
【数3】
Figure 0003583630
【0144】
図23は、図21,図22で導出された仮想色域44を介してディスプレイ色域40のカラーデータをプリンタ色域42のカラーデータに変換した場合の度値の関係である。即ち、(3)式に一般的なCRTディスプレイ及びカラープリンタの条件として
Lsmin =0.0
LDmin =30.0
Lsmax =100.0
LDmax =90.0
γ =1.50
を代入して、変換前のディスプレイ色域の明度値L2に対する変換後のプリンタ色域の明度値L3を求めてその関係をプロットし、本発明にあっては特性曲線82が得られている。
【0145】
また図23にあっては、図50の従来方法の明度関係を示す特性曲線84を併せて示している。なお70は明度値が変化しない場合の基準直線である。この図23の明度関係の特性曲線82から明らかなように、図21,図22に示した仮想色域44を介してディスプレイ色域40のカラーデータをプリンタ色域42のカラーデータに変換した場合には、高明度でのカラーデータの明度低下が抑えられ、変換後のカラー画像全体が暗くなってしまうことを防止できる。同時に、明度方向の階調は潰さずに適切に保存することができる。
【0146】
図24は、本発明によるカラーデータ変換方法の第6実施形態を説明するためのL* a* b* 色空間の等色相角度の断面図であり、図43に示したように青、青紫、紫の色相角度の領域で形成されるプリンタ色域42を例にとっており、プリンタ色域は「L」字型で且つ底辺部分が上向きに湾曲した色域を形成している。
【0147】
このような青、青紫、紫の色域に特有なプリンタ色域42につき、第6実施形態にあっては、仮想色域導出過程において彩度値a* b* が大きければ大きいほどプリンタ色域42の拡張する絶対量を小さくするように、矢印86のように拡張圧縮し、図25の仮想色域44を導出する。
【0148】
この結果、図24の「L」字型で底辺部分が内側に湾曲したプリンタ色域42は、図25の仮想色域44においては底辺部分がディスプレイ色域40と略同じ「く」字型に拡張される。
【0149】
次に図26に示すように、カラーデータ変更過程において第1実施形態の場合と同様、ディスプレイ色域40に含まれる例えばカラーデータO1〜O6を矢印に示すように例えば明度値a* b* を減少させ、仮想色域44に含まれるカラーデータP1〜P6を導出する。
【0150】
次に図27に示すように、カラーデータ生成過程において仮想色域44に含まれるカラーデータP1〜P6に対し、図24,図25の仮想色域導出過程でプリンタ色域42から仮想色域44へ拡張するのに使用した関数の逆関数を使用して、矢印88に示すように仮想色域44に変更したカラーデータP1〜P6について、プリンタ色域42に含まれるカラーデータQ1〜Q6を導出する。
【0151】
このような第6実施形態によれば、プリンタ色域が「L」字型をしている場合でも、導出された仮想色域44はディスプレイ色域40に対応した「く」字型をしているため、図26のように例えばディスプレイ色域の外側境界に一定間隔で並んだカラーデータO1〜O6は、階調の不連続や階調の潰れを起こすことなく仮想色域44のカラーデータP1〜P6に変更することができる。
【0152】
また仮想色域44に変更したカラーデータP1〜P6は、図27のようにカラーデータ生成過程における仮想色域導出の際の関数の逆関数でプリンタ色域42に変換され、これによってプリンタ色域42の中にはカラーデータの変換の際に使用されなくなる部分は存在しなくなり、且つ階調の不連続や階調潰れが発生する問題もない。
【0153】
図28は、本発明によるカラーデータ変換方法の第7実施形態を説明するためのL* a* b* 色空間の等色相角度の断面図であり、第6実施形態と同様、プリンタ色域42の形状が「L」字型となり、且つ底辺部分で上向きに湾曲した形状となる青、青紫、紫の色相角度の領域を対象としたカラーデータの変換を例にとっている。
【0154】
この第7実施形態にあっては、仮想色域導出過程で図28の矢印90に示すように、プリンタ色域42を拡張して仮想色域44を導出する際に、彩度値a* b* が大きければ大きいほど拡張する絶対量を比例して小さくする色域拡張関数を使用する。この色域拡張関数としては、拡張前のプリンタ色域42の(L* a*b* )値を(L1 a1 b1 )とし拡張後の仮想色域44の(L* a* b* )値を(L3 a3 b3 )とすると、次式で与えられる。
【0155】
【数4】
Figure 0003583630
【0156】
この結果、図29に示すプリンタ色域42の「L」字型の底辺部分が側に湾曲したディスプレイ色域40と略同様な「く」等の形状を持つ仮想色域44を導出することができる。
【0157】
次に図30に示すように、カラーデータ変更過程において、ディスプレイ色域40に含まれる例えばカラーデータO1〜O6について、彩度値を減少させることで、仮想色域44に含まれるカラーデータP1〜P6を導出する。
【0158】
次に図31に示すように、カラーデータ生成過程において、仮想色域44に含まれるカラーデータP1〜P6に対し、前記(4)式の色域拡張関数の逆関数により矢印92で示す逆変換の演算を行い、プリンタ色域42に含まれるカラーデータQ1〜Q6を導出する。
【0159】
ここで前記(4)式で与えられる色域拡張関数の逆関数は、導出することが困難である。そこで(4)式の色域拡張関数にプリンタ色域42の中の引数としてとり得る全ての(L* a* b* )値を代入して拡張値を求め、その中の仮想色域44の(L* a* b* )値と最も近い拡張値が得られたときの代入した引数としてのプリンタ色域44の(L* a* b* )値を、逆関数により導出されるプリンタ色域のカラーデータとする。
【0160】
このように前記(4)式の色域拡張関数を用いてプリンタ色域42から導出した仮想色域44を経由してディスプレイ色域40のカラーデータをプリンタ色域42に変換する第7実施形態によれば、第6実施形態と同様、図34のディスプレイ色域の境界部分に一定間隔で並んだカラーデータO1〜O6の階調潰れを起こすことなく、仮想色域44のカラーデータP1〜P6を経由してプリンタ色域42のカラーデータQ1〜Q6に変換することができる。
【0161】
また(4)式の色域拡張関数によってプリンタ色域42の「L」字型の底辺の内側に湾曲した部分も、明度方向の湾曲した「く」字形の一部である仮想色域44の部分に拡張される。そのため、逆関数により仮想色域44からプリンタ色域42に変換する際に、プリンタ色域42の中に印刷に使用されなくなる色は存在しなくなり、且つ階調の不連続や階調潰れも発生せず、更にディスプレイ色域40のカラーデータの距離関係を保存したまま、仮想色域44を経由してプリンタ色域42のカラーデータを導出することができる。
【0162】
図32は、本発明によるカラーデータ変換方法の第8実施形態を説明するためのL* a* b* 色空間の等色相角度の断面図であり、第6実施形態及び第7実施形態と同様、色域形状が「L」字型で底辺部分が内側に湾曲した青、青紫、紫の色相角度におけるプリンタ色域42に対するカラーデータの変換を対象とする。
【0163】
この第8実施形態のカラーデータ変換方法にあっては、まず仮想色域導出過程で、図32の矢印94に示すように、彩度値a* b* が大きければ大きいほどプリンタ色域42を拡張する絶対量を指数関数的に小さくするように拡張する。このような色域拡張関数としては次式の関係式が与えられる。
【0164】
【数5】
Figure 0003583630
【0165】
この(5)式で与えられる色域拡張関数によって、図33に示すように、プリンタ色域42の「L」字型の底辺部分を下向きに湾曲して拡張したディスプレイ色域40と同様な「く」字型の仮想色域44を導出することができる。
【0166】
次にカラーデータ変更過程において、図34のように、ディスプレイ色域40の例えば境界部分に定間隔で並んだカラーデータO1〜O6について、彩度値a* b* を減少させることで、仮想色域44に含まれるカラーデータP1〜P6を導出する。
【0167】
この場合、ディスプレイ色域40のカラーデータO4〜O6は仮想色域44の外側に湾曲した境界上のカラーデータP4〜P6に変更され、図30の内側に湾曲した仮想色域44に対するディスプレイ色域40のカラーデータO4〜O6の変更によるカラーデータP4〜P6に比べると彩度がより保存されており、したがって変更後の仮想色域44のカラーデータは全体的に彩度の保存度が良好である。
【0168】
次にカラーデータ生成過程において、図35のように仮想色域44のカラーデータP1〜P6の(L* a* b* )値に対し仮想色域導出過程で使用した(5)式の色域拡張関数の逆関数により、矢印96のようにプリンタ色域42(L* a* b* )値を算出し、カラーデータQ1〜Q6を導出する。
【0169】
この場合にも(5)式の色域拡張関数の逆関数は導出することが困難であるため、色域拡張関数に引き数としてとり得るプリンタ色域42の全ての(L* a*b* )値を(5)式に代入し、算出した結果のうち仮想色域44のカラーデータP1〜P6と最も近い値を出したときの引数として代入したプリンタ色域42の(L* a* b* )値を、逆変換したプリンタ色域42のカラーデータとして導出する。
【0170】
図36は、本発明のカラーデータ変換方法の第9実施形態を説明するためのL* a* b* 色空間をある明度値で切ったときの平面断面図である。
【0171】
図36において、ディスプレイ色空間40は、明度軸回りの位相角で決まる所定の色相角度ごとのカラーデータO1〜O6を結んだ色域形状を持っている。これに対しプリンタ色域44は、内側の彩度値の小さい狭い領域となっている。
【0172】
本発明の第1〜第8実施形態にあっては、ディスプレイ色域40のカラーデータの明度値及び彩度値を変更してプリンタ色域42のカラーデータに変換する場合を例にとっているが、図36の第9実施形態にあっては、色相角度値も変化させるようにしたことを特徴とする。
【0173】
即ち図36の第9実施形態にあっては、カラーデータ変更過程で、ディスプレイ色域のカラーデータO1〜O6について、まず色相角度を変化させてカラーデータQ11〜Q16を導出する。この色相角度を変化させたカラーデータQ11〜Q16について、彩度値を減少させて仮想色域44のカラーデータP1〜P6を導出する。
【0174】
最終的にカラーデータ生成過程で、仮想色域44のカラーデータP1〜P6にプリンタ色域42から仮想色域44を導出した際の関数の逆関数を適用してプリンタ色域42のカラーデータQ1〜Q6を導出している。この図36の第9実施形態における仮想色域44は、既に説明した第1実施形態から第8実施形態の全てを適用することができる。
【0175】
尚、上記の実施形態は、機器に依存したRGB表色系やCMY表色系のカラーデータを、機器に依存しないL* a* b* 表色系の色空間を経由して変換する際のL* a* b* 色空間における異なる機器ごとの色域の間のカラーデータの変換を例にとるものであったが、L* a* b* 以外の色空間における異なる色域でのカラーデータの変換について、そのまま適用することができる。
【0176】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の目的と利点を損わない範囲の適宜の変形を含む。また本発明は、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0177】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、画像表示装置に対応したディスプレイ色域に含まれるカラーデータを画像印刷装置に対応したプリンタ色域に含まれるカラーデータに変換するに際して、プリンタ色域を拡張した仮想色域を経由してカラーデータを変換することで、ディスプレイ色域の全てのカラーデータをプリンタ色域のカラーデータに変換することができ、機器ごとに色域が異なっていても、それぞれで再現したカラー画像を全体的に見た感じを同じにすることができる。
【0178】
またディスプレイ色域の白と黒に対応するカラーデータを、仮想色域を経由してプリンタ色域の白と黒に対応するカラーデータに一致させることで、画像表示装置のカラー画像における白色を画像印刷装置で印刷したとき、白黒カラーデータの不一致により紙にインクやトナー等が付いて紙が白く見えなくなる問題を確実に防止できる。同時に、画像表示装置におけるカラー画像の無彩色の階調が一部分も潰れることなしに、画像印刷装置の印刷画像に忠実に再現することができる。
【0179】
また、ディスプレイ色域のカラーデータを彩度方向に拡張せず、明度方向のみに拡張した仮想色域を介してプリンタ色域に変換することで、カラーデータの彩度の低下を防ぐことができる。
【0180】
また、ディスプレイ色域のカラーデータを仮想色域を介してプリンタ色域のカラーデータに変換する際に、表示されるカラー画像に比べ印刷されるカラー画像全体が明るくなりすぎたり暗くなりすぎたりすることを防ぎ、同時に明度方向の階調を潰すことなく、階調を保存した印刷画像の再現が適切にできる。
【0181】
更に、ディスプレイ色域のカラーデータから直接プリンタ色域のカラーデータに変換した場合には、プリンタ色域の中に印刷に使用されないカラーデータが存在するが、本発明にあっては、ディスプレイ色域のカラーデータを仮想色域を介してプリンタ色域に変換することで、印刷に使用されないプリンタ色域のカラーデータの存在がなくなり、同時に階調の不連続や階調潰れが発生する問題も解消できる。
【0182】
更に、プリンタ色域から導出する仮想色域の形状を適切に設定することで、ディスプレイ色域のカラーデータの距離関係を保存したまま、仮想色域を経由してプリンタ色域のカラーデータを導出することができる。同様な理由により、プリンタ色域のカラーデータの彩度をより保存して、仮想色域を経由したプリンタ色域のカラーデータの導出が適切にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明の変換方法が適用されるコンピュータ装置の説明図
【図3】本発明の変換方法を実現する装置構成の機能ブロック図
【図4】本発明の変換方法の全体的なフローチャート
【図5】本発明の第1実施形態においてプリンタ色域から仮想色域を導出する仮想色域導出過程の説明図
【図6】図5のプリンタ色域から変換された仮想色域の説明図
【図7】図6に続いて行われる仮想色域からプリンタ色域へのカラーデータの逆変換するカラーデータ変更過程の説明図
【図8】図7に続いて行われるカラーデータ変換過程の説明図
【図9】図4の色変換準備処理のフローチャート
【図10】図4の色変換準備処理で作成するRGB/ディスプレイ色域変換テーブルの説明図
【図11】図4の色変換準備処理で作成するプリンタ色域/CMY変換テーブルの説明図
【図12】図4のカラーデータ変更過程及びカラーデータ変換過程を含む色変換処理のフローチャート
【図13】図3の装置構成における本発明の第1実施形態におけるディスプレイ色域から仮想色域へのカラーデータの変換機能の説明図
【図14】本発明の第2実施形態における仮想色域導出過程の説明図
【図15】図14のプリンタ色域から導出された仮想色域の説明図
【図16】本発明の第3実施形態における仮想色域導出過程の説明図
【図17】図16のプリンタ色域から導出された仮想色域の説明図
【図18】本発明の第4実施形態における仮想色域導出過程の説明図
【図19】図18のプリンタ色域から導出された仮想色域の説明図
【図20】本発明の第4実施形態の変換による明度値の関係を従来方法と対比し示した特性図
【図21】本発明の第5実施形態における仮想色域導出過程の説明図
【図22】図21のプリンタ色域から導出された仮想色域の説明図
【図23】本発明の第5実施形態の変換による明度値の関係を従来方法と対比し示した特性図
【図24】本発明の第6実施形態における仮想色域導出過程の説明図
【図25】図24のプリンタ色域から導出された仮想色域の説明図
【図26】図25に続くカラーデータ変更過程の説明図
【図27】図26に続くカラーデータ生成過程の説明図
【図28】本発明の第7実施形態における仮想色域導出過程の説明図
【図29】図28のプリンタ色域から導出された仮想色域の説明図
【図30】図29に続くカラーデータ変更過程の説明図
【図31】図30に続くカラーデータ生成過程の説明図
【図32】本発明の第8実施形態における仮想色域導出過程の説明図
【図33】図32のプリンタ色域から導出された仮想色域の説明図
【図34】図33に続くカラーデータ変更過程の説明図
【図35】図34に続くカラーデータ生成過程の説明図
【図36】色相角度の変更を伴う本発明の第9実施形態の説明図
【図37】L* a* b* 空間における一般的なディスプレイ色域とプリンタ色域の説明図
【図38】ディスプレイ色域のカラーデータの彩度値を減少させてプリンタ色域に変換する従来方法の説明図
【図39】ディスプレイ色域の明度値をプリンタ色域に合せる他の従来方法の説明図
【図40】図39に続いてディスプレイ色域のカラーデータの彩度値を減少させてプリンタ色域に変換する従来方法の説明図
【図41】図38の従来方法の問題を解消する変換方法の説明図
【図42】図41の変換を行った場合に発生する階調潰れ領域の説明図
【図43】図39、図40の従来方法で問題となる青、青紫、紫プリンタ色域の説明図
【図44】図39、図40の従来方法で問題となる黄プリンタ色域の説明図
【図45】図39のディスプレイ色域から図43のプリンタ色域にカラーデータを変更した場合の未使用領域の説明図
【図46】図39のディスプレイ色域から図44のプリンタ色域にカラーデータを変換した場合の未使用領域の説明図
【図47】図45の問題を解消する別のディスプレイ色域の変更方法の説明図
【図48】図47によって変更されたディスプレイ色域の説明図
【図49】図48ディスプレイ色域をプリンタ色域に変換した場合に発生する大きな色差の発生と階調潰れの説明図
【図50】図39、図40の従来方法の明度圧縮関数の使用で発生する明度変動の説明図

Claims (10)

  1. 第1カラー画像機器の第1色域に含まれる第1カラーデータから、第2カラー画像機器の第2色域に含まれる第2カラーデータを生成するカラーデータ変換方法に於いて、
    前記第2色域の明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を変換し、少なくとも前記第1色域の明度値を全て含む拡張した仮想色域を導出する仮想色域導出過程と、
    前記第1色域の第1カラーデータのうち、前記仮想色域に含まれないカラーデータに対して、明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を変更して前記仮想色域に含まれる第3カラーデータを導出するカラーデータ変更過程と、
    前記第3カラーデータに対して、該仮想色域導出過程で第2色域に対して行われた変換と逆の変換を行って第2カラーデータを生成するカラーデータ生成過程と、
    を有することを特徴とするカラーデータ変換方法。
  2. 請求項1記載のカラーデータ変換方法に於いて、前記仮想色域導出過程は、第1色域の最低明度値と第2色域の最低明度値が等しくなり、且つ第1色域の最大明度値と第2色域の最大明度値が等しくなるように、第2色域を変換して前記仮想色域を導出することを特徴とするカラーデータ変換方法。
  3. 請求項1記載のカラーデータ変換方法に於いて、前記仮想色域導出過程は、第2色域を明度値方向のみに拡張して前記仮想色域を導出することを特徴とするカラーデータ変換方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーデータ変換方法に於いて、前記仮想色域導出過程は、第2色域の最高明度値と最低明度値の略中間の所定の明度値以下の第2色域について、明度が低下するに従って指数関数的に拡張量を大きくする拡張を行うことにより前記仮想色域を導出することを特徴とするカラーデータ変換方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーデータ変換方法に於いて、前記仮想色域導出過程は、第2色域の最高明度値と最低明度値の略中間の所定明度値以上の第2色域について、明度が増加するに従って指数関数的に拡張量を大きくする拡張を行うことにより前記仮想色域を導出することを特徴とするカラーデータ変換方法。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載のカラーデータ変換方法に於いて、前記仮想色域導出過程は、第2色域内で拡張を行う場所のカラーデータの彩度値が大きければ大きいほど明度値の拡張の絶対値を小さくする前記色域拡張制限過程を有することを特徴とするカラーデータ変換方法。
  7. 請求項6記載のカラーデータ変換方法に於いて、前記色域拡張制限過程は、彩度値に比例した関数に従って明度値の拡張の絶対値を小さくすることを特徴とするカラーデータ変換方法。
  8. 請求項6記載のカラーデータ変換方法に於いて、前記色域拡張制限過程は、彩度値が増加するに従って指数関数的に明度値の拡張の絶対値を小さくすることを特徴とするカラーデータ変換方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のカラーデータ変換方法に於いて、
    前記第1色域は、L* a* b* 色空間の中のカラー表示装置で使用するRGB色空間に対応したディスプレイ色域であり、
    前記第2色域は、L* a* b* 色空間の中のカラー印刷装置で使用するCMY色空間に対応したプリンタ色域であり、
    前記仮想色域は、前記プリンタ色域の明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を変換し、少なくとも前記ディスプレイ色域の明度値を全て含むように拡張した色域であることを特徴とするカラーデータ変換方法。
  10. 請求項記載のカラーデータ変換方法に於いて、
    前記仮想色域導出過程は、
    前記RGB色空間のカラーデータを前記L* a* b* 色空間の中のディスプレイ色域のカラーデータに変換するRGB/ディスプレイ色域変換テーブル、
    前記L* a* b* 色空間の中のプリンタ色域のカラーデータを前記CMY色空間のカラーデータに変換するプリンタ色域/CMY変換テーブル、及び、
    前記プリンタ色域の明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を変換し、少なくとも前記ディスプレイ色域の明度値を全て含む拡張した仮想色域を導出し、前記仮想色域のカラーデータを前記CMY空間のカラーデータに変換すると共に前記仮想色域を外れるカラーデータを特定の領域外識別値に変換する仮想色域/CMY変換テーブル、
    の各々を作成し、
    前記カラーデータ変更過程は、前記RGB/ディスプレイ色域変換テーブルによりRGB空間のカラーデータを前記L* a* b* 色空間の中のディスプレイ色域のカラーデータに変換した後、前記ディスプレイ色域のカラーデータの内、前記仮想色域に含まれないカラーデータに対して、明度値、彩度値、色相角度値の1つ以上の値を、前記仮想色域/CMY変換テーブルにより領域外識別値に変換されなくなるまで変更することで前記仮想色域に含まれる第3カラーデータを導出し、
    前記カラーデータ生成過程は、前記第3カラーデータに対して前記仮想色域導出過程でプリンタ色域に対して行われた変換と逆になる変換を行って第2カラーデータを生成し、該第2カラーデータを前記プリンタ色域/CMY変換テーブルによりCMY空間のカラーデータに変換してカラー印刷装置に出力することを特徴とするカラーデータ変換方法。
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