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JP3581148B2 - ヒト濾胞刺激ホルモンの受容体 - Google Patents

ヒト濾胞刺激ホルモンの受容体 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、ヒト濾胞刺激ホルモンの受容体及び組換えDNA法によるその合成に関する。
背景技術
濾胞刺激ホルモン(FSH)は、下垂体由来のヘテロニ量体の糖タンパク質ホルモンであり、ともに下垂体で産生される黄体形成ホルモン(LH)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)、及び胎盤で産生される絨毛性性腺刺激ホルモン(CG)と構造が相似している。これらのホルモンは比較的大きく(28〜38キロダルトン)、受容体結合特異性を付与する異なるβサブユニットに非共有結合的に結合した共通のαサブユニットで構成されている。
これらのホルモンに対する細胞受容体は、活性化されると、アデニリルシクラーゼの活性が増大するよう刺激する膜結合受容体のGタンパク質結合クラスに属していることが知られている。このアデニリルシクラーゼは、細胞内の第二のメッセンジャーのアデノシン3′,5′−リン酸(cAMP)のレベルを増大し、順にこのcAMPはステロイド類の合成と分泌を増大させる。これらの受容体のアミノ酸配列のハイドロパチシティー・プロット(hydropathicity plot)によって以下の3つの一般領域が明らかになる。即ち(1)親水性のアミノ末端領域であり、アミノ末端の細胞外領域であると考えられる,(2)膜にまたがる長さの7個の疎水性のセグメントであり、トランスメンブラン領域と考えられる,及び(3)潜在的なリン酸化部位を含有するカルボキシ末端領域(セリン、トレオニン及びチロシンの残基)であり、カルボキシ末端の細胞内領域または細胞質領域と考えられる。この糖タンパク質ホルモン受容体の群は、親水性アミノ末端領域の大きさが大きいこと(このことはホルモン結合性に関与している)によって、β2−アドレナリン、ロドプシン及びサブスタンスKの受容体のような他のGタンパク質がカップリングされた受容体とは異なる。
FSH受容体は、精巣セルトーリ細胞及び卵巣顆粒膜細胞に発現される。本質的に純品のヒトFSH受容体を提供する必要があることが認識されているとはいえ、天然に得られる製剤を精製することは実際的ではなく、且つそのアミノ酸配列を決定できるほど充分なものではないであろう。近年、1グループが、ラットFSH受容体をコードするcDNAをクローン化し、そのアミノ酸配列を推定し、次いでその受容体を哺乳類の細胞内で発現させた(Sprengl,Mol.Endocrinol.,4巻、525頁、1990年)。別のグループは、TSH受容体のクローン化を試みて、明らかに、ヒトFSH受容体のトランスメンブラン領域の一部をクローン化し且つ固定した(Parmentier,Science,246巻、1620頁、1989年)。
発明の概略
本発明は、FSHを捕捉する本質的に純品のヒトFSH受容体またはそのフラグメントもしくは変異体;前記受容体またはそのフラグメントもしくは変異体をコードするDNA;前記DNAを含有する発現ベクター;前記発現ベクターでトランスフェクトされた細胞;及び前記のトランスフェクトされた細胞を培養することによる前記受容体またはそのフラグメントもしくは変異体の製造法を包含している。また本発明には、前記受容体またはそのフラグメントもしくは変異体を含有する医薬組成物、及びかような組成物を用い、内因性FSH生物活性を減少させて患者を治療する方法も含まれる。本発明の受容体またはそのフラグメントもしくは変異体を使用するヒトFSHの改良検定法も開示する。
【図面の簡単な説明】
図1はヒトFSH受容体のcDNAクローンの地図である。5つの各クローンの一部ずつから得たDNA配列データを組み合わせることによって決定された部分制限エンドヌクレアーゼ地図を示す。大きさは0.2キロ塩基対(kb)増大するごとにマークを付けてある。クローンが対応する領域は、制限エンドヌクレアーゼ地図の下方に実線で示してある。クローンの名称と概略の大きさ(kb)はそれぞれ各実線の左と右に示してある。コードされたタンパク質のアミノ末端の細胞外領域、トランスメンブラン領域及びカルボキシ末端の細胞内領域は制限エンドヌクレアーゼ地図の上方に破線の矢印で示してある。5−10クローン中の挿入位置(恐らくイントロンもしくはイントロンの一部)は四角印で示してある。
図2Aと2Bは哺乳類の細胞系内にコードされたタンパク質を発現するのに用いる“全長”のヒトFSH受容体cDNAを遺伝子工学的に作るのに用いる方法を示す。
図3はヒトFSH受容体で安定にトランスフェクトされたCHO−DUKX細胞系を生成させるのに使用する発現ベクタープラスミドの線図である。
図4はヒトFSH受容体で安定にトランスフェクトされたY1細胞系を生成させるのに使用する発現ベクタープラスミドの線図である。
図5はFSH(丸印)またはLH(三角印)の投与量を変えて処理した後に、CHO−DUKX細胞系のCHOHFSHR4Q−13内で測定された細胞内cAMPのレベルを示す。各点は平均値を示す。標準誤差は垂直の棒線で示してある。
図6はFSHの投与量を変えて処理した後、Y1細胞系のY1HFSHR4−38の培養媒体内で測定されたプロゲステロンの濃度を示す。
発明の詳細な説明
この出願で用いる場合、ヒトFSH受容体及びそのFSH結合フラグメントもしくは変異体という用語は、ヒトFSHを認識しこれと選択的に結合できて、かつ人体内で有意な免疫応答を全くしないポリペプチドを意味する。従って、本発明には、Sequence ID No:2で示すアミノ配列を有するヒトFSH受容体、及び前記アミノ酸配列またはその少なくとも細胞外部分と非常に高い相同性(即ち少なくとも95%の同一性)を保持するそのFSH結合フラグメントもしくは変異体が含まれる。本発明に含まれるヒトFSH受容体のフラグメントには、細胞質及び/又はトランスメンブランの領域が全ポリペプチドから削除された後に残っているフラグメントが含まれる。本発明に含まれる特に好ましいフラグメントは、Sequence ID No:2で表されるヒトFSH受容体アミノ酸配列の約1位〜349位のアミノ酸を含有するアミノ末端の細胞外部分である。トランスメンブラン領域にまたがるいくつかのループ(本願の特徴の欄、Sequence ID No:2に列挙されている)のいくつかも細胞外であるから、これらは、アミノ末端細胞外部分を含有するフラグメントに連結して(例えば、適切なスペーサー分子を通じて)結合性を改善することができる。そのポリペプチドは、天然の受容体仲にあるときと同様に、グリコシル化することができるか、または部分的もしくは完全に脱グリコシル化することができる。
さらに、上記のアミノ末端細胞外領域の一部のみがFSHを捕捉するのに有効に利用できると考えられる。というのはこの目的を達成するのに完全な細胞外領域は必要でないようであるからである。従って、349個のアミノ酸の完全な細胞外領域より幾分短いフラグメントは容易に製造することができ、かつFSHに対する有効な結合性について試験することができる。細胞外部分のFSH結合領域が無傷のまま保持されている限り、利用される全フラグメントの長さは重要でない。この理由のため、非干渉性アミノ酸を、ポリペプチドのFSH結合性能に不利な影響を与えることなしに、細胞外領域の末端またはそのFSH結合フラグメントに付加することができると考えられる。従って、本発明には、細胞外領域のかなりな部分を含有し、かつ完全な細胞外領域と実質的に同じFSH結合特性を保持するヒトFSH受容体のフラグメントが含まれる。
上記受容体とフラグメントの変異型も本発明の適用範囲内にある。かような変異体には、1〜10個のアミノ酸残基の同類置換部分が含まれ、かよう置換部分の位置と種類は、修飾される受容体またはそのフラグメントのFSH結合特性を有意に損なわないように選択される。
本質的に純品のヒトFSH受容体またはそのフラグメントもしくは変異体は、それをコードするDNAをcDNAもしくはゲノムライブラリーから単離してクローン化し、得られたDNAをベクターに結合し、そのベクターで宿主細胞をトランスフェクトし、そのトランスフェクトされた宿主細胞を、前記受容体またはそのフラグメントもしくは変異体を発現できる条件下で培養し、次いで受容体またはそのフラグメントもしくは変異体を培養物から回収することによって製造される。
発現ベクターを作るのに使用されるDNAは、ヒトFSH受容体をコードするゲノムDNAまたcDNAであり、イントロン、プロモーター、エンハンサーなどのような発現を強化する領域を含有している。そのDNAは、発現タンパク質の生物活性またはFSH結合活性に不利な影響を与えない、又クレオチドの置換、欠失または挿入によって(例えば、部位特異的突然変異誘発によって)容易に修飾することができる。例えば、1〜10個のアミノ酸を改変する同類置換(突然変異)は、発現されるタンパク質(突然変異タンパク質)の全構造と活性に不利な影響を与えることなしに行うことができる。さらに、DNAの所定の部分、例えば、細胞質及び/又はトランスメンブランの領域をコードする部分は、タンパク質の可溶性細胞外領域のようなフラグメントだけが発現されるように欠失させることができる。ヒトFSH受容体またはそのFSH結合フラグメントもしくはその変異体も融合タンパク質として発現することができる。このような1つの融合タンパク質には、タンパク質の精製または精製されたタンパク質をFSHの検定もしくはFSHの精製のプロトコルで用いる固体基板への精製タンパク質の固定化が容易になる特性を与えるカルボキシ末端におけるポリペプチドが含まれる。別のこのような融合タンパク質としては、発現を容易にするアミノ末端における開裂可能なポリペプチドが含まれる。
本発明にしたがって製造されるヒトFSH受容体は、本質的に純品であり、例えば、細菌、ウイルスなどのタンパク質のような天然の期限から抽出されるFSH受容体に通常付随する生物学的外来作用因子を実質的に含有していないことを意味する。本発明の受容体は、当該技術分野の当業者にとって公知の方法で、適切な医薬として許容される担体と混合することによって、配合して医薬組成物を作ることができる。
一般に医薬組成物は、経口、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含む)、膣内、直腸内、口腔内(舌下を含む)、経皮または鼻腔内の投与用に配合することができる。非経口投与用の組成物は通常、液状の水剤、分散剤もしくは乳剤の形態であり、等張液が好ましく;膣もしくは直腸への投与用にはクリーム剤もしくは座剤;経口もしくは口腔内投与用には錠剤もしくはカプセル剤;及び鼻腔内投与用には散剤、点鼻剤またはエーロゾルとして用いられる。各種の徐放投与、デポ移植(depo implant)投与または注射投与の剤形を利用できる。活性成分は、ポリマーマトリックス、リポソーム及び微小球体に混合して放出を制御することもできる。
これらの組成物は1回量投与剤形で簡便に投与することができ、製薬の技術分野で公知の方法のいずれかで、製造できる。非経口投与用の配合物は共通の賦形剤として、滅菌の水もしくは食塩水、プロピレングリコールのようなアルキレングリコール、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、植物起源の油類、水素化ナフタレン類などを含有している。膣もしくは直腸への投与に用いる配合品、例えば、座剤は、賦形剤として、例えば、ポリアルキレングリコール類ワセリン、カカオ脂などを含有している。鼻腔内投与量の配合品は散剤形でもよく、賦形剤として例えばラクトースもしくはデキストランを含有し、または鼻点薬もしくは計量スプレー(metered spray)の形態で投与する水溶液剤または油性溶液剤でもよい。口腔投与用には、一般的な賦形剤としては、糖類、ステアリン酸カルシウム、予備ゼラチン化デンプンなどがある。水剤もしくは散剤の配合品には、一種以上の界面活性剤の酸もしくは塩を添加してもよい。医薬として許容される適切な界面活性剤の塩は、ペプチドの吸収が増強される現象とその化合物の界面活性特性を保持し、患者に対して無害かさもなければ禁忌される化合物である。
投与される活性成分の投与量、及び投与の経路と頻度は、明らかに、治療されている患者の必要性と症状、求められている治療効果及び治療を行っている医師の判断に依存している。
ヒトFSH受容体、またはそのFSH結合フラグメントもしくは変異体を含有する医薬組成物は、患者内の内因性循環FSHと結合する治療上有効な投与量で患者に投与され、その結果、生物学的に活性なFSHの利用可能なレベルを制御する。従って、本発明の医薬組成物は、内因性FSHの生物活性を減少させるために有効に利用される。女性の患者の場合、このような治療は、濾胞の増殖と成熟を阻害するのに有効に利用され、その結果妊娠を防止することができる。男性の患者の場合、かような治療は精子形成を阻害するのに有効に利用することができる。上記目的に用いる特に適切な医薬組成物は、アミノ末端の細胞外領域、または実質的に同じFSH結合特性を有するそのかなりな部分を含有するヒトFSH受容体のフラグメントを含有している。
また本質的に純品のヒトFSH受容体は、例えば、Reichert,Endocrinology,94巻、483頁、1974年に記載されているような、FSHの通常の受容体検定法に有利に利用できる。FSHを捕捉する本発明の純品の受容体またはそのフラグメントを置換すると、上記の検定法の整合性と性能が著しく改善される。アミノ末端の細胞外領域またはそのFSH結合フラグメント及び/又は融合タンパク質を有するフラグメントは、アフニティーカラムに連結して、流体、抽出液などからFSHを精製することができる。
受容体は安定な細胞系に組込むことができる。好ましいのは真核細胞系で、最も好ましいのは哺乳類の細胞系であり、後者の細胞系は受容体の刺激に対して測定可能な生体応答を発することができる。検定中(例えば、試験血清、血漿、培養媒体、組織ホモジネートについて)FSHの存在下細胞応答を測定すると、生物活性の指標が得られるので、高度に有用な診断検定結果が提供されるであろう。またかのような細胞系は、FSH受容体と相互に作用しうる物質について化学ライブラリーをスクリーニングするとか、またはペプチドもしくは小さなタンパク質を、FSH受容体に結合する性能について迅速処理スクリーニングシステムで試験するのに使用できるであろう。迅速処理スクリーニングシステムの一例は、リガンドが組換えFSH受容体に結合すると、cAMPもしくはプロゲステロンのような測定可能な生成物を産生するかまたは産生を阻害するシステムである。このようなシステムは、さらに、受容体のシグナル形質導入経路に、生物蛍光を生成する要素のような容易に測定されるマーカー要素(例えば、ルシフェラーゼ遺伝子)を有効に作動するように連結すること(例えば、cAMP応答要素を使って)によって強化することができるであろう。
本質的に純品のヒトFSH受容体またはそのFSH結合フラグメントもしくは変異体は、X線結晶学の分析に利用して分子モデルを明らかにすることにも使用できる。このようなモデルは、ヒトFSH受容体のホルモン結合領域の三次構造を決定するのに有用である。このような情報によって、FSHとその受容体が実際に接触する領域の構造を洞察することができるのでFSH作動活性またはFSH拮抗活性を有するペプチドを設計するのに助けになる。
適切な突然変異法、ベクター、宿主、培養条件などの同定を含む本発明のタンパク質及びDNAを製造するのに適切な組換え技術は、当該技術分野の当業者にとっては公知であり、例えば、米国特許第4,761,371号及びPCT特許願公開第WO88/09818号に記載されている。なお、これらの開示事項は本願に援用するものとする。以下の実施例に用いられる実験プロトコル、細菌とバクテリオファージの培地及び化学溶液は、特にことわりがないかぎり、Sambrook,“Molecular Cloning:A Laboratory Manual"第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989年に記載されているものである。
実施例1.ヒトFSH受容体のcDNAクローンの単離と特性決
ライブラリーのスクリーニング
Sprengle,Mol.Endocrinol.,4巻、525頁、1990年に記載されているのと類似のラットFSH受容体cDNAクローンを、University of Medicine and dentistry of new Jersey−Robert Wood Johnson Medical SchoolのWilliam Moyle博士から入手した。このcDNAクローンを、SV40の後期発現ベクターpSVL(Pharmacia LKB社、製品番号27−4509−01)中に挿入してpSVLFSHRと命名した。完全ラットFSH受容体タンパク質のコーディング領域に対応する領域を含有する2.1kbのDNAフラグメントを、制限ヌクレアーゼ部位Xba IとBamH Iを用いて上記プラスミドから切出した。上記の消化DNAをゲル電気泳動法によって、サイズ分画を行い、生成した2.1kbのラットFSH受容体フラグメントを上記のゲルから電気溶出させて精製した。この精製されたDNAフラグメントを、ライブラリースクリーニングを行うのにプローブとして使用してヒトFSH受容体cDNAクローンを同定した。
ヒトの精巣から抽出したRNAで構築したλgtllcDNAライブラリーをClontech社(米国、カリフォルニア州、パロ・アルト,カタログ番号LH1010b)から購入し、使用する前に増幅させた。約7.5×104プラーク形成単位(pfu)に等しい増幅ライブラリーの20個の部分を各々、 ー・コリ(E.coli)の菌株Y1088の平板懸濁液約0.5ml中に吸収させた。この懸濁液は、0.2%マルトースと10mMのMgSO4を補充したNZYMもしくはLB中37℃でY1088の培養物を一夜増殖させ、得られた細胞をペレットにし、次にこのペレットを10mMMgSO4に、O.D.600が0.5になるまで再び懸濁させることによって予め調整した。溶融NZYMトップアガロース約6.5ml(0.7%、48℃)を各ファージ/細胞懸濁液に添加し、得られた混合物を20個の150mmNZYM寒天平板(42℃まで予め加温)の1つに注加した。一次スクリーンに用いるためにプレートしたファージの合計数は約1.5×106であった。42℃で4時間インキュベートした後、4℃で数時間冷蔵し、BentonとDaviesの方法〔Science,196巻、180頁、1977年〕によって各プレートから2つずつニトロセルロースフィルター(Millipore社)のプラークリフトを作った。FeinbergとVogelsteinのランダムオリゴヌクレオチドプライミング法(Anal.Biochem.,137巻、266頁、1983年)を用いて、前記パラグラフに記載した鋳型のラットFSH受容体DNAフラグメントから、比活性が1〜2×109カウント/分(cpm)/マイクログラム(μg)の32P標識プローブを作った。前記ニトロセルロースフィルターのファージリフトの前ハイブリッド形成を、50%のホルムアミド、5XSSC〔1Xは0.15M塩化ナトリウム、0.015Mクエン酸ナトリウム〕、20mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.2、10Xデンハート試薬(50Xデンハート試薬は1%Ficoll、1%ポリビニルピロリドン及び1%ウシ血清アルブミン)ならびに100μg/mltRNAを含有する緩衝液中、37℃で約6時間行った。前記フィルターのハイブリッド形成を、ラットFSH受容体DNAプローブを、約3×106cpm/ml緩衝液の濃度で添加したことを除いて同じ緩衝液中で行った。37℃で16〜24時間ハイブリッド形成を行った後、2XSSC,0.1%SDS中、室温で30分間、次いで0.2XSSC、0.1%SDS中、37℃で60分間、過剰のプローブをフィルターから洗い出した。次にそのフィルターを、XARフィルム(Kodak社)に一夜−70℃で露出させた。一次ライブラリースクリーンから、6個のデュプリケート陽性(duplicate postive)が同定された。パスツールピペットの幅広の末端で、プラーク含有寒天のプラグを、陽性クローンが位置している領域の150mm平板から取出した。そのプラグをSM中ですすぐことによってファジーを溶出させた。次いで、懸濁させたファジーを、一次スクリーンについて記載したのと同様にして150mmNZYM寒天平板上に再プレートした。約500pfu/プレートを含有する平板を二次スクリーニング用に選択した。フィルターリフトに用いた方法と、二次スクリーンに用いたフィルターハイブリッド形成法は、一次スクリーンについて記載したのと同じであった。
二次スクリーンに続いて、5個の推定ヒトFSH受容体陽性を同定し、精製λgtllバクテリオファージクローンとして単離した。これらに次の名称:1−5、5−10、11−11、13−9及び15−6を割り当てた。
推定ヒトFSH受容体cDNAクローンのDNA配列の決定
Sambrook,“Molecular Cloning:A Laboratory Manual",第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989年2.118頁に記載されている平板溶菌液法を用いて、バクテリオファージDNAを上記のλgtllcDNAの各単離物から調製した。そのバクテリオファージDNAをEcoR I制限エンドヌクレアーゼで消化し、次にアガロースゲル中でサイズ分画を行ってcDNA挿入フラグメントの精製を行った。得られた精製cDNA挿入断片を、次のクローン化と配列決定の操作を容易にするためにpUC18のEcoR I部位にサブクローン化した。小規模のアルカリ溶菌法(Sambrookの上記文献1.25頁)によって、二本鎖プラスミドを、宿主菌株イー・コリMC1061の5ml培養物から精製し、さらに、メーカーのプロトコルを用い、Elutip−dカラム(Schleicher & Schuell社、米国、ニューハンプシャー州、キーン)を通過させて精製した。各小規模プラスミド製造法から得たプラスミドの1/2を、0.2NNaOH、0.2mMEDTAの20μl中で、10分間室温にて変性させた。変性されたプラスミドDNAを中和し、次いで7.5M酢酸アンモニウム7.5μlと100%エタノール110μlを添加してエタノール沈澱を行い、得られた混合物を液体窒素中で冷凍した。そのDNAの沈澱をマイクロフュージ(microfuge)で10分間遠心分離することによってペレットにした。そのDNAペレットを70%エタノールで洗い、次に乾燥した。配列決定の反応は、メーカーの説明書に従って、Sequenase T7 DNAポリメラーゼ(United States Biochemical)を用いて行った。予備配列決定反応は、pUC18ポリリンカー領域について、準方向と逆方向の配列決定プライマー(Pharmacia LKB社)を用いて行った。予備配列決定によって得られたデータは、ヒトFSH受容体特異的配列決定プライマーを設計するのに用いた。このプライマーは、model 391 Applied Biosystems DNA Synthesizerで合成するか、または、National Biosciences,Inc.社(米国、ミネソタ州、ハメル)に注文した。元のクローンの小さな制限エンドヌクレアーゼフラグメントをpUC18中にサブクローン化し、次いで準方向と逆方向のプライマーを用いて配列決定反応を繰り返すことによって、いくつかのDNA配列のデータを得た。
予備の配列データは、5個のcDNA単離物のどれもヒトFSH受容体の全長のタンパク質コーディング領域を示していないが、クローンから得て組合わせた配列データは完全なタンパク質配列を推定するのに利用できることを示した。完全ヒトFSH受容体cDNA配列の地図について5つの各クローンの相対的位置の概略線図を図1に示す。完全ヒトFSH受容体cDNAは、Genetics Computer Group(GCG)のフラグメント組立てコンピュータプログラムを用いて、オーバーラップクローンからの配列読み取りデータを組合わせることによって得たが、Sequence ID No:1に示し、その推定アミノ酸配列をSequence ID No:2に示す。ヒトFSH受容体DNA配列を分析した結果、695個のアミノ酸からなるタンパク質をコードする2085個のヌクレオチドの長い読み取り枠が同定された。従って、ヒトFSH受容体はラットのFSH受容体より3個のアミノ酸だけ長い。ラットとヒトのFSH受容体のDNAとタンパク質間の全一致百分率をGCG Bestfitプログラムを使って測定したところ、それぞれ87%と90%であった。ヒトFSH受容体の細胞外アミノ末端親水性部分は、349個のアミノ酸の長さがあり、ラットFSH受容体の対応する領域と87%一致している。2つの種の7個の膜にまたがる領域は、3つの細胞外のループと3つの細胞内のループで橋かけされているが、95%一致し、及びカルボキシ末端の細胞内領域は81%しか一致していない。Parmentier,Science,246巻,1620〜1622頁、1989年によって発表された部分アミノ酸配列は、Sequence ID No:2のアミノ酸399〜525に対応している。
クローン5−10は、Sequence ID No:1のヌクレオチド位置448にあるTの後に0.25kbの挿入部分を含有しているという点で変異体である。この挿入部分のDNA配列は、ラットまたはヒトのFSH受容体のDNA配列のどの部分とも類似しておらず、また、Genbankまたは、EMBL DNA配列データベースのいずれの公知の配列とも類似していなかった。クローン11−11中の対応する領域は上記の挿入部分を含有していなかった。ヒト甲状腺cDNAライブラリーから単離されたLH受容体cDNAクローンは類似の変異体を含有している(Frazier,Mol.Endocrinol.,4巻、1264〜1276頁、1990年)。これらの変異体は、不完全に及び/又は異常にスプライスされたmRNA分子から誘導されるようである。5−10挿入部分の3′結合部に3′スプライス共通配列(CAG′G)が存在することはこの説明を裏付ける証拠である。
11−11(pHFSHR11−11と呼ぶ)、15−6(pHFSHR15−6と呼ぶ)及び5−10(pHFSHR5−10と呼ぶ)のcDNA挿入断片を含有するpUC18プラスミドは、1991年3月1日付けでthe American Type Culture Collection(ATCC)(米国、メリーランド州、ロックビル)に寄託され、それぞれ受託番号 ATCC68538、ATCC68540及びATCC68539で受理された。これらの寄託は、ブタペスト条約の全必要要件に従ってなされた。
実施例2.全長のヒトFSH受容体を哺乳類細胞内で発現さ せるのに用いるベクターの構築
哺乳類細胞で発現させるためにヒトFSH受容体構造体を遺伝子工学的に作る方法を図2Aと2Bに示す。図2Aに示すように、出発ATGを含有する691個の塩基対(bp)からなる5′Nsi I−BamH IフラグメントをpHFSHR11−11から精製し、次いでPst IとBamH Iで消化したpUC18にサブクローン化した。得られたプラスミドpHFSHR11−11nbをSph Iで線状にした。その末端は、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント(New England Biolabs社、米国、マサチューセッツ州、ベバリー)で処理することによって、平滑にした。Xho Iリンカー(New England Biolabs社、米国、マサチューセッツ州、ベバリー)を、上記の平滑末端に連結した後、その混合物をXho IとBamH Iで消化し、約700bpのヒトFSH受容体5′フラグメントをゲルで精製した。pHFSHR11−11をBamH IとSph Iで消化してヒトFSH受容体cDNAの中央領域由来のフラグメントを単離し、ゲル精製を行って約734bpの断片を得た。3′ヒトFSH受容体フラグメントは、TAA停止コドンを含有しているが、pHFSHR15−6から、まずこのプラスミドをDra IIIで消化し、次にその末端をT4DNAポリメラーゼとの反応で平滑化することによって単離した。上記の平滑末端にXho Iリンカーを連結し、生成した混合物をSph IとXho Iで消化し、次いで約690個のbpからなる3′Sph I−Xho Iフラグメントを単離して精製した。
図2Bに示すように、5′700bpXho I−BamH Iと中央の734bpBamH I−Sph IのヒトFSH受容体cDNAフラグメントを、Xho IとSph Iで消化されたpUC18−Xho I(pUC18ポリリンカー中のSma I部位を、Xho Iリンカーによって、Xho I部位に変換することによって本研究所で創製したものである)中にサブクローン化した。得られたプラスミドpHFSHR1.4xsをXho IとSph Iで消化した。その消化したDNAを5〜6%ポリアクリルアミドゲル中の電気泳動法によってサイズ分画し、ヒトFSH受容体cDNAの5′と中央の領域を含有する約1400bpのフラグメントを切出し、電気溶出法で精製した。3′Sph I−Xho Iフラグメントは、TAA停止コドンを含有しているが、Sph IとXho Iで消化したpUC18−Xho Iにサブクローン化した。生成したプラスミドpHFSHR675sxをSph IとEcoR Iで消化した。その消化したDNAを5〜6%ポリアクリルアミドゲルで分画し、約700bpの断片を切出し、電気溶出法で精製した。完全なヒトFSH受容体のコーディング領域は、5′1400bpXho I−Sph Iフラグメントと3′700bpSph I−EcoR Iフラグメントを、Xho IとEcoR Iで消化したpUC18−Xho Iで連結して結合することによって組立てた。pHFSHRXと呼称する構造体が正しく組立てられていることは、制限エンドヌクレアーゼによる消化とDNAの配列決定によって確認した。遺伝子工学的に完全に作られたヒトFSH受容体の2.1kbXho Iフラグメントは、全ヒトFSH受容体タンパク質のコーディング領域に加えて、約18bpの5′非コーディング配列と12bpの3′非コーディング配列を含有しているが、Xho Iで消化することによってpHFSHRXから切出した。その消化されたDNAは、0.7%アガロースゲル中の電気泳動法でサイズ分画を行った。2.1kbのXho Iフラグメントを上記ゲルから切出し、メーカーが推奨する方法を用いて、Little Blue Tank(登録商標、ISCO社)で電気溶出を行って精製し、哺乳類細胞発現ベクタープラスミドのXho Iクローニング部位に挿入した。
ヒトFSH受容体mRNAの転写の適切な方向に挿入断片を含有するプラスミドは、制限エンドヌクレアーゼフラグメントの分析によって選択した。哺乳類細胞に導入する前に、発現ベクタープラスミドのDNAは、塩化セシウム密度勾配液による2回の逐次高速遠心分離によるか、またはプラスミドmaxiキット(Qiagen社、米国、カリフォルニア州、Chatsworth)を、メーカーのプロトコルに従って使用して精製した。
適切な哺乳類細胞発現ベクターはいずれもヒトFSH受容体を発現させるのに使用することができる。必要なベクタープラスミドの成分は次のとおりである。即ち、ヒトFSH受容体mRNAの転写を駆動するか、マウスメタロチオネインI(MMT−I)プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーターまたはシミアンウイルス40の初期もしくは後期のプロモーター;トランスフェクトされた細胞を選択する、ネオマイシン耐性遺伝子(NeO)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子または多剤耐性遺伝子(MDR)のような標識遺伝子;受容体RNA転写物の3'プロセシングを行う、SV40の初期ポリアデニル化領域のようなポリアデニル化シグナル(ポリA);並びにpBR322ori及びアンピシリン耐性遺伝子のような細菌の複製開始点及び抗生物質耐性遺伝子であり、これらの成分によって、ベクタープラスミドは適切なE.coli菌株内で増殖することができる。いくつかの細胞系については、ヒトFSH受容体をコードするmRNA中に転写される領域中にイントロンを含有していることが重要である。イントロンは、プロモーターとヒトFSH受容体cDNA挿入断片との間に配置し、その結果ヒトFSH受容体RNA転写物の5'非翻訳領域中に配置するのが好ましい。適切なイントロンはいずれも使用できる。我々の実験で使用したイントロンは、ヒト糖タンパク質αサブユニット遺伝子中のイントロンA(Fiddes,J.Mol.Appl.Genet.,1巻、13頁、1981年)の2kbのXba I−Pst I部分であった。このイントロンは、発現ベクター中の、MMT−1プロモーター領域とヒトFSH受容体cDNAフラグメントとの間に挿入した。その端を切り取ったイントロンは内因性スプライスアクセプターを保持していたが、そのスプライスドナーは合成オリゴヌクレオチドによって供給された。
CHO細胞をトランスフェクトするのに用いるヒトFSH受容体発現ベクターであるpDαHFSHRX(CLH3AXSV2DHFRhαIVS中のヒトFSH受容体)の線図を図3に示し、Y1細胞を安定にトランスフェクトするのに用いるヒトFSH受容体発現ベクターであるpNαHFSHRX(CLH3AXSV2NEOhαIVS中のヒトFSH受容体)の線図を図4に示す。プロモーター領域を含有するMMT−I遺伝子配列(図3における4542〜7514番のヌクレオチド、図4における5192〜8164番のヌクレオチド)は、CLH3Xを構築する際のXho I部位の上流に示されたのと同じ配列である(Reddy,DNA,6巻、461頁、1987年)。前記パラグラフに記載されたヒト糖タンパク質αサブユニット遺伝子のイントロンAフラグメントは、図3の7514番と9541番のヌクレオチドの間及び図4の8164番と10164番のヌクレオチドの間に配置されている。Xho I部位、MMT−Iイントロン及びポリアデニル化シグナル配列の下流を除去し、SV40の初期ポリアデニル化領域(図3中の11614〜11857番のヌクレオチド、図4中の12264〜12508番のヌクレオチド)で置換した。pML領域(Lusky,Nature,293巻、79頁、1981年)はpBR322由来の細菌複製開始点とアンピシリン耐性遺伝子(図3における1925〜4542番のヌクレオチド、図4における2575〜5192番のヌクレオチド)を含有している。DHFR遺伝子の転写ユニット(図3中の1〜1925番のヌクレオチド)は、マウスDHFRcDNAとSV40初期領域プロモーター、小Tイントロン及び初期領域ポリアデニル化配列を含有しているが、pSV2DHFR中のPvu II−BamH Iフラグメントに相当する(Subramani,Mol.Cell.Biol.,1巻、854頁、1981年)。Pvu II部位は、前記フラグメントを発現ベクタープラスミドに挿入する前にBamH I部位に変換した。neo遺伝子転写ユニット(図4中の1〜2575番のヌクレオチド)は、DHFRcDNA(図3中の342〜1077番のヌクレオチド)をpSV2−neo由来の1385bpのHind III−Sma Iフラグメントで置換することによって組立てた(Southern,J.Mol.Appl.Genet.,1巻、327頁、1982年)。Sma I部位は、前記フラグメントを発現ベクタープラスミドに挿入する前にBamH I部位に変換した。
プラスミドpNαhFSHRXは、大部分の哺乳類連続継代細胞系をトランスフェクトするのに使用することができ、1991年11月19日付けで、受託番号ATCC68833としてATCCに寄託された。その寄託はブダペスト条約の全必要要件に従ってなされた。プラスミドpDαhFSHRXはジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)活性を欠いている細胞系をトランスフェクトするのに最も適している。
当該技術分野の当業者は、FSH結合フラグメントがコードされるように、ヒトFSH受容体DNA発現構造体を修飾するのにDNAクローン化法とDNAエンジニアリング法を利用することができる。これらの修飾DNAフラグメントは、本願に記載されているような発現ベクターに挿入し、哺乳類細胞をトランスフェクトして、アミノ末端の細胞外領域またはそのFSH結合フラグメントのような、ヒトFSH受容体の可溶性FSH結合フラグメントを分泌する細胞系を生成させるのに使用できる。
実施例3.機能性ヒト組換えFSH受容体またはそのFSH結合 フラグメントもしくは変異体を安定して発現する哺乳類 細胞系の生成
組換えヒトFSHとその誘導体を発現させるのに適切な哺乳類細胞系としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、マウス腺癌Y1、ラット下垂体GH3、ヒト乳癌MCF7、及びヒト胎芽腎臓293がある。この実施例ではY1細胞とCHO細胞を使用する場合について述べる。
Y1細胞は、マウス副腎皮質腫瘍から生成するステロイド分泌クローナル細胞系である(Yasumura,Canser Res.,26巻、529〜536頁、1966年)。この細胞はATCC細胞バンクから入手し、15%のウマ血清(HS)、2.5%のFBS及び1%のL−グルタミンを補充したHam′s F10培地(Y1増殖培地)で増殖させることによって培養で保持した。
CHO−DUKX細胞は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ活性を欠いているチャイニーズハムスター卵巣細胞のクローナル変異体である(Urlaub G.及びChasin,L.A.,PNAS,77巻、4216〜4220頁、1980年)。この細胞は、最小必須栄養素培地α(MEM−α)に10%FBSと1%L−グルタミンを補充した培地(CHO増殖培地)に保持した。
細胞の培養はすべて、5%CO2含有加湿大気中37℃で行った。
リン酸カルシウム・トランスフェクション
利用したトランスフェクションのプロトコルは、発表された方法(Graham,Virology,52巻、456頁、1973年)の改変法であった。トランスフェクションを行う約24時間前に、細胞を、100mm直径の皿に、7×105細胞/皿(CHO−DUKX)または1×106細胞/皿(Y1)の濃度でプレートした。トランスフェクションを行うために、10μgのベクタープラスミドDNA(CHO−DUKX細胞用にはpDαHFSHRX、Y1細胞用にはpNαHFSHRX)を0.5mlのトランスフェクション緩衝液に添加した。トランスフェクション緩衝液は、滅菌蒸留水中に、4gのNaCl、0.185gのKCl、0.05gのNa2HPO4、0.5gのデキストロース、及び2.5gのHEPESを混合し、容積を500mlに調節しpHを7.5に調節して製造した。DNA/トランスフェクション緩衝液混合物に31μlの2MCaCl2を添加した。その溶液を渦式攪拌器を用いて混合し、室温で45分間静置してDNAの沈澱を生成させた。培養媒体を除いたところDNAの沈澱は細胞上に層状になった。室温で20分間経過後、5mlの適当な増殖培地を添加し、細胞を6時間培養した。培地を除き、次いで15%のグリセリンを含有するトランスフェクション緩衝液3〜4ml中で3.5分間ショックを与えた。その細胞を、リン酸緩衝食塩水で2回すすぎ、次いで増殖培地10mlを添加した。CHO−DUXK細胞を、トランスフェクションを終わってから約48時間、1:10のスプリット比で継代培養を行い、選択培地を添加した。Y1細胞を、トランスフェクションを行った後72時間増殖させ、次いで選択培地で1:5のスプリット比にて継代培養を行った。CHO−DUKX細胞の選択培地は、リボヌクレオシド類とデオキシリボヌクレオシド類を含有せず、10%の透析FBS、1%グルタミン及び0.02μMメトトレキセート(MTX)を補充したMEM−αで構成されている。Y1細胞の選択培地は、80μg/ml G418を含有するY1増殖培地で構成されている。MTX−耐性のCHO−DUKX細胞コロニーとG418−耐性のY1細胞コロニーが約2〜3週間後に生成し、別個につまみとって、細胞数が凍結保存とホルモン応答性の試験とを行うのに充分になるまで培養した。
安定にトランスフェクトされたCHO細胞内でのヒト組換 えFSH受容体の生物活性の実証
遺伝子工学的に製造したヒトFSHcDNA構造体が安定にトランスフェクトされたCHO細胞内で生物学的に機能性であるタンパク質を産生できるか否かを決定するために、MTX−耐性CHO細胞コロニーをヒト組換えFSHで処理して細胞内cAMPレベルを測定した。cAMPを検定するために、細胞をCHO細胞選択培地中で、2.5×104細胞/ウェルの濃度にて12ウェル平板で継代培養を行った。72時間培養を行った後、各ウェルを温増殖培地1.5mlで洗った。充分洗浄した各ウェルに、0.1mMの3−イソブチル−1−メチルキサンチンを含有する血清なしの増殖培地(Sigma社)300μlを添加した。15分間培養した後、ヒト組換えFSHを各ウェルの培地に添加して最終濃度を約335ng(2413mIU)/mlにした。30分間培養した後、細胞を4回の迅速な冷凍解凍サイクルに付して検定を終わった。各ウェルの溶解物50μlずつを、タンパク質含量を測定するために1.5ml試験管に移した。残りの溶解物の各試料に冷エタノール(300μl)を添加してから別の1.5ml試験管に移した。溶解物の全試料を13,000×gで15分間遠心分離にかけて細胞の破片を除いた。全可溶性タンパク質の測定は、Bio−Rad社から購入したタンパク質検定キット(カタログ番号500〜0002)を用い、このメーカーが提供したプロトコルを利用して行った。エタノールで処理した溶解物試料を、5〜100μlずつ凍結乾燥し、Dopont/NEN Medical Products社のcAMP検定キット(カタログ番号NEK−033)に提供されている検定緩衝液100ml中に再懸濁させた。この再懸濁溶解物試料のcAMP含量は、上記キットが提供したアセチル化放射線免疫検定法のプロトコルを利用して測定した。試料は検定を行うのに希釈は行わなかった。ヒトFSH受容体でトランスフェクトされたCHO細胞系の大部分に、FSH刺激の後、対照より高い細胞内cAMPレベルが測定された(トランスフェクトされていないCHO−DUKX細胞とCLH3AXSV2DHFRhαIVSでトランスフェクトされたCHO−DUKX細胞)。その平均応答は対照の約16倍であった。
非クローナル(nonclonal)細胞系のCHOHFSHR4Q−13をホルモン投与応答分析を行うために選択した。利用した方法は、細胞を0〜10,000mIU/mlの範囲の濃度のヒト組換えFSHまたはLHで処理したことを除いて上記パラグラフに記載したのと同じ方法であった。各投与について3回ずつ分析した。産生された細胞内cAMPの量は、ナノモル(nmole)/ミリグラム(mg)可溶性タンパク質で表し、FSHもしくはLHの濃度に対してプロットして投与応答曲線を作製した。FSHとLHの投与応答曲線を図5に示す。
その試験結果は、CHOHFSHR4Q−13CHO細胞系が、FSHの刺激に応答して細胞内cAMPの可飽和増大を示すが、LHの刺激に応答してこのような増大を示さないことを示している。50%最大FSH刺激(ED50)は144mIU/mlのFSHの投与量で起こった。それ故に、ヒトFSH受容体cDNAは、CHO細胞内で生物学的に機能性のヒトFSH受容体タンパク質を産生するのに利用することができ、かつCHO細胞を、FSHに対する特異的なcAMP応答を仲介できるようにし、LHに対しては特異的なcAMP応答を仲介できないようにする。
ヒト組換えFSH受容体またはそのFSH結合フラグメントもしくは変異体を産生するCHOHFSHR4Q−13系または類似の系のヒトFSH受容体の含有量は、MTXの濃度を段階的に増大して細胞を暴露させることによって増大させることができる。これは,ヒトFSH受容体cDNAを含む連結された配列とともにDHFRcDNAのコピー数の増幅を起こし、間接的に、コードされたタンパク質の合成を増大する。これは、必要な場合に、生物検定法の感度を増大するために行うことができる。また、高レベルのヒトFSH受容体またはそのFSH結合フラグメントもしくは変異体を発現する哺乳類細胞は、治療剤としてまたは受容体放射線免疫検定法に用いるヒトFSH受容体タンパク質を大量に製造するのに利用できる。
また、CHOHFSHR4Q−13系または類似の系は、FSHまたはFSH様物質を含有する医薬製剤のin vitro生体外生物活性を測定する検定法に使用できる。ルシフェラーゼのようなリポーター試薬は、cAMP応答要素に作動的に連結することができ、cAMPレベルの増大は、生物発光法のような非放射能法によって間接的に測定されて、FSHの生物活性が測定される。
CHOFSHR4Q−13系は、1991年11月19日付けで受託番号ATCC CRL 10921にてATCCに寄託された。その寄託は、ブダペスト条約の全必要要件にしたがって行った。
安定にトランスフェクトされたマウス副腎Y1細胞内での 組換えヒトFSH受容体の生物活性の実証
遺伝子工学的に製造したヒトFSH受容体cDNA構造体が、安定にトランスフェクトされたY1細胞内で生物学的に機能性であるタンパク質を産生できたか否かを決定するために、G418耐性Y1細胞コロニーをヒト組換えFSHで処理してその培養媒体をプロゲステロン含量について分析した。プロゲステロンを検定するため、細胞を、Y1細胞選択培地中、4×105細胞/ウェルの濃度で、6ウェル平板(ウェルの直径は35mm)内で継代培養した。2日間培養した後、Y1細胞選択培地を除去し、5%のウマ血清、0.8%のウシ胎児血清、1%のL−グルタミン及び80μg/mlのG418を補充したHam′sF10培地3mlで取替えた。1日培養した後、培地を除き、細胞を1mg/mlのウシ血清アルブミン(画分V)、1%のL−グルタミン及び80μg/mlのG418を補充した2mlのHam′sF10培地(検定培地)で2回洗浄した。このときに、細胞を3つの試験ウェルから取出してカウントすることによって、平均細胞数/ウェルを各細胞系について測定した。次に、その細胞を、100mIU/mlのヒト組換えFSHを含有する検定培地1mlとともに4時間培養した。培養を終わってから、培養皿を氷上に置き、各ウェルから培養培地を別のガラス試験管(12×75)に移した。培養培地が入っている試験管を沸騰水浴中に10分間入れ、次いで4℃にて1100×gで遠心分離にかけた。その上澄み液を清浄な12×75ガラス試験管に移し、−20℃で一夜貯蔵した。Ciba Corning社(米国、マサチューセッツ州、メドフィールド)が市販している製品番号12274のSerono Diagnostics Progesterone MAIAを用いて、プロゲステロンのレベルを測定した。この検定は、標準曲線用の培養培地の試料とプロゲステロンを、キットに入っていた希釈緩衝液の代わりに、0.1%のウシ血清アルブミンと0.6%のアジ化ナトリウムを含有するリン酸緩衝食塩水の溶液で希釈したことを除いて、メーカーの指示に従って実施した。標準曲線用のプロゲステロンは、Cal Biochem社(カタログ番号5341)から入手し、使用する前に15μg/ml100%エタノールの濃度に希釈した。貯蔵溶液は−70℃で貯蔵した。プロゲステロン標準曲線の希釈液の最終濃度は、検定キットに推奨してあるのと同じであった。希釈したプロゲステロン標準液は4℃で1週間安定であった。
ヒトFSH受容体で安定にトランスフェクトされ、いくつかのFSHで処理されたY1系は、対照(FSHで処理しなかった同じ細胞系、トランスフェクトしていないY1細胞、CLH3AXSV2NEOhαIVSでトランスフェクトしたY1細胞)と比べてプロゲステロンを増大したレベルで分泌した。非クロナール細胞系のY1HFSHR4−38をホルモン投与応答分析用に選択した。
利用した方法は、細胞を0〜100mIU/mlの濃度範囲のFSHで処理したことを除いて、上記パラグラフに記載したのと同じ方法であった。各投与は2回ずつ行った。FSHで刺激されたY1細胞が産生したプロゲステロンの量を1×106細胞に正規化し、FSH濃度に対してプロットして投与応答曲線を作成した。その投与応答曲線を図6に示す。この特定の実験では、20mIU/mlのヒト組換えFSHを投与したときにプロゲステロンの活性が25倍増大したことが観察された。直線範囲は2.5〜20mIU/mlFSHであり、ED50は6.4mIU/mlFSHであった。これらの結果は、FSHの投与量に依存してプロゲステロンの分泌が増大することが、ヒト組換えFSH受容体で安定にトランスフェクトされたY1細胞に観察されたことを示している。従って、ヒトFSH受容体は、マウス副腎Y1細胞に発現されたとき機能的に活性である。
CHOHFSHR4Q−13もしくはY1HFSHR4−38の細胞系、または類似の細胞系から誘導された細胞集団は、FSHとFSH様物質に対する敏感なin vitro生体外生物検定法を開発するのに使用できる。現在使用されている他のFSHin vitr o生体外検定法、例えば、顆粒膜細胞アロマターゼ生物検定法及びセルトーリ細胞アロマターゼ生物検定法は、検定を行うたびごとにラットから初代細胞培養物を作る必要がある。本発明のY1細胞とCHO細胞の新規な生物検定法では、安定にトランスフェクトされた連続継代培養細胞系が用いられる。その結果、簡単なこと、正確さ及びコンシステンシーが現行法より優れたin vitro生体外生物検定法を実施できる。
配列の表
SEQ ID NO:1の情報
配列の特性
(A)長さ:2179
(B)タイプ:核酸
(C)ストランドネス:二本鎖
(D)トポロジー:線状
分子のタイプ:cDNA〜mRNA
原起源(original source):
(A)生物体:ホモサピエンス
(B)組織のタイプ:精巣
即時起源(immediate source):
(A)ライブラリー:λgtll cDNAライブラリー、Clon Tech社 #HL1010b
(B)クローン:pHFSHR11−11,pHFSHR15−6
特徴:
(A)名称/キー:タンパク質のコーディング領域
(B)位置:75〜2159
配列の銘柄:SEQ ID NO:1:
Figure 0003581148
Figure 0003581148
Figure 0003581148
Figure 0003581148
SEQ ID NO:2の情報
配列の特性
(A)長さ:695
(B)タイプ:アミノ酸
(D)トポロジー:線状
分子のタイプ:タンパク質
特徴:
(A)名称/キー:シグナル配列
(B)位置:−17〜−1
(C)同定法:疎水性
特徴:
(A)名称/キー:推定アミノ末端細胞外領域
(B)位置:1〜349
(C)同定法:他の二量体糖タンパク質受容体の細胞外領域に相似、疎水性
特徴:
(A)名称/キー:トランスメンブラン領域
(B)位置:350〜613
(C)同定法:他のGタンパク質がカップリングした受容体のトランスメンブラン領域に相似
特徴:
(A)名称/キー:推定トランスメンブラン領域I
(B)位置:350〜370
(C)同定法:他のGタンパク質がカップリングした受容体のトランスメンブラン領域に相似、疎水性、約20〜23個のアミノ酸の長さ
特徴:
(A)名称/キー:推定トランスメンブラン領域II
(B)位置:382〜404
(C)同定法:他のGタンパク質がカップリングした受容体のトランスメンブラン領域に相似、疎水性、約20〜23個のアミノ酸の長さ
特徴:
(A)名称/キー:推定トランスメンブラン領域III
(B)位置:427〜448
(C)同定法:他のGタンパク質がカップリングした受容体のトランスメンブラン領域に相似、疎水性、約20〜23個のアミノ酸の長さ
特徴:
(A)名称/キー:推定トランスメンブラン領域IV
(B)位置:469〜491
(C)同定法:他のGタンパク質がカップリングした受容体のトランスメンブラン領域に相似、疎水性、約20〜23個のアミノ酸の長さ
特徴:
(A)名称/キー:推定トランスメンブラン領域V
(B)位置:512〜533
(C)同定法:他のGタンパク質がカップリングした受容体のトランスメンブラン領域に相似、疎水性、約20〜23個のアミノ酸の長さ
特徴:
(A)名称/キー:推定トランスメンブラン領域VI
(B)位置:557〜580
(C)同定法:他のGタンパク質がカップリングした受容体のトランスメンブラン領域に相似、疎水性、約20〜23個のアミノ酸の長さ
特徴:
(A)名称/キー:推定トランスメンブラン領域VII
(B)位置:592〜613
(C)同定法:他のGタンパク質がカップリングした受容体のトランスメンブラン領域に相似、疎水性、約20〜23個のアミノ酸の長さ
特徴:
(A)名称/キー:推定カルボキシ末端の細胞内領域
(B)位置:614〜678
配列の銘柄:SEQ ID NO:2
Figure 0003581148
Figure 0003581148
Figure 0003581148

Claims (17)

  1. (a)Sequence ID No:2のアミノ酸配列1−678からなるヒト濾胞刺激ホルモン(FSH)の受容体,
    (b)前記(a)の配列と少なくとも95%の同一性を有し,かつ前記ヒトFSHを捕捉する能力を保有している変異体,
    (c)Sequence ID No:2のアミノ酸配列1−349からなる前記ヒトFSHの前記受容体のアミノ末端細胞外部分,
    (d)前記(c)の配列と少なくとも95%の同一性を有し,かつ前記ヒトFSHを捕捉する能力を保有している変異体,
    (e)前記ヒトFSHを捕捉する能力を保有してる前記(c)配列のフラグメント,または
    (f)前記(e)配列と少なくとも95%の同一性を有し、かつ前記ヒトFSHを捕捉する能力を保有している変異体,
    であるヒトFSHを捕捉することのできる本質的に純品のポリペプチド。
  2. 前記(a)または前記(b)の前記ポリペプチド配列である請求項1に記載のヒトFSHを捕捉できる本質的に純品のポリペプチド。
  3. Sequence ID No:2に示すアミノ酸配列1−613,またはこの配列と少なくとも95%の同一性を有しかつ前記ヒトFSHを捕捉する能力を保有している変異体 ある請求項1に記載のヒトFSHを捕捉できる本質的に純品のポリペプチド。
  4. 前記(c)または前記(d)のポリペプチド配列である請求項1に記載のヒトFSHを捕捉できる本質的に純品のポリペプチド。
  5. 前記(e)または前記(f)のポリペプチド配列である請求項1に記載のヒトFSHを捕捉できる本質的に純品のポリペプチド。
  6. ヒトFSHの全て又は一部に相当する部分が 1〜10個のアミノ酸残基内に同類置換を含み,該置換の 位置及び特性が前記受容体又はその改変されていないフ ラグメントのFSH結合特性を変えないように選定されて いる請求項1の(a),(c)又は(e)の配列による ポリペプチドの突然変異体
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ ペプチドの有効量と,医薬として許容される担体とから なる内因性FSH生物活性を減少させる薬理活性を有する 医薬組成物
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ ペプチドの有効量と,医薬として許容される担体とから なる濾胞の増殖と成熟を阻害する薬理活性を有する医薬 組成物
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ ペプチドの有効量と,医薬として許容される担体とから なる精子形成を阻害する薬理活性を有する医薬組成物
  10. 前記ヒトFSHを捕捉する分子を用いる前記ヒトFSHを検定する方法において,前記分子が請求項1〜のいずれか1項に記載のヒトFSHを捕捉できるポリペプチドである改良検定法。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載のヒトFSHを捕捉できるポリペプチドをコードする単離されたDNA。
  12. Sequence ID No:1に示すヌクレオチド配列からる請求項11の単離されたDNA。
  13. 請求項11または12に記載のDNAからる組換え発現ベクター。
  14. 請求項13に記載の前記発現ベクターでトランスフェクトされた細胞。
  15. 哺乳類の細胞である請求項14に記載の細胞。
  16. 請求項14または15に記載の前記細胞を栄養培地中で培養し,そこから前記受容体を回収する請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドを製造する方法。
  17. 薬剤として使用するための請求項1〜6 のいずれか1項に記載のポリペプチド。
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