JP3559371B2 - 内視鏡用ブラシ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の管路内に挿通されて管路内の掃除等に用いられる内視鏡用ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は従来の内視鏡用ブラシの一例を示しており、ブラシ毛91が突設されたブラシ軸92が密着巻きコイルからなる細長い可撓性パイプ93の先端に取り付けられて、芯線94が可撓性パイプ93内にほぼ全長にわたって挿通されている。
【0003】
芯線94は、使用することによって曲がり癖がつくと使いものにならなくなるので、弾性限界を超える変形をさせても元の状態に戻るしなやかなバネ特性を有する超弾性合金で形成される場合がある。
【0004】
しかし、そのような合金にはハンダ等がほとんど付かないものが多いので、図11に示されるように、芯線94は、基端部を折り曲げて可撓性パイプ93に入り込まないように固定し、先端部はブラシ軸92の基端にほぼ当て付けるように配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、密着巻きコイルは曲げるとそれに伴って全長が伸びるので、図12に示されるように、密着巻きコイル製の可撓性パイプ93が曲げられている間は、芯線94の先端とブラシ軸92の基端との間に隙間が生じる。
【0006】
すると、その隙間部分だけ腰が弱くなるので、図13に示されるように、小さな曲率半径で曲がっている内視鏡の管路100内を通過する際に、腰の弱くなっている部分が急激に曲がって可撓性パイプ93に曲がり癖がついたり、座屈して破損してしまう場合がある。
【0007】
このような現象は、可撓性パイプ93に密着巻きコイルを用いた場合に顕著に発生するが、可撓性パイプ93にチューブ等を用いた場合でも、曲げられるとある程度の伸びが発生して同様の問題が発生する場合がある。
【0008】
そこで本発明は、可撓性パイプを曲げてもブラシ軸の基端と芯線の先端との間に空間ができず、可撓性パイプに曲がり癖や座屈等が発生しにくい内視鏡用ブラシを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用ブラシは、ブラシ毛が突設されたブラシ軸が細長い可撓性パイプの先端に取り付けられて、上記ブラシ軸とは別体に設けられた芯線が上記可撓性パイプ内にほぼ全長にわたって挿通された内視鏡用ブラシにおいて、上記芯線の先端を、上記ブラシ軸の基端にほぼ当て付けた状態で上記可撓性パイプに対して固定したことを特徴とする。
【0010】
なお、上記可撓性パイプが密着巻きコイルにより形成されていて、上記芯線の先端部分が、潰されて上記可撓性パイプの内径より太く形成された状態で上記可撓性パイプ内に嵌め込まれて固定されていてもよい。
【0011】
また、上記可撓性パイプが密着巻きコイルにより形成されていて、上記芯線の先端近傍の外周面が凸凹に形成されると共に、その凸凹部の外面に位置する部分で上記可撓性パイプが粗巻きに形成されて、その巻きの隙間部分から上記芯線の凸凹部にかけてハンダが充填されて上記芯線の先端が上記可撓性パイプに固定されていてもよい。
【0012】
或いは、上記可撓性パイプが密着巻きコイルにより形成されていて、上記芯線の先端近傍の外周面に凹部が形成され、その凹部の外面に位置する部分で上記可撓性パイプが上記凹部と係合するように縮径されて上記芯線の先端が上記可撓性パイプに固定されていてもよい。
【0013】
また、上記ブラシ軸と上記芯線とがパイプ材によって連結されていてもよい。
また、本発明の内視鏡用ブラシは、ブラシ毛が突設されたブラシ軸が細長いチューブからなる可撓性パイプの先端に取り付けられて、上記ブラシ軸とは別体に設けられた芯線が上記可撓性パイプ内にほぼ全長にわたって挿通された内視鏡用ブラシにおいて、上記可撓性パイプ内の上記ブラシ軸の基端と上記芯線の先端との間の空間に、弾力性のある接着剤を充填してもよい。
【0014】
なお、いずれの場合にも、上記芯線が、弾性限界を超える変形をさせても元の状態に戻るしなやかなバネ特性を有する超弾性合金製であるとよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の内視鏡用ブラシを示しており、細長い可撓性パイプ1の先端にはブラシ毛2が取り付けられ、可撓性パイプ1の基端側には略円柱状の摘み3が取り付けられていて、内視鏡の送気、送水、吸引等のための管路内をブラッシングして掃除するために用いられる。ただし、擦過細胞診用のブラシに本発明を適用してもよい。
【0016】
ブラシ毛2は、複数の細いステンレス鋼線を撚った撚り線からなるブラシ軸21の素線間にきつく挟み付けられている。ブラシ軸21の基端側は、可撓性パイプ1の先端内に差し込まれてはんだ付け5で固定されており、ブラシ軸21の先端にはパイプ材からなるキャップ22が固着されている。
【0017】
可撓性パイプ1としては、細いステンレス鋼線を密着巻きして均一な直径の細長い管状に形成した、いわゆる密着巻きコイルパイプが用いられている。ただし、その内径はブラシ軸21の太さより細く形成されている。
【0018】
そこで、可撓性パイプ1の先端部分は、ブラシ軸21を差し込むことができるように他の部分より太く形成されていて、そこにブラシ軸21が差し込まれてハンダ付け5によって固定されている。
【0019】
摘み3はプラスチック製であり、その軸方向に穿設された差し込み孔31内に、可撓性パイプ1を形成するコイルパイプの基端部分が加熱、圧入されて連結固定されている。
【0020】
可撓性パイプ1の内部には、超弾性合金材の単線からなる芯線12がほぼ全長にわたって挿通されている。超弾性合金は、いわゆる形状記憶合金に属していて、さらに独特のしなやかなバネ特性を有するものである。
【0021】
即ち、一部の形状記憶合金を記憶形状が復元される逆変態完了温度以上の状態で使用すると、変形の過程で応力が殆ど変化しない領域があって、且つ弾性限界を超える変形をさせても元の状態に戻るしなやかなバネ特性を有する。したがって、逆変態完了温度が常温より低い形状記憶合金は、常温において超弾性効果を有する場合がある。
【0022】
超弾性合金としては銅系合金やニッケル・アルミニウム系合金等もあるが、ニッケル・チタン系合金は、形状が回復するときの力が強く、大きな変形量を利用できて繰り返し変形に対する耐久性がよく、また耐食性もよい。しかし、ニッケル・チタン系合金はロー付けや接着が難しいので、他の部材に対して機械的に連結する必要がある。
【0023】
そこでこの実施の形態では、図2に拡大図示されているように、芯線12の先端12a部分を潰して、その部分12aの最大径を可撓性パイプ1の内径より太いブラシ軸21とほぼ同じ径に形成して、芯線12の先端12aをブラシ軸21の基端にほぼ当て付けた状態で可撓性パイプ1の先端太径部内に嵌め込んで、可撓性パイプ1に対して固定してある。芯線12の基端は、可撓性パイプ1の基端部内に固定されることなく単に挿入された状態になっている。
【0024】
このように構成された内視鏡用ブラシは、図3に示されるように可撓性パイプ1がループさせられてその全長が伸びたとき、芯線12の先端12aは全く移動せずに、可撓性パイプ1が伸びた分だけ芯線12の基端が可撓性パイプ1内に引き込まれる。
【0025】
したがって、図4に示されるように、内視鏡用ブラシが小さな曲率半径で曲がった内視鏡の管路100内に挿通されても、ブラシ軸21の基端と芯線12の先端12aとの間にはほとんど隙間が発生しないので、可撓性パイプ1が滑らかに曲がって、可撓性パイプ1に曲がり癖や座屈等が発生しない。
【0026】
図5は、本発明の第2の実施の形態を示しており、芯線12の先端近傍の外周面を凸凹に形成すると共に、その凸凹部12bの外面に位置する部分で密着巻きコイルからなる可撓性パイプ1を粗巻きにし、その巻きの隙間部分から芯線12の凸凹部12bにかけてハンダ5を流し込んで充填することにより、芯線12の先端を可撓性パイプ1に対して固定したものである。なお、この第2の実施の形態を含め全ての実施の形態において、芯線12は超弾性合金製である。
【0027】
図6は、本発明の第3の実施の形態を示しており、芯線12の先端近傍の外周面に凹部12cを形成すると共に、その凹部12cの外面に位置する部分で可撓性パイプ1を縮径して凹部12cと係合させることによって、芯線12の先端を可撓性パイプ1に固定したものである。
【0028】
このように、第2あるいは第3の実施の形態のように構成しても、可撓性パイプ1を小さな曲率半径で曲げたとき芯線12の先端部分がブラシ軸21の基端から離れずその間に隙間が発生しないので、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
図7は、本発明の第4の実施の形態を示しており、ブラシ軸21と芯線12を金属製のパイプ材61によって連結したものである。この実施の形態においては、芯線12の先端部分近傍に形成された溝12dとそれに位置を合わせてパイプ材61に穿設された孔とにまたがってハンダ62が充填されていて、それによって芯線12とパイプ材61とが連結固定されている。
【0030】
この実施の形態においては、可撓性パイプ1が例えば四フッ化エチレン樹脂のような可撓性チューブによって形成されている。そして、その基端部分においても、パイプ材63が先端側と同様にしてハンダ64によって芯線12と連結固定されていて、可撓性パイプ1は両端側からパイプ材61,63によって挟み付けられた形になっている。
【0031】
このように構成すると、可撓性パイプ1の伸びが抑えられるので、可撓性パイプ1を小さな曲率半径で曲げても、芯線12の先端とブラシ軸21の基端との間に隙間が発生しない。
【0032】
図8は、本発明の第5の実施の形態を示しており、芯線12の先端近傍に形成された凹部66に、図7の第4の実施の形態と同様のパイプ材61の端部をかしめ、さらに必要であれば接着で補強して芯線12とパイプ材61とを連結固定したものである。可撓性パイプ1の先端側は、芯線12及びパイプ材61に接着固定されている。
【0033】
ただし、芯線12の基端側は可撓性パイプ1内でフリーになっていて、可撓性パイプ1の基端には金属チップ67が接着されている。ただし、金属チップ67は省いてもよい。
【0034】
したがって、可撓性パイプ1が伸ばされたときには、芯線12の基端側だけが可撓性パイプ1内で移動して、芯線12の先端とブラシ軸21の基端との間に隙間が発生しない。
【0035】
図9は、本発明の第6の実施の形態を示しており、四フッ化エチレン樹脂のような可撓性チューブによって形成された可撓性パイプ1内に、芯線12が単にきつく嵌め込まれている。
【0036】
芯線12の先端は、可撓性パイプ1の内径より少し細く形成されてブラシ軸21の基端から少し離れて配置されていて、その後方部分には徐々に径を細くしたくびれ部12eが形成されている。
【0037】
そして可撓性パイプ1内の、ブラシ軸21の基端と芯線12の先端との間の空間からくびれ部12eの周囲の空間に、弾力性のある接着剤71が充填されており、それによって、芯線12が可撓性パイプ1内から抜け出さないように保持されると共に、可撓性パイプ1の先端近傍が軟らかめの可撓性を得ている。その結果、可撓性パイプ1の先端部分付近は小さな曲率半径の管路内に通されたときでもスムーズに曲がり、耐久性がよい。
【0038】
図10は、本発明の第7の実施の形態を示しており、図9の第6の実施の形態の芯線12が単線なのに比較して、芯線12として例えばステンレス鋼製の撚り線を用い、その先端を可撓性パイプ1内でほぐして、弾力性のある接着剤71とよく結合するようにしたものである。他は第6の実施の形態と同様である。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、可撓性パイプ内にほぼ全長にわたって挿通された芯線の先端をブラシ軸の基端にほぼ当て付けた状態で可撓性パイプに対して固定したことにより、可撓性パイプを曲げてもブラシ軸の基端と芯線の先端との間に空間ができないので、可撓性パイプに曲がり癖や座屈等が発生しにくく、優れた耐久性を得ることができる。
【0040】
また、可撓性パイプがチューブで形成されている場合に、ブラシ軸の基端と芯線の先端との間の可撓性パイプ内の空間に弾力性のある接着剤を充填すれば、可撓性パイプの先端部分付近は小さな曲率半径の管路内に通されたときでもスムーズに曲がり、さらに良い耐久性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用ブラシの側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用ブラシの部分拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用ブラシのループ状態の側面断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用ブラシの使用状態の部分拡大断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の内視鏡用ブラシの部分拡大断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の内視鏡用ブラシの部分拡大断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の内視鏡用ブラシの側面断面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態の内視鏡用ブラシの側面断面図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態の内視鏡用ブラシの側面断面図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態の内視鏡用ブラシの側面断面図である。
【図11】従来の内視鏡用ブラシの側面断面図である。
【図12】従来の内視鏡用ブラシのループ状態の側面断面図である。
【図13】従来の内視鏡用ブラシの使用状態の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 可撓性パイプ
2 ブラシ毛
12 芯線
21 ブラシ軸
Claims (7)
- ブラシ毛が突設されたブラシ軸が細長い可撓性パイプの先端に取り付けられて、上記ブラシ軸とは別体に設けられた芯線が上記可撓性パイプ内にほぼ全長にわたって挿通された内視鏡用ブラシにおいて、
上記芯線の先端を、上記ブラシ軸の基端にほぼ当て付けた状態で上記可撓性パイプに対して固定したことを特徴とする内視鏡用ブラシ。 - 上記可撓性パイプが密着巻きコイルにより形成されていて、上記芯線の先端部分が、潰されて上記可撓性パイプの内径より太く形成された状態で上記可撓性パイプ内に嵌め込まれて固定されている請求項1記載の内視鏡用ブラシ。
- 上記可撓性パイプが密着巻きコイルにより形成されていて、上記芯線の先端近傍の外周面が凸凹に形成されると共に、その凸凹部の外面に位置する部分で上記可撓性パイプが粗巻きに形成されて、その巻きの隙間部分から上記芯線の凸凹部にかけてハンダが充填されて上記芯線の先端が上記可撓性パイプに固定されている請求項1記載の内視鏡用ブラシ。
- 上記可撓性パイプが密着巻きコイルにより形成されていて、上記芯線の先端近傍の外周面に凹部が形成され、その凹部の外面に位置する部分で上記可撓性パイプが上記凹部と係合するように縮径されて上記芯線の先端が上記可撓性パイプに固定されている請求項1記載の内視鏡用ブラシ。
- 上記ブラシ軸と上記芯線とがパイプ材によって連結されている請求項1記載の内視鏡用ブラシ。
- ブラシ毛が突設されたブラシ軸が細長いチューブからなる可撓性パイプの先端に取り付けられて、上記ブラシ軸とは別体に設けられた芯線が上記可撓性パイプ内にほぼ全長にわたって挿通された内視鏡用ブラシにおいて、
上記可撓性パイプ内の上記ブラシ軸の基端と上記芯線の先端との間の空間に、弾力性のある接着剤を充填したことを特徴とする内視鏡用ブラシ。 - 上記芯線が、弾性限界を超える変形をさせても元の状態に戻るしなやかなバネ特性を有する超弾性合金製である請求項1ないし6のいずれかの項に記載の内視鏡用ブラシ。
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