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JP3554312B2 - 電子線装置 - Google Patents

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JP3554312B2
JP3554312B2 JP2002058750A JP2002058750A JP3554312B2 JP 3554312 B2 JP3554312 B2 JP 3554312B2 JP 2002058750 A JP2002058750 A JP 2002058750A JP 2002058750 A JP2002058750 A JP 2002058750A JP 3554312 B2 JP3554312 B2 JP 3554312B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線装置およびその応用である表示装置等の画像形成装置に関するものであり、特に、前記装置の外囲器に加わる大気圧を外囲器内部より支持するために、外囲器内部にスペーサを備えた電子線装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子放出素子として、熱陰極素子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰極素子では、例えば表面伝導型電子放出素子や、電界放出型素子(以下「FE型」と略す)や、金属/絶縁層/金属型放出素子(以下「MIM型」と略す)等が知られている。
【0003】
表面伝導型電子放出素子としては、例えば、M.I.Elinson, Radio Eng.Electron Phys.,10,1290,(1965)や、後述する他の例が知られている。
【0004】
表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型電子放出素子としては、前記Elinson等によるSnO 薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:”Thin Solid Films”,9,317(1972)]や、In /SnO 薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:”IEEE Trans.ED Conf.”,519(1975)]や、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0005】
これらの表面伝導型電子放出素子の典型的例として、図36に前述のM.Hartwellらによる素子の平面図を示す。同図において、基板3001には、金属酸化物よりなる導電性薄膜3004が、H型形の平面形状に、スパッタで形成されている。導電性薄膜3004には、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成される。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm]、Wは、0.1[mm]で設定されている。尚、図示の便宜から、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
【0006】
M.Hartwellらによる素子を初めとして上述の表面伝導型電子放出素子においては、電子放出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミングとは、導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、例えば1[V/分]程度の非常にゆっくりとしたレートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質させ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成することである。尚、局所的に破壊もしくは変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近において電子放出が行われる。
【0007】
FE型の例は、例えば、W.P.Dyke & W.W.Dolan,”Field emission”,Advance in Electron Physics,8,89(1956)や、あるいはC.A.Spindt,”Physical properties of thin−film fieldemission cathodes with molybdenum cones”,J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等が知られている。
【0008】
FE型の素子構成の典型的な例として、図37に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面図を示す。同図において、3010は基板で、3011は導電性材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコーン、3013は絶縁層、3014はゲート電極である。本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極3014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコーン3012の先端部より電界放出を起こさせるものである。
【0009】
また、FE型の他の素子構成として、図37のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0010】
MIM型の例としては、例えば、C.A.Mead,”Operation of tunnel−emission Devices”,J.Appl.Phys.,32、646(1961)等が知られている。MIM型の素子構成の典型的な例を図38に示す。同図は断面図であり、図38において、3020は基板で、3021は金属からなる下電極、3022は厚さ100オングストローム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ80〜300オングストローム程度の金属よりなる上電極である。MIM型においては、上電極3023と下電極3021との間に適宜の電圧を印加することにより、上電極3023の表面より電子放出を起こさせるものである。
【0011】
上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較して低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒーターを必要としない。従って、熱陰極素子よりも構造が単純であり、微細な素子を作製可能である。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融等の問題が発生しにくい。さらに、熱陰極素子がヒーターの加熱により動作するため応答速度が遅いのに対し、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点もある。
【0012】
このため、冷陰極素子を用いた電子線装置の種々の研究が盛んに行われてきている。
【0013】
例えば、表面伝導型電子放出素子は、冷陰極素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点がある。そこで、例えば本出願人による特開昭64−31332号公報において開示されるように、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究されている。
【0014】
また、表面伝導型電子放出素子を用いた電子線装置については、例えば、画像表示装置、画像記録装置等の画像形成装置や、電荷ビーム源、等が研究されている。
【0015】
特に、画像表示装置への応用としては、例えば本出願人による米国特許第5066883号明細書や特開平2−257551号公報や特開平4−28137号公報において開示されているように、表面伝導型電子放出素子と電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合せて用いた画像表示装置が研究されている。用面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合せて用いた画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待されている。例えば、近年普及してきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるためバックライトを必要としない点や、視野角が広い点等が優れているといえる。
【0016】
また、FE型を多数個並べて駆動する方法は、例えば本出願人による米国特許第4904895号明細書に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用した例として、例えば、R.Meyerらにより報告された平板型表示装置が知られている[R.Meyer: ”Recent Development on Microtips Display at LETI”, Tech.Digest of 4th Int.Vacuum Microelectronics Conf.,Nagahama,pp.6〜9(1991)]。
【0017】
また、MIM型を多数個並べて画像表示装置に応用した例は、例えば本出願人による特開平3−55738号公報に開示されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べた、画像形成装置等の電子線装置は、装置内部の真空雰囲気を維持するための外囲器、該外囲器内に配置された電子源、該電子源から放出された電子線が照射されるターゲット、電子線をターゲットに向けて加速するための加速電極等を有するが、さらに、外囲器に加わる大気圧を外囲器内部から支持するためのスペーサが、外囲器内部に配置される場合がある。
【0019】
特に、前述の表示装置等の画像形成装置においては、昨今、画像表示面の大面積化や装置の薄型化が要望されている。このような大面積化や薄型化を実現していくためには、外囲器内部へのスペーサの配置は不可欠であるかのように思われる。
【0020】
しかしながら、電子線装置の外囲器内へスペーサを配置した場合、前記ターゲット面上での電子線の照射位置が設計値からずれてしまうという問題が生じる。この問題は、例えば、電子線装置が前述の表示装置である場合には、蛍光体面上での、電子線の照射位置や発光形状の、設計値からのずれを意味する。特に、カラー画像用のR、G、B各色蛍光体を備える画像形成部材を用いた場合は、電子線の照射位置のずれと併せて、輝度低下や色ずれの発生も見られる場合もある。また、本現象は特に、電子源と画像形成部材間に配置されるスペーサの近傍、あるいは画像形成部材の周縁部で起こる。
【0021】
そこで、本発明は、電子線のターゲット面上での照射位置ずれが防止される電子線装置を提供することを目的とする。特に、電子線装置の外囲器内の間隙を維持するためのスペーサが外囲器内に配置された場合に生じる、電子線のターゲット面上での照射位置ずれを防止することである。
【0022】
さらに、電子線装置の中でも特に画像形成装置については、電子線の画像形成部材面上での照射位置ずれを防止し鮮明で再現性のよい画像を形成する画像形成装置を提供することを目的とし、画像形成装置の中でも特に蛍光体等の発光部材を用いた画像表示装置については、電子線の発光部材面上での照射位置と発光スポット形状の設計値からのずれを防止し鮮明で再現性のよい画像を表示する画像表示装置を提供することを目的とし、画像表示装置の中でも特にR、G、Bの各色蛍光体を発光部材として用いたカラー画像表示装置については、電子線の発光部材面上での照射位置と発光スポット形状の設計値からのずれ、輝度低下、色ずれを防止し、鮮明で色再現性のよいフルカラー画像を表示する画像表示装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の電子線装置は、電子放出素子を有する電子源と、前記電子源より放出された電子を制御する電極と、前記電子源より放出される電子が照射されるターゲットと、前記電子源と前記電極との間に配置された半導電性を有するスペーサとを有する電子線装置において、
前記スペーサは前記電子源および前記電極との当接部に、前記スペーサと前記電子源および前記電極の各々との機械的固定機能と、前記スペーサと前記電子源および前記電極の各々との電気的接続機能とを兼ね備える当接部材を有し、該当接部材を介して前記電子源及び前記電極とに対して電気的に接続されていることを特徴とする
【0024】
また本発明の電子線装置は、電子放出素子を有する電子源と、前記電子源より放出された電子を制御する電極と、前記電子源より放出される電子が照射されるターゲットと、前記電子源と前記電極との間に配置された半導電性を有するスペーサとを有する電子線装置において、
前記スペーサは、前記電子源および前記電極との当接部に、導電性フリットガラスを有し、該導電性フリットガラスを介して前記電子源及び前記電極とに対して電気的に接続されていることを特徴とする
【0025】
上記各発明において、前記スペーサは絶縁性部材の表面に半導電性膜を有するものであってもよい。さらに、前記電子源は配線で結線された複数の電子放出素子を有するものでもよい。この場合、前記スペーサを、前記配線と前記電極に対して電気的に接続したり、さらに前記スペーサを矩形形状とし、その長手方向が前記配線と平行になるように前記配線と前記電極との間に配置したものであってもよい
【0028】
そして、上記各電子線装置において、前記電子放出素子は、冷陰極素子であってもよい。
【0029】
さらに、本発明の電子線装置は、入力信号に応じて前記電子放出素子から放出された電子を前記ターゲットに照射して画像を形成する画像形成装置としても適用される。この場合には、前記ターゲットが蛍光体であるものであってもよい。
【0030】
【作用】
上記のとおり、本発明の電子線装置は、電子源と電極との間に、半導電性を有するスペーサを有し、このスペーサが、前記電子源と電極に対して電気的に接続されていることを大きな特徴としている。これにより、スペーサの表面に帯電粒子が付着しても、この帯電粒子は半導電性を有するスペーサを流れる電流の一部と電気的に中和しスペーサの帯電が防止されるので、電子放出素子から放出された電子の軌道が安定する。防止すべき帯電はスペーサの表面で発生するので、スペーサとしては表面部のみで帯電防止機能を持てば十分である。
【0031】
また、スペーサの、他の部材との当接を、機械的固定機能と電気的接続機能を兼ね備える当接部材や、導電性フリットガラスによって行うことで、スペーサの上記電気的接続を行いつつも、機械的接合強度が保たれる。
【0032】
スペーサを、絶縁性部材の表面に半導電性膜を有する構成とした場合、半導電性膜は、特に、表面抵抗値を105 〜1012[Ω/□]とすることで、スペーサ表面の帯電を中和するには十分な低抵抗値を持ち、かつ、装置全体の消費電力を極端に増加させない程度のリーク電流量に留めた電子線装置が実現される。すなわち、冷陰極型の電子放出素子の特徴である発熱の少なさを損なわず、画像形成装置に適用した場合に、薄型・大面積の画像形成装置が得られる。
【0033】
電子放出素子の中でとりわけ好ましいのは、表面伝導型電子放出素子である。表面伝導型電子放出素子は、構造が単純で製造が単純であり、大面積のものも容易に作製できる。近年、特に大画面で安価な画像表示装置が求められる状況においては、おりわけ好適な冷陰極型の電子放出素子である。
【0034】
また本発明は、複数本の行方向配線と複数本の列方向配線とによって電子放出素子をそれぞれ結線することで、行列状に多数個の電子放出素子を配列した単純マトリクス型の電子源を用いた電子線装置に好適である。上記単純マトリクス型の電子源は、行方向と列方向に適当な駆動信号を与えることで、多数の電子放出素子を選択し電子放出量を制御し得るので、基本的には他の制御電極を付加する必要がなく、1枚の基板上で容易に構成できる。この場合、スペーサの半導電性膜が、行方向配線または列方向配線と電気的に接続されることで、例えば、半導電性膜は、電子源側では1本の配線上に電気的に接続されるので、電子源上の配線間での不要な電気的結合が避けられる。
【0035】
特に、本発明の電子線装置を、ターゲットに電子を照射して画像を形成する画像形成装置に応用することによって、上述したように電子放出素子から放出される電子の軌道が安定し、その結果、発光位置のずれのない良好な画像が形成される。
【0036】
【実施態様】
以下に、本発明の好ましい態様について説明する。
【0037】
(表示パネルの構成と製造法)
まず、本発明を適用した画像表示装置の表示パネルの構成と製造法について、具体的な例を示して説明する。
【0038】
図2は表示パネルの斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いて示している。図1は、図2に示した表示パネルの要部断面図(A−A’断面の一部)である。
【0039】
図中、15はリアプレート、16は側壁、17はフェースプレートであり、リアプレート15、側壁16およびフェースプレート17により、表示パネルの内部を真空に維持するための外囲器(気密容器)を形成している。
【0040】
リアプレート15には基板11が固定されているが、この基板11上には冷陰極素子がN×M個形成されている(N、Mは2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。例えば、高品位テレビジョンの表示を目的とした表示装置においては、N=3000、M=1000以上の数を設定することが望ましい。後述される実施例においては、N=3072、M=1024とした。)また、前記N×M個の冷陰極素子12は、図3に示すとおり、M本の行方向配線13とN本の列方向配線14により単純マトリクス配線されている。これら基板11、冷陰極素子12、行方向配線13および列方向配線14によって構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、行方向配線13と列方向配線14の少なくとも交差する部分には、両配線間に絶縁層(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0041】
また、上述の説明においては、気密容器のリアプレート15にマルチ電子ビーム源の基板11を固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板11が十分な強度を有するものである場合には、気密容器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板11自体を用いてもよい。
【0042】
ここで、基板11としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、ソーダライムガラス、ソーダライムガラスにスパッタ法等により形成したSiO を積層したガラス基板等のガラス部材及びアルミナ等のセラミックス部材等が挙げられる。また、基板11の大きさ及び厚みは、基板11に設置される電子放出素子の個数及び個々の電子放出素子の設計上の形状や、基板11自体が気密容器の一部(リアプレート)を構成する場合には、耐大気圧性の条件等に依存して適宜設定される。
【0043】
また、気密容器を構成するリアプレート15、フェースプレート17、側壁16は、気密容器に加わる大気圧に耐えて真空雰囲気を維持でき、かつ、前記マルチ電子ビーム源と後述するメタルバックとの間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有するものを用いることが好ましい。その材料としては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、ソーダライムガラス、アルミナ等のセラミック部材等が挙げられる。ただし、少なくともフェースプレート17については可視光に対して一定以上の透過率を有するものを用いる必要がある。また、各々の部材の熱膨張率が互いに近いものを組み合わせることが好ましい。
【0044】
また、行方向配線13及び列方向配線14は、それぞれ基板11上に真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等により所望のパターンに形成された導電性金属等からなり、多数の冷陰極素子12にできるだけ均等な電圧が供給されるように材料、膜厚、配線巾が設定される。
【0045】
前述の、行方向配線13と列方向配線14との交差部に配置される絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成されたSiO 等であり、例えば、列方向配線14を形成した基板11の全面あるいは一部に所望の形状で形成され、特に、行方向配線13と列方向配線14の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が適宜設定される。
【0046】
行方向配線13と列方向配線14は、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属、あるいは合金、及びPd,Ag,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、あるいはIn−SnO等の透明導体及びポリシリコン等の半導体材料等より適宜選択される。
【0047】
また、図1及び図2に示されるとおり、フェースプレート17の下面には、蛍光膜18が形成されている。なお、ここで説明される態様はカラー表示装置であるため、蛍光膜18の部分にはCRTの分野で用いられる赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体が塗り分けられている。例えば、図4(A)に示すように、上記各色の蛍光体21aがストライプ状に塗り分けられ、各色蛍光体21aのストライプ間には黒色の導電体21bが設けてある。黒色の導電体21bを設ける目的は、電子ビームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが生じないようにすることや、外光の反射を防止して表示コントラストの低下を防ぐこと、電子ビームによる蛍光膜のチャージアップを防止することなどである。黒色の導電体21bには、黒鉛が主成分として用いられるが、上記の目的に適するものであればこれ以外の材料を用いてもよい。
【0048】
また、3原色の蛍光体21aの塗り分け方は図4(A)に示したストライプ状の配列に限られるものではなく、例えば図4(B)に示すようなデルタ状配列や、それ以外の配列であってもよい。
【0049】
なお、モノクロームの表示パネルを作製する場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜18に用いればよい。
【0050】
蛍光膜18のリアプレート15側の面には、CRTの分野では公知のメタルバック19が設けられる。メタルバック19を設ける目的は、蛍光膜18が発する光の一部を鏡面反射して光利用効率を向上させることや、負イオンの衝突から蛍光膜18を保護することや、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させることや、蛍光膜18を励起した電子の導電路として作用させることなどである。メタルバック19は、蛍光膜18をフェースプレート17上に形成した後、蛍光膜18の表面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する等の方法により形成される。なお、蛍光膜18に低電圧用の蛍光体材料を用いた場合には、メタルバック19は用いない。
【0051】
また、上述の態様においては用いられていないが、加速電極の印加用や蛍光膜18の導電性向上を目的として、フェースプレート17と蛍光膜18との間に、例えばITOを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0052】
Dx1〜DxmおよびDy1〜DynおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線13と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列方向配線14と、Hvはメタルバック19と各々電気的に接続している。
【0053】
また、上記外囲器(気密容器)の内部は10のマイナス6乗[Torr]程度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃などによる外囲器10の破壊を防止する目的で、耐大気圧構造体として、外囲器の内部にはスペーサ20が設けられている。このスペーサ20は絶縁性部材20aの表面に半導電性薄膜20bを成膜した部材からなるもので、上記目的を達成するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔をおいて配置され、外囲器の内面および基板11の表面にフリットガラス等で封着される。また、半導電性薄膜20bはフェースプレート17の内側(メタルバック19等)及び基板11の表面(行方向配線13または列方向配線14)に電気的に接続される。ここで説明される態様においては、スペーサ20の形状は薄板状とし、また、行方向配線13に平行に配置され、行方向配線13に電気的に接続されている。
【0054】
スペーサ20としては、基板11上の行方向配線13および列方向配線14とフェースプレート17内面のメタルバック19との間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、かつスペーサ20の表面への帯電を防止する程度の表面電導性を有するものであれば、どのようなものであっても構わない。
【0055】
スペーサ20の絶縁性部材20aとしては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、ソーダライムガラス、アルミナ等のセラミックス部材等が挙げられる。なお、絶縁性部材20aはその熱膨張率が外囲器(気密容器)および基板11を成す部材と近いものが好ましい。
【0056】
また、半導電性薄膜20bとしては、帯電防止効果の維持及びリーク電流による消費電力抑制を考慮して、その表面抵抗値が10の5乗[Ω/□]から10の12乗[Ω/□]の範囲のものであることが好ましく、その材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の4族半導体、ガリウム砒素等の化合物半導体、Pt,Au,Ag,Rh,Ir等の貴金属や、Al,Sb,Sn,Pb,Ga,Zn,In,Cd,Cu,Ni,Co,Rh,Fe,Mn,Cr,V,Ti,Zr,Nb,Mo,W等の金属およびこれら金属よりなる合金による島状金属膜、あるいは、酸化錫、酸化ニッケル、酸化亜鉛等の酸化物半導体、あるいは上記各種半導体に微量の不純物を加えた不純物半導体をアモルファス状態、多結晶状態、あるいは単結晶状態に成膜したもの等を挙げることができる。半導電性薄膜20bの成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法等の真空成膜法によるものや有機溶液あるいは分散溶液をディッピングあるいはスピンナーを用いて塗布・焼成する工程等からなる塗布法によるものや、化学反応により絶縁体表面に金属膜を形成できる無電解メッキ法によるもの等を挙げることができ、対象となる材料および生産性に応じて適宜選択される。
【0057】
また、半導電性薄膜20bは、絶縁性部材20aの表面のうち、少なくとも外囲器(気密容器)内の真空中に露出している面に成膜される。また、半導電性薄膜20bは、例えば、フェースプレート17側では、前述した黒色の導電体21bあるいはメタルバック19に、また、リアプレート15側では行方向配線13または列方向配線14にに電気的に接続される。
【0058】
スペーサ20の構成、設置位置、設置方法、およびフェースプレート17側やリアプレート15側との電気的接続は、上述の場合には限定されず、十分な耐大気圧を有し、各配線13、14とメタルバック19間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、かつスペーサ20の表面への帯電を防止する程度の表面電導性を有するものであれば、どのようなものであっても構わない。
【0059】
前述の気密容器(外囲器)を組み立てるにあたっては、リアプレート15、側壁16およびフェースプレート17の接合部に十分な強度と気密性を保持させつつ、これら各部材を封着する必要があるが、この封着は、例えば、フリットガラスを上記各部材の接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することにより行われる。
【0060】
また、気密容器内部を真空に排気するには、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[Torr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、例えばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしくは高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1×10のマイナス5乗ないしは1×10のマイナス7乗[Torr]の真空度に維持される。
【0061】
以上説明した表示パネルを用いた画像表示装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないしDynを通じて各冷陰極素子12に電圧を印加すると、各冷陰極素子12から電子が放出される。それと同時にメタルバック19(あるいは不図示の透明電極)に高圧端子Hvを通じて数kV以上の高圧を印加して上記放出された電子を加速し、フェースプレート17の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜18の蛍光体21aが励起されて発光し、画像が表示される。
【0062】
この様子を図5および図6に示す。図5および図6は、それぞれ図2に示した表示パネル内における電子および後述の散乱粒子の発生状況を説明するための図であり、図5はY方向から見た図、図6はX方向から見た図である。すなわち図5に示すように、基板11上の冷陰極素子12に電圧Vfを印加することにより冷陰極素子12の電子放出部から放出された電子は、フェースプレート17上のメタルバック19上に印加された加速電圧Vaにより加速され、フェースプレート17の内面の蛍光膜18に衝突し、蛍光膜18が発光する。ここで特に、以下で詳述する表面伝導型電子放出素子のように、高電位側電極および低電位側電極の一対の電極が、基板面に対して平行に並設され、該一対の電極間に電子放出部を有するような冷陰極素子においては、図5に示すとおり、基板11の面に対する電子放出部5からの法線に対して、高電位側の素子電極3のほうにずれて30tで示した放物線軌跡をとって飛翔する。このため、蛍光膜18の発光部中心は基板11の面に対する電子放出部5からの法線上からずれることになる。このような放射特性は、基板11に平行な面内での電位分布が、電子放出部5に対して非対称になることによるものと考えられる。
【0063】
冷陰極素子12から放出された電子がフェースプレート17の内面に達して蛍光膜18の発光現象が起こる以外に、蛍光膜18への電子衝突及び確率は低いが真空中の残留ガスへの電子衝突により、ある確率で散乱粒子(イオン、2次電子、中性粒子等)が発生し、例えば図6中の31tで示すような軌跡で外囲器(気密容器)内を飛翔すると考えられる。
【0064】
図2に示した画像表示装置の表示パネルにおいて、上記半導電性薄膜20bを形成しないスペーサを用いた比較実験においては、本発明者らは、スペーサ20の近傍に位置する蛍光膜18上の発光位置(電子の衝突位置)の発光形状が設計値からずれる場合が生ずることを見いだした。特に、カラー画像用の画像形成部材を用いた場合は、発光位置ずれと併せて、輝度低下や色ずれの発生も見られる場合があった。
【0065】
この現象の主な原因として、スペーサ20の絶縁性部材20aの露出した部分に上記散乱粒子の一部が衝突し、上記露出部が帯電することにより、上記露出部の近傍では電場が変化して電子軌道のずれが生じ、蛍光体の発光位置や発光形状の変化が引き起こされたものと考えられる。
【0066】
また、上記蛍光体の発光位置、形状の変化の状況から、上記露出部には主に正電荷が蓄積していることもわかった。この原因としては、散乱粒子のうちの正イオンが付着帯電する場合、あるいは散乱粒子が上記露出部に衝突するときに発生する2次電子放出により正の帯電が起きる場合などが考えられる。
【0067】
一方、図1に示したような、表面に半導電性薄膜20bを形成したスペーサ20を配置した表示パネルを用いた本発明の画表示成装置においては、スペーサ20の近傍に位置する蛍光膜18上の発光位置(電子の衝突位置)や発光形状は設計値通りであることが確認された。すなわち、スペーサ20の表面に帯電粒子が付着しても、上述の、スペーサ表面に付設された半導電性薄膜20bを流れる電流(実際には、電子あるいは正孔)の一部と電気的に中和して、上記スペーサ表面に電荷が生じても直ちに帯電が解消するためと考えられる。
【0068】
通常、冷陰極素子12の一対の素子電極2、3(図6参照)間の印加電圧Vfは12〜16[V]程度、メタルバック19と冷陰極素子12との距離dは1[mm]〜8[mm]程度、メタルバック19と冷陰極素子12間の電圧Vaは1[kV]〜10[kV]程度である。
【0069】
さらに以下で、本発明に係る表示パネル内に配置されるスペーサに関し、より好ましい態様について図7に示す態様を例に挙げて説明する。
【0070】
図7(a)において、20aはスペーサ基材となる絶縁性部材であり、20cは前述のメタルバック18等の電子加速用電極および各配線13、14との当接面に形成された導電性膜、20bは当接面以外のスペーサ表面に形成された半導電性薄膜である。前記構成をもつスペーサ20において、前記当接面に形成された導電性膜20cは、当接面以外のスペーサ表面に形成された半導電性薄膜20bと電気的に接続されている。
【0071】
一方、図7(b)において、20aはスペーサ基材となる絶縁性部材であり、20cは上記電子加速用電極および上記配線との当接面、および当接面以外の表面の一部で当接面との陵を含む領域に形成された半導電性薄膜である。前記構成をもつスペーサ20において、当接面および当接面以外の表面の一部で当接面との陵を含む領域に形成された導電性膜20cは、当接面以外のスペーサ表面に形成された半導電性薄膜20bと電気的に接続されている。
【0072】
さらに、図7(c)において、20aはスペーサ基材となる絶縁性部材であり、20bは絶縁性部材20aの全表面に形成された半導電性薄膜、20cは上記電子加速用電極および上記配線との当接面に形成された導電性膜である。導電性膜20cは、前記半導電性薄膜20bと電気的に接続されている。
【0073】
前記の当接面以外のスペーサ表面に形成された半導電性薄膜20bとしては、帯電防止効果の維持およびリーク電流による消費電力抑制を考慮して、その表面抵抗値、材料、並びに成膜方法等は、前述の図1、5および6で説明した半導電性薄膜20bと同様である。
【0074】
以上の図7(a)〜(c)に示されたスペーサ20は、半導電性膜20bに電気的に接続され、かつ、他部材との当接面に形成された導電性膜20cを有するので、導電性膜20cの少なくとも一部と給電手段(電子源および電極)とを接続すれば、半導電性膜20bの各部に一様に電流を流すことができる。これにより、フェースプレートと電子源の間の平行電界を乱すことなく、帯電粒子を中和することができる。
【0075】
図8は、以上述べた各種スペーサ20に、導電性部材を含む当接部材40を付設した場合の、本発明に係る表示パネルの断面図を示している。図8において、20は上述の各種スペーサ、40は前記導電性部材を含む当接部材、11は、例えば行方向配線13等が配設された基板(青板ガラス)、17はフェースプレート、18は蛍光膜、19はメタルバック、16は側壁、32はフリットガラスである。なお、以下で詳述するとおり、本発明に係るスペーサに付設される当接部材40は、上述の各種スペーサと、前記電子加速用電極(メタルバック等)および配線(行方向配線または列方向配線)との電気的接続および機械的固定という両機能を兼ね備えるものである。
【0076】
図8において、基板11の行方向配線13およびフェースプレート側の電子加速用電極(メタルバック19)とスペーサ20との電気的接続および機械的固定は、以下のように行う。
【0077】
(1)導電性微粒子を混合した導電性フリットガラスを用いて、電気的接続および機械的固定を行う。
【0081】
次に、以上述べた表示パネルのマルチ電子ビーム源に用いられる冷陰極素子について説明する。本発明に用いるマルチ電子ビーム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子源であれば、冷陰極素子の材料や形状あるいは製法に限定はない。したがって、例えば表面伝導型電子放出素子やFE型、あるいはMIM型などの冷陰極素子を用いることができる。
【0082】
ただし、表示画面が大きくてしかも安価な表示装置が求められる状況の下では、これらの冷陰極素子のなかでも、表面伝導型電子放出素子が特に好ましい。すなわち、前述したとおり、FE型ではエミッタコーンとゲート電極の相対位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極めて高精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や製造コストの低減を達成するには不利な要因となる。また、MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚を薄くしてしかも均一にする必要があるが、これも大面積化や製造コストの低減を達成するにはふりや要因となる。その点、表面伝導型電子放出素子は、比較的製造方法が単純なため、大面積化や製造コストの低減が容易である。また、発明者らは、表面伝導型電子放出素子の中でも、以下に詳述するような、電極間の電子放出部を含む導電性膜が微粒子膜から形成されているものがとりわけ電子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えることを見いだしている。したがって、高輝度で大画面の画像表示装置のマルチ電子ビーム源に用いるには、最も好適であるといえる。そこで、以下に、この好適に用いられる表面伝導型電子放出素子について基本的な構成と製法および特性を説明する。
【0083】
(表面伝導型電子放出素子の好適な素子構成と製法)
電極間に、微粒子からなり、かつ、電子放出部を有する導電性膜を備える表面伝導型電子放出素子の代表的な構成には、平面型と垂直型の2種類があげられる。
【0084】
(平面型の表面伝導型電子放出素子)
まず最初に、平面型の表面伝導型電子放出素子の素子構成と製法について説明する。図9に示すのは、平面型の表面伝導型電子放出素子の構成を説明するための平面図(a)および断面図(b)である。図中、1は基板、2と3は素子電極、4は導電性膜、5は通電処理などのフォーミング処理により形成した電子放出部である。
【0085】
基板1としては、例えば、石英ガラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、アルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上述の各種基板上に例えばSiOを材料とする絶縁層を積層した基板などを用いることができる。
【0086】
また、基板1上に基板面と平行に対向して設けられた素子電極2、3は、導電性を有する材料によって形成されている。例えば、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合金、あるいはIn−SnOをはじめとする金属酸化物、ポリシリコン等の半導体、などの中から適宜材料を選択して用いればよい。電極を形成するには、例えば真空蒸着等の成膜技術とフォトリソグラフィー、エッチング等のパターニング技術を組み合わせて用いれば容易に形成できるが、それ以外の方法(例えば印刷技術)を用いて形成しても差し支えない。
【0087】
素子電極2、3の形状は、当該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。一般的には、電極間隔Lは通常は数百[オングストローム]から数百[マイクロメートル]の範囲から適当な数値を選んで設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好ましいのは数[マイクロメートル]から数十[マイクロメートル]の範囲である。また、素子電極厚さdについては、通常は数百[オングストローム]から数[マイクロメートル]の範囲から適当な数値が選ばれる。
【0088】
また、導電性膜4の部分には、微粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに重なり合った構造が観測される。
【0089】
微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数[オングストローム]から数千[オングストローム]の範囲に含まれるものであるが、なかでも好ましいのは10[オングストローム]から200[オングストローム]の範囲のものである。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極2、3と電気的に良好に接続するのに必要な条件、後述する通電フォーミング処理を良好に行うのに必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の値にするために必要な条件、などである。具体的には、数[オングストローム]から数千[オングストローム]の範囲の中で設定するが、なかでも好ましいのは10[オングストローム]から500[オングストローム]の間である。
【0090】
また、微粒子膜を形成するのに用いられうる材料としては、例えば、Pd,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等をはじめとする金属や、PdO,SnO,In,PbO,Sb等をはじめとする酸化物や、HfB,ZrB,LaB,CeB,YB,GdB等をはじめとする硼化物や、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等をはじめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN等をはじめとする窒化物や、Si,Ge等をはじめとする半導体や、カーボン等があげられ、これらの中から適宜選択される。
【0091】
以上述べたように、導電性膜4を微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、10の3乗から10の7乗[Ω/□]の範囲に含まれるよう設定した。
【0092】
なお、導電性膜4と素子電極2、3とは、電気的に良好に接続されるのが望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造をとっている。その重なり方は、図5の例においては、下から、基板1、素子電極2、3、導電性膜4の順序で積層したが、場合によっては下から基板、導電性膜、素子電極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0093】
また、電子放出部5は、導電性膜4の一部に形成された亀裂などの間隙であり、電気的には周囲の導電性膜よりも高抵抗な性質を有している。この亀裂などの間隙は、導電性膜4に対して、後述する通電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂内には、数[オングストローム]から数百[オングストローム]の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困難なため、図9においては模式的に示した。
【0094】
また、図10(a)(平面図)および(b)(断面図)に示すとおり、電子放出部5およびその近傍に炭素もしくは炭素化合物よりなる薄膜6を有する場合もある。この薄膜6は、通電フォーミング処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことにより形成される。
【0095】
前記薄膜6は、単結晶グラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500[オングストローム]以下とするが、300[オングストローム]以下とするのがさらに好ましい。
【0096】
なお、実際の薄膜6の位置や形状を精密に図示するのは困難なため、図10においては模式的に示した。
【0097】
以上、好ましい素子の基本構成を述べたが、後述する実施例においては以下のような素子を用いた。
【0098】
すなわち、基板1には青板ガラスを用い、素子電極2、3にはNi薄膜を用いた。素子電極の厚さdは1000[オングストローム]、電極間隙Lは2[マイクロメートル]とした。
【0099】
微粒子膜の主要材料としてPdもしくはPdOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストローム]、幅Wは100[マイクロメートル]とした。
【0100】
次に、好適な平面型の表面伝導型電子放出素子の製造方法について説明する。図11(a)〜(d)は、表面伝導型電子放出素子の製造工程を説明するための断面図で、各部材の表記は前記図9および図10と同一である。
【0101】
1)まず、図11(a)に示すように、基板1上に素子電極2、3を形成する。あらかじめ基板1を洗剤、純水、有機容剤を用いて十分に洗浄後、素子電極の材料を堆積させる。堆積する方法としては、例えば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術を用いればよい。その後、堆積した電極材料を、フォトリソグラフィー・エッチング技術を用いてパターニングし、図11(a)に示した一対の素子電極2、3を形成する。
【0102】
2)次に、図11(b)に示すように、導電性膜4を形成する。まず前記図11(a)の基板上に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理して微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィー・エッチングにより所定の形状にパターニングする。ここで、有機金属溶液とは、導電性膜に用いる微粒子の材料を主要元素とする有機金属化合物の溶液である(後述する実施例においては、主要元素としてPdを用いた。また、実施例では塗布方法として、ディッピング法を用いたが、それ以外のたとえばスピンナー法やスプレー法を用いてもよい。)。
【0103】
また、微粒子膜で作られる導電性膜の成膜方法としては、上記有機金属溶液の塗布による方法以外の、たとえば真空蒸着法やスパッタ法、あるいは化学的気相堆積法などを用いる場合もある。
【0104】
3)次に、図11(c)に示すように、フォーミング用電源22から素子電極2、3の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を行って、電子放出部5を形成する。
【0105】
通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作られた導電性膜4に通電を行って、その一部を適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒子膜で作られた導電性膜のうち電子放出を行うのに好適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。なお、電子放出部5が形成される前と比較すると、形成された後は素子電極2、3の間で計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0106】
通電方法をより詳しく説明するために、図12に、フォーミング用電源22から印加する適宜の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好ましく、後述の実施例にて用いられた表面伝導型電子放出素子の製法においては図12に示したようにパルス幅T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加した。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順次昇圧した。また、電子放出部5の形成状況をモニターするためのモニターパルスPmを適宜の間隔で三角波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計23で計測した。
【0107】
後述の実施例にて用いられた表面伝導型電子放出素子の製法においては、たとえば10のマイナス5乗[Torr]程度の真空雰囲気下において、たとえばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を10[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.1[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス印加するたびに1回の割り合いで、モニターパルスPmを挿入した。フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがないように、モニターパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定した。そして、素子電極2、3の間の電気抵抗が1×10の6乗[Ω]になった段階、すなわちモニターパルス印加時に電流計23で計測される電流が1×10のマイナス7乗[A]以下になった段階で、フォーミング処理にかかわる通電を終了した。
【0108】
なお、上記の方法は、表面伝導型電子放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば微粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面伝導型電子放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0109】
4)次に、図10で前述したとおり、活性化処理を行い薄膜6(図10)を形成する場合がある。この活性化処理は、図11(d)に示すように、活性化用電源24から素子電極2、3の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、電子放出特性の改善を行う。
【0110】
通電活性化処理とは、前記通電フォーミング処理により形成された電子放出部5に適宜の条件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物を堆積せしめる処理のことである(図においては、炭素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材6として模式的に示した。)。なお、通電活性化処理を行うことにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放出電流を典型的には100倍以上に増加させることができる。
【0111】
具体的には、10のマイナス4乗ないし10のマイナス5乗[Torr]の範囲内の真空雰囲気中で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰囲気中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは炭素化合物を堆積させる。堆積物6は、単結晶グラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500[オングストローム]以下、より好ましくは300[オングストローム]以下である。
【0112】
前記活性化処理に際しての通電方法をより詳しく説明するために、図13(a)に、活性化用電源24から印加する適宜の電圧波形の一例を示す。後述する実施例で用いられた表面伝導型電子放出素子の製法においては、一定電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行ったが、具体的には、矩形波の電圧Vacは14[V]、パルス幅T3は1[ミリ秒]、パルス間隔T4は10[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本態様の表面伝導型電子放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導型電子放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0113】
図11(d)において、表面伝導型電子放出素子から放出される放出電流Ieを補足するためのアノード電極には、直流高圧電源26および電流計27が接続されている(なお、基板1を、表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う場合には、表示パネルの蛍光面をアノード電極25として用いている。)。
【0114】
活性化用電源24から電圧を印加する際、電流計27で放出電流Ieを計測して通電活性化処理の進行状況をモニターし、活性化用電源24の動作を制御する。電流計27で計測された放出電流Ieの一例を図13(b)に示すが、活性化電源24からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほとんど増加しなくなる。このように、放出電流Ieがほぼ飽和した時点で活性化用電源24からの電圧印加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0115】
なお、上述の通電条件は、後述の実施例の表面伝導型電子放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導型電子放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0116】
以上のようにして、図11(e)に示される平面型の表面伝導型電子放出素子が製造される。
【0117】
(垂直型の表面伝導型電子放出素子)
次に、前述の垂直型の表面伝導型電子放出素子の構成について説明する。
【0118】
図14および図15は、垂直型の基本構成を説明するための模式的な断面図であり、図14および図15中の、1は基板、2と3は素子電極、28は段差形成部材、4は微粒子膜を用いた導電性膜、5は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、また、図15中の6は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0119】
垂直型が先に説明した平面型と異なる点は、一方の素子電極3が段差形成部材28上に設けられており、導電性膜4が段差形成部材28の側面を被覆している点にある。したがって、前記図9および図10の平面型における素子電極間隔Lは、垂直型においては段差形成部材28の段差高さLsとして設定される。なお、基板1、素子電極2、3、微粒子膜を用いた導電性膜4については、前記平面型の説明中に列挙した材料を同様に用いることが可能である。また、段差形成部材28には、例えばSiO2 のような電気的に絶縁性の材料を用いる。
【0120】
次に、垂直型の表面伝導型電子放出素子の製法について説明する。図16(a)〜(f)は、製造工程を説明するための断面図で、各部材の表記は前記図14および図15と同一である。
【0121】
1)まず、図16(a)に示すように、基板1上に素子電極2を形成する。
【0122】
2)次に、図16(b)に示すように、段差形成部材を形成するための絶縁層28を積層する。
【0123】
3)次に、図16(c)に示すように、絶縁層28の上に素子電極3を形成する。
【0124】
4)次に、図16(d)に示すように、絶縁層28の一部を、例えばエッチング法を用いて除去し、素子電極2を露出させる。
【0125】
5)次に、図16(e)に示すように、微粒子膜を用いた導電性膜4を形成する。この導電性膜4を形成するには、前記平面型の場合と同じく、例えば塗布法などの成膜技術を用いればよい。
【0126】
6)次に、前記平面型の場合と同じく、通電フォーミング処理を行い、電子放出部5を形成する。なお、上記通電フォーミング処理は、図11(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミング処理と同様の処理を行えばよい。
【0127】
7)次に、前記平面型の場合と同じく、通電活性化処理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭素化合物を堆積させる場合もある。この場合、図11(d)を用いて説明した平面型の通電活性化処理と同様の処理を行えばよい。
【0128】
以上のようにして、図16(f)に示す垂直型の表面伝導型電子放出素子が製造される。
【0129】
(表示装置に用いた表面伝導型電子放出素子の特性)
以上、平面型と垂直型の表面伝導型電子放出素子について素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用いた素子の特性について述べる。
【0130】
図17に、表示装置に用いた素子の、(放出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータを変更することにより変化するものであるため、2本のグラフは各々任意単位で図示した。
【0131】
表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0132】
第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vthと呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満の電圧では放出電流Ieがほとんど検出されない。すなわち、放出電流Ieに関して明確な閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0133】
第二に、放出電流Ieは素子電圧Vfに依存して変化するため、素子電圧Vfで放出電流Ieの大きさを制御できる。
【0134】
第三に、素子印加電圧Vfに対して放出電流Ieの応答速度が速いため、素子印加電圧Vfを印加する時間の長さによって、素子から放出される電子の電荷量を制御できる。
【0135】
以上のような特性を有するため、表面伝導型電子放出素子を表示装置に好適に用いることができた。例えば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表示装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を順次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vth以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表示を行うことが可能である。また、第二の特性かまたは第三の特性を利用することにより、発光輝度を制御することができるため、諧調表示を行うことが可能である。
【0136】
以上説明した本発明にかかる表示装置等の画像形成装置の駆動方法について、図18〜図21を用いて説明する。
【0137】
図18は、NTSC方式のテレビ信号に基づいてテレビジョン表示を行う為の駆動回路の概略構成をブロック図で示したものである。同図中、表示パネル1701は前述した表示パネルに相当するもので、前述した様に製造され、動作する。また、走査回路1702は表示ラインを走査し、制御回路1703は走査回路へ入力する信号等を生成する。シフトレジスタ1704は1ライン毎のデータをシフトし、ラインメモリ1705は、シフトレジスタ1704からの1ライン分のデータを変調信号発生器1707に入力する。同期信号分離回路1706はNTSC信号から同期信号を分離する。
【0138】
以下、図18の装置各部の機能を詳しく説明する。
【0139】
まず表示パネル1701は、端子Dx1ないしDxmおよび端子Dy1ないしDyn、および高圧端子Hvを介して外部の電気回路と接続されている。このうち、端子Dx1ないしDxmには、表示パネル1701内に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわちm行n列の行列状にマトリクス配線された冷陰極素子を1行(n素子)ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が印加される。
【0140】
一方、端子Dy1ないしDynには、前記走査信号により選択された1行分のn個のの各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加される。また、高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、たとえば5k[V]の直流電圧が供給されるが、これはマルチ電子ビーム源より出力される電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0141】
次に、走査回路1702について説明する。
【0142】
同回路は、内部にm個のスイッチング素子(図中、S1ないしSmで模式的に示されている)を備えるもので、各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネル1701の端子Dx1ないしDxmと電気的に接続するものである。S1ないしSmの各スイッチング素子は、制御回路1703が出力する制御信号TSCANに基づいて動作するものだが、実際にはたとえばFETのようなスイッチング素子を組み合わせる事により容易に構成することが可能である。
【0143】
なお、前記直流電圧源Vxは、図17に例示した電子放出素子の特性に基づき、走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出閾値電圧Vth電圧以下となるよう、一定電圧を出力するよう設定されている。
【0144】
また、制御回路1703は、外部より入力する画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明する同期信号分離回路1706より送られる同期信号TSYNCに基づいて、各部に対してTSCANおよびTSFT およびTMRY の各制御信号を発生する。
【0145】
同期信号分離回路1706は、外部から入力されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と輝度信号成分とを分離する為の回路で、良く知られているように周波数分離(フィルタ)回路を用いれば容易に構成できるものである。同期信号分離回路1706により分離された同期信号は、良く知られるように垂直同期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上、TSYNC信号として図示した。一方、前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DATA信号と表すが、同信号はシフトレジスタ1704に入力される。
【0146】
シフトレジスタ1704は、時系列的にシリアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御回路1703より送られる制御信号TSFT に基づいて動作する。すなわち、制御信号TSFT は、シフトレジスタ1704のシフトクロックであると言い換えることもできる。
【0147】
シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素子n素子分の駆動データに相当する)のデータは、ID1ないしIDNのn個の並列信号として前記シフトレジスタ1704より出力される。
【0148】
ラインメモリ1705は、画像1ライン分のデータを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であり、制御回路1703より送られる制御信号TMRY にしたがって適宜ID1ないしIDNの内容を記憶する。記憶された内容は、I′D1ないしI′DNとして出力され、変調信号発生器1707に入力される。
【0149】
変調信号発生器1707は、前記画像データI′D1ないしI′DNの各々に応じて、電子放出素子15の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、その出力信号は、端子DylないしDynを通じて表示パネル1701内の冷陰極素子に印加される。
【0150】
図17を用いて説明したように、本発明に関わる表面伝導型電子放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有している。すなわち、図17のIeのグラフから明らかなように、電子放出には明確な閾値電圧Vth(後述する実施例の表面伝導型電子放出素子では8[V])があり、閾値Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じる。
【0151】
また、電子放出閾値Vth以上の電圧に対しては、グラフのように電圧の変化に応じて放出電流Ieも変化してゆく。尚、表面伝導型電子放出素子の材料や構成、製造方法を変える事により、電子放出閾値電圧Vthの値や、印加電圧に対する放出電流の変化の度合いが変わる場合もある。
【0152】
以上、図18に示された各部の機能について述べたが、全体動作の説明に移る前に図19〜図21を用いて前記表示パネル1701の動作について、冷陰極素子として、後述する実施例において用いられる上記Vthが8[V]の表面伝導型電子放出素子を例に挙げて、より詳しく説明しておく。
【0153】
図示の便宜上、表示パネルの画素数を6×6(すなわちm=n=6)として説明する。
【0154】
図19に示すのは、6行6列の行列状に表面伝導型電子放出素子をマトリクス配線したマルチ電子ビーム源であり、説明上、各素子を区別する為にD(1,1)、D(1,2)ないしはD(6,6)のように(X,Y)座標で位置を示している。
【0155】
このようなマルチ電子ビーム源を駆動して画像を表示していく際には、X軸と平行な画像の1ラインを単位として、ライン順に画像を形成する方法をとっている。画像の1ラインに対応した表面伝導型電子放出素子を駆動するには、Dx1ないしDx6のうち表示ラインに対応する行の端子に0[V]を、それ以外の端子には7[V]を印加する。それと同期して、当該ラインの画像パターンにしたがってDy1ないしDy6の各端子に変調信号を印加する。
【0156】
たとえば、図20に示すような画像パターンを表示する場合を例にとって説明する。
【0157】
そこで、図20の画像のうち、たとえば第3ライン目を発光させる期間中を例にとって説明する。図21は、前記画像の第3ライン目を発光させる間に、端子Dx1ないしDx6、およびDy1ないしDy6を通じてマルチ電子ビーム源に印加する電圧値を示したものである。同図から明らかなようにD(2,3)、D(3,3)、D(4,3)の各表面伝導型電子放出素子には、電子放出の閾値電圧8[V]を越える14[V](図中黒塗りで示す素子)が印加されて電子ビームが出力される。一方、上記3つの素子以外は7[V](図中斜線で示す素子)もしくは0[V](図中白ぬきで示す素子)が印加されるが、これは電子放出の閾値電圧8[V]以下であるため、これらの素子からは電子ビームは出力されない。
【0158】
同様の方法で、他のラインについても図20の表示パターンに従ってマルチ電子ビーム源を駆動してゆくが、第1ラインから順次1ラインずつ駆動してゆくことにより1画面の表示が行なわれる。これを毎秒60画面の速さで繰り返すことにより、ちらつきのない画像表示が可能である。
【0159】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳述する。
【0160】
以下に述べる各実施例においては、マルチ電子ビーム源として、前述した、電極間の導電成微粒子膜に電子放出部を有するタイプのN×M個(N=3072、M=1024)の表面伝導型電子放出素子を、M本の行方向配線とN本の列方向配線とによりマトリクス配線(図2および図3参照)したマルチ電子ビーム源を用いた。
【0161】
まず、以下に述べるとおり、微粒子からなる導電性膜がN×M個、マトリクス配線され、配置された基板を作製した。この基板の製造方法の一例について図22により工程順にしたがって具体的に説明する。なお、以下の工程a〜hは、それぞれ図22の(a)〜(h)に対応する。
【0162】
工程a:清浄化したソーダライムガラス上に厚さ0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した絶縁性基板11’上に、真空蒸着により厚さ50[オングストローム]のCr、厚さ5000[オングストローム]のAuを順次積層した後、ホトレジスト(AZ1370、ヘキスト社製)をスピンナーにより回転塗布、ベークした後、ホトマスク像を露光、現像して、列方向配線14のレジストパターンを形成し、Au/Cr堆積膜をウエットエッチングして、所望の形状の列方向配線14を形成した。
【0163】
工程b:次に、厚さ1.0[マイクロメートル]のシリコン酸化膜からなる層間絶縁層33をRFスパッタ法により堆積した。
【0164】
工程c:工程bで堆積したシリコン酸化膜にコンタクトホール33aを形成するためのホトレジストパータンを作り、これをマスクとして層間絶縁層33をエッチングしてコンタクトホール33aを形成した。エッチングはCFとHガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)法によった。
【0165】
工程d:その後、素子電極と素子電極間ギャップとなるべきパータンをホトレジスト(RD−2000N−41 日立化成社製)で形成し、真空蒸着法により、厚さ50[オングストローム]のTi、厚さ1000[オングストローム]のNiを順次堆積した。ホトレジストパータンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔L(図9参照)が3[マイクロメートル]、素子電極幅W(図9参照)が300[マイクロメートル]である素子電極2、13を形成した。
【0166】
工程e:素子電極2、3の上に行方向配線13のホトレジストパータンを形成した後、厚さ50[オングストローム]のTi、厚さ6000[オングストローム]のAuを順次真空蒸着により堆積し、リフトオフにより不要の部分を除去して、所望の形状の行方向配線13を形成した。
【0167】
工程f:図23に示すような、素子間電極間隔Lだけ間をおいて位置する1対の素子電極2、3を跨ぐような開口35aを有するマスクを用い、膜厚1000[オングストローム]のCr膜21を真空蒸着により堆積・パターニングし、そのうえに有機Pd溶液(ccp4230奥野製薬(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で10分間の加熱焼成処理をした。
【0168】
このようにして形成されたPdを主元素とする微粒子からなる電子放出部形成用膜(導電性膜)4の膜厚は約100[オングストローム]、シート抵抗値は5×10の4乗[Ω/□]であった。なおここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態(島状も含む)の膜をさし、その粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微粒子についての径をいう。
【0169】
なお、有機金属溶液(本実施例では有機Pd溶液)とは、前記Pd,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属を主元素とする有機化合物の溶液である。また、本実施例では、電子放出部形成用薄膜4の製法として、有機金属溶液の塗布法を用いたが、これに限る物でなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等によって形成される場合もある。
【0170】
工程g:酸エッチャントによりCr膜34を除去して、所望のパターンを有する電子放出部形成用薄膜4を形成した。
【0171】
工程h:コンタクトホール33a部分以外にレジストを塗布するようなパターンを形成し、真空蒸着により厚さ50[オングストローム]のTi、厚さ5000[オングストローム]のAuを順次積層した。リフトオフにより不要の部分を除去することにより、コンタクトホール33aを埋め込んだ。
【0172】
以上の工程を経て、M本の行方向配線13、N本の列方向配線14に、素子電極2、3を介して電気的に接続された導電性膜(電子放出部形成用膜)4を複数(M×N個)、絶縁性基板11’上にマトリクス状に形成配置した。
【0173】
(実施例1−1)
本実施例では、前述した図1に示すスペーサ20を配置した表示パネルを作製した。以下、図1および図2を用いて詳述する。まず、前述したとおり、複数の導電性膜(電子放出部形成用膜)をマトリクス配線し、配置した基板11’をリアプレート15に固定した。次に、ソーダライムガラスからなる絶縁性部材20aの表面のうち、外囲器(気密容器)内に露出する4面に酸化錫からなる半導電性薄膜20bを成膜したスペーサ20(高さ5mm、板厚200μm、長さ20mm)を等間隔で基板11’上の行方向配線13上に、該行方向配線13と平行に固定した。その後、基板11’の5mm上方に、内面に蛍光膜18とメタルバック19が付設されたフェースプレート17を側壁16を介し配置し、リアプレート15、フェースプレート17、側壁16およびスペーサ20の各接合部を固定した。
【0174】
基板11’とリアプレート15の接合部、リアプレート15と側壁16の接合部、およびフェースプレート17と側壁16の接合部は、フリットガラス(不図示)を塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した。
【0175】
また、スペーサ20は、基板11’側では行方向配線13(線幅300μm)上に、フェースプレート17側ではメタルバック19面上に、金属等の導電材を混合した導電性フリットガラス(不図示)を介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで、封着しかつ電気的な接続も行った。
【0176】
なお、本実施例においては、蛍光膜18は、図24に示すように、各色蛍光体21aがY方向に延びるストライプ形状を採用し、黒色の導電体21bは各色蛍光体(R、G、B)21a間だけでなく、Y方向の各画素間をも分離するように配置された蛍光膜が用いられ、スペーサ20は、X方向に平行な黒色の導電体21b領域(線幅300μm)内にメタルバック19を介して配置された。
【0177】
また、スペーサ20は、清浄化したソーダライムガラスからなる絶縁性部材20aの表面上に、半導電性薄膜20bとして厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン・酸素雰囲気中で成膜した。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の9乗[Ω/□]であった。
【0178】
なお、前述の封着を行う際には、各色蛍光体21aと基板11’上に配置された前述の電子放出部形成用の各導電性膜4(図22(h))とを対応させなくてはいけないため、リアプレート15、フェースプレート17およびスペーサ20は十分な位置合わせを行った。
【0179】
以上のようにして完成した外囲器(気密容器)内の雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dx1〜DxmとDy1〜Dynを通じ、前述の電子放出部形成用の各導電性膜4に電圧を印加し、該電子放出部形成用の導電性膜4を通電処理(通電フォーミング処理)することにより導電性膜の各々に電子放出部を形成し、図2および図3に示したような、冷陰極素子12として表面伝導型電子放出素子が複数マトリクス配線されたマルチ電子ビーム源を作製した。通電フォーミング処理は、図12に示した波形の
電圧を印加することにより行った。
【0180】
次に、10のマイナス6乗[Torr]程度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着し外囲器(気密容器)の封止を行った。
【0181】
最後に、封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行った。
【0182】
以上のように完成した、図1および図2に示されるような表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック19には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、各色蛍光体21a(図24のR、G、B)を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは3[kV]ないし10[kV]、各配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0183】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0184】
(実施例1−2)
本実施例において前述の実施例1−1と異なるのは、図1に示されたスペーサ20の半導電性薄膜20bとして、厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによって酸素雰囲気中で成膜した点である。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の12乗[Ω/□]であった。以上の点を除いては、実施例1−1と同様の表示パネルを作製した。
【0185】
上記スペーサ20を配設した表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック19には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、蛍光体21aを励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは3[kV]ないし10[kV]、配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0186】
このとき、半導電性薄膜20bのないスペーサ20を用いた比較実験用の画像表示装置の場合との比較から、本実施例においても帯電防止効果が得られていることが確認できた。
【0187】
(実施例1−3)
本実施例において、前述の実施例1−1と異なるのは、図1に示されたスペーサ20の半導電性薄膜20bとして、厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン雰囲気中で成膜した点である。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の7乗[Ω/□]であった。また、本実施例においてはメタルバック19を設けず、代わりにフェースプレート17と蛍光膜18の間にITO膜からなる透明電極を設けた。なお、上記ITO膜は、黒色の導電体21b(図24参照)および高圧端子Hv(図2参照)と電気的接続が得られるように配置された。以上の点を除いては、実施例1−1と同様の表示パネルを作製した。
【0188】
上記スペーサ20を配設した表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、前記ITO膜からなる透明電極には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、蛍光体21a(図24参照)を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは1[kV]以下、配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0189】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0190】
(実施例1−4)
本実施例において、前述の実施例1−1と異なるのは、図1に示されたスペーサ20の半導電性薄膜20bとしてドーパントを含む厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによって成膜した点である。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の5乗[Ω/□]であった。また、本実施例においてはメタルバック19を設けず、代わりに、フェースプレート17と蛍光膜18の間にITO膜からなる透明電極を設けた。なお、上記ITO膜は、黒色の導電体21b(図24参照)および高圧端子Hv(図2参照)と電気的接続が得られるように配置された。また、蛍光体21a(図24参照)として低速電子線用の蛍光体を用いた。さらに、スペーサ20の高さ、および基板11とフェースプレート17との間の距離を1[mm]とした。
【0191】
上記スペーサ20を配設した表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、前記ITO膜からなる透明電極には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、蛍光体21a(図24参照)を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは10[V]ないし100[V]、配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0192】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0193】
以上説明したように、各実施例の画像表示装置においては、次のような効果を有する。
【0194】
まず、防止すべき帯電はスペーサ20の表面で発生するので、スペーサ20としてはその表面部でのみ帯電防止機能を持てば十分である。従って、以上の実施例においては、スペーサ20をなす部材として、絶縁性部材20aを用い、絶縁性部材20aの表面に半導電性薄膜20bを形成した。これにより、スペーサ20の表面での帯電を中和するには十分な低抵抗値を持ち、かつ装置全体の消費電力を極端に増加させない程度のリーク電流量に留めたスペーサ20を実現できた。すなわち、表面伝導型電子放出素子のような冷陰極素子の特徴である発熱の少なさを損なうことなく、薄型・大面積の画像表示装置等の画像形成装置が得られた。
【0195】
次に、スペーサ20の形状として、図1および図2に示したような、基板11及びフェースプレート17の法線方向に対して、その断面形状が一様である平板状のものを採用したので、スペーサ20自体によって電界が乱れることはない。従って、スペーサ20が冷陰極素子12からの電子軌道を遮らない限り、スペーサ20と冷陰極素子12を近接して配置できるので、スペーサ20と直交するX方向に対して冷陰極素子12を高密度に配置できた。しかも、リーク電流はスペーサ20の断面の大部分を占める絶縁性部材20aには流れないので、基板11または、フェースプレート17に対してスペーサ20を尖状にして接合を行うなどの工夫をしなくても少ないリーク電流に抑えることができた。
【0196】
また、特に、以上の実施例のように、冷陰極素子として表面伝導型電子放出素子を用いる場合には、平板状のスペーサ20を、冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12からのX方向にずれる電子軌道に沿ってXZ平面と平行に配置したので、スペーサ20に電子軌道を遮られることなくスペーサ20と平行なX方向に対して冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12を高密度に配置できた。
【0197】
また、各スペーサ20は、基板11側では1本の行方向配線13上に電気的に接続されており、基板11上の配線間での不要な電気的結合を避けることができた。
【0198】
また、所望の半導電性薄膜20bを設けることで以上の効果を示し、帯電を防止するための複雑な付加構造を必要としない本発明に係るスペーサ20を、本出願人の提案による表面伝導型電子放出素子を単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源を用いた画像表示装置に適用することにより、簡単な装置構成でありながら高品位な画像を形成できる薄型・大面積の画像表示装置を提供できた。
【0199】
さらに、以下で詳述する実施例は、以上で述べた実施例とは、図25、27に示すとおり、行方向配線13と列方向配線14の交差部における積層順序が逆である点と、図25、26に示すとおり、スペーサ20を列方向配線14上に設置した点において異なっている。
【0200】
なお、図25は、以下で述べる実施例の画像表示装置で用いられる表示パネルの一部を破断した斜視図であり、図26は、図25に示した表示パネルの要部断面図(C−C′断面の一部)である。また、図25、26の表示パネルの蛍光膜18は、図4(A)に示した形状のものを採用した。
【0201】
図25および図26において、リアプレート15には、複数の冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12がマトリクス配線され配置された基板11が固定されている。フェースプレート17の内面には、蛍光膜18と加速電極であるメタルバック19が形成されており、該フェースプレート17は、基板11と、両者の間に絶縁性材料からなる側壁16を介して対向配置されている。基板11とメタルバック19の間には、不図示の電源により高電圧が印加される。これらリアプレート15、側壁16及びフェースプレート17は互いにフリットガラス等で封着され、リアプレート15と側壁16とフェースプレート17とで外囲器(気密容器)を構成している。
【0202】
また、耐大気圧構造体として、外囲器(気密容器)の内部には薄板状のスペーサ20が設けられている。スペーサ20は絶縁性部材20aの表面に半導電性薄膜20bを成膜した部材からなるもので、耐大気圧性能を維持するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔をおいて、Y方向に平行に配置され、フェースプレート17の内面のメタルバック19および基板11上の列方向配線14の表面にフリットガラス等で封着される。また、半導電性薄膜20bはフェースプレート17の内面のメタルバック19および基板11上の列方向配線14に電気的に接続されている。
【0203】
図27は、図25に示した表示パネルの基板11上に形成されたマルチ電子ビーム源の要部平面図である。
【0204】
上記マルチ電子ビーム源は、ガラス基板等からなる絶縁性の基板11に、M本の行方向配線13とN本の列方向配線14とが、少なくとも両配線の交差部において層間絶縁層(不図示)で電気的に分離されてマトリクス状に配線されている。各行方向配線13と各列方向配線14との間には、それぞれ表面伝導型電子放出素子12が冷陰極素子として電気的に接続されている。行方向配線13と列方向配線14は、それぞれ図25に示した外部端子Dx1〜DxmとDy1〜Dynとして外囲器(気密容器)の外部に引き出されている。
【0205】
以下に述べる各実施例においても、上述の実施例で用いられた、電極間の導電成微粒子膜に電子放出部を有するタイプの表面伝導型電子放出素子12を、N×M個(N=3072、M=1024)、M本の行方向配線とN本の列方向配線とによりマトリクス配線(図25、図27参照)したマルチ電子ビーム源を用いた。
【0206】
まず、微粒子からなる導電性膜がN×M個、マトリクス配線され、配置された基板11’を、上述の実施例にて述べたのと同様の方法(図22参照)にて作製した。ただし、以下に述べる各実施例においては、行方向配線13と列方向配線14との交差部における積層順序は、下から行方向配線13、層間絶縁層、列方向配線14の順となっている。
【0207】
(実施例2−1)
本実施例では、前述した図26に示すスペーサ20を配置した表示パネルを作製した。以下、図25、26を用いて詳述する。まず、前述したとおり、複数の導電性膜(電子放出部形成用膜)をマトリクス配線し、配置した基板11をリアプレート15に固定した。次に、ソーダライムガラスからなる絶縁性部材20aの表面のうち、外囲器(気密容器)内に露出する4面に酸化錫からなる半導電性薄膜20bを成膜したスペーサ20(高さ5mm、板厚200μm、長さ20mm)を、等間隔で前記基板11’上の列方向配線14上に、該列方向配線14と平行に固定した。その後、基板11’の5mm上方に、内面に蛍光膜18とメタルバック19とが付設されたフェースプレート17を側壁16を介し配置し、リアプレート15、フェースプレート17、側壁16およびスペーサ20の接合部を固定した。
【0208】
画像形成部材であるところの蛍光膜18は、図4(A)に示した形状のものを採用し、Y方向に延びるストライプ形状の各色蛍光体21aと各色蛍光体21a間に位置するストライプ形状の黒色の導電体21bを用いた。
【0209】
基板11’とリアプレート15の接合部、リアプレート15と側壁16の接合部、およびフェースプレート17と側壁16の接合部は、フリットガラス(不図示)を塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した。
【0210】
スペーサ20は、基板11’側では列方向配線14(線幅300μm)上に、フェースプレート17側ではメタルバック19面上で、かつ、蛍光膜18の黒色の導電体21b(線幅300μm)領域内(図4(A)参照)に、金属等の導電材を混合した導電性フリットガラス(不図示)を介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで、封着しかつ電気的な接続も行った。
【0211】
また、スペーサ20は、清浄化したソーダライムガラスからなる絶縁性部材20a上に、半導電性薄膜20bとして厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン・酸素雰囲気中で成膜した。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の9乗[Ω/□]であった。
【0212】
なお、前述の封着を行う際には、各色蛍光体21aと基板11’上に配置された前述の電子放出部形成用の各導電性膜とを対応させなくてはいけないため、リアプレート15、フェースプレート17およびスペーサ20は十分な位置合わせを行った。
【0213】
以上のようにして完成した外囲器(気密容器)内の雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dx1〜DxmとDy1〜Dynを通じ、前述の電子放出部形成用の各導電性膜に電圧を印加し、
該電子放出部形成用の導電性膜を通電処理(通電フォーミング処理)することにより導電性膜の各々に電子放出部を形成し、図25および図27に示したような、冷陰極素子12として表面伝導型電子放出素子が複数マトリクス配線されたマルチ電子ビーム源を作製した。通電フォーミング処理は、図12に示した波形の電圧を印加することにより行った。
【0214】
次に、10のマイナス6乗[Torr]程度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着し外囲器(気密容器)の封止を行った。
【0215】
最後に、封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行った。
【0216】
以上のように構成された、図25、図26にに示されるような表示パネルを用いた画像表示装置において、冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック19には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、蛍光体21a(図4(A)参照)を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは3[kV]ないし10[kV]、配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0217】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0218】
(実施例2−2)
本実施例において前述の実施例2−1と異なるのは、図26に示されたスペーサ20の半導電性薄膜20bとして、厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによって酸素雰囲気中で成膜した点である。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の12乗[Ω/□]であった。以上の点を除いては、実施例2−1と同様の表示パネルを作製した。
【0219】
上記スペーサ20を配設した表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック19には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、蛍光体21a(図4(A)参照)を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは3[kV]ないし10[kV]、配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0220】
このとき、半導電性薄膜20bのないスペーサ20を用いた比較実験用の画像表示装置の場合との比較から、本実施例においても帯電防止効果が得られていることが確認できた。
【0221】
(実施例2−3)
本実施例において、前述の実施例2−1と異なるのは、図26に示されたスペーサ20の半導電性薄膜20bとして厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン雰囲気中で成膜した点である。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の7乗[Ω/□]であった。また、本実施例においては、メタルバック19を設けず、代わりにフェースプレート17と蛍光膜18との間にITO膜からなる透明電極を設けた。なお、ITO膜は、黒色の導電体21b(図4(A)参照)および高圧端子Hv(図25参照)と電気的接続が得られるように配置された。以上の点を除いては、実施例2−1と同様の表示パネルを作製した。
【0222】
上記スペーサ20を配設した表示パネルを用いた画像表示装置において、各例陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、前記ITO膜からなる透明電極には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、蛍光体21a(図4(A)参照)を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは1[kV]以下、配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0223】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0224】
(実施例2−4)
本実施例において、前述の実施例2−1と異なるのは、図26に示されたスペーサ20の半導電性薄膜20bとしてドーパントを含む厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによって成膜した点である。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の5乗[Ω/□]であった。また、本実施例においては、メタルバック19を設けず、代わりにフェースプレート17と蛍光膜18との間にITO膜からなる透明電極を設けた。なお、上記ITO膜は、黒色の導電体21b(図4(A)参照)および高圧端子Hvと電気的接続が得られるように配置された。また、蛍光体21a(図4(A)参照)として低速電子線用の蛍光体を用いた。さらに、スペーサ20の高さ、および基板11とフェースプレート17との間の距離を1mmとした。以上の点を除いては、実施例2−1と同様の表示パネルを作製した。
【0225】
上記スペーサ20を配設した表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、前記ITO膜からなる透明電極には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、蛍光体21a(図4(A)参照)を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは10[V]ないし100[V]前後、配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0226】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0227】
以上説明した(実施例2−1)〜(実施例2−4)の各実施例の画像表示装置においては、次のような効果を有する。
【0228】
まず、防止すべき帯電はスペーサ20の表面で発生するので、スペーサ20としてはその表面部でのみ帯電防止機能を持てば十分である。従って、以上の実施例では、スペーサ20をなす部材として、絶縁性部材20aを用い、絶縁性部材20aの表面に半導電性薄膜20bを形成した。これにより、スペーサ20の表面での帯電を中和するには十分な低抵抗値を持ち、かつ装置全体の消費電力を極端に増加させない程度のリーク電流量に留めたスペーサ20を実現できた。すなわち、表面伝導型電子放出素子のような冷陰極の特徴である発熱の少なさを損なうことなく、薄型・大面積の画像形成装置が得られた。
【0229】
次に、スペーサ20の形状として、図25、26の基板11およびフェースプレート17の法線方向に対して、その断面形状が一様である平板状のものを採用したので、スペーサ20自体によって電界が乱れることはない。従って、スペーサ20が冷陰極素子12からの電子軌道を遮らない限り、スペーサ20と冷陰極素子12を近接して配置できるので、スペーサ20と直交するY方向に対して冷陰極素子12を高密度に配置できた。しかも、リーク電流はスペーサ20の断面の大部分を占める絶縁性部材20aには流れないので、基板11または、フェースプレート17に対してスペーサ20を尖状にして接合を行うなどの工夫をしなくても少ないリーク電流に抑えることができた。
【0230】
また、蛍光膜18は、図4(A)に示した形状のものを採用し、Y方向に延びるストライプ形状の各色蛍光体(R、G、B)21aと各色蛍光体21a間に位置するストライプ形状の黒色の導電体21bを用いたので、冷陰極素子12をY方向に高密度に配置しても、表示画像の輝度を損なうことがなかった。
【0231】
また、各スペーサ20は、基板10側では1本の列方向配線14上に電気的に接続されており、基板11上の配線間での不要な電気的結合を避けることができた。
【0232】
また、所望の半導電性薄膜20bを設けることで以上の効果を示し、帯電を防止するための複雑な付加構造を必要としない本発明に係るスペーサ20を、本出願人の提案による表面伝導型電子放出素子による単純マトリクス配線にしたマルチ電子ビーム源を用いた画像表示装置に適用することにより、簡単な装置構成でありながら高品位な画像を形成できる薄型・大面積の画像形成装置を提供できた。
【0233】
さらに、以下で、本発明に係る別の実施例について説明する。
【0234】
図28は、本発明に係る表示パネルのさらに別の実施例の一部を破断した斜視図である。
【0235】
図28に示した表示パネルは、以上でこれまでに述べた実施例とは、スペーサ20の形状が柱状である点で相違する。
【0236】
図28において、リアプレート15には、複数の冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12がマトリクス配線されて配置された基板11が固定されている。フェースプレート17の内面には、蛍光膜18と加速電極であるメタルバック17が形成されており、該フェースプレート17は、前記基板11と、両者の間に絶縁性材料からなる側壁16を介して対向配置されている。基板11とメタルバック19の間には、不図示の電源により高電圧が印加される。これらリアプレート15、側壁16及びフェースプレート17は互いにフリットガラス等で封着され、リアプレート15と側壁16とフェースプレート17とで外囲器(気密容器)を構成している。
【0237】
また、耐大気圧構造体として、外囲器(気密容器)の内部には柱状のスペーサ20が設けられている。この柱状のスペーサ20もまた、前述の実施例と同様に、絶縁性部材の表面に半導電性の薄膜を成膜した部材からなるもので、耐大気圧性能を維持するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔をおいて配置され、フェースプレート17の内面のメタルバック19および基板11上の行方向配線13の表面にフリットガラス等で封着される。また、半導電性薄膜はフェースプレート17の内面のメタルバック19及び基板11上の行方向配線13に電気的に接続されている。
【0238】
その他の構成は、上述した(実施例1−1)〜(実施例1−4)と同様であるので、その説明は省略する。
【0239】
まず、微粒子からなる導電性膜がN×M個、マトリクス配線され、配置された基板11を、上述の実施例と同様の方法(図22参照)にて作製した。
【0240】
(実施例3)
本実施例では、前述した図28に示すスペーサ20を配置した表示パネルを作製した。まず、前述のとおり、複数の導電性膜(電子放出部形成用膜)をマトリクス配線し、配置した基板をリアプレート15に固定した。次に、ソーダライムガラスからなる絶縁性部材の表面のうち、外囲器内に露出する面に酸化錫からなる半導電性薄膜を成膜した円柱状のスペーサ20(高さ5mm、半径100μm)を、基板11の行方向配線13上に等間隔で固定した。その後、基板11の5mm上方に、内面に蛍光膜18とメタルバック19とが付設されたフェースプレート17を側壁16を介し配置し、リアプレート15、フェースプレート17、側壁16およびスペーサ20の接合部を固定した。
【0241】
基板11とリアプレート15の接合部、リアプレート15と側壁16の接合部、およびフェースプレート17と支持枠16の接合部は、フリットガラス(不図示)を塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した。
【0242】
スペーサ20は、基板11側では行方向配線13(線幅300μm)上に、フェースプレート17側ではメタルバック19面上で、かつ、黒色の導電体(線幅300μm)領域内に、金属等の導電材を混合した導電性フリットガラス(不図示)を介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで、封着しかつ電気的な接続も行った。
【0243】
スペーサ20は、清浄化したソーダライムガラスからなる絶縁性部材上に、半導電性薄膜として厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン・酸素雰囲気中で成膜した。このとき、半導電性薄膜の表面抵抗値は、約10の9乗[Ω/□]であった。
【0244】
なお、前述の封着を行う際には、各色蛍光体21aと基板11’上に配置された前述の電子放出部形成用の各導電性膜とを対応させなくてはいけないため、リアプレート15、フェースプレート17およびスペーサ20は十分な位置合わせを行った。
【0245】
以上のようにして完成した外囲器(気密容器)内の雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dx1〜DxmとDy1〜Dynを通じ、前述の電子放出部形成用の各導電性膜に電圧を印加し、該電子放出部形成用の導電性膜を通電処理(通電フォーミング処理)することにより導電性膜の各々に電子放出部を形成し、図28に示したような、冷陰極素子12として表面伝導型電子放出素子が複数マトリクス配線されたマルチ電子ビーム源を作製した。通電フォーミング処理は、図12に示した波形の電圧を印加することにより行った。
【0246】
次に、10のマイナス6乗[Torr]程度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着し外囲器(気密容器)の封止を行った。
【0247】
最後に、封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行った。
【0248】
以上のように構成された、図28に示されるような表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック19には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、蛍光体を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは3[kV]ないし10[kV]、配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0249】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0250】
以上説明した実施例3の画像表示装置においては、次のような効果を有する。
【0251】
まず、防止すべき帯電はスペーサ20の表面で発生するので、スペーサ20としてはその表面部でのみ帯電防止機能を持てば十分である。従って、本実施例では、スペーサ20をなす部材として、絶縁性部材を用い、絶縁性部材の表面に半導電性薄膜を形成した。これにより、スペーサ20の表面での帯電を中和するには十分な低抵抗値を持ち、かつ装置全体の消費電力を極端に増加させない程度のリーク電流量に留めたスペーサ20を実現できた。すなわち、表面伝導型電子放出素子のような冷陰極の特徴である発熱の少なさを損なうことなく、薄型・大面積の画像形成装置が得られた。
【0252】
次に、スペーサ20の形状として、基板11およびフェースプレート17の法線方向に対して、その断面形状が一様である柱状のものを採用したので、スペーサ20自体によって電界が乱れることはない。従って、スペーサ20が冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12からの電子軌道を遮らない限り、スペーサ20と該冷陰極素子12を近接して配置できるので、X方向およびY方向に対して冷陰極素子12を高密度に配置できた。しかも、リーク電流はスペーサ20の断面の大部分を占める絶縁性部材には流れないので、基板11または、フェースプレート17に対してスペーサ20を尖状にして接合を行うなどの工夫をしなくても少ないリーク電流に抑えることができた。
【0253】
また、各スペーサ20は、基板11側では1本の行方向配線13上に電気的に接続されており、基板11上の配線間での不要な電気的結合を避けることができた。
【0254】
また、所望の半導電性薄膜を設けることで以上の効果を示し、帯電を防止するための複雑な付加構造を必要としない本発明に係るスペーサ20を、本出願人の提案による表面伝導型電子放出素子を単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源を用いた画像表示装置に適用することにより、簡単な装置構成でありながら高品位な画像を形成できる薄型・大面積の画像形成装置を提供できた。
【0255】
さらに、以下で詳述する実施例は、以上で述べた実施例とは、図29、図30に示すとおり、側壁16を冷陰極素子12に出来るだけ近接して設置するとともに、側壁16の内面側に半導電性薄膜16bを成膜した点において異なっている。
【0256】
なお、図29は、以下で述べる実施例の画像表示装置で用いられる表示パネルの一部を破断した斜視図であり、図30は、図29に示した表示パネルの要部断面図(E−E′断面の一部)である。
【0257】
図29および図30において、リアプレート15には、複数の冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12がマトリクス配線されて配置された基板11が固定されている。フェースプレート17の内面には、蛍光膜18と加速電極であるメタルバック19が形成されており、該フェースプレート17は、基板11と、両者の間に側壁16を介して対向配置されている。基板11とメタルバック19の間には、不図示の電源により高電圧が印加される。これらリアプレート15、側壁16およびフェースプレート17は互いにフリットガラス等で封着され、リアプレート15と側壁16とフェースプレート17とで外囲器(気密容器)を構成している。また、耐大気圧構造体として、外囲器の内部には薄板状のスペーサ20が設けられている。
【0258】
スペーサ20は絶縁性部材20aの表面に半導電性薄膜20bを成膜した部材からなるもので、耐大気圧性能を維持するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔をおいて、X方向に平行に配置され、フェースプレート17の内面のメタルバック19および基板11上の行方向配線13の表面にフリットガラス等で封着される。また、半導電性薄膜20bはフェースプレート17の内面のメタルバック19および基板11上の行方向配線13に電気的に接続されている。
【0259】
側壁16は絶縁性部材の内面側に半導電性薄膜16bを成膜した部材からなる。また、半導電性薄膜16bはリアプレート15の内面の不図示の引き出し電極およびフェースプレート17の内面の、高圧端子Hvに接続された不図示の引き出し配線に電気的に接続されている。
【0260】
その他の構成は上述の他の実施例と同様であるので、その説明は省略する。
【0261】
以下に述べる各実施例においても、上述の実施例で用いられた、電極間の導電成微粒子膜に電子放出部を有するタイプの表面伝導型電子放出素子12を、N×M個(N=3072、M=1024)、M本の行方向配線とN本の列方向配線とによりマトリクス配線(図29参照)したマルチ電子ビーム源を用いた。
【0262】
まず、微粒子からなる導電性膜がN×M個、マトリクス配線され、配置された基板11を、上述の実施例にて述べたのと同様の方法(図22参照)にて作製した。
【0263】
(実施例4)
本実施例では、前述した図30に示すスペーサ20と半導電性薄膜16bとを配置した表示パネルを作製した。以下、図29、図30を用いて詳述する。まず、前述したとおり、複数の導電性膜(電子放出部形成用膜)マトリクス配線し、配置した基板11をリアプレート15に固定した。次に、ソーダライムガラスからなる絶縁性部材20aの表面のうち、外囲器(気密容器)内に露出する4面に酸化錫からなる半導電性薄膜20bを成膜したスペーサ20(高さ5mm、板厚200μm、長さ20mm)を、等間隔で前記基板11上の行方向配線13上に、該行方向配線13と平行に固定した。その後、基板11の5mm上方に、内面に蛍光膜18とメタルバック19とが付設されたフェースプレート17を側壁16を介し配置し、リアプレート15、フェースプレート17、側壁16およびスペーサ20の接合部を固定した。側壁16は、各冷陰極素子12から放出される電子軌道を遮らない限り、基板11の前記電子放出部形成用膜、及びフェースプレート17の蛍光膜18に出来るだけ近付けて配置した。
【0264】
基板11とリアプレート15の接合部は、フリットガラス(不図示)を塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した。
【0265】
また、スペーサ20は、基板11側では行方向配線13(線幅300μm)上に、フェースプレート17側ではメタルバック19面上で、かつ、蛍光膜18の黒色の導電体(線幅300μm)領域内に、金属等の導電材を混合した導電性フリットガラス(不図示)を介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで、封着しかつ電気的な接続も行った。
【0266】
また、リアプレート15と側壁16の接合部、およびフェースプレート17と側壁16の接合部も、金属等の導電材を混合した導電性フリットガラス(不図示)を介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで、封着しかつ電気的な接続も行った。側壁16の半導電性薄膜164bは、リアプレート15側ではアース電位に電気的に接続し、フェースプレート17側では高圧端子Hvに電気的に接続した。
【0267】
スペーサ20は、清浄化したソーダライムガラスからなる絶縁性部材20a上に、半導電性薄膜20bとして厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン・酸素雰囲気中で成膜した。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の9乗[Ω/□]であった。
【0268】
側壁16は、清浄化したソーダライムガラスからなる絶縁性部材の内面上に、半導電性薄膜16bとして厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン・酸素雰囲気中で成膜した。このとき、半導電性薄膜16bの表面抵抗値は、約10の9乗[Ω/□]であった。
【0269】
画像形成部材であるところの蛍光膜18は、図24に示すように、各色蛍光体(R、G、B)21aがY方向に延びるストライプ形状を採用し、黒色の導電体21bとしては各色蛍光体21aのR、G、B間だけでなく、Y方向の各画素間をも分離するように配置された蛍光膜が用いられ、スペーサ20は、X方向に平行な黒色の導電体21b領域(線幅300μm)内にメタルバック19を介して配置された。
【0270】
なお、前述の封着を行う際には、各色蛍光体21aと基板11’上に配置された前述の電子放出部形成用の各導電性膜4(図22(h)参照)とを対応させなくてはいけないため、リアプレート15、フェースプレート17およびスペーサ20は十分な位置合わせを行った。
【0271】
以上のようにして完成した外囲器(気密容器)内の雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dx1〜DxmとDy1〜Dynを通じ、前述の電子放出部形成用の各導電性膜4に電圧を印加し、該電子放出部形成用の導電性膜4を通電処理(通電フォーミング処理)することにより導電性膜4の各々に電子放出部を形成し、図29に示したような、冷陰極素子12として表面伝導型電子放出素子が複数マトリクス配線されたマルチ電子ビーム源を作製した。通電フォーミング処理は、図12に示した波形の電圧を印加することにより行った。
【0272】
次に、10のマイナス6乗[Torr]程度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着し外囲器(気密容器)の封止を行った。
【0273】
最後に、封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行った。
【0274】
以上のように完成した、図29、図30に示されるような表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック19には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、各色蛍光体(図24のR、G、B)を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは3[kV]ないし10[kV]、配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0275】
このとき、スペーサ20および側壁16に近い位置にある冷陰極素子12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しかつ側壁16を冷陰極素子12に近接して配置しても、電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0276】
以上説明した実施例4の画像表示装置においては、前述した各実施例で説明した効果に加えて、次のような効果を有する。
【0277】
まず、防止すべき帯電は基板11上の冷陰極素子12に近接して配置した側壁16の表面で発生するので、側壁16としてはその表面部でのみ帯電防止機能を持てば十分である。従って、側壁16をなす部材として、絶縁性部材を用い、絶縁性部材の表面に半導電性薄膜16を形成した。これにより、側壁16の表面での帯電を中和するには十分な低抵抗値を持ち、かつ装置全体の消費電力を極端に増加させない程度のリーク電流量に留めた側壁16を実現できた。すなわち、表面伝導型電子放出素子のような冷陰極の特徴である発熱の少なさを損なうことなく、薄型・大面積の画像形成装置が得られた。
【0278】
また、上述の側壁16を用いることにより、画像表示領域の周辺領域の部分を小さくできるので、装置全体を小型化できた。
【0279】
さらに以下で、本発明に係る別の実施例について説明する。
【0280】
図31は、本発明に係る表示パネルのさらに別の実施例の一部を破断した斜視図である。
【0281】
図31に示した表示パネルは、以上でこれまでに述べた実施例とは、スペーサ20と基板11側(例えば行方向配線13)との当接部、およびスペーサ20とフェースプレート17側(例えばメタルバック19)との当接部に、機械的固定と電気的接続とを良好にするための当接部材40を設けた点で相違する。
【0282】
図31において、リアプレート15には、複数の冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12がマトリクス配線され配置された基板11が固定されている。フェースプレート17の内面には、蛍光膜18と加速電極であるメタルバック19が形成されており、該フェースプレート17は、基板11と、両者の間に絶縁性材料からなる側壁16を介して対向配置されている。基板11とメタルバック19の間には、不図示の電源により高電圧が印加される。これらリアプレート15、側壁16及びフェースプレート17は互いにフリットガラス等で封着され、リアプレート15と側壁16とフェースプレート17とで外囲器(気密容器)を構成している。
【0283】
また、外囲器(気密容器)の内部には、耐大気圧構造体として薄板状のスペーサ20が設けられている。本実施例においてスペーサ20は、絶縁性部材20aの全表面に半導電性薄膜20bを成膜し、かつ、基板11側およびフェースプレート17側に対向する面に導電性膜(以後、「スペーサ電極」と呼ぶ)20cを形成した部材からなるもの(図7(c)参照)で、耐大気圧のために必要な数だけ、かつ必要な間隔をおいて行方向配線13に平行に配置される。スペーサ20において、半導電性薄膜20bとスペーサ電極20c間は、両者の接触によって、良好な電気的導通が得られている。
【0284】
上記スペーサ20は、当接部材40を介して、フェースプレート17の内面のメタルバック19および基板11上の行方向配線13の表面に固定されている。また、スペーサ20の表面の半導電性薄膜20bは、前記当接部材40を介して、フェースプレート17の内面のメタルバック19および基板11上の行方向配線13に電気的に接続されている。
【0285】
以下に述べる各実施例においても、上述の実施例で用いられた、電極間の導電成微粒子膜に電子放出部を有するタイプの表面伝導型電子放出素子12を、N×M個(N=3072、M=1024)、M本の行方向配線とN本の列方向配線とによりマトリクス配線(図31参照)したマルチ電子ビーム源を用いた。
【0286】
また、該マルチ電子ビーム源の作製方法については、上述の実施例と同様の方法にて行われるので、以下、その詳述は省略する。
【0287】
(実施例5−1)
本実施例では、図31に示す当接部材40として、機械的固定機能と電気的接続機能の両機能を兼ねる当接部材を用いた。また、図31に示すスペーサ20として、図7(c)に示すような、半導電性薄膜20bとスペーサ電極20cを有するスペーサを用いた。図32の(a)、(b)は、各々、本実施例の画像表示装置の図31のF−F’断面図およびG−G’断面図を示す。
【0288】
本実施例に用いるスペーサ20(図7(c)参照)は、以下の方法で作製した。まず、清浄化したソーダライムガラスからなる絶縁性部材20aの表面全体に、半導電性薄膜20bとして厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン・酸素雰囲気中で成膜した。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の9乗[Ω/□]であった。次に、スペーサ電極20cとして厚さ20[オングストローム]のTiおよび厚さ1000[オングストローム]のAuを、スパッタリングによって順次積層して成膜した。以上の工程において、半導電性薄膜20bとスペーサ電極20cの電気的接続も得られた。
【0289】
次に、気密容器は以下の手順で作製した。
【0290】
まず、上記方法で作製したスペーサ20(高さ5mm、板厚200μm、長さ20mm)を、フェースプレート17に形成されたメタルバック19面に、金属等の導電材を混合した導電性フリットガラスすなわち当接部材40を介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成・封着することで、機械的固定および電気的接続を行った。なお、本実施例において用いられた蛍光膜18は、図4(A)に示される蛍光膜であり、上記スペーサ20は、該蛍光膜18の黒色の導電体21bの領域(線幅300μm)内に、上記メタルバック19を介して配置された。
【0291】
次に、基板11とリアプレート15との接合部、リアプレート15と側壁16の接合部、およびフェースプレート17と側壁16の接合部は、フリットガラスガラス(不図示)を塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した。このとき、基板11側のスペーサ電極20cも、行方向配線13(線幅300μm)上に金属等の導電材を混合した導電性フリットガラスすなわち当接部材40を介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成・封着することで、機械的固定および電気的接続を行った。
【0292】
前述の封着を行う際、各色蛍光体21a(図4(A)参照)と冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12とを対応させなくてはいけないため、基板11、リアプレート15、フェースプレート17およびスペーサ20は十分な位置合わせを行った。
【0293】
以上のようにして作製した気密容器において、前述した実施例同様に真空排気、フォーミング処理、活性化処理、封止、ゲッター処理等を行った。
【0294】
以上のように完成した表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック19には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、各色蛍光体21aを励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hv への印加電圧Vaは3[kV]ないし10[kV]、各配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0295】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0296】
参考例1)本参考例では、図31に示す当接部材40として、図33に示すように、機械的固定部40aと電気的接続部40bとを別手段として有する当接部材を用いた点で、実施例5−1と異なる。図33の(a)、(b)は、各々、本参考例の画像表示装置の図31のF−F'断面図およびG−G'断面図を示す。
【0297】
参考例に用いるスペーサ20(図7(c)参照)は、以下の方法で作製した。まず、清浄化したソーダライムガラスからなる絶縁性部材20aの表面全体に、半導電性薄膜20bとして厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン・酸素雰囲気中で成膜した。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の9乗[Ω/□]であった。次に、スペーサ電極20cとして厚さ20[オングストローム]のTiおよび厚さ1000[オングストローム]のAuを、スパッタリングによって順次積層して成膜した。以上の工程において、半導電性薄膜20bとスペーサ電極20cの電気的接続も得られた。
【0298】
次に、気密容器は以下の手順で作製した。
【0299】
まず、上記方法で作製したスペーサ20(高さ5mm、板厚200μm、長さ20mm)を、フェースプレート17に形成されたメタルバック19面に、機械的固定部40aをなすフリットガラスおよび電気的接続部40bをなす金属等の導電材を混合した導電性フリットガラスを介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成・封着することで、機械的固定および電気的接続を行った。なお、本参考例において用いられた蛍光膜18は、図4(A)に示される蛍光膜であり、上記スペーサ20は、該蛍光膜18の黒色の導電体21bの領域(線幅300μm)内に、上記メタルバック19を介して配置された。
【0300】
次に、基板11とリアプレート15の接合部、リアプレート15と側壁16の接合部およびフェースプレート17と側壁16の接合部は、フリットガラスガラス(不図示)を塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した。このとき、基板11側のスペーサ電極20cも、行方向配線13(線幅300μm)上に、機械的固定部40aをなすフリットガラスおよび電気的接続部40bをなす金属等の導電材を混合した導電性フリットガラスを介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成・封着することで、機械的固定および電気的接続を行った。
【0301】
前述の封着を行う際、各色蛍光体21a(図4(A)参照)と冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12とを対応させなくてはいけないため、基板11、リアプレート15、フェースプレート17およびスペーサ20は十分な位置合わせを行った。
【0302】
以上のようにして作製した気密容器において、前述した実施例同様に真空排気、フォーミング処理、活性化処理、封止、ゲッター処理等を行った。
【0303】
以上のように完成した表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック19には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、各色蛍光体21aを励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hv への印加電圧Vaは3[kV]ないし10[kV]、各配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0304】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0305】
参考例2)本参考例では、図31に示す当接部材40として、図34に示すように、機械的固定を行った後に、当接面およびその側面の一部に導電性材料を形成することにより電気的接続を行う構成を用いた。一方、基板11側においては、機械的固定機能と電気的接続機能の両機能を兼ねる当接部材を用いた。なお、フェースプレート17側の電気的接続のための導電材料の形成は、気密容器形成工程中に行った。図34の(a)、(b)は、各々、本参考例の画像表示装置の図31のF−F'断面図およびG−G'断面図を示す。
【0306】
参考例に用いるスペーサ20(図7(c)参照)は、以下の方法で作製した。まず、清浄化したソーダライムガラスからなる絶縁性部材20aの表面全体に、半導電性薄膜20bとして厚さ1000[オングストローム]の酸化錫を、電子ビーム法を用いたイオンプレーティングによってアルゴン・酸素雰囲気中で成膜した。このとき、半導電性薄膜20bの表面抵抗値は、約10の9乗[Ω/□]であった。次に、スペーサ電極20cとして厚さ20[オングストローム]のTiおよび厚さ1000[オングストローム]のAuを、スパッタリングによって順次積層して成膜した。以上の工程において、半導電性薄膜20bとスペーサ電極20cの電気的接続も得られた。
【0307】
次に、気密容器は以下の手順で作製した。
【0308】
まず、上記方法で作製したスペーサ20(高さ5mm、板厚200μm、長さ20mm)を、フェースプレート17に形成されたメタルバック19面に、機械的固定部40aをなすフリットガラスを介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成・封着することで、機械的固定を行った。次に、ディスペンサ等の塗布装置を用いて、機械的固定部40aの表面およびメタルバック19面と半導電性膜20bにまたがって、電気的接続部40bをなすAgペーストを塗布し、大気中で焼成することにより電気的接続を行った。なお、本参考例においても、図4(A)に示す蛍光膜が用いられ、上記スペーサ20は、該蛍光膜18の黒色の導電体21bの領域(線幅300μm)内に、上記メタルバック19を介して配置された。
【0309】
次に、基板11とリアプレート15との接合部、リアプレート15と側壁16の接合部、よびフェースプレート17と側壁16の接合部は、フリットガラスガラス(不図示)を塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した。このとき、基板11側のスペーサ電極20cも、行方向配線13(線幅300μm)上に、機械的固定機能を有するフリットガラスおよび電気的接続機能を有する金属等の導電材を混合した導電性フリットガラスすなわち当接部材40を介して配置し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成・封着することで、機械的固定および電気的接続を行った。
【0310】
前述の封着を行う際、各色蛍光体21a(図4(A)参照)と冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12とを対応させなくてはいけないため、基板11、リアプレート15、フェースプレート17およびスペーサ20は十分な位置合わせを行った。
【0311】
以上のようにして作製した気密容器において、前述した実施例同様に真空排気、フォーミング処理、活性化処理、封止、ゲッター処理等を行った。
【0312】
以上のように完成した表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12には、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック19には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜18に電子を衝突させ、各色蛍光体21aを励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hv への印加電圧Vaは3[kV]ないし10[kV]、各配線13、14間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0313】
このとき、スペーサ20に近い位置にある冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)12からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0314】
以上説明した(実施例5−1)の画像表示装置においては、(実施例1−1)〜(実施例1−4)で説明した効果に加えて、次のような効果を奏する。
【0315】
まず、スペーサ20上に形成された半導電性薄膜20bは、基板11上およびフェースプレート17上に電気的に接続する必要があるが、スペーサ電極20cを設けることにより、スペーサ20の当接面全体の電位を安定して一定値に保つことができるので、スペーサ電極20cに電気的に接続された半導電性薄膜20bの電位分布をより確実に所望の値に保つことができる。
【0316】
加えて、機械的固定機能と電気的接続機能とを有する当接部材40を配置することにより、スペーサ20の機械的固定および電気的接続の両機能をより確実なものとすることができる。
【0317】
また、電気的接続部は1箇所あればよいが、各々のスペーサ20につき少なくとも3箇所設けることにより、電気的接続をより確実に行うことができる。
【0319】
(実施例6)
図35は、本発明の画像形成装置に、例えばテレビジョン放送をはじめとする種々の画像情報源より提供される画像情報を表示できるように構成した画像表示装置の一例を示すための図である。なお、本表示装置は、例えばテレビジョン信号のように映像情報と音声情報の両方を含む信号を受信する場合には、当然映像の表示と同時に音声を再生するものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声情報の受信、分離、再生、処理、記憶等に関する回路やスピーカー等については説明を省略する。
【0320】
以下、画像信号の流れに沿って各部を説明してゆく。
【0321】
まず、TV信号受信回路513は、例えば電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回路である。受信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、例えば、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式などの諸方式でも良い。また、これらよりさらに多数の走査線よりなるTV信号(例えばMUSE方式を始めとするいわゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数化に適した本発明の画像形成装置を用いたディスプレイパネル500の利点を生かすのに好適な信号源である。TV信号受信回路513で受信されたTV信号は、デコーダ504に出力される。
【0322】
また、画像TV信号受信回路512は、例えば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回路である。TV信号受信回路513と同様に、受信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、また本回路で受信されたTV信号もデコーダ504に出力される。
【0323】
また、画像入力インターフェース回路511は、例えばTVカメラや画像読取スキャナーなどの画像入力装置から供給される画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に出力される。
【0324】
また、画像メモリインターフェース回路510は、ビデオテープレコーダ(以下TVRと略す)に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に出力される。
【0325】
また、画像メモリインターフェース回路509は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に出力される。
【0326】
また、画像メモリインターフェース回路508は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像データを記憶している装置から画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ504に出力される。
【0327】
また、入出力インターフェース回路505は、本表示装置と、外部のコンピュータ、コンピュータネットワークもしくはプリンタなどの出力装置とを接続するための回路である。画像データや文字・図形情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場合によっては本表示装置の備えるCPU506と外部との間で制御信号や数値データの入出力などを行うことも可能である。
【0328】
また、画像生成回路507は、入出力インターフェース回路505を介して外部から入力される画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU506より出力される画像データや文字・図形情報に基づき表示用画像データを生成するための回路である。本回路の内部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積するための書き換え可能メモリや、文字コードに対応する画像パターンが記憶されている読み出し専用メモリや、画像処理を行うためのプロセッサなどを初めとして画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
【0329】
画像生成回路507により生成された表示用画像データは、デコーダ504に出力されるが、場合によっては入出力インターフェース回路505を介して外部のコンピュータネットワークやプリンタに出力することも可能である。
【0330】
また、CPU506は、主として本表示装置の動作制御や、表示画像の生成、選択、編集に関わる作業を行なう。
【0331】
例えば、マルチプレクサ503に制御信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を適宜選択したり組み合わせたりする。また、その際には表示する画像信号に応じてディスプレイパネルコントローラ502に対して制御信号を発生し、画像表示周波数や走査方法(例えばインターレースかノンインターレースか)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制御する。
【0332】
また、画像生成回路507に対して画像データや文字・図形情報を直接出力したり、あるいは入出力インターフェース回路505を介して外部のコンピュータやメモリをアクセスして画像データや文字・図形情報を入力する。
【0333】
なお、CPU506は、むろんこれ以外の目的の作業にも関わるものであってもよい。例えば、パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのように、情報を生成したり処理する機能に直接関わってもよい。
【0334】
あるいは、前述したように入出力インターフェース回路505を介して外部のコンピューターネットワークと接触し、例えば数値計算などの作業を外部機器と協同して行なってもよい。
【0335】
また、入力部514は、CPU506に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなどを入力するためのものであり、例えばキーボードやマウスの他、ジョイステック、バーコードリーダー、音声認識装置など多様な入力機器を用いることが可能である。
【0336】
また、デコーダ504は、画像生成回路507ないしTV信号受信回路513より入力される種々の画像信号を3原色信号、または輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回路である。なお、同図中に点線で示すように、デコーダ504は内部に画像メモリを備えるのが望ましい。これは、例えばMUSE方式をはじめとして、逆変換するに際して画像メモリを必要とするようなテレビ信号を扱うためである。また、画像メモリを備えることにより、静止画の表示が容易になる、あるいは画像生成回路507およびCPU506と協同して画像の間引き、補間、拡大、縮小、合成をはじめとする画像処理や編集が容易に行なえるようになるという利点が生まれるからである。
【0337】
また、マルチプレクサ503はCPU506より入力される制御信号に基づき表示画像を適宜選択するものである。すなわち、マルチプレクサ503はデコーダ504から入力される逆変換された画像信号のうちから所望の画像信号を選択して駆動回路501に出力する。その場合には、一画面表示時間内で画像信号を切り換えて選択することにより、いわゆる多画面テレビのように、一画面を複数の領域に分けて領域によって異なる画像を表示することも可能である。
【0338】
また、ディスプレイパネルコントローラ502は、CPU506より入力される制御信号に基づき駆動回路501の動作を制御するための回路である。
【0339】
まず、ディスプレイパネル500の基本的な動作に関わるものとして、例えばディスプレイパネル500の駆動用電源(不図示)の動作シーケンスを制御するための信号を駆動回路501に対して出力する。
【0340】
また、ディスプレイパネル500の駆動方法に関わるものとして、例えば画面表示周波数や走査方法(例えばインターレースかノンインターレースか)を制御するための信号を駆動回路501に対して出力する。
【0341】
また、場合によっては表示画像の輝度、コントラスト、色調、シャープネスといった画質の調整に関わる制御信号を駆動回路501に対して出力する場合もある。
【0342】
また、駆動回路501は、ディスプレイパネル500に印加する駆動信号を発生するための回路であり、マルチプレクサ503から入力される画像信号と、ディスプレイパネルコントローラ502より入力される制御信号に基づいて動作するものである。
【0343】
以上、各部の機能を説明したが、図35に例示した構成により、本表示装置においては多様な画像情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル500に例示することが可能である。すなわち、テレビジョン放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ504において逆変換された後、マルチプレクサ503において適宜選択され、駆動回路501に入力される。一方、ディスプレイコントローラ502は、表示する画像信号に応じて駆動回路501の動作を制御するための制御信号を発生する。駆動回路501は、上記画像信号と制御信号に基づいてディスプレイパネル500に駆動信号を印加する。これにより、ディスプレイパネル500において画像が表示される。これらの一連の動作は、CPU506により統括的に制御される。
【0344】
また、本表示装置においては、デコーダ504に内蔵する画像メモリや、画像生成回路507およびCPU506が関与することにより、単に複数の画像情報の中から選択したものを表示するだけでなく、表示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回転、移動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像の縦横比変換などをはじめとする画像処理や、合成、消去、接続、入れ替え、はめ込みなどをはじめとする画像編集を行なうことも可能である。また、本実施例の説明では、特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集と同様に、音声情報に関しても処理や編集を行なうための専用回路を設けてもよい。
【0345】
従って、本表示装置は、テレビジョン放送の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び動画像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機器、ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、ゲーム機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用あるいは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0346】
尚、上記図35は、本発明による画像形成装置を用いた表示装置の構成の一例を示したに過ぎず、これのみに限定されるものでないことは言うまでもない。例えば図35の構成要素のうち使用目的上必要のない機能に関わる回路は省いても差し支えない。またこれとは逆に、使用目的によってはさらに構成要素を追加してもよい。例えば、本表示装置をテレビ電話機として応用する場合には、テレビカメラ、音声マイク、照明機、モデムを含む送受信回路などを構成要素に追加するのが好適である。
【0347】
本表示装置においては、とりわけ本発明による画像形成装置の薄型化が容易なため、表示装置の奥行きを小さくすることができる。それに加えて、大画面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、本表示装置は臨場感あふれ迫力に富んだ画像を視認性良く表示することが可能である。
【0348】
(その他の実施例)
本発明は、冷陰極型電子放出素子であれば、表面伝導型電子放出素子に限らず、いずれの電子放出素子に対しても適用できる。具体例としては、本出願人による特開昭63−274047号公報に記載されたような、対向する一対の電極を電子源を成す基板面に沿って構成した電界放出型(FE型)の電子放出素子や、金属/絶縁層/金属型(MIM型)がある。
【0349】
また、本発明は、単純マトリクス型以外の電子源を用いた画像形成装置に対しても適用できる。例えば、本出願人による特開平2−257551号公報等に記載されたような制御電極を用いて表面伝導型電子放出素子の選択を行う画像形成装置において、フェースプレートと制御電極間、あるいは電子源と制御電極間等に上記のような支持部材を用いた場合である。
【0350】
さらに、上述した実施例では、スペーサや側壁は、絶縁性部材の表面に半導電性膜を形成したものの例を示したが、スペーサや側壁自体が半導電性を有するものであってもよい。この場合は、もちろんスペーサや側壁の表面に半導電性膜を形成する必要はない。
【0351】
また、本発明の思想によれば、表示用として好適な画像形成装置に限るものでなく、感光性ドラムと発光ダイオード等で構成された光プリンタの発光ダイオード等の代替の発光源として、上述の画像形成装置を用いることもできる。またこの際、上述のM本の行方向配線とN本の列方向配線を、適宜選択することで、ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても応用できる。この場合、画像形成部材としては、以上の実施例で用いた蛍光体のような、直接発光する物質に限るものではなく、電子の帯電による潜像画像が形成されるような部材を用いることもできる。
【0352】
また、本発明の思想によれば、例えば電子顕微鏡等のように、電子源からの放出電子の被照射部材が、画像形成部材以外の部材である場合についても、本発明は適用できる。従って、本発明は被照射部材を特定しない電子線発生装置としての形態もとり得る。
【0353】
【発明の効果】
本発明は以上説明したとおり構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0354】
本発明の電子線装置は、半導電性を有するスペーサ、電子源および電極に対して電気的に接続されることにより、スペーサの帯電が防止され、電子放出素子から放出される電子軌道のずれを防止できる。
【0355】
しかも、スペーサの、他の部材との当接を、機械的固定機能と電気的接続機能とを兼ね備える当接部材や導電性フリットガラスによって行うことで、スペーサの上記電気的接続を良好に行いつつも、機械的接合強度を保つことができる。
【0357】
また、電子放出素子として冷陰極型の電子放出素子を用いることで、省電力で応答速度が速く、しかも大型の電子線装置を構成することができる。その中でも特に表面伝導型電子放出素子は、素子構造が単純で、かつ複数の素子を容易に配置することができるので、電子放出素子として表面伝導型電子放出素子を用いることで、構造が簡単で、しかも大型の電子線装置が達成できる。
【0358】
また、電子源が、配線にて結線された複数の電子放出素子を有したものとし、さらに、スペーサを矩形状とし、その長手方向と配線とが平行になるように配置することで、電子放出素子からの電子軌道を遮ることなくスペーサを配置することができる。
【0359】
特に、本発明の画像形成装置を、電子をターゲットに照射して画像を形成する画像形成装置に適用することによって、上述したように電子放出素子から放出される電子の軌道が安定し、発光位置のずれのない良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示した画像形成装置のスペーサ近傍のA−A′線断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一部を破断した斜視図である。
【図3】図1に示した画像形成装置の電子源の要部平面図である。
【図4】蛍光膜の構成を説明するための図である。
【図5】図1に示した画像形成装置における電子および散乱粒子の軌跡を説明するための図で、スペーサ近傍の電子放出部をY方向からみた図である。
【図6】図1に示した画像形成装置における電子の軌跡を説明するための図で、スペーサ近傍の電子放出部をX方向からみた図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置に設けられるスペーサの断面図である。
【図8】スペーサに当接部材を設けて配置される場合を示す断面図である。
【図9】本発明に係る表面伝導型電子放出素子の構成を示す模式的平面図および断面図である。
【図10】本発明に係る表面伝導型電子放出素子の構成を示す模式的平面図および断面図である。
【図11】本発明に係る表面伝導型電子放出素子の製造方法の一例を工程順に示した図である。
【図12】通電フォーミング電圧波形の一例を示す図である。
【図13】通電活性化の電圧波形の一例を示す図である。
【図14】本発明に係る垂直型の表面伝導型電子放出素子の構成の一例を示す模式図である。
【図15】本発明に係る垂直型の表面伝導型電子放出素子の構成の他の例を示す模式図である。
【図16】本発明に係る垂直型の表面伝導型電子放出素子の製造方法の一例を工程順に示した図である。
【図17】表面伝導型電子放出素子の基本的特性を説明するための図である。
【図18】本発明に係る画像形成装置の駆動回路の概略構成を示すブロック図である。
【図19】本発明に係る画像形成装置の電子源の一部回路図である。
【図20】本発明に係る画像形成装置の駆動方法を説明するための原画像の一例を示す図である。
【図21】本発明に係る画像形成装置の駆動電圧が印加された電子源の一部回路図である。
【図22】本発明に係る画像形成装置の電子源の製造方法の一例を工程を順に示した図である。
【図23】電子放出部形成用薄膜を形成する際に用いられるマスクの一例の平面図である。
【図24】蛍光膜の他の構成例を説明するための図である。
【図25】本発明に係る画像形成装置の別の実施例の一部を破断した斜視図である。
【図26】図25に示した画像形成装置のスペーサ近傍のC−C′線断面図である。
【図27】図25に示した画像形成装置の電子源の要部平面図である。
【図28】本発明に係る画像形成装置のさらに別の実施例の一部を破断した斜視図である。
【図29】本発明に係る画像形成装置のさらに別の実施例の一部を破断した斜視図である。
【図30】図29に示した画像形成装置のスペーサ及び支持枠近傍のE−E′線断面図である。
【図31】本発明に係る画像形成装置のさらに別の実施例の一部を破断した斜視図である。
【図32】図31に示した画像形成装置のスペーサの取付構造の一例のF−F’断面図およびG−G’断面図である。
【図33】図31に示した画像形成装置のスペーサの取付構造の参考例1のF−F'断面図およびG−G'断面図である。
【図34】図31に示した画像形成装置のスペーサの取付構造の参考例2のF−F'断面図およびG−G'断面図である。
【図35】本発明に係る画像形成装置を用いた画像表示装置の一例のブロック図である。
【図36】従来の表面伝導型電子放出素子の平面図である。
【図37】従来のFE素子の断面図である。
【図38】従来のMIM素子の断面図である。
【符号の説明】
1、11、11’ 基板
2、3 素子電極
4 導電性膜
5 電子放出部
12 冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)
13 行方向配線
14 列方向配線
15 リアプレート
16 側壁
17 フェースプレート
18 蛍光膜
19 メタルバック
20 スペーサ
20a 絶縁性部材
20b 半導電性薄膜
20c 導電性膜(スペーサ電極)
21a 蛍光体
21b 黒色の導電体
40 当接部材
40a 機械的固定部
40b 電気的接続部

Claims (9)

  1. 電子放出素子を有する電子源と、前記電子源より放出された電子を制御する電極と、前記電子源より放出される電子が照射されるターゲットと、前記電子源と前記電極との間に配置された半導電性を有するスペーサとを有する電子線装置において、
    前記スペーサは前記電子源および前記電極との当接部に、前記スペーサと前記電子源および前記電極の各々との機械的固定機能と、前記スペーサと前記電子源および前記電極の各々との電気的接続機能とを兼ね備える当接部材を有し、該当接部材を介して前記電子源及び前記電極とに対して電気的に接続されていることを特徴とする電子線装置。
  2. 電子放出素子を有する電子源と、前記電子源より放出された電子を制御する電極と、前記電子源より放出される電子が照射されるターゲットと、前記電子源と前記電極との間に配置された半導電性を有するスペーサとを有する電子線装置において、
    前記スペーサは、前記電子源および前記電極との当接部に、導電性フリットガラスを有し、該導電性フリットガラスを介して前記電子源及び前記電極とに対して電気的に接続されていることを特徴とする電子線装置
  3. 前記スペーサは、前記電子源および前記電極との当接面に更に導電性膜を有し、前記導電性膜が前記スペーサと電気的に接続されている請求項1に記載の電子線装置。
  4. 前記スペーサは絶縁性部材の表面に半導電性膜を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の電子線装置。
  5. 前記電子源は、配線にて結線された複数の電子放出素子を有し、前記スペーサは、前記配線と前記電極に対して電気的に接続されている請求項1ないし4のいずれかに記載の電子線装置。
  6. 前記電子源は、配線にて結線された複数の電子放出素子を有し、前記スペーサは、長手方向が前記配線と平行になるように前記配線と前記電極との間に配置された矩形形状のスペーサであり、前記スペーサが前記配線と前記電極に対して電気的に接続されている請求項1ないし4のいずれかに記載の電子線装置。
  7. 前記電子放出素子は、冷陰極素子である請求項1ないしのいずれか1項に記載の電子線装置。
  8. 前記ターゲットに、入力信号に応じて前記電子放出素子から放出された電子を照射して画像を形成する画像形成装置である請求項1ないしのいずれか1項に記載の電子線装置。
  9. 前記ターゲットが、蛍光体である請求項に記載の電子線装置。
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