JP3548781B2 - シート排出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート排出装置に関するもので、より具体的には、例えば印刷機や複写機等の画像形成装置の排出側に装着され、その画像形成装置から排出されるシートを多数収納するための多枚数収納トレイに向けて排出する際に、シートの両側を上方に持ち上げて腰つけを行うウイングを備えたシート排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷機や複写機等の画像形成装置のシート排出側には、排出されたシートを受け取るトレイ(「ビン」とも称する)が装着されている。そして、係るトレイは、数枚から数十枚(少数枚)のシートを積層する通常のトレイの他に、一度に100枚以上の多数枚を積載・収納することのできる多枚数収納トレイがある。また、一度に積層できる枚数の少ない前記通常のトレイを複数個用意し、それらをシートの排出タイミングに合わせて昇降移動させて排出されたシートを所定のトレイに仕分けするソート機能を備えたものもある。そして、それら各種のトレイのうちの1種或いは複数種を備えてシート排出装置が構成される。
【0003】
図9(A)は、従来のシート排出装置の一例を示している。この例では多枚数収納トレイと、ソーター用の多数段からなるトレイ群を備えている。同図に示すように、略直方体状の装置本体1の片面側の高さ方向中央部位に搬送部2が設けられ、また、その搬送部2と反対側の装置本体1の側面には、排出されるシートを受け取る収納部3が設けられている。そして、画像形成装置(図示省略)は、搬送部2側に配置される。
【0004】
搬送部2は、画像形成装置で画像形成されたシートを受け取るとともに、そのシートを搬送面4上を搬送させて収納部3側に排出するものである。そして、そのシートに対する搬送力は、例えば複写機の場合には、一般に排出口近傍に設けられた上下一対の排出ローラ等によりシートを上下から挟むとともに、それらを回転駆動することによりシートに対して搬送方向前方へ向けた搬送力を与えるようになっている。また、印刷機の場合には、シート上に印刷したインクが乾燥しきらないこともあり、バキュームコンベア(サクションベルト)を用い、非印刷面のみに接触して搬送するようしている。
【0005】
さらに、搬送部2の排出口近傍の両側縁には、一対のウイング5が設けられている。このウイング5は、同図(B)中実線で示すように、搬送面4より上方に突出する第1位置と、同図(B)中二点鎖線で示す搬送面4より下側に位置する第2位置の間を往復移動可能となっている。具体的には、各ウイング5は、搬送方向に沿って平行に配置され、両ウイングの対向側縁を回転軸5aとし、正逆回転することにより、上記2つの位置の間を移動できるようにしている。そして、その移動するための駆動源として、ソレノイド6を設けている。
【0006】
つまり、ウイング5の底面の外側(回転中心と反対側の側縁)近傍にソレノイド6を連結し、係るソレノイド6に通電することにより、ウイング5の外側を上方へ付勢し、回転軸5aを中心に回転させて第1位置に位置させる。一方、ソレノイド6への通電を遮断することにより、ウイング5を上記と逆方向に回転させ、第2位置に位置させる。
【0007】
そして、ウイング5が第1位置にあるときには、そのウイング5の上面5bは、同図(A)に示すように、搬送方向前方に行くにしたがって上昇し、また、外側に行くにつれて徐々に上昇する傾斜面となる。また第2位置に位置するときには水平面となり搬送面4と略同一平面上に位置するようになっている。さらに、係るウイング5の上面5bには、搬送面4上を移動するシートの側面下方に当接するようになっている。
【0008】
これにより、ウイング5が第1位置にあると、シートの進行方向両側縁部分がウイング5の上面5bに沿ってそれぞれ持ち上げられて腰つけされ、進行方向に沿って真っ直ぐに伸びた状態が保持される。つまり、排出されたシートが、その進行方向の中間部分で折れ曲がってその前方部分が下方に垂れるようなことがなくなる。しかも、斜め上方に向かって排出されるため、シートを比較的長距離飛ばすことができる。一方、ウイング5が第2位置にあると、シートは平坦な状態のまま腰つけされることなく、水平方向に排出される。
【0009】
収納部3は、多数段に配置した少数のシートを積載可能なトレイ(ビン)7と、多数のシートを収納する多枚数収納トレイ8とを備えている。そして、トレイ7はシート搬送方向前方側が上向きとなる傾斜状に設けられており、各トレイ7は、互いに所定距離だけ離されて、上下方向に一列に配置されている。そして、装置本体1内の昇降装置により、各トレイ7を一括して昇降できるようになっている。
【0010】
また、多枚数収納トレイ8は、収納容量を大きくするために、比較的深く形成するとともに、両側縁に側壁8aを形成し前方に係止壁8bを起立形成している。そして、この多枚数収納トレイ8を使用する場合には、実際のシートを受け取る位置は、シート排出位置から所定距離下がっているため、排出されたシートが係る距離だけ落下して積層されることになる。そこで、ウイング5を第1位置にすることにより、腰つけするとともに斜め上方に向けて排出する。これにより、排出されたシートの前方が折れ曲がってすぐに下方にいくことがなく、シートを真っ直ぐに伸びた状態のまま比較的遠くに飛ばすことができる。そして、係るシートは係止壁8bに突き当たるとともに、側壁8aに案内されて、多枚数収納トレイ8上に順次積載される。
【0011】
一方、少数用のトレイ7にシートを積載する場合に、ウイング5を第1位置のままにしておくと、シートの両側が持ち上がった状態で排出されるため、上下のトレイ7間の間口を大きくとる必要があり、装置の大型化を招いたり装着可能なトレイ数が少なくなる。また比較的遠くにまで飛びやすいので、トレイ7の前方より飛び出してしまうおそれがある。そこで、ウイング5を第2位置にし、シートを平坦のまま排出するようにする。これにより、トレイ間の間口を小さくすることができる。さらに、係るトレイ7は、少数を積載するため、シート排出口からトレイ7の受け取り面までの落下距離が短いので、腰つけされることなく水平方向に向けて排出しても、綺麗にトレイ7の上に積載できる。このように、使用するトレイに応じてソレノイド6への通電を制御し、ウイング5を所望の状態にする。
【0012】
また、従来のシート排出装置の他の一例としては、図10に示すように、多枚数収納トレイ8′にウイングの機能を設けたものがある。具体的には、多枚数収納トレイ8′のシート排出口側に、ウイング5′を一体的に取り付けた構造にする。このウイング5′は、図9に示した第1位置に位置するウイング5と同様に、搬送方向前方に行くにしたがって上昇するとともに、さらに外側に行くにつれて徐々に上昇する傾斜面となる。そして、シートが搬送されると、ウイング5′の上端によって腰つけされ、多枚数収納トレイ8′に収納される。係る構成では、使用するトレイに応じてウイング5′を昇降させる必要がなく、装置が簡略化され、制御も容易となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のシート排出装置では以下に示すような問題を有する。すなわち、多枚数収納トレイ8′を使用する場合には、常にウイング5′を上昇させた第1位置で使用している。その結果、厚いシート(厚紙)のように紙自体の腰が強い場合には、両端が持ち上がるとそれにつれてシートの中央まで持ち上がろうとする。すると、搬送部2がバキュームコンベアの場合には、係るシート中央部が持ち上がろうとする力が吸引力より勝ると搬送ベルト面から離反してしまい、搬送力を与えることができなくなる。また、上下一対のローラで挟持するような場合には、シートに無理な力が加わり、折れ曲がってしまうおそれがある。
【0014】
また、図9に示す構造の場合には、使用状態に応じてソレノイド6に通電したり通電を遮断する制御が必要となり、制御が煩雑となる。しかも、ウイング5の上下移動をソレノイド6及びその通電装置等の電気的機構により行っているので、係る電気機構を設けるための空間が必要となるとともにコストが高くなってしまう。また、制御系の故障を生じ、誤動作をするおそれもある。
【0015】
一方、図10に示す構造の場合には、ウイング5′の厚み(排出方向の厚さ)の分だけ多枚数収納トレイ8′をシート排出方向前方に突き出した状態で設置することになり、装置全体が大型化する。
【0016】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題点を解決し、多枚数収納トレイに対して確実にシートを排出して積載収納することができ、低コストで、装置を小型化することができ、簡単な機構・制御で使用するトレイに応じてウイングを上下移動させることのできるシート排出装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係るシート排出装置では、画像形成装置から排出される多数のシートを積載可能な多枚数収納トレイと、前記排出される少数のシートを積載可能なトレイとを上下に配置するとともに、前記多枚数収納トレイ及び前記トレイを上下移動させて、シートの排出部位に位置させるようにし、かつ、前記排出部位には、シートの両側縁を上方に持ち上げ可能なウイングを上下移動可能に配置してなるシート積載装置を前提とする。
【0018】
▲1▼そして、前記多枚数収納トレイ及び前記トレイの上下移動に連動して上下する付勢部材を設けるとともに、その付勢部材から前記ウイングに対して付勢力を伝達して前記ウイングの上下移動を制御し、前記多枚数収納トレイを前記排出部位に位置させた際に前記ウイングが上昇可能とする。
【0019】
▲2▼かつ、前記付勢部材から前記ウイングに対する付勢力の伝達の有無を切り替える切替手段を備え、前記多枚数収納トレイを前記排出部位に位置させても前記ウイングが上昇しないモードを備えるようにした。
【0020】
ここで切替手段は、第1の実施の形態ではスラスト方向に移動可能に装着された突起15cと、その突起を前後進移動させる操作レバー16により実現され、また第2の実施の形態では、付勢部材18を回転可能にすることにより実現されている。
【0021】
上記▲1▼のように構成することにより、ウイングが搬送面より上方に突出すると、排出されるシートの両側縁がウイングによって上方に持ち上げられ、腰つけされる。これにより、排出後のシートがすぐに前方部位が下方に垂れ下がることがなく、ピンと張った状態で比較的遠くまで飛ばすことができる。従って、多枚数収納トレイを使用する場合には、ウイングを突出させ(実施の形態ではこの状態を「第1位置」としている)、比較的遠くまでまっすぐに伸びた状態でシートを排出し、落下中に曲がったりすることなく排出部位から所定距離下方に位置する多枚数収納トレイ上に積載できる。一方、少数用のトレイを使用する場合には、ウイングを搬送面より下方に位置させる(実施の形態ではこの状態を「第2位置」としている)。これにより、シートは腰つけをすることなく、排出部位近傍に位置するトレイ上に排出することになる。
【0022】
そして、係る使用するトレイに応じたウイングの上下移動の制御が本発明では以下のように行われる。すなわち、使用するトレイを排出部位に位置させるために多枚数収納トレイ及びトレイを上下移動する。すると、それと一体に移動する付勢部材も上下移動する。そして、その付勢部材は、ウイングを直接または間接的に所定方向(実施の形態では上方)に付勢することができる。
【0023】
よって、例えば付勢部材からの付勢力を受けていないときにウイングが第2位置に位置するようにしておけば、多枚数収納トレイを少数枚用トレイにより下方に且つ一体に設けることにより最終的にウイングに加わる付勢力の方向を上方にするとともに、少数用のトレイを使用中は付勢力がかからないようにすることにより、トレイを上下移動させるだけで、それに追従して付勢部材が上下移動し、使用するトレイに応じてウイングを所望の状態にすることができる。つまり、少数用のトレイの使用中はウイングに付勢力が加わらないので、第2位置に位置し、多枚数収納トレイを使用する場合には、その使用に先立ち多枚数収納トレイ,トレイを上下移動するので、それに追従して上下移動する付勢部材がウイングを上方に付勢し、ウイングを第1位置に位置させることができる。
【0024】
そして、ウイングの上下移動は、付勢部材から発生する付勢力を機械的に伝達して行うため、従来のように電気的な駆動源が不要となり、装置の小型化が図れる。しかも、電気的な駆動の場合には、所望のトレイ(多枚数収納トレイも含む)をシート排出部位に位置させる処理の他に、トレイの位置等をセンシングし、所定のタイミングで昇降移動させたりする(ソレノイドへの通電のオンオフ制御をする)必要があるが、本発明では、係る所望のトレイを移動させるだけで、自動的に使用するトレイの種類にあったウイングの状態にすることができ、制御が簡単となる。
【0025】
一方、上記のように簡単な構成で多枚数収納トレイを使用するときには、ウイングを上昇させることができることを前提とし、さらに本発明では、▲2▼のように構成することにより、一定の基準の時には、切り替え手段を操作し、たとえ多枚数収納トレイを排出部位に位置させても、付勢部材の付勢力がウイングに伝達しないので、ウイングは上昇しない。つまり、▲1▼の構成だけでは、多枚数収納トレイを使用するときには、常にウイングが上昇し、シートに対して腰付けをしようとするが、本発明では状況に応じて多枚数収納トレイを使用する時であっても、腰付けを行わないようにし、より状況に応じた設定・モードを実行することにより、確実にシートを排出し、トレイに積載収納できるようにしている。
【0026】
そして、具体的な基準としては、例えば、厚いシートを排出する際には前記ウイングを上昇しないモードにし、薄いシートを前記多枚数収納トレイに排出する際には前記ウイングを上昇させるようにすることができる。係る切り替えは、実施の形態では、手動により行うようにしたが、自動的に行うようにしてももちろんよい。
【0027】
すなわち、厚紙の場合には、シート自体が強く腰があるので、腰付けをしなくてもピンと張った状態のまま排出することができる。これにより、搬送手段から確実に搬送力を与えることができ、また、必要以上の力がかかって折れ曲がることもなくなる。
【0028】
また、前記ウイングは、上下移動することから形状も複雑となるので、大量生産を考えると、樹脂成形により製造される。そこで、表面を樹脂のままでもよいが、少なくともシートと接触するウイングの表面が、金属カバーで被覆するように構成することができる。係る構成にすると、シートは金属に接触するので、摩擦抵抗が少なく、静電気も発生しにくいので、スムーズに搬送することができる。
【0029】
用語の定義
本発明でいう、「少数」のシートを積載するトレイと、「多数」のシートを積載する多枚数収納トレイというようにトレイの種類を特定する「少数」/「多数」とは相対的なものであり、ウイングによる腰つけが必要なものを多数枚収納トレイとし、シートの種類に関係なく常に腰つけが必要のないものを少数用のトレイとする。
【0030】
また、ウイングの状態の一つである「搬送面より下方」に位置するとは、実施の形態で例示するように、搬送面と面一の場合と、それよりもさらに下がった下方位置に位置する場合の両者を含むものはもちろんであり、さらに、腰つけが行われない程度の若干量だけ搬送面より上方に位置する場合も含む広い概念である。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示しており、画像形成装置に接続された状態を示している。同図に示すように、印刷機,複写機,プリンタ等の画像形成装置9のシート排出口側に、本発明のシート排出装置10(ソート機能が設けられたシート仕分け装置となっている)が取り付けられて一体化している。
【0032】
シート排出装置10は、略直方体状の装置本体11と、その装置本体11の画像形成装置9側の高さ方向中央部位に設けられる搬送部12と、その搬送部12と反対側の装置本体11の側面に設けられる収納部13を備えている。なお、搬送部12は、必ずしも物理的に装置本体11に取付けられている必要はなく、例えば画像形成装置9側に取付けられており、その先端が装置本体11側に挿入配置されるようになっていてもよい。
【0033】
搬送部12は、その高さ方向中央位置にバキュームコンベア14が設けられている。また、そのバキュームコンベア14の搬送方向前方(収納部側端部)には昇降移動可能なウイング15が設けられている。バキュームコンベア14は、搬送面の両側に配置された一対の搬送ベルト14aと、その一対の搬送ベルト14a間の下方に配置されたファン14bを備え、そのファン14bを動作させることにより吸引力を発生させ、排出されるシート20を吸引して搬送ベルト14aに吸着保持させる。そして、搬送ベルト14aが回転駆動することにより、その吸着したシート20を搬送し、収納部13に向けて排出するようになっている。なお、搬送ベルト14aのベルト面には、多数の透孔が形成されており、上記ファン14bによって吸引される空気は、搬送ベルト14aの透孔から内部に引き込まれるようになっており、これにより、シート20が搬送ベルト14aにしっかりと吸着されるようになる。
【0034】
ウイング15は、従来と同様に、搬送ベルト14aの両外側縁に沿って、それぞれ昇降可能に設けられている(同図(B)参照)。このウイング15は、シート搬送方向と直交する縦断面が、略三角形となっている。そして、三角形の頂点が両ウイング15の対向側に位置するようになる。また、シート搬送方向と平行な縦断面も略三角形となっており、三角形の頂点は、進行方向後方側に位置するようになる(同図(A)参照)。換言すると、ウイング15は、外側にいくに従って厚くなるとともに、進行方向前方にいくにしたがって厚くなるような形状となっている。
【0035】
そして、両ウイング15の対向側の側縁部分が回転軸15aとなり、所定角度範囲で正逆回転するようになっている。このように回転することにより、ウイング15は、その上面15bが搬送ベルト14aより上方に突出する第1位置と、ウイング15の上面15bが搬送ベルト14aより下側に位置する第2位置の間を往復移動可能となっている。そして、図1(A)が、上記した第2位置の状態を示しており、同図(B)が、第1位置の状態を示している。さらに、ウイング15の重心バランスの関係から、外部から付勢力等を与えないと、自重により外側が下降するように回転し第2位置に位置するように設定されている。
【0036】
ここで、本発明に係るシート排出装置では、まず、ウイング15のシート搬送方向前方の前面下方に突出するように細棒状の突起15cを設けている。この突起15cの先端は、搬送部12の筐体12aの搬送方向前面よりも外側に突出するように形成されている。すなわち、筐体12a内には、ウイング15の大部分が収納されている。
【0037】
同図(B)に示すように、筐体12aのシート搬送方向前面の搬送ベルト14aの搬送面より上方は開口し、シートの排出を可能にしている。また、搬送面より下方位置にある前面の所定位置には、弧状に湾曲する2つのガイド孔12b,12bを設けている。そして、このガイド孔12b,12bを介して上記した各ウイング15,15に取り付けた突起15cの先端を外部に突出するようにしている。さらに、ガイド孔12bの曲率半径と、ウイング15の正逆回転に伴う突起15cの移動軌跡を略一致させている。これにより、突起15cは、ガイド孔12bに案内されて移動する。換言すると、突起15cひいてはウイング15の移動許容範囲がガイド孔12bにより規制される。つまり、同図(B)に示すようにガイド孔12bの上端に突起15cが位置するときが、ウイング15が最も上昇した第1位置になり、ガイド孔12bの下端に突起15cが位置するときが、ウイング15が最も下降した第2位置になる。
【0038】
さらにまた、本形態では、上記した突起15cは、ウイング15の下端にスラスト方向に移動可能に取り付けられている。そして、突起15cの基端側(搬送方向後方側)に操作レバー16が接続され、その操作レバー16を正逆回転することにより、図2(A)に示すように、前進移動して筐体12aの前面より大きく前方に突出する状態と、同図(B)に示すように、後退して筐体12aの前面近傍位置に来て、わずかに突出する状態の2つの姿勢をとるようになっている。さらに、操作レバー16と突起15cとは、接触しているだけで離反可能となっている。具体的には、突起15cの側面に突部を設け、その突部に操作レバー16を接触させるようにしている。これにより、後述するように付勢部材18により突起15cが上方へ付勢力を受けた場合には、操作レバー16からはスムーズに離反して突起15cが上昇できるようにしている。
【0039】
収納部13は、本例では、排出されるシートを少数収納するトレイ7と、多数を収納可能とする多枚数収納トレイ8とを備えている。そして、トレイ7は、複数個を用意し、それらを上下に多段配置し、ソーターとして使用できるようにしている。もちろん、ソーターとして使用することなく所定のトレイ7に対してシートを排出する場合に用いるようにしてもよい。そして、係るトレイ7及び多枚数収納トレイ8は、枠体17に取り付けられており、一体的に昇降移動可能となっている。なお、トレイ7及び多枚数収納トレイ8の具体的な構成は、従来のものと同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0040】
そして、装置本体11内に収納した昇降駆動装置により、枠体17ごと複数のトレイ7及び多枚数収納トレイ8を上下移動できるようにしている。このようにトレイ7,多枚数収納トレイ8を上下方向に移動させて、搬送部12のシート搬送面に、所定のトレイ7または多枚数収納トレイ8の位置を合わせることにより、排出されたシートを受け取るとともに、積載できるようになっている。
【0041】
ここで本発明では、枠体17の搬送部12側の側面所定位置に、付勢部材18を取り付けている。係る付勢部材18は、略逆L字形状となり、一辺は、収納部13の移動方向にほぼ直交するとともに搬出部12側に向けて突出するように取り付けられている。この一辺の長さは、前方に大きく突出したときの突起15cの先端と枠体17との距離よりも長く、かつ、突起15cが後退移動したときの突起15cの先端と枠体17との距離よりは短くしている。つまり、突起15cが前進移動したときには、付勢部材18と突起15cとが接触可能となり、突起15cが後退移動したときには、付勢部材18と突起15cとは接触しないようになっている。
【0042】
一方、付勢部材18の他辺は、先端が下方を向くようにして、枠体17に固定されている。これにより、後述するように付勢部材18が突起15cに接触するとともに、それを押し上げる際に生じる反力は、付勢部材18を枠体17に押しつける方向に作用するので、両者17,18を強固に接合一体化できる。
【0043】
付勢部材18の取付位置は、多枚数収納トレイ8の高さ位置にほぼ等しくし、多枚数収納トレイ8が、シート排出位置に来たときに、付勢部材18が突起15cに接触するとともに、それを押し上げることができるような相対位置関係になるように設定している。さらに、本例では付勢部材18は、板バネを用いて構成している。
【0044】
次に、本形態におけるシート排出装置の動作を説明する。まず、シートの排出・積載をトレイ7に行われていた状態から、シートの排出を多枚数収納トレイ8に行う状態となるまでの動作を説明する。図1(A)に示すように、ソーターや通常の少数のシートを排出して積載するために、所定のトレイ7を使用している場合には、付勢部材18と突起15cは離反している。よって、ウイング15に一体的に形成された突起15cに上方への力が加わっていないので、ウイング15は自身の重みで下降し、突起15cがガイド孔12bの下端で支持されることにより、それ以上の下降が阻止され、ウイング15は図示する第2位置にて静止した状態となる。これにより、ウイング15の上面15bが搬送ベルト14aと同一或いは下側に位置しているので、搬送ベルト14a上を搬送されるシートは、まっすぐに伸びた平坦のまま排出され、所定のトレイ7上に積載される。
【0045】
この状態から、多枚数収納トレイ8に切り替える場合には、枠体17を上昇させる。これに伴い、多枚数収納トレイ8が上昇し、付勢部材18も上昇する。そして、搬送部12方向に突き出された付勢部材18の一辺の上面が突起15cの下面にあたる。そしてさらに枠体17,付勢部材18を上昇させると、付勢部材18から突起15cに対して上方に向けての付勢力(押上力)が加わる。すると、その付勢力にともない突起15cも上方に移動しようと働く。つまり、突起15cと一体的に形成されているウイング15のシート搬送方向の先端に突起15cを介して上向きの力が加わる。そして、ウイング15は、自重により第2の位置を保持していただけであるので、その付勢力により回転軸15aを中心に回転し、外側が上昇する。
【0046】
そして、突起15cが孔部12bの最上方に到達すると、突起15cは孔部12bの上端に突き当たりそれ以上の上昇が抑止される。また、突起15cの下降は、付勢部材18により阻止される。これにより、ウイング15は、第1位置に位置され、ウイング15の上面15bは、搬送ベルト14aから上方に突出するとともに、搬送ベルト14aと所定角度で交差する傾斜面となる(図1(B),図3(A)参照)。
【0047】
これにより、搬送ベルト14a上を搬送されるシート20は、その両側縁20aが、ウイング15の上面15bに当接されて上方に向けて湾曲し、腰つけがなされる(図1(B)参照)。換言すると、第1位置に位置している時のウイング15の上面15aと、搬送ベルト14aのなす角度は、シート20に腰付けをするのに適した角度にしている。よって、排出されたシート20は、すぐに落下することはなく、安定した状態で、多枚数収納トレイ8内に積層できるようになる。
【0048】
一方、図3(A)に示した多枚数収納トレイ8を使用している状態から、トレイ7の使用に切り替える場合には、以下のようになる。つまり、図3(A)の状態から枠体17を下方に移動すると、その枠体17に一体的に形成されている付勢部材18も下降する。それに伴い、付勢部材18に支持されていた突起15cも下降し、ひいてはその突起15cと一体的に形成されているウイング15も逆方向に回転し、その外側が下降する。
【0049】
そして、さらに枠体17(付勢部材18)が下降すると、突起15cもさらに下降し、突起15cがガイド孔12bの下端に突き当たるとそれ以上の下降が抑止される。これにより、ウイング15は、その上面15aが搬送ベルト14aと面一或いはそれよりも下方に位置する第2位置に戻る。この状態からさらに枠体17が下降すると、付勢部材18は突起15cから離反する。これにより、図1(B)に示した元の状態に戻る。そして、搬送ベルト14aの高さ位置に所定のトレイ7が合わせられることにより、切替処理が終了する。
【0050】
上記したように、枠体17すなわち多枚数収納トレイ8の上下移動に連動し、付勢部材を上下させることにより、機械的な連動を生じさせてウイング15を昇降させることができる。これにより、従来不可欠であった、ソレノイドなどのウイングの駆動手段を設ける必要がなくなり、また、係るウイングを上下させるための特別なセンシング・制御が不要となる。
【0051】
さらに本例では、付勢部材18を板バネから構成しているので、付勢部材18が多少第1位置よりも上昇しても、係る板バネが弾性変形することにより、枠体17(多枚数収納トレイ8)の上昇を許容しつつ突起15c(ウイング15)に過大な力が加わらないようにすることができる。
【0052】
一方、上記したように多数毎収納トレイを使用する場合であっても、シート20が厚くもともと腰の強いものの場合には、図4に示すように、ウイング15によりシート20の両端20aが持ち上がると、シート20の腰の強さのために、ファン14bによる吸引力に打ち勝ってシート20の中央部分20bも持ち上がってしまい、搬送ベルト14aのベルト面(搬送面)から離れてしまう。すると、吸引保持できず、所定の搬送力をシート20に与えることができなくなってしまう。
【0053】
そこで、係る場合には、まず操作レバー16を回転させて突起15cを後退移動させる。次いで、上記と同様に、多枚数収納トレイ8を上昇させ、付勢部材18も上昇させる。そして、搬送部12方向に突き出された付勢部材18の一辺の上面が、突起15cの配置位置に位置しても付勢部材18は突起15cと非接触となるので、突起15cには上方への付勢力がかからない。そのままさらに上昇し、最終的に多枚数収納トレイ8の使用位置に来ても、図3(B)に示すように、付勢部材18が突起15cよりも上方に位置し、突起15cひいてはウイング15は上昇しない。これにより、図4(B)に示すように、ウイング15は搬送ベルト14aのベルト面より上方に突出しないので、シート20は、平坦なままとなり、ファン14bによる吸引力により、シート20が搬送ベルト14aに吸着保持され、所定の搬送力を与えることができる。そして、シート20の両端を持ち上げることによる腰つけは行えないが、そもそも係るシートは自己の有する腰の強さでもって、係る平坦に延びた状態のまま搬出され、多枚数収納トレイ8に落下供給される。
【0054】
なお、このようにウイングを使用するか否かの切替の判断基準は、厚紙の場合には、ウイングを使用しないようになり、薄紙の場合には、ウイングを使用することになる。そして具体的には、腰つけをしなくても紙自体が有する腰の強さでピンと延びた状態のまま多枚数収納トレイ8上に積載されるような場合には、ウイングを使用しないようにすることができる。なお、係る条件を具備しても紙の腰の強さとファン14bの吸引力との相関から、ウイングによりシートの両端が持ち上がった際にシートの中央が吸引されて搬送ベルト14aに吸着保持されるので有れば、ウイングを使用してももちろん良い。
【0055】
図5は本発明に係るシート排出装置の第2の実施の形態を示している。本形態では、上記した実施の形態と相違して、付勢部材18を、枠体17に設けられた軸18a周りに正逆方向に回転可能とし、図6に示すウイング15の突起15cと当接する状態と、そこから時計方向に回転し、図7に示すように付勢部材18の一片が突起15cと接触しないようにする状態の2つの位置をとるようにしている。また、この場合の突起15cは、上記した第1の実施の形態のようにスラスト方向に移動させる必要がないので、ウイング15の本体部分に一体的に形成することができる。また、少なくとも別部材で形成しても、それをウイング15の前面所定位置に固定することになる。
【0056】
係る構成にすると、上記した第1の実施の形態と同様に、薄紙の腰の弱いシートを印刷して多数枚収納トレイ8に排出する場合には、付勢部材18を図6(A)に示すような姿勢にする。すると、多枚数収納トレイ8とともに上昇する付勢部材18が突起15cに接触し、それを上方に押し上げる。そして、図6(B)に示すように多枚数収納トレイ8が排出部位(使用位置)に来ると、ウイング15も所定位置まで上昇する。よって、シートの両側が持ち上げられて腰付けがされた状態で排出される。
【0057】
一方、厚紙等の腰の強いシートを印刷して排出する場合には、付勢部材18を図7(A)に示すような位置にする。すると、多枚数収納トレイ8が上昇しても付勢部材が突起15cと接触せず、図7(B)に示すように多枚数収納トレイ8が排出部位(使用位置)にきてもウイング15は上昇しない。よって、シートはまっすぐにのびた平坦な状態のまま排出される。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した第1の実施の形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0058】
*ウイングの構造(表面に金属プレート装着)
一方、上記した両実施の形態に用いられるウイング15としては、一般には樹脂成形により一体的に所定形状に製造される。これは、昇降移動(回転)させるための機構や、上昇時と下降時に搬送部12内に所定の位置に所望の姿勢で位置させるためには、複雑な形状となり、板金で形成することはできないからである。従って、従来の昇降移動するタイプのウイングは、上記理由により合成樹脂により形成される。すると、樹脂は、摩擦係数が大きく、シートの排出時に搬送抵抗となり、スムーズな搬送を阻害することになる。しかも、こすりながら移動することに伴い静電気が発生し、搬送途中のシートに与える負荷がより大きくなる。その結果、充分な速度で排出できずに途中で落下したり、搬送部12内でシートが止まってしまい紙詰まりとなり排出できなくなるおそれがより高くなる。
【0059】
そこで本形態では、図8に示すように、ウイング15の本体部分は従来と同様に合成樹脂による一体形成により製造し、その本体のシートと接触する少なくとも搬送面(上面)を金属プレート22で被覆するようにしている。これにより、摩擦抵抗も小さくなり、また、静電気も発生しにくくなるので、スムーズな搬送・排出処理が行える。
【0060】
なお、上記した実施の形態では、回転中心15aをウイング15の対向側に設けたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、シートの搬送方向後方側に回転軸を設け、搬送方向と直交する方向の軸周りに正逆回転し、ウイングの前側を搬送ベルトに対して出没するようにしても良い。
【0061】
また、上記した各実施の形態及び変形例では、いずれもウイングの自重による自然落下を利用して第2位置に復帰させるようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、バネやゴムなどの弾性部材の弾性力(弾性復元力)を利用して確実に第2位置に復帰させるようにしても良い。
【0062】
さらにまた、上記した実施の形態では、少数用のトレイ7は、複数個設けて、ソーター機能も有した装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限ることはなく、トレイ7と多枚数収納トレイ8を1個ずつ設けたシート排出装置にも適用できる。そして、その場合には、上記した実施の形態のように多枚数収納トレイの近くに付勢部材を設け、係る付勢部材により最終的にウイングを上昇させる構成をそのまま適用できるのはもちろんであるが、逆の構成としても適用できる。つまり、図示省略するが、付勢部材は少数用のトレイの近くに設置し、付勢力がかかっていないときにはウイングが突出する第1位置に位置するようにする。なお、このように第1位置の状態を保持するには、例えば弾性部材による弾性力を利用して行える。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るシート排出装置では、多枚数収納トレイ,トレイを上下移動させるだけで、それに追従して上下移動する付勢部材から機械的に伝達される付勢力によりウイングを上昇または下降することができるので、ウイングを昇降させる電気的な駆動装置が不要となり、装置構成が簡略化され、装置全体が小型化されるとともに、制御も容易に行える。さらに、コストの低下を図ることができる。また、故障する可能性も可及的に抑制され、メンテナンスも容易となる。
【0064】
また、多枚数収納トレイ側にウイング機能を持たせる必要がないので、多枚数収納トレイがシート搬送方向に突き出した形状に形成されることはなく、装置は大型化されない。
【0065】
しかも、多枚数収納トレイに排出する場合であっても、切替手段を操作することにより、ウイングを上昇させないようにすることができ、例えば厚紙のように腰が強いものは、平坦なまま排出することができる。
【0066】
また、請求項3のようにウイング表面に金属カバーを装着すると、排出口で紙詰まりをしたり、接触抵抗が大きくて十分な速度で飛び出させることができなくなるようなことはなく、スムーズかつ確実に大容量トレイに対してシートを排出し、積層収納させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態におけるシート排出装置の構造を示す図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の作用を説明する図(その1)である。
【図3】本発明に係る第1の実施の作用を説明する図(その2)である。
【図4】本発明に係る第1の実施の作用を説明する図(その3)である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態におけるシート排出装置の構造を示す図である。
【図6】本発明に係る第2の実施の作用を説明する図(その1)である。
【図7】本発明に係る第2の実施の作用を説明する図(その2)である。
【図8】ウイングの構造の一例を示す図である。
【図9】(A)は従来のシート積載装置の構造の一例を示す図である。
(B)はそのウイングを昇降するための構造を示す図である。
【図10】(A)は従来のシート排出装置の構造の一例を示す図である。
(B)はその多枚数収納トレイをシート搬送方向から見た図である。
【符号の説明】
7 トレイ
8 多枚数収納トレイ
10 シート排出装置
15 ウイング
15c 突起
16 操作レバー
18 付勢部材
20 シート
Claims (4)
- 画像形成装置から排出される多数のシートを積載可能な多枚数収納トレイと、前記画像形成装置から排出される少数のシートを積載可能なトレイとを上下に配置するとともに、前記多枚数収納トレイ及び前記トレイを上下動させて、シートの排出部位に位置させるようにし、かつ、前記排出部位には、シートの両側縁を上方に持ち上げ可能なウイングを上下動可能に配置してなるシート積載装置において、
前記多枚数収納トレイ及び前記トレイの上下動に連動して上下する付勢部材を設けるとともに、その付勢部材から前記ウイングに対して付勢力を伝達して前記ウイングの上下動を制御して、前記多枚数収納トレイを前記排出部位に位置させた際に前記ウイングが上昇可能としたことを特徴とするシート排出装置。 - 前記付勢部材から前記ウイングに対する付勢力の伝達の有無を切り替える切替手段を備え、前記多枚数収納トレイを前記排出部位に位置させても前記ウイングが上昇しないモードを備えたことを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
- 前記切替手段は、厚いシートを排出する際には前記ウイングを上昇しないモードにし、薄いシートを前記多枚数収納トレイに排出する際には前記ウイングを上昇させるようにしたものであることを特徴とする請求項2に記載のシート排出装置。
- 前記ウイングの少なくとも前記シートと接触する表面が、金属カバーで被覆されてなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のシート排出装置。
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