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JP3487669B2 - 不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物

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JP3487669B2
JP3487669B2 JP07003795A JP7003795A JP3487669B2 JP 3487669 B2 JP3487669 B2 JP 3487669B2 JP 07003795 A JP07003795 A JP 07003795A JP 7003795 A JP7003795 A JP 7003795A JP 3487669 B2 JP3487669 B2 JP 3487669B2
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章平 川崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Polymerization Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、成形用材料として用い
られる不飽和ポリエステル樹脂組成物に関し、特に、光
沢の優れた成形品を提供することができ、かつ速硬化性
の不飽和ポリエステル樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、不飽和ポリエステル樹脂系の成形
材料として、シートモールディング・コンパウンド(S
MC)やバルクモールド・コンパウンド(BMC)など
が知られている。SMCやBMCなどは、不飽和ポリエ
ステル樹脂に、例えば充填剤、硬化剤、離型剤、顔料、
増粘剤などを加えてなる樹脂組成物を、ガラス繊維など
の強化用繊維物質に含浸し、シート状あるいはバルク状
の形状としたものである。上記SMCやBMCなどは、
主として圧縮成形法に用いられ、得られた成形品は、住
宅設備、工業部品または自動車部品などの広範な分野に
おいて用いられている。 【0003】上記用途の中でも、バスユニットなどの住
宅設備分野では、外観に優れていること、及び耐熱水性
に優れていることの双方を兼ね備えた高品質の成形品が
要求されている。さらに、近年、成形品の生産性を高め
るために、成形材料では、速硬化性も要求されている。 【0004】不飽和ポリエステル樹脂系の成形材料の硬
化速度を高める方法として、2,5−ジメチルヘキサン
−2,5−ジパーオキシベンゾエート、t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート及びt−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネートの3成分からなる硬化
触媒を用いることにより、硬化反応の開始を速めて硬化
時間を短縮する方法が知られている(例えばアメリカ合
衆国特許第4,278,558号)。 【0005】しかしながら、SMCの硬化速度を高める
と、圧縮成形中にSMC表面における硬化が開始され、
SMCが流動しつつ硬化することになる。その結果、表
面に流れ模様状の現象が生じ、いわゆるプリゲル化現象
が発生し、得られた成形品の表面平滑性が大きく損なわ
れ、部分的に表面の光沢が低下するという傾向があっ
た。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】他方、未だ公知ではな
いが、本願発明者は、不飽和ポリエステル樹脂の中でも
反応性が高くかつ耐熱水性に優れた水添ビスフェノール
系不飽和ポリエステル樹脂を用いることにより、表面の
光沢を高めることを可能とするとともに、浴槽などの耐
熱水性を要求される用途に適した成形品を得ることを検
討した。しかしながら、水添ビスフェノール系不飽和ポ
リエステル樹脂は、他の不飽和ポリエステル樹脂に比べ
て高価であり、従って得られる成形品のコストが高くつ
くという問題がある。加えて、上述したような速硬化性
の硬化剤と、上記反応性に優れた水添ビスフェノール系
不飽和ポリエステル樹脂を併用すると、プリゲル化現象
がより一層促進され、成形品に外観不良が生じやすいこ
とがわかった。 【0007】本発明の目的は、硬化速度を高めることに
より成形時間の短縮による生産性の向上を図り得るだけ
でなく、表面の光沢に優れ、かつプリゲル化現象による
外観不良が生じ難い高品位の成形品を安価に提供するこ
とを可能とする不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供す
ることにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、(a)水添ビスフェ
ノール系不飽和ポリエステルと、(b)イソ系不飽和ポ
リエステルと、(c)ビニル単量体と、(d)熱可塑性
樹脂と、(e)10時間半減期温度が50℃〜85℃未
満の第1の有機過酸化物と、(f)10時間半減期温度
が85℃〜110℃の第2の有機過酸化物とを含み、か
つ10時間半減期温度の差が10℃以上の関係にある上
記第1の有機過酸化物と第2の有機過酸化物とが含有さ
れている不飽和ポリエステル樹脂組成物である。 【0009】本発明において用いられる(a)水添ビス
フェノール系不飽和ポリエステルは、グリコールとして
水添ビスフェノールを用いた不飽和ポリエステルであ
り、例えば無水マレイン酸もしくはフマール酸などの不
飽和ジカルボン酸と、イソフタル酸と、水素添加ビスフ
ェノールAとを用いて縮合合成されるものであり、従来
から成形材料用不飽和ポリエステルとして汎用されてい
るものである。 【0010】本発明に用いられる上記(b)イソ系不飽
和ポリエステルも、従来から汎用されている成形材料用
不飽和ポリエステルであり、例えば無水マレイン酸もし
くはフマール酸などの不飽和ジカルボン酸と、イソフタ
ル酸と、ネオペンチルグリコール、イソペンチルグリコ
ールもしくはプロピレングリコール等のグルコールとを
用いて縮合合成されるものである。 【0011】本発明で用いられる(c)ビニル単量体と
しては、従来から不飽和ポリエステル樹脂の調製にあた
り、不飽和ポリエステルや熱可塑性樹脂の希釈剤として
用いられているモノビニル単量体である。このようなビ
ニル単量体の例としては、スチレン、アクリロニトリ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの
適宜のビニル単量体を挙げることができ、特にスチレン
が好ましく用いられる。 【0012】本発明で用いられる上記(d)熱可塑性樹
脂としては、従来より不飽和ポリエステル樹脂の低収縮
剤として汎用されている適宜の熱可塑性樹脂を用いるこ
とができる。使用し得る熱可塑性樹脂の例としては、ポ
リスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレン、飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル
ポリスチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン−ポ
リ酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体などが挙げられる。 【0013】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、上記(a)〜(d)の成分を樹脂分として含むもの
であるが、これらの樹脂分を特定の割合で配合すること
により、より一層優れた表面光沢を有する成形品を提供
することができる。上記樹脂分の配合割合の好ましい範
囲、すなわち上記特定の割合とは、(a)水添ビスフェ
ノール系不飽和ポリエステル5〜25重量部、より好ま
しくは10〜20重量部と、(b)イソ系不飽和ポリエ
ステル20〜40重量部、より好ましくは24〜36重
量部、(c)ビニル単量体40〜60重量部、より好ま
しくは47〜49重量部、(d)熱可塑性樹脂5〜15
重量部、より好ましくは5〜10重量部であり、これら
の樹脂分(a)〜(d)の合計が100重量部となるよ
うに配合される。樹脂分の配合割合が上記特定の範囲か
ら逸脱すると、表面光沢度に優れた成形品を得ることが
できないことがある。 【0014】上記(e)第1の有機過酸化物は、10時
間半減期温度が50℃〜85℃未満の範囲にあるもので
あり、このような第1の有機過酸化物の例としては、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−メチ
ルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベン
ゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシビバレー
ト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブ
チルパーオキシヘキサハイドロテレフタフテレート、t
−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t−ヘキシル
パーオキシビバレート、オクタノイルパーオキサイド、
デカノイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクトエ
ート、スクシニル酸パーオキサイド、アセチルパーオキ
サイド、m−トリオイルパーオキサイド、t−アミルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパー
オキシビバレート等を挙げることができる。本発明で
は、このような有機過酸化物中から、1種または2種以
上の有機過酸化物が(e)第1の有機過酸化物として用
いられる。 【0015】また、本発明において用いられる(f)第
2の有機過酸化物は、10時間半減期温度が85℃から
110℃の範囲にある有機過酸化物である。このような
有機過酸化物の例としては、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シ
クロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノ
ンパーオキサイド、トリス−t−ブチルパーオキシトリ
アジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパ
ーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパー
オキシブタン、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラエー
ト、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘ
キサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシマレ
イン酸、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチル
パーオキシアリルカーボネート、2,5−ジメチル−
2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、2,2−ジ
−t−ブチルパーオキシオクタン、パーオキシヘキサ
ン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等を例示
することができる。また、第2の有機過酸化物として
は、これらの有機過酸化物中の1種もしくは2種以上が
用いられる。 【0016】また、本発明では、上記のように第1,第
2の有機過酸化物は少なくとも1種用いられるが、10
時間半減期温度の差が10℃以上の関係にある第1,第
2の有機過酸化物が含有されていることが必要である。
すなわち、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物で
は、第1,第2の有機過酸化物は、それぞれ、1種また
は2種以上用いられるが、10時間半減期温度の差が1
0℃以上の関係にある第1,第2の有機過酸化物が1組
以上含有されていることが必要である。このように、1
0時間半減期温度の差が10℃以上離れている第1,第
2の有機過酸化物を含有させることにより、速硬化性が
高められる。 【0017】第1,第2の有機過酸化物の添加量として
は、その合計量が、樹脂分(a)〜(d)の合計重量部
を100重量部としたときに、通常、1〜5重量部の範
囲、好ましくは1.5〜2.5重量部とされる。第1,
第2の有機過酸化物の添加量が少ないと、硬化反応が遅
くなり、成形に長時間を要することになる。他方、第
1,第2の有機過酸化物の添加量が多すぎる場合には、
圧縮成形機によって型が閉められる前に硬化反応が開始
し、成形材料表面でプリゲル化現象(成形物表面で必要
以上に早期に硬化反応が開始されて成形物表面が平滑に
ならなくなる)が起こり、成形品の外観形状が劣化し、
光沢が低下することになる。 【0018】また、(e)第1の有機過酸化物と(f)
第2の有機過酸化物の割合としては、重量比で1対1〜
4対1の範囲とすることが好ましく、より好ましくは、
1.5対1〜2.5対1とされる。これは、(e)第1
の有機過酸化物の割合が少ないと硬化反応の開始が遅く
なり、また、(f)第2の有機過酸化物の割合が多いこ
とになるのでプリゲル化現象が発生し易くなり、一方、
(f)第2の有機過酸化物の割合が少ないと硬化が終了
し難く、残量スチレンが多くなるために得られる成形体
の強度が低下するからである。 【0019】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物で
は、上記水添ビスフェノール系不飽和ポリエステル、イ
ソ系不飽和ポリエステル、ビニル単量体、熱可塑性樹
脂、第1,第2の有機過酸化物以外に、本発明の目的を
達成し得る範囲内で、充填剤、繊維強化材、化学増粘
剤、離型剤、安定剤、着色剤などの他の任意成分を添加
することができる。 【0020】上記充填剤としては、炭酸カルシウム、タ
ルク、シリカ、クレー、石綿、ガラス粉、水酸化アルミ
ニウムなどの成形材料用充填剤として従来から用いられ
ている適宜の充填剤を用いることができる。 【0021】また、上記繊維強化材としては、例えばガ
ラス繊維が挙げられ、例えば直径8〜50μm、長さが
5〜150mm程度のガラス繊維を用い得る。上記化学
増粘剤としては、例えば酸化マグネシウムや水酸化マグ
ネシウムなどが、離型剤としては、例えばステアリン酸
亜鉛やステアリン酸カルシウムなどが、安定剤として
は、例えばハイドロキノンやパラベンゾキノンなどが、
着色剤としては、例えば二酸化チタン、カーボンブラッ
ク、フタロシアニンブルー、弁柄などが用いられる。 【0022】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、上述した(a)〜(f)の必須成分と、繊維強化材
を除く上記任意成分とを配合・混練し、慣用の手段装置
を用い、繊維強化材に含浸させることにより、SMCま
たはBMCとすることができる。 【0023】なお、上記繊維強化材としてのガラス繊維
は、通常、組成物全量に対し、ほぼ10〜40重量%を
占めるように配合される。ガラス繊維の配合割合が少な
い場合には成形品において十分な強度が発揮され難い。
逆に、ガラス繊維の配合量が多すぎると、樹脂のガラス
への含浸が十分でなくなり、得られた成形品にクラック
が発生し易くなり、かつガラスが成形品表面に露出し外
観形状を悪化させる。 【0024】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物が
得られたSMCやBMCは、好ましくは、熱プレス成形
法に用いられ、それによって浴槽、防水パン、ユニット
バス(いわゆる浴槽と洗い場部が一体に成形されたも
の)などのFRP成形品が得られる。 【0025】なお、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、上述したようなSMCやBMCを原料とするF
RP成形品の製造に用い得るだけでなく、他の成形法に
よるFRP成形品の製造にも用いることができる。 【0026】 【作用】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用い
て、熱プレス成形法などにより例えば110℃〜180
℃で成形すると、加熱温度に応じた速度で組成物中の有
機過酸化物が分解し、ラジカルを発生させる。この場
合、温度と、ラジカル濃度と、樹脂組成物中の不飽和二
重結合の濃度とにより、重合反応の速度が決定されるこ
とになる。 【0027】本発明では、10時間半減期温度が50℃
〜85℃未満である(e)第1の有機過酸化物の発生さ
せたラジカルにより重合反応が立ち上がる。この重合に
伴う発熱により、さらに有機過酸化物の分解が進み、重
合反応が進行し、樹脂の温度が上昇する。その結果、次
に、10時間半減期温度が85℃〜110℃の(f)第
2の有機過酸化物の分解が急激に進行し、重合反応がよ
り速やかに進行し、短時間で達成されることになる。 【0028】他方、上記一連の重合反応によって速硬化
成形された成形品の外観には、不飽和ポリエステルの種
類及び量が影響する。すなわち、反応性が高い水添ビス
フェノール系不飽和ポリエステルを多用すると、上記速
硬化系の重合反応において、重合反応があまりにも速く
なる。従って、プレスの降下による成形中に重合反応が
かなり進行し、上述したプリゲル化現象が生じがちとな
る。すなわち、外観の光沢を低下させる流れ模様が表面
に表れる。このような現象を抑制するために、本発明で
は、反応性が穏やかなイソ系不飽和ポリエステルが併用
されており、それによって重合反応は、プレス降下完了
後に発生し、その結果外観に優れた成形品を得ることが
可能となる。 【0029】 【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を説明することにより、本発明を明らかにする。なお、
以下において、部は、特に断らない限り重量部を意味す
る。 【0030】実施例1,2 (a)水添ビスフェノール系不飽和ポリエステル(無水
マレイン酸/水素化ビスフェノールA/プロピレングリ
コール=44/32/24(重量比)の縮合反応体) (b)イソ/ネオペンチルグリコール系不飽和ポリエス
テル(無水マレイン酸/イソフタル酸/ネオペンチルグ
リコール/プロピレングリコール=32/23/34/
11(重量比)の縮合反応体) (c)スチレンモノマー (d)ポリスチレン 【0031】上記樹脂成分(a),(b)及び(d)
を、(c)スチレンモノマーに対し、それぞれ、下記の
表1に示す割合で添加し、合計を100部とした。次
に、上記樹脂成分(a)〜(d)の合計100部に対
し、充填剤としての炭酸カルシウム135部、離型剤と
してのステアリン酸亜鉛5部、顔料としての酸化チタン
7部、禁止剤としてのパラベンゾキノン(PBQ)0.
03部を添加し、混合した。 【0032】得られた混合物に、表1に示す割合で、第
1の有機過酸化物(e)として、10時間半減期温度が
74℃のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ートと、第2の有機過酸化物(f)としての10時間半
減期温度が105℃のt−ブチルパーオキシベンゾエー
ト(以下、TBPBと略す)をそれぞれ添加混合し、さ
らに、増粘剤としての酸化マグネシウム(MgO)1.
0部を添加混合し、混合物を長さ25.4mm×直径1
3μmのガラス繊維83部に含浸し、ポリエチレンフィ
ルムで覆い、SMCとした。このようにして得たSMC
を40℃で約1日熟成させた。 【0033】上記のようにして得たSMCを用い、30
0トンプレス機にて図1に示すミニチュアバス(底面の
厚みが約7.5mm)1を加圧成形した。成形に際して
は、上型を150℃、下型を135℃の温度に設定し
て、上記のようにして得たSMC5.4Kgを投入し、
約3mm/秒の速度で加圧成形した。 【0034】得られた成形品を金型から取り出し、下記
の要領で評価した。すなわち、成形品の底面に未硬化に
よるふくれが生じない最低限必要な保圧時間を測定し
た。また、成形品の外観評価として、成形品の60度鏡
面光沢度(測定は、JIS−Z−8741に従って行っ
た)を測定した。さらに、成形品表面のプリゲル現象に
基づくザラザラ感の有無を目視により評価した。上記各
評価結果を、表1に併せて示す。 【0035】比較例1〜4 下記の表2に示すように、不飽和ポリエステル(a)、
不飽和ポリエステル(b)及びオルソ系不飽和ポリエス
テル(b´)の少なくとも1種と、(c)スチレンモノ
マーと、(d)ポリスチレンとを配合し、合計を100
部とした。次に、上記樹脂分100部に対し、実施例1
と同様にして、充填剤、離型剤、顔料及び禁止剤を混合
した。 【0036】得られた混合物に、表2に示すように、第
1の有機過酸化物(e)としての、10時間半減期温度
が74℃のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エートと、第2の有機過酸化物(f)としての10時間
半減期温度105℃のTBPB、あるいは比較例2のよ
うに10時間半減期温度が97℃であるt−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネートを添加混合し、さら
に、増粘剤としての酸化マグネシウム1.0部を添加混
合し、得られた混合物を用いて、実施例1と同様にして
SMCを得た。また、得られたSMCを用いて、実施例
1と同様にして加圧成形を行い、成形品を得た。 【0037】得られた成形品を、実施例1と同様にして
評価した。評価結果を下記の表2に示す。 【0038】 【表1】 【0039】 【表2】【0040】実施例及び比較例の評価 表2から明らかなように、比較例1,2では、第2の有
機過酸化物(f)が少ないためか、あるいは10時間半
減期温度が10℃以内の関係にある第1,第2の有機過
酸化物を2種類使用しただけであるためか、成形必要保
圧時間が340〜360秒と非常に長くなっていた。ま
た、光沢についても、イソ系不飽和ポリエステル(b)
を単独使用した比較例1では、光沢度が80度と低かっ
た。 【0041】また、比較例3では、10時間半減期温度
が10℃以上離れている第1,第2の有機過酸化物を用
いているため成形必要保圧時間は100秒と短縮されて
いるものの、水添ビスフェノール系不飽和ポリエステル
を単独使用しているためか、表面の光沢度は85と高い
ものの、圧縮成形中にプリゲル化現象を引き起こし、そ
の結果成形品の外観が悪く、製品として供し得ないもの
であった。 【0042】さらに比較例4では、オルソ系不飽和ポリ
エステルを使い、第1の有機過酸化物を単独で多量に用
いたため、成形必要保圧時間は150秒と比較的短い
が、プリゲル化現象を起こし、やはり成形品の外観が悪
いものであった。 【0043】これに対して、実施例1,2では、上記の
ように第1,第2の有機過酸化物が配合されているた
め、成形必要保圧時間が120秒〜180秒と比較例
1,2に比べて約1/2の時間に短縮されていることが
わかる。さらに、表面の60度鏡面光沢も85〜90と
高く、プリゲル化現象も発生しなかった。従って、良好
な外観を呈する高品位の成形品を得ることが可能であっ
た。 【0044】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、第1,
第2の有機過酸化物を含むため、硬化が速やかに進行
し、さらに、水添ビスフェノール系不飽和ポリエステル
樹脂の反応性により、重合反応が速やかに進み、かつイ
ソ系不飽和ポリエステル樹脂により重合反応が穏やかに
進行する。従って、最終的な硬化までに長時間を必要と
せずに、高い生産性で成形品を得ることができ、かつ表
面にプリゲル化現象による流れ模様等が生じ難く、表面
の光沢の良好な高品位の成形体を提供することが可能と
なる。 【0045】しかも、比較的高価な水添ビスフェノール
系不飽和ポリエステルの使用量を、比較的安価なイソ系
不飽和ポリエステルを用いる分だけ軽減することができ
るため、並びに上記のように硬化速度を高めることがで
きるため、安価にかつ高い生産性で上記のような高品位
の成形品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例において成形品の外観評価を行うために
成形されたミニチュアバス成形品を示す斜視図。 【符号の説明】 1…成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 C08F 4/38 C08F 283/01

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 水添ビスフェノール系不飽和ポリエステ
    ルと、 イソ系不飽和ポリエステルと、 ビニル単量体と、 熱可塑性樹脂と、 10時間半減期温度が50℃〜85℃未満の少なくとも
    1種の第1の有機過酸化物と、 10時間半減期温度が85℃〜110℃の少なくとも1
    種の第2の有機過酸化物とを含み、かつ10時間半減期
    温度の差が10℃以上の関係にある第1の有機過酸化物
    と第2の有機過酸化物とが含有されていることを特徴と
    する不飽和ポリエステル樹脂組成物。
JP07003795A 1995-03-28 1995-03-28 不飽和ポリエステル樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3487669B2 (ja)

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