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JP3471081B2 - ヘパリン化材料及びその製造方法 - Google Patents

ヘパリン化材料及びその製造方法

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JP3471081B2
JP3471081B2 JP16212094A JP16212094A JP3471081B2 JP 3471081 B2 JP3471081 B2 JP 3471081B2 JP 16212094 A JP16212094 A JP 16212094A JP 16212094 A JP16212094 A JP 16212094A JP 3471081 B2 JP3471081 B2 JP 3471081B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗凝血性を有する医用
材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】生体組織以外の人工材料に血液が接触する
と、その材料の表面で血液の凝固系が活性化されて凝血
が起こる。この凝血の問題は、血液と接触する治療機
器、診断機器類の開発において大きな障害になってお
り、優れた抗凝血性材料が嘱望されている。これまで、
種々の表面構造を有する材料や、種々の表面処理法が提
案されてきているが、現在ではヘパリン化材料が最も優
れた抗凝血性を示すと考えられている。
【0003】ヘパリンは、生体由来の抗凝血性物質であ
り、多くの硫酸基に基づく負荷電を有するムコ多糖類で
ある。従来研究されてきた材料のヘパリン化法を大別す
ると、次の三つに分類される。
【0004】(1) 単純ブレンド法:材料中に単純にヘパ
リンを混入させる方法である。例えば、エポキシ樹脂中
にヘパリンを混入させた材料は良い抗凝血性を示すと言
われているが、ポリマーマトリックスとヘパリンとの間
に結合がないため、この方法によって調製された材料
は、血液中でヘパリンが容易に脱落し、長時間の抗凝血
性が持続できないという欠点を有する。
【0005】(2) 共有結合法:ヘパリンの官能基を利用
して共有結合によりヘパリンを材料表面に化学的に固定
化する方法である。しかしながら、かかる方法では固定
化されるヘパリンの量が最高でも0.1μg/cm2
度にとどまり、また、化学反応によってヘパリンが変性
したり又は材料から遊離しないなどの原因によりその抗
凝血活性が十分に得られないために、現在のところこの
方法によって満足な抗凝血性を示す材料は得られていな
い。
【0006】(3) イオン結合法:ヘパリンの負電荷を利
用して、正電荷を有する材料の表面に静電的にヘパリン
を固定化する方法であり、現在のところ最も優れた抗凝
血性が得られる方法であると言われている。
【0007】このイオン結合法では、まず材料の表面に
正電荷を導入するのであるが、かかる正電荷導入方法に
は、(a) 塩化ベンザルコニウム(BC)又は塩化トリド
デシルメチルアンモニウム(TDMAC)などの4級ア
ンモニウム塩型界面活性剤を材料の表面に吸着させるこ
とによって、材料の表面に正電荷を導入する方法と、
(b) 4級アンモニウム基を主鎖又は側鎖に有する非水溶
性高分子化合物を材料の表面に被覆することによって、
材料の表面に正電荷を導入する方法とが知られている。
(a) の方法を用いると、水中においてBC及びTDMA
Cの疎水性基が材料の表面側に吸着し、親水性の4級窒
素が外側を向いて配列するので、材料の表面に2次元的
に高密度の正電荷を導入することができるが、BCやT
DMACが低分子であるため、ヘパリンと共に血液中に
溶出してしまうという欠点がある。これらカチオン性界
面活性剤が血液中に溶出すると、溶血や血漿タンパク質
の凝集といった問題を引き起こす。また、(b) の方法を
用いると、ヘパリン以外の物質の溶出は抑制されるが、
4級アンモニウム基を主鎖又は側鎖に有する非水溶性高
分子化合物の合成に手間がかかる。また、かかる化合物
を材料の表面へ被覆するのも容易ではない。かかる被覆
法としては一般にソルベントキャスト法などが用いられ
るが、有機溶媒を使用しなければならないために、その
残存毒性の問題や、適用できる基材が限定されるといっ
た問題がある。更に、非水溶性高分子化合物とするに
は、分子内の疎水性部分の割合を大きく、4級アンモニ
ウム基の割合を小さくする必要がある。このため、有機
溶媒を用いてかかる化合物を材料に被覆すると4級アン
モニウム基が被覆層中に埋没してしまい、表面最外層の
正電荷密度を大きくすることができないために、ヘパリ
ンの固定化量が不十分なものとなってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来のヘパリン化材料製造法、特にイオン結合
法における問題点を解決し、静電的にヘパリンが高密度
で表面に固定化され、血液と接触することによってヘパ
リンが徐々に血液中に遊離し、更にヘパリン以外に溶出
物がない抗凝血性材料を、製造工程において有機溶媒を
使用することなく、簡便に得る方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、材料の疎水性表
面に、重合性官能基及び2本又は3本の炭素数10以上
30未満の炭化水素鎖を有する4級アンモニウム塩モノ
マーの重合体を含む吸着層を形成することによって、ヘ
パリン化に適した材料を得ることができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、重合性官能基及び2本又
は3本の炭素数10以上30未満の炭化水素鎖を有する
4級アンモニウム塩モノマーを、水中で材料の疎水性表
面に吸着させた後に重合することを特徴とするヘパリン
化に適した材料の製造方法、及びかかる方法によって製
造されるヘパリン化に適した材料に関するものである。
更には、本発明の他の態様は、重合性官能基及び2本又
は3本の炭素数10以上30未満の炭化水素鎖を有する
4級アンモニウム塩モノマーの重合体とヘパリンとのイ
オン対が、血液と接触する表面に吸着していることを特
徴とするヘパリン化材料に関するものである。また、本
発明の更に他の態様は、重合性官能基及び2本又は3本
の炭素数10以上30未満の炭化水素鎖を有する4級ア
ンモニウム塩モノマーを水中で材料の疎水性表面に吸着
させて重合した後、ヘパリンの水溶液と接触させること
によって該表面にヘパリンを静電的に結合させることを
特徴とするヘパリン化材料の製造方法に関する。
【0011】更には、本発明は、重合性官能基及び2本
又は3本の炭素数10以上30未満の炭化水素鎖を有す
る4級アンモニウム塩モノマーとヘパリンとのイオン対
を形成させた後、水中で該イオン対を材料の疎水性表面
に吸着させ、次いで該モノマーを重合させることを特徴
とするヘパリン化材料の製造方法に関する。
【0012】本発明において用いられる4級アンモニウ
ム塩モノマーは、その分子内に少なくとも1個の重合性
官能基及び2本又は3本の炭素数10以上30未満の炭
化水素鎖を有することが必要である。ここで、炭素数1
0以上30未満の炭化水素鎖は、4級アンモニウム塩モ
ノマーを水相中で材料の疎水性表面に吸着させるために
必要であり、更に、かかる炭化水素鎖が1分子中に2本
又は3本存在することにより、材料の疎水性表面におい
て、4級アンモニウム塩モノマーの疎水性の炭化水素基
が材料表面側に吸着し、親水性の4級窒素が水相側を向
いて緻密に配列されるので、材料の疎水性表面に2次元
的に高密度の正電荷を導入することができる。このよう
な性質をモノマーに付与することができるためには炭化
水素基の炭素数は10以上30未満であることが必要で
あるが、14以上23未満であることがより好ましい。
なお、炭化水素鎖の構造は、枝分かれを持たない構造が
緻密な配列には望ましいが、不飽和結合を有していても
よい。かかる炭化水素鎖の好ましい例としては、例え
ば、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等のア
ルキル基や、ステアロイル、オレオイル等のアシル基な
どが挙げられる。これらの長鎖炭化水素基は、4級窒素
に直接結合していてもよいし、又はグリセリン脂肪酸エ
ステル等として間接的に4級窒素に結合していてもよ
い。一方、本発明において用いる4級アンモニウム塩モ
ノマーにおける重合性官能基は、材料の疎水性表面に吸
着した4級アンモニウム塩モノマーを重合させて血液中
への溶出を防止するために必要である。かかる重合性官
能基の好ましい例としては、例えば、ビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。本発明
にかかる4級アンモニウム塩モノマーは、単独で重合さ
せてもよいし、他の重合性モノマーと共重合させてもよ
い。重合方法としては、通常のラジカル重合開始剤を使
用してもよいし、電子線やγ線を照射して重合を行って
もよい。
【0013】本発明において用いられる4級アンモニウ
ム塩モノマーは、単分子状態においては水への溶解度は
極めて低いが、ミセル又は二分子膜ベシクル等の微細な
分子集合体とすることによって水中に均一に分散させる
ことができる。この分散液中に疎水的な性質をもつ材料
の表面を配置すると、4級アンモニウム塩モノマーは疎
水性相互作用によって自発的に材料の疎水性表面に吸着
する。分散液中に存在させることのできる4級アンモニ
ウム塩モノマーの濃度は、材料の表面積に依存するが、
通常は0.001〜1質量%(重量%)の範囲である。
次に、分散液を窒素バブリング等によって脱酸素化した
後、重合開始剤を添加するか又は電子線やγ線を照射し
て、4級アンモニウム塩モノマーを材料の疎水性表面に
吸着させた状態のままで重合させる。この場合には、分
散液中に残存するミセル又は二分子膜ベシクル内におい
ても重合が起こる。また、4級アンモニウム液モノマー
が表面に吸着した材料を分散液から取り出し、窒素等の
不活性ガス雰囲気下で電子線やγ線を照射して、材料表
面に吸着した4級アンモニウム塩モノマーのみを重合さ
せることもできる。
【0014】本発明において用いることのできる材料
は、ヘパリン化材料を製造するための原材料として通常
知られているもの、例えば合成高分子材料、天然ゴム、
金属などを用いることができるが、医療材料としては、
賦型性、安全性、経済性の面から考えると、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、
ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポル
スルホン、ポリメチルメタクリレートなどの疎水性高分
子材料が好ましい。また、かかる材料の疎水性表面の形
状は、特に限定されるものではなく、平面状であっても
曲面状であってもよい。
【0015】上記のようにして、4級アンモニウム塩モ
ノマーの重合体を含む吸着層を形成した材料の表面に、
以下に説明するヘパリン化法によって、容易にヘパリン
を固定することができる。
【0016】本発明に係るヘパリン化法においては、上
記のようにして、重合性官能基及び2本又は3本の炭素
数10以上30未満の炭化水素鎖を有する4級アンモニ
ウム塩モノマーを水中で材料の疎水性表面に吸着させて
重合した後、この材料をヘパリンの水溶液と接触させる
ことによって、重合体中の4級アンモニウム窒素とヘパ
リンとの間でイオン対を形成させ、ヘパリンを材料の表
面に固定させる。この際、ヘパリン水溶液中のヘパリン
濃度は、高いほど材料表面へのヘパリン吸着速度及び吸
着量が増大するので望ましく、通常は、0.1〜10
量%(重量%)の濃度を用いる。
【0017】また、本発明に係るヘパリン化材料は、重
合性官能基及び2本又は3本の炭素数10以上30未満
の炭化水素鎖を有する4級アンモニウム塩モノマーとヘ
パリンとのイオン対を形成させた後、水中で該イオン対
を材料の疎水性表面に吸着させ、次いで該モノマーを重
合させることによっても製造することができ、かかる方
法も本発明の一態様に含まれる。
【0018】かかる方法においては、ヘパリンは、単独
では水中において完全に溶解しているが、本発明に係る
4級アンモニウム塩モノマーを一定の割合で共存させる
と、ヘパリンの硫酸基とモノマー中の4級アンモニウム
窒素との間でイオン対が形成され、該イオン対複合体は
全体として非水溶性のものとなる。ここで、4級アンモ
ニウム塩モノマーとヘパリンとの割合は、ヘパリン1
量部(重量部)に対して4級アンモニウム塩モノマー
0.5〜3質量部(重量部)の範囲が好ましい。4級ア
ンモニウム塩モノマーの相対量がこの範囲を下回るとイ
オン対複合体が全体として非水溶性となり難く、またこ
の範囲を上回るとヘパリンに結合しない4級アンモニウ
ム塩モノマーが多くなるので望ましくない。このように
して調製したイオン対複合体分散液中に、疎水的な性質
をもつ材料の表面を配置すると、複合体中の4級アンモ
ニウム塩モノマー部分が疎水性相互作用によって自発的
に材料の表面に吸着する。この際、イオン対は形成され
たままであるので、ヘパリンも同時に材料の表面に吸着
される。かかる方法において分散液中に存在させること
のできるイオン対複合体の濃度は、材料の表面積に依存
するが、通常は0.001〜0.1質量%(重量%)
範囲である。次に、分散液を窒素バブリング等によって
脱酸素化した後、重合開始剤を添加するか又は電子線や
γ線を照射して、イオン対複合体を材料の表面に吸着さ
せた状態のままで、イオン対複合体中の4級アンモニウ
ム塩モノマーを重合させる。なお、かかる態様の方法に
おいては、材料の表面に吸着した4級アンモニウム塩モ
ノマーの配列が第1の方法と比べて疎なパッキング状態
になり易く、重合性官能基間の距離が開くと重合が不完
全になる可能性があるので、かかる問題を回避するため
に、他の水溶性モノマー、例えばヒドロキシエチルメタ
クリレート(HEMA)等を分散液に添加して4級アン
モニウム塩モノマーと共重合させることができる。ま
た、かかる方法においては、分散液中に残存するイオン
対複合体内でも重合が起こるが、上記において前述した
のと同様に、イオン対複合体が表面に吸着した材料を分
散液から取り出し、窒素等の不活性ガス雰囲気下で電子
線やγ線を照射して、材料の表面に吸着したイオン対複
合体中の4級アンモニウム塩モノマーのみを重合させる
こともできる。
【0019】また、かかる方法によって得られたヘパリ
ン化材料を、高濃度のヘパリン水溶液中に浸すことによ
って、ヘパリンの表面結合量を更に増加させることがで
きる。
【0020】以下に実施例を示して本発明をより具体的
に説明する。
【0021】
【実施例】
(実施例1及び比較例1) (4級アンモニウム塩モノマーの合成)ジオレイルアミ
ン(日本油脂株式会社製、アミン2−OLR)10gを
クロロホルム20ml中に溶解し、臭化アリル10g及
び炭酸ナトリウム5gを加え、室温で終夜撹拌して反応
を行った。反応生成物を濾過した後、溶媒を減圧留去し
てジアリル(ジオレイル)アンモニウムブロマイド(D
ADOA)13gを得た。
【0022】(4級アンモニウム塩モノマーの重合体を
含む吸着層の形成)上記により得られたDADOA 1
gを蒸留水1000ml中に入れ、超音波照射すること
によって分散させた。2×5cmの短冊状に裁断したポ
リエステルメッシュ(NBC工業株式会社製、T−N0
80S、繊維径75μm、ピッチ300μm)250枚
を上記のDADOA分散液中に浸し、DADOAモノマ
ーをポリエステルメッシュ表面に吸着させた。窒素を通
気させることによって分散液を脱酸素化した後、10
量%(重量%)の過硫酸アンモニウム(APS)水溶液
176μl及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチ
レンジアミン(TEMED)18μlを加え、室温で終
夜、窒素下で振とうしてDADOAを重合させた。分散
液からポリエステルメッシュを取り出し、蒸留水で十分
に洗浄した。疎水性表面上にDADOAの重合体を含む
吸着層が形成されている材料が得られた。
【0023】(材料のヘパリン化)上記で得られたDA
DOA重合体を表面に有するポリエステルメッシュを、
質量%(重量%)のヘパリン(和光純薬株式会社製)
水溶液中に、室温で終夜浸してヘパリンを静電的に結合
させ、蒸留水で十分に洗浄してヘパリン化ポリエステル
メッシュを得た。
【0024】このヘパリン化ポリエステルメッシュを2
Mの食塩水に浸してヘパリンを溶出させ、脱塩した後ト
ルイジンブルー法によりヘパリンを定量し、ヘパリン化
ポリエステルメッシュ表面のヘパリン結合量を求めたと
ころ、0.2μg/cm2であった。また、過マンガン
酸カリウムを用いて溶出物試験を行ったところ、ヘパリ
ン以外の溶出物は認められなかった。
【0025】(抗凝血性試験)上記により得られたヘパ
リン化ポリエステルメッシュを、塩化ビニル製血液回路
(ラインチューブ:内径3mm、外径5mm、長さ15
2cm)のチャンバー部内(内径13mm、外径15m
m、長さ8cm)にセットし、生理食塩水で十分に洗
浄、充填した後、これを用いてビーグル成犬の大腿動脈
−大腿静脈間をバイパスさせる手術を施した(A−Vシ
ャント法)。比較例として、未処理のポリエステルメッ
シュを用いて同様の手術を行った。未処理のポリエステ
ルメッシュを用いた回路では、血液の循環を始めてから
約30分でメッシュに凝血が起こり、回路内の血流が停
止した。これに対してヘパリン化したポリエステルメッ
シュを用いた回路では、約80分で回路内の血流が停止
した。約50分間の血栓形成の遅延が確認できた。これ
により、ヘパリン化したポリエステルメッシュの有効な
抗凝血性が確認された。
【0026】(実施例2)実施例1と同様にしてDAD
OAモノマーをポリエステルメッシュ表面に吸着させた
後、ポリエステルメッシュを分散液から取り出し、窒素
雰囲気下で2Mradのγ線を照射してDADOAを重
合させた。ポリエステルメッシュを蒸留水で洗浄した
後、実施例1と同様にしてヘパリン化したところ、実施
例2と同等のヘパリン結合量を得た。得られたヘパリン
化材料を用いて実施例1と同様の抗凝血性試験を行った
ところ、同様の結果が示され、ヘパリン化したポリエス
テルメッシュの有効な抗凝血性が確認された。
【0027】(実施例3) (本発明の他の態様に係る方法によるヘパリン化)DA
DOA 0.006質量%(重量%)、ヘパリン0.0
02質量%(重量%)、HEMA 0.5質量%(重量
%)を含有する水分散液1000ml中に、実施例1と
同様のポリエステルメッシュを浸した後、APSとTE
MEDのレドックス開始剤系を用いて、実施例1と同様
の重合反応を行った。このポリエステルメッシュを蒸留
水で十分に洗浄した後、実施例1と同様にしてヘパリン
結合量を求めたところ、1.5μg/cm2であった。
このポリエステルメッシュを1質量%(重量%)のヘパ
リン水溶液に終夜浸すことによって、ヘパリン結合量が
2.2μg/cm2に増加した。また、実施例1と同様
に溶出物試験を行ったところ、ヘパリン以外の溶出物は
認められなかった。実施例1と同様に抗凝血性試験を行
ったところ、有効な抗凝血性が確認された。
【0028】(実施例4及び比較例2)塩化ビニル製チ
ューブ(内径2mm、外径4mm、長さ80cm)内に
実施例3と同様の分散液を循環させた後、実施例3と同
様にして重合反応を行い、ヘパリン化チューブを得た。
このヘパリン化チューブを蒸留水で十分に洗浄した後、
これを用いて実施例1と同様の方法で抗凝血性試験を行
った。また、比較例として、未処理のチューブを用いて
同様の試験を行った。血液をそれぞれのチューブに1時
間及び3時間流し、その後、生理食塩水でチューブ内面
を洗浄し、形成された血栓を固定して電子顕微鏡でチュ
ーブ内面を観察した。未処理のチューブでは1時間血液
を流したチューブ内面にも微小血栓が多数観察された
が、ヘパリン化チューブでは3時間血液を流したチュー
ブにも血栓は観察されなかった。ヘパリン化チューブの
有効な抗凝血性が確認された。
【0029】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
係るヘパリン化材料は、静電的に高密度のヘパリンを表
面に結合しているので、非常に優れた抗凝血性を有す
る。しかも、ヘパリン以外の溶出物がないので安全性も
高い。また、本発明にかかるヘパリン化法は、従来の種
々のヘパリン化法に比べて操作が簡単で、また4級アン
モニウム塩モノマー中の長鎖炭化水素基が疎水性相互作
用によって材料の疎水性表面に吸着するという性質を利
用して材料表面への被覆を行っているので、有機溶媒を
使用することなく広範な素材に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 学 神奈川県秦野市鶴巻北2丁目5−37− 405 (72)発明者 窪田 倭 東京都国立市東3−21−24 (56)参考文献 特開 昭63−119774(JP,A) 特開 平2−74261(JP,A) 特開 昭60−229933(JP,A) 特開 昭62−110978(JP,A) 特開 昭57−200164(JP,A) 特表 平5−508884(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 33/00 C08J 7/12 - 7/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料の疎水性表面に、重合性官能基及び
    2本又は3本の炭素数10以上30未満の炭化水素鎖を
    有する4級アンモニウム塩モノマーの重合体を含む吸着
    層が形成されていることを特徴とするヘパリン化に適し
    た材料。
  2. 【請求項2】 重合性官能基及び2本又は3本の炭素数
    10以上30未満の炭化水素鎖を有する4級アンモニウ
    ム塩モノマーを、水中で材料の疎水性表面に吸着させた
    後に重合することを特徴とする請求項1に記載のヘパリ
    ン化に適した材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合性官能基及び2本又は3本の炭素数
    10以上30未満の炭化水素鎖を有する4級アンモニウ
    ム塩モノマーの重合体とヘパリンとのイオン対が、血液
    と接触すべき材料の疎水性表面に吸着していることを特
    徴とするヘパリン化材料。
  4. 【請求項4】 重合性官能基及び2本又は3本の炭素数
    10以上30未満の炭化水素鎖を有する4級アンモニウ
    ム塩モノマーを水中で材料の疎水性表面に吸着させて重
    合した後、ヘパリンの水溶液と接触させることによって
    該表面にヘパリンを静電的に結合させることを特徴とす
    る請求項3に記載のヘパリン化材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合性官能基及び2本又は3本の炭素数
    10以上30未満の炭化水素鎖を有する4級アンモニウ
    ム塩モノマーとヘパリンとのイオン対を形成させた後、
    水中で該イオン対を材料の疎水性表面に吸着させ、次い
    で該モノマーを重合させることを特徴とする請求項3に
    記載のヘパリン化材料の製造方法。
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JP6432346B2 (ja) * 2013-04-12 2018-12-05 東レ株式会社 抗血栓性を有する人工血管

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