JP3314295B2 - 低温靱性に優れた厚鋼板の製造方法 - Google Patents
低温靱性に優れた厚鋼板の製造方法Info
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Description
の製造方法に関するものである。
構造物の安全性確保の観点から低温靱性を要求される場
合が多い。厚鋼板において、低温靱性を向上させる方法
は種々提案されているが、Niのような高価な合金元素
を用いずに、他の特性劣化を生じることなく低温靱性を
向上させる方法としては、フェライト(α)結晶粒径の
微細化が代表的である。
の方法が提案されている。代表的な方法としては、例え
ば、特公昭49−7291号公報、特公昭57−210
07号公報、特公昭59−14535号公報等に示され
ているように、オーステナイト(γ)の未再結晶温度域
において制御圧延を行い、引き続いて加速冷却を行うこ
とによるγからαへの変態時にαを微細化する方法が提
案されている。これらのような、γからαへの変態を利
用する方法では、γが粗大な場合は未再結晶域圧延の有
効活用によりγ/α変換比(変態前γ粒径/変態後α粒
径)を高めることが可能であるが、γ粒径が微細になる
と、γ/α変換比は1に近づくため、αの微細化の程度
は飽和するようになる。従って、γからαへの変態を介
したαの微細化による方法では、その程度はγの微細化
の程度に規制されるため、α粒径の飛躍的な微細化は望
めない。
大した、いわゆる二相域圧延による強度・靱性改善技術
も提案されている。例えば、特公昭58−5967号公
報には、成分や圧下条件の工夫等により二相域圧延に特
徴的なセパレーションの発生を抑制して靱性向上を計る
技術が開示されている。しかし、従来の二相域圧延技術
ではα粒径は制御圧延で得られるα粒径と同程度であ
り、セパレーションの発生による3軸応力の低減効果を
用いて初めて大幅な靱性向上が計られる。
理によってα粒径の微細化を計る方法も示されている。
例えば、〔鉄と鋼、第77年、第1号、1991、第1
71〜178頁〕に示されているように、V、Nを通常
よりも多量に添加することによりγの微細化を計るとと
もに、変態時のγ/α変換比を増大させて、焼ならし処
理で微細なα組織とする方法が開発されている。しか
し、この方法で微細なα組織を得るためには、Vを0.
01%以上、Nも0.01%以上添加する必要があり、
到達できるα粒径も5μm程度である。
号、1990、第1796頁〕には、γ/α変態の繰り
返しを含む複雑な加工熱処理により粒径が3μm以下の
超細粒鋼を得る方法が開示されている。この方法は、制
御圧延後、加速冷却を行い、500℃程度で加速冷却を
停止した後、室温まで冷却することなく900℃に再加
熱し、所定の温度で熱間圧延を行うことにより超細粒鋼
を得るものであるが、α粒径は冷却停止温度の影響を強
く受け、冷却停止温度が500℃のごく近傍以外では粒
径が3μm以下の超細粒αは得られておらず、工業的に
安定して製造することは困難であると考えられる。
産性の劣化や熱処理工程の増加、さらには合金元素の増
加等、コスト上昇が避けられない。また、安定して得ら
れるα粒径は一部の実験的手法を除けば10μm程度で
あり、厳密に制御された複雑な工程によっても5μm程
度が限界で、それ以上のαの微細化による大幅な靱性向
上は望めない。
元素の多量の添加や、生産性の劣る工程や複雑な工程を
行わずに、生産性が高く、平均α粒径が3μm以下で混
粒度が小さい整粒の超細粒α組織を有する低温靱性の優
れた厚鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
表的細粒化方法であるγ/α変態では限界があることか
ら、αの熱間加工によるαの回復・再結晶を利用する方
法に注目し、αの熱間加工挙動を詳細に調査することに
よりαの超細粒化のための手段を見出し、本発明を完成
するに至ったものである。
以下に示す第1から第4の発明にある。
〜1.0%、Mn:0.30〜2.0%、Al:0.0
05〜0.1%、N:0.001〜0.01%を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片をAc3
変態点以上、1200℃以下の温度に加熱し、次いでオ
ーステナイト域で、累積圧下率が20〜70%である粗
圧延を900〜800℃の温度で終了した後、仕上圧延
としての二相域圧延温度に至るまで0.1〜5℃/秒の
冷却速度で冷却し、かくして得られた鋼板の平均フェラ
イト粒径が、続いての仕上圧延としての二相域圧延開始
前において15μm以下でかつフェライト分率が面積率
で50〜90%である状態となした後、累積圧下率が5
0〜90%である前記二相域仕上圧延を650〜750
℃の温度で終了することを特徴とする低温靱性に優れた
厚鋼板の製造方法。
%、Mo:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜
1.5%、Ti:0.003〜0.10%、V:0.0
05〜0.20%、Nb:0.003〜0.05%、
B:0.0003〜0.0020%、Ca:0.000
5〜0.005%、REM:0.0005〜0.01%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする第1
の発明記載の低温靱性に優れた厚鋼板の製造方法。
で550〜20℃まで加速冷却することを特徴とする第
1または第2の発明に記載の低温靱性に優れた厚鋼板の
製造方法。 〔第4の発明〕 仕上圧延終了後、引き続いて5〜50℃/秒の冷却速度
で550〜20℃まで加速冷却した後、600〜400
℃で焼戻すことを特徴とする第1または第2の発明に記
載の低温靱性に優れた厚鋼板の製造方法。
細に説明する。本発明は、従来の達成レベルを凌駕する
αの細粒化の手段として、加工αの回復・再結晶による
方法を用いている点に特徴を有する。すなわち、γ/α
二相域で加工を加えることにより得られるαを、加工後
回復・再結晶せしめ、実質的なαの超細粒化を計る。そ
の場合、生産性を阻害せず、かつ均一な整細粒とするた
めには加工後のαの回復・再結晶は再加熱熱処理のよう
な方法ではなく、圧延後の冷却中、好ましくは圧延中あ
るいは直後に生じさせる方が有利となる。ただし、一般
的に二相域圧延を施した鋼材はαマトリクスの転位密度
が高いためにαマトリクスの靱性は劣化する。すなわ
ち、二相域圧延によるセパレーションの導入を介した靱
性向上効果と相殺しあって靱性向上には限度がある。従
って、二相域圧延を基本とした製造方法による場合はα
を超細粒化すると同時にマトリクスの転位密度の減少を
図る必要があると考えられる。しかしながら、αの直接
加工による細粒化であるが故に加工は必然的にαが主体
の組織となる温度域で行う必要があり、通常の圧延のよ
うな冷却過程でαを一定量以上生成させようとすると必
然的に温度が低下するため、圧延中あるいはその後の冷
却中に転位の大幅な減少を図ることは容易ではない。
には、αに一定量以上の転位を導入して回復・再結晶の
駆動力を与えることが前提となる。その一方で、最終的
にはマトリクス中に残存する転位を極力低減する必要が
ある。この両方の条件を同時に満足するための手段を検
討した結果、二相域圧延前のα粒径の微細化を図ること
が最も重要な点であることを知見するに至った。すなわ
ち、加工前のα粒径が微細であると、同じ転位密度でも
回復・再結晶が容易に生じるため、残留する転位密度が
その分低減し、さらに達成されるα粒径も加工率が同じ
であれば加工前のα粒径とほぼ比例関係にあることが判
明した。従って、靱性改善に有効な、マトリクス中の転
位密度の低い超細粒α組織を得るための製造条件は、回
復・再結晶を生じさせるために必要な二相域圧延の累積
圧下率と最終的な転位密度に大きな影響を及ぼし、かつ
最終α粒径に大きな影響を及ぼす加工前のα粒径、さら
に最終組織中の二相域圧延によって形成された面積率で
表されるαの割合(以下、α分率という)を決定する二
相域圧延に入る前のα分率を適正に組み合わせることで
達成される。
0.2%、Mn:1.2%、Nb:0.006%、T
i:0.01%、N:0.0032%の鋼を1150℃
に加熱し、γ域の圧延条件(圧下率10〜80%、圧下
温度1000〜800℃)や冷却条件(冷却速度0.1
〜5℃/秒)によって二相域圧延に入る前のα粒径を種
々変化させた場合の二相域圧延後のαの状態と二相域圧
延の累積圧下率および二相域圧延前のα粒径との関係を
調べた図である。なお、二相域圧延前のα分率は60〜
75%の範囲に制御し、二相域圧延後は冷却速度が約2
0℃/秒になるように調整して、およそ650℃から室
温まで加速冷却を行い、板厚中心部の組織を観察した。
αの形態はナイタール腐食組織を光学顕微鏡により観察
して判定し、α粒径は走査型電子顕微鏡により倍率35
00倍の写真を用いて測定した。
が微細になるにともなって、また二相域圧延の累積圧下
率が大きくなるにともなって、二相域圧延後の最終α組
織は均一かつ微細化する。これは二相域圧延開始前のα
粒径が微細なほど同じ累積圧下率でも回復・再結晶が容
易となるためである。別途、低温靱性との関係および電
子顕微鏡組織を調査した結果によれば、観察されるα粒
が伸長粒(展伸度1.5以上)あるいは混粒(展伸度
1.5以上の伸長粒の割合が30%以上)であると、α
マトリクス中の転位の回復が十分でないため、同じ結晶
粒径でも低温靱性の改善が明確に現れない。
はαを超細粒化すると同時に伸長粒の割合を極力低減す
る必要がある。図1から、二相域圧延後の最終αを微細
かつ伸長粒を含まない整粒組織とするためには、二相域
圧延開始前のα粒径と二相域圧延の累積圧下率の両方を
適正化する必要があることが明らかになった。累積圧下
率を大きくすれば平均的な粒径は微細化するが、累積圧
下率が70%以上でも二相域圧延前のα粒径が17μm
程度以上に粗大であると、混粒組織となり、顕著な靱性
向上は期待できない。
合については、図1に示すようなαの超細粒化が期待で
きるが、α分率が大幅に少ないと、大部分のαはγから
の変態によって生じるようになるため、一部のαが如何
に二相域圧延によって如何に超細粒化しても、組織全体
の均一な超細粒化は望めない。本発明は以上の研究結果
に基づいてなされたものであり、本発明により鋼板の全
厚にわたって均一に安定して平均粒径で3μm以下のα
粒径の組織とすることで、低温靱性がシャルピー衝撃試
験の破面遷移温度で−100℃以下、DWTT試験の8
5%破面遷移温度でも−90℃以下の非常に優れた低温
靱性が達成できることが明らかとなった。
べる。先ず、本発明においては、鋼片の加熱温度をAc
3 変態点以上、1200℃以下の範囲とした。これは加
熱温度がAc3 変態点未満では溶体化が十分行われず、
1200℃を超える高い加熱温度では加熱γ粒径が極端
に粗大になって、その後の圧延によって二相域圧延開始
前のα粒を微細化することが困難になるおそれがあるた
めである。
ことが本発明の最も重要な点のひとつである。図1に基
づいて、現実的にとり得る二相域圧下率の範囲を勘案し
て、二相域圧延開始前のα粒径としては15μm以下と
する。二相域圧延に入る前のαを微細化する手段として
は、鋼片再加熱温度の低下、γ域圧延の条件の適正化、
加速冷却、化学成分の工夫等、種々考えられるので特に
限定する必要はないが、本発明においては所望のα粒径
を達成するために累積圧下率が20〜70%の圧延を9
00〜800℃の温度で終了し、さらに粗圧延終了後、
仕上圧延としての二相域圧延開始までを冷却速度が0.
1〜5℃/秒の条件で冷却する。これは、本発明の成
分、加熱条件範囲においてはγ域での圧延を累積圧下率
が20〜70%で圧延終了温度が900〜800℃の範
囲であれば、γ粒が細粒化し、かつ未再結晶域圧延によ
る効果も重畳し、その後の二相域圧延温度までの冷却速
度が0.1〜5℃/秒の範囲であれば、α粒径は15μ
m以下になるためである。
重要であるが、二相域圧延中での誘起変態も考慮する
と、圧延開始前のα分率として50%以上確保できれば
最終組織においてαを均一に超細粒化し得る。α分率の
上限は90%に規定するが、これはわずかに残存してい
る硬質のγ相がαの加工を均一化して整細粒化する上で
有効であり、その効果を発揮するためにはγは10%以
上ある方が好ましいためである。また、付随的にはαが
90%以上になるまで冷却すると実質的にはαが回復・
再結晶できる下限温度以下となってしまう。
に基づいて、二相域圧延前のα粒径が15μm以下を前
提として、安定して超細粒が得られるための必要条件と
して50%以上とする。二相域圧延の場合、圧延温度は
必然的に低く、圧延中の短時間での再結晶は生じないた
め、累積圧下率のみを規定すればよく、各圧延パスの量
や組み合わせの仕方、パス間時間等は問わない。二相域
圧延の累積圧下率は大きいほど細粒化に有効ではある
が、90%を超える圧下を施しても効果が飽和するの
と、圧延時間が長くなり、仕上温度確保が実質的に困難
となるため、経済性を考慮して上限は90%とする。
ると、如何に二相域圧延前のα粒径を微細化しても、圧
延後のαの回復・再結晶が十分進行せず、超細粒化やα
マトリクス中の転位の低減が不十分となるため、α粒径
が15μm以下でかつ累積圧下率が50%以上という条
件下で回復・再結晶が進行する下限温度として、実験温
度に基づいて、二相域圧延終了温度は650℃以上とす
る。また、二相域圧延の終了温度の上限は750℃とす
る。二相域圧延では加工発熱により圧延開始よりも終了
温度が上昇する場合がある。この場合、温度が上昇しす
ぎると得られた超細粒αが成長し、粗大かつ混粒となる
ため、これを防ぐのに十分な終了温度として、実験結果
に基づいて終了温度の上限は750℃とした。
の冷却条件としては、所望の特性に応じて加速冷却する
ことも可能であるが、その際に、二相域圧延終了後から
加速冷却開始までの時間が極端に短いと、回復・再結晶
が十分進行しないことが懸念される。実際の製造結果に
よれば、実際の鋼板製造における圧延終了から加速冷却
のための冷却設備までの搬送時間内に十分に回復・再結
晶は進行する。この回復・再結晶のための時間は20秒
以上確保することが好ましい。
は、圧延終了時に生成した組織が保存される範囲内で
は、所望の機械的性質を得るために、様々な熱履歴を受
けることが可能である。すなわち、圧延後、そのまま放
冷しても、あるいは圧延後、加速冷却しても、あるいは
加速冷却後、焼戻し処理を施してもよい。ただし、加速
冷却する場合は加速冷却の効果を発揮させるために、冷
却速度は5℃/秒以上が必要である。一方、冷却速度が
50℃/秒を超えても組織制御、機械的性質の改善効果
は飽和するため、加速冷却における冷却速度の範囲は5
〜50℃/秒とする。
以下まで行う必要があるが、機械的性質に影響を及ぼす
冶金因子が変化するのは実質的には室温付近であるの
で、冷却停止温度の下限は20℃とする。また、加速冷
却後、強度の調整、靱性の改善等のために焼戻しを施す
場合は、圧延によって得られた超細粒組織を保存する必
要性から、焼戻し温度は600℃以下に限定する必要が
ある。ただし、本発明の成分、組織範囲においては、焼
戻しによる機械的性質の改善は400℃以上から期待さ
れるため、焼戻し温度の範囲は400〜600℃とす
る。
由であるが、所望の強度および低温靱性を確保するため
には製造方法だけでなく、化学成分も適正範囲内とする
必要がある。以下に、本発明における化学成分の限定理
由を述べる。先ず、Cは鋼の強度を向上させる有効な成
分として添加するもので、0.01%未満では構造用鋼
に必要な強度の確保が困難であり、また0.20%を超
える過剰の添加は靱性や耐溶接割れ性などを著しく低下
させるので、0.01〜0.20%の範囲とした。
強度確保に有効な元素である。0.03%未満の添加で
は脱酸が不十分となり、また強度確保に不利である。逆
に、1.0%を超える過剰の添加は粗大な酸化物を形成
して延性や靱性劣化を招く。このため、Siの範囲は
0.03〜1.0%とした。また、Mnは母材の強度、
靱性の確保に必要な元素であり、最低限0.30%以上
添加する必要があるが、溶接部の靱性、割れ性など材質
上許容できる範囲で上限を2.0%とした。
素であり、効果を発揮するためには0.005%以上含
有する必要があるが、0.1%を超えて過剰に添加する
と、粗大な酸化物を形成して延性を極端に劣化させるた
め、0.005〜0.1%の範囲に限定する必要があ
る。NはAlやTiと結びついてγ粒微細化に有効に働
くが、その効果が明確になるためには0.001%以上
含有させる必要がある。一方、過剰に添加すると固溶N
が増加して靱性に悪影響を及ぼすので、許容できる範囲
として上限を0.01%とする。
所望の強度レベルに応じて母材強度の上昇、靱性確保の
目的から、必要に応じて、Cr、Ni、Mo、Cu、T
i、V、Nb、B、Ca、REMの1種または2種以上
を含有することができる。先ず、CrおよびMoはいず
れも母材の強度向上に有効な元素であるが、明瞭な効果
を生じるためには0.01%以上が必要であり、一方、
0.50%を超えて添加すると、靱性が劣化する傾向を
有するため、0.01〜0.50%の範囲とする。
上でき、非常に有効な元素であるが、効果を発揮させる
ためには0.01%以上含有させる必要がある。含有量
が多くなると強度、靱性は向上するが、3.0%を超え
て添加しても効果が飽和するためと、Ar3 変態点が極
端に低下して、本発明の条件である二相域圧延前のα量
50%以上と、二相域圧延終了温度650℃以上を同時
に満足することができなくなるため、経済性も考慮し
て、上限を3.0%とする。
るが、1.5%超の添加では熱間加工性に問題を生じる
ため、0.01〜1.5%の範囲に限定する。Tiは析
出強化により母材強度向上に寄与するとともに、TiN
の形成によりγ粒微細化にも有効な元素であるが、効果
を発揮させるためには0.003%以上の添加が必要で
ある。一方、0.10%を超えると、Alと同様、粗大
な酸化物を形成して靱性や延性を劣化させるため、上限
を0.10%とする。
により母材の強度向上に寄与するが、過剰に添加すると
靱性を劣化させる。従って、靱性の劣化を招かずに、効
果を発揮できる範囲として、Vは0.005〜0.20
%、Nbは0.003〜0.05%とする。Bは0.0
003%以上のごく微量添加で鋼材の焼入れ性を高めて
強度上昇に非常に有効であるが、過剰に添加するとBN
を形成して、逆に焼入れ性を落としたり、靱性を大きく
劣化させるため、上限を0.0020%とする。
異方性改善や耐ラメラティア特性改善に有効な元素であ
る。Caの場合は、0.0005%未満では効果が明確
ではなく、0.005%超では介在物が粗大となって靱
性、延性に悪影響を及ぼすおそれがあるため、0.00
05〜0.005%の範囲とする。REMの場合は、
0.0005%未満では効果が明確ではなく、0.01
%超ではCaと同様、介在物が粗大となって靱性、延性
に悪影響を及ぼすおそれがあるため、0.0005〜
0.01%の範囲とする。
に具体的に述べる。
す。各供試鋼は造塊後、分塊圧延により、あるいは連続
鋳造により鋼片となした。表1の内、鋼番1〜15は本
発明の化学成分範囲を満足しており、鋼番16〜18は
本発明の化学成分範囲を外れている。
のつづき−1)、表4(表2のつづき−2)に示す条件
により鋼板に製造し、強度、シャルピー衝撃特性、DW
TT特性を調査した。試験片は全て板厚中心部から圧延
方向に直角(C方向)に採取した。シャルピー衝撃特性
は50%破面遷移温度(vTrs)で、またDWTT特
性は85%延性破面遷移温度(85%FATT)でそれ
ぞれ評価した。強度、靱性の試験結果も表2〜表4に示
す。
20はいずれも本発明に従って製造した鋼板であり、全
て最終的に得られたα組織は整粒でかつ平均粒径は2.
5μm以下となっており、安定して平均粒径3μm以下
の超細粒組織が得られている。靱性値はvTrsで−1
10℃以下、DWTT試験の80%FATTで−90℃
以下が達成されている。
り、いずれかの条件が本発明の限定範囲を外れているた
め、本発明例に比べてシャルピー衝撃特性、DWTT特
性ともにはるかに劣る。すなわち、試験No.B1は鋼
片の加熱温度が高すぎ、二相域圧延前のα粒径が粗大な
ため、十分な超細粒化が計れていない。
ト粒径が粗大なため、十分な超細粒化が計られておら
ず、靱性が劣る。試験No.B3は二相域加工前のα分
率が小さいため、γから変態するαの比率が多くなり、
超細粒化が計れていない。試験No.B4は二相域圧延
の累積圧下率が小さいため、αの回復・再結晶が十分で
なく、靱性も改善されない。
の範囲を外れているため、超細粒化が達成されなかった
り、他の靱性劣化要因のために低温靱性が劣る。以上の
実施例からも、本発明により安定して超細粒組織が達成
され、それにより非常に良好な低温靱性が得られること
が明白である。
複雑な熱履歴により生産性を低下させることなく、低温
靱性の良好な厚鋼板を製造できる画期的な方法であり、
製造コストの低減、構造物としての安全性の向上等、産
業上の効果は極めて大きい。
す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.0%、 Mn:0.30〜2.0%、 Al:0.005〜0.1%、 N:0.001〜0.01% を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を
Ac3 変態点以上、1200℃以下の温度に加熱し、次
いでオーステナイト域で、累積圧下率が20〜70%で
ある粗圧延を900〜800℃の温度で終了した後、仕
上圧延としての二相域圧延温度に至るまで0.1〜5℃
/秒の冷却速度で冷却し、かくして得られた鋼板の平均
フェライト粒径が、続いての仕上圧延としての二相域圧
延開始前において15μm以下でかつフェライト分率が
面積率で50〜90%である状態となした後、累積圧下
率が50〜90%である前記二相域仕上圧延を650〜
750℃の温度で終了することを特徴とする低温靱性に
優れた厚鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 さらに、 Cr:0.01〜0.50%、 Ni:0.01〜3.0%、 Mo:0.01〜0.50%、 Cu:0.01〜1.5%、 Ti:0.003〜0.10%、 V:0.005〜0.20%、 Nb:0.003〜0.05%、 B:0.0003〜0.0020%、 Ca:0.0005〜0.005%、 REM:0.0005〜0.01% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
項1記載の低温靱性に優れた厚鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 仕上圧延終了後、引き続いて5〜50℃
/秒の冷却速度で550〜20℃まで加速冷却すること
を特徴とする請求項1または2記載の低温靱性に優れた
厚鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 仕上圧延終了後、引き続いて5〜50℃
/秒の冷却速度で550〜20℃まで加速冷却した後、
600〜400℃で焼戻すことを特徴とする請求項1ま
たは2記載の低温靱性に優れた厚鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP10245995A JP3314295B2 (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | 低温靱性に優れた厚鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP10245995A JP3314295B2 (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | 低温靱性に優れた厚鋼板の製造方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
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