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JP3364181B2 - ヒト免疫不全ウイルスのエンベロープポリペプチドおよびその抗体 - Google Patents

ヒト免疫不全ウイルスのエンベロープポリペプチドおよびその抗体

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JP3364181B2
JP3364181B2 JP23552599A JP23552599A JP3364181B2 JP 3364181 B2 JP3364181 B2 JP 3364181B2 JP 23552599 A JP23552599 A JP 23552599A JP 23552599 A JP23552599 A JP 23552599A JP 3364181 B2 JP3364181 B2 JP 3364181B2
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cells
hiv
cell
antibodies
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト免疫不全ウイ
ルスまたはHIV(HTLV−III)のエンベロープ(env)
ポリペプチドの使用に関し、さらに詳しくは、それらを
望ましくない抑制性の免疫応答およびその結果としての
炎症に用いることに関する。また本発明は、ワクチン接
種、HIV感染患者における治療、被検試料の診断的検
定法、および他の治療的指示を得るためにHIVenv変
異体およびHIVenvの抗体を用いることに関する。と
りわけ、本発明は、自己免疫疾患および移植に伴う免疫
抑制の治療に関する。また本発明は、免疫毒性物質およ
び他の免疫抱合体(イムノコンジュゲート)およびそれら
をHIVまたは細胞表面抗原をコードしている他のウイ
ルス類を死滅させるために用いることに関する。
【0002】
【発明の背景】様々な免疫異常に伴なう炎症性の応答は
一般に4階級(クラス)に分けることができる。しかしな
がら、本発明の治療に含まれる多数の自己免疫疾患は、
その起源が不確かであるために分類が困難である(例、
重症筋無力症、グレーヴス病、シャガス病に起因する自
己免疫疾患、および若年型糖尿病)。クラスI応答はアト
ピーまたはアナフィラキシーを特徴とするレアギン性ま
たはアレルギー性の反応である。クラスII応答は細胞毒
性抗体に依存性であり、例えば、自己免疫性溶血性貧
血、および全身性エリテマトーデス(SLE)に付随する
血小板減少症と関連している。クラスIII応答は、IgG
および/またはIgMを含有する免疫コンプレックス(複
合体)の慢性的な生成を特徴とする。クラスIV応答は遅
延型過敏症反応と関連しており、サイトキン(cytokine)
類およびT−リンパ球によって媒介され、一般に結核
症、サルコイドーシス、多筋症、肉芽種および脈管炎に
見出される。
【0003】慢性関節リウマチ(RA)は重篤なクラスII
I異常の1つである。滑膜炎はRAに特徴的な組織反応
であり、そこでは正常な薄い結合組織が過増殖した滑液
性繊維芽細胞で置き換えられ、滑膜がリンパ球、マクロ
ファージおよび他の免疫細胞の浸潤によって侵されてい
る。リウマチ性滑液中では補体成分の逆転が増大し、補
体の開裂生成物、特にC5aがリウマチ性滑液中に存在
している。C5aおよび他の補体誘導体は免疫細胞の活
性化および炎症性サイトキンの生産に寄与しているの
で、このことは重要である。滑液はまた、キニン(kini
n)およびLTB4と一緒に、炎症細胞から導かれた加水
分解酵素(コラゲナーゼを含む)をも含有している。
【0004】慢性関節リウマチに特徴的な組織破壊の程
度を明らかにする様々な機構が提起されている。これら
の機構は、RAにおける炎症性応答の型および大きさを
調節する活性化および抑制の複雑な相互作用を含んでい
る。これらの機構にはアラキドン酸代謝物、特に白血球
およびリウマチ性滑液によって産生されるプロスタグラ
ンジンE2、ヒスタミンやセロトニンの如き生物活性ア
ミン、補体の分解産物、好酸球走化性因子、キニン、イ
ンターロイキン、およびタンパク分解酵素、特にコラゲ
ナーゼまたはプロコラゲナーゼ活性化酵素が関与してい
る。
【0005】RA誘発に関して一般に容認されている1
つの仮定は、ある不明の抗原が慢性的に滑膜に沈着し、
そこでA型滑膜細胞による食細胞作用を受けているとい
うことである。B細胞は、抗原の供与に誘導されて形質
球に分化し、次いで、抗体、リウマチ因子およびサイト
キンの生産が導かれる。Tリンパ球の抗原による活性化
はリンホカインの合成、幼若化、次いで、抗原に特異的
なヘルパーおよび細胞毒性T細胞の生成を引き起こす。
抗体と抗原の組み合わせ、並びに、抗体−抗原複合体と
リウマチ様因子との組み合わせ、あるいはリウマチ様因
子の自己会合(アソシエーション)がハーゲマン(Hagema
n)因子の活性化を介して補体並びにキニン形成系を活性
化する。この結果、C5a、アラキドン酸代謝物、キニ
ンおよびフィブリノペプチド等のプロ炎症性産物が産生
され、それらが滑液中に、さらに滑膜血管に拡散する。
これらの物質は血管の透過性を増進させ、多形核白血球
およびマクロファージを引き付ける。多形核白血球は、
液中の多数の免疫コンプレックスを摂取し、リソソーム
性およびその他の破壊性酵素を放出し、過酸化陰イオン
を生成させる。これによって結合液中のヒアルロン酸ポ
リマーの破壊、および軟骨の損傷が起きる。滑膜でのサ
イトキン生産によって、マクロファージ、他の免疫細
胞、およびリウマチ性滑膜繊維芽細胞がさらに蓄積され
ることになる。これらのセルタイプは全て、RAの特徴
である、免疫細胞の補充サイクル、免疫媒体(例、サイ
トキン)の活性化、および生産に寄与し、炎症状態を持
続させ、組織を破壊することができる。
【0006】滑液中に存在するか、または増殖性の滑膜
病巣を構成する細胞によって滑液中に放出され、局所的
に合成される酵素は関節構造における病理学的事象に寄
与しているので、結合空間の特異構造は重要である。軟
骨破壊性のリソソーム酵素、即ち、コラゲナーゼおよび
エラスターゼは主として炎症性細胞(免疫細胞およびリ
ウマチ性滑膜繊維芽細胞)から誘導される。染色細胞か
ら放出されるタンパク分解酵素はコラーゲン細線維の交
差結合の解除に加担し、その結果、軟骨表面の破壊を助
け、酵素による破壊され易さを増進する。滑膜中のマク
ロファージはプロスタグランジン、加水分解酵素、コラ
ゲナーゼ、プラスミノーゲン活性化因子、およびIL−
1を産生する。マクロファージまたはリウマチ性滑膜繊
維芽細胞によるコラゲナーゼ合成は、IL−1または他
の炎症性タンパク質の存在によって大きく促進される。
コラゲナーゼの外、リソソーム性のタンパク分解酵素も
プロテオグリカンの集合物を分解し、これらの可溶成分
は軟骨から放出されると、その後の酵素による攻撃に対
して敏感になる。
【0007】抗原活性化の存続またはTおよびB細胞の
活性化における調節異常は、滑膜の慢性的な炎症性応答
を招く。持続的な細胞の増殖および流入は、滑膜を増殖
させ、その周辺構造への侵入を招く。コラゲナーゼ、P
GE類、加水分解酵素類、およびサイトキン類の軟骨お
よび骨への拡散は、これらの組織のびらんを招く。この
ようにリウマチ様関節炎は遅延型過敏反応型の免疫応答
によってもたらされる慢性的な炎症性反応に起因する荒
廃性の局所組織破壊として表される。
【0008】今日のRAの治療はベッドでの安静、加温
および投薬を含む。サリチル酸塩は、現在入手可能な他
の代替物、特に免疫抑制剤およびアドレノコルチコステ
ロイド類が根本の疾患そのものよりも高い罹病率を示す
ことから、現時点で好ましい薬物である。非ステロイド
系の抗炎症性薬物を用いることもでき、それらの多くは
リウマチ様関節炎患者において有効な鎮痛、解熱および
抗炎症作用を有する。それらにはインドメタシン、フェ
ニルブタゾンおよびイブプロフェンおよびフェノプロフ
ェン等のフェニル酢酸誘導体、ナフタレン酢酸(ナプロ
キセン)、ピロールアルカン酸(トメチン)、インドール
酢酸(サリンダク)、ハロゲン化アントラニル酸(メクロ
フェナメート ソジウム)、ピロキシカム、ゾメピラッ
ク、およびディフルニサルが含まれる。一般にこれらは
アスピリンよりも有効でないと考えられているが、ある
種の患者においてはより耐容性に優れているかもしれな
い。
【0009】RAに用い得る他の薬物にはクロロキン、
金塩およびペニシラミン等の抗マラリア剤が含まれる。
これらの代替物は網膜病変や腎臓および骨髄毒性を含む
重篤な副作用をもたらすことが多い。メトトレキセート
の如き免疫抑制剤は毒性があるので、重篤で非寛解性の
RAの治療にのみ用いられる。コルチコステロイド類も
また、望ましくない副作用をもたらし、多くの患者が良
く耐えることができない。
【0010】クラスI−IV応答に関連した慢性的な炎症
性疾患または異常、とりわけ潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾
患)、RAまたはSLE(全身性エリテマトーデス)、重
症筋無力症、グレーヴス病、シャガス病、および若年期
発生型糖尿病に関連した免疫応答抑制の治療に有効な治
療法および組成物が必要とされている。
【0011】また本発明は、移植された細胞、器官また
は組織の、あるいはそれによる免疫拒絶反応の抑制に関
する。移植における拒絶反応は、シクロスポリン抗生物
質またはステロイド類のような免疫抑制剤を用いて制御
されている。そのような薬物は広範囲に及ぶ好ましくな
い副作用をもたらす。
【0012】他の試みとして、移植拒絶反応に関連する
と思われるリンパ球サブセットを標的とし、それを中和
するモノクローナル抗体が用いられている。これらの抗
体はネズミ起源である。ネズミのモノクローナル抗体の
場合、それら抗体の標的であるリンパ球サブセットに対
する親和性効果は低いのが普通である。また、それら
は、治療をうけた患者のネズミ感受性を高める危険性を
有しており、ネズミの不変領域はヒト補体を活性化し得
るので、抗Tサブセット抗体は、T細胞を溶解し消耗さ
せるおそれがある。ネズミイムノグロブリンを用いな
い、組織移植における拒絶反応の治療のための組成物お
よび治療法が必要とされている。
【0013】後天性免疫不全症候群(AIDS)はヒト免
疫不全ウイルス(HIV)(1−6)として同定されている
レトロウイルスによって引き起こされる。B細胞機能の
異常、抗体応答の異常、単球機能の損傷、サイトカイン
生産の損傷(7ー10)、天然のキラー細胞および細胞毒
性細胞の機能の抑制(11)、および可溶性抗原を認識
し、応答するリンパ球機能の低下(12)等、AIDSに
関連した多くの免疫異常に関する報告がある。その他の
AIDS関連免疫異常も記載されている(13、14)。
AIDS患者におけるより重大な免疫損傷は、T4ヘル
パー/インジューサーリンパ球の消耗である(1、2、
9、10)。
【0014】AIDSにおける免疫不全は詳しく観察さ
れているにも拘わらず、免疫不全の機構(類)は明確に理
解されていない。幾つかの仮説がある。1つの認められ
ている説は、免疫応答における損傷の原因は、HIVが
選択的にヘルパーT細胞に感染し、その結果ヘルパーT
細胞の機能が損傷され、終局的に正常な免疫応答に必要
な細胞の消耗を招くことにあるというものである(1−
6,15)。最近、インビボおよびインビトロでの研究に
より、免疫応答において副細胞として不可欠な役割を果
たすことが知られている単球細胞にもHIVが感染する
ことが分かった(16,17)。HIVは、感染した細胞
における正常なサイトカインの生産を妨害し、IL−1
およびIL−2欠損のような二次的な免疫不全をもたら
すことによっても免疫不全を引き起こす(18)。その他
のHIVによる免疫不全誘導は、免疫応答を抑制し得る
因子の生産にある(19)。これらのモデルのどれも、複
製型ウイルスではなくHIV成分それ自身がAIDS関
連の免疫異常に関与しているか否かを解決するものでは
ない。
【0015】HIVenvタンパク質については広範な記
述があり、多数のHIV株由来のHIVenvをコードし
ているアミノ酸およびRNA配列も知られている(3
4)。HIVビリオンは宿主細胞の外膜から導かれた膜
またはエンベロープによって被われている。この膜に
は、該膜の脂質二重層にそのカルボキシ末端領域を介し
て固定された(アンカー)エンベロープ糖タンパク質(gp
160)類が含有されている。各糖タンパク質は2つの
セグメントを含んでいる。その相対分子量が約120k
Dであることに基づいてgp120と称されるN末端セグ
メントは、ビリオンを囲む水性の周囲環境に突出してい
る。gp41と称されるC末端セグメントは膜内にわたっ
ている。gp120およびgp41は特にタンパク分解的に
開裂され易いペプチド結合によって共有結合している。
本発明の目的に照らし、HIVenvは、例えばgp160
またはgp41のN末端フラグメンと融合したgp120の
如き融合物、様々にグリコシル化されている、またはさ
れていないHIVenv、並びにHIVenvのT細胞結合フ
ラグメン等、あらゆる形のgp120を包含するものとす
る。HIVenvおよびその変異体は、組換え培養によ
り、常法通り調製される(欧州特許公開第187041
号参照)。以前には、組換え細胞培養によって得られたg
p120をrgp120と称していた。安全性および経済性
の理由から、組換え合成が好ましいが、ウイルス培養物
からのHIVenv精製物およびそのようなenv製剤もHI
Venvの定義範囲に含まれることは既知である。
【0016】現在の非感染細胞の保護を目的とするAI
DS治療法は、約4時間ごとにウイルスRNAの複製を
阻止し得るヌクレオシド類似体(AZTおよびDDC等)
を経口投与することからなる。これらの薬物は50−5
00μMの濃度でウイルス複製を阻止するが、より高濃
度(−1mM)では、健常な細胞の、細胞分割に必要なD
NAポリメラーゼをも阻害する(ミツヤおよびブローダ
ー、1985)。現行の治療法には非常に大量(1g/day
までも)の薬物投与を必要とする。薬物は経口摂取さ
れ、全細胞に吸収される剤形なので、全身がその薬物に
さらされていることになる。その使用は毒性によって極
めて制限されている。もっとも重篤な副作用の1つは貧
血である。ヌクレオシド誘導体がDNAに組み込まれる
(そしてその鎖破壊作用を現す)には、先にりん酸化され
ている必要があり、それには、ウイルスに感染し易い細
胞全てが等量含有しているとは限らないキナーゼが要求
される。従って、既に感染している細胞には無効である
ヌクレオシド類似体の経口投与治療は、高濃度のヌクレ
オシドをヌクレオチドに変換し得る、感染のおそれある
細胞(即ち、分割細胞)のみを保護することができる。こ
のような理由から、この治療法には限界があり、疾患の
進行を遅らせるにすぎない。
【0017】少なくとも2種類の免疫系細胞(単球細胞
およびTリンパ球)がHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の
感染を受ける(ストライヒャー、1986)。CD4リセ
プターを有する単球およびT細胞のみがHIVに感染す
ると考えられていた(マックドーガルら、1986)。H
IVウイルスのコートタンパク質の保存領域(gp160)
は、インターナリゼーションを行い、RNAウイルスを
細胞内に移行させるCD4リセプターと結合する。細胞
内に入ると、ウイルスがその逆転写酵素によってRNA
のDNAコピーを細胞内で作る。ヌクレオシド類似体
は、ウイルスRNA転写における鎖ブレーカーとして作
用して細胞を保護する。それらは生長中のポリマーに取
り込まれるが次のヌクレオシドをポリマー中に取り込む
のに必要な官能基を有していないので、鎖は中断され、
機能を持たないことになる。
【0018】ヌクレオシド類似体が核酸の鎖に取り込ま
れるためにはキナーゼによってりん酸化されている(ヌ
クレオチドに変換されている)必要がある(ファーマン
ら、1986)。迅速に分割し得るT細胞はAZTやD
DCのような抗ウイルス製剤をりん酸化するキナーゼを
高レベルで含有している。特殊な環境においてのみ分割
する単球は比較的低レベルでキナーゼを有しており、ヌ
クレオシド誘導体による感染からの保護を受けない。り
ん酸化形のヌクレオチド類似体の投与は単溶液で行なわ
れる。しかしながら、これらは細胞膜を通過しない。従
って、現行のヌクレオシド類似体による治療は単球をH
IV感染から保護する点では無効である。
【0019】ライアリーら(Lyerly)(PNAS84、4
601(1987))は、gp120と結合した非感染CD
4+リンパ球は、天然のgp120に対して惹起されたヤ
ギ血清による、抗体依存性の細胞性細胞毒性の標的とな
ることを示した。しかしながら、gp120吸着細胞と結
合するヒト血清は補体存在下で、その破壊作用を現さな
かった。対照的に、これらの血清は抗体依存性の細胞性
細胞毒性作用を強力に仲介する。
【0020】HIVにコードされているタンパク質に特
異的なモノクローナルおよびポリクローナル抗体が開発
された(例、PCT/WO86/00217)。
【0021】リチントキシンのA鎖(IT−As)と結合
している細胞反応性抗体からなる免疫毒性物質(ITs)
が、種々の標的腫瘍細胞を特異的に死滅させるために用
いられた。クロンケら(カンサーリサーチ、46(7)、
3295(1986))は、インターロイキンIIリセプタ
ーのモノクローナル抗体とリチンA鎖との抱合体(コン
ジュゲート)がHTLV−I感染白血球T細胞を死滅さ
せたことを開示している。クロンケ、「ブラッド」65
(6)、1416(1985)をも参照。
【0022】ショウバルら(米国特許第4,714,61
3号)は、表面にB型肝炎表面抗原を発現する(ここで、
表面抗原はHBVのDNAにコードされている)B型肝
炎ウイルスに感染した肝細胞または肝細胞腫細胞の増殖
を抑制する方法を開示した。ショウバルらの方法は、感
染細胞に、B型肝炎表面抗原に対するモノクローナル抗
体を固定している補体を投与することからなる。
【0023】即ち、本発明は免疫性炎症疾患の改良され
た治療法を提供することを目的とするものである。また
本発明は、副作用が減少されたAIDSの改良治療法に
関するものである。また本発明は、その細胞表面にコー
ドされたウイルス性抗原を発現する、非腫瘍原性細胞を
死滅させる方法を提供するものである。
【0024】本発明のその他の目的、特徴および特性は
以下の記述および特許請求の範囲の記載を考察すれば明
らかとなるであろう。
【0025】
【発明の要約】HIVenvは免疫炎症性の応答および疾
患の治療に有用であり、本発明の目的は免疫炎症性応答
を示す患者に該免疫炎症性応答を抑制するのに十分な量
のHIVenv製剤を投与することからなる。
【0026】本発明の1態様で用いるHIVenvポリペ
プチドは、Tヘルパー細胞のT4細胞表面マーカーとの
結合に寄与する、HIVenvのポリペプチド部分であ
る。HIVenv配列のこの部分は、TCBドメインと呼
ばれ、残基400から465を含む、予想外の領域に位
置していた。様々な類似体を含めて、HIVenvのTC
Bドメインも免疫性炎症の治療に有用である。TCBド
メインは、患者から得た試料中のTCBドメイン中和抗
体の診断的アッセイにも有用である。
【0027】機能的なTCBドメインを除去されたHI
VenvはHIV感染に対する免疫を得るためのワクチン
として有用である。
【0028】本発明はTCBドメインの1領域に特異的
なモノクローナル抗体を提供するものである。この抗体
はT4細胞表面マーカーと結合するTCBドメインの配
列に隣接して存在するエピトープに対するもののように
思われる。このことは、この抗体が、おそらくT4細胞
表面抗原上のTCBドメイン結合部位に該ドメインが近
付くことを立体的に阻害することによって、組換えgp1
20とT4細胞表面マーカーとの結合を、少なくとも部
分的に遮断することができるということによって示され
る。またこの抗体は、さらにHIV感染患者で免疫抑制
作用を現すあらゆる遊離のHIVenvと結合し得るとい
う利点を有することから、HIV感染患者の受動免疫に
も有用である。
【0029】本発明はgp160または他のウイルスにコ
ードされているタンパク質と特異的に結合するモノクロ
ーナル抗体、および該モノクローナル抗体に結合してい
るリチンA鎖のような毒素とを含有する免疫毒性物質
を、ウイルスにコードされているタンパク質を標的とし
て提供するものである。従って、毒性コンジュゲーと結
合しているタンパク質がヘルパーT細胞のような感染細
胞に取り込まれるだけで、その細胞を死滅させる。また
本発明は、細胞表面で、ウイルスにコードされているgp
160のようなタンパク質と特異的に結合する毒素と結
合したモノクローナル抗体を含有する免疫毒性物質を、
治療有効量で患者に投与し、感染細胞を死滅させること
からなる、ウイルスに感染した細胞を死滅させる方法を
提供するものである。
【0030】HIVenvまたはその免疫抑制フラグメン
ト(TCBドメインを含む)を、それに対する細胞毒性T
細胞の細胞溶解性応答が望まれる細胞の細胞集団と結合
し得るハプテンまたはポリペプチドと抱合体を形成させ
た。これらの抱合体は抗腫瘍剤として、またはアレルギ
ー性応答の治療に特に有用である。
【0031】
【発明の詳しい記述】上記の如く、HIVenvを、ヒト
免疫不全ウイルスのエンベロープタンパク質、およびイ
ンビトロにおける、その免疫抑制性のアミノ酸配列変異
体およびHIVenvまたはその変異体の共有結合的な修
飾で得られた誘導体であると定義する。変異体には、en
vアミノ酸配列の内、1またはそれ以上の残基が置換さ
れたもの、env配列の1またはそれ以上の残基を欠失し
たもの、およびそこに1またはそれ以上の残基が挿入さ
れたものが含まれる。
【0032】本発明目的の主要な欠失変異体は、TCB
ドメイン以外の免疫エピトープが欠失されているか、逆
にTCBドメインが欠失されHIVenvの残余のエピト
ープが残存している変異体である、これらの欠失変異体
を、置換変異体と同様、以下に詳しく説明する。他のク
ラスに属する変異体は、HIVenv配列またはその免疫
抑制性フラグメント(例えばTCBドメイン)のアミノ末
端またはカルボキシ末端にHIVenvにとって異種の(ヘ
テロローガスな)ポリペプチドが融合しているものであ
る。別法として、HIVenvまたはTCBドメインを、
異種ポリペプチドまたはハプテンと共有結合的に結合さ
せる。その他のクラスのTCBドメイン変異体は、TC
Bドメインを、天然のHIVenv内で、正常な状態では
TCBドメインと境界を接していないHIV免疫エピト
ープであって、特にTCBドメインのC末端と境界を接
している式:FRPGGGDMRDNWRSELYKY
KVで示される配列以外のエピトープと融合させて得ら
れる変異体である。
【0033】HIVenvのTCBドメイと免疫原性ハプ
テンまたはポリペプチドとの融合物は、患者をHIV感
染に対して免疫するためのワクチンの成分として有用で
ある。ハプテンまたは異種ポリペプチドとHIVenvま
たはその活性フラグメントとの融合物は、ハプテンまた
は異種ポリペプチドが標的細胞の表面リセプターまたは
他の結合パートナーと結合し得る場合、それを標的細胞
とする細胞毒性T細胞を目的とする場合に有用である。
例えば、膜結合性の形質転換成長因子−α(TGF−α)
は、多くの固形(非造血性)悪性腫瘍の表面に存在してい
る。TGF−αと結合し得る抗体は分かっている。その
ような抗体とHIVenvまたはそのTCBドメイン含有
フラグメントとを、例えば共有結合的交差結合(33)に
よって結合させることにより、または組換え細胞培養に
よってHIVenvまたはそのTCBドメイン含有フラグ
メントのN末端またはC末端融合物として発現させるこ
とにより結合させる。後者の方法は、EP125,02
3Aに記載の一般的手法に従い、TGF−α抗体をコー
ドしているDNAを得ることにより、達成される。この
DNAを、適当なアダプターを用いてgp120またはそ
のTCBドメインを含有しているフラグメントのアミノ
またはカルボキシ末端とライゲートさせ、EP187,
041Aに記載されているような哺乳類細胞発現ベクタ
ーに挿入し、得られたベクターを用いてCHO細胞、そ
の他EP187,041Aに記載されているような適当
な宿主細胞を形質転換する。所望により、TGF−α抗
体の可変領域をコードしているDNAを、EP184,
187、EP194,276A、EP171,496Aま
たはBouliamneらの文献(32)に記載のヒト不変領域の
代わりにTCBドメインをコードしているDNAとライ
ゲートさせる。得られた融合物を、例えば、固定化した
TGF−αまたはTGF−α抗体の不変領域が保持され
ている場合には、固定化された、該不変領域に対する抗
体に吸着させることにより回収し、治療上許容し得るビ
ヒクル(例えば生理食塩水)で製剤化し、TGF−α発現
性腫瘍を有する患者に投与する。この融合物は、細胞毒
性T細胞を、TGF−α細胞表面抗原を有する腫瘍に向
かわせ、その結果、腫瘍細胞を溶解させる。同様に、患
者が、例えばアレルギー性の、または移植後の拒絶反応
の発現のような望ましくない免疫応答を来している抗原
とTCBドメインとを融合させ、自己免疫性細胞毒性T
細胞の応答を望ましくない応答に寄与するクローナル細
胞に向けさせるに十分な用量で患者に投与する。
【0034】HIVenvのTCBドメインはEP187,
041Aに記載のHIV株の、ヌクレオチド約7006
から約7203に至る領域、または他のHIV株での同
等な領域を含んでいると考えられている(上流での欠損
または挿入によってウイルスゲノムおよびHIVenvの
長さが変化している他の株では、同じヌクレオチドおよ
びアミノ酸残基番号を得ることはできないが、各株にお
いてTCBドメインのこの部分をコードしている領域
は、アミノ酸配列の相同性(ホモロジー)に基づいて用意
に同定し得る)。TCBドメインは、式:
【化5】 で示される配列を有し、特に残基411−454、41
6−443、および440−442の間に含まれる配列
を包含する。下記の表1は、複数のHIV株に由来する
TCBドメインのアミノ酸配列を、右の欄の「起源」の下
方に示し、予め定められた変異体TCBドメインを左の
欄に示した。「△3」で示される変異体(変異体1)によ
り、HIVのTCBドメインのこの部分を同定すること
ができる。部位特異的なM13突然変異誘発によってrg
p120の△3残基を欠失させ、この変異体を他の点で
はEP187,041に記載の如く組換えCHO細胞培
養において発現させると、選択したAIDS患者の血清
による結合等によるアッセイに基づいて、rgp120と
は区別し得ないにもかかわらず、rgp120のT4結合
能力が失われていた。 驚くべきことに、表1に示され
ているように、△3領域の欠失は、他のHIV株に由来
するホモローガスな配列との比較から認められるよう
に、多くのHIV株においてBH10よりも高度に保存
的ではなく全体としてTCBドメインは極めて変化し易
いことを特徴とするHIVenv領域を含有していること
が分かる(34)。高度の保存性を有する領域のみが、ウ
イルスが常にT4リセプターを認識し、その結果受容宿
主細胞に影響を及ぼすことを確かめるのに適した確実性
を有すると考えられていた、がこの仮説は本研究では通
用しなかった。例えば、残基5−31が様々なHIV株
において高度に保存的であるにもかかわらず、HIVen
vのアミノ末端から最初の29残基の欠失はrpg120の
T4への結合になんらの影響をも及ぼさなかった。
【0035】
【表1】
【0036】第1表に於いて番号2−15で示した変異
体を改良する:即ちrgp120のT4結合性を排除させ
る。例えば、431位に於けるアラニンをアスパラギン
酸と置換させると、変異体の結合性が、天然の配列を有
するrgp120が示す結合性の約10−15%にまで減
退した。しかし、本発明者らの検定では、lys430を
グルタミニルと、tyr433をフェニルアラニルと、及
びpro435pro436をバリルバリルと置換させても、
検出できるrgp120結合性に何の変化も起こさなかっ
た。従って、個々の変異体の活性を測定して、常法であ
る検定法によってそれをスクリーニングすべきである。
Ala431残基の役割から見て、この部位に於ける置
換、欠失又は挿入が特に好ましく、これには、ヒスチジ
ン、トリプトファン、プロリン、フェニルアラニン、グ
リシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリ
ン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アス
パラギン、リジン、グルタミン酸、システイン及びアル
ギニンとの置換、又はこのような残基若しくはAla43
1に隣接しているアスパラギン酸の挿入が包含される。
上記の変異体及び△3変異体は、診断用検定又はワクチ
ンに使用できるHIVenv抗原を調製する上で有用であ
る。TCBドメインを含まないHIVenvは免疫抑制作
用を示さないばかりか、所望の数の残存性gp120エピ
トープを保持しているので、ワクチンとして特に有用で
あり、従ってこれは、抗−HIVのより高い力価及びこ
の力価の延長を導く。他の変異体は、当業者にとっては
明白に理解できるであろう。例えば、HIVenvアゴニ
ストとして機能する変異体を同定するため、置換を残基
416−442内に起こす。また、欠失又は挿入をTC
Bドメイン内に導入し、アゴニスト活性を評価できる。
本明細書に於いて使用する「アゴニスト」なる用語は、
変異体のHIVenv活性が天然の分子と比較して高めら
れること(例えば変異体が、天然のHIVenvよりも高
いT4に対する親和性を示すこと)を意味している。し
かし、この活性は、HIVによる感染に対してはアンタ
ゴニスト(拮抗的)であることは理解できるであろう。
HIVenvアゴニスト類似体は、無傷又は天然のHIVe
nvに関して既述した態様と同様に望ましくない免疫炎症
を治療する上で有用な物質である。アゴニスト類似体
は、腫瘍壊死因子α、腫瘍壊死因子β、インターフェロ
ン及び/又は、AZTなどのHIV感染症の治療に有用
な他の治療剤と共に任意に使用し、AIDS又はARC
患者のHIV感染を治療するのに投与される。
【0037】HIVenvアゴニスト活性は、T4レセプ
ターへの結合性に関し、標識化rgp120若しくは天然
のgp120、又はフルオレセインイソシアネート・コン
ジュゲート抗−T4A抗体と競合するそのアゴニスト能
を測定することによって以下の実施例に於いて説明して
いる蛍光励起細胞分離捕集装置(fluorescence activate
d cell sorter system)で測定する。PBMCに於い
て、T細胞結合性に対して標識化コンジュゲート体と競
合する変異体候補に係るこの能力は、その活性の1つの
目安である:変異体に於ける、T4結合部位に対する標
識化コンジュゲート体との競合性が増大するに連れ、変
異体のアゴニスト活性が増大する。
【0038】HIVenvTCBドメイン又はその変異体
を、それ自体既知の方法で調製する。1つの方法は、メ
リフィールド(Merrifield)合成などのイン・ビトロ操作
法によってTCBドメインを合成することである。もう
1つの方法は、組換え細胞培養法でそのドメインを調製
することである。従来からのイン・ビトロ法によってそ
のドメインをコードしているDNAを調製し、適当な
5'及び3'アダプター又はリンカーを作成して細菌発現
のための通常のベクターにライゲートすることを容易な
らしめることが実際的である。この1つの好ましい態様
では、このドメインをコードしているDNAの5'末端
に、宿主によって認識されるシグナル配列をコードして
いるDNAをライゲートする。このようなシグナルは周
知であり、例としてはSTII、アルカリホスファター
ゼ、lpp及びペニシリナーゼ・シグナルが挙げられる。
ある種の異種シグナル例えば哺乳動物又は酵母シグナル
も、細菌によって認識される。このようなシグナルをコ
ードしているDNAは長さが約45から75ヌクレオチ
ドにすぎないので、これを調製してTCBドメインをコ
ードしているDNAの5'末端にそのシグナルDNAを
ライゲートし、得られた融合遺伝子を従来からのベクタ
ー例えばpBR322内にライゲートして宿主大腸菌
(E.coli)に形質移入し、その細胞を培養すれば、宿主細
胞の周縁質に分泌されるTCBドメインの量を測定でき
るであろう。あるいは、このTCBドメインを、組換え
細胞培養法で、分泌性又は非分泌性の融合物として合成
し、これを回収する。
【0039】TCBドメインを阻害又は結合できる抗体
は、Balb/c又は好ましくはC57ブラック/6などの
マウスをgp120に対して免疫し、gp120と前インキ
ュベートした時にT4 T細胞マーカーに対する結合性
を妨げるクローナル抗体をスクリーニングすることによ
って得られる。5C2E5抗体はこのような抗体の一例
であるが、質的に同じ活性を示す他の抗体が本明細書に
記載の方法によって得られることからこれは特異なもの
ではない。「質的」な活性なる用語は、抗体がHIVen
vのT4結合部位又は両側領域に結合することを意味
し、後者の場合が、T4部位にrgp120又はHIVenv
が結合することを立体的に阻害するような結合である。
44残基のTCBドメインをトリプシン消化することに
より、5C2E5抗体が、残基420−430にまたが
っている(spanning)ペプチドに結合することを確認し
た。従って、このドメインはTCBドメインに包含され
ているか、又はそれに隣接しているものである。この5
C2E5抗体は、gp120で免疫したマウスから回収し
た、ネズミB細胞との1から500個の骨髄腫融合物中
に見いだされた。もうひとつの阻害抗体は7F11であ
り、これは残基430−459にまたがっているペプチ
ドに結合する。
【0040】抗体5C2E5のTCBドメイン結合性
は、ヘルパー・リンパ球のT4レセプターに対するrgp
120の結合性に於ける阻害能として特定される。この
ような作用を示すことのできる、5C2E5以外のモノ
クローナル抗体は、親和性、免疫グロブリンのクラス、
起源の種又は正確なTCB配列が異なっていても、この
特定の範囲内に属するものであり、例えば、組換え細胞
培養に於いて発現される抗体又はアミノ酸配列があらか
じめ決められている5C2E5抗体の変異体例えば5C
2E5抗体の可変領域とヒト定常領域とのキメラが挙げ
られる。
【0041】本明細書に於いて説明する抗体は、従来、
保存血漿由来のIgG又はIgMを精製するために用いら
れてきたようなこれらの免疫グロブリンの通常の精製方
法、例えばエタノール又はポリエチレングリコール沈澱
法によってハイブリドーマ細胞培養物から回収される。
このように精製した抗体を滅菌濾過し、要すればAID
S治療に使用できるリチンなどの細胞毒性物質とコンジ
ュゲートさせるか、又は被検試料中のHIV診断検定に
使用できる酵素若しくはスピン標識などの検出可能なマ
ーカーにコンジュゲートさせる。
【0042】免疫毒性物質(イムノトキシン)の新たな
適用例を発見した。驚くべきことに、非腫瘍化ウイルス
に感染された細胞のウイルス誘導性の表面抗原に特異的
に結合する免疫毒性物質が、その感染細胞を死滅させる
ことを見いだした。詳細には、gp160結合性の免疫毒
性物質はHIV感染細胞を死滅させる。
【0043】以下に、既に感染され、新たなウイルスを
活発に産生している細胞を死滅させるように意図した処
置について説明する。死滅は、感染細胞上に発現される
ウイルス被覆タンパク質に結合する免疫毒性物質によっ
て為される。従って、この免疫毒性物質が細胞にインタ
ーナライズ(internalize)され、細胞を死滅させる。ウ
イルスのゲノムがDNAに組込まれているが、ウイルス
タンパク質を合成していない感染細胞(即ち、そのウイ
ルスが潜在性である細胞)は、ウイルスの合成を開始す
るまで免疫毒性物質による死滅化を受けないかもしれな
い。
【0044】ウイルスを活発に産生している、HIVに
感染された細胞が、その原形質膜上にウイルスのコート
タンパク質(gp160)を発現することを発見した。こ
の分子は、感染細胞を標的にし、死滅させるのに使用す
ることのできる感染細胞特異性の抗原を代表する。gp1
60上の保存領域に特異的なモノクローナル抗体(株依
存性)は、感染細胞に毒性物質を運搬するための攻撃化
分子として使用することができる。更に、あるいはこれ
に代わって、非保存領域に対する免疫毒性物質の「カク
テル(cocktail)」が使用される。更に、毒性物質−抗体
のコンジュゲート体は、循環性のウイルス又はウイルス
のコートタンパク質に結合することができ、従ってこれ
により、ウイルス又はコートタンパク質をインターナラ
イズしている細胞を死滅させることができる。
【0045】本発明の目的は、HIV感染細胞を破壊す
るための高度に選別された方法を提供することである。
これらの抗体は、感染されていない場合の細胞には存在
しない抗原に特異的に結合するので、本発明の方法は、
抗体が、破壊されるべき細胞を非常に正確に攻撃するこ
とを許容している。抗原の損失を招き、耐性を発生させ
る免疫コンジュゲート体による腫瘍治療とは異なり、活
発なウイルス感染に伴う、抗原の発現は常に起こる。
【0046】本発明の実施に関し、特定の理論を強いて
説くつもりはないが、感染細胞表面上の標的抗原の発現
は一過性であると考えられる。この抗体は、抗原が存在
し、それと相互作用を起こすところである、細胞表面上
の部位に到達できなければならない。抗体が抗原と複合
化した後に、飲食作用(エンドシトシス)が起こり、毒
性物質が細胞内に運ばれる。
【0047】免疫毒性物質は、HIVウイルスによって
感染された単球/マクロファージを死滅させるのに特に
有用である。T細胞からの一過性のウイルス産生とは対
照的に、マクロファージは高レベルのウイルスを長時間
産生する。通常行われている治療は、これらの細胞に於
ける新たなウイルスの産生を阻害するには非能率的であ
る。
【0048】gp160に特異的なモノクローナル抗体の
すべてが必ずしも、リチンA鎖にカップリングさせた場
合(IT−A)に、高レベルの細胞毒性免疫毒性物質を
創製しない。IT−Aの部分体として機能する抗体の能
力を予測するのに採用される検定を行った。この検定を
行い、各種の抗−HIV抗体を、HIV−感染細胞に対
して有効なIT−Aの創製能力に関し、スクリーニング
した。この結果は、ある種のHIV−特異的抗体のみ
が、有効なIT−Asを創製することを示している。こ
れらの抗体を精製し、リチンA鎖にカップリングさせ、
これを使用してHIV−感染細胞を特異的に死滅させ
る。都合が良いのは、これらの抗体が幾つかの(又はす
べての)HIV株と交叉反応することである。
【0049】免疫毒性物質は、様々な方法によって調製
することができる(詳細は下記参照)。幾つかの交叉連
結試薬を使用し、コンジュゲート体を調製し、安定なコ
ンジュゲート体を得ることができる。
【0050】好ましい態様は、リチンA鎖を脱グリコシ
ル化するか、又はオリゴサッカロイドを用いずに調製
し、無関係なクリアランスのメカニズムによってそのク
リアランスを減少させる(即ち、肝)。他の態様は、B
鎖に於けるガラクトース結合能を阻害できる場合(「阻
害リチン」)には、全リチン(A鎖+B鎖)を抗体にコ
ンジュゲートする。
【0051】更に、毒性物質−コンジュゲート体はFab
又はF(Ab')2フラグメントとを用いて作成される。こ
れらは比較的小さなサイズなので、より好適に組織に浸
透し、感染細胞に到達する。
【0052】抗体 本発明に従って、gp160のエピトープに特異的に結合
するモノクローナル抗体、又は抗原活性を有する細胞表
面に露出されたそのフラグメント(例えばgp120、gp
41、TCBなどから選ばれるエピトープ)に特異的な
モノクローナル抗体を、抗原で初回免疫したリンパ球と
骨髄腫細胞との融合によって生成される無限継代雑種セ
ルラインから単離した。都合の良いことに、本発明に係
る、gp160に結合するモノクローナル抗体は、細胞表
面上に露出されたこのタンパク質のドメインに結合す
る。本発明に係るもう一つの態様は、gp160に特異的
に結合するポリクローナル抗体を使用することである。
【0053】本発明の目的物である抗体は、スクリーニ
ング法によって得られる。モノクローナル抗体を、免疫
毒性物質を含有するA鎖と同様に強力なその細胞毒性に
関してスクリーニングする検定法を行う。この検定法
は、細胞を被検抗体の希釈液に適用し、次いでリチンA
鎖にカップリングさせた二次抗体のFabフラグメントに
適用することに関する(間接検定法)。この間接検定法
に於ける細胞毒性を、モノクローナル抗体をリチンA鎖
に結合させている直接検定法に於けるそれと比較する。
この間接検定法では、免疫毒性物質としての該モノクロ
ーナル抗体の有効性を正確に予測でき、従って免疫毒性
物質として有用なモノクローナル抗体をスクリーニング
する上に利用できる。ビテッタ(Vitetta)らのサイエン
ス(Science)238、1098−1104(198
7)、及びウェルツマン(Weltman)らのカンサー・リサ
ーチ(Cancer Res.)47、5552(1987)を参照
(これらも本発明の範囲内に属する)。
【0054】モノクローナル抗体は、極めて特異的であ
り、単一の抗原性部位に対するものである。更に、異な
る決定基(エピトープ)に対する種々の抗体を通常含有
する従来からの抗体(ポリクローナル)調製物とは対照
的に、モノクローナル抗体は個々に、抗原に於ける単一
の決定基を目的としている。モノクローナル抗体は、抗
原−抗体の結合性を利用する診断及び分析法の選択感度
及び特異性を改善するのに有用である。モノクローナル
抗体の第二の利点は、これらがハイブリドーマ培養によ
って合成され、他の免疫グロブリンによって汚染されな
いことである。モノクローナル抗体は、培養しているハ
イブリドーマ細胞の上清から又はハイブリドーマ細胞を
マウスの腹腔内に植え付けて誘導させた腹水から調製で
きる。
【0055】コーラーとミルスタイン(Kohler and Mils
tein)[Eur.J.Immunol.、511(1976)]によっ
て当初、開示されたハイブリドーマ操作法が、多くの特
異抗原に対するモノクローナル抗体を高レベルで分泌す
る雑種セルラインを調製するのに広範に利用されてい
る。
【0056】宿主動物を免疫するか、又はそれ由来の抗
体産生細胞を培養する工程及び計画は、一般に、抗体の
刺激及び産生に関して確立された通常の操作法として行
われている。ヒトを包含する哺乳動物の雑種セルライン
を産生する基礎として本発明の方法を利用すれば、ヒト
対象を包含するあらゆる哺乳動物対象又はこれら由来の
抗体産生細胞を巧みに利用できると考えられるが、本発
明者らは試験モデルとしてマウスを使用した。
【0057】免疫した後、免疫リンパ系細胞を骨髄腫細
胞と融合させ、無制限に培養及び継代培養できる雑種セ
ルラインを生成させ、大量のモノクローナル抗体を調製
する。本発明の目的のため、融合に関して選別した免疫
リンパ系細胞は、免疫した動物のリンパ節組織又は脾臓
組織のいずれかから取り出したリンパ球及びこれらの正
常に分化した後代である。本発明者らは、マウス系に関
しては免疫脾臓細胞がより高濃度で簡便な抗体産生細胞
の供給源を提供することから、むしろこの免疫脾臓細胞
を使用する。骨髄腫細胞は、融合した雑種の連続した増
殖の基礎をもたらす。骨髄腫細胞は、形質細胞由来の腫
瘍細胞である。
【0058】ある1つの種の細胞を他の種の細胞に融合
させることは可能である。しかし、免疫する抗体産生細
胞及び骨髄腫の供給源は、同じ種由来であることが好ま
しい。
【0059】この雑種セルラインは、細胞培養培地に於
けるイン・ビトロ培養で維持させることができる。本発
明に係るセルラインは、既知のヒポキサンチン−アミノ
プテリン−チミジン(HAT)培地に於ける無限継代セ
ルラインからなる組成物中で選択及び/又は維持でき
る。実際、一旦、ハイブリドーマセルラインを株化させ
れば、栄養学的に適当な各種の培地で維持させることが
できる。更に、雑種セルラインは、凍結保存及び液体窒
素下での保存などの数あるあらゆる従来からの方法によ
って、保存及び保護することができる。凍結したセルラ
インは、生き返らせ、無制限に培養することができ、モ
ノクローナル抗体の合成及び分泌を再び始めさせること
ができる。分泌した抗体は、沈澱法、イオン交換クロマ
トグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなど
の常法によって組織培養の上清から回収される。
【0060】本発明は、マウスのモノクローナル抗体を
使用して説明しているが、これに限定されるものでな
く、実際、ヒト抗体も使用することができ、好適である
ことをためすことができる。このような抗体は、ヒトハ
イブリドーマを使用して得ることができる[コート(Cot
e)らのモノクローナル・アンチボディーズ・アンド・カ
ンサー・セラピー(Monoclonal Antibodies and Cancer
Therapy)、アラン・アール・リス(Alan R.Liss)、77
頁(1985)]。実際、本発明に従えば、適当な抗原特
異性のマウス抗体分子由来の遺伝子、並びに適当な生物
学的活性を有する(例えば、ヒト補体を活性化させ、A
DCCを媒介できる)ヒト抗体分子由来の遺伝子をスプ
ライシングさせて行う「キメラ抗体」の調製を行う方法
[モリソン(Morrison)らのプロシーディングス・オブ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Nat
l.Acad.Sci.)81、6851(1984):ナーベルガー
(Neuberger)らのネイチャー(Nature)312、604(1
984):タケダ(Takeda)らのネイチャー314、45
2(1985)]を利用できる;このような抗体も本発明
の範囲内に属するものである。
【0061】細胞融合法に於ける別法としては、EBV
不滅化B細胞を使用して本発明に係るモノクローナル抗
体を調製する。更に、モノクローナル抗体を調製する組
換えDNAなどの他の方法も行うことができる。
【0062】本発明の抗体に係る最も重要な免疫化学的
誘導体は免疫毒性物質(抗体と細胞毒性部分とのコンジ
ュゲート体)である。この抗体も、天然の補体反応によ
る細胞溶解を誘導させ、通常存在している抗体依存性細
胞毒性細胞と相互作用させるのに使用することができ
る。
【0063】免疫毒性物質 免疫毒性物質の細胞毒性部分は、細菌、真菌、植物若し
くは動物起源の細胞毒又は酵素的に活性な毒素、又はこ
れらの毒素の酵素的に活性なフラグメント(A鎖)であ
り得る。使用される酵素的に活性な毒素及びそれらのフ
ラグメントには、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非
結合型活性フラグメント、エキソトキシンA鎖(シュー
ドモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)由
来)、リチンA鎖、アブリンA鎖(abrin A chain)、モ
デクシン(modeccin)A鎖、α−サルシン(alpha-sarci
n)、アレウリテス・フォルディイプロテイン(Aleurites
fordii proteins)、ジアンチンプロテイン(dianthin p
roteins)、ピトラクカ・アメリカナプロテイン(Phytola
cca americana proteins)(PAPI、PAPII及びPA
P−S)、モモルディカ・カランチア・インヒビター(m
omordica charantia inhibitor)、クルシン(curcin)、
クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス・イ
ンヒビター(sapaonaria officinalis inhibitor)、ゲロ
ニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、リストリク
トシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、
エノマイシン(enomycin)及びトリコテセネス(tricothec
enes)がある。他の態様では、抗体を小分子の抗癌剤に
コンジュゲートする。モノクローナル抗体と上記の細胞
毒部分とのコンジュゲート体は、各種の二機能性タンパ
ク質カップリング剤を使用して調製される。このような
試薬の例としては、SPDS、IT、イミドエステル類
の二機能性誘導体例えばジメチル・アジピミデートHC
l、活性エステル類例えばジスクシンイミジル・スベレ
ート、アルデヒド類例えばグルタルアルデヒド、bis-ア
ジド化合物例えばビス(p−アジドベンジル)ヘキサンジ
アミン、ビスジアゾニウム誘導体例えばビス(p−ジア
ゾニウムベンゾイル)エチレンジアミン、ジイソシアネ
ート類例えばトリレン2,6−ジイソシアネート、及び
ビス活性化フッ素化合物例えば1,5−ジフルオロ−2,
4−ジニトロベンゼンが挙げられる。毒素の細胞溶解性
部分は、抗体のFabフラグメントに結合させることがで
きる。
【0064】感染細胞上に露出しているタンパク質のド
メインに特異的に結合するモノクローナル抗体をリチン
A鎖にコンジュゲートすると好適である。最も好適に
は、リチンA鎖を脱グリコシル化し、組換え法によって
調製する。リチン免疫毒性物質を作成するために好適な
方法は、ビッテタ(Vitetta)らのサイエンス(Science)
38、1098(1987)に開示されており、これらも
本発明の範囲内に属する。
【0065】感染されたヒト細胞を、イン・ビトロ診断
を目的として死滅させる時にコンジュゲート体を使用す
る場合は、これを、通常、少なくとも10nMの濃度で
細胞培養培地に加える。イン・ビトロ適用のための投与
剤形及び投与方法は、臨界的でない。培養又は灌流培地
に適合する水性剤形を通常使用できるであろう。細胞毒
性は、常法によって読み取ることができる。
【0066】感染細胞を処理するための細胞毒性放射医
薬製剤は、放射活性同位体(例えばI、Y、Pr)を抗
体にコンジュゲートすることによって作成できる。α粒
子を放出する同位体を使用すれば好適である。本明細書
に於いて使用している「細胞毒性部分」なる用語は、こ
のような同位体を包含するものである。
【0067】他の態様では、フソゲニック(fusogenic)
リポゾームに細胞毒を充填し、得られたリポゾームをgp
160に特異的に結合する抗体で被覆する。
【0068】抗体依存性細胞毒性作用 本発明は、更に、(a)gp160に対し、(b)抗体分
子が結合しているHIVウイルスに感染された細胞の溶
解を媒介することのできるサブクラス又はアイソタイプ
に属している、抗体を使用する方法に関する。より詳細
には、これらの抗体は、細胞表面タンパク質と複合化
し、血清補体を活性化、及び/又はナチュラルキラー細
胞若しくはマクロファージのようなエフェクター細胞(e
ffector cell)を活性化することによって抗体依存性細
胞障害作用(ADCC)を媒介するサブクラス又はアイ
ソタイプに属する。
【0069】また、本発明は、AIDS治療のための天
然型であるこれら抗体の用途も目的とする。例えば、H
IV関連細胞表面抗原に結合するIgG2a及びIgG3
マウス抗体は、AIDS治療のためにイン・ビボ適用す
ることができる。実際、gp160は感染された単球及び
T−リンパ球に存在しているので、目的の抗体及びこれ
らの治療用途は広範に適用できる。
【0070】抗体の生物学的活性は、抗体分子のFc領
域によって大部分が測定できることが知られている[ウ
アナネとベナセラフ(Uananue and Benacerraf)、テキス
トブック・オブ・イムノロジー(Textbook of Immunolog
y)、二版、ウィリアムス&ウィルキンス(Williams&Wilk
ins)218頁(1984)]。これには、補体を活性化
し、白血球によって行われる抗体依存性細胞毒性作用
(ADCC)を媒介する能力が包含される。異なるクラ
ス及びサブクラスの抗体は、この点で異なっており、本
発明に従えば、所望の生物学的活性を有するクラスの抗
体を選別する。例えば、IgG3及びIgG2aクラスの
マウス免疫グロブリンは、同族抗原を発現する標的細胞
に結合した時に、血清補体を活性化させることができ
る。
【0071】一般に、IgG2a及びIgG3サブクラ
ス、並びに、常ではないがIgG1の抗体は、ADCC
を媒介することができ、IgG3、並びにIgG2a及び
IgMサブクラスの抗体は血清補体に結合してそれを活
性化する。補体の活性化には、一般に少なくとも2個の
IgG分子が極めて近接して標的細胞に結合することが
必要である。しかし、IgM分子が1個だけ結合しても
血清補体は活性化される。
【0072】補体及び/又はかADCCの活性化によっ
て標的細胞の溶解を媒介するあらゆる特定の抗体の能力
は、検定することが可能である。注目した細胞を増殖さ
せ、イン・ビボ標識する:即ち、抗体を、抗原−抗体の
複合化によって活性化することのできる血清補体又は免
疫細胞のいずれかと共に細胞培養物に入れる。標的細胞
の細胞溶解は、溶解された細胞から放出される標識物に
よって検出される。実際、抗体は、補体及び/又は免疫
細胞の供給源として患者自身の血清を使用すればスクリ
ーニングすることができる。従って、イン・ビトロ検定
に於いて補体を活性化できるか、又はADCCを媒介で
きる抗体は、その患者の治療に使用することができる。
【0073】あらゆるウイルス起源の抗体も、これらが
gp160エピトープに結合し、補体を活性化できるか、
又はADCCを媒介できるならば、本発明に於けるこの
態様として使用することができる。モノクローナル抗体
は、連続した豊富な起源としての利点を有する。実際、
マウスをgp160で免疫し、gp160に対する抗体を産
生するハイブリドーマを樹立させ、次いで、ヒトの補体
の存在下に感染細胞を溶解することのできる抗体を産生
するハイブリドーマを選別することによって、感染細胞
と反応してそれを溶解することのできる抗体のパネルを
素早く樹立させることができる。
【0074】本発明の抗体の治療的使用 イン・ビボに於いて治療に使用する場合は、本発明に係
る抗体を、治療的に有効な量[即ち、T細胞のカウント
を回復させる量]で患者に投与する。通常、これは非経
口的に投与する。投与量及び投与方法は、感染の程度、
個々の免疫毒性物質(使用した場合)の特性、例えばそ
の治療指数、患者の状態、及び患者の病歴によって異な
る。免疫毒性物質は、1−2週間連続して、血管系の細
胞を処置するために静脈内投与、並びに局所のリンパ節
を処置するために皮下及び腹腔内投与するのが好適であ
る。要すれば、腫瘍壊死因子及びインターフェロンを組
合わせたサイクルのような補助治療期に投与してもよ
い。
【0075】非経口的に投与するには、抗体を、薬学的
に許容できる非経口用ビヒクルと共に、注入用単位投与
剤形(溶液、懸濁液、エマルジョン)に製剤化する。ビ
ヒクルは、本質的に無毒であり、治療作用のないもので
ある。このようなビヒクルには、例えば水、生理食塩
水、リンゲル液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血
清アルブミンがある。固定油及びオレイン酸エチルなど
の非水性ビヒクルも使用することができる。担体として
リポゾームを使用することができる。このようなビヒク
ルには、等張性及び化学的安定性を高める物質、例えば
緩衝液及び保存剤などの添加剤を少量含有させてもよ
い。通常、抗体は、このようなビヒクルを約1mg/m
lから10mg/mlの濃度で含有させて製剤化する。
【0076】IgM抗体は、その抗原が極めて標的細胞
に特異的であり、めったに正常細胞上には現れないので
都合がよい。IgG分子は、IgM分子よりも小さいの
で、より感染細胞に集中し易いかもしれない。
【0077】イン・ビボに於ける補体活性化が、種々の
生物学的作用、例えば炎症反応の誘発及びマクロファー
ジの活性化を導くことが証明されている[ウアナネとベ
ナセラフ(Uananue and Benacerraf)、テキストブック・
オブ・イムノロジー(Textbook of Immunology)、二版、
ウィリアムス&ウィルキンス(Williams&Wilkins)218
頁(1984)]。この炎症に伴う増加した血管拡張は、
各種の抗AIDS剤が感染細胞に集中する作用を増加さ
せるかもしれない。従って、本発明により特定した型の
抗原−抗体の組合わせは、多くの治療的用途として使用
することができる。更に、このような抗原に関連する精
製抗原[ハコモリ(Hakomori)、Ann,Rev.Immunol.、1
03(1984)]又は抗−イディオタイプ抗体[ネポム
(Nepom)らのProc.Natl.Acad.Sci.81、2864(19
85):コプロースキ(Koprowski)らのProc.Natl.Acad.S
ci.81、216(1984)]は、ヒト患者に於ける活
性な免疫応答を誘導させるのに使用できるであろう。こ
のような応答には、ヒト補体を活性化させ、ADCCを
媒介することのできる抗体の形成、及びこの機序によっ
て感染細胞の破壊を招くことが挙げられる。
【0078】本発明に係る抗体は、被検試料中のHIV
を診断する上で有用である。これは、HIVenvの立体
的に自由な他のエピトープに対するポリクローナル又は
モノクローナル抗体と共に、HIVenvを検定するため
のサンドウィッチ検定のひとつの軸として使用される。
幾つかの具体的なサンドウィッチ検定に使用するため、
5C2E5抗体又はそれと等価な物を、不溶性支持体に
結合させるか、又は他のモノクローナル抗体を使用する
常法に従って検出可能な部分で標識する。標識化抗体の
他の例としては、例えば5C2E5抗体に結合できる標
識化ヒツジ抗−マウスIgGを使用して、それ自体は従
来から知られている操作法によってHIVenv結合性を
検出する。
【0079】最後に、もうひとつの態様として挙げれ
ば、抗体を水不溶性の支持体に固定化し、以下により詳
細に説明するように、HIVenv、rgp120又はTCB
ドメインのイムノアフィニティー精製に使用する。この
目的のためには、モノクローナル抗体を固定化するため
のあらゆる既知の方法を利用することができる。
【0080】一般に、HIVenvで処置すべき炎症又は
免疫強化された炎症は、治療的な関連性から見て望まし
くない外来性又は自己の標的組織に対する体液性及び/
又は細胞毒性の細胞応答を特徴とする。通常、免疫強化
性の炎症は、(1)望ましくない自己免疫疾患の場合若
しくは移植片対宿主病に於ける宿主抗原、又は(2)移
植組織、例えば器官移植片に於ける抗原に対する抗体の
生成及び/又は細胞毒性T細胞の応答を特徴とする。こ
のようなことは、多形核好中球及び単核白血球の標的組
織への侵潤、痛み、集中した浮腫、考えられる血管内皮
損傷、及び刺激細胞によるサイトカインの広範な産生に
よって臨床的に特徴付られる。
【0081】治療への使用を目的としたHIVenv組成
物は、処置するべき障害、個々の患者の状態、envポリ
ペプチドの分散部位、投与方法、及びその他、開業医に
とって既知の要因を考慮に入れ、良好な治療を行うのに
相応したやり方で製剤化し、投与量を確立するべきであ
る。
【0082】HIVenvは、所望の適度にまで精製した
HIVenvを生理学的に許容できる担体、即ち使用され
る投与量及び濃度では受容者にとって無毒である担体に
混合して投与用に調製する。通常は、HIVenvを緩衝
液、低分子量(約10残基よりも少ない)のポリペプチ
ド、タンパク質、アミノ酸、炭水化物例えばグルコース
又はデキストラン、キレート剤例えばEDTA、及び他
の賦形剤と一緒にする。治療投与に使用するためのHI
Venvは、無菌でなければならない。このことは、(0.
2ミクロン)膜で滅菌濾過することによって容易に行え
る。HIVenvは、普通、再調製するための凍結乾燥品
として保存するが、水性製剤として保存しても安定であ
る。
【0083】一般に、障害が許すところでは、部位特異
的な分配用にHIVenvを製剤化し、投与するべきであ
る。これは、RA及び炎症性腸疾患の場合には便利であ
る。前者の場合、HIVenvは、関節液への注入、又は
滑膜内層(synovial lining)若しくは滑膜嚢(capsule)へ
の移植に適する無菌の徐放性組成物に製剤化する。炎症
性腸疾患の場合、HIVenvは、当業界周知の薬学的に
許容できる油性物質を用いて坐剤に製剤化する。
【0084】徐放性製剤は、マイクロカプセル粒子及び
移植可能な物品の中から選ばれる。リポゾームに於ける
カプセル化は、関節部への脂質の移入を伴うので、滑膜
腔(synovial cavity)に直接注入することには好ましく
ない。しかし、リポゾームに於けるカプセル化は、滑膜
嚢に徐放性HIVenvを移植するには適している。徐放
性HIVenvを使用してRAを治療するには、好ましく
はHIVenvを、生体内分解性のマトリックス又はマイ
クロカプセルに入れる。この目的に適う適当な物質は、
ポリラクチド(polylactide)であるが、ポリ−D−(−)
−3−ヒドロキシ酪酸などのポリ(α−ヒドロキシカル
ボン酸)の他のポリマー類も使用することができる[E
P 133,988A]。他の生体内分解性ポリマーに
は、ポリ(ラクトン類)、ポリ(アセタール類)、ポリ(オ
ルトエステル類)、又はポリ(オルトカーボネート類)な
どが包含される。ここに、第一に考慮しなければならな
いのは、担体自身、又はその分解生成物は標的組織にと
って無毒であること、並びにこれらが疾患を更に悪化さ
せないことである。このことは、標的障害の動物モデ
ル、又はこのようなモデルが入手できない場合は正常動
物に於いて常法のスクリーニングを行うことによって検
定できる。徐放性組成物の例に関しては、例えば米国特
許第3,773,919号、EP58,481A、米国特
許第3,887,699号、EP158,277A、カナ
ダ特許1176565、シドマン(U.Sidman)らの「バイ
オポリマーズ(Biopolymers)」、22:547(198
3)、及びランガー(R.Langer)らの「Chem.Tech」12:9
8(1982)を参照。
【0085】使用するべきHIVenvの投与量は、HI
Venv調製物のT4結合親和性、env調製物の半減期、投
与経路、患者の臨床上の状態(感染の有無など)、抗−
HIVenv抗体の存在、並びにHIVenvが疾病の予防に
使用できるか否か、又は急性の自己免疫疾患若しくは移
植拒絶の発現(episodes)に対する治療に使用できるか否
か、などの多くの要因に左右される。一般的な案として
は、標的部位に到達させるHIVenv投与量は、約0.5
×10−8Mから5×10−9Mとするべきである。通
常、治療用投与剤形中に於けるHIVenv濃縮物を、連
続的な点滴、徐放性の注入又は経験的に決定される回数
の注入によって投与する。RA関節液は、例えばひざの
関節で50mlにまでになる可能性があるので、HIV
envの正確な量は、関節液に於ける希釈度、並びに内因
性プロテアーゼに対するHIVenvの経験的に測定され
る損失、全身性循環への漏出、及び存在している抗−H
IVenvによる隔離(sequestration)によって決定され
る。従って、適正な投与量計画を決定するためには、治
療の初期の段階に、HIVenvT4結合性検定するため
に関節液試料を抜き取り、初期投与量のプロトコールに
於ける有効性を評価することが最善である。
【0086】HIVenv療法は、他の抗炎症性物質、例
えばサリチル酸塩、非ステロイド抗炎症剤、ペニシラミ
ン、金塩、TGF−β、TNF−α又はTNF−βアン
タゴニスト(係属中のU.S.S.N898,272に開
示)、γ−インターフェロン・アンタゴニスト及び/又
はIL−1アンタゴニストと一緒に行うことができる。
このような物質がHIVenv組成物自体に包含されるこ
とは必須のことではないが、これら抗炎症性物質をHI
Venvと共に製剤化してもよい。
【0087】炎症部位に集中するHIVenv濃度は、全
身に於ける最高の治療投与量を越えてもよい。炎症性侵
潤に於けるHIVenv濃度を検定することにより、特
に、集中する投与が実用的でない場合には、静脈注入す
るためのHIVenvの量に関する指針が得られる。これ
により得られた結果が、適当な投与量を選択するために
重要な要因である。患者の炎症反応が、投与後約48時
間以内に少なくとも一部でも消散しない場合は、所望の
効果に達成するまで投与量を徐々に上昇させていく。こ
れに対応して、必要とされるT4結合能及び/又はT4
に対する親和性が低いHIVenv調製物の投与量が上昇
するが、能力及び親和性の高い調製物の投与量も上昇す
る。また、急性の拒絶又は炎症の発現、即ち急性の器官
移植拒絶の患者又は関節炎発赤の発現した患者を治療す
る場合、初期には比較的高い用量が必要である。
【0088】急性拒絶の発現に伴う緊急の治療に関して
は、症状が発現した時若しくは拒絶が血清学的に明らか
になった時に、HIVenvを静脈内注入するか、又は炎
症の損傷部位に直接導入する。あるいは、筋肉内又は皮
下投与によって、適当に予防ができる。以下に実施例を
挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発
明を限定しようとするものではない。引用した文献はす
べて参照文献として挙げた。
【0089】
【実施例】実施例1 HIVによるT−ヘルパー感染の始めには、HIVエン
ベロープ糖タンパク質とT4表面構造の間の選択的な相
互作用が関与していることがわかっていた(1〜6、1
5、23〜26)。もっと具体的に言うと、マクドーガ
ル等(McDougal et al.)は、HIVがT4抗原複合体の
T4Aエピトープに選択的に結合することができること
を示した(25)。さらに、AIDSウィルスに感染した
患者の損なわれた免疫学的機能の多数が、ヘルパー細胞
群に感染し、ついにはこれらを破壊するHIVの選択的
な能力に関係していた(1、2、9、10)。また、AI
DS患者からのPBMCが、おそらくはHIVに関連す
るヘルパー細胞機能の低下によって、ミトゲンおよび抗
原(特に破傷風トキソイド)刺激に対して低応答性である
ことも示唆されていた(12)。本実施例は、主として、
正常なPBMCでの破傷風トキソイド応答におけるrgp
120の活性を測定することに関する。
【0090】材料および方法 組換えHIVエンベロープ糖タンパク質(rgp120)
HIVエンベロープ遺伝子発現プラスミド(20)でトラ
ンスフェクションしたチャイニーズ・ハムスター卵巣細
胞を、これら実施例で用いるrgp120の調製に用い
た。免疫アフィニィティークロマトグラフィーによっ
て、ならし細胞培養培地からrgp120を精製した。こ
のrgp120は、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動
で測定すると>98%の純度であった。
【0091】末梢血液単核細胞(PBMC)の単離:ヘパ
リン処理した注射器を用いて健康な供与者から血液を集
めた。それぞれの血液試料を等容量の食塩水で希釈し、
フィコール-ハイパクー(Ficoll-Hypaque)勾配(sp.gr.1.
08)で層にし、室温で40分間、400xgで遠心した。
血漿-フィコールの界面のPBMCを取り、ハンク(Han
k)のバランス塩溶液(HBSS)[ギブコ(Gibco);グラン
ド・アイランド・バイオロジカル社(Grand Island Biol
ogical Co.,Grand Island,NY)]で3回洗浄し、完全培地
に再懸濁し、その数を数えた。トリパンブルー排除で測
定したときの細胞生存率は常に95%以上であった。
【0092】培養培地:RPMI 1640培地をギブ
コから購入して用いた。これに、10%の熱不活性化ウ
シ胎児血清[ハイクローン(Hyclone,Logan,Utah)]、2m
MのL-グルタミン、10mMのHEPES、ペニシリン
/ストレプトマイシン(ギブコ)、および5×10−5M
の2−メルカプトエタノール[シグマ(Sigma,St.Louis,M
O)]を追加した。2−メルカプトエタノールを含まない
同一の培地をポリクローナル活性化に用いた。2%の熱
不活性化ウシ胎児血清を含むRPMI 1640をモノ
クローナル抗体による細胞の染色に用いた。
【0093】破傷風トキソイド(TT)誘導の増殖活性
この検定に用いるRPMI 1640培地には、10%
のオートローガスな血漿、2mMのL-グルタミンおよび
抗生物質を追加した。最適の応答を得るために予備実験
で確かめた1:300の最終希釈のTT[ムックモアー
(Dr.A.Muchmore,National Cancer Institute,Bethesda,
MD)から入手できる]の存在下、または非存在下、微量滴
定プレートのウェルあたり200μlの培地中105細
胞となるようにPBMCを4重に培養した。さまざまな
濃度のrgp120を含んでいる複製培養物を平行して確
かめた。6日間のインキュベートの後、ピークの応答が
現れたときに、培養物を[3H]-チミジンとともにパル
ス処理し、加工し、上記のようにして数えた。
【0094】モノクローナル抗体による細胞の染色:蛍
光イソチオシアネート(FITC)とコンジュゲートした
モノクローナル抗体(Mab) OKT3、OKT4、OK
T4A、およびOKT8をオルソ・ジアグノスチック・
システムズ社(Ortho Diagnostic Systems,Inc.,Rarita
n,N.J.)から購入した。細胞の一部(106/50μl)
を、FITCとコンジュゲートしたOKT3、OKT
4、OKT4A、OKT8またはネズミIgG2ab対照
(5μl)と混合した。氷上で40分間インキュベートし
た後、細胞を培地で2回洗浄し、2%パラホルムアルデ
ヒドで固定し、この試料を、波長488nmの4ワットの
アルゴンレーザーを装着した蛍光活性化細胞ソーター
[FACS IV、ベクトン・ディキンソン(Becton Dickin
son,Mt.View,CA)]を用いて分析した。104細胞が表示
様式で得られ、単一の細胞ベースで測定を行い、これを
度数分布ヒストグラム(21)で表した。死んだ細胞およ
び残骸は、前方光散乱に基づく分析から除外した。この
結果を、非特異的な染色(IgG2ab-FITC対照)を差
し引いた特異的に染色された細胞の割合(%;蛍光ラベ
ルした細胞数/分析された細胞数×100)で表す。ま
た、染色された細胞の強さの平均チャンネルも測定した
が、これは示さなかった。
【0095】統計学的な分析:対設計のスチューデント
検定、および多重群比較のための変動分析によって結果
を分析した。
【0096】結 果 可溶性の特異的な抗原に対するPBMCの応答に及ぼす
rgp120の影響を調べた。6つの実験を行い、培養物
に加えたrgp120を含むか、または含まずに刺激剤と
してTTを用いた。この結果を第2表に示すが、この表
は、正常なPBMCにおいて特異的な抗原に応答するP
BMCの増殖をrgp120が有意に(p=0.05)阻害し
うることを示している。阻害度は、対照値の19〜51
%の範囲内であり、5つの実験で異なっていた。実験N
o.6では阻害は観察されなかった(示されていない)。
【0097】
【表2】 * PBMCの4重の培養物を、TTのみ(対照)またはT
T+5μgのrgp120/ml(+rgp120)の存在下、105
細胞/200μl/ウェルの平底微量滴定プレートで測
定した。6日間のインキュベートの後、培養物を[3H]-
チミジンでパルス処理し、集め、加工し、数えた。各デ
ータは平均cpmを表し、阻害%は次のようにして計算し
た;1−(rgp120の存在下でのcpm/対照のcpm)×10
0;p<0.05。
【0098】rgp120と種々のT−細胞群との相互作
:HIVによるT−細胞の感染は、ウィルスエンベロ
ープ糖タンパク質と、T−ヘルパー膜受容体複合体のT
4成分との選択的な相互作用から始まることが示唆され
ていた(1〜6、15、23〜26)。従って、rgp12
0がヒトリンパ様細胞に結合する同一の選択的な能力を
有しているかどうかを測定するのは興味あることであっ
た。rgp120(5μg/ml)の存在下または非存在
下、4℃および37℃で24時間、PBMCをインキュ
ベートした。この細胞を洗浄し、FITC-コンジュゲ
ートしたOKT4およびOKT4Aで直接染色した。F
ACS分析の結果は、rgp120による4℃での細胞の
処理がOKT4の結合を阻害しないことを示す。しか
し、37℃でrgp120によって処理すると、T4+細
胞の蛍光度の減少で示されるOKT4結合の変化が生じ
た。逆に、37℃でrgp120によって細胞をインキュ
ベートした後には、OKT4Aの結合は全くなかった。
これらの結果は、rgp120がHIVと同様(25、2
6)、T4ヘルパー膜受容体のT4Aエピトープまたは
隣接エピトープを占めることができることを示してい
る。
【0099】rgp120のT4Aエピトープへの選択的
な結合を、37℃で24時間、高濃度のrgp120(10
0μg/ml)で細胞を処理することを含む一連の実験
でさらに調べた。次いで、この細胞を洗浄し、FITC
-コンジュゲートしたOKT3、OKT4、OKT4
A、およびOKT8で染色した。FACS分析の結果
は、PBMCをrgp120で前処理するとT−ヘルパー
膜表面抗原のT4Aエピトープを完全に遮断することを
示した。rgp120処理した細胞へのOKT3およびO
KT8の結合は未処理細胞調製物のものと同様であり、
たとえ高濃度であってもrgp120はT3またはT8膜
表面抗原に結合しないことが示された。rgp120処理
がT4受容体を完全に遮断せず、T4染色した細胞の蛍
光の平均チャンネルを減少させるだけであることは興味
あることである。このことは、T−ヘルパー受容体の膜
構造における部分的な結合および/または変化を示して
いるのかもしれない。
【0100】実施例2 抗−TCBドメインモノクロー
ナル抗体 本実施例は、モノクローナル抗体5C2E5を得る方法
を説明するものである。雌Balb/cマウスを、約7カ月
にわたり、1投与あたり約30μgのrgp120で免疫
した。完全フロインドアジュバント中のrgp120によ
る最初の3-部位の皮下ワクチン接種に次いで、不完全
フロインドアジュバント中で4 3-部位皮下注射を行
い、さらにリン酸緩衝食塩水中で2 3-部位皮下注射を
行った。最後の腹腔内ブースター注射もリン酸緩衝食塩
水中で行った。
【0101】モノクローナル抗体5C2E5を分泌する
ハイブリドーマを、上記のrgp120免疫処理した動物
由来の脾臓細胞およびマウスのミエローマ細胞セルライ
ンNP3x63-Ag8.653を用い、オイ等(Oi et al.)(37)の
常法によって得た。このセルラインは広く一般的に入手
することができる。融合細胞培養物を、それぞれが60
ウェルのプレート10枚に移した。約480ウェル(8
0%)が生細胞を含んでいた。放射線免疫沈澱法または
ELISA法により、rgp120に対する抗体について
各ウェルをスクリーニングした。このELISAは、
(a)rgp120被覆した微量滴定ウェルを、室温で30分
間、1%(重量/容量)でインキュベートすることによっ
て非特異的な結合部位をブロックしたrgp120被覆ウ
ェル、および(b)西洋ワサビペルオキシダーゼでラベル
したヤギ抗-マウスIgGを用いる通常の2重抗体サンド
イッチ検定である。480ウェルの内10ウェルがrgp
120の抗体に対して陽性であった。次いで、これら1
0ウェルを、rgp120のヒトT4ヘルパー細胞への結
合をブロックする能力についてスクリーニングした。こ
のブロッキングの検定は次のようにして行った:
【0102】腹水症体液のインビトロ培養液上清、また
は精製した腹水症調製物あるいは上清を通常の検定でス
クリーニングする。たとえば、この精製法は、不溶化し
たブドウ球菌タンパク質Aのカラムに吸着させ、次いで
抗体を溶離することからなる。モノクローナル抗体調製
物の連続希釈液(未希釈〜1:1000)を検定緩衝液で
調製した。検定緩衝液は次の成分を含んでいる:
【0103】a)ギブコ F-12/DMEM 50:50混合物(培地) b)10%の厳格に透析したウシ胎児血清 c)0.2mM フッ化フェニルメチルスルホニル d)リン酸緩衝食塩水中の0.05%ツイーン80 e)0.06M NaCl f)0.25mg/ml BSA(ウシ血清アルブミン) g)12.5mM ヘペス緩衝液 pH7.4
【0104】それぞれの連続希釈液(50μl)を、12
×75ポリスチレン試験管中で、放射線ヨウ素化したrg
p120(−100,000cpm)の検定緩衝液溶液(50〜
100μl)および3〜5×105CHO(チャイニーズ
・ハムスター卵巣)セルラインSVE OKT4(クロー
ン17)検定緩衝液(100μl)と混合し、4℃で1時
間インキュベートした。この細胞を遠心してペレット化
し、上清を吸引し、ペレットを検定緩衝液(1.0ml)
に再懸濁し、再ペレット化し、吸引し、このペレットを
γカウンターで計測した。
【0105】このCHOセルラインは、ヒトT4受容体
をコードしている遺伝子をSV−40初期プロモーター
のコントロール下でDHFRをコードしているベクター
中に配置し、CHO細胞中にトランスフェクションし、
そしてそのT4受容体遺伝子を増幅して形質転換細胞表
面での発現を増加させるために500nMメトトレキセイ
ト中で増幅した形質転換CHOセルラインである。本検
定に用いるのに適したその他のT4形質転換体は当分野
で知られており、一般に入手可能な出発原料から容易に
調製される(38、39、40)。このようなT4形質転
換体をDHFRと同時形質転換し、T4細胞表面発現を
最大にするため常法によって増幅するのが好ましい。多
量のT4を含んでいるこのような細胞は検定に高い感度
を与える。
【0106】放射線ヨウ素化するrgp120に留意して
用いることが重要である。他のいくつかの常法による
と、トレーサーをこの検定で使用不能にする結合性を有
する125I-rgp120になることがわかった。使用し
た成功裏の方法は次のようであった:1mg/400μ
lのrgp120(400μl)を1mCiの125I、0.3
5mg/mlのラクトペルオキシダーゼ(20μl)およ
び1mMのH2O2(20μl)と混合し、室温で10分
間インキュベートし、1mMのβ−メルカプトエタノー
ル(20μl)を加え、この反応混合物を室温で2分間イ
ンキュベートし、0.5重量/容量%のBSA(50μ
l)を加え、この反応混合物を0.5重量/容量%BSA
を含むPBS緩衝液(PBS−BSA)で2.5mlに希
釈し、G−25カラムにかけ、そしてPBS−BSA
(3.5ml)で溶離した。125I−rgp120を溶出液
中に回収した。
【0107】唯一のブロック抗体を産生するウェル(5
C2)中の細胞をサブクローンした。同じ阻害活性体が
ウェルE5から得られた。IgGに起因するこの活性体
を硫酸アンモニウム沈澱などによって所望の形態に精製
した。この5C2E5モノクローナル抗体は、ペレット
cpmでの減少で測定すると結合数をネズミモノクローナ
ル抗体対照の約10〜15%に減少させることから、1
25I−rgp120 T4受容体結合の最大の阻害を示し
た。この5C2E5ハイブリドーマは一般に入手するこ
とができる(ATCC HB9435)。
【0108】実施例3 rgp120からのTCBドメイン
の回収 本実施例は、残基411〜454にわたるTCBドメイ
ン部分の調製に用いる方法を説明するものである。
【0109】pAIDSenvTrDHFRでトランスフェ
クションし、EP 187,041記載のようにして培養
したCHO細胞の培養液から本実施例に用いるrgp12
0を精製した。このrgp120を免疫アフィニティーク
ロマトグラフィーでほぼ均質になるまで精製した。この
精製rgp120を、イングラム(Ingram)の方法(35)に
従い、0.25M氷酢酸中、減圧酸素雰囲気下、110
℃で18時間加水分解した。このような条件下で、rgp
120タンパク質の骨格はアスパルチル残基のNおよび
C末端の両側で切断される。この消化rgp120にトリ
ス緩衝液を加えて中和し、pHを7に調節した。
【0110】次いで、この消化rgp120を、常法(3
6)によってアルデヒド−シリカに共有結合させたネズ
ミモノクローナル抗体5C2E5のカラムにかけた。こ
のカラムを、pH3に緩衝化した食塩水溶液で洗浄し
た。モノクローナル抗体5C2E5が、T4+ヘルパー
T細胞のT4表面抗原へのrgp120の結合を妨げるよ
うに、rgp120に結合することがわかった(実施例2参
照)。5C2E5のカラムからの溶出液を通常のアミノ
酸定量分析法によって分析し、以下のアミノ酸組成を得
た:
【0111】アミノ 酸 D/N T S E/Q P G A Cモル /rgp120モル 3.0 3.9 2.8 4.2 3.4 3.1 1.9 0.8アミノ 酸 V M I L Y F K Rモル /rgp120モル 1.4 1.5 5.2 3.8 1.0 1.6 2.1 2.6 分析を行ったこの条件はCおよびWの正確な測定を妨げ
る。また、5C2E5のカラムからの溶出液をN-末端
配列決定によっても分析し、次の配列だけを得た: I
L P R I K Q F 。
【0112】このアミノ酸分析およびN-末端配列決定
の結果により、5C2E5カラムに結合したrgp120
の酢酸消化物中のペプチドだけがHIV env 配列のト
レオニル残基411からアルギニン残基454までの4
4アミノ酸フラグメントであることが確認された。この
領域は次の配列を有している:TITLPCRIKQFINMWQEVGKAM
YAPPISGQIRCSSNITGLLLTR 。このペプチドは、T4+ヘ
ルパーT細胞のT4表面抗原へのrgp120の結合をブ
ロックするネズミモノクローナル抗体5C2E5のエピ
トープ、および上記のダルタ3突然変異体で削除した配
列を含有しているので、このペプチドがTCBドメイン
の部分であると結論される。
【0113】実施例4 免疫毒性物質 独立して、またはカクテルとして、脱グリコシル化リチ
ンA鎖(dgA)にカップリングさせ、多種多様のウィルス
・サブタイプ(subtype)由来のHIVに感染した細胞を
殺すのに用いられる、HIVにコードされているタンパ
ク質に指向性のモノクローナル抗体は次のようにして得
られる:
【0114】HIV感染したヒトHp(CD4+)細胞由
来の熱処理(30秒/60°)NP−40リゼイトで免疫
(多重腹腔内注射)したマウスから血清を得る。また、gp
120またはgp150で免疫したマウスから血清を得る
こともできる。タンパク質gp150は、gp120および
gp41を得るために切断して除かれる領域を有するgp1
60の細胞外ドメインである。すべての血清を以下の検
定で試験する:
【0115】1.HIV感染したH9細胞、未感染のH
9細胞、またはgp120被覆した未感染のH9細胞を用
いる間接免疫毒性物質(IT)検定
【0116】2.放射線免疫検定(RIA)‐陽性の血清
を、RIAにより、精製したgp120およびgp150に
対して試験して、マウスがこれらのタンパク質に対して
抗体を作ったかどうかを測定する。
【0117】RIAおよび間接IT検定の一方または両
方で陽性であるマウスからの血清を集め、セファロース
−gp120またはセファロース−gp150でアフィニテ
ィー精製した。この精製抗体をもう一度3つの検定で試
験した。陽性であれば、このマウスをHIV−H9、±
gp120 ±gp150のリゼイトでブースター処理す
る。数匹のマウスを犠牲にし、その脾臓をSp2/0またはN
P3X63-Ag8.653ミエローマ細胞と融合した。増殖中のハ
イブリドーマを含有するウェルからの上清(SN)を、
(a)H9 vs.(b)HIV−H9に対し、間接IT検定で試
験した。(b)で陽性であり、(a)で陰性であるハイブリド
ーマをさらにサブクローンし、RIA、間接IT、免疫
沈澱などで試験した。陽性のクローンからの抗体をアイ
ソタイプ化し、抗体の産生量を大きくした。この抗体を
dgAに直接カップリングさせた。これらのIT-dgAを、A
IDS患者からの細胞およびHIV感染した細胞で試験
した。次いで、臨床用のITを調製した。
【0118】リチンA鎖抗体結合体 (1)抗体のF(ab′)2およびFAB′断片の調製 抗体調製物を以下の条件下、ペプシン(4500U/ml)
(シグマ。セント・ルイス、MO)で37℃で6時間処理
する。pH=3.7(0.1Mクエン酸バッファー)、タン
パク質濃度:2〜3mg/ml、酵素/タンパク質比:2/1
00(重量比)。1N NaOHでpHを8.0に上げること
によって消化を終わらせる。F(ab′)断片の単離は、
0.3M NaClリン酸バッファーで平衡化したセファ
クリルS−200HR(ファルマシア、ピスカタウエ
イ、NJ)上でのゲル濾過により行うか、または0.1M
クエン酸バッファー(pH3.7)で平衡化したSP−セフ
ァデックスカラム(10×2cm)に未中和消化物を吸着
し、リン酸バッファー食塩水(PBS、pH7.2)でF(a
b′)2断片を溶出することによって行う。F(ab′)2断
片の収率は一般に35〜50%である。
【0119】Fab′断片は、上記で得られたF(ab′)2
断片を、エチレンジアミンテトラ酢酸(2ナトリウム塩)
(EDTA)(PBE)0.003Mを含有する0.1モルリ
ン酸バッファー(pH7.5)中での最終濃度が5mMのジ
チオトレイトール(DTT)で室温で1時間処理して還元
することによって得ることができる。過剰のDTTはセ
ファデックスG−25上のゲル濾過により除くことがで
き、Fab′断片(5mg/ml)のチオール基はフルトンらの
文献[Fulton et al.、J.Immunol.,136、3
103〜3109(1986)]記載のようにして最終濃
度が2mMのエルマン試薬(Ellman′reagent)(5,5′
−ジチオ−ビス(2−ニトロ安息香酸))(DTNB)で誘
導することができる。未反応DTNBは、PBEで平衡
化したセファデックスG−25カラム(30×2cm)上の
ゲル濾過により除くことができる。F(ab′)2断片およ
びFab′断片の純度は、SDS−PAGE、およびFa
b′とFcの両断片と反応しない抗マウスIgG血清を用
いた二元拡散および免疫電気泳動法により測定する。本
調製物はFc断片および完全なIgGを含んでいない。
【0120】(2)リチンA鎖 脱グリコシル化したA鎖(dgA)を、ソープらの文献[Th
orpe et al.,Eur.J.Biochem.,147、197
〜206(1985)]記載の方法に従って調製する。マ
ウス25g当たりの天然および脱グリコシル化A鎖のL
D50値は、それぞれ約0.7mgおよび0.3mgである。
無細胞系のウサギ網赤血球アッセイにおけるIC50値
は、天然および脱グリコシル化A鎖共に約10−11〜
10−12モルである。抗体と結合させるために、A鎖
をフルトンらの文献(上述)記載のようにして5mM D
DTで還元する。
【0121】(3)SPDPによるIT−Asの調製 抗体のIgGまたはF(ab′)2断片を用いフルトンらの
文献(上述)記載の方法によりIT−Asを調製する。P
BE(pH7.5)中のIgGまたはF(ab′)2断片の溶液
(10mg/ml)にジメチルホルムアミドに溶解したSPD
Pを加えて最終濃度が1mMとなるようにする。室温で
30分間置いた後、上記溶液をPBEで平衡化したセフ
ァデックスG−25カラム(30×2cm)で濾過する。誘
導したIgGまたはF(ab′)2断片の置換割合は、約3
〜4分子PDP/タンパク質分子である。誘導したタン
パク質は、ついでPBEに溶解した還元A鎖1.3mg/m
lと混合し、25℃で2時間、4℃で一夜放置する。こ
の混合物をついで精製する。
【0122】(4)DTNBによるFab′Asの調製 DTNBで誘導したFab′によるマウスFac′−Aの調
製は、ウサギFab′-Aについてフルトンらの文献(上
述)に記載された方法に従って行う。1〜2個のTNB
置換したチオール基を含有するエルマン試薬で誘導した
Fab′断片(上記Fab′断片の調製参照)をPBEに溶解
し(5mg/ml)、これを還元A鎖(1.3mgA鎖/mgFab′)
と室温で最終濃度が2mgタンパク質/mlとなるように混
合する。TNB−Fab′とA鎖との間の反応は412nm
での吸収の増加で追跡し、25℃では約2時間で完了す
る。この混合物はついで直ちに精製する。
【0123】(5)IT−Asの精製 完全な抗体またはその断片で調製したIT-Asを、ノウ
ルズおよびソープの文献[Knowles and Thorpe、An
al.Biochem.160、440〜443(1987)]記
載の方法を少し変えてブルーセファロース上のアフィニ
ティークロマトグラフィーで精製する。クロマトグラフ
ィーは0.05Mリン酸バッファー(pH7.0)中で行
い、A鎖およびIT−Asを同じバッファーで調製した
1M NaClで溶出する。溶出液を超遠心分離で5mg/
mlに濃縮し、リン酸バッファー0.3M NaCl(pH7.
2)で平衡化したセファクリルS−200HRに流す。
精製IT−Asを含むピークを集め、超遠心分離で少な
くとも0.5mg/mlまで濃縮し、アリコートに70℃で
保存する。 (6)Fab′−GAMIg−Aの調製および間接免疫毒素
アッセイ
【0124】アフィニティー精製したヤギ抗マウス免疫
グロブリン(GAMIg)のFab断片を、0.1M EDT
Aおよびシステインを含有する0.1M NaPO4中の
2%パパイン溶液を用いたパパイン消化により調製す
る。0.01M NaPO4(pH7.6)で平衡化したSE
AE−セファセル上のアフィニティークロマトグラフィ
ーによりFab断片をFc断片から分離する。Fab断片を
セファデックスG−25上で脱塩する。ついで還元Fab
断片を100倍モル過剰の5,5ジチオ−ビス(2−ニト
ロ安息香酸)(DTNB、エルマン試薬)と反応させる。
エルマン試薬で置換したFab−GAMIgをS200上
のクロマトグラフィーで遊離のFab−GAMIgおよび
遊離のエルマン試薬から分離する。
【0125】フルトンらの文献[J.Biol.Chem.
61、5314(1986)]記載の方法により調製し試
験したリチンA鎖を5mM DTTで還元する。A鎖を
セファデックスG−25上で脱塩し、Fab−GAMIg
−Eと結合させる。ついでFab−GAMIg−AをS2
00およびブルーセファロース上のアフィニティークロ
マトグラフィーで精製する。
【0126】(7)間接免疫毒素アッセイ 対数成長期にある生菌数が95%よりも大きい細胞を用
いる。濃度が2×10−8〜2×10−13Mの範囲に
ある最初の非結合抗体の系列希釈を適当な媒質中に調製
し、100μlのアリコートを96ウエルプレート中に
3個ずつプレーティングする。同じ媒質中の容積100
μlの105H9またはHIV−H9細胞を各ウエルに
加え、プレートを4℃で1時間インキュベートする。つ
いでFab−GAMIg−Aを最終濃度1μg/mlで適当
なプレートに加える。コントロール群には(a)未処理細
胞、(b)Fab−GAMIg−Aのみで処理した細胞、(c)
抗体のみで処理した細胞、および(d)抗体で処理した後
Fab−GAMIg(A鎖を含まない)で処理した細胞が含
まれる。ついでプレートを5%CO2中、37℃で36
時間インキュベートする。細胞を37℃で4〜8時間3
H−チミジンで処理し、ついでタイターテック(Titert
ek)自動収集器を用いてガラス繊維フィルター上に集め
る。3H−チミジンの取り込みをLKBベータカウンタ
ーの液体シンチレーションカウントで測定する。結果は
未処理細胞によって取り込まれた3H−チミジンの%で
表す。すべてのコントロールの培養細胞では未処理細胞
によって80〜100%の3H−チミジンが取り込まれ
る。
【0127】(8)データ分析 間接ITアッセイにおけるモノクローナル抗体の予期さ
れる能力は、標的細胞の50%を殺すことのできる抗体
の濃度(Fab−GAMIg−Aを最適濃度で使用)(IC5
0)に基づく。IT−Asがインビボで有用であるために
はIC50は10−12〜10−10でなければならな
い。IC50はつぎのようにランク付けされる。 10−11M = 4+ 10−10M = 3+ 10−9 M = 2+ 10−8 M = 1+ 4+および3+抗体はIT−Asとして適当であると思
われるので、さらにgp150およびgp120に対するR
IAで試験する。
【0128】(9)RIA 96ウエルマイクロタイタープレートのウエルを、10
0μlPBS中のgp120またはgp150 5μg/m
lで16時間/4℃コーティングする。ウエルをデカン
トし、dH2Oで5回洗浄し、PBS−10%FCS2
00μlで24時間/4℃ブロックする。ウエルをデカ
ントしdH2Oで5回洗浄する。血清または上澄み(S
N)の希釈液を25℃で4時間かけて加える。物質を除
き、ウエルをdH2Oで5回洗浄する。105cpmのGA
MIgを4〜6時間/25℃かけて加える。試料を除
き、プレートをdH2Oで5回洗浄し、乾燥し、切り離
してカウントする。
【0129】(10)試験した抗体および血清 (a)ウサギ抗gp41 (b)MoAbs Nos.1,2,3,4,5,6,7,8,10,12(コード) (c)MoAbs 7F11,1F9,5B9,1D10,5G9,5C2,6D8E9,9F6(コ
ード) (d)HIV−H9細胞からの溶解物でBALB/cマウス
を免疫することによって産生したポリクローナルマウス
血清
【0130】(11)結果モノクローナル抗体 (a)Rαgp41: IC501×10−8M(アフィニテ
ィー精製していない) (b)モノクローナル抗体 7F11 : +1 1F9 : - 5B9 : - 1D10 : - 5G9 : - 5C2 : - 6D8E9 : - 9F6 : - わずかに1種のモノクローナル抗体のみが間接アッセイ
において少し有効であるだけであった。
【0131】まずHIV−Iに感染させた1×108個
のH9細胞から調製した溶解物で50匹のBALB/c
マウスを免疫した。これらのマウスから採った血清を間
接アッセイでスクリーニングした。38匹の生存マウス
のうち15匹が間接ITアッセイにおいて3+〜4+で
あった。RIAを行い、2回の免疫の後、3匹のマウス
はgp120に対する抗体を有為に産生した(第3表参
照)。
【0132】
【表3】 第3表 間接ITアッセイおよびRIAの結果 間接IT RIA マウス IC50 μG/ML 抗gp120 抗-gp15 (2ブースター後) (5ブースター後) 302 4+ 2+ 304 1+ 4+ 306 1+ 4+ 310 - 3+ 312 1+ 3+ 314 3+ 4+ 316 1+ 2+ 318 1+ 3+ 320 1+ 3+ 332 - 2+ 334 2+ 2+ 336 4+ 4+ 338 1+ 2+ 340 1+ - 344 3+ 2+ 348 2+ 4+ 350 4+ 3+ 352 2+ - 354 2+ - 2+ 356 1+ 2+ - 358 3+ 3+ - 362 4+ 4+ 4+ 364 4+ 3+ 3+ 366 2+ 3+ 4+ 368 2+ 4+ 4+ 370 4+ 4+ 4+ 372 - 1+ - 374 - 3+ - 376 4+ 3+ 4+ 1+またはこれより大きい値は1μg/mlよりも大きかっ
た。
【0133】以上、本発明をその好ましいと思われる実
施態様を中心に述べたが、本発明はもとよりこれら開示
の実施態様に限定されるものではなく、反対に添付のク
レームの範囲内に含まれる種々の変更および等価物をカ
バーするものである。クレームの範囲は、それら変更お
よび等価物のすべてを包含するものとして最も広い解釈
を与えられるべきである。
【0134】文献 1.Barre-Sinoussi, F.ら, Science 220:868 (1983) 2.Popovic, M.ら, Science 224: 497 (1984). 3.Gallo, R.C.ら., Science 224: 500 (1984).4.Sc
hupbach, J.ら, Science224: 503 (1984).5.Sarngadh
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e on AIDS, パリ (1986). 40. Tersmette, A.ら, 要約, International Conferenc
e on AIDS, パリ (1986).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 15/02 C12P 21/08 15/09 ZNA G01N 33/569 H C12P 21/08 33/577 B G01N 33/569 C12R 1:91 33/577 C12N 15/00 ZNAA (C12P 21/08 C C12R 1:91) (72)発明者 フィリップ・ダブリュ・バーマン アメリカ合衆国カリフォルニア94402、 サン・マテオ、レキシントン・アベニュ ー1739番 (72)発明者 ティモシー・ジェイ・グレゴリー アメリカ合衆国カリフォルニア94010、 ヒルズボロウ、パインヒル・ロード414 番 (72)発明者 ロウレンス・エイ・ラスキー アメリカ合衆国カリフォルニア94965、 ソウサリト、スター・ルート・ボックス 40番 (72)発明者 ゲラルド・アール・ナカムラ アメリカ合衆国カリフォルニア94116、 サン・フランシスコ、トゥエンティナイ ンス・アベニュー1923番 (72)発明者 エリック・ジェイ・パッツァー アメリカ合衆国カリフォルニア94563、 オリンダ、タホス・ロード470番 (72)発明者 ジョン・エス・パットン アメリカ合衆国カリフォルニア94070、 サン・カルロス、エメラルド・アベニュ ー330番 (72)発明者 エレン・エス・ヴィテッタ アメリカ合衆国テキサス75230、ダラス、 ペンバートン・ドライブ6914番 (56)参考文献 特開 昭61−233700(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 16/00 - 16/46 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘルパー・リンパ球のT4レセプターに
    対するrgp120の結合性に於ける阻害能と定義され
    る、モノクローナル抗体5C2E5(ATCCHB94
    35)のTCBドメイン結合特性、を有する抗体。
  2. 【請求項2】 モノクローナル抗体である請求項1記載
    の抗体。
  3. 【請求項3】 細胞毒性物質とコンジュゲートしている
    請求項2記載の抗体。
  4. 【請求項4】 細胞毒性物質がリチンである請求項3記
    載の抗体。
  5. 【請求項5】 検出可能なマーカーまたは水不溶性マト
    リックスに共有結合している請求項2記載の抗体。
  6. 【請求項6】 無菌の薬学的に許容し得る担体中の請求
    項2記載の抗体。
  7. 【請求項7】 ヒト抗体の部分またはヒト抗体を含む、
    請求項1記載の抗体。
  8. 【請求項8】 モノクローナル抗体である請求項7記載
    の抗体。
  9. 【請求項9】 キメラ抗体を含む、請求項1記載の抗
    体。
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