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JP3351679B2 - 多結晶シリコン薄膜積層体の製造方法及びシリコン薄膜太陽電池 - Google Patents

多結晶シリコン薄膜積層体の製造方法及びシリコン薄膜太陽電池

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JP3351679B2
JP3351679B2 JP12680096A JP12680096A JP3351679B2 JP 3351679 B2 JP3351679 B2 JP 3351679B2 JP 12680096 A JP12680096 A JP 12680096A JP 12680096 A JP12680096 A JP 12680096A JP 3351679 B2 JP3351679 B2 JP 3351679B2
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thin film
silicon thin
polycrystalline silicon
layer
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • Y02E10/546Polycrystalline silicon PV cells

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  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコン薄
膜積層体の製造方法及びシリコン薄膜太陽電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、光線を電力に変換する太陽電池が
各種装置に利用されており、その効率向上が要望されて
いる。一般的な太陽電池は非晶質シリコンを利用してお
り、これは生産性は良好であるが光電変換の効率が充分
でないので、多結晶シリコンの利用が検討されている。
【0003】これを実現する多結晶シリコン薄膜積層体
の製造方法が、特開平5-109638号公報、特開平4-35021
号公報、特開平5-136062号公報、等に記載されている。
例えば、特開平5-109638号公報に記載された固層成長法
では、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により基
板の表面に非晶質のシリコン薄膜を形成し、このシリコ
ン薄膜を600(℃)程度の高温でアニールして結晶化させ
ることにより、多結晶シリコン薄膜積層体を製造する。
また、特開平4-35021 号公報や特開平5-136062号公報に
記載されたレイヤバイレイヤ法や化学アニール法では、
プラズマCVD法において非晶質のシリコン薄膜の堆積
と水素プラズマによる暴露とを繰り返すことにより、多
結晶シリコン薄膜積層体を製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような方法によ
り多結晶シリコン薄膜積層体を製造することができる
が、上述した方法では高品質な多結晶シリコン薄膜積層
体を良好な生産性で製造することは困難である。
【0005】つまり、特開平5-109638号公報に記載され
た固層成長法では、アニールを600(℃)もの高温で行な
うので基板に耐熱性が要求され、安価なガラス基板等を
利用することができない。しかも、アニールに長い時間
を要するので、スループットが低い。
【0006】この点、特開平4-35021 号公報や特開平5-
136062号公報に記載されたレイヤバイレイヤ法や化学ア
ニール法では、低温で比較的良好なスループットで多結
晶シリコン薄膜積層体を製造することができるが、この
方法では結晶粒径を大きくできない。
【0007】また、上述のような各種方法により製造し
た多結晶シリコン薄膜積層体では、シリコンが(11
0)配向となることが判明しており、この配向に成長し
た結晶粒は双晶等の欠陥が多発することが確認されてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
基板の表面に非晶質または微結晶質のシリコン薄膜を成
膜し、このシリコン薄膜にレーザビームを照射して(1
11)配向の多結晶シリコンの結晶粒からなるシード層
を形成し、このシード層の表面にエネルギビームを照射
しながらシリコン原子またはシリコン化合物分子を堆積
させて(111)配向の多結晶シリコンの成長層を形成
するようにした。従って、(111)配向の多結晶シリ
コンからなるシード層の表面に(111)配向の多結晶
シリコンからなる成長層が堆積するので、(111)配
向の多結晶シリコン薄膜が所望の膜厚に形成され、結晶
欠陥が少ない多結晶シリコン薄膜積層体が製造される。
また、シード層や成長層が製造過程で酸化性の雰囲気に
暴されないので、多結晶シリコン薄膜が(111)配向
のまま成長し、(111)配向の多結晶シリコンからな
るシード層の表面に、(111)配向の多結晶シリコン
が大きな粒径で成長する
【0009】請求項2記載の発明のシリコン薄膜太陽電
池は、請求項1記載の多結晶シリコン薄膜積層体の製造
方法により製造された多結晶シリコン薄膜積層体を光キ
ャリア発生層として有する。従って、請求項1記載の多
結晶シリコン薄膜積層体の製造方法により製造された多
結晶シリコン薄膜積層体は欠陥が少なく粒径が大きいの
で、これを光キャリア発生層として有するシリコン薄膜
太陽電池は変換効率が高い
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態を図1
および図2に基づいて以下に説明する。まず、本実施の
形態の多結晶シリコン薄膜積層体1は、図1(c)に示
すように、パイレックス製の基板2と多結晶シリコン薄
膜3とを有している。前記多結晶シリコン薄膜3は、前
記基板2の表面に積層されており、この基板2の表面と
平行な結晶面の大部分が(111)配向となるよう形成
されている。この配向の比率は、下記に数式として示す
ように、X線の解析強度に基づいて定義している。
【0016】(111)回折強度比=1(一定) (220)回折強度比=[試料の(220)の(111)に対
する相対強度]/[粉末の(220)の(111)に対する
相対強度] (311)回折強度比=[試料の(311)の(111)に対
する相対強度]/[粉末の(311)の(111)に対する
相対強度] (400)回折強度比=[試料の(400)の(111)に対
する相対強度]/[粉末の(400)の(111)に対する
相対強度] (111)配向比率=(111)回折強度比/[(111)回
折強度比+(220)回折強度比+(311)回折強度比+
(400)回折強度比] (110)配向比率=(220)回折強度比/[(111)回
折強度比+(220)回折強度比+(311)回折強度比+
(400)回折強度比] なお、ここで云う大部分とは、全体に対する比率が0.
5以上であることを意味している。
【0017】つぎに、上述した多結晶シリコン薄膜積層
体1を製造する製造システム11の構造を図2に基づい
て以下に説明する。この製造システム11は、第一・第
二の真空チャンバ12,13を有しており、これらの真
空チャンバ12,13はゲートバルブ14を介して連結
されている。前記真空チャンバ12,13の内部には、
ガイドレール等により基板搬送機構(図示せず)が設け
られており、この基板搬送機構により前記基板2が搬送
されて所定位置に保持される。
【0018】前記第一の真空チャンバ12の管壁には透
光窓15が形成されており、この透光窓15に対向する
位置には、例えば、ArFエキシマレーザからなるレー
ザ光源16が配置されている。
【0019】前記第二の真空チャンバ13には、ビーム
発生装置17が設けられており、シリコン源18と蒸発
源19とが配置されている。前記シリコン源18は、シ
リコンが充填された坩堝からなり、前記蒸発源19は、
ボロンが充填された坩堝からなる。前記ビーム発生装置
17は、ここでは電子銃(図示せず)を有しており、こ
の電子銃はエネルギビームとして電子ビームを出射す
る。この電子銃は、例えば、フィラメント、加速電極、
収束レンズ、偏向レンズ、を有しており、出射する電子
ビームを偏向走査する。
【0020】つぎに、上述のような製造システム11を
利用した多結晶シリコン薄膜積層体1の製造方法を以下
に説明する。まず、パイレックス製の基板2の表面に、
電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法、プラズマCVD法、等の薄膜技術により、非
晶質または微結晶質のシリコン薄膜4を、膜厚500(nm)
以下、好ましくは10〜200(nm)に成膜する。このように
シリコン薄膜4を成膜した基板2を第一の真空チャンバ
12の内部の基板搬送機構にセットし、このセット後に
真空チャンバ12の内部を真空とする。
【0021】つぎに、図1(b)に示すように、レーザ
光源16からシリコン薄膜4にレーザビームを照射し、
シリコンを多結晶化させてシード層5を形成する。この
場合、エキシマレーザのエネルギを 200〜500(mJ/c
m2)、そのショット数を20〜200とする。この場合、基板
2の温度は300〜500(℃)、好ましくは400(℃)以下とす
る。このように真空中で非晶質または微結晶質のシリコ
ン薄膜4をレーザ照射により多結晶化させてシード層5
を形成すると、これは(111)配向の多結晶シリコン
の結晶粒により形成される。
【0022】つぎに、第二の真空チャンバ13の内部を
真空とし、この完了後にゲートバルブ14を開口させて
基板搬送機構により基板2を第一の真空チャンバ12か
ら第二の真空チャンバ13に移送する。この移送後にゲ
ートバルブ14を閉止して第二の真空チャンバ13の内
部気圧を1×10~4(Pa)以下とし、ビーム発生装置17に
より基板2にエネルギビームとして電子ビームを照射す
る。この場合、電子ビームのエネルギは、加速電圧を 1
00(V)〜100(kV)、好ましくは1.0(kV)〜30(kV)と
し、電流密度を1.0(μA/cm2)〜1.0(A/cm2)、好まし
くは10(μA/cm2)〜1.0(mA/cm2)とする。この場合
も、基板2の温度は300〜500(℃)、好ましくは400(℃)
以下とする。これと同時に、例えば、電子ビーム蒸着法
によりシリコン源18からシリコン原子を発生させ、こ
れをシード層5の表面に堆積させる。
【0023】上記のビーム照射によりシード層5の表面
でのシリコン原子の移動度が増大するので、図1(c)
に示すように、粒径が大きく配向性が高い多結晶シリコ
ンの成長層6が形成される。この成長層6は必要に応じ
た膜厚に形成されるが、例えば、多結晶シリコン薄膜積
層体1をシリコン太陽電池に利用する場合には、1.0〜5
0(μm)程度の膜厚に形成される。
【0024】このように真空中で(111)配向の多結
晶シリコンからなるシード層5の表面に成長層6を堆積
させると、これも(111)配向の多結晶シリコンとし
て成長するので、基板2の表面に(111)配向の多結
晶シリコン薄膜3が形成されることになる。
【0025】つまり、本実施の形態の多結晶シリコン薄
膜積層体1の製造方法では、一般的な薄膜技術により成
膜した非晶質等のシリコン薄膜4をレーザ照射により多
結晶化させるので、結晶粒径が大きい(111)配向の
シード層5を容易に形成することができる。このシード
層5の表面に成長層6を堆積させるので、結晶粒径が大
きい(111)配向の多結晶シリコン薄膜3を容易に形
成することができる。
【0026】この製造方法では高温の加熱を要しないの
で、基板2として安価なガラス等を利用することがで
き、長時間のアニール等も要しないので、スループット
が良好である。しかも、シード層5の形成と成長層6の
堆積とを真空中で行なうので、シード層5や成長層6が
製造過程で酸化性の雰囲気に暴されず、多結晶シリコン
薄膜3は(111)配向として形成されるので欠陥が少
ない。
【0027】このように(111)配向で形成された多
結晶シリコン薄膜3には欠陥が少ないことを検証する実
験の結果を図3に基づいて以下に説明する。まず、上述
した方法で製造した多結晶シリコン薄膜積層体1に電極
21を装着し、ショットキーダイオード22を製作し
た。ただし、基板2はn型の単結晶シリコンにより形成
し、多結晶シリコン薄膜3はボロンのドープによりp型
として形成した。また、このショットキーダイオード2
2と比較する供試材として、同様な構造で多結晶シリコ
ン薄膜をレイヤバイレイヤ法により(110)配向とし
て形成したショットキーダイオード(図示せず)も製作
した。
【0028】これらのショットキーダイオード22のダ
イオード因子nを電流−電圧特性から求めたところ、多
結晶シリコン薄膜3が(111)配向のものはn=1.2
で、多結晶シリコン薄膜が(110)配向のものはn=
1.6であった。ダイオード因子が“1”に近いほど結晶
性は良好と考えられるので、多結晶シリコン薄膜3は
(111)配向であるほうが(110)配向より結晶欠
陥が少ないことになる。
【0029】なお、本発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、各種の変形を許容する。例えば、上述した多
結晶シリコン薄膜積層体1では、基板2の材料としてパ
イレックスを例示したが、例えば、これはソーダライム
ガラスまたはポリイミド等の耐熱性プラスチックでも良
く、ガラス、セラミック、プラスチック、金属、等も利
用可能である。
【0030】また、上述した多結晶シリコン薄膜積層体
1の製造方法では、基板2の表面にシード層5を直接に
形成することを例示したが、この中間に熱バッファ層を
形成して多結晶シリコン薄膜3の結晶性を向上させるこ
とも可能である。適正な熱バッファ層を介してシード層
5を形成すると、その結晶粒径は膜厚より遥かに大きく
なるので、結晶粒径が大きい多結晶シリコン薄膜3を容
易に得ることができる。
【0031】このような熱バッファ層は、薄すぎると効
果がないが厚すぎても効果は上がらないので、膜厚0.2
(μm)以上、好ましくは 0.3〜3.0(μm)に成膜すること
が好ましい。その材料としては、熱拡散率(=熱伝導率
/密度×比熱)が小さいものが好ましく、例えば、Zr
2、TiO2、SiO2、等が適正である。このような熱
バッファ層は、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティン
グ法、プラズマCVD法、MO(Metal Organic)CVD
法、ゾルゲル法、湿式コーティング法、等により容易に
成膜することができる。
【0032】また、上述した製造方法では、シード層5
の表面に電子ビーム蒸着法により成長層6を堆積させる
ことを例示したが、例えば、これをイオンプレーティン
グ法、スパッタリング法、プラズマCVD法等とするこ
とも可能である。これらの場合、第二の真空チャンバ1
3の内部の雰囲気を各々に対応した状態とすることにな
り、例えば、イオンプレーティング法やスパッタリング
法では、1×10~2〜10(Pa)のAr、He、N2 、H2
または、これらの混合ガスとし、プラズマCVD法で
は、1×10~2〜100(Pa)のSiH4、Si26、SiF4
SiH2Cl2、または、これらとH2 との混合ガスとす
る。電子ビーム蒸着法の場合に、雰囲気を1×10~3(Pa)
以下のH2 とすることも可能である。
【0033】また、スパッタリング法では、シリコン源
18に換えてシリコンのターゲットが利用され、プラズ
マCVD法では、シリコン源18に換えてカソード電極
が利用される。ビーム発生装置17が出射するエネルギ
ビームも電子ビームに限定されず、イオンビーム、レー
ザビーム、X線、等が利用できる。ただし、電子ビーム
は、荷電粒子の質量が小さいので薄膜層に与えるダメー
ジが小さく、成長層6を少ない欠陥で堆積させることが
でき、偏向も容易なので簡単な制御で大面積の成長層6
を均一に堆積させることができる。なお、成膜中のチャ
ンバ内圧が高い場合には、電子銃の内部を差動排気して
動作を安定させることが好ましい。
【0034】また、上述した製造システム11では、二
個の真空チャンバ12,13の内部でシード層5と成長
層6とを個々に形成することを例示したが、これらの層
5,6を一個の真空チャンバの内部で形成することも可
能である。
【0035】つぎに、本発明の実施の第二の形態を図4
に基づいて以下に説明する。まず、本実施の形態のシリ
コン太陽電池31は、その一部として前述した多結晶シ
リコン薄膜積層体1と同様な構造を有しており、この部
分は基板2の表面に熱バッファ層32を介して(11
1)配向のシード層5と成長層6とからなる多結晶シリ
コン薄膜3が積層されている。
【0036】ただし、シード層5は、ボロンが高濃度に
ドープされてp+型に形成され、シリコン太陽電池31
の下部電極として作用し、成長層6はボロンがドープさ
れてp型に形成され、シリコン太陽電池31の光キャリ
ア発生層として作用する。この多結晶シリコン薄膜3の
表面にはn型のシリコン薄膜33が積層されており、こ
の表面には透明な導電性薄膜34が積層されている。
【0037】つぎに、上述のような構造のシリコン太陽
電池31の製造方法の第一例を以下に説明する。まず、
パイレックス製の基板2の表面に熱バッファ層32をZ
rO2でスパッタリング法等により膜厚1.0(μm)に成膜
し、この熱バッファ層32を成膜した基板2を製造シス
テム11の第二の真空チャンバ13の内部に配置してか
ら 300(℃)に加熱する。つぎに、真空チャンバ13の内
部気圧を5.0×10~5(Pa)とし、電子ビーム加熱によりシ
リコン源18からシリコン蒸気を発生させるとともに蒸
発源19からボロン蒸気を発生させ、熱バッファ層32
の表面にp型の非晶質のシリコン薄膜4を膜厚80(nm)に
成膜する。
【0038】つぎに、第一の真空チャンバ12の内部を
真空としてからゲートバルブ14を開口させ、基板2を
第二の真空チャンバ13から第一の真空チャンバ12に
移送してからゲートバルブ14を閉止する。この基板2
を 400(℃)に加熱した状態で、その表面にレーザビーム
を350(mJ/cm2)のエネルギ密度で 100ショットまで照射
し、シリコン薄膜4を多結晶化させて(111)配向の
多結晶シリコンのシード層5を形成する。
【0039】つぎに、この基板2を第一の真空チャンバ
12から第二の真空チャンバ13に移送し、 400(℃)に
加熱した状態で電子ビームを 10(kV)の加速電圧で200
(μA/cm2)の電流密度に照射する。このとき、電子ビ
ーム加熱によりシリコン源18からシリコン蒸気を発生
させるとともに蒸発源19からボロン蒸気を発生させ、
シード層5の表面に成長層6を膜厚5.0(μm)まで成膜す
る。これで(111)配向のp型の多結晶シリコン薄膜
3が基板2の表面に形成されるので、多結晶シリコン薄
膜積層体1が製造されたことになる。なお、上述のよう
に成長層6を堆積させる場合、そのボロン蒸気の発生量
はシリコン薄膜4を成膜する場合より少なくする。
【0040】つぎに、上述のように形成された多結晶シ
リコン薄膜積層体1を平行平板型のプラズマCVD装置
(図示せず)の真空チャンバの内部に設置して 300(℃)
に加熱し、真空チャンバの内部を真空としてからPH3
/SiH4=0.5(%)の原料ガスを総流量50(sccm)で導入
する。この原料ガスの圧力を30(Pa)としてからプラズマ
CVD装置のカソードにRF(Radio-Frequency)電力を
供給し、多結晶シリコン薄膜3の表面にn型のシリコン
薄膜33を膜厚20(nm)に成膜する。
【0041】つぎに、このシリコン薄膜33の表面に透
明な導電性薄膜34をスパッタリング法によりITO(I
ndium-Tin Oxide)で膜厚100(nm)に成膜することによ
り、シリコン太陽電池31が完成する。実際に上述のよ
うにシリコン太陽電池31を製造して変換効率を測定し
たところ、10.2(%)[AM1.5、100(mW/cm2)]と高効率
であることが確認できた。
【0042】つまり、本実施の形態のシリコン太陽電池
31の製造方法では、前述した多結晶シリコン薄膜積層
体1と同様に結晶粒径が大きい(111)配向の多結晶
シリコン薄膜3を容易に形成し、これを光キャリア発生
層として利用するので、変換効率が良好なシリコン太陽
電池31を製造することができる。なお、上述のように
製造した多結晶シリコン薄膜3の結晶粒径を測定したと
ころ、約3.0(μm)と大径であることが確認できた。
【0043】なお、本発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、各種の変形を許容する。例えば、上記形態の
シリコン太陽電池31では、p型の多結晶シリコン薄膜
3にn型のシリコン薄膜33を積層することを例示した
が、このp型とn型とを反対とすることも可能である。
【0044】また、シリコン薄膜33に換えてPtやA
u等の仕事関数の大きい金属薄膜によりショットキー障
壁を形成することも可能であり、この場合は導電性薄膜
34を省略することができる。さらに、熱バッファ層3
2の表面にAgやCuやMo等の金属薄膜を膜厚 30〜1
00(nm)に成膜し、多結晶シリコン薄膜3の下層として裏
面反射層を形成することも可能である。
【0045】また、上記したシリコン太陽電池31の製
造方法では、成長層6をp型として形成するため、その
成膜時にボロン蒸気を蒸発源19から発生させることを
例示した。しかし、このようなボロンやアルミを固体ソ
ースやガスソースを利用した蒸発源から供給することも
可能であり、クヌーセンセルやイオン銃により供給する
ことも可能である。この場合、ガスソースとしては、B
26、B(C25O)3、Al(C572)3、Al(C37
O)3、等が利用できる。
【0046】また、n型のシリコン薄膜33は、多結晶
でも非晶質でも微結晶質でも良く、その成膜方法も一般
的な各種の薄膜技術を利用でき、その膜厚も 10〜100(n
m)程度に形成することができる。このようなシリコン薄
膜33をn型として形成する場合、成膜位置にP、As
等を上記の方法により供給するか、PH3、P(C
25)3、AsH3をCVDガスソースとして供給すれば良
い。
【0047】また、導電性薄膜34も、スパッタリング
法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、MO
CVD法、等の各種の薄膜技術を利用でき、その膜厚も
10(nm)〜1.0(μm)程度に形成することが可能である。
【0048】さらに、シリコン太陽電池31の製造方法
の第二例を以下に説明する。なお、上述した製造方法の
第一例と同一の部分は説明を省略する。まず、パイレッ
クス製の基板2の表面に熱バッファ層32をECR(Ele
ctronic Cyclotron Resonanse)プラズマCVD法により
SiOxで膜厚2.0(μm)に成膜し、この熱バッファ層32
が成膜された基板2を平行平板型のプラズマCVD装置
(図示せず)の内部に設置して 300(℃)に加熱する。そ
の真空チャンバの内部を真空としてからPH3/SiH4
=2.0(%)の原料ガスを総流量50(sccm)で導入し、この
原料ガスの圧力を30(Pa)としてからカソードにRF電力
を供給し、n+型のシリコン薄膜4を膜厚 100(nm)に成
膜する。
【0049】このシリコン薄膜4を成膜した基板2を製
造システム11の第一の真空チャンバ12の内部に配置
し、全体を 400(℃)に加熱した状態で表面にレーザビー
ムを照射して(111)配向のn+型の多結晶シリコン
のシード層5を形成する。つぎに、この基板2を第一の
真空チャンバ12から第二の真空チャンバ13に移送
し、 400(℃)に加熱した状態で電子ビームを 10(kV)の
加速電圧で200(μA/cm2)の電流密度に照射する。この
とき、電子ビーム加熱によりシリコン源18からシリコ
ン蒸気を発生させるとともに蒸発源19から燐蒸気を発
生させ、シード層5の表面にn型の成長層6を膜厚4.0
(μm)まで堆積させる。これで(111)配向のn型の
多結晶シリコン薄膜3が基板2の表面に形成されるの
で、多結晶シリコン薄膜積層体1が製造されたことにな
る。
【0050】つぎに、上述のように形成された多結晶シ
リコン薄膜積層体1を平行平板型のプラズマCVD装置
の内部に設置して 300(℃)に加熱し、その真空チャンバ
の内部を真空としてからB26/SiH4=0.1(%)の原
料ガスを総流量50(sccm)で導入する。この原料ガスの圧
力を30(Pa)としてからプラズマCVD装置のカソードに
RF電力を供給し、n型の多結晶シリコン薄膜3の表面
にp型のシリコン薄膜33を膜厚20(nm)に成膜する。
【0051】つぎに、このシリコン薄膜33の表面に透
明な導電性薄膜34をスパッタリング法によりITOで
膜厚100(nm)に成膜することにより、シリコン太陽電池
31が完成する。実際に上述のようにシリコン太陽電池
31を製造して変換効率を測定したところ、 9.5(%)と
高効率であることが確認できた。
【0052】つまり、本実施の形態のシリコン太陽電池
31の製造方法では、前述した多結晶シリコン薄膜積層
体1と同様に結晶粒径が大きい(111)配向の多結晶
シリコン薄膜3を容易に形成し、これを光キャリア発生
層として利用するので、変換効率が良好なシリコン太陽
電池31を製造することができる。なお、上述のように
製造した多結晶シリコン薄膜3の結晶粒径を測定したと
ころ、約2.0(μm)と大径であることが確認できた。
【0053】さらに、上述のようなシリコン太陽電池3
1の第一・第二の製造方法の効果を検証するため、従来
の方法でもシリコン太陽電池を製造して変換効率を測定
した。その場合、基板2の表面に熱バッファ層32とn
型のシード層5とを形成し、これを外気に暴露させてか
ら、マイクロ波プラズマを利用したレイヤバイレイヤ法
によりn型の多結晶シリコンの成長層6を膜厚4.0(μm)
に成膜した。このとき、基板2は 400(℃)に加熱し、P
3 /SiF4=0.5(%)の原料ガスを総流量60(sccm)で
導入した。この原料ガスによる 10(sec)の成膜とH2
スによる 30(sec)の処理とを1サイクルとし、これを 4
00サイクルまで繰り返した。
【0054】これで(110)配向のn型の多結晶シリ
コン薄膜3が基板2の表面に形成されたので、この上に
p型のシリコン薄膜33と導電性薄膜34とを成膜して
シリコン太陽電池を形成した。このように製造したシリ
コン太陽電池の変換効率を測定したところ、6.5(%)[A
M1.5、100(mW/cm2)]と低効率であることが確認でき
た。さらに、多結晶シリコン薄膜3の結晶粒径を測定し
たところ、約1.0(μm)と小径であることが確認できた。
【0055】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、基板の表面に非
晶質または微結晶質のシリコン薄膜を成膜し、このシリ
コン薄膜にレーザビームを照射して(111)配向の多
結晶シリコンの結晶粒からなるシード層を形成し、この
シード層の表面にエネルギビームを照射しながらシリコ
ン原子またはシリコン化合物分子を堆積させて(11
1)配向の多結晶シリコンの成長層を形成するようにし
た。従って、(111)配向の多結晶シリコンからなる
シード層の表面に(111)配向の多結晶シリコンから
なる成長層が堆積するので、(111)配向の多結晶シ
リコン薄膜が所望の膜厚に形成され、結晶欠陥が少ない
多結晶シリコン薄膜積層体を製造することができる。ま
た、シード層や成長層が製造過程で酸化性の雰囲気に暴
されないので、多結晶シリコン薄膜が(111)配向の
まま成長し、(111)配向の多結晶シリコンからなる
シード層の表面に、(111)配向の多結晶シリコンが
大きな粒径で成長させることができる
【0056】請求項2記載の発明のシリコン薄膜太陽電
池は、請求項1記載の多結晶シリコン薄膜積層体の製造
方法により製造された多結晶シリコン薄膜積層体は欠陥
が少なく粒径が大きいので、変換効率が高いシリコン薄
膜太陽電池を得ることができる
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態の多結晶シリコン薄
膜積層体の製造方法を示す工程図である。
【図2】多結晶シリコン薄膜積層体の製造システムを示
す模式図である。
【図3】多結晶シリコン薄膜積層体を一部とするショッ
トキーダイオードを示す断面図である。
【図4】シリコン太陽電池を示す断面図である。
【符号の説明】
1 多結晶シリコン薄膜積層体 2 基板 3 多結晶シリコン薄膜 4 シリコン薄膜 5 シード層 6 成長層 31 シリコン太陽電池

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に非晶質または微結晶質のシ
    リコン薄膜を成膜し、このシリコン薄膜にレーザビーム
    を照射して(111)配向の多結晶シリコンの結晶粒か
    らなるシード層を形成し、このシード層の表面にエネル
    ギビームを照射しながらシリコン原子またはシリコン化
    合物分子を堆積させて(111)配向の多結晶シリコン
    の成長層を形成するようにしたことを特徴とする多結晶
    シリコン薄膜積層体の製造方法
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多結晶シリコン薄膜積層
    体の製造方法により製造された多結晶シリコン薄膜積層
    体を光キャリア発生層として有することを特徴とするシ
    リコン薄膜太陽電池
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