[go: up one dir, main page]

JP3289055B2 - 高分子電解質錯体抗菌剤及び抗菌性材料 - Google Patents

高分子電解質錯体抗菌剤及び抗菌性材料

Info

Publication number
JP3289055B2
JP3289055B2 JP50007092A JP50007092A JP3289055B2 JP 3289055 B2 JP3289055 B2 JP 3289055B2 JP 50007092 A JP50007092 A JP 50007092A JP 50007092 A JP50007092 A JP 50007092A JP 3289055 B2 JP3289055 B2 JP 3289055B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
derivatives
carbon atoms
general formula
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP50007092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO1992009198A1 (ja
Inventor
康次 阿部
満直 田中
聡 稲葉
雅治 秋本
Original Assignee
株式会社ヤトロン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ヤトロン filed Critical 株式会社ヤトロン
Priority claimed from PCT/JP1991/001639 external-priority patent/WO1992009198A1/ja
Publication of JPWO1992009198A1 publication Critical patent/JPWO1992009198A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3289055B2 publication Critical patent/JP3289055B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、高分子電解質鎖体からなる抗菌剤及びその
高分子電解質鎖体を担持してなる抗菌性材料に関する。
背景技術 正電荷を有する有機化合物は、それが低分子化合物で
あるか高分子化合物であるかを訪わず、抗菌性を示すこ
とが知られている。この性質を利用した応用技術は医療
分野から一般衣料品にまで広く普及している。例えば、
塩化ベンザルコニウム等に代表される第4級アンモニウ
ム化合物は水溶性であるため、それ自体が殺菌・消毒用
液として用いられている。しかし、逆に、水溶性である
ために抗菌剤としての使用範囲が限られている。
また、合成高分子成形品の表面にアニオン性基を導入
し、続いて第4級アンモニウム塩基で処理することによ
り、長期間持続的に抗菌性を示す材料を得て、エアーフ
ィルターや透析用の過材として用いることも行なわれ
ている。更に、この技術を繊維材料に応用し、抗菌性を
有する衣料品あるいは創傷保護剤として利用されてい
る。
例えば、高分子材料表面に第4級アンモニウムを導入
し、抗菌性を持続的に示す素材を得る手段として、特開
昭54−86584号公報には、酸性基含有モノマーを重合さ
せて得た高分子物質を第4級アンモニウム塩基の水溶液
と接触させる方法が記載されている。また、特開昭59−
164342号公報には、アニオン性基含有ビニルモノマーを
グラフト重合等によって合成高分子成形品の表面に導入
し、続いて第4級アンモニウム塩基で処理する方法が開
示されている。
しかしながら、従来法では、抗菌性を発現する第4級
アンモニウム塩基の導入率が必ずしも十分なものではな
く、持続性も満足できるものではなかった。更に、その
製造方法も煩雑であった。
本発明者は、正荷電有機化合物の抗菌姓を維持したま
まで溶媒(特に水)不溶性の性質を有し、しかも持続的
な抗菌作用を有する材料を得ることを目的に鋭意研究を
行なったところ、特定のアニオンポリマーと特定のカチ
オンポリマーとを反応させて得られる高分子電解質錯体
によってこれらの目的を達成することができることを見
出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
発明の開示 従って、本発明は、(A)繰返し単位中にN+原子を含
有するカチオンポリマーであって、 (a1)一般式(I) [式中、R1及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜10個のア
ルキレン基、一般式 (式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1又は
2個のアルキレン基である) で表される基又はアリーレン基であって、R2、R3、R5
びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜3個のアルキル基であ
るか、 又はR1は式中の2個の窒素原子及びR2、R3、R5及びR6
一緒になって式 (式中、R2及びR5は、前記と同じ意味である) で表される基、又は式 (式中、R3及びR6は、前記と同じ意味である) で表される基であるものとし、そしてX1 -は対イオンで
あり、mは5以上の数である] で表される化合物、 (a2)一般式(II) [式中、Aは一般式 (式中、Bは炭素数1又は2個のアルキレン基であり、 R21、R22及びR23はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数
1〜3個のアルキル基であり、X2 -は対イオンである) で表される基であるか、一般式 (式中、R24は炭素数1〜3個のアルキル基又はベンジ
ル基であり、X3 -は対イオンである) で表される基であるか、又は一般式 (式中、R25は炭素数1又は2個のアルキル基であり、R
26、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1
〜3個のアルキル基であり、X4 -は対イオンである) で表される基であり、nは10以上の数である] で表される化合物、 (a3)一般式(III) (式中、vは3又は4であり、R91は水素原子;炭素数
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基であり、R92は−N+H3X5 -
は−N+HC(NH)NH2X6 -であり、X5 -及びX6 -はそれぞれ独
立に対イオンであり、tは20〜100であり、そしてrは1
0以上の整数である) で表される化合物、及び (a4)カチオン性多糖類 からなる群から選んだ、前記カチオンポリマー少なくと
も1種と(B)繰返し単位中に−COO-基、−SO3-基又は
−PO3 2-基若しくは−PO3H-基を含有するアニオンポリマ
ーであって、 (b1)一般式(IV) (式中、uは1又は2であり、R81は水素原子;炭素数
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基であり、sは20〜100であ
り、そしてqは10以上の整数である) で表される化合物、 (b2)一般式(V) (式中、R31は水素原子又はメチル基であり、R32は炭素
数6〜18個のアルキル基であり、Yはカルボン酸基若し
くはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、リン酸基若
しくはその塩、又は、カルボン酸基若しくはその塩、ス
ルホン酸基若しくはその塩又はリン酸基若しくはその塩
を含有するアリール基であり、aは20〜100の数であ
り、pは10以上の数である) で表される化合物、及び (b3)アニオン性多糖類 からなる群から選んだ、前記アニオンポリマー少なくと
も1種とを反応させることによって得られる高分子電解
質錯体を含有することを特徴とする抗菌剤に関する。
また、本発明は前記の高分子電解質錯体を担体上に担
持することを特徴とする抗菌性材料にも関する。
本発明においては、カチオンポリマー(A)として (a1)一般式(I) [式中、R1及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜10個のア
ルキレン基、好ましくは炭素数2〜8個の直鎖又は分枝
鎖のアルキレン基、一般式 (式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1又は
2個のアルキレン基であり、好ましくはR11及びR12はp
位で結合しているものとする) で表される基又はアリーレン基であって、R2、R3、R5
びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜3個のアルキル基であ
るか、又はR1は式中の2個の窒素原子及びR2、R3、R5
びR6と一緒になって式 (式中、R2及びR5は、前記と同じ意味である) で表される基、又は式 (式中、R3及びR6は、前記と同じ意味である) で表される基であってR4は前記と同じ意味であるものと
し、そしてX1 -は対イオンであり、mは5以上の数であ
る] で表される化合物[即ち4級アンモニウム塩ポリマ
ー]、 (a2)一般式(II) [式中、Aは一般式 (式中、Bは炭素数1又は2個のアルキレン基であり、 R21、R22及びR23はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数
1〜3個のアルキル基であり、X2 -は対イオンである) で表される基であるか、一般式 (式中、R24は炭素数1〜3個のアルキル基又はベンジ
ル基であり、X3 -は対イオンである) で表される基であるか、又は一般式 (式中、R25は炭素数1又は2個のアルキル基であり、R
26、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1
〜3個のアルキル基であり、X4 -は対イオンである) で表される基であり、nは10以上の数である] で表される化合物[即ち4級アンモニウム塩ポリマ
ー]、 (a3)一般式(III) (式中、vは3又は4であり、R91は水素原子;炭素数
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基;例えば、メチル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基、メチルチオエチル基、
メルカプトメチル基、5−イミダゾリルメチル基又は3
−イミダゾリルメチル基であり、R92は−N+H3X5 -又は−
N+H2C(NH)NH2X6 -であり、X5 -及びX6 -はそれぞれ独立
に対イオンであり、tは20〜100であり、そしてrは10
以上の整数である) で表される化合物[即ち塩基性アミノ酸ポリマー]、及
び (a4)カチオン性多糖類 からなる群から選んだ少なくとも1種の化合物を用い
る。
また、アニオンポリマー(B)としては、 (b1)一般式(IV) (式中、uは1又は2であり、R81は水素原子;炭素数
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基;例えば、メチル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基、メチルチオエチル基、
メルカプトメチル基、5−イミダゾリルメチル基又は3
−イミダゾリルメチル基であり、sは20〜100であり、
そしてqは10以上の整数である) で表される化合物[即ち酸性アミノ酸ポリマー]、 (b2)一般式(V) (式中、R31は水素原子又はメチル基であり、R32は炭素
数6〜18個のアルキル基、好ましくは炭素数6〜14個の
直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基であり、Yはカルボン
酸基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、リ
ン酸基若しくはその塩、又は、カルボン酸基若しくはそ
の塩、スルホン酸基若しくはその塩又はリン酸基若しく
はその塩を含有するアリール基であり、aは20〜100、
好ましくは50〜100の数であり、pは10以上の数であ
る) で表される化合物[即ちアクリル酸系ポリマー]、及び (b3)アニオン性多糖類 からなる群から選んだ少なくとも1種の化合物を用い
る。
発明を実施するための最良の形態 本発明で用いることのできる高分子電解質錯体(poly
electrolyte complex:以下、PECと称することがある)
は、それ自体公知の物質である。高分子電解質錯体(PE
C)は、例えば特願昭49−8581号公報に記載されている
ように、正荷電を有する高分子電解質であるカチオンポ
リマーの溶液と負荷電を有する高分子電解質であるアニ
オンポリマーの溶液とを混合することにより瞬時に形成
することができる。こうして得られたPECは、特殊な3
元系溶媒(例えば、特定の組成からなる、水/アセトン
/低分子塩)には溶解するが、一般的な溶媒には不溶性
である。PEC膜は、種々の低分子化合物に対して高い透
過性を示すので、透析膜として用いることができる。PE
Cは、出発ポリマー(高分子電解質)の種類、それらの
混合比、調製条件などにより、多様な性質を有する各種
の材料を提供することができるが、PECが抗菌性を有す
ることは従来知られていなかった。
本明細書において、炭素数1〜3個のアルキル基は、
例えば、メチル基、エチル基、又はn−若しくはi−プ
ロピル基である。炭素数1〜4個のアルキル基は、前記
炭素数1〜3個のアルキル基の他に、例えば、n−、i
−、s−、又はt−ブチル基である。炭素数1又は2個
のアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基又
はエチリデン基である。炭素数1〜10個の直鎖又は分枝
鎖のアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン
基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチ
レン基、オクタメチレン基、ヘナメチレン基、デカメチ
レン基、エチルエチレン基、又はエチルトリメチレン基
である。炭素数6〜18個の直鎖若しくは分枝鎖のアルキ
ル基は、例えば、炭素数6〜18個の直鎖アルキル基、炭
素数1〜3個の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基1個又
はそれ以上で置換された炭素数6〜15個のアルキル基、
特には、炭素数1〜3個の直鎖アルキル基1個で置換さ
れた炭素数6〜10個のアルキル基である。アリーレン基
は、例えば、フェニレン基又はナフチレン基である。カ
ルボン酸基、スルホン酸基又はリン酸基の塩は、例え
ば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、
又はアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシ
ウム)との塩である。また、スルホン酸基若しくはその
塩を含有するアリール基は、例えば、スルホフェニル基
である。
出発材料のカチオンポリマー(A)及びアニオンポリ
マー(B)中に存在する対イオンは、両者の反応の結
果、PEC生成物中には存在しなくなる。従って、両者の
反応を阻害しないものならいかなるイオンであってもよ
い。好ましい対イオンはハロゲ原子イオン、特には塩素
イオン、臭素イオン又はヨウ素イオンである。
カチオンポリマー(A)とアニオンポリマー(B)と
の反応によって得られるPECは、カチオンポリマーのN+
部位とアニオンポリマーの酸(例えば、カルボン酸、ス
ルホン酸、リン酸)部位とがクローン力で次々に結合し
た構造を有する。すなわち、高分子同士がイオン結合に
より橋架けされ、溶媒不溶性のゲルとなっている。
例えば、一般式(I)で表されるカチオンポリマー
(a1)と一般式(IV)で表されるアニオンポリマー(b
1)とから生成されるPECは以下の一般式(VI)で表され
る。
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R81、m、u、s及
びqは前記と同じ意味であるが、但し0.25≦2m/q≦4.0
であるものとする。
また、一般式(I)で表されるカチオンポリマー(a
1)と一般式(V)で表されるアニオンポリマー(b2)
とから生成されるPECは以下の一般式(VII)で表され
る。
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R31、R32、m、a及
びpは前記と同じ意味であり、Y'は−COO-基、−SO3 -
又は−PO3 2-基若しくはPO3H-基、又は−COO-基、−SO3 -
基若しくは−PO3 2-基若しくはPO3H-基を含有するアリー
ル基であり、そして0.25≦2m/P≦4.0であるものとす
る。
更に、一般式(II)で表されるカチオンポリマー(a
2)と一般式(IV)で表されるアニオンポリマー(b1)
とから生成されるPECは以下の一般式(VIII)又は(I
X)で表される。
上記の各式(VIII)及び(IX)で、B、R21、R22、R
23、R24、R81、n、u、s及びqは前記と同じ意味であ
るが、但し0.25≦n/q≦4.0であるものとする。
一般式(II)で表されるカチオンポリマー(a2)と一
般式(V)で表されるアニオンポリマー(b2)とから生
成されるPECは以下の一般式(X)又は(XI)で表され
る。
上記の各式(X)及び(XI)で、B、R21、R22
R23、R24、R31、R32、Y'、n、a及びpは前記と同じ意
味であるが、但し0.25≦n/p≦4.0であるものとする。
一般式(III)で表されるカチオンポリマー(a3)と
一般式(IV)で表されるアニオンポリマー(b1)とから
生成されるPECは以下の一般式(XII)で表される。
式中、R91、R81、r、t、v、q、u及びsは前記と
同じ意味であり、R93は−N+H3X5 -基又は−N+H2C(NH)N
H2X6 -基であるが、但し0.25≦r/q≦4.0であるものとす
る。
更に、一般式(III)で表されるカチオンポリマー(a
3)と一般式(V)で表されるアニオンポリマー(b2)
とから生成されるPECは以下の一般式(XIII)で表され
る。
式中、R91、R93、R31、R32、Y'、r、t、v、a及び
pは前記と同じ意味であるが、但し0.25≦r/p≦4.0であ
るものとする。
本発明で抗菌剤として用いることのできるPECは、溶
媒不溶性の固体であればよく、その平均分子量は特に制
限されるものではないが、一般には、イオン席の数にし
て、10〜1000、好ましくは、20〜100である。出発材料
であるカチオンポリマー(a1)〜(a4)、並びにアニオ
ンポリマー(b1)〜(b3)の平均分子量も特に制限され
るものではないが、好ましい平均分子量範囲は、一般式
(I)で表されるカチオンポリマー(a1)では、mが5
〜500(特には5〜100)であり、一般式(II)で表され
るカチオンポリマー(a2)では、nが10〜1000(特には
10〜500)であり、一般式(III)で表されるカチオンポ
リマー(a3)では、rが10〜1000(特には10〜500)で
ある。これに対し、一般式(IV)で表されるアニオンポ
リマー(b1)では、qが10〜1000(特には10〜500)で
あり、一般式(V)で表されるアニオンポリマー(b2)
では、pが10〜1000(特には10〜500)である。
前記一般式(I)のカチオンポリマー(a1)の具体例
を挙げれば、第4級ポリエチレンイミンクロライド、ポ
リ(N,N,N',N'−テトラメチル−アルキレン−p−キシ
リレンジアンモニウムジクロライド)、ポリ(N,N,N',
N'−テトラメチル−アルキレン−ジアンモニウムジクロ
ライド)、ポリ(N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロ
ピルアンモニウムクロライド)、ポリ(2−ヒドロキシ
−3−メタクロイルオキシプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライド)、ポリ(2−メタクロイルオキシエチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(グリシ
ジルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ[(ジ
メチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)メチレ
ン−1,4−フェニレンメチレンジクロライド][一般
に、2Xと称される]、ポリ[(ジメチルイミニオ)ヘキ
サメチレン(ジメチルイミニオ)メチレン−1,4−フェ
ニレンメチレンジクロライド][一般に、6Xと称され
る]、ポリ[(ジメチルイミニオ)ヘキサメチレンクロ
ライド][一般に、6,6と称される]、ポリ(N−エチ
ル−4−ビニルピリジニウムブロマイド)、ポリ(ジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド)等である。
前記一般式(II)のカチオンポリマー(a2)の具体例
を挙げれば、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド)、ポリビニルピリジニウムクロライ
ド、ポリ(N−ベンジル−4−ビニルピリジニウムクロ
ライド)等である。
前記一般式(III)のカチオンポリマー(a3)の具体
例を挙げれば、ポリリジン、ポリアルギニン又はこれら
ポリマーを構成する単量体のコポリマー、更に、これら
単量体とグリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロ
シン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレ
オニン、メチオニン、システイン、ヒスチジン、プロリ
ン、及び/又はトリプトファンなどとのコポリマーであ
る。
カチオン性多糖類(a4)の具体例を挙げれば以下の通
りである。
(1)キトサン及びその誘導体: 式中、R66は水素原子又はアセチル基であり、X7 -は対
イオンであり、脱アセチル化度は50〜100%、好ましく
は70〜100%、q26は20〜3000、好ましくは50〜1000であ
る。なお、式中の−N+H2R66基のN+原子とアニオンポリ
マーのアニオン基とが結合する。
(2)中性多糖類のジエチルアミノエチル誘導体: 中性多糖類としては、デキストラン、セルロース、マ
ンナン、スターチ又はアガロース等を挙げることができ
る。これら誘導体のジエチルアミノエチル置換度は、糖
残基1個当り0.5〜2.0基、好ましくは0.7〜1.5基であ
り、重合度は、50〜5000、好ましくは100〜1000であ
る。なお、ジエチルアミノエチル基の窒素原子とアニオ
ンポリマーのアニオン基とが結合する。
前記一般式(IV)のアニオンポリマー(b1)の具体例
を挙げれば、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸又
はこれらポリマーを構成する単量体のコポリマー、更
に、これら単量体とグリシン、アラニン、フェニルアラ
ニン、チロシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セ
リン、トレオニン、メチオニン、システイン、ヒスチジ
ン、プロリン、及び/又はトリプトファンなどとのコポ
リマーである。
なお、一般式(III)及び(IV)で示されるポリアミ
ノ酸は、一般的な酸無水物モノマー法、活性エステル化
法、メリーフィールド法等によって合成することができ
る。
前記一般式(V)のアニオンポリマー(b2)の具体例
を挙げれば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
イタコン酸モノエステル、ポリマレイン酸モノエステ
ル、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、
これらポリマーを構成する単量体のいずれか2種以上の
コポリマー、更に、これら単量体とその単量体のカルボ
キシル基にエステル結合によって結合した炭素数6〜18
個のアルキル基を有するカルボン酸誘導体とのコポリマ
ーである。
アニオン性多糖類(b3)の具体例を挙げれば以下の通
りである。
(1)ヒアルロン酸及びその誘導体: 式中、R41は水素原子又はアルカリ金属(例えば、ナ
トリウム又はカリウム)であるが、カチオンポリマーと
の反応によってPEC生成物中には少なくとも一部が存在
しなくなり、q1100〜12000、好ましくは200〜8000であ
る。
(2)アルギン酸及びその誘導体: 式中、R42は水素原子又はアルカリ金属(例えば、ナ
トリウム又はカリウム)であるが、カチオンポリマーと
の反応によってPEC生成物中には少なくとも一部が存在
しなくなり、q2は100〜10000、好ましくは200〜5000で
ある。
(3)コンドロイチン硫酸A: 式中、q3は10〜100、好ましくは10〜50であり、式中
のCOOH基及び/又はSO3H基の少なくとも一部はカチオン
ポリマーとの反応によりCOO-基及び/又はSO3 -基とな
る。
(4)コンドロイチン硫酸C: 式中、q4は10〜100、好ましくは10〜50であり、式中
のCOOH基及び/又はSO3H基の少なくとも一部はカチオン
ポリマーとの反応によりCOO-基及び/又はSO3 -基とな
る。
(5)コンドロイチン硫酸B(デルマタン硫酸)及びそ
の誘導体: 式中、q5は20〜100、好ましくは40〜50であり、式中
のCOOH基及び/又はSO3H基の少なくとも一部はカチオン
ポリマーとの反応によりCOO-基及び/又はSO3 -基とな
る。
(6)コンドロイチン硫酸D及びその誘導体: 式中、q6は10〜500、好ましくは20〜100であり、式中
のCOOH基及び/又はSO3H基の少なくとも一部はカチオン
ポリマーとの反応によりCOO-基及び/又はSO3 -基とな
る。
(7)コンドロイチン硫酸E及びその誘導体: 式中、q7は10〜300、好ましくは20〜100であり、式中
のCOOH基及び/又はSO3H基の少なくとも一部はカチオン
ポリマーとの反応によりCOO-基及び/又はSO3 -基とな
る。
(8)ヘパラン硫酸及びその誘導体: 式中、q8は7〜200、好ましくは10〜100であり、式中
のCOOH基及び/又はSO3H基の少なくとも一部はカチオン
ポリマーとの反応によりCOO-基及び/又はSO3 -基とな
る。
(9)ヘパリン及びその誘導体: 式中、q9は100〜500、好ましくは100〜300であり、式
中のCOOH基及び/又はSO3H基の少なくとも一部はカチオ
ンポリマーとの反応によりCOO-基及び/又はSO3 -基とな
る。
(10)κ−カラゲナン及びその誘導体: 式中、R50は水素原子又はSO3H基であり、q10は100〜1
0000、好ましくは100〜500であり、式中のSO3H基の少な
くとも一部はカチオンポリマーとの反応によりSO3 -基と
なる。
(11)λ−カラゲナン及びその誘導体: 式中、R51は水素原子又はSO3H基であり、q11は100〜1
0000、好ましくは100〜500であり、式中のSO3H基の少な
くとも一部はカチオンポリマーとの反応によりSO3 -基と
なる。
また、中性の天然多糖類をカルボキシメチル化、硫酸
化又はリン酸化などの処理によってアニオン性多糖類
(b3)として使用することができ、それらの変性多糖類
の例を挙げれば以下の通りである。
(12)セルロース誘導体: 式中、R52は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q12は100〜15000、好ましくは200
〜5000であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2
基の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応によ
り、COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-
になる。
(13)キチン誘導体: 式中、R53は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q13は50〜8000、好ましくは100〜
5000であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2
の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応により、
COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-基にな
る。
(14)カルボキシメチルスターチ及びその誘導体: 式中、R54は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q14は100〜8000、好ましくは200
〜5000であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2
基の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応によ
り、COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-
になる。
(15)アミロース誘導体: 式中、R55は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q15は100〜8000、好ましくは100
〜5000であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2
基の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応によ
り、COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-
になる。
(16)アミロペクチン誘導体: 式中、R56は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q16は100〜100000、好ましくは10
0〜10000であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H
2基の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応によ
り、COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-
になる。
(17)β−1,3'−グルカン誘導体(例えばカードラ
ン): 式中、R57は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q17は50〜1000、好ましくは100〜
300であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2基の
少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応により、CO
O-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-基にな
る。
(18)β−1,2'−グルカン誘導体: 式中、R58は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q18は100〜4000、好ましくは100
〜3500であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2
基の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応によ
り、COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-
になる。
(19)β−1,3'−;β−1,6'−グルカン(例えばレンチ
ナン、シゾフィラン、コリオラン)誘導体: 式中、R59は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q19は100〜100000、好ましくは10
0〜50000であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H
2基の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応によ
り、COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-
になる。
(20)デキストラン誘導体: 式中、R60は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q20は100〜300000、好ましくは20
0〜100000であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3
H2基の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応によ
り、COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-
になる。
(21)プルラン誘導体: 式中、R61は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q21は300〜2000、好ましくは500
〜1500であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2
基の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応によ
り、COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-
になる。
(22)アガロース誘導体: 式中、R62は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q22は20〜200、好ましくは20〜10
0であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2基の少
なくとも一部はカチオンポリマーとの反応により、COO-
基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-基になる。
(23)β−1,4'−ガラクタン誘導体: 式中、R63は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q23は50〜200、好ましくは50〜20
0であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2基の少
なくとも一部はカチオンポリマーとの反応により、COO-
基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-基になる。
(24)マンナン誘導体: 式中、R64は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q24は50〜5000、好ましくは100〜
3000であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2
の少なくとも一部はカチオンポリマーとの反応により、
COO-基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-基にな
る。
(25)イヌリン誘導体: 式中、R65は水素原子、カルボキシメチル基、硫酸基
又はリン酸基であり、q25は20〜100、好ましくは20〜80
であり、式中のCOOH基、SO3H基及び/又はPO3H2基の少
なくとも一部はカチオンポリマーとの反応により、COO-
基、SO3 -基及び/又はPO3 2-基若しくはPO3H-基になる。
本発明で用いる高分子電解質錯体(PEC)は通常の方
法で調製することができる。即ち、前記のカチオンポリ
マー及びアニオンポリマーの各水溶液(10-5モル/リッ
トル〜10-2モル/リットル)を、カチオンポリマーのカ
チオン席とアニオンポリマーのアニオン席との濃度比
(カチオン席/アニオン席)が0.25〜4.0の範囲内、好
ましくは0.4〜2.5の範囲内で、水溶液中で反応させる。
カチオン席とアニオン席との濃度比(カチオン席/アニ
オン席)が0.25〜4.0の範囲外になると、高分子電解質
錯体(PEC)が形成され難くなるので好ましくない。こ
の反応は比較的活性が高いので、溶液のpH、イオン強
度、温度などは比較的広い範囲であることができるが、
一般的にはpH3〜9、イオン強度0〜1.0及び20〜40℃で
実施する。
本発明で用いるPECの荷電バランスは−6〜+6、好
ましくは−4.5〜+4.5である。ここで荷電バランスと
は、PECの荷電状態を、その出発材料であるカチオンポ
リマー及びアニオンポリマーの、各々のカチオン席及び
アニオン席の濃度比で表現するものである。例えば、使
用するカチオンポリマーのカチオン席及びアニオンポリ
マーのアニオン席の濃度が等しい場合は、生成するPEC
の荷電バランスは±0となる。濃度比がこれより大きけ
れば(即ち、カチオン席の濃度の方が高ければ)荷電バ
ランスは正となり、小さければ(即ち、アニオン席の濃
度の方が高ければ)負となる。また、濃度比が1.5の場
合は荷電バランスは+2となり、濃度比が0.5の場合は
荷電バランスは−3.3となる。荷電バランスの調整は、
等濃度のカチオンポリマー水溶液及びアニオンポリマー
水溶液の混合量を変化させることによって容易に行なう
ことができる。荷電バランスの調整により、カチオン過
剰又はアニオン過剰の状態とすることができる。
高分子電解質錯体(PEC)は、反応液からゲル状の沈
殿物として得られるので、そのゲル状沈殿物のままで、
又はそのゲル状沈殿物から直接に成形・加工して適当な
形状(例えば、繊維状、フィルム状、シート状、塊状、
ラテックス状又はゲル状)とし、そのまま湿潤状態又は
乾燥状態の抗菌性材料として用いることができる。ま
た、PECはほとんどすべての材料に付着又は接着させる
ことができるので、適当な担体にコーティングして、抗
菌性材料を調製することができる。また、用途によって
は(液自体に抗菌性をもたせる場合)、PEC反応液をそ
のまま(懸濁液)の状態で用いることもできる。
有機材料からなる担体としては、例えば、有機高分子
材料、例えば、合成若しくは天然樹脂、合成若しくは天
然ゴム、合成若しくは天然繊維、生体高分子材料、皮
革、木材、パルプ、紙を挙げることができる。
合成樹脂としては、例えば、炭化水素重合体(例え
ば、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、スチ
レン樹脂、ポリアセチレン);ハロゲン化炭化水素重合
体(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フ
ッ素樹脂);不飽和アルコール又はエーテル重合体(例
えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイ
ド、アセタール樹脂、ポリエーテル、ポリビニルブチラ
ール、ポリエーテルスルホンエポキシ樹脂);不飽和ア
ルデヒド又はケトン重合体(例えば、フェノール樹脂、
ユリア樹脂);不飽和カルボン酸重合体(例えば、ポリ
アクリレート、アクリル樹脂);不飽和エステル重合体
(例えば、ポリビニルエステル、ポリアリレート、全芳
香族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリブチレンジアリルフタレート、不飽
和ポリエステル樹脂);不飽和ニトリル重合体(例え
ば、ポリアクリロニトリル、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹
脂);不飽和アミン重合体(例えば、ポリビニルアミ
ン、ポリイミド、ポリアミド、メラミン樹脂、ポリエチ
レンイミン、ポリウレタン);その他、シリコーン樹
脂、上記の共重合体、ブレンド樹脂、熱可塑性エラスト
マーなどを挙げることができる。天然樹脂としては、例
えば、繊維素誘導体樹脂を挙げることができる。
合成ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリロゴム、
クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン
ゴム、アクリルゴム、塩素系ポリエチレンゴム、フッ素
ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴムを挙
げることができる。
合成繊維としては、例えば、再成セルロース(ビスコ
ースレーヨン、キュプラ)アセテート、トリアセテー
ト、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ビニリデン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリベンゾエート、ポリクラール、アラミドフ
ェノール系繊維、ポリウレタン系繊維、フッ素繊維、ポ
リビニルアルコール、炭素繊維、炭化硅素繊維を挙げる
ことができる。天然繊維としては、例えば、木綿、絹、
羊毛、麻、木材を挙げることができる。
担体としては無機材料、例えば、ガラス、鉱物(例え
ば、石綿)、琺瑯、セメント、セラミックス、人造石、
金属(例えば、鉄、鋼、非鉄金属、合金)を用いること
もできる。担体の形状及び形態は特に制限されず、繊維
状、フィラメント状、フィルム状、シート状、織布、不
織布、棒状、紐状、球状、粉体、粒体、多孔質体、中空
体、凝集体、発泡体、ゲル状体等、いかなるものでもよ
い。
PECを担体に担持させるには、任意の公知の方法、例
えば、塗布、噴霧又は浸漬などの方法で行なうことがで
きる。PEC溶液を担体に単に接触させるだけでもよい。
例えば、カチオンポリマー水溶液とアニオンポリマー水
溶液とを反応溶器内で混合した後、反応溶液を直ちに所
定の容器に移し、一昼夜程度静置してPECを十分に析出
させた後、上澄液を除去し、生理食塩水及び蒸留水で1
〜3回程度洗浄し、60〜100℃で6〜12時間乾燥してア
ニーリングすると、その容器の底面にPECを強固に付着
させることができる。その容器の内面全体をコーティン
グするには、一昼夜程度回転振盪してPECを十分に析出
させた後、上澄液を除去し、前記と同様に洗浄し、アニ
ーリングするとPECを容器面に強固に付着させることが
できる。
また、繊維状、ビーズ状又は織布状等の材料の場合に
は、それらの材料をPEC液に一昼夜程度浸漬し、続いて
前記と同様に処理すればよい。また、特開昭50−63096
号公報に記載されているように、PEC合成を水可溶性有
機溶媒(例えば、水とアセトンと臭化ナトリウムとの混
合物)の存在下に行ない、反応液をそのまま塗料として
用いて塗布、噴霧、又は浸漬することもできる。
PECを担持させる担体表面の疎水性が高い場合(例え
ば、ポリカーボネート製担体)には、その表面に親水性
を付与する処理(次亜塩素酸処理、有機溶媒処理、プラ
ズマ処理、紫外線処理など)を予め行なうのが好まし
い。
こうして得られたPEC担持担体は抗菌性材料としてそ
のまま利用するか、あるいはその抗菌性材料を用いて各
種の抗菌性製品を調製することができる。そのまま利用
することのできる抗菌性材料としては、繊維材料(例え
ば、繊維、フィラメント、織布、不織布)の表面の少な
くとも1部分(好ましくは全体)にPECを担持させたも
の、例えば、PECを担持したガーゼ、脱脂綿、生地(医
療、衛生若しくは美容用の無菌衣料製品用)を挙げるこ
とができる。これらのPEC担持繊維材料から、例えば、
マスク、眼帯、包帯、シーツ、吸収パッド(例えば、耳
用、鼻用、口腔用若しくは月経用タンポン)、ナプキン
を簡単に調製することができる。
更に、各種の無菌衣類、例えば、下着(シャツ、肌
着、靴下類など)、ベビー用リンネル製品(例えば、ベ
ビー用パンツ、よだれ掛け、産着、胴着など)、ハンカ
チ、コルセット、ガードル、ブラジャー、海水着、手術
用衣服、外科医用又は患者用エプロン、救命具、潜水
服、実験室着、保護着(手術用手袋)、マスク、手術用
帽子を調製することもできる。
PEC担持抗菌性材料を用いて調製する抗菌性製品とし
ては、微生物の増殖を抑制することが好ましい製品であ
れば特に制限されるものではない。例えば、医療関連器
具類、衛生関連器具類(例えば、病院用ベッドカバー、
シーツ、無菌衣服、包帯、おむつ、眼帯ガーゼ、タンポ
ン、コンタクトレンズ、コンタクトレンズ容器、医薬品
保存容器、輸血用容器)、食品関連器具(例えば、食品
用包装材料、食品保存容器)、生活関連器具類(例え
ば、食卓用具、台所用具例えば、食器棚下敷きシート、
サニタリー用品例えば、便座カバー)、理美容器具類、
スライムが発生し易い器具(例えば、透析膜、過
材)、その他理化学機械器具(例えば加湿器、洗浄器、
恒温槽)等を挙げることができる。
本発明のPEC担持抗菌性材料を用いて調製する抗菌性
製品として特に好ましい医薬関連器具類(好ましくは、
使い捨て医療料関連器具類)について以下に列記する。
また、それらの好ましい担体材料を括弧内に示す。
一般医療及び看護用具としては、例えば、アダター
[又はコネクター](ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアミド)、イルリガートル(ポリ塩化ビニル)、イ
ンジケータ(和紙、紙)、エプロン(不織布)、オムツ
(ポリプロピレン繊維、不織布、紙、綿、ポリアミド、
パルプ)、ガーゼ(不織布、紙、紙綿、ポリアミド、ア
クリル、ポリエステル)、カップ[検体入れ](ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、紙)、カテー
テル[チューブ](ポリ塩化ビニル、ゴム、シリコー
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド)、カ
バー(不織布、ポリエチレン)、カフ(ポリ塩化ビニ
ル、ゴム)、眼帯(ガーゼ、不織布、合成繊維)、浣腸
器(合成繊維)、キャップ(不織布、紙)、吸引器(ポ
リ塩化ビニル、プラスチック、ゴム)、クランプ[クリ
ップ](スポンジ、ゴム、金属、ポリアミド、ポリ塩化
ビニル、アセタール樹脂)、検査衣(不織布)、コイル
[血液加温用](ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン)、
酸素テント(ポリエチレン、ポリ塩化ビニル)、三方活
栓[スリーウェー](ポリアミド、ポリアセタール、デ
ルリン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、人工鼻
(紙、ポリプロピレン)、ストッパー(ポリエチレン、
ポリスチレン、ポリプロピレン)、輸血セット(ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ゴム、ポリ塩
化ビニル、金属)、タオル(不織布)、腔鏡(ポリ塩化
ビニル)、注射器(ゴム、ポリプロピレン、医用シリコ
ーン油、ポリメチルペンテン)、注射針(ポリエチレ
ン、ステンレススチール、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル)、聴診器(ポリ塩化ビニル)、直腸鏡(ポリ塩化
ビニル)、テープ[絆創膏](アクリル、ポリエステ
ル、ポリエチレン、綿、和紙、ポリ塩化ビニル、ポリア
ミド、レーヨン)、T字帯(不織布、紙)、手袋[グロ
ーブ](ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ゴム)、点眼
器(ポリエチレン、ポリプロピレン)、トレー(圧縮パ
ルプ、紙)、尿器(ポリエステル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ゴム)、ネームバ
ンド(ポリ塩化ビニル、ポリエチレン)、膿盆(紙、パ
ルプ)、バッグ(ポリ塩化ビニル、ステンレススチー
ル、ポリエチレン、ポリスチレン、ゴム、紙)、パット
[綿](綿、ガーゼ、ポリエステル製ビーズ、不織布、
紙)、ハリ治療針(ステンレススチール)、副子[シー
ネ](ポリイソプレン)、腹帯(スパンデックス)、ギ
ブス包帯(綿、ガーゼ、メリヤス、不織布、石膏、ポリ
アミド)、マウスピース(ポリスチレン、紙)、マスク
(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩
化ビニル、不織布)、マット(ポリエチレン、アルミニ
ウム、接着剤)、マノメータ[圧柱](ポリスチレ
ン)、綿球(綿)、綿棒(白樺材)、指サック(ポリエ
チレン、ゴム)、留置針(ステンレススチール、ポリ塩
化ビニル、ABS、ゴム、金属、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、フッ素樹脂)、連結管(ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレン、ゴム、金属ポリプロピレン、ポリアミド)等
を挙げることができる。
また、麻酔及び手術室用具としては、例えば血管注射
用イントラフューザー(ポリ塩化ビニル、ABS、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ゴム、金属、テフロン)、エ
アウェー(ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合
体)、開瞼器(タンタル)、ガウン(不織布)、カテー
テル(ポリ塩化ビニル、シリコーン混合ポリ塩化ビニ
ル、ラテックス、ステンレススチール、テフロン)、靴
用カバー(不織布)、カフ(ラテックス)、キャップ
(不織布、セルロース)、吸引器(吸引管)(ポリ塩化
ビニル、ポリアミド、ポリプロピレン)、咽頭鏡(ポリ
塩化ビニル)、コネクター(ポリエチレン)、血管注射
用セット(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタ
ール、テフロン、ポリ塩化ビニル、金属、シリコー
ン)、タオル(不織布)、対極板(アルミニウム箔、
銅、ステンレススチール箔、ボース紙、ステンレススチ
ール板)、テープ(不織布、フィラメント)、手袋(ゴ
ム、ポリエチレン)、ドレープ[覆い布](ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレンフィルム、不織布)、ドレーン(ポ
リ塩化ビニル、ゴム、シリコーンゴム)、バイオプシー
針(ステンレススチール、ABS、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、金属)、縫合糸(絹、ポリアミド、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、ステンレススチール、カットグ
ート)、マスク(ポリエステル、不織布、グラスファイ
バー、ポリエチレン)、メス(ステンレススチール、ポ
リ塩化ビニル、ABS)等を挙げることができる。
更に、検査及び検査室用具としては、例えば、カバー
グラス(ガラス)、採血管(ガラス、アクリル、ポリプ
ロピレン、天然ゴム、合成ゴム)、採血ビン(ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリスチレン)、試験管(ポリ
プロピレン、ポリエチレン、スチレン樹脂、ガラス)、
シャーレ(ポリスチレン、紙、ガラス)、スピッツ管
(ポリプロピレン、ポリスチレン、アセチルセルロー
ス、アクリル)、スポイト(ポリエチレン)、スライド
グラス(ガラス)、テープ(紙)、電極[心電図用な
ど](合成繊維、紙、リード線、ポリエチレン、ゲ
ル)、培養器(ポリエチレン、ガラス、アクリル、合成
ゴム、ポリスチレン)、ビーカー(ポリプロピレン)、
ピペット(ガラス、ポリプロピレン)、ラベル(紙)等
を挙げることができる。
また、人工臓器及び人口腎室用具としては、例えば、
カテーテル[カニューレ](テフロン、シリコーンゴ
ム、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
綿)、血液回路(ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、セルロース)、コネクター(ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ゴム、シリコーン、テフロン)、
人口血管(シリコーン、ダクロン、テフロン)、人口肺
(ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミド、ウ
レタンフォーム、ポリ塩化ビニル)、ダイアライゼー
(キュプロファン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シ
リコーンゴム、ポリ塩化ビニル、不織布、和紙)、透析
膜(キュプロファン、ポリアクリロニトリル)、熱交換
器(シリコーンゴム、ステンレススチール)、針(ポリ
エチレン、ステンレススチール、ポリ塩化ビニル、ポリ
アミド、ゴム、テフロン)、フィルター(ポリカーボネ
ート、ダクロンウール、ポリプロピレン)等を挙げるこ
とができる。また、無菌的雰囲気を保つための各種設備
(壁、床、備品、エアフィルター等)や、内視鏡等、直
接人体に接するものへの利用も可能である。
カチオンポリマーのようなカチオン性高分子電解質で
は、担持されている対イオンが一般に低分子量対イオン
(例えばハロゲンイオン)であるので、その対イオンが
ポリマーから脱離してポリマー中のカチオン部位が露出
することは比較的容易である。これに対して、本発明で
用いるPECでは、対イオンが相互に高分子化合物である
ので、出発カチオンポリマーが有していた第4級アンモ
ニウムの性質は或る程度中和された形で存在している。
こうした構造を有するPECが抗菌活性を示すことは驚く
べきことであり、その理由は現在のところ解明されてい
ないが、ポリマー本体内に化学的に強固に結合して含有
されている第4級アンモニウム部分が持続的な抗菌活性
を示すものと思われる。更に、一般にPECは、親水性の
ミクロドメイン構造、表面の水の構造変化、荷電バラン
スなどの変化によって著しく多様な性質を示すので、本
発明においてもこれらの影響も相俟って抗菌性を発現し
ているものと考えられる。
実施例 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。な
お、以下の実施例に記載の平均分子量は蒸気圧降下法で
測定した数平均分子量である。
調製例1:PEC(2X−CLA)の調製 カチオンポリマーであるポリ[(ジメチルイミニオ)
エチレン(ジメチルイミニオ)メチレン−1,4−フェニ
レンメチレンジクロライド](2X)(平均分子量約600
0)0.015g(カチオン席として1×10-4モル)とアニオ
ンポリマーであるアクリル酸/ラウリルアクリレートの
ランダム共重合体(CLA)(アクリル酸含量約80モル
%;平均分子量約10,000)0.018g(アニオン席として1
×10-4モル)とを、それぞれ別々に生理食塩水(pH7.
4)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの水溶液5ml
づつをビーカー中にて一挙に混合させ、高分子電解質錯
体ゲル(荷電バランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
更に、前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液
3mlとアニオンポリマー水溶液7mlとをビーカー中にて一
挙に混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:
−4)を形成した。
調製例2:PEC(2X−COA)の調製 カチオンポリマーであるポリ[(ジメチルイミニオ)
エチレン(ジメチルイミニオ)メチレン−1,4−フェニ
レンメチレンジクロライド](2X)(平均分子量約300
0)0.015g(カチオン席として1×10-4モル)とアニオ
ンポリマーであるアクリル酸/2−エチルヘキシルアクリ
レートのランダム共重合体(COA)(アクリル酸含量約6
0モル%;平均分子量約8000)0.021g(アニオン席とし
て1×10-4モル)とを、それぞれ別々に蒸留水(pH8.
0)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの水溶液5ml
づつをビーカー中にて一挙に混合させ、高分子電解質錯
体ゲル(荷電バランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
更に、前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液
3mlとアニオンポリマー水溶液7mlとをビーカー中にて一
挙に混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:
−4)を形成した。
調製例3:PEC(PVBMA−COA)の調製 カチオンポリマーであるポリ(ビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクロライド)(PVBMA)(平均分子量
約15000)0.021g(カチオン席として1×10-4モル)と
アニオンポリマーであるアクリル酸/2−エチルヘキシル
アクリレートのランダム共重合体(COA)(アクリル酸
含量約60モル%;平均分子量約8000)0.021g(アニオン
席として1×10-4モル)とを、それぞれ別々に蒸留水
(pH8.0)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの水
溶液5mlづつをビーカー中にて一挙に混合させ、高分子
電解質錯体ゲル(荷電バランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
更に、前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液
3mlとアニオンポリマー水溶液7mlとをビーカー中にて一
挙に混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:
−4)を形成した。
調製例4:PEC(PVBMA−CLA)の調製 カチオンポリマーであるポリ(ビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクロライド)(PVBMA)(平均分子量
約100000)0.106g(カチオン席として5×10-4モル)と
アニオンポリマーであるアクリル酸ラウリルアクリレー
トのランダム共重合体(CLA)(アクリル酸含量約80モ
ル%;平均分子量約4000)0.090g(アニオン席として5
×10-4モル)とを、それぞれ別々に生理食塩水(pH7.
4)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの水溶液5ml
づつをビーカー中にて一挙に混合させ、高分子電解質錯
体ゲル(荷電バランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
調製例5:PEC(2X−アルギン酸ナトリウム)の調製 カチオンポリマーであるポリ[(ジメチルイミニオ)
エチレン(ジメチルイミニオ)メチレン−1,4−フェニ
レンメチレンジクロライド](2X)(平均分子量約600
0)0.015g(カチオン席として1×10-4モル)とアニオ
ン性多糖類であるアルギン酸ナトリウム(平均分子量約
500,000)0.020g(アニオン席として1×10-4モル)と
を、それぞれ別々に蒸留水(pH8.0)10mlに溶解させ、
こうして得られた2つの水溶液5mlづつをビーカー中に
て一挙に混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バラン
ス:±0)を形成した。
同様に、前記カチオンポリマー0.075g(カチオン席と
して5×10-4モル)と多糖類0.100g(アニオン席として
5×10-4モル)とを、それぞれ別々に蒸留水(pH8.0)1
0mlに溶解させ、カチオンポリマー水溶液7mlと多糖類水
溶液3mlとをビーカー中にて一挙に混合させ、高分子電
解質錯体ゲル(荷電バランス:+4)を形成した。
調製例6:PEC(PVBMA−アルギン酸ナトリウム)の調製 カチオンポリマーであるポリ(ビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクロライド)(PVBMA)(平均分子量
約15,000)0.106g(カチオン席として5×10-4モル)と
アニオン性多糖類であるアルギン酸ナトリウム(平均分
子量約100,000)0.100g(アニオン席として5×10-4
ル)とを、それぞれ別々に蒸留水(pH8.0)10mlに溶解
させ、こうして得られた2つの水溶液5mlづつをビーカ
ー中にて一挙に混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電
バランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
多糖類水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に混合させ、
高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+4)を形成し
た。
調製例7:PEC(2X−ポリグルタミン酸)の調製 カチオンポリマーであるポリ[(ジメチルイミニオ)
エチレン(ジメチルイミニオ)メチレン−1,4−フェニ
レンメチレンジクロライド](2X)(平均分子量約600
0)0.015g(カチオン席として1×10-4モル)とアニオ
ンポリマーであるポリグルタミン酸(PGA)(平均分子
量約4000)0.013g(アニオン席として1×10-4モル)と
を、それぞれ別々に生理食塩水(pH7.4)10mlに溶解さ
せ、こうして得られた2つの水溶液5mlづつをビーカー
中にて一挙に混合させ、高分子電解質錯体ゲル〔2X−PG
A〕(荷電バランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
調製例8:PEC(PVBMA−アスパラギン酸/アラニン共重合
体)の調製 カチオンポリマーであるポリ(ビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクロライド)(PVBMA)(平均分子量
約15000)0.106g(カチオン席として5×10-4モル)と
アニオンポリマーであるアスパラギン酸/アラニンのラ
ンダム共重合体〔C(Asp/Ala)〕(アスパラギン酸含
量約65モル%;平均分子量約8000)0.090g(アニオン席
として5×10-4モル)とを、それぞれ別々に蒸留水(pH
9.0)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの水溶液5
mlづつを室温でビーカー中にて一挙に混合させ、高分子
電解質錯体ゲル〔PVBMA−C(Asp/Ala)〕(荷電バラン
ス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
調製例9:PEC[ポリ(L−リジン)−CLA]の調製 カチオンポリマーであるポリ(L−リジン)(PLL)
(平均分子量約3000)1.3mg(カチオン席として1×10
-5モル)とアニオンポリマーであるアクリル酸/ラウリ
ルアクリレートのランダム共重合体(CLA)(アクリル
酸含量約80モル%;平均分子量約5000)1.8mg(アニオ
ン席として1×10-5モル)とを、それぞれ別々に0.5モ
ル/リットルの塩化ナトリウム水溶液(pH6.5)10mlに
溶解させ、こうして得られた2つの水溶液5mlづつを室
温でビーカー中にて一挙に混合させ、高分子電解質錯体
ゲル〔PLL−CLA〕(荷電バランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合され、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
調製例10:PEC(リジン/セリン共重合体−ポリグルタミ
ン酸)の調製 カチオンポリマーであるリジン/セリンのランダム共
重合体〔C(Lys/Ser)〕(リジン含量約70モル%;平
均分子量約10000)0.019g(カチオン席として1×10-4
モル)とアニオンポリマーであるポリグルタミン酸(PG
A)(平均分子量約2000)0.013g(アニオン席として1
×10-4モル)とを、それぞれ別々に生理食塩水(pH7.
4)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの水溶液5ml
づつをビーカー中にて一挙に混合させ、高分子電解質錯
体ゲル〔C(Lys/Ser)−PGA〕(荷電バランス:±0)
を形成した。前記と同様に調製したカチオンポリマー水
溶液7mlとアニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中に
て一挙に混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バラン
ス:+4)を形成した。
調製例11:PEC[ポリ(L−リジン)アルギン酸ナトリウ
ム]の調製 カチオンポリマーであるポリ(L−リジン)(PLL)
(平均分子量約3000)1.3mg(カチオン席として1×10
-5モル)とアニオンポリマーであるアルギン酸ナトリウ
ム(Arg)(平均分子量約40000)1.8mg(アニオン席と
して1×10-5モル)とを、それぞれ別々に0.5モル/リ
ットルの塩化ナトリウム水溶液(pH6.5)10mlに溶解さ
せ、こうして得られた2つの水溶液5mlづつを室温でビ
ーカー中にて一挙に混合させ、高分子電解質錯体ゲル
〔PLL−Arg〕(荷電バランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
調製例12:PEC(リジン/セリン共重合体−カルボキシメ
チルキチン)の調製 カチオンポリマーであるリジン/セリン〔C(Lys/Se
r)〕のランダム共重合体(リジン含有量約70モル%)
(平均分子量約10000)0.019g(カチオン席として1×1
0-4モル)とアニオンポリマーであるカルボキシメチル
キチン(CM−Chn)(カルボキシメチル化度約0.65/単
糖)(平均分子量約5000)0.018g(アニオン席として1
×10-4モル)とを、それぞれ別々に生理食塩水(pH7.
4)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの水溶液5ml
づつを室温でビーカー中にて一挙に混合させ、高分子電
解質錯体ゲル〔C(Lys/Ser)−CM−Chn〕(荷電バラン
ス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカーにて一挙に混
合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+4)
を形成した。
調製例13:PEC(キトサン−アルギン酸ナトリウム)の調
製 カチオン性多糖類であるキトサン(脱アセチル化度10
0%;平均分子量約2000)0.020g(カチオン席として1
×10-4モル)とアニオンポリマーであるアルギン酸ナト
リウム(Arg)(平均分子量約4000)0.018g(アニオン
席として1×10-4モル)とを、それぞれ別々に生理食塩
水(pH7.4)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの
水溶液5mlづつをビーカー中にて一挙に混合させ、高分
子電解質錯体ゲル(キトサン−Arg)(荷電バランス:
±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオン性多糖類水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
調製例14:PEC(キトサン−硫酸化セルロース)の調製 カチオン性多糖類であるキトサン(脱アセチル化度約
70%;平均分子量約5000)0.102g(カチオン席として5
×10-4モル)とアニオンポリマーである硫酸化セルロー
ス(S・cel)(硫酸化度約0.8/単糖;平均分子量約800
0)0.110g(アニオン席として5×10-4モル)とを、そ
れぞれ別々に蒸留水(pH5.0)10mlに溶解させ、こうし
て得られた2つの水溶液5mlづつを室温でビーカー中に
て一挙に混合させ、高分子電解質錯体ゲル(キトサン−
S・cel)(荷電バランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオン性多糖類水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
調製例15:PEC(ジエチルアミノエチルデキストラン−カ
ルボキシメチルキチン)の調製 カチオン性多糖類であるジエチルアミノエチルデキス
トラン(DEAE・Dex)(導入率60%;平均分子量約300
0)2.0mg(カチオン席として1×10-5モル)とアニオン
ポリマーであるカルボキシメチルキチン(CM・Chn)
(カルボキシメチル化度約0.65/単糖;平均分子量約500
0)1.8mg(アニオン席として1×10-5モル)とを、それ
ぞれ別々に0.5モル/リットルの塩化ナトリウム水溶液
(pH8.0)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの水
溶液5mlづつを室温でビーカー中にて一挙に混合させ、
高分子電解質錯体ゲル(DEAE・Dex−CM・Chn)(荷電バ
ランス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオン性多糖類水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカー中にて一挙に
混合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+
4)を形成した。
調製例16:PEC(キトサン−ポリグルタミン酸)の調製 カチオンポリマーであるキトサン(脱アセチル化度10
0%)(平均分子量約2000)0.020g(カチオン席として
1×10-4モル)とアニオンポリマーであるポリグルタミ
ン酸(PGA)(平均分子量約4000)0.013g(アニオン席
として1×10-4モル)とを、それぞれ別々に生理食塩水
(pH7.4)10mlに溶解させ、こうして得られた2つの水
溶液5mlづつを室温でビーカー中にて一挙に混合させ、
高分子電解質錯体ゲル(キトサン−PGA)(荷電バラン
ス:±0)を形成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカーにて一挙に混
合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+4)
を形成した。
調製例17:PEC(キトサン−CLA)の調製 カチオンポリマーであるキトサン(脱アセチル化度70
%)(平均分子量約3000)0.021g(カチオン席として1
×10-4モル)とアニオンポリマーであるアクリル酸/ウ
ラリルアクリレートのランダム重合体(CLA)(アクリ
ル酸含量約80モル%)(平均分子量約4000)0.018g(ア
ニオン席として1×10-4モル)とを、それぞれ別々に0.
3モル/リットルの塩化ナトリウム水溶液(pH6.5)10ml
に溶解させ、こうして得られた2つの水溶液5mlづつを
室温でビーカー中にて一挙に混合させ、高分子電解質錯
体ゲル(キトサン−CLA)(荷電バランス:±0)を形
成した。
前記と同様に調製したカチオンポリマー水溶液7mlと
アニオンポリマー水溶液3mlとをビーカーにて一挙に混
合させ、高分子電解質錯体ゲル(荷電バランス:+4)
を形成した。
固定例1:担体(ポリエチレン製チューブ)への固定 調製例1〜17で調製したPECゲル液それぞれ2mlを、ポ
リエチレン製チューブ(内径1.0cm)に分注し、ロータ
ーで60rpmで8時間回転させた。ポリエチレン製チュー
ブの内壁にPECをコーティングした後、上澄液を除去
し、60℃で4時間乾燥し、蒸留水10mlで3回チューブ内
を洗浄し、更に80℃で4時間乾燥させ、PEC固定化チュ
ーブを得た。
固定例2:担体(ガーゼ)への固定 調製例1〜17で調製したそれぞれのPECゲル液に、木
綿ガーゼ(10cm×10cm)を8時間浸漬した。ガーゼを取
り出して蒸留水20mlで洗浄し、60℃で4時間乾燥させ、
更に蒸留水10mlで3回洗浄し、80℃で4時間乾燥させ、
PEC固定化ガーゼを得た。
固定例3:担体(ガラスビーズ)への固定 調製例1〜6で調製したそれぞれのPECゲル液に、ガ
ラスビーズ(直径0.2mm:東芝バロティーニ社製)を6時
間浸漬した、ガラスビーズにPE5をコーティングした
後、上澄液を除去し、60℃で4時間乾燥し、蒸留水10ml
で3回ビーズを洗浄し、更に80℃で4時間乾燥させ、PE
C固定化ビーズを得た。
固定例4:担体〔コンタクトレンズ材質(ポリメチルメタ
クリレート)〕への固定 調製例7〜17で調製したそれぞれのPECゲル液に、コ
ンタクトレンズと同材質のポリメチルメタクリレート板
を直径8mmに打ち抜いた円形小片(以下円形小片ともい
う)を室温で10時間浸漬した。PECをコーティングした
後、上澄液を除去し、60℃で3時間乾燥し、蒸留水10ml
で2回、生理食塩水で2回洗浄し、更に、80℃で4時間
乾燥させ、PEC固定化円形小片を得た。
薬理試験例1:抗菌性の確認 以下の微生物を用いて抗菌性を調べた。
大腸菌(Escherichia coli)ATCC25932 ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC25923 霊菌(Serratia marcescens)IFO3046 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)ATCC10145 ブレインハートインヒュージョン(BHI)培地で37℃
にて16時間培養した各種の菌液を、0.85%食塩含有M/15
リン酸緩衝液(PBS、pH6.8)で希釈し、菌濃度約1×10
4個/mlの菌浮遊液を調製した。PD培地(リン酸二カリウ
ム7.0g、リン酸一カリウム2.0g、硫酸マグネシウム0.1
g、硫酸アンモニウム1.0g、クエン酸ナトリウム0.5g、
ブドウ糖10.0g、及びバクトペプトン10.0gを精製水1000
mlに溶解したもの)10mlを前記固定礼1で調製したPEC
コーティングポリエチレン製チューブに添加し、前記の
各菌浮遊液0.1mlを加えて混合した後、30℃に保温し
た。各チューブを30℃で24時間振盪培養し、その培地の
濁りを目視観察して抗菌効果を確認した。結果を表1に
示す。
薬理試験例2:抗菌性の確認 PD培地50mlを坂口フラスコに取り、固定例2で得たPE
C固定化ガーゼ(6cm×6cm)3枚をそのフラスコに入
れ、前記薬理試験例1と同様の各菌浮遊液1mlを用いて
約1×104個植菌した。同様に、空試験用フラスコ及びP
ECを固定していないガーゼ(6cm×6cm)3枚をフラスコ
に入れ、前記と同様に植菌したものも用意した。各フラ
スコを30℃で16時間振盪培養し、その培地の濁りを目視
観察して抗菌効果を確認した。結果を表2に示す。
薬理試験例3:抗菌性の確認 PD培地10mlを滅菌ポリエチレン製チューブに取り、固
定例3で得たPEC固定化ガラスビーズ1gを添加し、前記
薬理試験例1と同様の各菌浮遊液0.1mlを加え混合した
後30℃に保温した。同様に、空試験用チューブ及びPEC
を固定していないガラスビーズ1gを添加し、前記と同様
に植菌したものも用意した。各チューブを30℃で24時間
振盪培養し、その培地の濁りを目視観察して抗菌効果を
確認した。結果を表3に示す。
薬理試験例4:抗菌性の確認 PD培地10mlを滅菌ポリエチレン製チューブに取り、固
定例4で得たPEC固定化円形小片2gを添加し、前記薬理
試験例1と同様の各菌浮遊液0.1mlを加えて混合した
後、30℃に保温した。同様に、空試験用チューブ及びPE
Cを固定していない円形小片2gを添加し、前記と同様に
植菌したものも用意した。各チューブを30℃で24時間振
盪培養し、その培地の濁りを目視観察して抗菌効果を確
認した。結果を表4に示す。
薬理試験例5:抗菌効果の持続性の確認 固定例1で調製した各PEC固定化チューブに精製水10m
lを加え、振盪器で2分間激振した後、洗浄液を捨て
た。同様の洗浄操作を更に4回(合計5回)行ない、各
チューブを60℃で2時間乾燥した。こうして前処理した
チューブを用い、大腸菌(ATCC25932)により薬理試験
例1と同様の操作で抗菌効果の持続性を調べた。結果を
表5に示す。
薬理試験例6:抗菌効果の持続性の確認 固定例2で調製した各PEC固定化ガーゼを1000mlのビ
ーカーに入れ、精製水500mlを加え、マグネットスター
ラーを用いて5分間攪拌した後、洗浄液を捨てた。同様
の洗浄操作を更に4回(合計5回)行ない、各ガーゼを
取り出し、60℃で4時間乾燥した。こうして前処理した
ガーゼを用い、大腸菌(ATCC25932)により薬理試験例
2と同様の操作で抗菌効果の持続性を調べた。結果を表
6に示す。
薬理試験例7:抗菌効果の持続性の確認 固定例3で調製した各PEC固定化ガラスビーズを滅菌
ポリエチレン性チューブに入れ、精製水10mlを加え、振
盪器で2分間激振した後、洗浄液を捨てた。同様の洗浄
操作を更に4回(合計5回)行ない、各ガラスビーズを
取り出し、60℃で4時間乾燥した。こうして前処理した
ガラスビーズを用い、大腸菌(ATCC25932)により薬理
試験例3と同様の操作で抗菌効果の持続性を調べた。結
果を表7に示す。
薬理試験例8:抗菌効果の持続性の確認 固定例4で調製した各PEC固定化円形小片を滅菌ポリ
エチレン製チューブに入れ、精製水10mlを加え、振盪器
で2分間激振した後、洗浄液を捨てた。同様の洗浄操作
を更に4回(合計5回)行ない、円形小片を取り出し、
60℃で4時間乾燥した。こうして前処理した円形小片を
用い、大腸菌(ATCC25932)により薬理試験例4と同様
の操作で抗菌効果の持続性を調べた。結果を表8に示
す。
薬理試験例9:抗菌性の確認 調製例1〜17で調製したそれぞれのPECゲル液に、
紙(TOYO、No.5B)を8時間浸漬した。紙を取り出し
て蒸留水20mlで洗浄し、60℃で4時間乾燥させ、更に蒸
留水10mlで3回洗浄し、80℃で4時間乾燥させた。得ら
れた紙を直径13mmの円盤状に切り抜き、ガス滅菌処理
を行い、後記の抗菌効果試験用ディスクとした。一方、
PECゲル液に浸漬していない同様の円盤状紙を同様に
ガス滅菌処理して対照明ディスクとした。
薬理試験例1に記載の4種の菌を、薬理試験例1と同
様の方法でBHI培地で一夜振盪培養し、BHI培地で3回遠
心処理した後、同じくBHI培地で希釈し、菌濃度約1×1
07個/mlの菌浮遊液を調製した。この菌浮遊液20μlを
前記の抗菌効果試験用ディスク及び対照用ディスクに接
触し、37℃で2時間置した後、トリプトソーヤ寒天平板
上に、ディスク接種面と寒天平板とを接するように置
き、37℃で1時間放置してから、各ディスクを取り除い
た。更に37℃で一昼夜培養を行った後、平板上に出現し
たコロニー形成を観察した。結果を表9に示す。
実施例1〜11 前記の各調製例と同様にして各種のPECを調製し、担
体に固定してから薬理作用を調べた。即ち、表10に示す
各カチオンポリマーと表11に示す各アニオンポリマーと
をそれぞれ表10及び表11の「採取量」欄に示す量で表10
の「溶媒」欄に示す溶媒10mlに各々溶解させ、得られた
各溶液5mlづつをビーカー中で一挙に混合させて高分子
電解質錯体ゲル(荷電バランス:±0)を形成した。同
様にカチオンポリマー溶液7mlとアニオンポリマー溶液3
mlとから荷電バランス+4、そしてカチオンポリマー溶
液3mlとアニオンポリマー溶液7mlとから荷電バランス−
4の各高分子電解質錯体ゲルを形成した。これらを固定
例2と同様の方法で担体(ガーゼ)へ固定し、薬理試験
例2と同様の方法で抗菌性を確認した。それらの結果を
表12に示す。なお、表10及び表11では、各ポリマーを略
号で示す。それらの意味は以下の通りである(前記調製
例で用いた略号は同じ意味であるので説明を除く)。
6X:ポリ[(ジメチルイミニオ)ヘキサメチレン(ジメ
チルイミニオ)メチレン−1,4−フェニレンメチレンジ
クロライド] PAA:ポリアクリル酸 PSS:ポリスチレンスルホン酸 SLA65:スチレンスルホン酸/ラウリルアクリレートのラ
ンダム共重合体(スチレン酸含有量約65モル%) CSA74:アクリル酸/ステアリルアクリレートのランダム
共重合体(アクリル酸含有量約74モル%) CLA66:アクリル酸/ラウリルアクリレートのランダム共
重合体(アクリル酸含有量約66モル%) QPAl・Am:4級ポリアリルアミン 以下の表1〜表8及び表12において、記号は以下の意
味である。
+++:強い混濁、 ++:混濁、 +:やや混濁、 ±:変化しない、 −:透明。
以下の表9において、記号はコロニー形成の程度を示
すものであり、その程度は以下のとおりである。
+++:大、++:中程度、 + :少、± :極めて少、 − :変化しない。
産業上の利用可能性 本発明の抗菌剤は、溶媒に一般に不溶性であるので広
範な用途に用いることができる。また、抗菌活性を長期
間持続して維持することができる。更に、抗菌強度の異
なる種々の抗菌剤を容易に提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61L 9/01 A61L 9/01 C08G 81/00 C08G 81/00 (72)発明者 秋本 雅治 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株式会社ヤトロン内 (56)参考文献 特開 平2−67210(JP,A) 特開 昭59−164342(JP,A) 特開 昭61−236702(JP,A) 特開 昭54−86584(JP,A) 特開 昭46−37497(JP,A) 特開 昭46−37498(JP,A) 特開 昭46−37499(JP,A) 特開 昭49−3992(JP,A) 特開 昭49−8581(JP,A) 特開 昭49−8599(JP,A) 特開 昭50−63096(JP,A) 特開 昭50−102695(JP,A) 特開 昭50−160185(JP,A) 特開 昭53−34887(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 61/00 A01N 33/12 A01N 43/40 A01N 43/60 A61L 2/16 A61L 9/01 C08G 81/00 CA(STN) JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)繰返し単位中にN+原子を含有するカ
    チオンポリマーであって、 (a1)一般式(I) [式中、R1及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜10個のア
    ルキレン基、一般式 (式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1又は
    2個のアルキレン基である) で表される基又はアリーレン基であって、R2、R3、R5
    びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜3個のアルキル基であ
    るか、 又はR1は式中の2個の窒素原子及びR2、R3、R5及びR6
    一緒になって式 (式中、R2及びR5は、前記と同じ意味である) で表される基、又は式 (式中、R3及びR6は、前記と同じ意味である) で表される基であるものとし、そしてX1 -は対イオンで
    あり、mは5以上の数である] で表される化合物、 (a2)一般式(II) [式中、Aは一般式 (式中、Bは炭素数1又は2個のアルキレン基であり、 R21、R22及びR23はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数
    1〜3個のアルキル基であり、X2 -は対イオンである) で表される基であるか、一般式 (式中、R24は炭素数1〜3個のアルキル基又はベンジ
    ル基であり、X3 -は対イオンである) で表される基であるか、又は一般式 (式中、R25は炭素数1又は2個のアルキル基であり、R
    26、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1
    〜3個のアルキル基であり、X4 -は対イオンである) で表される基であり、nは10以上の数である] で表される化合物、 (a3)一般式(III) (式中、vは3又は4であり、R91は水素原子;炭素数
    1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
    しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
    素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
    若しくはインドリルメチル基であり、R92は−N+H3X5 -
    は−N+H2C(NH)NH2X6 -であり、X5 -及びX6 -はそれぞれ
    独立に対イオンであり、tは20〜100であり、そしてr
    は10以上の整数である) で表される化合物、及び (a4)カチオン性多糖類 からなる群から選んだ、前記カチオンポリマー少なくと
    も1種と、 (B)繰返し単位中に−COO-基、−SO3-基又は−PO3 2-
    基若しくは−PO3H-基を含有するアニオンポリマーであ
    って、 (b1)一般式(IV) (式中、uは1又は2であり、R81は水素原子;炭素数
    1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
    しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
    素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
    若しくはインドリルメチル基であり、sは20〜100であ
    り、そしてqは10以上の整数である) で表される化合物、 (b2)一般式(V) (式中、R31は水素原子又はメチル基であり、R32は炭素
    数6〜18個のアルキル基であり、Yはカルボン酸基若し
    くはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、リン酸基若
    しくはその塩、又は、カルボン酸基若しくはその塩、ス
    ルホン酸基若しくはその塩又はリン酸基若しくはその塩
    を含有するアリール基であり、aは20〜100の数であ
    り、pは10以上の数である) で表される化合物、及び (b3)アニオン性多糖類 からなる群から選んだ、前記アニオンポリマー少なくと
    も1種とを反応させることによって得られる高分子電解
    質錯体を含有することを特徴とする抗菌剤。
  2. 【請求項2】カチオンポリマーのカチオン席とアニオン
    ポリマーのアニオン席との濃度比(カチオン席/アニオ
    ン席)が0.25〜4.0である請求項1記載の抗菌剤。
  3. 【請求項3】前記一般式(I)においてR1及びR4がそれ
    ぞれ独立に炭素数2〜8個の直鎖又は分枝鎖のアルキレ
    ン基であり、 R11及びR12がp位で結合している前記一般式(I)で表
    される化合物(a1)を用いる請求項1記載の抗菌剤。
  4. 【請求項4】前記一般式(III)においてR91が水素原
    子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブ
    チル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メ
    チルチオエチル基、メルカプトメチル基、5−イミダゾ
    リルメチル基又は3−イミダゾリルメチル基である前記
    一般式(III)で表される化合物(a3)を用いる請求項
    1記載の抗菌剤。
  5. 【請求項5】カチオン性多糖類(a4)としてキトサン、
    キトサンの誘導体、又は中性多糖類のジエチルアミノエ
    チル誘導体を用いる請求項1記載の抗菌剤。
  6. 【請求項6】前記一般式(IV)においてR81が水素原
    子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブ
    チル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メ
    チルチオエチル基、メルカプトメチル基、5−イミダゾ
    リルメチル基又は3−イミダゾリルメチル基である前記
    一般式(IV)で表される化合物(b1)を用いる請求項1
    記載の抗菌剤。
  7. 【請求項7】前記一般式(V)においてR32が炭素数6
    〜14個の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基であり、aが
    50〜100である前記一般式(V)で表される化合物(b
    2)を用いる請求項1記載の抗菌剤。
  8. 【請求項8】アニオン性多糖類としてヒアルロン酸及び
    その誘導体、アルギン酸及びその誘導体、コンドロイチ
    ン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫酸
    B(デルマタン硫酸)及びその誘導体、コンドロイチン
    硫酸D及びその誘導体、コンドロイチン硫酸E及びその
    誘導体、ヘパラン硫酸及びその誘導体、ヘパリン及びそ
    の誘導体、κ−カラゲナン及びその誘導体、λ−カラゲ
    ナン及びその誘導体、カルボキシメチル化、硫酸化又は
    リン酸化したセルロース誘導体、カルボキシメチル化、
    硫酸化又はリン酸化したキチン誘導体、カルボキシメチ
    ルスターチ及びその誘導体、カルボキシメチル化、硫酸
    化又はリン酸化したアミロース誘導体、カルボキシメチ
    ル化、硫酸化又はリン酸化したアミロペクチン誘導体、
    カルボキシメチル化、硫酸化又はリン酸化したβ−1,3'
    −グルカン誘導体、カルボキシメチル化、硫酸化又はリ
    ン酸化したβ−1,2'−グルカン誘導体、カルボキシメチ
    ル化、硫酸化又はリン酸化したβ−1,3'−;β−1,6'−
    グルカン誘導体、カルボキシメチル化、硫酸化又はリン
    酸化したデキストラン誘導体、カルボキシメチル化、硫
    酸化又はリン酸化したプルラン誘導体、カルボキシメチ
    ル化、硫酸化又はリン酸化したアガロース誘導体、カル
    ボキシメチル化、硫酸化又はリン酸化したβ−1,4'−ガ
    ラクタン誘導体、カルボキシメチル化、硫酸化又はリン
    酸化したマンナン誘導体、及びカルボキシメチル化、硫
    酸化又はリン酸化したイヌリン誘導体からなる群から選
    んだ少なくとも1種のアニオン性多糖類(b3)を用いる
    請求項1記載の抗菌剤。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の高分
    子電解質錯体を担体上に担持することを特徴とする抗菌
    材料。
JP50007092A 1990-11-29 1991-11-28 高分子電解質錯体抗菌剤及び抗菌性材料 Expired - Lifetime JP3289055B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-325405 1990-11-29
JP2-325406 1990-11-29
JP32540590 1990-11-29
JP32540690 1990-11-29
PCT/JP1991/001639 WO1992009198A1 (fr) 1990-11-29 1991-11-28 Agent antibacterien contenant un complexe de polyelectrolyte et matiere antibacterienne

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO1992009198A1 JPWO1992009198A1 (ja) 1992-12-03
JP3289055B2 true JP3289055B2 (ja) 2002-06-04

Family

ID=26571811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50007092A Expired - Lifetime JP3289055B2 (ja) 1990-11-29 1991-11-28 高分子電解質錯体抗菌剤及び抗菌性材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3289055B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11319673B2 (en) 2016-08-24 2022-05-03 Organoclick Ab Bio-based PEC compositions as binders for fiber based materials, textiles, woven and nonwoven materials
US11525211B2 (en) 2016-08-24 2022-12-13 Organoclick Ab Bio-based polyelectrolyte complex compositions comprising non-water soluble particles
CN115517980A (zh) * 2022-10-21 2022-12-27 浙江凯燕护理用品科技有限公司 一种婴儿手口湿巾及制备方法
US11685820B2 (en) 2016-08-24 2023-06-27 Organoclick Ab Bio-based polyelectrolyte complex compositions with increased hydrophobicity comprising fatty compounds

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS493992A (ja) * 1972-04-24 1974-01-14
JPS498599A (ja) * 1972-05-13 1974-01-25
JPS498581A (ja) * 1972-05-13 1974-01-25
JPS5063096A (ja) * 1973-10-06 1975-05-29
JPS50102695A (ja) * 1974-01-16 1975-08-14
JPS50160185A (ja) * 1975-01-27 1975-12-25
JPS5334887A (en) * 1971-07-02 1978-03-31 Rhone Poulenc Sa Process for preparing ionncrosslinked polymer
JPS5486584A (en) * 1977-12-22 1979-07-10 Nitto Electric Ind Co Ltd Antifungal material
JPS59164342A (ja) * 1983-03-08 1984-09-17 Toyobo Co Ltd 合成高分子成形品の処理法
JPS61236702A (ja) * 1985-04-10 1986-10-22 Nippon Paint Co Ltd 抗有害生物性を有する微小樹脂粒子
JPH0267210A (ja) * 1988-08-31 1990-03-07 Ipposha Oil Ind Co Ltd 消臭殺菌高分子

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5334887A (en) * 1971-07-02 1978-03-31 Rhone Poulenc Sa Process for preparing ionncrosslinked polymer
JPS493992A (ja) * 1972-04-24 1974-01-14
JPS498599A (ja) * 1972-05-13 1974-01-25
JPS498581A (ja) * 1972-05-13 1974-01-25
JPS5063096A (ja) * 1973-10-06 1975-05-29
JPS50102695A (ja) * 1974-01-16 1975-08-14
JPS50160185A (ja) * 1975-01-27 1975-12-25
JPS5486584A (en) * 1977-12-22 1979-07-10 Nitto Electric Ind Co Ltd Antifungal material
JPS59164342A (ja) * 1983-03-08 1984-09-17 Toyobo Co Ltd 合成高分子成形品の処理法
JPS61236702A (ja) * 1985-04-10 1986-10-22 Nippon Paint Co Ltd 抗有害生物性を有する微小樹脂粒子
JPH0267210A (ja) * 1988-08-31 1990-03-07 Ipposha Oil Ind Co Ltd 消臭殺菌高分子

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11319673B2 (en) 2016-08-24 2022-05-03 Organoclick Ab Bio-based PEC compositions as binders for fiber based materials, textiles, woven and nonwoven materials
US11525211B2 (en) 2016-08-24 2022-12-13 Organoclick Ab Bio-based polyelectrolyte complex compositions comprising non-water soluble particles
US11685820B2 (en) 2016-08-24 2023-06-27 Organoclick Ab Bio-based polyelectrolyte complex compositions with increased hydrophobicity comprising fatty compounds
CN115517980A (zh) * 2022-10-21 2022-12-27 浙江凯燕护理用品科技有限公司 一种婴儿手口湿巾及制备方法
CN115517980B (zh) * 2022-10-21 2023-11-17 浙江凯燕护理用品科技有限公司 一种婴儿手口湿巾及制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0528035B1 (en) Use of a polyelectrolyte complex antibacterial agent and antibacterial material
AU2007257436B2 (en) Chitosan-derivative compounds and methods of controlling microbial populations
US8105619B2 (en) Antimicrobial medicotechnical product, process for its production and use
CN105233327A (zh) 一种季铵化壳聚糖纤维及吸湿抗菌伤口敷料
JPS60207661A (ja) 衛生用品
WO2012136082A1 (zh) 酰化壳聚糖伤口敷料、其制备方法及其应用
Ristić et al. Electrokinetic properties of fibres functionalised by chitosan and chitosan nanoparticles
CA2581939A1 (en) Nitric oxide-releasing diazeniumdiolated acrylonitrile-based polymers, and compositions, medical devices, and uses thereof
ES2348795T3 (es) Producto medico antimicrobiano, procedimiento para su fabricacion y utlizacion.
US8858972B2 (en) Antimicrobial medicotechnical product, process for its preparation and use
AU2018264151B2 (en) Chitosan-Derivative Compounds and Methods of Controlling Microbial Populations
KR100632869B1 (ko) 키토산 물질을 포함하는 통기성 흡수 제품
JP3289055B2 (ja) 高分子電解質錯体抗菌剤及び抗菌性材料
JPH05117111A (ja) 高分子電解質錯体抗菌剤及び抗菌性材料
JPWO1992009198A1 (ja) 高分子電解質錯体抗菌剤及び抗菌性材料
JPH05117106A (ja) 高分子電解質錯体抗菌剤及び抗菌性材料
Zemljič et al. Functionalization of polymer materials for medical applications using chitosan nanolayers
AU2013211460B2 (en) Chitosan-Derivative Compounds and Methods of Controlling Microbial Populations
EP1736178A1 (en) Multicomponent material comprising chitosan material and absorbent article containing the same
US12491284B2 (en) Antiseptic wound dressing
Singhaa et al. aDepartment of Textile Design, National Institute of Fashion Technology (NIFT), Ministry of Textile, Government of India, Patna, Bihar, India, bDepartment of Textile Technology, Dr. BR Ambedkar National Institute of Technology, Jalandhar, Punjab, India, cDepartment of Textile Technology, Uttar Pradesh Textile Technology Institute, Kanpur, Uttar Pradesh, India
CN112030555A (zh) 一种壳聚糖抗菌无纺布及其制备方法
BG112942A (bg) Полицвитерйонни хидрогелове за превръзки за лечение на хронични и некротични рани
HK1235804A1 (en) Chitosan-derivative compounds and methods of controlling microbial populations
Trombino et al. CELLULOSE AND ITS DERIVATIVES

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110322

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120322

Year of fee payment: 10