JP3125067B2 - 透明イットリア焼結体の製造方法 - Google Patents
透明イットリア焼結体の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、易焼結性微細酸化
イットリウム粉末の製造方法およびその粉末を用いた透
明焼結体の製造方法、さらに詳しくは、水酸化イットリ
ウムを仮焼して得た一次粒子が個々に分離した状態で存
在して、しかも粒度分布が狭い易焼結性酸化イットリウ
ム微細粉末の製造方法およびその粉末を用いる各種発光
管、レーザー材料、高温用の窓等に使用可能な透明焼結
体の製造方法に関する。
イットリウム粉末の製造方法およびその粉末を用いた透
明焼結体の製造方法、さらに詳しくは、水酸化イットリ
ウムを仮焼して得た一次粒子が個々に分離した状態で存
在して、しかも粒度分布が狭い易焼結性酸化イットリウ
ム微細粉末の製造方法およびその粉末を用いる各種発光
管、レーザー材料、高温用の窓等に使用可能な透明焼結
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化イットリウムは、現在、主に酸化ジ
ルコニウムの安定化剤として、あるいは窒化ケイ素、炭
化ケイ素、窒化アルミニウム等の緻密化促進剤等として
利用されている。しかしながら、酸化イットリウムの有
する融点が高く、透明で耐食性に優れている等の優れた
長所を生かした耐食・耐熱材料、レーザーのホスト材
料、高圧Na発光管等に適する酸化イットリウムを主成
分とした材料の開発が期待されている。高純度酸化イッ
トリウムの主な製造方法としては、シュウ酸塩熱分解
法、炭酸塩熱分解法、水酸化物熱分解法等がある。
これらの方法で得られた酸化イットリウム粉末が焼結用
の原料として用いられている。
ルコニウムの安定化剤として、あるいは窒化ケイ素、炭
化ケイ素、窒化アルミニウム等の緻密化促進剤等として
利用されている。しかしながら、酸化イットリウムの有
する融点が高く、透明で耐食性に優れている等の優れた
長所を生かした耐食・耐熱材料、レーザーのホスト材
料、高圧Na発光管等に適する酸化イットリウムを主成
分とした材料の開発が期待されている。高純度酸化イッ
トリウムの主な製造方法としては、シュウ酸塩熱分解
法、炭酸塩熱分解法、水酸化物熱分解法等がある。
これらの方法で得られた酸化イットリウム粉末が焼結用
の原料として用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は、それ
ぞれ長所と短所がある。現在、の方法が広く用いられ
ているが、その理由は、第1に、水溶液中でイットリウ
ムイオンがシュウ酸イオンと定量的に反応して、シュウ
酸イットリウムの沈殿となり、沈殿生成剤であるシュウ
酸を過剰に使用することなくイットリウムを完全に回収
できること、第2に、沈殿したシュウ酸イットリウム
は、結晶性の良い、ろ過に適当な大きさの粒状粒子であ
るので洗浄操作が容易で、高純度試料の製造に適してい
ること等による。しかしながら、該シュウ酸イットリウ
ムの母塩を仮焼すると無数の一次粒子が集合して母塩の
外形を残した形骸粒子を形成しやすく、焼結性は一般に
悪いという欠点があった。
ぞれ長所と短所がある。現在、の方法が広く用いられ
ているが、その理由は、第1に、水溶液中でイットリウ
ムイオンがシュウ酸イオンと定量的に反応して、シュウ
酸イットリウムの沈殿となり、沈殿生成剤であるシュウ
酸を過剰に使用することなくイットリウムを完全に回収
できること、第2に、沈殿したシュウ酸イットリウム
は、結晶性の良い、ろ過に適当な大きさの粒状粒子であ
るので洗浄操作が容易で、高純度試料の製造に適してい
ること等による。しかしながら、該シュウ酸イットリウ
ムの母塩を仮焼すると無数の一次粒子が集合して母塩の
外形を残した形骸粒子を形成しやすく、焼結性は一般に
悪いという欠点があった。
【0004】の方法も、イットリウムの収率を高める
ために沈殿生成剤を多量に用いると、の方法の場合と
同様に、仮焼して得られる酸化イットリウム粉末の焼結
性は悪いという欠点がある。また、の方法で易焼結性
粉末を製造するには、沈澱生成剤である炭酸アンモニウ
ムや炭酸水素アンモニウム等の量が制限され、約1/3
のイットリウムイオンがろ液に残り、収率が悪いという
欠点があった。生成直後のイットリウムの炭酸塩は非晶
質であり、熟成により結晶質の粒状粒子へと変化する。
の方法で易焼結性粉末を製造できたのは、この変化を
適切に利用して凝集の少ない沈殿の生成に成功した事に
よる。しかしながら、炭酸イットリウムの粒子形態は熟
成中に非常に変化するので、再現性良く目的の形態を有
する沈殿を製造することは難しい。特に、生産規模を変
える毎に多くの労力と時間をかけて適切な製造条件を見
つけだす必要があるという欠点があった。さらに、易焼
結性酸化イットリウムが得られる炭酸イットリウムの沈
殿粒子は微細であるので、ろ過性も悪いという欠点もあ
った。
ために沈殿生成剤を多量に用いると、の方法の場合と
同様に、仮焼して得られる酸化イットリウム粉末の焼結
性は悪いという欠点がある。また、の方法で易焼結性
粉末を製造するには、沈澱生成剤である炭酸アンモニウ
ムや炭酸水素アンモニウム等の量が制限され、約1/3
のイットリウムイオンがろ液に残り、収率が悪いという
欠点があった。生成直後のイットリウムの炭酸塩は非晶
質であり、熟成により結晶質の粒状粒子へと変化する。
の方法で易焼結性粉末を製造できたのは、この変化を
適切に利用して凝集の少ない沈殿の生成に成功した事に
よる。しかしながら、炭酸イットリウムの粒子形態は熟
成中に非常に変化するので、再現性良く目的の形態を有
する沈殿を製造することは難しい。特に、生産規模を変
える毎に多くの労力と時間をかけて適切な製造条件を見
つけだす必要があるという欠点があった。さらに、易焼
結性酸化イットリウムが得られる炭酸イットリウムの沈
殿粒子は微細であるので、ろ過性も悪いという欠点もあ
った。
【0005】の方法では、水酸化イットリウム沈殿を
適切に生成すると理論密度の99.4%の焼結体を製造
できる(Ceramics International,vo1.9,p59(1983))こ
とが報告されている。しかしながら、従来の方法で生成
した水酸化イットリウムの沈殿はゼリー状になり、沈殿
の洗浄を繰り返すと、ろ過性が悪化して洗浄が急速に困
難になるという欠点があった。また、脆弱な乾燥体を得
るには特殊な乾燥方法を見いだす必要があった。
適切に生成すると理論密度の99.4%の焼結体を製造
できる(Ceramics International,vo1.9,p59(1983))こ
とが報告されている。しかしながら、従来の方法で生成
した水酸化イットリウムの沈殿はゼリー状になり、沈殿
の洗浄を繰り返すと、ろ過性が悪化して洗浄が急速に困
難になるという欠点があった。また、脆弱な乾燥体を得
るには特殊な乾燥方法を見いだす必要があった。
【0006】の方法ばかりでなく、の方法でも、易
焼結性酸化イットリウム粉末を製造するには、沈殿の生
成条件を厳密に制御する必要がある。制御が不適切であ
ると、乾燥した沈殿は硬い塊となり、焼結性が悪い。水
酸化イットリウムの硬い塊をほぐす目的で、有機溶剤を
利用した超微細酸化イットリウム粉体の製造方法(特開
昭58−223619号公報)が開発された。この有機
溶剤分散法は、炭酸イットリウムの場合も有効(特願平
3−100541、特開平4−310516号公報)で
ある。該有機溶剤分散法により、生成条件を厳密に制御
することなく、個々の一次粒子に分散した粉末を合成で
きるようになった。しかしながら、水酸化イットリウム
沈殿の場合、沈殿の状態によっては、有機溶剤で分散処
理を行っても有機溶剤を蒸発させた後の粉末の塊は、か
なり硬い場合があった。
焼結性酸化イットリウム粉末を製造するには、沈殿の生
成条件を厳密に制御する必要がある。制御が不適切であ
ると、乾燥した沈殿は硬い塊となり、焼結性が悪い。水
酸化イットリウムの硬い塊をほぐす目的で、有機溶剤を
利用した超微細酸化イットリウム粉体の製造方法(特開
昭58−223619号公報)が開発された。この有機
溶剤分散法は、炭酸イットリウムの場合も有効(特願平
3−100541、特開平4−310516号公報)で
ある。該有機溶剤分散法により、生成条件を厳密に制御
することなく、個々の一次粒子に分散した粉末を合成で
きるようになった。しかしながら、水酸化イットリウム
沈殿の場合、沈殿の状態によっては、有機溶剤で分散処
理を行っても有機溶剤を蒸発させた後の粉末の塊は、か
なり硬い場合があった。
【0007】本発明者らは、硫酸イオンが沈殿の嵩高い
フロック構造を安定化して、乾燥中に水分が抜け出てい
くときに起こる粒子の再配列による緻密で硬い凝集粒子
の形成を抑制する効果を発見した。この効果と有機溶剤
の効果を相乗的に利用した、凝集が非常に脆弱な粉末の
製造法を開発(特願平8−24687、特開平9−19
4203号公報)した。有機溶剤は、粒子の凝集を抑制
する有効な働きを有するが、環境に良くない化合物が多
く、可燃物であるので注意して取り扱う必要がある等の
欠点があった。炭酸イットリウムは、水酸化イットリウ
ムに比べて水洗や乾燥時に起こる粒子の再配列は、それ
ほど顕著でなく、有機溶剤分散処理を施さなくても、硬
い凝集粒子を生成することは比較的少ない。しかしなが
ら、透明焼結体のように焼結で気孔を完全に取り除く必
要がある場合、比較的脆弱な凝集でも好ましくない。
フロック構造を安定化して、乾燥中に水分が抜け出てい
くときに起こる粒子の再配列による緻密で硬い凝集粒子
の形成を抑制する効果を発見した。この効果と有機溶剤
の効果を相乗的に利用した、凝集が非常に脆弱な粉末の
製造法を開発(特願平8−24687、特開平9−19
4203号公報)した。有機溶剤は、粒子の凝集を抑制
する有効な働きを有するが、環境に良くない化合物が多
く、可燃物であるので注意して取り扱う必要がある等の
欠点があった。炭酸イットリウムは、水酸化イットリウ
ムに比べて水洗や乾燥時に起こる粒子の再配列は、それ
ほど顕著でなく、有機溶剤分散処理を施さなくても、硬
い凝集粒子を生成することは比較的少ない。しかしなが
ら、透明焼結体のように焼結で気孔を完全に取り除く必
要がある場合、比較的脆弱な凝集でも好ましくない。
【0008】本発明者らは、硫酸イオンが炭酸イットリ
ウム沈殿の嵩高いフロック構造を安定化する効果を利用
すると、洗浄効果が一段と向上し、硝酸イオンを完全に
除去することで凝集を防止できることを発見した。この
効果を利用して、炭酸イットリウム由来酸化イットリウ
ム焼結体の透明度をさらに良くすること(特願平9−2
02117)に成功した。しかしながら、硫酸イオンの
効果は、それほど大きくなく、透明焼結体を安定して製
造するには、の製造方法の問題点として既に指摘した
欠点、すなわち収率を犠牲にして4〜5のpHで沈殿を
生成した後、さらに長時間の熟成が必要であった。
ウム沈殿の嵩高いフロック構造を安定化する効果を利用
すると、洗浄効果が一段と向上し、硝酸イオンを完全に
除去することで凝集を防止できることを発見した。この
効果を利用して、炭酸イットリウム由来酸化イットリウ
ム焼結体の透明度をさらに良くすること(特願平9−2
02117)に成功した。しかしながら、硫酸イオンの
効果は、それほど大きくなく、透明焼結体を安定して製
造するには、の製造方法の問題点として既に指摘した
欠点、すなわち収率を犠牲にして4〜5のpHで沈殿を
生成した後、さらに長時間の熟成が必要であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、薄片
状の粒子が互いに粒子の卓面と端面が接合した状態で
「カードハウス」構造状に凝集した粒子(図1に、この
粒子の走査電子顕微鏡《SEM》写真を示す。以下、こ
の凝集粒子をカードハウス状の凝集粒子という。)を生
成すると、洗浄が容易で収率良く易焼結性酸化イットリ
ウム粉末を製造できること、さらに該水酸化イットリウ
ムに硫酸イオンを添加して仮焼した粉末を用いると透明
度に優れた焼結体を製造できることを見いだした。な
お、「カードハウス」という用語は、例えば、粘土粒子
の凝集状態を示す用語であり、正の端面と負の層面とが
結合した場合に形成される嵩高い凝集体をカードハウス
構造と呼んでいる(前野昌弘著『粘土の科学』第55〜
56頁、日刊工業新聞社)。また、走査電子顕微鏡写真
で見たセラミックス焼結体の六角板状水和物がばらの花
状に集合した構造等を示す用語としても用いられている
(『セラミックス』1976年、7月号、日本セラミッ
クス協会出版)。本発明においては、これらと同様な意
味で「カードハウス」という用語を使用する。
従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、薄片
状の粒子が互いに粒子の卓面と端面が接合した状態で
「カードハウス」構造状に凝集した粒子(図1に、この
粒子の走査電子顕微鏡《SEM》写真を示す。以下、こ
の凝集粒子をカードハウス状の凝集粒子という。)を生
成すると、洗浄が容易で収率良く易焼結性酸化イットリ
ウム粉末を製造できること、さらに該水酸化イットリウ
ムに硫酸イオンを添加して仮焼した粉末を用いると透明
度に優れた焼結体を製造できることを見いだした。な
お、「カードハウス」という用語は、例えば、粘土粒子
の凝集状態を示す用語であり、正の端面と負の層面とが
結合した場合に形成される嵩高い凝集体をカードハウス
構造と呼んでいる(前野昌弘著『粘土の科学』第55〜
56頁、日刊工業新聞社)。また、走査電子顕微鏡写真
で見たセラミックス焼結体の六角板状水和物がばらの花
状に集合した構造等を示す用語としても用いられている
(『セラミックス』1976年、7月号、日本セラミッ
クス協会出版)。本発明においては、これらと同様な意
味で「カードハウス」という用語を使用する。
【0010】すなわち、本発明は、30℃よりも低い温
度で、0.02モル/リットル以上2モル/リットル以
下の濃度のイットリウム塩を含む溶液に塩基剤を加え
て、厚さが20nm以下の多数の薄片状粒子が、互いに
卓面と端面をカードハウス状に接合した状態で凝集した
直径が0.5μm以上の凝集粒子である水酸化イットリ
ウムを生成し、該水酸化イットリウムにイットリウムイ
オンの量に対して10-3倍から1倍の硫酸イオンに相当
する硫酸イオンを含む化合物を添加し、添加し終った時
点でpH5以上であり、この凝集粒子を900℃以上で
仮焼して一次粒子の平均粒径が30nm以上500nm
以下の範囲にある粉末を形成することを特徴とする易焼
結性酸化イットリウム粉末の製造方法である。この方法
により、乾燥後の水酸化イットリウム粉末に沈殿反応で
生じた嵩高いフロックの形態を残していることと、仮焼
に際して進行する異常な粒成長を硫酸イオンで抑制し
て、粒子が個々に分離していて粒度分布が狭い微細酸化
イットリウム粉末を製造できる。 また、本発明は、上
記製造方法で製造した酸化イットリウム微粉末を成形し
た後、窒素原子やアルゴン原子のように酸化イットリウ
ム中を実質的に拡散できない一種または二種以上の原子
のガスの分圧の合計が1/3気圧以下の雰囲気で、15
00℃以上2000℃以下の温度で焼成することを特徴
とする酸化イットリウム透明焼結体の製造方法に関す
る。
度で、0.02モル/リットル以上2モル/リットル以
下の濃度のイットリウム塩を含む溶液に塩基剤を加え
て、厚さが20nm以下の多数の薄片状粒子が、互いに
卓面と端面をカードハウス状に接合した状態で凝集した
直径が0.5μm以上の凝集粒子である水酸化イットリ
ウムを生成し、該水酸化イットリウムにイットリウムイ
オンの量に対して10-3倍から1倍の硫酸イオンに相当
する硫酸イオンを含む化合物を添加し、添加し終った時
点でpH5以上であり、この凝集粒子を900℃以上で
仮焼して一次粒子の平均粒径が30nm以上500nm
以下の範囲にある粉末を形成することを特徴とする易焼
結性酸化イットリウム粉末の製造方法である。この方法
により、乾燥後の水酸化イットリウム粉末に沈殿反応で
生じた嵩高いフロックの形態を残していることと、仮焼
に際して進行する異常な粒成長を硫酸イオンで抑制し
て、粒子が個々に分離していて粒度分布が狭い微細酸化
イットリウム粉末を製造できる。 また、本発明は、上
記製造方法で製造した酸化イットリウム微粉末を成形し
た後、窒素原子やアルゴン原子のように酸化イットリウ
ム中を実質的に拡散できない一種または二種以上の原子
のガスの分圧の合計が1/3気圧以下の雰囲気で、15
00℃以上2000℃以下の温度で焼成することを特徴
とする酸化イットリウム透明焼結体の製造方法に関す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】<A>原料のイットリウム塩 本発明で使用されるイットリウム塩として、硝酸イット
リウム、塩化イットリウム、臭化イットリウム、ヨウ化
イットリウム、酢酸イットリウム、過塩素酸イットリウ
ム等が例示されるが、水や有機溶剤等の液体に溶解する
イットリウム化合物であれば、特に制限はなく、それら
を単独でも複数の塩を混合して用いても良い。本発明に
おいて、イットリウム塩の濃度は0.02モル/リット
ル以上、2モル/リットル以下が好ましく、0.05モ
ル/リットル以上、1モル/リットル以下が特に好まし
い。イットリウム塩の濃度が0.02モル/リットル以
下であっても、逆に2モル/リットル以上であっても、
沈殿はゼリー状になり、カードハウス状の嵩高い沈殿を
生成できないので沈殿を乾燥すると比較的に硬い塊とな
り、アルミナ乳鉢等の手段を用いて十分に粉砕しても仮
焼後には凝集粒子が残るので好ましくない。
リウム、塩化イットリウム、臭化イットリウム、ヨウ化
イットリウム、酢酸イットリウム、過塩素酸イットリウ
ム等が例示されるが、水や有機溶剤等の液体に溶解する
イットリウム化合物であれば、特に制限はなく、それら
を単独でも複数の塩を混合して用いても良い。本発明に
おいて、イットリウム塩の濃度は0.02モル/リット
ル以上、2モル/リットル以下が好ましく、0.05モ
ル/リットル以上、1モル/リットル以下が特に好まし
い。イットリウム塩の濃度が0.02モル/リットル以
下であっても、逆に2モル/リットル以上であっても、
沈殿はゼリー状になり、カードハウス状の嵩高い沈殿を
生成できないので沈殿を乾燥すると比較的に硬い塊とな
り、アルミナ乳鉢等の手段を用いて十分に粉砕しても仮
焼後には凝集粒子が残るので好ましくない。
【0012】<B>塩基剤 本発明で使用される水酸化物系沈澱の生成用の塩基剤と
して、アンモニア、苛性ソーダ、または苛性カリ等の無
機系の塩基剤、ジエチルアミン、エチルアミン、トリエ
チルアミン、ブチルアミン、またはテトラメチルグアジ
ニン等の有機系の塩基剤が例示されるが、イットリウム
塩と反応して水酸化イットリウムの沈殿を生成する化学
物質であるならば、特に制限はない。しかしながら、無
機系の苛性ソーダや苛性カリを使用した場合、酸化イッ
トリウム焼結体の高温強度や耐食性を低下させるソーダ
やカリ等が沈殿に残るので、水酸化イットリウムを生成
した後に十分に洗浄する必要がある。一方、有機系の塩
基剤は高価であるので、製品が高くなり、あまり好まし
くない。これらの塩基剤の濃度は、飽和溶液を上限とす
る任意の濃度でよいが、溶媒1リットルに0.05〜3
モル程度が好ましい。上記の塩基剤を金属イオンと反応
させるとき、それらの塩基剤を溶かした溶液をイットリ
ウムイオンを含む溶液に加えてもよいし、溶媒に溶解す
ることなく直接イットリウムイオンを含む溶液に加えて
もよい。
して、アンモニア、苛性ソーダ、または苛性カリ等の無
機系の塩基剤、ジエチルアミン、エチルアミン、トリエ
チルアミン、ブチルアミン、またはテトラメチルグアジ
ニン等の有機系の塩基剤が例示されるが、イットリウム
塩と反応して水酸化イットリウムの沈殿を生成する化学
物質であるならば、特に制限はない。しかしながら、無
機系の苛性ソーダや苛性カリを使用した場合、酸化イッ
トリウム焼結体の高温強度や耐食性を低下させるソーダ
やカリ等が沈殿に残るので、水酸化イットリウムを生成
した後に十分に洗浄する必要がある。一方、有機系の塩
基剤は高価であるので、製品が高くなり、あまり好まし
くない。これらの塩基剤の濃度は、飽和溶液を上限とす
る任意の濃度でよいが、溶媒1リットルに0.05〜3
モル程度が好ましい。上記の塩基剤を金属イオンと反応
させるとき、それらの塩基剤を溶かした溶液をイットリ
ウムイオンを含む溶液に加えてもよいし、溶媒に溶解す
ることなく直接イットリウムイオンを含む溶液に加えて
もよい。
【0013】本発明では、水溶液反応で水酸化イットリ
ウムの沈殿を製造する場合、イットリウム塩を含む溶液
に塩基剤を加えることが好ましい。逆に、塩基剤にイッ
トリウム塩を加えると、ゼリー状の沈殿となり本発明の
特徴であるカードハウス状の沈殿を生成することはでき
ないので好ましくない。有機溶剤を溶媒として用いる場
合、塩基剤の溶液にイットリウム塩の溶液を加えても、
あるいは逆に加えても沈殿はゼリー状にならないので、
好ましい結果が得られる。
ウムの沈殿を製造する場合、イットリウム塩を含む溶液
に塩基剤を加えることが好ましい。逆に、塩基剤にイッ
トリウム塩を加えると、ゼリー状の沈殿となり本発明の
特徴であるカードハウス状の沈殿を生成することはでき
ないので好ましくない。有機溶剤を溶媒として用いる場
合、塩基剤の溶液にイットリウム塩の溶液を加えても、
あるいは逆に加えても沈殿はゼリー状にならないので、
好ましい結果が得られる。
【0014】本発明で使用する塩基剤の量が少ないと、
水酸化イットリウムとして沈殿する量が少ない。この場
合、最終的に得られる酸化イットリウム焼結体の透明度
という点では特に問題はないが、収率が低いという点で
好ましくない。一方、該塩基剤を大量に使用しても、収
率は100%以上にならないので、沈殿生成後にpHが
10以上を越えるほど多量に塩基剤を加える必要はな
い。
水酸化イットリウムとして沈殿する量が少ない。この場
合、最終的に得られる酸化イットリウム焼結体の透明度
という点では特に問題はないが、収率が低いという点で
好ましくない。一方、該塩基剤を大量に使用しても、収
率は100%以上にならないので、沈殿生成後にpHが
10以上を越えるほど多量に塩基剤を加える必要はな
い。
【0015】<C>水酸化イットリウムの組成 金属イオンと水酸基(OH-)のみの組成を有する水酸
化イットリウムを生成することは非常に困難で、水酸基
と同時にイットリウム塩の陰イオン等の一部も取り込ま
れる。例えば、塩化イットリウム水溶液にアンモニア水
を加えるとYCl(OH)2のようにClが共存する。
しかしながら、沈殿の性状は、他の金属の水酸化物のそ
れに近い。本発明における水酸化イットリウムは、イッ
トリウム塩の溶液に塩基剤を加えて生成した水酸基を含
む化合物であり、イットリウムイオンや水酸基と同時に
他の化学種が共存してもよい。
化イットリウムを生成することは非常に困難で、水酸基
と同時にイットリウム塩の陰イオン等の一部も取り込ま
れる。例えば、塩化イットリウム水溶液にアンモニア水
を加えるとYCl(OH)2のようにClが共存する。
しかしながら、沈殿の性状は、他の金属の水酸化物のそ
れに近い。本発明における水酸化イットリウムは、イッ
トリウム塩の溶液に塩基剤を加えて生成した水酸基を含
む化合物であり、イットリウムイオンや水酸基と同時に
他の化学種が共存してもよい。
【0016】<D>沈殿の生成温度と沈殿の粒子形態 本発明では、イットリウム塩と塩基剤との反応は30℃
以下の温度で行う必要がある。溶液の融点から25℃以
下が好ましく、5℃から20℃の範囲が特に好ましい。
温度が液体の凝固点に近くても、カードハウス状の凝集
粒子を得ることはできるが、温度制御が難しくなるとい
う欠点がある。一方、30℃以上で沈殿生成反応を行う
と、薄片状粒子に比べて厚さが厚い板状の粒子(図3、
有機溶剤に分散し、乾燥して得た水酸化イットリウムの
SEM写真参照)となる。板状粒子の卓面と端面の接合
は弱く、板状粒子の沈殿を水で洗浄すると、粒子の再配
列が進み、乾燥すると硬い凝集粒子ができる。本発明に
おける薄片状の水酸化イットリウム粒子とは、厚さが2
0nm以下の花弁状の薄片である。該薄片の卓面とは、
粒子面の中で面積が特に広い向かいあった2つの面のこ
とを指す。また、端面とは卓面以外の粒子面を指し、そ
の幅は20nm以下である。
以下の温度で行う必要がある。溶液の融点から25℃以
下が好ましく、5℃から20℃の範囲が特に好ましい。
温度が液体の凝固点に近くても、カードハウス状の凝集
粒子を得ることはできるが、温度制御が難しくなるとい
う欠点がある。一方、30℃以上で沈殿生成反応を行う
と、薄片状粒子に比べて厚さが厚い板状の粒子(図3、
有機溶剤に分散し、乾燥して得た水酸化イットリウムの
SEM写真参照)となる。板状粒子の卓面と端面の接合
は弱く、板状粒子の沈殿を水で洗浄すると、粒子の再配
列が進み、乾燥すると硬い凝集粒子ができる。本発明に
おける薄片状の水酸化イットリウム粒子とは、厚さが2
0nm以下の花弁状の薄片である。該薄片の卓面とは、
粒子面の中で面積が特に広い向かいあった2つの面のこ
とを指す。また、端面とは卓面以外の粒子面を指し、そ
の幅は20nm以下である。
【0017】本発明における「薄片状の粒子が互いに粒
子の卓面と端面がカードハウス状に接合した状態で凝集
した」とは、薄片状粒子の卓面と端面の接合が圧倒的に
多く、卓面と卓面の接合の頻度が実質上無視できる複数
の薄片状粒子の凝集をいう。該凝集粒子のカードハウス
状の構造は洗浄を繰り返しても実質的に崩壊しない。こ
のため洗浄を繰り返しても、ろ過直前の凝集状態をそれ
ほど崩壊しないので、該凝集粒子間に大きな隙間がで
き、ろ過が早い。またカードハウス状の凝集粒子は嵩高
く該粒子内には相対的に大きな隙間があるので、その隙
間に存在する硝酸イオンやアンモニウムイオン等の不純
物イオンも容易に移動でき、ろ過速度が速いと同時に洗
浄効果も大きいという特徴がある。水酸化イットリウム
の生成が不適切であると、カードハウス状の構造で集合
した粒子であっても、粒度が0.5μm以下になること
がある。この場合、ろ過性が悪いと同時に、仮焼後に得
られる酸化イットリウムの粉末は、硬い凝集粒子の集合
体となり、焼結性が悪いので好ましくない。
子の卓面と端面がカードハウス状に接合した状態で凝集
した」とは、薄片状粒子の卓面と端面の接合が圧倒的に
多く、卓面と卓面の接合の頻度が実質上無視できる複数
の薄片状粒子の凝集をいう。該凝集粒子のカードハウス
状の構造は洗浄を繰り返しても実質的に崩壊しない。こ
のため洗浄を繰り返しても、ろ過直前の凝集状態をそれ
ほど崩壊しないので、該凝集粒子間に大きな隙間がで
き、ろ過が早い。またカードハウス状の凝集粒子は嵩高
く該粒子内には相対的に大きな隙間があるので、その隙
間に存在する硝酸イオンやアンモニウムイオン等の不純
物イオンも容易に移動でき、ろ過速度が速いと同時に洗
浄効果も大きいという特徴がある。水酸化イットリウム
の生成が不適切であると、カードハウス状の構造で集合
した粒子であっても、粒度が0.5μm以下になること
がある。この場合、ろ過性が悪いと同時に、仮焼後に得
られる酸化イットリウムの粉末は、硬い凝集粒子の集合
体となり、焼結性が悪いので好ましくない。
【0018】該カードハウス状に凝集した水酸化イット
リウムを熱分解すると、薄片状の水酸化イットリウム粒
子中に微細な酸化イットリウム粒子が2次元的に連なっ
て出現する。仮焼温度を高くすると、酸化イットリウム
の微粒子は粒成長する。本発明の方法で調製した水酸化
イットリウムを1100℃で3時間仮焼して得た酸化イ
ットリウム粉末のSEM像を図2に示す。同図から、相
対的に小さいサイコロ状の粒子と大きな粒状粒子が混在
することがわかる。酸化イットリウムの結晶構造は、N
aClやMgOのように立方晶であるので、表面エネル
ギーは(100)面が最も小さい。粒子表面が(00
1)面のみであると、粒子はサイコロ状になる。図2の
サイコロ状粒子の形状は表面エネルギーの視点から妥当
である。また、同図の相対的に大きい粒状粒子は、多数
のサイコロ状の粒子が面と面で接触した集団から生じた
ものと考えられる。
リウムを熱分解すると、薄片状の水酸化イットリウム粒
子中に微細な酸化イットリウム粒子が2次元的に連なっ
て出現する。仮焼温度を高くすると、酸化イットリウム
の微粒子は粒成長する。本発明の方法で調製した水酸化
イットリウムを1100℃で3時間仮焼して得た酸化イ
ットリウム粉末のSEM像を図2に示す。同図から、相
対的に小さいサイコロ状の粒子と大きな粒状粒子が混在
することがわかる。酸化イットリウムの結晶構造は、N
aClやMgOのように立方晶であるので、表面エネル
ギーは(100)面が最も小さい。粒子表面が(00
1)面のみであると、粒子はサイコロ状になる。図2の
サイコロ状粒子の形状は表面エネルギーの視点から妥当
である。また、同図の相対的に大きい粒状粒子は、多数
のサイコロ状の粒子が面と面で接触した集団から生じた
ものと考えられる。
【0019】従来法で製造した水酸化イットリウム粒子
の凝集状態は、洗浄による粒子の再配列で洗浄前のフロ
ック状態から緻密に積層した状態に変化する。この再配
列で粒子間の間隔が狭くなり、ろ過に要する時間が急激
に増加する。それと同時に、ろ過後の試料を乾燥すると
緻密で硬い凝集粒子ができる。この水酸化イットリウム
を仮焼すると、該凝集粒子の大きさをほぼ保った酸化イ
ットリウムの緻密で強固な焼結性の悪い凝集粒子ができ
る。これに対して、カードハウス状の粒子には内部に大
きな空隙があるので、仮焼により水酸化イットリウムの
凝集粒子は崩壊する。仮焼中に凝集粒子を形成する多数
の酸化イットリウム粒子も存在するが、その凝集粒子の
大きさは、水酸化イットリウムの凝集粒子の大きさより
もはるかに小さい。その結果、従来の湿式法よりも、本
発明の方法で生成できるカードハウス状の水酸化イット
リウムを仮焼する方が、得られた酸化イットリウム粉末
の生嵩密度が大きく、しかも焼結性がよい。
の凝集状態は、洗浄による粒子の再配列で洗浄前のフロ
ック状態から緻密に積層した状態に変化する。この再配
列で粒子間の間隔が狭くなり、ろ過に要する時間が急激
に増加する。それと同時に、ろ過後の試料を乾燥すると
緻密で硬い凝集粒子ができる。この水酸化イットリウム
を仮焼すると、該凝集粒子の大きさをほぼ保った酸化イ
ットリウムの緻密で強固な焼結性の悪い凝集粒子ができ
る。これに対して、カードハウス状の粒子には内部に大
きな空隙があるので、仮焼により水酸化イットリウムの
凝集粒子は崩壊する。仮焼中に凝集粒子を形成する多数
の酸化イットリウム粒子も存在するが、その凝集粒子の
大きさは、水酸化イットリウムの凝集粒子の大きさより
もはるかに小さい。その結果、従来の湿式法よりも、本
発明の方法で生成できるカードハウス状の水酸化イット
リウムを仮焼する方が、得られた酸化イットリウム粉末
の生嵩密度が大きく、しかも焼結性がよい。
【0020】<E>溶媒の種類 カードハウス状の水酸化イットリウムを熱分解・仮焼す
ると、比較的粒度が揃った焼結性に優れた粉末が得られ
る。たとえ、水溶液反応以外の方法で製造した水酸化イ
ットリウムでも、カードハウス状の形状をしていれば、
好ましい結果が得られる。例えば、水溶液のかわりに有
機溶剤あるいは有機溶剤と水溶液の混合溶液を用いて
も、本発明で特徴づけられる好ましい嵩高い水酸化イッ
トリウムを製造できる。しかしながら、有機溶剤は水よ
りも高価であるので、超高純度水酸化イットリウムを製
造する等の特殊な目的以外は実用的でない。
ると、比較的粒度が揃った焼結性に優れた粉末が得られ
る。たとえ、水溶液反応以外の方法で製造した水酸化イ
ットリウムでも、カードハウス状の形状をしていれば、
好ましい結果が得られる。例えば、水溶液のかわりに有
機溶剤あるいは有機溶剤と水溶液の混合溶液を用いて
も、本発明で特徴づけられる好ましい嵩高い水酸化イッ
トリウムを製造できる。しかしながら、有機溶剤は水よ
りも高価であるので、超高純度水酸化イットリウムを製
造する等の特殊な目的以外は実用的でない。
【0021】<F>硫酸イオンの効果 本発明における硫酸イオンを含む化合物とは、硫酸、硫
酸イットリウム(Y2(SO4)3)ばかりでなく、硫酸
アンモニウム((NH4)2SO4)、硫酸水素アンモニ
ウム(NH4HSO4)、亜硫酸アンモニウム((N
H4)2SO3)、または亜硫酸水素アンモニウム(NH4
HSO3)等の硫酸イオンや亜硫酸イオンを含むアンモ
ニウム塩、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸水素ナ
トリウム(NaHSO4)、亜硫酸ナトリウム(Na2S
O3)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、硫酸カ
リウム(K2SO4)、硫酸水素カリウム(KHS
O4)、亜硫酸カリウム(K2SO3)、または亜硫酸水
素カリウム(KHSO3)等の硫酸イオンや亜硫酸イオ
ンのアルカリ金属塩等で例示される化合物である。これ
らの化合物の中で、アルカリ金属類は、微量でも酸化イ
ットリウム焼結体の高温強度や耐食性を低下させるの
で、アルカリ金属塩を添加した場合は、十分に洗浄する
必要がある。硫酸や硫酸イットリウムを添加する場合、
それらの化合物を加え終わった時点で、pHは5以上に
なるように予め溶液に塩基剤を十分に加えておく必要が
ある。
酸イットリウム(Y2(SO4)3)ばかりでなく、硫酸
アンモニウム((NH4)2SO4)、硫酸水素アンモニ
ウム(NH4HSO4)、亜硫酸アンモニウム((N
H4)2SO3)、または亜硫酸水素アンモニウム(NH4
HSO3)等の硫酸イオンや亜硫酸イオンを含むアンモ
ニウム塩、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸水素ナ
トリウム(NaHSO4)、亜硫酸ナトリウム(Na2S
O3)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、硫酸カ
リウム(K2SO4)、硫酸水素カリウム(KHS
O4)、亜硫酸カリウム(K2SO3)、または亜硫酸水
素カリウム(KHSO3)等の硫酸イオンや亜硫酸イオ
ンのアルカリ金属塩等で例示される化合物である。これ
らの化合物の中で、アルカリ金属類は、微量でも酸化イ
ットリウム焼結体の高温強度や耐食性を低下させるの
で、アルカリ金属塩を添加した場合は、十分に洗浄する
必要がある。硫酸や硫酸イットリウムを添加する場合、
それらの化合物を加え終わった時点で、pHは5以上に
なるように予め溶液に塩基剤を十分に加えておく必要が
ある。
【0022】板状の水酸化イットリウムの沈殿(特開平
9−194203号公報)や粒状の炭酸イットリウムの
沈殿(特願平9−202117)の場合、硫酸イオン
は、沈殿のフロック構造を安定化させて洗浄中に起こる
沈殿粒子の再配列を防止するために添加する。一方、該
水酸化イットリウム粒子のカードハウス状の構造は、硫
酸イオン添加の有無に関わらず、水洗を繰り返しても、
また乾燥してもほとんど変化しない。このため、洗浄中
に起こる粒子の再配列を防止する目的で硫酸イオンを該
水酸化イットリウムに添加する必要はない。硫酸イオン
無添加の酸化イットリウムの相対的に小さい粒子は6面
体である(図2参照)。一方、硫酸イオンを添加する
と、図4に示すように6面体よりも面の数が多く、粒子
の角もより丸みを帯びていて、相対的に球に近い多面体
になる。また、それと同時に、図2に示されるような相
対的に異常に大きい粒子は、ほとんど認められなくな
る。
9−194203号公報)や粒状の炭酸イットリウムの
沈殿(特願平9−202117)の場合、硫酸イオン
は、沈殿のフロック構造を安定化させて洗浄中に起こる
沈殿粒子の再配列を防止するために添加する。一方、該
水酸化イットリウム粒子のカードハウス状の構造は、硫
酸イオン添加の有無に関わらず、水洗を繰り返しても、
また乾燥してもほとんど変化しない。このため、洗浄中
に起こる粒子の再配列を防止する目的で硫酸イオンを該
水酸化イットリウムに添加する必要はない。硫酸イオン
無添加の酸化イットリウムの相対的に小さい粒子は6面
体である(図2参照)。一方、硫酸イオンを添加する
と、図4に示すように6面体よりも面の数が多く、粒子
の角もより丸みを帯びていて、相対的に球に近い多面体
になる。また、それと同時に、図2に示されるような相
対的に異常に大きい粒子は、ほとんど認められなくな
る。
【0023】球は、液体やガラス等のように表面が等方
的な場合にできる。このことは、上記の多面体粒子の出
現は、硫酸イオンが酸化イットリウムの表面の異方性を
低下させて、(100)面以外の結晶面も出現できるよ
うになったことを意味する。本発明における硫酸イオン
は、酸化イットリウムの表面の異方的な性質をより等方
的な性質に変える目的と、異常に大きい粒子の出現を抑
制する目的のために添加する。
的な場合にできる。このことは、上記の多面体粒子の出
現は、硫酸イオンが酸化イットリウムの表面の異方性を
低下させて、(100)面以外の結晶面も出現できるよ
うになったことを意味する。本発明における硫酸イオン
は、酸化イットリウムの表面の異方的な性質をより等方
的な性質に変える目的と、異常に大きい粒子の出現を抑
制する目的のために添加する。
【0024】一般に、緻密に焼結するには、粒子分布を
狭くすると同時に粒子を均一に充填することと、粒子表
面の性質を等方的(J.Am.Ceram.Soc.,vol.67,p.174-78
(1984))にする必要がある。すなわち、硫酸イオンを添
加したカードハウス状の水酸化イットリウムを仮焼する
と、該焼結理論が教えるとおりの易焼結性酸化イットリ
ウム粉末を得ることができる。
狭くすると同時に粒子を均一に充填することと、粒子表
面の性質を等方的(J.Am.Ceram.Soc.,vol.67,p.174-78
(1984))にする必要がある。すなわち、硫酸イオンを添
加したカードハウス状の水酸化イットリウムを仮焼する
と、該焼結理論が教えるとおりの易焼結性酸化イットリ
ウム粉末を得ることができる。
【0025】水酸化イットリウムが板状粒子の場合、こ
の硫酸イオンの添加効果は小さい。一方、シュウ酸イッ
トリウムの場合や酸化イットリウムの場合は、該添加効
果はほとんど認められない。炭酸イットリウムの場合
は、沈殿の生成直後にできる非晶質粒子や収率を上げる
ために高いpHで生成した炭酸イットリウムに対しては
硫酸イオンの効果は認められない。すなわち、硫酸イオ
ンの該効果を発揮させて酸化イットリウム透明焼結体を
製造するには、母塩の形状を厳密に制御する必要があっ
た。
の硫酸イオンの添加効果は小さい。一方、シュウ酸イッ
トリウムの場合や酸化イットリウムの場合は、該添加効
果はほとんど認められない。炭酸イットリウムの場合
は、沈殿の生成直後にできる非晶質粒子や収率を上げる
ために高いpHで生成した炭酸イットリウムに対しては
硫酸イオンの効果は認められない。すなわち、硫酸イオ
ンの該効果を発揮させて酸化イットリウム透明焼結体を
製造するには、母塩の形状を厳密に制御する必要があっ
た。
【0026】硫酸化合物は、イットリウムに対して0.
001から1倍の硫酸イオンに相当する量を添加するこ
とが好ましいが、0.002から0.5倍量が特に好ま
しい。硫酸イオンの量が1倍量以上であると、乾燥後の
水酸化イットリウム沈殿は、硬い塊となり、仮焼して得
られた酸化イットリウムは、緻密で強固な凝集粒子にな
り、焼結性が低下する。一方、0.001以下である
と、硫酸イオンの添加効果は小さい。硫酸イオンを含む
化合物を、予めイットリウム塩が溶解した溶液に加えて
いても、本発明の特徴は発現するが、水酸化イットリウ
ムの沈殿を生成した後に添加すると、より好ましい。ま
た、硫酸イオンを含む化合物を溶解させた洗浄水で沈殿
を洗っても、硫酸イオンは沈殿に強く吸着して沈殿に残
るので好ましい結果を得ることができる。
001から1倍の硫酸イオンに相当する量を添加するこ
とが好ましいが、0.002から0.5倍量が特に好ま
しい。硫酸イオンの量が1倍量以上であると、乾燥後の
水酸化イットリウム沈殿は、硬い塊となり、仮焼して得
られた酸化イットリウムは、緻密で強固な凝集粒子にな
り、焼結性が低下する。一方、0.001以下である
と、硫酸イオンの添加効果は小さい。硫酸イオンを含む
化合物を、予めイットリウム塩が溶解した溶液に加えて
いても、本発明の特徴は発現するが、水酸化イットリウ
ムの沈殿を生成した後に添加すると、より好ましい。ま
た、硫酸イオンを含む化合物を溶解させた洗浄水で沈殿
を洗っても、硫酸イオンは沈殿に強く吸着して沈殿に残
るので好ましい結果を得ることができる。
【0027】<G>仮焼 本発明において、易焼結性粉末の製造という視点では、
一次粒子の平均粒径は30nm以上で500nm以下の
範囲にある酸化イットリウム粉末を製造する必要があ
る。この条件を満足させるには、水酸化イットリウム
は、900℃以上で仮焼する必要があり、1050℃か
ら1250℃の範囲が特に好ましい。仮焼温度が低いと
平均粒径が30nm以上の粉末を製造するために長時間
仮焼する必要がある。例えば、仮焼温度が900℃では
最低4時間以上仮焼する必要がある。一方、1400℃
のように温度が高い場合には、仮焼時間は1時間以内に
制限する必要がある。
一次粒子の平均粒径は30nm以上で500nm以下の
範囲にある酸化イットリウム粉末を製造する必要があ
る。この条件を満足させるには、水酸化イットリウム
は、900℃以上で仮焼する必要があり、1050℃か
ら1250℃の範囲が特に好ましい。仮焼温度が低いと
平均粒径が30nm以上の粉末を製造するために長時間
仮焼する必要がある。例えば、仮焼温度が900℃では
最低4時間以上仮焼する必要がある。一方、1400℃
のように温度が高い場合には、仮焼時間は1時間以内に
制限する必要がある。
【0028】平均粒径が30nm以下であると、粒子間
の摩擦が非常に大きくなり粉末の充填性が不均一にな
る。このため、粒子間には普通の焼結では取り除けない
ほど大きな空隙が残り、焼結密度が低下する。一方、平
均粒径が500nm以上であると、粉末の比表面積が非
常に小さくて焼結の駆動力も小さくなるので、焼結性が
低下して透明焼結体を得ることはできない。 <H>成形 本発明において、成形は、セラミックスの分野で一般に
利用されている金型を用いた加圧成型やスリップキャス
ト法による成型法でも好ましく、本発明の効果は成型法
により制限されない。
の摩擦が非常に大きくなり粉末の充填性が不均一にな
る。このため、粒子間には普通の焼結では取り除けない
ほど大きな空隙が残り、焼結密度が低下する。一方、平
均粒径が500nm以上であると、粉末の比表面積が非
常に小さくて焼結の駆動力も小さくなるので、焼結性が
低下して透明焼結体を得ることはできない。 <H>成形 本発明において、成形は、セラミックスの分野で一般に
利用されている金型を用いた加圧成型やスリップキャス
ト法による成型法でも好ましく、本発明の効果は成型法
により制限されない。
【0029】<I>焼結 本発明において、透明焼結体を製造するには1500℃
以上で焼成する必要がある。1500℃以下であると、
気孔を完全に取り除くことができない。一般に、焼結体
の透明性や耐食性は、結晶粒径が大きいほど優れている
ので、焼結温度は高いほど好ましい。しかしながら、焼
成温度が2000℃以上になると特別な焼成炉が必要に
なり、加熱のためのエネルギーも急激に大きくなり、コ
スト高になるので好ましくない。焼結時間は、焼結温度
が高くなるほど短くても好ましい結果が得られる。15
00℃では、少なくとも3時間以上該温度に保持する必
要がある。一方、焼結温度が1500℃以上になると、
焼結時間を短縮しても透明焼結体は製造できる。
以上で焼成する必要がある。1500℃以下であると、
気孔を完全に取り除くことができない。一般に、焼結体
の透明性や耐食性は、結晶粒径が大きいほど優れている
ので、焼結温度は高いほど好ましい。しかしながら、焼
成温度が2000℃以上になると特別な焼成炉が必要に
なり、加熱のためのエネルギーも急激に大きくなり、コ
スト高になるので好ましくない。焼結時間は、焼結温度
が高くなるほど短くても好ましい結果が得られる。15
00℃では、少なくとも3時間以上該温度に保持する必
要がある。一方、焼結温度が1500℃以上になると、
焼結時間を短縮しても透明焼結体は製造できる。
【0030】焼成温度が高くなると粒成長が進行して機
械的強度等の機械的性質が悪くなるので、透明性と同時
に機械的強度が必要な場合は、1850℃以下の温度で
焼成することが好ましい。一段台形の温度プログラムで
焼結すると、透明焼結体中にしばしば白点が生じる。こ
の場合、少なくとも1100℃〜1400℃間を1時間
以上かけて昇温してから1500℃以上まで昇温する
か、該温度範囲のある温度で30分以上保持した後に再
び1500℃以上まで昇温する二段台形の昇温プログラ
ムで焼結すると白点の生成は抑制できる。
械的強度等の機械的性質が悪くなるので、透明性と同時
に機械的強度が必要な場合は、1850℃以下の温度で
焼成することが好ましい。一段台形の温度プログラムで
焼結すると、透明焼結体中にしばしば白点が生じる。こ
の場合、少なくとも1100℃〜1400℃間を1時間
以上かけて昇温してから1500℃以上まで昇温する
か、該温度範囲のある温度で30分以上保持した後に再
び1500℃以上まで昇温する二段台形の昇温プログラ
ムで焼結すると白点の生成は抑制できる。
【0031】<J>焼成雰囲気 本発明において、「酸化イットリウム中を拡散できない
ガス」とは、窒素ガスやアルゴンガスのように酸素イオ
ンよりも酸化イットリウム中の拡散が困難な原子のガス
をいう。焼結による酸化イットリウムの緻密化が進み、
孤立気孔が出現した場合、酸化イットリウム中の拡散が
困難なガスは孤立気孔から抜け出すことは困難であるの
で、緻密化が阻害されて焼結による透明化はできない。
しかしながら、該原子のガスの分圧の合計が1/3気圧
以下であれば焼結による透明化にそれほど影響しない。
ガス」とは、窒素ガスやアルゴンガスのように酸素イオ
ンよりも酸化イットリウム中の拡散が困難な原子のガス
をいう。焼結による酸化イットリウムの緻密化が進み、
孤立気孔が出現した場合、酸化イットリウム中の拡散が
困難なガスは孤立気孔から抜け出すことは困難であるの
で、緻密化が阻害されて焼結による透明化はできない。
しかしながら、該原子のガスの分圧の合計が1/3気圧
以下であれば焼結による透明化にそれほど影響しない。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。 比較例1 凝集粉末に硫酸イオンを含む化合物を添加しない場合の
比較例を示す。20gの硝酸イットリウムを200ml
の蒸留水に溶解したのち、冷却器で10℃に保ち、マグ
ネチックスターラーで攪拌した。この溶液を攪拌しなが
ら約10℃に冷却した2規定のアンモニア水150ml
を30分かけて滴下して、3時間保持した。ろ過、洗浄
後、室温で乾燥した。アルミナ乳鉢で軽くほぐした乾燥
粉末のSEM像を図1に示す。水酸化イットリウムの凝
集粒子は、おもに卓面と端面が接合していて、卓面と卓
面の接合の頻度が無視できる。卓面と端面は、カードハ
ウス状に接合しているが、洗浄処理や乾燥処理でも該凝
集は、崩壊しなかった。
が、本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。 比較例1 凝集粉末に硫酸イオンを含む化合物を添加しない場合の
比較例を示す。20gの硝酸イットリウムを200ml
の蒸留水に溶解したのち、冷却器で10℃に保ち、マグ
ネチックスターラーで攪拌した。この溶液を攪拌しなが
ら約10℃に冷却した2規定のアンモニア水150ml
を30分かけて滴下して、3時間保持した。ろ過、洗浄
後、室温で乾燥した。アルミナ乳鉢で軽くほぐした乾燥
粉末のSEM像を図1に示す。水酸化イットリウムの凝
集粒子は、おもに卓面と端面が接合していて、卓面と卓
面の接合の頻度が無視できる。卓面と端面は、カードハ
ウス状に接合しているが、洗浄処理や乾燥処理でも該凝
集は、崩壊しなかった。
【0033】この凝集粉末に硫酸イオンを含む化合物を
添加しないでほぐした粉末の2gをアルミナボートに入
れ管状電気炉で酸素気流中、1100℃、4時間仮焼し
た。該仮焼粉のSEM観察を行い、その結果を図2に示
す。相対的に小さいサイコロ状粒子と非常に大きい粒子
が混在する。次に、該仮焼粉をアルミナ乳鉢で軽くほぐ
したのち、金型を用いて30MPaで一次成形してか
ら、200MPaで静水圧プレスし、成形体を作成し
た。成形体を真空電気炉に入れて、10-5トール以上の
高真空になった後、1700℃まで10℃/minの速
度で昇温し、その温度に1時間保持した。その後、15
℃/minの速度で冷却し、炉内が室温近くになってか
ら試料を取り出した。焼結体は乳白色であった。水を用
いたアルキメデス法で焼結体の密度を測定したところ、
理論密度の99%であった。
添加しないでほぐした粉末の2gをアルミナボートに入
れ管状電気炉で酸素気流中、1100℃、4時間仮焼し
た。該仮焼粉のSEM観察を行い、その結果を図2に示
す。相対的に小さいサイコロ状粒子と非常に大きい粒子
が混在する。次に、該仮焼粉をアルミナ乳鉢で軽くほぐ
したのち、金型を用いて30MPaで一次成形してか
ら、200MPaで静水圧プレスし、成形体を作成し
た。成形体を真空電気炉に入れて、10-5トール以上の
高真空になった後、1700℃まで10℃/minの速
度で昇温し、その温度に1時間保持した。その後、15
℃/minの速度で冷却し、炉内が室温近くになってか
ら試料を取り出した。焼結体は乳白色であった。水を用
いたアルキメデス法で焼結体の密度を測定したところ、
理論密度の99%であった。
【0034】比較例2 イットリウムを含む溶液の温度を30℃を超える温度に
した場合の比較例を示す。35℃に保った硝酸イットリ
ウムの水溶液に室温のアンモニア水を滴下する以外は比
較例1と同じ条件で水酸化イットリウム沈殿を生成し
た。該沈殿を洗浄した後、2等分した。その半分はその
まま乾燥させた。残りの半分はイソブチルアルコールに
分散してから110℃に加熱して該アルコールを完全に
蒸発させた。前者の乾燥体は硬く、後者のそれは脆弱で
あった。これら2種類の乾燥体を、それぞれほぐし、比
較例1の方法で仮焼した。この仮焼粉を成形し、焼結し
た。得られた焼結体の密度は、それぞれ理論密度の84
%と95%で、焼結密度は、比較例1の場合より小さか
った。
した場合の比較例を示す。35℃に保った硝酸イットリ
ウムの水溶液に室温のアンモニア水を滴下する以外は比
較例1と同じ条件で水酸化イットリウム沈殿を生成し
た。該沈殿を洗浄した後、2等分した。その半分はその
まま乾燥させた。残りの半分はイソブチルアルコールに
分散してから110℃に加熱して該アルコールを完全に
蒸発させた。前者の乾燥体は硬く、後者のそれは脆弱で
あった。これら2種類の乾燥体を、それぞれほぐし、比
較例1の方法で仮焼した。この仮焼粉を成形し、焼結し
た。得られた焼結体の密度は、それぞれ理論密度の84
%と95%で、焼結密度は、比較例1の場合より小さか
った。
【0035】実施例1 0.36gの硫酸アンモニウムを150mlの純水に溶
解して、約10℃に保つ。比較例1の方法で水酸化イッ
トリウムの沈殿を生成した後、10℃に保ちながら上述
の硫酸アンモニウム水溶液を20分かけて滴下した。マ
グネチックスターラーで3時間攪拌したのち、ろ過、洗
浄、乾燥した。乾燥体をほぐし、比較例1の方法で仮焼
した。この仮焼粉を、成形し、焼結した。その結果、得
られた焼結体の嵩密度は、ほぼ理論密度に近く、波長が
500nmの光に対する厚さが1mmの焼結体の直線透
過率は、約40%であった。
解して、約10℃に保つ。比較例1の方法で水酸化イッ
トリウムの沈殿を生成した後、10℃に保ちながら上述
の硫酸アンモニウム水溶液を20分かけて滴下した。マ
グネチックスターラーで3時間攪拌したのち、ろ過、洗
浄、乾燥した。乾燥体をほぐし、比較例1の方法で仮焼
した。この仮焼粉を、成形し、焼結した。その結果、得
られた焼結体の嵩密度は、ほぼ理論密度に近く、波長が
500nmの光に対する厚さが1mmの焼結体の直線透
過率は、約40%であった。
【0036】比較例3 水酸化イットリウムの生成や沈殿の保持等を35℃で行
う以外は実施例1の方法で酸化イットリウム焼結体を製
造した。得られた焼結体の嵩密度は、理論密度の99.
5%で、実施例1で得られた焼結体よりもはるかに透明
性が悪かった。
う以外は実施例1の方法で酸化イットリウム焼結体を製
造した。得られた焼結体の嵩密度は、理論密度の99.
5%で、実施例1で得られた焼結体よりもはるかに透明
性が悪かった。
【0037】実施例2 硝酸イットリウムの代わりに、16gの塩化イットリウ
ムを用いる以外は実施例1に従い硫酸イオンを添加した
水酸化イットリウムを生成し、仮焼した。この仮焼粉
を、成形し、焼結した。得られた焼結体の嵩密度は、ほ
ぼ理論密度に近く、波長が500nmの光に対する厚さ
が1mmの焼結体の直線透過率は、約45%であった。
ムを用いる以外は実施例1に従い硫酸イオンを添加した
水酸化イットリウムを生成し、仮焼した。この仮焼粉
を、成形し、焼結した。得られた焼結体の嵩密度は、ほ
ぼ理論密度に近く、波長が500nmの光に対する厚さ
が1mmの焼結体の直線透過率は、約45%であった。
【0038】比較例4 仮焼温度を900℃より低い温度とした場合の比較例を
示す。800℃で4時間仮焼するという条件以外は実施
例2の条件で製造した焼結体の嵩密度は、理論密度の9
9.3%で、乳白色であり透明性はなかった。
示す。800℃で4時間仮焼するという条件以外は実施
例2の条件で製造した焼結体の嵩密度は、理論密度の9
9.3%で、乳白色であり透明性はなかった。
【0039】比較例5 炭酸イットリウム粉末をpH5で沈殿させたが熟成時間
が短い場合の比較例を示す。20gの硝酸イットリウム
を200mlの蒸留水に溶解したのち、マグネチックス
ターラーで攪拌する。該溶液へ室温で2モル/リットル
の炭酸水素アンモニウム水溶液を加えてpHを5に調整
し沈澱を生成する。150mlの純水に溶解した0.3
6gの硫酸アンモニウムを20分かけて沈殿が分散した
水溶液に滴下してから30分間熟成し、ろ過し、洗浄す
る。生成した炭酸イットリウムは、非晶質であった。該
炭酸イットリウムのその後の処理は、比較例1や実施例
1に従って行った。得られた焼結体の嵩密度は、理論密
度の98.5%であった。
が短い場合の比較例を示す。20gの硝酸イットリウム
を200mlの蒸留水に溶解したのち、マグネチックス
ターラーで攪拌する。該溶液へ室温で2モル/リットル
の炭酸水素アンモニウム水溶液を加えてpHを5に調整
し沈澱を生成する。150mlの純水に溶解した0.3
6gの硫酸アンモニウムを20分かけて沈殿が分散した
水溶液に滴下してから30分間熟成し、ろ過し、洗浄す
る。生成した炭酸イットリウムは、非晶質であった。該
炭酸イットリウムのその後の処理は、比較例1や実施例
1に従って行った。得られた焼結体の嵩密度は、理論密
度の98.5%であった。
【0040】比較例6 水酸化イットリウムではなく、シュウ酸イットリウムを
仮焼した場合の比較例を示す。400mlに溶解した2
0gの二水和シュウ酸に、室温でマグネチックスターラ
ーで攪拌しながら400mlの蒸留水に溶解した40g
の硝酸イットリウムを30分かけて滴下した。シュウ酸
イットリウムの沈殿が分散した液を2等分した。そのー
つに、さらに150mlの純水に溶解した0.36gの
硫酸アンモニウムを20分かけて滴下した。硫酸アンモ
ニウムを加えた沈殿も、また加えなかった沈殿もそれぞ
れ3時間攪拌した後、比較例1や実施例2に従い、ろ
過、洗浄、仮焼した。この仮焼粉を、成形、焼成した。
得られた焼結体の嵩密度は、硫酸イオンの添加の有無に
関わらず85%であった。
仮焼した場合の比較例を示す。400mlに溶解した2
0gの二水和シュウ酸に、室温でマグネチックスターラ
ーで攪拌しながら400mlの蒸留水に溶解した40g
の硝酸イットリウムを30分かけて滴下した。シュウ酸
イットリウムの沈殿が分散した液を2等分した。そのー
つに、さらに150mlの純水に溶解した0.36gの
硫酸アンモニウムを20分かけて滴下した。硫酸アンモ
ニウムを加えた沈殿も、また加えなかった沈殿もそれぞ
れ3時間攪拌した後、比較例1や実施例2に従い、ろ
過、洗浄、仮焼した。この仮焼粉を、成形、焼成した。
得られた焼結体の嵩密度は、硫酸イオンの添加の有無に
関わらず85%であった。
【0041】比較例7 本発明における工程で形成した水酸化イットリウムの代
わりに、市販の酸化イットリウム粉末に硫酸イオンを含
む化合物を添加した場合の比較例を示す。市販の微細酸
化イットリウム粉末(比表面積が15M2/g)5gを
100mlのエチルアルコールに分散した。0.36g
の硫酸アンモニウムを50mlの純水に溶解してから、
エチルアルコールを50mlを加えた。該混合液を20
分かけて酸化イットリウム粉末が分散したエチルアルコ
ールに滴下し、約70℃に加熱して乾燥した。乾燥した
粉末はアルミナ乳鉢とアルミナ乳棒で軽くほぐし、酸素
気流中、1100℃で4時間仮焼した。この仮焼粉を、
比較例1で述べた条件で成形し、焼結する。得られた焼
結体の嵩密度は理論密度の94%で不透明であった。
わりに、市販の酸化イットリウム粉末に硫酸イオンを含
む化合物を添加した場合の比較例を示す。市販の微細酸
化イットリウム粉末(比表面積が15M2/g)5gを
100mlのエチルアルコールに分散した。0.36g
の硫酸アンモニウムを50mlの純水に溶解してから、
エチルアルコールを50mlを加えた。該混合液を20
分かけて酸化イットリウム粉末が分散したエチルアルコ
ールに滴下し、約70℃に加熱して乾燥した。乾燥した
粉末はアルミナ乳鉢とアルミナ乳棒で軽くほぐし、酸素
気流中、1100℃で4時間仮焼した。この仮焼粉を、
比較例1で述べた条件で成形し、焼結する。得られた焼
結体の嵩密度は理論密度の94%で不透明であった。
【0042】実施例3 25%アンモニア水の20mlを150mlのエチルア
ルコールに溶かした溶液と、0.36gの硫酸アンモニ
ウムを20mlの純水に溶かしてから100mlのエチ
ルアルコールに溶かした溶液を用意し、それらをそれぞ
れ約10℃に保った。20gの硝酸イットリウムを15
0mlのエチルアルコールに溶解した後、冷却器で10
℃に保ちながらマグネチックスターラーで攪拌した。こ
の溶液を攪拌しながら、上述のアンモニア水溶液を30
分かけて滴下して、沈殿を生成した。アンモニア水の滴
下が終わって5分ばかりしてから、すでに作成していた
硫酸アンモニウムのエチルアルコール溶液を20分かけ
て滴下し、その後3時間保持した。ろ過、エチルアルコ
ールで洗浄後、室温で乾燥する。乾燥体をアルミナ乳鉢
で軽くほぐす。粉末のその後の仮焼や成形、焼結等は、
比較例1の手順で行った。水を用いたアルキメデス法で
焼結体の嵩密度を測定したところ、ほぼ理論密度であ
り、波長が500nmの光に対する厚さが1mmの焼結
体の直線透過率は、約40%であった。
ルコールに溶かした溶液と、0.36gの硫酸アンモニ
ウムを20mlの純水に溶かしてから100mlのエチ
ルアルコールに溶かした溶液を用意し、それらをそれぞ
れ約10℃に保った。20gの硝酸イットリウムを15
0mlのエチルアルコールに溶解した後、冷却器で10
℃に保ちながらマグネチックスターラーで攪拌した。こ
の溶液を攪拌しながら、上述のアンモニア水溶液を30
分かけて滴下して、沈殿を生成した。アンモニア水の滴
下が終わって5分ばかりしてから、すでに作成していた
硫酸アンモニウムのエチルアルコール溶液を20分かけ
て滴下し、その後3時間保持した。ろ過、エチルアルコ
ールで洗浄後、室温で乾燥する。乾燥体をアルミナ乳鉢
で軽くほぐす。粉末のその後の仮焼や成形、焼結等は、
比較例1の手順で行った。水を用いたアルキメデス法で
焼結体の嵩密度を測定したところ、ほぼ理論密度であ
り、波長が500nmの光に対する厚さが1mmの焼結
体の直線透過率は、約40%であった。
【0043】実施例4 実施例1の方法で製造した酸化イットリウム圧粉体を酸
素気流中で1600℃、4時間焼成した。得られた焼結
体の嵩密度は、ほぼ理論密度に等しく、波長が500n
mの光に対する厚さが1mmの焼結体の直線透過率は、
約35%であった。
素気流中で1600℃、4時間焼成した。得られた焼結
体の嵩密度は、ほぼ理論密度に等しく、波長が500n
mの光に対する厚さが1mmの焼結体の直線透過率は、
約35%であった。
【0044】実施例5 硫酸アンモニウム水溶液の代わりに、硫酸イオンと同じ
モル数の亜硫酸イオンを含む亜硫酸アンモニウム水溶液
を用いて、実施例1の方法で実験を行った。実施例1と
ほぼ同じ結果を得た。
モル数の亜硫酸イオンを含む亜硫酸アンモニウム水溶液
を用いて、実施例1の方法で実験を行った。実施例1と
ほぼ同じ結果を得た。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法においては、、実質的に収
率が100%で、粒子が個々に分離した粒度分布が狭い
粉末を製造でき、しかも該粉末を用いることにより、焼
成により得られた焼結体の嵩密度は、ほぼ理論密度に近
く、透明性に優れた焼結体の製造が可能となった。
率が100%で、粒子が個々に分離した粒度分布が狭い
粉末を製造でき、しかも該粉末を用いることにより、焼
成により得られた焼結体の嵩密度は、ほぼ理論密度に近
く、透明性に優れた焼結体の製造が可能となった。
【図1】本発明の方法の途中で生成した水酸化イットリ
ウムの凝集粒子の微細構造を示す走査電子顕微鏡写真
(倍率2万倍)。
ウムの凝集粒子の微細構造を示す走査電子顕微鏡写真
(倍率2万倍)。
【図2】図1に示した水酸化イットリウムを仮焼して得
た酸化イットリウム粉末の微細構造を示す走査電子顕微
鏡写真(倍率8万倍)。
た酸化イットリウム粉末の微細構造を示す走査電子顕微
鏡写真(倍率8万倍)。
【図3】比較例の水酸化イットリウムの凝集粒子の微細
構造を示す走査電子顕微鏡写真(倍率8万倍)。
構造を示す走査電子顕微鏡写真(倍率8万倍)。
【図4】本発明の方法の途中で形成した酸化イットリウ
ム粉末の微細構造を示す走査電子顕微鏡写真(倍率6万
倍)。
ム粉末の微細構造を示す走査電子顕微鏡写真(倍率6万
倍)。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 17/00 C04B 35/50
Claims (2)
- 【請求項1】 30℃よりも低い温度で、0.02モル
/リットル以上2モル/リットル以下の濃度のイットリ
ウム塩を含む溶液に塩基剤を加えて、厚さが20nm以
下の多数の薄片状粒子が、互いに卓面と端面をカードハ
ウス状に接合した状態で凝集した直径が0.5μm以上
の凝集粒子である水酸化イットリウムを生成し、該水酸
化イットリウムに、イットリウムイオンの量に対して1
0-3倍から1倍の硫酸イオンに相当する硫酸イオンを含
む化合物を添加し、添加し終った時点でpH5以上であ
り、この凝集粒子を900℃以上で仮焼して一次粒子の
平均粒径が30nm以上500nm以下の範囲にある粉
末を形成することを特徴とする易焼結性酸化イットリウ
ム粉末の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の製造方法で製造した酸化イッ
トリウム微粉末を成形した後、窒素原子やアルゴン原子
のように酸化イットリウム中を実質的に拡散できない一
種または二種以上の原子のガスの分圧の合計が1/3気
圧以下の雰囲気で、1500℃以上2000℃以下の温
度で焼成することを特徴とする酸化イットリウム透明焼
結体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09367223A JP3125067B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 透明イットリア焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09367223A JP3125067B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 透明イットリア焼結体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11189413A JPH11189413A (ja) | 1999-07-13 |
| JP3125067B2 true JP3125067B2 (ja) | 2001-01-15 |
Family
ID=18488785
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09367223A Expired - Lifetime JP3125067B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 透明イットリア焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3125067B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4688307B2 (ja) * | 2000-07-11 | 2011-05-25 | コバレントマテリアル株式会社 | 半導体製造装置用耐プラズマ性部材 |
| JP2006282447A (ja) | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Fuji Photo Film Co Ltd | 透光性材料およびその製造方法 |
| US20090277873A1 (en) | 2006-09-11 | 2009-11-12 | Ulvc, Inc | Dry etching method |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP09367223A patent/JP3125067B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11189413A (ja) | 1999-07-13 |
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