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JP3112862U - トナーシール材 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザビームプリンタ、ファクシミリのような写真画像形成プロセスまたは各種の作業機器において、感光ドラムや現像ローラなどの周面に密接することにより、トナーの漏出防止および残トナーの掻き取りを同時に達成するトナーシール材を提供する。
【解決手段】繊維断面に鋭角が形成された耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材を所定の位置に固定するための接着層とを備える。
【選択図】図6

Description

本考案は、主に電子複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリのような写真画像形成プロセスにおいて、感光ドラムや現像ローラなどの周面に密接することにより、トナーの漏出防止および残トナーの掻き取りを同時に達成するトナーシール材に関する。
電子複写機やレーザビームプリンタなどの電子写真画像形成プロセスは、特開2001−290405号などに示すように、現在では感光ドラム、現像ローラおよび他の基材を一体化し、カートリッジとして着脱自在にしてメンテナンスをユーザ自身で行う方式が一般的である。このプロセスカートリッジは、クリーニング機構で生じた廃トナーをクリーニング容器内へ排出し、該カートリッジの交換時に同時に廃棄する。このクリーニング機構は、一次転写後に感光ドラム表面から残トナーを掻き取るとともに、感光ドラムに対向させてクリーニングブレードおよびクリーニング容器の開口部の両端部にシール材を取り付けることにより、残トナーが容器両側部から漏出することを防ぐ。
電子写真画像形成プロセスにおいて、感光ドラムや現像ローラの周辺は常温より高く、一時的に100℃前後に達することがある。このため、感光ドラムや現像ローラの付近では、シール材として摺動性および耐熱性が優れたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)繊維のフェルトを使用することが一般的であり、通常のPTFE繊維はマトリックス物質とともにエマルジョン紡糸し、熱処理することで褐色である。また、これらのシール材は、稼動部材のスムースな回転を維持し且つ高い密接度を要求されるため、通常、感光ドラムなどに接触するフェルト材と、弾性を付与するウレタンフォーム層との2層構造になっている。
トナー漏出を防止するシール材の公知例として、特開昭61−129664号、特開平4−134374号、登録実用新案第2537613号が存在し、PTFE繊維フェルトには、ニードルパンチフェルト、植毛シートまたは平滑処理フェルトが存在する。このPTFE繊維は通常のフェルトであると、厚いウレタンフォーム層を設けても高いシール性を発現させるためにかなり厚くすることを要する。また、特開平11−61101号や特開2003−223047号のように、緻密なパイル状織物からなるシール材を適用することも提案されている。
特開2001−290405号公報 特開昭61−129664号公報 特開平4−134374号公報 登録実用新案第2537613号公報 特開平11−61101号公報 特開2003−223047号公報
電子写真画像形成プロセスに用いるシール材に関して、近年においてトナー微粒子が10μm以下のようにいっそう微細化し且つ重合トナー粒子などの出現により、通常のPTFE繊維のフェルト単独であると、かなり厚くしてもトナーの漏出防止およびトナー掻き取り性を十分に発現させることが困難である。PTFE繊維のフェルトは非常に高価であり、その基本使用量を減らすことにも一定の限界があり、裏面にウレタンフォーム層を設置しても、PTFE繊維の本来の物性を維持するには極端に薄くすることはできない。一方、通常の天然または合成繊維には、摺動性の点において、PTFE繊維並みの物性を有するものは存在せず、ポリエーテルエーテルケトン繊維のような特殊な繊維を用いればPTFE繊維並みになる可能性はあっても、これではコスト面での有利さは発生しない。
一方、パイル状織物のシール材は、モケット織のパイル長が3〜4mmというように長いことにより、その裏面にウレタンフォームや羊毛フェルトを貼着しなくても、PTFE繊維フェルトに比べてクッション性が高くしかも十分なシール性を発揮する。この種のシール材は、パイル糸を2層の地経糸および地緯糸に織り込んで毛抜けを防ぐことにより、PTFE繊維フェルトの脱毛を防止しにくいという問題も解決している。
この反面、このパイル状織物のシール材は、2層の地経糸および地緯糸を組み合わせるため、4本の地経糸と2本の地緯糸を同時に織機に送り込むことを要し、この織機は汎用機ではなくて特注機となって非常に高価であるうえに、使用糸量も倍になって製造コストが高くなる。毛抜けを防ぐための裏面コーティング層を設け且つパイル糸の目付をフルゲージの総詰めとしても、起毛処理後のパイル糸の基部には空隙が残存しやすく、このパイル基部からトナー微粒子が一部漏出することを回避できない。しかも、トナーの漏出防止と同時に、残トナーの掻き取りを達成することは殆ど期待できない。
本考案は、主に電子写真画像形成プロセスに用いるトナーシール材に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、フェルト材として繊維断面に鋭角が形成された耐熱性の有機繊維を用いることにより、低摩擦性であるうえに優れたトナー漏出防止性能を発揮するトナーシール材を提供することを目的としている。本考案の他の目的は、繊維断面に鋭角が形成されていることにより、感光ドラムなどの稼動部材の周面に残ったトナーも効果的に掻き取れるトナーシール材を提供することである。
本考案に係るトナーシール材は、感光ドラムや現像ローラのような稼動部材の表面と密接してトナーやオイルが外部へ漏出することを防ぐ。本考案のトナーシール材は、繊維断面に鋭角が形成された耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材を所定の位置に固定するための接着層とを備える。
本考案に係るトナーシール材は、繊維断面に鋭角が形成された耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材の裏面に貼り付けて所定の弾性を付与するクッション層と、フェルト材およびクッション層を所定の位置に固定するための接着層とを備えていてもよい。
本考案のトナーシール材において、フェルト材は、フィルム割繊法または分割法によって製造され且つ繊維断面に鋭角が形成された耐熱性の有機繊維で構成されると好ましく、このフェルト材が、フィルム割繊法によって製造した繊維断面が矩形状であるポリテトラフルオロエチレン繊維であると特に好ましい。また、フェルト材の表面にスプレー、コーティングまたはディッピングによってフッ素樹脂加工を施すことも可能である。
本考案を図面によって説明すると、図6に例示するようなトナーシール材10に用いるフェルト材1(図1)は、フィルム割繊法または分割法によって製造した耐熱性の有機繊維2からカードラップを形成し、該ラップをニードルパンチで一体化してから、熱処理によって所定の厚みと密度に定める。この一体化において、ニードルパンチングの後で高圧のウォータジェット処理を行ったり、またはFEP樹脂(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂)などのフッ素系樹脂で樹脂加工を行ってもよい。この樹脂加工は、例えば表面スプレーやコーティングまたは含浸処理である。所望に応じて、図2に示すように、2等分のカードラップ3,3の間または単独カードラップの下方に、耐熱性の有機繊維の基布4を介在させることも可能である。
フェルト材1を構成する有機繊維2は、一時的に100℃前後に達する感光ドラムや現像ローラの周辺に使用できる程度に耐熱性であればよく、高い摺動性の点でPTFE繊維であると特に好ましい。耐熱性の有機繊維2は、トナーシール材を180〜230℃に達するような高温環境で使用する場合には、フィルム割繊法で製造するPTFE繊維または他のフッ素系繊維、ポリイミド繊維および/またはアラミド繊維であると望ましい。これらの繊維は、その物性を損なわない程度に、分割法によって製造した耐熱性の有機繊維または他の無機または有機繊維を混綿して使用することも可能である。これらの繊維で構成するフェルト材1は、熱安定性やクリーニング性なども良好である。
フィルム割繊法は、溶融成膜法などにより薄膜フィルム5(図3)を作製した後にマイクロスリットし、場合によっては、さらに延伸、熱処理することで断面矩形状の有機繊維2を得るものである。PTFEの場合には、樹脂微粒子に石油系などの助剤を加えてペースト状にしたものを押出成形で生テープ状に成形した後に、薄膜フィルム5をマイクロスリッタで割繊後、延伸、熱処理することにより、得られたPTFE繊維の断面が矩形状である。この製法による有機繊維2は、単糸の繊度が通常1デシテックス以上で繊維断面に鋭角が形成された極細テープ状である。この製法によるPTFE繊維は、エマルジョン紡糸法による褐色の繊維に対して白色である。
一方、分割法で製造する繊維は、分割前には、少なくとも2成分以上の非相溶性の繊維形成性樹脂で構成される多成分系の複合繊維6(図4、図5)である。分割可能な複合繊維6は、紡糸口金内の案内装置や流路によって所定の構造に接合され、紡糸孔より吐出・固化させて巻き取って製造し、例えば、一方の熱可塑性樹脂7がポリエステルであり且つ他方の熱可塑性樹脂8がナイロンである2成分系の中空または放射状繊維である。熱可塑性樹脂7,8は、分割後に、ポリエステル繊維とナイロン繊維の混在した耐熱性の分割繊維になる。
分割可能な複合繊維6について、熱可塑性樹脂7,8との組み合わせとして、ポリエステル/ナイロン繊維、ポリエステル/ポリプロピレン繊維、ポリエステル/ポリエチレン/ポリプロピレン繊維、ポリエステル/ナイロン/ポリプロピレン繊維などが例示でき、この組み合わせ以外にも適宜の組み合わせを採用できる。例えば、好適な複合繊維6は、ポリエステル/ナイロン繊維である。
複合繊維6は、ニードルパンチなどの機械的作用、加熱作用または溶媒による化学的処理によって分割される。この結果、複合繊維6は、所定の縦方向の筋目に沿って割繊されて8本、16本または24本などになり、分割後の1本当たりの繊度が0.1〜0.5デシテックスであると好ましい。分割後の繊維は、その繊維断面に鋭角が形成されていればよく、図4に示すような扇形に近い繊維断面でも、図5に示すようなほぼ三角形の繊維断面でもよい。
分割繊維で構成するフェルト材1は、フィルム割繊法で製造するものと同様に、クリーニング性も良好であり、基布4(図2)を介在させてフェルト材の寸法安定性をいっそう改善することも可能である。トナーシール材10は、写真画像形成プロセスにおいて、感光ドラムや現像ローラなどの稼動部材との接触面の摩擦抵抗を減らし、接触表面と密接してトナーやオイルが外部へ漏出することを防ぐ。フェルト材1は、追加の加熱プレス処理によって下面を平滑化すると、クッション層12を貼着するための接着剤(図示しない)の介在により、フェルト材1の繊維を確実に固着できる。
トナーシール材10は、通常、図6に示すように、所望の接着剤を介してフェルト材1にクッション層12を貼り付ける。クッション層12は、ポリウレタンフォーム、羊毛フェルト、ニードルフェルトなどであり、厚さは1.0〜3.0mmであると好ましい。この接着剤が熱融着シートであると、該シートでフェルト材1の繊維を固着し、繊維の脱毛をいっそう減らすことができる。熱融着シートは、ポリアミド、ポリプロピレンなどの単独または共重合体ポリマーの不織布や樹脂シートなどであり、融点が80〜170℃程度であると好ましい。一方、この接着剤として、両面粘着テープを用いてもよく、該両面粘着テープは、フェルト材1が薄い場合に圧着によって繊維の脱毛を阻止できる。
所望に応じて、クッション層12の下面には、さらに両面粘着テープ14などの感圧または感熱接着層を設けてもよい。この接着層により、トナーシール材10を電子写真画像形成プロセスまたは回転ローラや往復作動部材を有する作業機器の適当な部位に取り付けることが可能になる。
本考案に係るトナーシール材は、鋭角の繊維断面に形成した耐熱性の有機繊維で構成したフェルト材からなり、電子複写機やレーザプリンタなどの写真画像形成プロセスに設置すると、通常のPTFE繊維単独のフェルト並みの摺動性を有するうえにシール性が高く、電子写真画像形成プロセスの所定個所においてトナーの漏出を効果的に防止できる。本考案のトナーシール材は、フェルト材を構成する有機繊維の断面が鋭角になっているので、残トナーが付着した感光ドラムや現像ローラなどの稼動部材の表面と接触させると、高いシール性に加えて良好なトナー掻き取り性つまりクリーニング性を発揮する。
本考案のトナーシール材は、通常のPTFE繊維やメタアラミド繊維単独のフェルト材に比べ、単価はほぼ同一であっても物性的に遙かに有利である。本考案のトナーシール材は、フェルト材がアラミド繊維単独のものと比べて熱収縮性が改善されてさらに柔軟であり、熱収縮が原因でローラなどとの接触が悪化することがなく、使用時の寸法安定性が良くなってより長期間の使用が可能になる。本考案のトナーシール材は、フィルム割繊法で製造したPTFE繊維でフェルト材を構成すると低摩擦であり、熱安定性、オイル保持性・供給性およびクリーニング性などにも富んでいる。
本考案のフェルト材は、フェルト材がアラミド繊維単独のフェルトと比べて熱収縮性が改善されてさらに柔軟であり、熱収縮が原因でローラなどとの接触が悪化することがなく、使用時の寸法安定性が良くなってより長期間の使用が可能になる。本考案のフェルト材は、所望の物性を維持しながら効果的にコストダウンを図ることが可能であり、組込み本体である電子複写機やレーザビームプリンタの販売価格に対して柔軟に対応できる。
次に、本考案を実施例に基づいて説明するが、本考案は実施例に限定されるものではない。図1に示すフェルト材1を製造するために、フィルム割繊法によって製造した繊維断面が矩形状である平均繊度1.7デシテックスのPTFE繊維100%のウェブを製造する。このウェブを積層し、目付400g/m2のカードラップを形成し、さらにラップ全体をニードルパンチする。ニードルパンチの後に、約250℃で3分間プレスすることにより、厚さ1.0mmのフェルト材1を得る。
フェルト材1には、図6に示すように、ポリアミド系の熱融着性不織布(図示しない)を介して、厚さ2.2mmのポリウレタンフォームであるクッション層12を積層し、全体を熱ローラ対に通して貼り付ける。このクッション層12の下面には、さらに両面粘着テープ14を接着してトナーシール材10を得る。
トナーシール材10は、図7に例示するような平面形状に裁断し、個別のシール材10a,10aおよび10b,10b(図8)として、レーザビームプリンタに着脱可能に収納するプロセスカートリッジ16の一部に貼着する。カートリッジ16は、図8において、感光ドラム21、帯電ローラ22およびクリーニング機構23を有するフレーム24と、現像ローラ25を有する現像機構26によって構成し、該現像機構がフレーム24に対して回動可能になるように取り付ける。カートリッジ16をプリンタ本体に着脱可能に収納すると、該カートリッジの上方には、レーザービーム27を照射してドラム表面に静電潜像を形成する露光機構が配置され、感光ドラム21の下周面には、現像したトナー像を一次転写する転写ローラ28が接触する。転写紙30は、感光ドラム21と転写ローラ28との間を通過し、該転写紙の送り方向である矢印の前方に定着装置(図示しない)を配置する。
感光ドラム21には、OPCなどの感光層をアルミニウムシリンダ体の外周面に設けている。このプリンタにおいて、感光ドラム21は矢印向きに所定の周速度で回転され、該ドラムは、その回転に従って、ドラム表面を一様に帯電させる帯電ローラ22と接触してから、順次、レーザービーム27の照射による露光機構、現像ローラ25さらに転写ローラ28と接触する。現像ローラ25の両端部には、図8に示すように、現像ローラ用のシール材10b,10bを取り付け、トナー31が漏出することを防いでいる。
感光ドラム21は、現像機構の現像ローラ25でドラム表面に形成されたトナー像を転写紙30に一時転写した後に、転写後の残トナーを除去するクリーニング機構23と近接する。感光ドラム21は、クリーニング機構23において、クリーニング容器32の開口部34と対向し、該開口部の縁部にウレタンゴム製などのクリーニングブレード36を設置することにより、該ブレードのエッジを感光ドラム21に圧接し、一次転写後に感光ドラム表面から残トナーを掻き取り、クリーニング容器32の内部へ送り込む。
クリーニング機構23において、クリーニングブレード36の形状に合わせてその両端部にシール材10a,10aを取り付け、該フェルト材は感光ドラム21の表面両端部とも接触する。これらのシール材は、容器開口部34の縁部に沿って取り付けてもよい。クリーニング機構23は、ドラム表面に残ったトナーを除去して内部のクリーニング容器32の中に蓄積する。シール材10a,10aは、回収した残トナーが容器開口部34の両側から漏出することを防いでいる。クリーニング機構23は、シール材10a,10aの存在によってトナーの除去能力が優れ、プロセスカートリッジ16に適用可能となる。
シール材10a,10aおよび10b,10bは、厚さ1.0mmのフェルト材1を有し、下側の両面粘着テープ14によって所定の個所つまり現像ローラ25、クリーニングブレード36およびクリーニング容器32の開口部34の両端部に貼着され、トナーが外部へ漏出することを防いでいる。現像機構26は、シール材10b,10bが間隔保持材として機能することにより、現像ローラ25と感光ドラム21との微小間隔が常に一定保持され、良好な画像を安定して出力できる。また、クリーニング機構23は、両側端のシール材10a,10aのクッション層12の存在によって、クリーニングブレード36および容器開口部34がドラム表面に軽く密着できる。
トナーシール材10は、個々のシール材10a,10aおよび10b,10bにおいて十分な摺動性およびトナーの漏出防止性を有する。したがって、トナーシール材10は、トナーの漏出防止およびトナーの除去能力が優れ且つ耐久性が高く、感光ドラム21や現像ローラ25を傷つけることが少ないため、プロセスカートリッジ16において広く適用可能である。
比較例1
エマルジョン紡糸法によって得た円形の繊維断面である繊度3.3デシテックスのPTFE繊維を用い、この繊維100%を均一に混綿してウェブを製造する。このカードラップを実施例1と同様に加工し、厚さ1.0mm、目付650g/m2のフェルト材を得る。このフェルト材には、実施例1と同様にクッション層を積層し、さらに両面粘着テープを接着してトナーシール材を製造する。
このトナーシール材を適宜に裁断し、実施例1と同様に個々のシール材としてプロセスカートリッジ16に貼着する。これらのシール材は、摺動性が比較的良好であっても、カートリッジ16の一部からトナー漏れが発生する。
比較例2
エマルジョン紡糸法によって得た円形の繊維断面である繊度3.3デシテックスのPTFE繊維70重量%と、繊度2.2デシテックスのメタアラミド繊維30重量%とを均一に混綿し、得たウェブを適宜に積層してカードラップを形成する。このカードラップを実施例1と同様に加工し、厚さ1.0mm、目付370g/m2のフェルト材を得る。このフェルト材には、実施例1と同様にクッション層を積層し、さらに両面粘着テープを接着してフェルト材を製造する。
このフェルト材を適宜に裁断し、実施例1と同様にシール材としてプロセスカートリッジ10に適用する。このフェルト材は、摺動性が良好であっても、カートリッジ10の一部からトナー漏れが発生しやすい。
実施例1と同様にフィルム割繊法で製造した繊度3.3デシテックスのPTFE繊維70重量%と、繊度14.4デシテックスのメタアラミド繊維30重量%と混綿する以外は、実施例1と同様に処理して、厚さ1.0mmのフェルト材1を得る。このフェルト材1には、実施例1と同様にクッション層12を積層し、さらに両面粘着テープ14を接着してトナーシール材10を製造する。
このトナーシール材は、適宜に裁断してから、図9に示すようなモノクロ複写機用のトナーカートリッジ38に適用する。カートリッジ38では、その下方両側壁に円弧状の切り欠き部40を形成し、該切り欠き部に現像ローラ42を回転自在に設置するとともに、カートリッジ内にトナー44を収納する。現像ローラ42の両端部は、両側壁の切り欠き部40まで延設され、シール材46を介して切り欠き部40内に回転自在に取り付ける。トナー供給口の上方には、帯電用ブレード48が現像ローラ42の表面に押圧された状態で保持されている。
現像ローラ42は、例えば、アルミニウム製の円筒体であり、その表面にトナーの薄層を付着させて回転し、複写機本体の感光ドラム50と対向配置されている。感光ドラム50が矢印方向に回転し、それに応じて現像ローラ42が反時計方向に回転すると、ドラム表面の潜像の電荷によって形成される電界の強さに応じて、トナーが現像ローラ42の表面から離脱し、ドラム表面の帯電部分に付着して現像が行われる。
このトナーシール材は、個別のシール材46として実施例1のそれと比べて摺動性は若干低下するが十分な使用可能なレベルにあり、トナーの漏出防止性はいっそう良化する。したがって、このトナーシール材は、カートリッジ38において現像ローラ42に付着したトナー44が側壁の外側に漏出することを効果的に防止できる。
図1に示すフェルト材1を製造するために、溶融成膜法で作製した厚さ12.5μmのFEPフィルム5(図3)をマイクロスリッタで割繊し、さらに延伸することにより、繊維断面が矩形状である繊度20デシテックスのFEP繊維を得る。この繊維100%で目付400g/m2のカードラップを形成し、さらにラップ全体をニードルパンチする。ニードルパンチの後に、約230℃で3分間プレスすることにより、厚さ1.0mmのフェルト材1を得る。このフェルト材には、実施例1と同様にクッション層12を積層し、さらに両面粘着テープ14を接着してトナーシール材10を製造する。
このトナーシール材を実施例1と同様にプロセスカートリッジ16に適用すると、トナーの漏出防止およびトナーの除去能力が優れ、さらに耐久性が高く、感光ドラム21や現像ローラ25を傷つけることが少ない。このトナーシール材は、トナー掻き取り性が優れ、実施例1のそれと同様に、プロセスカートリッジ16やトナーカートリッジ38などについて広く適用可能である。
ポリエステル/ナイロン繊維からなる複合繊維を用い、該複合繊維をニードルパンチによって分割すると。この結果、該複合繊維は、所定の縦方向の筋目に沿って割繊されて8本になり、分割後の1本当たりの繊度は0.3デシテックスである。分割後の繊維には、その繊維断面に鋭角が形成されている。この分割繊維から目付300g/m2のカードラップを形成し、さらにラップ全体をニードルパンチする。ニードルパンチの後にプレスすることにより、厚さ1.0mmのフェルト材1を得る。このフェルト材1には、実施例1と同様にクッション層12を積層し、さらに両面粘着テープ14を接着してトナーシール材10を製造する。
このトナーシール材を実施例1と同様にプロセスカートリッジ16に適用すると、耐熱性および摺動性が若干低いけれども、トナーの漏出防止およびトナーの除去能力が優れ、感光ドラム21や現像ローラ25を傷つけることが少ない。このトナーシール材は、トナー掻き取り性が優れ、実施例1のそれと同様に、プロセスカートリッジ16やトナーカートリッジ38などに適用可能である。
本考案で用いるフェルト材を例示する概略断面図である。 フェルト材の別の例を示す概略断面図である。 マイクロスリッタで割繊可能な薄膜フィルムの一例を拡大して示す部分斜視図である。 分割可能な中空の複合繊維の例を示す拡大端面図である。 分割可能な放射状の複合繊維の例を示す拡大端面図である。 本考案に係るトナーシール材の一例を示す概略断面図である。 (1)は現像機構および感光ドラムを取り除いて示すプロセスカートリッジの側面図、(2)は該カートリッジ内に設置する感光ドラムの側面図である。 図7のプロセスカートリッジの使用状態を示す概略断面図である。 トナーシール材をモノクロ複写機用のトナーカートリッジに設置した例を示す概略断面図である。である。
符号の説明
1 フェルト材
2 耐熱性の有機繊維
5 薄膜フィルム
6 複合繊維
10 トナーシール材
12 クッション層
16 プロセスカートリッジ

Claims (5)

  1. 感光ドラムや現像ローラのような稼動部材の表面と密接してトナーやオイルが外部へ漏出することを防ぐトナーシール材であって、繊維断面に鋭角が形成された耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材を所定の位置に固定するための接着層とを備えるトナーシール材。
  2. 感光ドラムや現像ローラのような稼動部材の表面と密接してトナーやオイルが外部へ漏出することを防ぐトナーシール材であって、繊維断面に鋭角が形成された耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材の裏面に貼り付けて所定の弾性を付与するクッション層と、フェルト材およびクッション層を所定の位置に固定するための接着層とを備えるトナーシール材。
  3. フェルト材は、フィルム割繊法または分割法によって製造され且つ繊維断面に鋭角が形成された耐熱性の有機繊維で構成される請求項1または2記載のトナーシール材。
  4. フェルト材は、フィルム割繊法によって製造した繊維断面が矩形状であるポリテトラフルオロエチレン繊維である請求項3記載のトナーシール材。
  5. フェルト材の表面にスプレー、コーティングまたはディッピングによってフッ素樹脂加工を施す請求項1または2記載のトナーシール材。
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JP2022177060A (ja) * 2016-12-15 2022-11-30 コニカミノルタ株式会社 摺動部材、定着装置用摺動部材、定着装置および画像形成装置

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