JP3172695B2 - 球形晶析法による直打用アスコルビン酸原末造粒物、その製造法およびそれを用いた錠剤 - Google Patents
球形晶析法による直打用アスコルビン酸原末造粒物、その製造法およびそれを用いた錠剤Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球形晶析法による
直打用アスコルビン酸原末造粒物、その製造法およびそ
れを用いた錠剤に関する。
直打用アスコルビン酸原末造粒物、その製造法およびそ
れを用いた錠剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、粉末薬剤の製錠においては、顆粒
化工程を必要としない直接圧縮成形する直打法が広く採
用されているが、アスコルビン酸錠剤の製造に使用され
る、いわゆるアスコルビン酸原末と称されるアスコルビ
ン酸粉末は、付着、凝集性が強く、圧縮成形性が悪い。
そのため、従来、アスコルビン酸の直打法による製錠に
おいては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ス
ターチなどのような打錠用賦形剤を添加したアスコルビ
ン酸造粒物が使用されている。しかしながら、添加剤の
使用は、薬剤との相互作用による品質低下や、錠剤の大
型化に伴う患者の服薬遵守の低下を招き、望ましくな
い。
化工程を必要としない直接圧縮成形する直打法が広く採
用されているが、アスコルビン酸錠剤の製造に使用され
る、いわゆるアスコルビン酸原末と称されるアスコルビ
ン酸粉末は、付着、凝集性が強く、圧縮成形性が悪い。
そのため、従来、アスコルビン酸の直打法による製錠に
おいては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ス
ターチなどのような打錠用賦形剤を添加したアスコルビ
ン酸造粒物が使用されている。しかしながら、添加剤の
使用は、薬剤との相互作用による品質低下や、錠剤の大
型化に伴う患者の服薬遵守の低下を招き、望ましくな
い。
【0003】
【発明が解決すべき課題】本発明は、添加剤を加えず
に、アスコルビン酸原末単独で直接打錠が可能な造粒物
を球形晶析法により調製することを目的とする。特開平
4−77422号や、粉体工学会誌 Vol.28,No.
9,35−39頁(1991)は添加剤を加えずに、球
形晶析法により、圧縮成形性を改善した塩酸クロルプレ
ナリン造粒物が得られることを開示している。しかし、
アスコルビン酸原末に同様な方法が適用できるか否かに
ついては、何の示唆もない。
に、アスコルビン酸原末単独で直接打錠が可能な造粒物
を球形晶析法により調製することを目的とする。特開平
4−77422号や、粉体工学会誌 Vol.28,No.
9,35−39頁(1991)は添加剤を加えずに、球
形晶析法により、圧縮成形性を改善した塩酸クロルプレ
ナリン造粒物が得られることを開示している。しかし、
アスコルビン酸原末に同様な方法が適用できるか否かに
ついては、何の示唆もない。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者らは、球形晶析法が、
アスコルビン酸原末にも適用でき、添加剤を使用せずと
も、圧縮成形性に優れたアスコルビン酸造粒物が得られ
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
アスコルビン酸原末にも適用でき、添加剤を使用せずと
も、圧縮成形性に優れたアスコルビン酸造粒物が得られ
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、アスコルビン酸粉末
を良溶媒に溶解し、これを良溶媒より低温の貧溶媒に、
撹拌下、滴下して得ることのできるアスコルビン酸粉末
の造粒物を提供するものである。また、本発明は、アス
コルビン酸粉末を良溶媒に溶解し、これを良溶媒より低
温の貧溶媒に、撹拌下、滴下することを特徴とするアス
コルビン酸粉末の造粒物の製造法および上記本発明のア
スコルビン酸粉末の造粒物を直接圧縮成形して得られる
アスコルビン酸錠剤も提供する。図1に示すごとく、本
発明に従い、アスコルビン酸粉末の良溶媒溶液を、撹拌
下に、より低温の貧溶媒に滴下すると、良溶媒の移行と
温度の低下により、アスコルビン酸が晶析する。また、
晶析と同時に、2つの溶媒の体積比が非混和領域では相
分離した良溶媒が架橋剤となって造粒が進行し、乾燥に
より、アスコルビン酸造粒物が得られる。また、混和領
域では良溶媒が一時的にエマルジョンを形成し、徐々に
拡散以降して造粒が進行する。造粒物は、板状結晶(一
次粒子)からなる二次粒子であり、従来の結晶原末と比
べて流動性や充填性、圧縮成形性が著しく改善される。
を良溶媒に溶解し、これを良溶媒より低温の貧溶媒に、
撹拌下、滴下して得ることのできるアスコルビン酸粉末
の造粒物を提供するものである。また、本発明は、アス
コルビン酸粉末を良溶媒に溶解し、これを良溶媒より低
温の貧溶媒に、撹拌下、滴下することを特徴とするアス
コルビン酸粉末の造粒物の製造法および上記本発明のア
スコルビン酸粉末の造粒物を直接圧縮成形して得られる
アスコルビン酸錠剤も提供する。図1に示すごとく、本
発明に従い、アスコルビン酸粉末の良溶媒溶液を、撹拌
下に、より低温の貧溶媒に滴下すると、良溶媒の移行と
温度の低下により、アスコルビン酸が晶析する。また、
晶析と同時に、2つの溶媒の体積比が非混和領域では相
分離した良溶媒が架橋剤となって造粒が進行し、乾燥に
より、アスコルビン酸造粒物が得られる。また、混和領
域では良溶媒が一時的にエマルジョンを形成し、徐々に
拡散以降して造粒が進行する。造粒物は、板状結晶(一
次粒子)からなる二次粒子であり、従来の結晶原末と比
べて流動性や充填性、圧縮成形性が著しく改善される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるアスコルビン酸粉
末(原末)は、特に限定するものではなく、通常、製錠
原料とされるものいずれでもよい。用いる良溶媒として
は、水、ジメチルスルホキシド、メタノール、エチレン
グリコール等が挙げられるが、工業生産上からは、アス
コルビン酸が最も多量に溶解する水が特に好ましい。貧
溶媒としては、効率のよい晶析が行えることから、溶解
度パラメータ(MPa1/2)、δd=15〜17、δp=
3〜6、δh=6〜12の溶媒が好ましい。溶解度パラ
メータは、液体間の混合性の尺度となる液体の特性値
で、δdは、分散力を意味し、この値が大きいほど分散
力が大きく、δpは、永久双極子間力を意味し、この値
が大きいほど極性が大きい。また、δhは、水素結合力
を意味し、この値が大きいほど水素結合力が大きい。か
かる貧溶媒の例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ルおよびオクタノールからなる群から選ばれる溶媒が挙
げられ、医薬としての使用が許容されている酢酸エチル
が好ましい。
末(原末)は、特に限定するものではなく、通常、製錠
原料とされるものいずれでもよい。用いる良溶媒として
は、水、ジメチルスルホキシド、メタノール、エチレン
グリコール等が挙げられるが、工業生産上からは、アス
コルビン酸が最も多量に溶解する水が特に好ましい。貧
溶媒としては、効率のよい晶析が行えることから、溶解
度パラメータ(MPa1/2)、δd=15〜17、δp=
3〜6、δh=6〜12の溶媒が好ましい。溶解度パラ
メータは、液体間の混合性の尺度となる液体の特性値
で、δdは、分散力を意味し、この値が大きいほど分散
力が大きく、δpは、永久双極子間力を意味し、この値
が大きいほど極性が大きい。また、δhは、水素結合力
を意味し、この値が大きいほど水素結合力が大きい。か
かる貧溶媒の例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ルおよびオクタノールからなる群から選ばれる溶媒が挙
げられ、医薬としての使用が許容されている酢酸エチル
が好ましい。
【0007】本発明の直打用アスコルビン酸原末造粒物
は、アスコルビン酸粉末を良溶媒に溶解し、これを良溶
媒より低温の貧溶媒に、撹拌下、滴下することにより製
造できる。アスコルビン酸の溶解は通常、40〜50℃
で行い、30〜40重量%程度の濃度の溶液とする。効
率のよい晶析を行うため、貧溶媒は、アスコルビン酸溶
液よりも低い温度、通常室温以下、好ましくは5〜10
℃に冷却する。また、アスコルビン酸溶液は、通常、容
量比27〜100倍程度の貧溶媒に滴下する。撹拌は、
5分以上、通常、15〜25分程度行う。撹拌(造粒)
時間を長くすると、錠剤の引張強度は低下する傾向が見
られる。撹拌時間が長い造粒物は、圧密化されるのに対
し、撹拌時間の短い造粒物は、結合力の弱い二次粒子に
なる。そのため、圧縮過程において二次粒子が破砕され
易く、表面エネルギーの高い一次粒子が生成、結合して
錠剤硬度が増加するものと考えられる。撹拌して、晶析
造粒させたのち、所望により、乾燥して目的とするアス
コルビン酸粉末の造粒物を得る。本発明のアスコルビン
酸粉末の造粒物は、常法に従って直接圧縮成形して錠剤
とすることができ、得られたアスコルビン酸錠剤も本発
明範囲のものである。
は、アスコルビン酸粉末を良溶媒に溶解し、これを良溶
媒より低温の貧溶媒に、撹拌下、滴下することにより製
造できる。アスコルビン酸の溶解は通常、40〜50℃
で行い、30〜40重量%程度の濃度の溶液とする。効
率のよい晶析を行うため、貧溶媒は、アスコルビン酸溶
液よりも低い温度、通常室温以下、好ましくは5〜10
℃に冷却する。また、アスコルビン酸溶液は、通常、容
量比27〜100倍程度の貧溶媒に滴下する。撹拌は、
5分以上、通常、15〜25分程度行う。撹拌(造粒)
時間を長くすると、錠剤の引張強度は低下する傾向が見
られる。撹拌時間が長い造粒物は、圧密化されるのに対
し、撹拌時間の短い造粒物は、結合力の弱い二次粒子に
なる。そのため、圧縮過程において二次粒子が破砕され
易く、表面エネルギーの高い一次粒子が生成、結合して
錠剤硬度が増加するものと考えられる。撹拌して、晶析
造粒させたのち、所望により、乾燥して目的とするアス
コルビン酸粉末の造粒物を得る。本発明のアスコルビン
酸粉末の造粒物は、常法に従って直接圧縮成形して錠剤
とすることができ、得られたアスコルビン酸錠剤も本発
明範囲のものである。
【0008】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 貧溶媒の選択 アスコルビン酸が最も多量に溶解することから、水を良
溶媒とした。50℃の水にアスコルビン酸粉末を溶解し
て、アスコルビン酸粉末の40%水溶液を調製し、この
溶液1mlを5℃の貧溶媒15mlに撹拌しながら滴下し、
晶析の有無を観察した。その結果、オクタノールで多量
の晶析が観察され、オクタノールが貧溶媒として使用で
きることが判明した。しかし、オクタノールは、沸点が
高く、残留性やその特異臭により洗浄の必要性があるな
ど問題がある。そこで、溶解度パラメータを用いること
によりオクタノールと似た溶解性を有する溶媒を選択し
た。表1に溶媒の溶解度パラメータを示す。
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 貧溶媒の選択 アスコルビン酸が最も多量に溶解することから、水を良
溶媒とした。50℃の水にアスコルビン酸粉末を溶解し
て、アスコルビン酸粉末の40%水溶液を調製し、この
溶液1mlを5℃の貧溶媒15mlに撹拌しながら滴下し、
晶析の有無を観察した。その結果、オクタノールで多量
の晶析が観察され、オクタノールが貧溶媒として使用で
きることが判明した。しかし、オクタノールは、沸点が
高く、残留性やその特異臭により洗浄の必要性があるな
ど問題がある。そこで、溶解度パラメータを用いること
によりオクタノールと似た溶解性を有する溶媒を選択し
た。表1に溶媒の溶解度パラメータを示す。
【0009】
【表1】
【0010】この結果、溶解度パラメータ(MP
a1/2)、δd=15〜17、δp=3〜6、δh=6〜
12の範囲の溶媒が水およびオクタノールとの親和性が
大きく、特に、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルが、
オクタノールと類似した溶媒としての性質を有してお
り、水との親和性もよいことが判明した。かくして、酢
酸エチル、酢酸イソプロピルおよびオクタノールが貧溶
媒として選択できることが判明した。図2に、アスコル
ビン酸水溶液を以上の3種の貧溶媒に滴下して調製した
造粒物のX線回折図を示す。いずれの溶媒を用いても、
原末と同じ結晶形を示しており、貧溶媒として、オクタ
ノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピルを用いることが
可能であるが、医薬品添加物として認められている酢酸
エチルが、特に好ましい。
a1/2)、δd=15〜17、δp=3〜6、δh=6〜
12の範囲の溶媒が水およびオクタノールとの親和性が
大きく、特に、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルが、
オクタノールと類似した溶媒としての性質を有してお
り、水との親和性もよいことが判明した。かくして、酢
酸エチル、酢酸イソプロピルおよびオクタノールが貧溶
媒として選択できることが判明した。図2に、アスコル
ビン酸水溶液を以上の3種の貧溶媒に滴下して調製した
造粒物のX線回折図を示す。いずれの溶媒を用いても、
原末と同じ結晶形を示しており、貧溶媒として、オクタ
ノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピルを用いることが
可能であるが、医薬品添加物として認められている酢酸
エチルが、特に好ましい。
【0011】実施例2 良溶媒、貧溶媒の容量比の検討 実施例1で調製したと同様なアスコルビン酸水溶液を、
酢酸エチル300mlに対して回転数800rpmにて撹拌
下、滴下し、晶析造粒させた。一定時間後、吸引濾過
し、1日減圧乾燥して造粒物を得た。造粒物生成量と、
水の量の関係を図3のグラフに示す。図中、オープンシ
ンボルは全回収量を、また、従来の添加剤入り造粒物で
は125〜500μmのフラクションが80%以上なの
で、対応する粒径のフラクションの回収量をクローズド
シンボルで示す。図3に示すごとく、水が6ml以上で酢
酸エチルから相分離するので、非混和領域で造粒が起こ
った。撹拌時間を30分、1時間、3時間としたが、い
ずれにおいても、8mlのときに粒径125〜500μm
の造粒物の量が最も多く得られた。したがって、以下の
実験では酢酸エチル300mlに対してアスコルビン酸水
溶液の量を8ml滴下することにした。
酢酸エチル300mlに対して回転数800rpmにて撹拌
下、滴下し、晶析造粒させた。一定時間後、吸引濾過
し、1日減圧乾燥して造粒物を得た。造粒物生成量と、
水の量の関係を図3のグラフに示す。図中、オープンシ
ンボルは全回収量を、また、従来の添加剤入り造粒物で
は125〜500μmのフラクションが80%以上なの
で、対応する粒径のフラクションの回収量をクローズド
シンボルで示す。図3に示すごとく、水が6ml以上で酢
酸エチルから相分離するので、非混和領域で造粒が起こ
った。撹拌時間を30分、1時間、3時間としたが、い
ずれにおいても、8mlのときに粒径125〜500μm
の造粒物の量が最も多く得られた。したがって、以下の
実験では酢酸エチル300mlに対してアスコルビン酸水
溶液の量を8ml滴下することにした。
【0012】実施例3 撹拌(造粒)時間の影響についての検討 図4に、撹拌時間と、造粒物の回収量の関係を示す。図
中、横軸は、撹拌(造粒)時間、縦軸は回収量を示す。
×は全回収量、丸は125〜500μmのフラクショ
ン、四角はそれより小さな、三角は大きなフラクション
の回収量を示す。図4から明らかなごとく、20分以上
で全回収量、125〜500μmの造粒物の量ともに一
定となった。造粒物の粒径分布を表2に示す。
中、横軸は、撹拌(造粒)時間、縦軸は回収量を示す。
×は全回収量、丸は125〜500μmのフラクショ
ン、四角はそれより小さな、三角は大きなフラクション
の回収量を示す。図4から明らかなごとく、20分以上
で全回収量、125〜500μmの造粒物の量ともに一
定となった。造粒物の粒径分布を表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】表2に示すごとく、平均粒子径D50は、
撹拌時間が20分までは時間と共に増加することから、
20分までは晶析と造粒が起こり、また、20分以上で
は撹拌時間の増加に伴い、D50が減少し、500μm
以上のフラクションがほとんどなくなることから、粒子
の圧密化が起こっているものと考えられる。以下、撹拌
時間を5、20、60分として、粒子径が125〜50
0μmのものをそれぞれA5、A20、A60とし、そ
の物性を検討した。図5および図6に、原末およびA2
0の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。原末は形状、大
きさとも不規則な結晶であるが、造粒物は板状結晶から
なる2次粒子であることがわかる。
撹拌時間が20分までは時間と共に増加することから、
20分までは晶析と造粒が起こり、また、20分以上で
は撹拌時間の増加に伴い、D50が減少し、500μm
以上のフラクションがほとんどなくなることから、粒子
の圧密化が起こっているものと考えられる。以下、撹拌
時間を5、20、60分として、粒子径が125〜50
0μmのものをそれぞれA5、A20、A60とし、そ
の物性を検討した。図5および図6に、原末およびA2
0の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。原末は形状、大
きさとも不規則な結晶であるが、造粒物は板状結晶から
なる2次粒子であることがわかる。
【0015】実施例4 アスコルビン酸原末と造粒物の物性の検討 アスコルビン酸原末と造粒物の流動性、充填性につい
て、安息角(度)、また、タッピング過程を久野の式:
て、安息角(度)、また、タッピング過程を久野の式:
【数1】 [式中、ρf、ρnおよびρ0は、各々、平衡時、n回目
のタップ時および開始時の見かけの密度、Kは、充填速
度定数(充填のされ易さ)、nはタッピング回数を意味
する]よりパラメータKを、また、川北の式:
のタップ時および開始時の見かけの密度、Kは、充填速
度定数(充填のされ易さ)、nはタッピング回数を意味
する]よりパラメータKを、また、川北の式:
【数2】 [式中、nはタッピングの回数、V0は開始時の粉末床
容量、Vnは、n回目のタップ時の粉末床容量を意味す
る]よりパラメータa、bを算出して評価した。結果を表
3に示す。
容量、Vnは、n回目のタップ時の粉末床容量を意味す
る]よりパラメータa、bを算出して評価した。結果を表
3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】安息角、aの値は小さいほど流動性がよい
ことを示し、K、bの値は大きいほど充填性がよいこと
を示す。表3から明らかなごとく、造粒物は原末と比べ
て安息角、aともに減少し、K、bともに増大し、流動
性、充填性のいずれも顕著に改善され、粉体物性が優れ
ていることがわかる。
ことを示し、K、bの値は大きいほど充填性がよいこと
を示す。表3から明らかなごとく、造粒物は原末と比べ
て安息角、aともに減少し、K、bともに増大し、流動
性、充填性のいずれも顕著に改善され、粉体物性が優れ
ていることがわかる。
【0018】実施例5 撹拌時間が2次粒子の強度に及ぼす影響 粒子硬度測定装置(岡田精工株式会社製グラノGM型)
によって算出した破壊強度およびふるいを用いて振とう
した時の摩損速度を評価した。結果を図7および図8に
示す。図7は粒子硬度測定装置を用いた場合の結果で、
横軸に粒子径を縦軸に顆粒強度をとっている。図7から
明らかなごとく、撹拌時間が増加すると造粒物の強度が
増加する。図8は顆粒をふるいで振とうした時の摩損度
について、関口式:
によって算出した破壊強度およびふるいを用いて振とう
した時の摩損速度を評価した。結果を図7および図8に
示す。図7は粒子硬度測定装置を用いた場合の結果で、
横軸に粒子径を縦軸に顆粒強度をとっている。図7から
明らかなごとく、撹拌時間が増加すると造粒物の強度が
増加する。図8は顆粒をふるいで振とうした時の摩損度
について、関口式:
【数3】 [式中、tは、時間(分)、Xは、ふるい上の重量
(g)、Aは、摩損の速度定数を意味する]で解析した
結果を示す。図8から明らかなごとく、撹拌時間が増加
すると、摩損速度が小さくなる。これは、撹拌時間が増
加すると、造粒物が圧密化され、強度が増加したものと
考えられる。
(g)、Aは、摩損の速度定数を意味する]で解析した
結果を示す。図8から明らかなごとく、撹拌時間が増加
すると、摩損速度が小さくなる。これは、撹拌時間が増
加すると、造粒物が圧密化され、強度が増加したものと
考えられる。
【0019】実施例6 錠剤の調製 上記の実施例で調製した造粒物を打錠した。圧縮速度お
よび圧縮圧を変化させて錠剤を調製し、その引張強度の
変化を調べた。150mgの試料を直径8mmの杵を用い、
オートグラフを用いて打錠した。結果を図9に示す。図
中、クローズドシンボルはA20を、オープンシンボル
は対照として用いた従来の造粒物(DC)を表す。この
結果から明らかなごとく、A20はDCと比べ、引張強
度が強い。特に、200MPaで打錠するとその差が顕
著に現われる。表4に圧縮速度が1および10mm/min
の場合の圧縮エネルギーを示す。
よび圧縮圧を変化させて錠剤を調製し、その引張強度の
変化を調べた。150mgの試料を直径8mmの杵を用い、
オートグラフを用いて打錠した。結果を図9に示す。図
中、クローズドシンボルはA20を、オープンシンボル
は対照として用いた従来の造粒物(DC)を表す。この
結果から明らかなごとく、A20はDCと比べ、引張強
度が強い。特に、200MPaで打錠するとその差が顕
著に現われる。表4に圧縮速度が1および10mm/min
の場合の圧縮エネルギーを示す。
【0020】
【表4】
【0021】表4に示すごとく、DCは速度の影響をあ
まり受けないのに対し、造粒物は圧縮速度の影響を大き
く受け、圧縮中に塑性変形しやすい。この加えられたエ
ネルギーが粒子の圧密化に使われるため、造粒物では高
い引張強度が得られたと考えられる。また、撹拌(造
粒)時間が錠剤の引張強度に及ぼす影響について調べ
た。結果を図10に示す。図中、横軸は撹拌時間、縦軸
はこれらの圧力で打錠した時の引張強度を表す。この結
果、撹拌時間が長くなるにつれて錠剤強度が減少する傾
向にあることが判明した。この現象を解明するため、サ
ンプルA5、A20、A60について圧縮の過程をHec
kel式:
まり受けないのに対し、造粒物は圧縮速度の影響を大き
く受け、圧縮中に塑性変形しやすい。この加えられたエ
ネルギーが粒子の圧密化に使われるため、造粒物では高
い引張強度が得られたと考えられる。また、撹拌(造
粒)時間が錠剤の引張強度に及ぼす影響について調べ
た。結果を図10に示す。図中、横軸は撹拌時間、縦軸
はこれらの圧力で打錠した時の引張強度を表す。この結
果、撹拌時間が長くなるにつれて錠剤強度が減少する傾
向にあることが判明した。この現象を解明するため、サ
ンプルA5、A20、A60について圧縮の過程をHec
kel式:
【数4】 [式中、εおよびε0は、各々、空隙率および初期の空
隙率を、Kは、圧密化のされ易さを示す定数で、Pは、
打錠圧を意味する]を用いて解析しサンプル間の圧縮性
の違いについて検討を行った。図11に、A20のHec
kelプロットを示すが(圧縮速度1mm/min)、どのサン
プルにおいても3段階に分かれた。すなわち、第1ステ
ージでは2次粒子の再配列と破砕が起こり、1次粒子と
なる。第2ステージでは、1次粒子の塑性変形が起こ
る。そして塑性変形に加えて1次粒子の破砕、再配列も
生じる第3ステージという3つに分かれる。表5に各ス
テージでの圧力の範囲と第2、第3ステージの平均降伏
圧を示す。
隙率を、Kは、圧密化のされ易さを示す定数で、Pは、
打錠圧を意味する]を用いて解析しサンプル間の圧縮性
の違いについて検討を行った。図11に、A20のHec
kelプロットを示すが(圧縮速度1mm/min)、どのサン
プルにおいても3段階に分かれた。すなわち、第1ステ
ージでは2次粒子の再配列と破砕が起こり、1次粒子と
なる。第2ステージでは、1次粒子の塑性変形が起こ
る。そして塑性変形に加えて1次粒子の破砕、再配列も
生じる第3ステージという3つに分かれる。表5に各ス
テージでの圧力の範囲と第2、第3ステージの平均降伏
圧を示す。
【0022】
【表5】 表5に示すごとく、A60では破砕の進行する圧力範囲
がA5と比べて広くなっている。これは上記のとおり、
撹拌時間を長くすると顆粒が圧密化されるためであり、
破砕に大きな力が必要となる。一方、撹拌時間が短いほ
ど容易に2次粒子が破砕され、塑性変形しやすくなるた
め、破砕の進行する圧力範囲が狭くなる。また、第2、
第3ステージの平均降伏圧はA5がA60に比べて小さ
く、圧縮成形性がよいことがわかる。以上より、撹拌時
間の短い造粒物は2次粒子が破砕され易く、表面エネル
ギーの高い1次粒子が生成結合するため強い錠剤硬度を
有すると考えられる。
がA5と比べて広くなっている。これは上記のとおり、
撹拌時間を長くすると顆粒が圧密化されるためであり、
破砕に大きな力が必要となる。一方、撹拌時間が短いほ
ど容易に2次粒子が破砕され、塑性変形しやすくなるた
め、破砕の進行する圧力範囲が狭くなる。また、第2、
第3ステージの平均降伏圧はA5がA60に比べて小さ
く、圧縮成形性がよいことがわかる。以上より、撹拌時
間の短い造粒物は2次粒子が破砕され易く、表面エネル
ギーの高い1次粒子が生成結合するため強い錠剤硬度を
有すると考えられる。
【0023】
【発明の効果】以上記載したごとく、球形晶析法により
得られた本発明のアスコルビン酸造粒物は、アスコルビ
ン酸原末と比べて流動性、充填性が顕著に改善され、従
来の造粒物より圧縮成形性の優れた、添加剤を用いない
直接打錠に適した造粒物が提供できる。
得られた本発明のアスコルビン酸造粒物は、アスコルビ
ン酸原末と比べて流動性、充填性が顕著に改善され、従
来の造粒物より圧縮成形性の優れた、添加剤を用いない
直接打錠に適した造粒物が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 晶析造粒機構を示す模式図。
【図2】 3種の貧溶媒を用いて得られた各造粒物のX
線回折図。
線回折図。
【図3】 親溶媒と貧溶媒の容量比の関係を示すグラ
フ。
フ。
【図4】 撹拌時間と、造粒物の回収量(全回収量)の
関係を示すグラフ。
関係を示すグラフ。
【図5】 アスコルビン酸原末の粒子構造を示す図面に
代わる電子顕微鏡写真。
代わる電子顕微鏡写真。
【図6】 アスコルビン酸造粒物A20の粒子構造を示
す図面に代わる電子顕微鏡写真。
す図面に代わる電子顕微鏡写真。
【図7】 造粒物の粒径と顆粒強度の関係を示すグラ
フ。
フ。
【図8】 撹拌時間と摩損度の関係を示すグラフ。
【図9】 圧縮圧と引張強度の関係を示すグラフ。
【図10】 撹拌時間と引張強度の関係を示すグラフ。
【図11】 アスコルビン酸造粒物A20のHeckelプ
ロット。
ロット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 浩充 岐阜県岐阜市八代3丁目19−13 辻永ビ ル202 (72)発明者 神谷 和憲 岐阜県岐阜市三田洞東3−17−1 ウッ ディハウス202 (72)発明者 兒玉 成一 京都府長岡京市一文橋2丁目15−22 (72)発明者 等々力 博志 兵庫県西宮市樋ノ口町1丁目1−26− 303号 (56)参考文献 特開 平4−77422(JP,A) 特開 昭53−101518(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/375 A61K 9/00 - 9/72
Claims (6)
- 【請求項1】 アスコルビン酸粉末を、その良溶媒であ
る水に溶解し、これを、良溶媒より低温の酢酸エチル、
酢酸イソプロピルおよびオクタノールからなる群から選
ばれる貧溶媒に、撹拌下、滴下して得ることのできるア
スコルビン酸粉末の造粒物。 - 【請求項2】 容量比27〜100倍の貧溶媒に滴下し
て得られる請求項1記載の造粒物。 - 【請求項3】 アスコルビン酸粉末を、その良溶媒であ
る水に溶解し、これを、良溶媒より低温の酢酸エチル、
酢酸イソプロピルおよびオクタノールからなる群から選
ばれる貧溶媒に、撹拌下、滴下することを特徴とするア
スコルビン酸粉末の造粒物の製造法。 - 【請求項4】 容量比27〜100倍の貧溶媒に滴下す
る請求項3記載の製造法。 - 【請求項5】 撹拌を5分以上行う請求項3記載の製造
法。 - 【請求項6】 請求項1記載のアスコルビン酸粉末の造
粒物を直接圧縮成形して得られるアスコルビン酸錠剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22722897A JP3172695B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 球形晶析法による直打用アスコルビン酸原末造粒物、その製造法およびそれを用いた錠剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22722897A JP3172695B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 球形晶析法による直打用アスコルビン酸原末造粒物、その製造法およびそれを用いた錠剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1149677A JPH1149677A (ja) | 1999-02-23 |
| JP3172695B2 true JP3172695B2 (ja) | 2001-06-04 |
Family
ID=16857523
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22722897A Expired - Fee Related JP3172695B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 球形晶析法による直打用アスコルビン酸原末造粒物、その製造法およびそれを用いた錠剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3172695B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009072334A1 (ja) * | 2007-12-03 | 2009-06-11 | Tomita Pharmaceutical Co., Ltd. | 製剤用核粒子 |
| CN102908319B (zh) * | 2012-11-09 | 2014-08-13 | 东北制药集团沈阳第一制药有限公司 | 一种维生素c缓释微丸及其制备方法 |
-
1997
- 1997-08-07 JP JP22722897A patent/JP3172695B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1149677A (ja) | 1999-02-23 |
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