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JP3044325B2 - グルコシルトランスフェラーゼ遺伝子及びそれを用いたグルコシルトランスフェラーゼの製造法 - Google Patents

グルコシルトランスフェラーゼ遺伝子及びそれを用いたグルコシルトランスフェラーゼの製造法

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JP3044325B2
JP3044325B2 JP02227598A JP22759890A JP3044325B2 JP 3044325 B2 JP3044325 B2 JP 3044325B2 JP 02227598 A JP02227598 A JP 02227598A JP 22759890 A JP22759890 A JP 22759890A JP 3044325 B2 JP3044325 B2 JP 3044325B2
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glucosyltransferase
gene
aspergillus niger
gtase
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昌人 横山
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はグルコシルトランスフェラーゼ(以下、GTas
eという。)遺伝子およびこれを含有するDNAを組み込ん
だ組換え体DNAを導入した微生物によるGTaseの製造法に
関するものである。
[従来技術] 従来、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus nige
r)由来のGTase遺伝子の構造については全く知られてい
なく、該遺伝子の単離も行われていない。ましてや、該
遺伝子を導入した微生物を用いたGTaseの製造法は行わ
れていない。
GTaseは、マルトースのグルコシル基をグルコース又
はグルコースからなるオリゴ糖の6位又は3位に転移さ
せる作用を触媒する酵素であり、酵素番号EC 2.4.1.24
に分類される。この酵素は、澱粉工業に利用される。
[従来技術の問題点] 本発明者らは、GTaseを遺伝子操作によって製造する
方法を提供することを目的とし、アスペルギルス・ニガ
ー由来のGTase遺伝子について鋭意検討した結果、該菌
株由来のGTase遺伝子を初めて単離、解析し、他の微生
物に組み込んでGTaseを製造する事に成功して本発明を
完成した。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明は、アスペルギルス(Aspergillus)属に属す
る微生物に由来し、第1図の制限酵素地図で規定される
GTase遺伝子およびこれを組み込んだ組換え体DNAを導入
した微生物によるGTaseの製造法である。
そして、本発明に用いるGTase遺伝子の一部は第2図
に示されるDNA配列を有する。
以下に本発明について詳細に説明する GTaseの生産菌としては、アスペルギルス属菌、ペニ
シリウム属菌等が挙げられる。本発明のGTase遺伝子を
含む染色体DNAの給源としては上記のようなGTase生産菌
が使用される。例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspe
rgillus niger)No.499等が挙げられる。
本菌株の菌学的性質は以下のとうりである。
(1)各培地における生育状態 (a)麦芽エキス寒天培地 37℃で生育は良好。基底菌糸層は比較的密。コロニー
表面はビロード状。コロニーの色は最初は白色で分生子
が多数形成されると褐色〜黒色になる。コロニーの裏面
は初めは無色で、後に淡黄色になる。
(b)ツアペック寒天培地 37℃で生育は良好。基底菌糸層は比較的薄く平坦。コ
ロニー表面はビロード状〜羊毛状。コロニーの色は最初
は白色で分生子が多数形成されると褐色〜黒色になる。
コロニーの裏面は初めは無色で、後に黄色になる。
(2)各生理的、生態的性質 (a)最適生育条件(麦芽エキス培地使用) pH:4〜7 温度:25〜35℃ (b)生育の範囲(麦芽エキス培地使用) pH:3〜8 温度:10〜45℃ (3)形態学的性質 分生子頭:200〜500μ、黒色。
分生子柄:長さ500μ〜3mm、直径15〜2μ。
基底菌糸ないし気生菌糸から分枝して立上が
る。滑面 無色。
頂のう:直径50〜70μ、球形。
メトレ:約25×5.3μ フイアライド:約11×3μ。
分生子:直径3.0〜4.5μ、球形、粗面、集塊は黒色。
以上の菌学的性質から、本菌株はアスペルギルス属に
属する。また、メトレをもった分生子頭が混在し、分生
子頭は球形、古くなると裂け、分生子柄は頂のう直下で
くびれない、分生子頭は黒色、分生子柄は滑面、縦に裂
けることより本菌株はアスペルギルス・ニガーと同定し
た。尚、本菌は微工研菌寄第11316号として、工業技術
院微生物工業技術研究所に寄託されている。
上記菌株を通常の培養方法で培養し、培養物を得、該
培養物から常法、例えば、ろ過、遠心分離などの処理で
培養液を得る。
上記で得られたアスペルギルス・ニガーの培養液から
常法、例えば、硫安塩析、遠心分離、脱塩及び各種のク
ロマトグラフィーを用いてGTaseを精製する。
精製GTaseをトリプシンなどで限定分解し、該限定分
解ペプチドをHPLCなどで分離し、分離したペプチドのN
末端アミノ酸配列を例えば公知文献[Eur.J.Biochem.、
1巻、80〜91頁(1967)]に記載の方法を応用した自動
アミノ酸シークエンサーを用いて決定する。このアミノ
酸配列に対応する塩基配列を持つDNAを合成する。合成D
NAは例えば自動DNA合成機を使用すれば作ることができ
る。合成DNAの標識は、例えば公知文献[Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.、74巻、560〜564頁(1977)]に記載の方
法に従いT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて5′末端
をγ−32P−ATPでリン酸化することで行うことができ
る。この様にしてプローブを調製する。
別に、アスペルギルス・ニガーを培養し、菌体をホモ
ジナイザー等で破砕した後、常法に従って染色体DNAを
得る。ついで、公知文献[Molecular Cloning(2nd Edi
tion)、発行所Cold Spring Harbor Laboratory Press
1989年9.34〜9.58]に記載の方法に従い、上記染色体DN
Aを制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動により
断片長に応じた分離を与えた後、上記のプローブを用い
てサザン・ハイブリダイゼーションを行う。即ち、ニト
ロセルロースフィルターへDNAを吸着させて標識化合成D
NAプローブをハイブリダイズさせ、オートラジオグラム
を撮る。使用する制限酵素としてはSphIなどが挙げられ
る。
次いで、プローブがハイブリダイズする染色体DNA断
片を含む一定の長さのDNA断片集合体を例えば公知文献
[Anal.Biochem.、101巻、339〜341頁(1980)]に記載
のアガロースゲルからのDNA抽出法に従って回収するこ
とができる。
次にコロニー・ハイブリダイゼーションを行うため
に、上記回収DNAをベクターDNAに組み込んで組換えDNA
を調製する。染色体DNAのベクターDNAへの組み込みは、
公知文献[J.Mol.Biol.、96巻、171〜184頁(1975)]
に記載の方法に従い染色体DNA及びベクターDNAを制限酵
素で切断し、次いでリガーゼを用いて結合することによ
り行うことができる。ベクターDNAとしては、例えばプ
ラスミドDNAが挙げられ、特に、pBR322やpUC19が好まし
い。リガーゼとしては、例えばT4DNAリガーゼが挙げら
れる。
組換えDNAの大腸菌への導入は、例えば公知文献[Mol
ecular Cloning(2nd Edition)、発行所Cold Spring H
arbor Laboratory Press 1989年1.82〜1.84]に記載の
方法により行うことができる。尚、使用する大腸菌とし
ては、エシエリヒア・コリ(Escherichia coli)HB101
株が好ましい。GTase遺伝子を含んだ組換えDNAを含有す
る菌株の選択は、例えば公知文献[Molecular Cloning
(2nd Edition)、発行所Cold Spring Harbor Laborato
ry Press 1989年1.90〜1.104]に記載の方法に従って、
前記合成DNAをプローブとしたコロニー・ハイブリダイ
ゼーションにより行うことができる。即ち、組換えDNA
を導入された大腸菌をアンピシリンを含むL−ブロス寒
天培地にまき、一晩培養後、ニトロセルロースフィルタ
ーにレプリカして更に2〜3時間アンピシリンを含むL
−ブロス寒天培地上で培養し、溶菌及びDNAの固定を行
って合成DNAがハイブリダイズする陽性コロニーを検出
する。
次に、陽性菌株から、例えば公知文献[Molecular Cl
oning(2nd Edition)、発行所Cold Spring Harbor Lab
oratory Press 1989年1.25〜1.28]に記載の方法によっ
てプラスミドを抽出・精製し各種制限酵素による分解を
行い、制限酵素地図を作成すると共に、再びサザン・ハ
イブリダイゼーションによって合成DNAプローブがハイ
ブリダイズすることを確認する。
ついで、合成DNAプローブがハイブリダイズする塩基
配列の一部を決定する。
さらに、GTaseの大量発現系を確立する。形質転換系
には例えば、通常使用される発現系が利用できる。特に
形質転換系が確立しており、Aspergillus niger同様のS
plicing、糖添加分泌が期待できるAspergillus nidulan
sが好ましい。
形質転換ベクターとしてpSa123が使用できる。これは
Aspergillus nidulansのアルギニン要求性相補遺伝子ar
gBを持っている。これに遺伝子断片を連結したプラスミ
ドを構築する。これをAspergillus nidulansのアルギニ
ン要求性変異株に導入し、形質転換を行う。この形質転
換株を培養し、GTaseを産生させ、該培養物からGTaseを
採取する。
実施例 (1)GTaseの精製及び部分アミノ酸配列の決定 アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)No.49
9(微工研菌寄第11316号)の胞子スラント1/3本分を1
のCM−CSL培地(コーンミールをアミラーゼで液化
し、その2%溶液にコーンスティープリカーを終濃度5
%になるように加え、121℃、30分のオートクレーブに
より殺菌したもの)に植菌し、30℃、5〜6日振盪培養
する。菌体を3MMろ紙(ワットマン社製)を用いたろ過
により除き、培養液に対して硫酸アンモニウムを50%飽
和になるように添加する。次に生じた沈澱を10,000rp
m、30分の遠心により除き、更に上清に硫酸アンモニウ
ムを90%飽和になるように添加する。次に沈澱画分を1
0,000rpm、30分の遠心により集め、10mM酢酸塩緩衝液
(pH6.0)に溶解させる。不溶物を15,000rpm、30分の遠
心によって取り除いた後、上清を0.45μmのフィルター
によりろ過し、トヨパールHW−40Cを用いたゲルろ過に
より、脱塩及び10mM酢酸塩緩衝液(pH6.0)への平衡化
を行った。
このようにして得られた粗酵素液をFPLCシステム(フ
ァルマシア社製)及びMono Q HR 10/10カラムを用いた
陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて分離した。溶
出は、10mM酢酸塩緩衝液(pH6.0)中で0〜500mMのNaCl
直線グラジエントを形成することにより行った。更に、
GTase活性を有する画分からSuperose 12カラムを用いた
ゲルろ過クロマトグラフィー〔100mM酢酸塩緩衝液(pH
6.0)、200mM NaCl〕によりGTaseを精製した。
次に得られた精製GTase 5mgに対してトリプシンを100
μg添加し、100mM Tris−HCl(pH8.5)、0.001%ドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)中で37℃、5時間作用さ
せ、GTaseの限定分解を行った。更にその反応液をC−1
8カラム(VP−318−2251、センシュー科学(株)製)に
かけ、GTaseの限定分解ペプチドを0.1%トリフルオロ酢
酸存在下高速液体クロマトグラフィーによる0〜80%ア
セトニトリル直線グラジエントにより分取した。分取し
たペプチドのいくつかのN末端をmodel 470A型(アプラ
イド・バイオシステムズ社製)アミノ酸シークエンサー
を用いたエドマン分解法によって決定した。決定したア
ミノ酸配列を以下に示す。
(なお、Xは決定できなかったアミノ酸を示す。) (2)GTase遺伝子の同定 GTaseのアミノ酸配列のうち、DNA塩基配列に変換した
ときに特異性が高くなると思われる部分を検索して、上
記アミノ酸配列ののA部及びB部に対応する配列を持
った合成DNA2本を380B型(アプライド・バイオシステム
ズ社製)DNA合成機を用いて合成した。以下に合成した
配列を示す。
(但しRはA又はG、YはC又はT、MはA、C又は
T、NはA、C、G又はTを示す。) 合成DNA溶液は保護基をはずすため65℃、12時間処理
した後にN−1型ロータリーエバポレーター(東京理科
(株)製)により100μl程度まで濃縮し、3M酢酸ナト
リウム(pH4.8)10μl及びエタノール250μlを加えて
−80℃、30分静置してから遠心することによりエタノー
ル沈澱を行った。このようにして得られたDNA 0.5μg
を50mM Tris−HCl(pH7.6)、10mM MgCl2、10mM 2−メ
ルカプトエタノールを含む溶液中でT4DNAキナーゼ10単
位、(γ−32P−)ATP 1.85MBq(アマシャム社製PB1021
8)と37℃、30分インキュベートすることにより5′末
端をラベルし、プローブとした。
次にアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)N
o.499をYPD培地(2%グルコース、1%ペプトン、0.5
%イースト抽出物)中で30℃、30時間培養した後、ガー
ゼでろ過して菌体を集め、液体窒素で凍結させた。凍結
菌体はホモジナイザー(日本精機製作所製、AM−8型)
で18,000rpm、15分処理することにより破砕した。次に5
0mMEDTA(pH8.0)、0.5% SDS、0.1mg/mlプロティナー
ゼK(それぞれ終濃度)を加え、50℃、4時間インキュ
ベートした。更にその溶液にTE(10mM Tris−HCl、1mM
EDTA、pH8.0)飽和フェノールを等量加え、緩やかに攪
拌した後、15,000rpm、30分遠心し水相を分取した。同
様の処理をもう一度行った後、TE飽和フェノールの代わ
りにTE飽和フェノールとクロロホルムを1:1で混合した
もの、次いでクロロホルムを用いて同様の処理を2回ず
つ行った。このようにして得られた核酸粗抽出液に50%
ポリエチレングリコール#6000を1/4量加え、0℃、2
時間インキュベートした。3,000rpm、3分の遠心により
沈澱画分を回収した後、8mlのTES緩衝液(20mM Tris−H
Cl、5mM EDTA、100mMNaCl、pH7.5)に再溶解し、8.7gの
CsClを加え、更に5mgの臭化ethidiumを加えて44,500rp
m、16時間のCsCl−臭化ethidium平衡密度勾配遠心にか
けた。この遠心により形成されるDNAのバンドを回収
し、1−ブタノールを用いて臭化ethidiumを除いてTEに
対して透析を行った。この方法により100gの湿菌体より
4.5mgの染色体DNAを取得した。
以上のようにして得られたアスペルギルス・ニガー
(Aspergillus niger)No.499染色体DNA10μgに対して
制限酵素SphI30単位を37℃、3時間作用させることによ
り完全分解を行った。その反応液を1%アガロースゲル
電気泳動し、上記のプローブを用いてサザンハイブリダ
イゼーションを行った。
6×SSC(1×SSCは150mM NaCl、15mM trisodium cit
rateを含む)、0.1% SDS、0.2%牛血清アルブミン、0.
2% Ficoll 400、0.2%ポリビニルピロリドン中でフィ
ルターを65℃、8時間インキュベートしてペレハイブリ
ダイゼーションを行った後、上記プローブを加えて40
℃、一夜静置してハイブリダイゼーションを行った。次
にフィルターを6xSSC、0.1% SDS中で52℃で30分洗浄
し、オートラジオグラフィーにより分析した。その結果
2種のプローブが共に4.3Kbの位置にハイブリダイズす
ることが観察された。
(3)GTase遺伝子のクローニング アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)No.49
9染色体DNA 5μgをSphI 10単位により完全分解した
後、1%アガロースゲル電気泳動し、臭化ethidiumによ
って染色し約4.3Kbに当たる位置のゲルを切取り、その
ゲル片に対して3倍容量の8N NaClO4を加え、37℃、10
分インキュベートしてアガロースを溶解させる。次にそ
の溶液中のDNAを6mm径のGF/C(ワットマン社製)グラス
フィルターに吸着させ、フィルターを1mlのTEに溶解し
た6N NaClO4の溶液、続いて1mlの95%エタノールで洗浄
し、乾燥させた。このフィルターにTEを30μl加え、37
℃、30分インキュベートした。その後に15,000rpm、2
分の遠心により水相を回収した。このようにしてアガロ
ースゲルからアスペルギルス・ニガー(Aspergillus ni
ger)No.499染色体DNA由来の4.3Kb付近のSphI断片を回
収した。また別にベクタープラスミドpBR322 0.1μgを
SphI5単位で37℃、2時間処理し、更に1M Tris−HCl(p
H9.0)をその反応液に対して5分の1量、アルカリ性ホ
スファターゼを0.5単位加え、65℃、30分インキュベー
トした。この反応液をアガロースゲル電気泳動し、臭化
ethidium染色した後でpBR322の分子量に相当するバンド
を切出し、回収した。上記2種のDNAを混合し、66mM Tr
is−HCl(pH7.6)、6.6mM MgCl2、10mMジチオスレイト
ール、1mM ATP(それぞれ終濃度)で300単位のT4DNAリ
ガーゼを加えて4℃、一夜インキュベートしてライゲー
ション反応を行った。次に大腸菌HB101株のコンピテン
トセルを調製し、上のライゲーション反応物を用いて形
質転換した。形質転換株はアスピシリン50μg/ml、1.2
%寒天を含むLB培地〔1% Bacto Tryptone(ディフコ
社製)、0.5%酵母エキス、0.5% NaCl〕上で選択した
後にニトロセルロースフィルター上に移してプローブB
を用いたコロニーハイブリダイゼーションを行った。但
し、ハイブリダイゼーション及び洗浄の条件はサザンハ
イブリダイゼーションの場合と同様に行った。オートラ
ジオグラフィーによる分析を行った結果、約1000株の形
質転換株中24株の陽性クローンが得られた。これらの形
質転換株よりプラスミドDNAを調製し、それぞれ0.1μg
に対して第1表に示す制限酵素各5単位を37℃、2時間
作用させ、アガロースゲル電気泳動法を用いて解析した
ところ、全てのプラスミドが第1図に示す4.3KbのDNA断
片をpBR322のSphI部位に含んでいた。このプラスミドを
pGTY02と命名した。
(4)GTase遺伝子の部分塩基配列の決定 プラスミドpGTY02を各種制限酵素で切断してアガロー
スゲル電気泳動を行い、プローブA及びBを用いたサザ
ンハイブリダイゼーションを行った。その結果、両方の
プローブが0.5KbのEcoRV断片中にハイブリダイズするこ
とが示された。そこでpGTY02をPvuII、EcoRI処理して得
られる約1.6KbのDNA断片をアガロースゲルから切出し回
収し、別途HincII、EcoRI処理したプラスミドpUC118と
ライゲーション反応した。また、pGTY02をSalI、EcoRI
処理して得られる約2.5KbのDNA断片をアガロースゲルか
ら切出し回収し、別途SalI、EcoRI処理したプラスミドp
UC118とライゲーション反応した。これらの反応液を用
いて大腸菌MV1184株を形質転換し、ベクターに正しい挿
入断片が含まれたプラスミドを各種制限酵素による切断
を行って選抜した。このようにして得られたプラスミド
に対しキロシークエンス用デレーションキット(宝酒造
(株)製)を作用させて大腸菌MV1184株を形質転換し、
約200塩基ずつ種々の長さに欠失させたプラスミドを保
持するクローンを選択した。これらのプラスミドを保持
する大腸菌MV1184株より一本鎖DNAを調製し、DNAシーク
エンスキット(宝酒造(株)製)によりその塩基配列の
一部を決定した。その結果を第2図に示す。第2図中の
太い下線部はプローブの塩基配列と一致する部分で、ま
た囲ったアミノ酸配列は決定したアミノ酸配列と一致す
る部分である。以上の結果よりクローン化したSphI DNA
断片はアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)N
o.499由来のGTase遺伝子を含むことが示された。またプ
ローブAのハイブリダイズする部分に、アミノ酸配列及
び核酸配列から考えて51塩基からなるイントロン(破線
の下線で示した塩基配列の部分)が存在することが示さ
れた。
(5)GTaseのAspergillus nidulansでの発現 ベクターpSa123のEcoR I siteにXba Iを用いて4.3Kb
のDNA断片を連結したプラスミドpSGTx01を構築した。そ
れをAspergillus nidulansのアルギニン要求性変異株に
導入し、形質転換を行った。その結果、アルギニンマイ
ナスの培地でも良好に生育し、胞子を着生する形質転換
株4株を得た。
この形質転換株の培養上清に付いてSDS−PAGEを行い
3株にAspergillus nigerのGTaseと同様の分子量の蛋白
が分泌されていることを確認した。
そのGTase活性を第2表に示す。
この3株はpSa123のみによる形質転換体と比べ総活性
として4〜5倍、比活性にして約3倍のGTase活性を示
した。
従って、前記プラスミドpSGTx01を導入した形質転換
株から、aspergillus nigerのGTaseと同様の分子量の蛋
白が分泌されている株を選抜し、表2に示すように有効
なGTase活性を示す株であることを確認したもとで、か
かる形質転換株を培養して該培養物よりGTaseを採取す
ることができる。
[発明の効果] 本発明によれば、本発明のGTase遺伝子の組み込まれ
た組換え体DNAを含む、例えば微生物を培地に培養する
ことにより、極めて効率よくGTaseを得ることができ、
また上記遺伝子は蛋白質工学用試料として用いることも
でき産業上に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
第1図はアスペルギルス(Aspergillus)属に属する微
生物に由来するグルコシルトランスフェラーゼ遺伝子を
示す。 (但し式中、BはBamHI、EIはEcoRI、EvはEcoRV、CはC
laI、SはSacI、PvはPvuII、PsはPstI、SIはSalI、Spは
SphIを示す。) 第2図はグルコシルトランスフェラーゼ遺伝子の部分塩
基配列を示し、図中の太い下線部はプローブの塩基配列
と一致する部分で、また囲ったアミノ酸配列は決定した
アミノ酸配列と一致する部分であり、破線の下線で示し
た塩基配列の部分はイントロンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正木 春彦 千葉県千葉市弥生町1―170 東京大学 職員宿舎2―105 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/54 C12N 9/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アスペルギルス・ニガーの染色体DNAを制
    限酵素で切断して得られるDNA断片の内、アスペルギル
    ス・ニガーの産生するグルコシルトランスフェラーゼの
    一部のアミノ酸配列に基づいて設定されたプローブがハ
    イブリダイズするか否かを指標として選択的に回収され
    るDNA断片に含まれるグルコシルトランスフェラーゼ遺
    伝子であって、 第1図の制限酵素地図で規定される4.3kbの塩基対を有
    するDNA断片中に包含され、かつ第2図に示されるDNA配
    列を含むことを特徴とするグルコシルトランスフェラー
    ゼ遺伝子。
  2. 【請求項2】アスペルギルス・ニガーの染色体DNAを制
    限酵素で切断して得られるDNA断片の内、アスペルギル
    ス・ニガーの産生するグルコシルトランスフェラーゼの
    一部のアミノ酸配列に基づいて設定されたプローブがハ
    イブリダイズするか否かを指標として選択的に回収され
    るDNA断片に含まれるグルコシルトランスフェラーゼ遺
    伝子であって、 前記回収されたDNA断片を連結したプラスミドを導入し
    てなるアスペルギルス属の形質転換微生物によってグル
    コシルトランスフェラーゼ遺伝子の発現が確認され、し
    かも、 第1図の制限酵素地図で規定される4.3kbの塩基対を有
    するDNA断片中に包含され、かつ第2図に示されるDNA配
    列を含むことを特徴とするグルコシルトランスフェラー
    ゼ遺伝子。
  3. 【請求項3】アスペルギルス・ニガーの染色体DNAを制
    限酵素で切断して得られるDNA断片の内、アスペルギル
    ス・ニガーの産生するグルコシルトランスフェラーゼの
    一部のアミノ酸配列に基づいて設定されたプローブがハ
    イブリダイズするか否かを指標として選択的に回収され
    るDNA断片であって、 前記回収されたDNA断片を連結したプラスミドを導入し
    てなるアスペルギルス属の形質転換微生物によってグル
    コシルトランスフェラーゼ遺伝子の発現が確認され、し
    かも、 第1図の制限酵素地図で規定される4.3kbの塩基対を有
    し、かつ第2図に示されるDNA配列を含むグルコシルト
    ランスフェラーゼ遺伝子を含むことを特徴とするDNA断
    片。
  4. 【請求項4】アスペルギルス・ニガーの染色体DNAを制
    限酵素で切断して得られるDNA断片の内、アスペルギル
    ス・ニガーの産生するグルコシルトランスフェラーゼの
    一部のアミノ酸配列に基づいて設定されたプローブがハ
    イブリダイズするか否かを指標として選択的に回収され
    るDNA断片に含まれるグルコシルトランスフェラーゼ遺
    伝子であって、第1図の制限酵素地図で規定される4.3k
    bの塩基対を有し、かつ第2図に示されるDNA配列を含む
    グルコシルトランスフェラーゼ遺伝子を、前記DNA断片
    ごとアスペルギルス属の微生物に導入して形質転換微生
    物を作成し、 該形質転換微生物を栄養培地で培養し、培養物にグルコ
    シルトランスフェラーゼを生産せしめた後、該培養物よ
    りグルコシルトランスフェラーゼを採取することを特徴
    とするグルコシルトランスフェラーゼの製造法。
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