JP2998305B2 - 音響振動板の製造方法 - Google Patents
音響振動板の製造方法Info
- Publication number
- JP2998305B2 JP2998305B2 JP16987091A JP16987091A JP2998305B2 JP 2998305 B2 JP2998305 B2 JP 2998305B2 JP 16987091 A JP16987091 A JP 16987091A JP 16987091 A JP16987091 A JP 16987091A JP 2998305 B2 JP2998305 B2 JP 2998305B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acoustic diaphragm
- film
- graphite
- graphite film
- foamed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピーカー、マイクロ
フォン等の音響機器等に使用される音響振動板の製造方
法に関する。
フォン等の音響機器等に使用される音響振動板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、音響機器のディジタル化が進行
し、スピーカー等の音響振動板に対する要求性能はます
ます厳しくなっている。すなわち、このような音響振動
板には、外力による変形が少なく、音の歪が小さいこ
と、再生音域が広く、明瞭な音質を出すことが要求さ
れ、そのためには軽く、しかも、弾性率、剛性に優れて
いることが要求されている。これを具体的な物性値の条
件としてまとめると、下記のようになる。 (a)ヤング率(E)が大きいこと。 (b)密度(ρ)が小さいこと。 (c)音速(音波の伝搬速度V)が大きいこと。 (d)振動の内部損失(tan δ)が適当であること。 (e)強度が大きいこと。 (f)任意の形状に成形が可能であること。 ただし、V,E,ρの間にはV=kg(E/ρ)の関係が
ある。もちろん、これらの条件以外に、製造が容易であ
ること、熱や湿度などの外部条件に対して安定であるこ
とが要求されることは言うまでもない。
し、スピーカー等の音響振動板に対する要求性能はます
ます厳しくなっている。すなわち、このような音響振動
板には、外力による変形が少なく、音の歪が小さいこ
と、再生音域が広く、明瞭な音質を出すことが要求さ
れ、そのためには軽く、しかも、弾性率、剛性に優れて
いることが要求されている。これを具体的な物性値の条
件としてまとめると、下記のようになる。 (a)ヤング率(E)が大きいこと。 (b)密度(ρ)が小さいこと。 (c)音速(音波の伝搬速度V)が大きいこと。 (d)振動の内部損失(tan δ)が適当であること。 (e)強度が大きいこと。 (f)任意の形状に成形が可能であること。 ただし、V,E,ρの間にはV=kg(E/ρ)の関係が
ある。もちろん、これらの条件以外に、製造が容易であ
ること、熱や湿度などの外部条件に対して安定であるこ
とが要求されることは言うまでもない。
【0003】従来、このような音響振動板の素材として
は、紙、プラスチック、アルミニウム、マグネシウム、
チタン、ベリリウム、ボロン、シリカ等が用いられてき
た。これらは単独で使用され、あるいはガラス繊維や炭
素繊維などとの複合体として使用され、あるいは金属合
金などの形で使用されてきた。
は、紙、プラスチック、アルミニウム、マグネシウム、
チタン、ベリリウム、ボロン、シリカ等が用いられてき
た。これらは単独で使用され、あるいはガラス繊維や炭
素繊維などとの複合体として使用され、あるいは金属合
金などの形で使用されてきた。
【0004】しかしながら、紙やプラスチックは、ヤン
グ率や密度、音速などの特性が音響振動板としては十分
ではなく、特に、高周波数帯域での周波数特性が著しく
劣り、ツィータ、スコーカー等の音響振動板として明瞭
な音質を得ることは困難であった。
グ率や密度、音速などの特性が音響振動板としては十分
ではなく、特に、高周波数帯域での周波数特性が著しく
劣り、ツィータ、スコーカー等の音響振動板として明瞭
な音質を得ることは困難であった。
【0005】アルミニウム、マグネシウム、チタン等
は、音速がかなり優れているものの振動の内部損失が小
さいため、高周波共振現象を生じ、これもまた高周波用
音響振動板としては不十分な特性しか得られていない。
は、音速がかなり優れているものの振動の内部損失が小
さいため、高周波共振現象を生じ、これもまた高周波用
音響振動板としては不十分な特性しか得られていない。
【0006】ボロン、ベリリウム等は、上記の素材に比
べて優れた物性値を有しているため、音響振動板として
良質の音質を発現することができる。しかしながら、ボ
ロンやベリリウムは、極めて高価であり、しかも、加工
性が著しく劣っているなどの問題を有している。
べて優れた物性値を有しているため、音響振動板として
良質の音質を発現することができる。しかしながら、ボ
ロンやベリリウムは、極めて高価であり、しかも、加工
性が著しく劣っているなどの問題を有している。
【0007】以上のような従来の音響振動板材料の持つ
問題を克服し、優れた高周波特性を有し、かつ良質の音
色の再現を目指して、炭素材料を用いた音響振動板の開
発が行われている。これは炭素(グラファイト)の持つ
優れた物性値を生かし、これを音響振動板として使用す
るものである。このような音響振動板としては、下記の
ような材料が用いられる。 (1)黒鉛粉末と高分子樹脂とからなる複合材料。 (2)黒鉛粉末と高分子樹脂とからなる複合材を更に焼結
した黒鉛/炭素複合型材料。 (3)高分子を熱処理することにより得られる炭素材料。
問題を克服し、優れた高周波特性を有し、かつ良質の音
色の再現を目指して、炭素材料を用いた音響振動板の開
発が行われている。これは炭素(グラファイト)の持つ
優れた物性値を生かし、これを音響振動板として使用す
るものである。このような音響振動板としては、下記の
ような材料が用いられる。 (1)黒鉛粉末と高分子樹脂とからなる複合材料。 (2)黒鉛粉末と高分子樹脂とからなる複合材を更に焼結
した黒鉛/炭素複合型材料。 (3)高分子を熱処理することにより得られる炭素材料。
【0008】このうち、(1)の材料を得るための代表的
な方法としては、塩化ビニル樹脂をマトリックスとし、
これに黒鉛粉末を複合させる。これは優れた性質を有す
る音響振動板材料として知られている。(2)の材料を得
るための方法としては、原油分解ピッチの液晶成分に黒
鉛粉末を混合させ、しかる後、熱処理炭化する。または
黒鉛粉末にこれを結合するバインダーを加える。このよ
うな炭化バインダーの原料として、熱硬化性樹脂のモノ
マー、または初期重合物を加熱時に分解し、相互に反応
して架橋硬化する官能基を有する熱可塑性樹脂を用いて
熱処理炭化する。 これらの方法は有機材料としての炭
素収率を高め、熱処理時における収縮、変形を防止する
ことを目的として開発されたものであり、優れた特性の
音響振動板を得ることができる。
な方法としては、塩化ビニル樹脂をマトリックスとし、
これに黒鉛粉末を複合させる。これは優れた性質を有す
る音響振動板材料として知られている。(2)の材料を得
るための方法としては、原油分解ピッチの液晶成分に黒
鉛粉末を混合させ、しかる後、熱処理炭化する。または
黒鉛粉末にこれを結合するバインダーを加える。このよ
うな炭化バインダーの原料として、熱硬化性樹脂のモノ
マー、または初期重合物を加熱時に分解し、相互に反応
して架橋硬化する官能基を有する熱可塑性樹脂を用いて
熱処理炭化する。 これらの方法は有機材料としての炭
素収率を高め、熱処理時における収縮、変形を防止する
ことを目的として開発されたものであり、優れた特性の
音響振動板を得ることができる。
【0009】しかし、(1)の方法により製造した材料か
らなる音響振動板は、湿度、温度特性に劣り、30℃以
上ではその振動特性は著しく劣化してしまう。また、
(2)の方法はいずれも複雑な製造工程を必要とし、工業
的には量産を行う場合に著しく不利なものであった。す
なわち、原料として用いる原油分解ピットおよびその液
晶成分を工業的に得るためには、高温熱処理や溶剤分別
抽出等の極めて煩雑な工程が必要であり、また、黒鉛粉
末とバインダーを高度の剪断力を有する混練機を用いて
十分に混練し、メカノケミカル反応によってへき開され
た黒鉛結晶とバインダー樹脂を相互に強固に親和分散さ
せ、黒鉛の結晶面をシートの面方向に配向させるという
高度な技術が必要であった。また、これらの方法によっ
て得られた音響振動板は、従来にない極めて優れた特性
を有しているとは言うものの、その特性は現在最高特性
であると言われるベリリウムよりはわずかに劣り、黒鉛
単結晶の理論弾性率1020GPaには、はるかに及ばな
いものであった。
らなる音響振動板は、湿度、温度特性に劣り、30℃以
上ではその振動特性は著しく劣化してしまう。また、
(2)の方法はいずれも複雑な製造工程を必要とし、工業
的には量産を行う場合に著しく不利なものであった。す
なわち、原料として用いる原油分解ピットおよびその液
晶成分を工業的に得るためには、高温熱処理や溶剤分別
抽出等の極めて煩雑な工程が必要であり、また、黒鉛粉
末とバインダーを高度の剪断力を有する混練機を用いて
十分に混練し、メカノケミカル反応によってへき開され
た黒鉛結晶とバインダー樹脂を相互に強固に親和分散さ
せ、黒鉛の結晶面をシートの面方向に配向させるという
高度な技術が必要であった。また、これらの方法によっ
て得られた音響振動板は、従来にない極めて優れた特性
を有しているとは言うものの、その特性は現在最高特性
であると言われるベリリウムよりはわずかに劣り、黒鉛
単結晶の理論弾性率1020GPaには、はるかに及ばな
いものであった。
【0010】(3)の方法では従来のプラスチックフィル
ムがいずれも難黒鉛化材料であるため、当初予想したほ
どの特性は得られなかった。しかも、用いられたプラス
チック材の炭素収率が低く、熱処理時の寸法収縮が大き
く、変形、ひび割れなどがしばしば生じてしまうという
問題があった。すなわち、この方法では任意の形状に成
形したり、十分な品質管理に耐え、しかも、優れた特性
を有する音響振動板を得ることは困難であった。
ムがいずれも難黒鉛化材料であるため、当初予想したほ
どの特性は得られなかった。しかも、用いられたプラス
チック材の炭素収率が低く、熱処理時の寸法収縮が大き
く、変形、ひび割れなどがしばしば生じてしまうという
問題があった。すなわち、この方法では任意の形状に成
形したり、十分な品質管理に耐え、しかも、優れた特性
を有する音響振動板を得ることは困難であった。
【0011】上記(1)〜(3)の材料のうち、(3)の問題
を解決するために、本発明者らは、以前に特定の高分子
を不活性ガス中で熱処理することにより得られるグラフ
ァイトを音響振動板として用いることを提案している。
しかし、この方法により得られるグラファイトは、厚さ
が薄く、また、熱処理時の寸法収縮が大きく、変形、ひ
び割れなどがしばしば生じてしまうため、任意の形状に
成形することが不可能であった。すなわち、この方法で
は平板状の音響振動板しか作製することができず、強度
的にも単体では音響振動板として用いることができな
い。
を解決するために、本発明者らは、以前に特定の高分子
を不活性ガス中で熱処理することにより得られるグラフ
ァイトを音響振動板として用いることを提案している。
しかし、この方法により得られるグラファイトは、厚さ
が薄く、また、熱処理時の寸法収縮が大きく、変形、ひ
び割れなどがしばしば生じてしまうため、任意の形状に
成形することが不可能であった。すなわち、この方法で
は平板状の音響振動板しか作製することができず、強度
的にも単体では音響振動板として用いることができな
い。
【0012】そこで、本発明者らは、種々試験研究した
結果、発泡状態のグラファイトを作製し、これを加圧法
により任意の形状に加工する製造方法により任意の形状
を持つ音響振動板を得ることを可能とした。なお、発泡
状態とは図2に示すように、特定の高分子を高温で熱処
理を行った際に、内部で発生するガスによりグラファイ
ト特有の層状構造が乱れた状態を言う。この状態は内部
にある程度の空間を持つために、完全な層状構造を持っ
たグラファイトが持つ割れやすいという欠点を克服した
ものである。更に表面は音響特性に優れたグラファイト
が連続しており、実質的にこれまで平面状のスピーカー
で用いられてきた、ハニカム材の表面にグラファイトフ
ィルムを接着剤で張り付けた構造と同じになっている。
そして、発泡状態のグラファイトフィルムをそのまま用
いているために、接着剤やハニカムによる音響特性への
影響が皆無である。
結果、発泡状態のグラファイトを作製し、これを加圧法
により任意の形状に加工する製造方法により任意の形状
を持つ音響振動板を得ることを可能とした。なお、発泡
状態とは図2に示すように、特定の高分子を高温で熱処
理を行った際に、内部で発生するガスによりグラファイ
ト特有の層状構造が乱れた状態を言う。この状態は内部
にある程度の空間を持つために、完全な層状構造を持っ
たグラファイトが持つ割れやすいという欠点を克服した
ものである。更に表面は音響特性に優れたグラファイト
が連続しており、実質的にこれまで平面状のスピーカー
で用いられてきた、ハニカム材の表面にグラファイトフ
ィルムを接着剤で張り付けた構造と同じになっている。
そして、発泡状態のグラファイトフィルムをそのまま用
いているために、接着剤やハニカムによる音響特性への
影響が皆無である。
【0013】もちろん、従来の方法で得られたグラファ
イトフィルムを、この発泡状態のグラファイトフィルム
の表面に接着してグラファイトのみからなる音響振動板
を作製することが可能である。この方法によりこれまで
にない高い特性を持った音響振動板を容易に製造するこ
とができるようになった。更にこのような発泡状態のフ
ィルムを加圧成形することにより任意の形状を持つ音響
振動板を得ることが可能となった。
イトフィルムを、この発泡状態のグラファイトフィルム
の表面に接着してグラファイトのみからなる音響振動板
を作製することが可能である。この方法によりこれまで
にない高い特性を持った音響振動板を容易に製造するこ
とができるようになった。更にこのような発泡状態のフ
ィルムを加圧成形することにより任意の形状を持つ音響
振動板を得ることが可能となった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の発泡状態のグラ
ファイトフィルムを用いることにより、これまでにない
高い再生限界周波数を持つ音響振動板を得ることができ
るが、再生周波数特性の平坦性に欠けるという問題を有
していた。これは発泡フィルムを用いたために、内部に
グラファイトの薄い部分が生じたことが原因である。し
たがって、従来の方法のままでは高い音質を持つ音響振
動板を得ることが不可能であった。
ファイトフィルムを用いることにより、これまでにない
高い再生限界周波数を持つ音響振動板を得ることができ
るが、再生周波数特性の平坦性に欠けるという問題を有
していた。これは発泡フィルムを用いたために、内部に
グラファイトの薄い部分が生じたことが原因である。し
たがって、従来の方法のままでは高い音質を持つ音響振
動板を得ることが不可能であった。
【0015】本発明者らは、上記のような音響振動板の
持つ問題点を克服するために、研究した結果、発泡状態
のグラファイトフィルムの表面にエッチングを施し、プ
ラスチックを含浸させて固化させることにより、部分的
に薄くなっている部分を補強して再生周波数特性を平坦
にすることができ、したがって、高い音質を得ることが
できることを究明し、これに基づき本発明の音響振動板
の製造方法を提供しようとするものである。
持つ問題点を克服するために、研究した結果、発泡状態
のグラファイトフィルムの表面にエッチングを施し、プ
ラスチックを含浸させて固化させることにより、部分的
に薄くなっている部分を補強して再生周波数特性を平坦
にすることができ、したがって、高い音質を得ることが
できることを究明し、これに基づき本発明の音響振動板
の製造方法を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の技術的解決手段は、発泡状態のグラファイト
フィルムに対して空気中、あるいは酸素中で加熱処理す
ることにより、表面にその連続性をあまり損わない程度
にエッチングを行ってからプラスチックを含浸させるよ
うにしたものである。
の本発明の技術的解決手段は、発泡状態のグラファイト
フィルムに対して空気中、あるいは酸素中で加熱処理す
ることにより、表面にその連続性をあまり損わない程度
にエッチングを行ってからプラスチックを含浸させるよ
うにしたものである。
【0017】上記発泡状態とは、上記のように特定の高
分子を高温で熱処理を行った際、内部で発生するガスに
よりグラファイト特有の層状構造が乱れた状態を言う。
この状態は内部にある程度の空間を持つが、表面は音響
特性に優れたグラファイトが連続しており、実質的にこ
れまで平面状のスピーカーで用いられてきた、ハニカム
材の表面にグラファイトフィルムを接着剤で張り付けた
構造と同じになっている。
分子を高温で熱処理を行った際、内部で発生するガスに
よりグラファイト特有の層状構造が乱れた状態を言う。
この状態は内部にある程度の空間を持つが、表面は音響
特性に優れたグラファイトが連続しており、実質的にこ
れまで平面状のスピーカーで用いられてきた、ハニカム
材の表面にグラファイトフィルムを接着剤で張り付けた
構造と同じになっている。
【0018】この発泡状態のグラファイトフィルムを空
気中、あるいは酸素中で加熱することにより、表面にエ
ッチングを施すことができる。加熱する温度は300℃
以上、上限はグラファイトフィルムの空気中での耐熱温
度である850℃以下である。また、処理時間は温度お
よび雰囲気により大きく異なるが、いずれの温度でも最
低15分は必要である。
気中、あるいは酸素中で加熱することにより、表面にエ
ッチングを施すことができる。加熱する温度は300℃
以上、上限はグラファイトフィルムの空気中での耐熱温
度である850℃以下である。また、処理時間は温度お
よび雰囲気により大きく異なるが、いずれの温度でも最
低15分は必要である。
【0019】このような処理により得られたグラファイ
トフィルムは表面、更には内部にある程度の数の穴があ
いており、この穴から液体状のプラスチックを含浸させ
ることができ、この含浸には、加圧含浸、真空含浸など
の通常一般に用いられている方法を利用することができ
る。
トフィルムは表面、更には内部にある程度の数の穴があ
いており、この穴から液体状のプラスチックを含浸させ
ることができ、この含浸には、加圧含浸、真空含浸など
の通常一般に用いられている方法を利用することができ
る。
【0020】このようにしてグラファイトフィルムの内
部の空間にプラスチックを満たすことができ、このまま
プラスチックを固化させることにより平面型の振動板と
して用いることができる。また、プラスチックを固化さ
せる前に冶具などによりドーム状などに加圧成形した
後、プラスチックを固化させることによりドーム状等、
任意の形状の音響振動板を得ることができる。
部の空間にプラスチックを満たすことができ、このまま
プラスチックを固化させることにより平面型の振動板と
して用いることができる。また、プラスチックを固化さ
せる前に冶具などによりドーム状などに加圧成形した
後、プラスチックを固化させることによりドーム状等、
任意の形状の音響振動板を得ることができる。
【0021】上記発泡状態のグラファイトフィルムとし
て、ポリフェニレンオキサジアゾール、芳香族ポリイミ
ド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ
パラフェニレンビニレンなどのうちから選ばれた少なく
とも1種類の高分子フィルムを用いることができる。
て、ポリフェニレンオキサジアゾール、芳香族ポリイミ
ド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ
パラフェニレンビニレンなどのうちから選ばれた少なく
とも1種類の高分子フィルムを用いることができる。
【0022】そして、上記高分子フィルムを不活性ガス
中で、2400℃以上の温度で熱処理することにより発
泡状態のグラファイトフィルムを得ることができ、ま
た、上記高分子フィルムの厚さが5μm から400μm
の範囲であるのが好ましい。
中で、2400℃以上の温度で熱処理することにより発
泡状態のグラファイトフィルムを得ることができ、ま
た、上記高分子フィルムの厚さが5μm から400μm
の範囲であるのが好ましい。
【0023】
【作用】したがって、本発明によれば、発泡状態のグラ
ファイトフィルムの内部の薄い部分をプラスチックによ
り補強することができる。
ファイトフィルムの内部の薄い部分をプラスチックによ
り補強することができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0025】(実施例1)ポリイミドフィルム(Dupont
社製、Kapton Hフィルム、厚さ75μm)を窒素雰囲気
中で、昇温速度20℃/minで1000℃まで昇温し、1
時間の熱処理を行った。このようにして得られた炭素質
フィルムをカーボンヒーターを用いた超高温炉(進成電
炉製作所製の超高温炉46−5型)において、常圧のア
ルゴン雰囲気中で、20℃/minの昇温速度で3000℃
まで昇温し、1時間の熱処理を行った。このようにして
得られた発泡状態のグラファイトフィルムの表面を酸素
中で、温度400℃で1時間、熱処理してエッチングを
行い、表面の連続性を損わない程度で穴を形成した。そ
の後、グラファイトフィルムの穴からエポキシ樹脂を含
浸させ、硬化させた。
社製、Kapton Hフィルム、厚さ75μm)を窒素雰囲気
中で、昇温速度20℃/minで1000℃まで昇温し、1
時間の熱処理を行った。このようにして得られた炭素質
フィルムをカーボンヒーターを用いた超高温炉(進成電
炉製作所製の超高温炉46−5型)において、常圧のア
ルゴン雰囲気中で、20℃/minの昇温速度で3000℃
まで昇温し、1時間の熱処理を行った。このようにして
得られた発泡状態のグラファイトフィルムの表面を酸素
中で、温度400℃で1時間、熱処理してエッチングを
行い、表面の連続性を損わない程度で穴を形成した。そ
の後、グラファイトフィルムの穴からエポキシ樹脂を含
浸させ、硬化させた。
【0026】このようにして得られた音響振動板の一部
を切り出し、東洋精器社製のダイナミックモジュラステ
スターを用いて物性値を測定した。その結果、音速1
1.3km/sec、内部損失1.8×10-2であった。この音
響振動板にボイスコイルを取り付け、周波数特性測定装
置により再生周波数特性の測定を行った。その結果、図
1に実線で示すように、限界周波数が40kHzであっ
た。
を切り出し、東洋精器社製のダイナミックモジュラステ
スターを用いて物性値を測定した。その結果、音速1
1.3km/sec、内部損失1.8×10-2であった。この音
響振動板にボイスコイルを取り付け、周波数特性測定装
置により再生周波数特性の測定を行った。その結果、図
1に実線で示すように、限界周波数が40kHzであっ
た。
【0027】(比較例)比較例として、マイカエポキシ
によりドーム状の音響振動板を作製し、この音響振動板
にボイスコイルを取り付け、その限界周波数と周波数特
性を測定した。その結果、限界周波数は30kHzであ
り、周波数特性は図1に破線で示すとおりであった。
によりドーム状の音響振動板を作製し、この音響振動板
にボイスコイルを取り付け、その限界周波数と周波数特
性を測定した。その結果、限界周波数は30kHzであ
り、周波数特性は図1に破線で示すとおりであった。
【0028】これら測定結果からも明らかなように本実
施例における周波数特性は、比較例に比べて非常に平坦
であった。
施例における周波数特性は、比較例に比べて非常に平坦
であった。
【0029】(実施例2)ポリアミドフィルム(旭化成
(株)製、MKフィルム、厚さ50μm)を上記実施例1と
同様の方法により熱処理して発泡状態のグラファイトフ
ィルムを得た。この発泡状態のグラファイトフィルムの
表面を酸素中で、温度400℃で1時間、熱処理してエ
ッチングを行い、表面の連続性を損わない程度で穴を形
成した。その後、グラファイトフィルムの穴からポリア
ミド酸溶液を真空含浸させ、温度180℃で20分間、
温度220℃で10分間、温度310℃で10分間の熱
処理を経てポリイミド化した。
(株)製、MKフィルム、厚さ50μm)を上記実施例1と
同様の方法により熱処理して発泡状態のグラファイトフ
ィルムを得た。この発泡状態のグラファイトフィルムの
表面を酸素中で、温度400℃で1時間、熱処理してエ
ッチングを行い、表面の連続性を損わない程度で穴を形
成した。その後、グラファイトフィルムの穴からポリア
ミド酸溶液を真空含浸させ、温度180℃で20分間、
温度220℃で10分間、温度310℃で10分間の熱
処理を経てポリイミド化した。
【0030】このようにして得られた音響振動板の物性
値は、音速10.1km/sec、内部損失1.84×10-2で
あった。この音響振動板にボイスコイルを取り付け、そ
の限界周波数の測定を行った結果、約38kHzであり、
上記実施例1と同様に周波数特性が非常に平坦な音響振
動板を得ることができた。
値は、音速10.1km/sec、内部損失1.84×10-2で
あった。この音響振動板にボイスコイルを取り付け、そ
の限界周波数の測定を行った結果、約38kHzであり、
上記実施例1と同様に周波数特性が非常に平坦な音響振
動板を得ることができた。
【0031】(実施例3)古河電工(株)製のPODフィ
ルム(厚さ50μm)を上記実施例1と同様の方法によ
り熱処理して発泡状態のグラファイトフィルムを得た。
この発泡状態のグラファイトフィルムを通常の管状炉を
用い、空気中で、温度400℃で3時間、熱処理してエ
ッチングを行い、表面の連続性を損わない程度で穴を形
成した。その後、グラファイトフィルムの穴からエポキ
シ樹脂系接着剤(長瀬チバ製、アラルダイト)を含浸さ
せ、温度80℃で1時間加熱してエポキシ樹脂を硬化さ
せた。
ルム(厚さ50μm)を上記実施例1と同様の方法によ
り熱処理して発泡状態のグラファイトフィルムを得た。
この発泡状態のグラファイトフィルムを通常の管状炉を
用い、空気中で、温度400℃で3時間、熱処理してエ
ッチングを行い、表面の連続性を損わない程度で穴を形
成した。その後、グラファイトフィルムの穴からエポキ
シ樹脂系接着剤(長瀬チバ製、アラルダイト)を含浸さ
せ、温度80℃で1時間加熱してエポキシ樹脂を硬化さ
せた。
【0032】このようにして得られた音響振動板の一部
を切り出し、東洋精器社製のダイナミックモジュラステ
スターを用いて物性値を測定した。その結果、音速1
3.8km/sec、内部損失2.0×10 -2であった。この音
響振動板にボイスコイルを取り付け、その周波数特性を
測定した。その結果、限界周波数は36kHzであり、上
記実施例1と同様に周波数特性が非常に平坦な音響振動
板を得ることができた。
を切り出し、東洋精器社製のダイナミックモジュラステ
スターを用いて物性値を測定した。その結果、音速1
3.8km/sec、内部損失2.0×10 -2であった。この音
響振動板にボイスコイルを取り付け、その周波数特性を
測定した。その結果、限界周波数は36kHzであり、上
記実施例1と同様に周波数特性が非常に平坦な音響振動
板を得ることができた。
【0033】(実施例4)ポリ(フェニレンベンゾイミ
ダゾール)(PBI)フィルム(厚さ50μm)を上記実施
例1と同様の方法により熱処理して発泡状態のグラファ
イトフィルムを得た。この発泡状態のグラファイトフィ
ルムを通常の管状炉を用い、空気中で、温度800℃で
15分間、熱処理してエッチングを行い、表面の連続性
を損わない程度で穴を形成した。その後、グラファイト
フィルムの穴からレゾール系樹脂(レジトップ:商品
名)を含浸させ、温度80℃で1時間加熱してレゾール
系樹脂を硬化させた。
ダゾール)(PBI)フィルム(厚さ50μm)を上記実施
例1と同様の方法により熱処理して発泡状態のグラファ
イトフィルムを得た。この発泡状態のグラファイトフィ
ルムを通常の管状炉を用い、空気中で、温度800℃で
15分間、熱処理してエッチングを行い、表面の連続性
を損わない程度で穴を形成した。その後、グラファイト
フィルムの穴からレゾール系樹脂(レジトップ:商品
名)を含浸させ、温度80℃で1時間加熱してレゾール
系樹脂を硬化させた。
【0034】このようにして得られた音響振動板の一部
を切り出し、東洋精器社製のダイナミックモジュラステ
スターを用いて物性値を測定した。その結果、音速1
2.6km/sec、内部損失1.8×10-2であった。この音
響振動板にボイスコイルを取り付け、その周波数特性を
測定した。その結果、限界周波数は33kHzであり、上
記実施例1と同様に周波数特性が非常に平坦な音響振動
板を得ることができた。
を切り出し、東洋精器社製のダイナミックモジュラステ
スターを用いて物性値を測定した。その結果、音速1
2.6km/sec、内部損失1.8×10-2であった。この音
響振動板にボイスコイルを取り付け、その周波数特性を
測定した。その結果、限界周波数は33kHzであり、上
記実施例1と同様に周波数特性が非常に平坦な音響振動
板を得ることができた。
【0035】(実施例5)ポリ(パラフェニレンビニレ
ン)(PPV)フィルム(厚さ50μm)を上記実施例1と
同様の方法により熱処理して発泡状態のグラファイトフ
ィルムを得た。この発泡状態のグラファイトフィルムを
通常の管状炉を用い、空気中で、温度600℃で20分
間、熱処理してエッチングを行い、表面の連続性を損わ
ない程度で穴を形成した。その後、グラファイトフィル
ムの穴からフルフリルアルコール系樹脂(ヒタフラン:
商品名)を含浸させ、温度80℃で1時間加熱してフル
フリルアルコール系樹脂を硬化させた。
ン)(PPV)フィルム(厚さ50μm)を上記実施例1と
同様の方法により熱処理して発泡状態のグラファイトフ
ィルムを得た。この発泡状態のグラファイトフィルムを
通常の管状炉を用い、空気中で、温度600℃で20分
間、熱処理してエッチングを行い、表面の連続性を損わ
ない程度で穴を形成した。その後、グラファイトフィル
ムの穴からフルフリルアルコール系樹脂(ヒタフラン:
商品名)を含浸させ、温度80℃で1時間加熱してフル
フリルアルコール系樹脂を硬化させた。
【0036】このようにして得られた音響振動板の一部
を切り出し、東洋精器社製のダイナミックモジュラステ
スターを用いて物性値を測定した。その結果、音速1
2.6km/sec、内部損失1.8×10-2であった。この音
響振動板にボイスコイルを取り付け、その周波数特性を
測定した。その結果、限界周波数は33kHzであり、上
記実施例1と同様に周波数特性が非常に平坦な音響振動
板を得ることができた。
を切り出し、東洋精器社製のダイナミックモジュラステ
スターを用いて物性値を測定した。その結果、音速1
2.6km/sec、内部損失1.8×10-2であった。この音
響振動板にボイスコイルを取り付け、その周波数特性を
測定した。その結果、限界周波数は33kHzであり、上
記実施例1と同様に周波数特性が非常に平坦な音響振動
板を得ることができた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発泡状態のグラファイトフィルムの表面をエッチングし
てプラスチックを含浸させ、そのまま固化させ、あるい
は加圧成形後に固化させることにより、発泡状態のグラ
ファイトフィルムの内部の薄い部分を補強するので、再
生周波数特性の平坦性を向上させることができ、したが
って、高い音質を持つ音響振動板を製造することができ
る。
発泡状態のグラファイトフィルムの表面をエッチングし
てプラスチックを含浸させ、そのまま固化させ、あるい
は加圧成形後に固化させることにより、発泡状態のグラ
ファイトフィルムの内部の薄い部分を補強するので、再
生周波数特性の平坦性を向上させることができ、したが
って、高い音質を持つ音響振動板を製造することができ
る。
【図1】本発明の一実施例における製造方法により製造
した音響振動板と比較例の音響振動板の周波数特性を示
す図
した音響振動板と比較例の音響振動板の周波数特性を示
す図
【図2】発泡状態のグラファイトフィルムの断面状態を
模式的に示す図
模式的に示す図
Claims (5)
- 【請求項1】 発泡状態のグラファイトフィルムの表面
をエッチングしてプラスチックを含浸させることを特徴
とする音響振動板の製造方法。 - 【請求項2】 プラスチック含浸後のグラファイトフィ
ルムを加圧成形することを特徴とする請求項1記載の音
響振動板の製造方法。 - 【請求項3】 発泡状態のグラファイトフィルムが、ポ
リフェニレンオキサジアゾール、芳香族ポリイミド、芳
香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリパラフ
ェニレンビニレンのうちから選ばれた少なくとも1種類
の高分子フィルムである請求項1または2記載の音響振
動板の製造方法。 - 【請求項4】 高分子フィルムを不活性ガス中で240
0℃以上の温度で熱処理して発泡状態のグラファイトフ
ィルムを得る請求項3記載の音響振動板の製造方法。 - 【請求項5】 高分子フィルムの厚さが5μm から40
0μm の範囲にある請求項3記載の音響振動板の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16987091A JP2998305B2 (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 音響振動板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16987091A JP2998305B2 (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 音響振動板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0522790A JPH0522790A (ja) | 1993-01-29 |
| JP2998305B2 true JP2998305B2 (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=15894483
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16987091A Expired - Fee Related JP2998305B2 (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 音響振動板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2998305B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100331501B1 (ko) * | 2000-03-14 | 2002-04-06 | 유인희 | 평면스피커의 진동판 제조방법 |
| CN102257836B (zh) | 2008-12-18 | 2014-01-01 | 三菱铅笔株式会社 | 碳质音响振动板及其制造方法 |
-
1991
- 1991-07-10 JP JP16987091A patent/JP2998305B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0522790A (ja) | 1993-01-29 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5043185A (en) | Method for fabricating a graphite film for use as an electroacoustic diaphragm | |
| JP3630669B2 (ja) | 複合炭素振動板およびその製造方法 | |
| JP2998305B2 (ja) | 音響振動板の製造方法 | |
| EP0468524B1 (en) | Method of manufacturing acoustic diaphragm | |
| US4975318A (en) | Improved acoustic carbon diaphragm | |
| JP2003219493A (ja) | スピーカー用振動板 | |
| US4938829A (en) | Process of making a diaphragm of vitreous hard carbonaceous material for an acoustic device | |
| JP2584114B2 (ja) | 音響振動板の製造方法 | |
| US4919859A (en) | Process of making an acoustic carbon diaphragm | |
| JPH0423699A (ja) | 音響振動板 | |
| JP2953022B2 (ja) | 振動板の製造方法 | |
| WO2024001246A1 (zh) | 发声装置的球顶、振膜组件以及发声装置和电子设备 | |
| US4921559A (en) | Process of making an acoustic carbon diaphragm | |
| JPH0385898A (ja) | 音響振動板 | |
| JP2890789B2 (ja) | 振動板の製造方法 | |
| CN115243165A (zh) | 用于发声装置的球顶、振膜组件、发声装置及电子设备 | |
| JPS6256098A (ja) | ガラス状硬質炭素質音響機器用振動板の製造方法 | |
| JPS6052640B2 (ja) | 炭素振動板 | |
| JP3025542B2 (ja) | 炭素質音響機器用振動板及びその製造方法 | |
| JPH03274999A (ja) | 音響振動板の製造方法 | |
| JPH0484599A (ja) | 音響振動板の製造方法 | |
| JPH0385899A (ja) | 音響振動板 | |
| JPS61236298A (ja) | 全炭素質音響機器用振動板の製造法 | |
| JPH0720312B2 (ja) | 音響機器用振動板の製造法 | |
| JPS6057280B2 (ja) | 音響機器用振動板の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |