JP2991869B2 - 冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼 - Google Patents
冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機械および自動車
部品等の素材として用いられる機械構造用炭素鋼に関
し、特に冷間鍛造性に優れる機械構造用鋼材を提供す
る。
部品等の素材として用いられる機械構造用炭素鋼に関
し、特に冷間鍛造性に優れる機械構造用鋼材を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷間鍛造は、生産能率や材料歩
留りが高く、仕上げ寸法精度に優れることから、ボルト
やナットをはじめとして、各種機械部品の製造に広く用
いられている加工方法である。この加工方法に適用され
る鋼材, すなわち、冷間鍛造用鋼としては従来、Cが0.
45wt%以下の、例えば、JIS S45Cを用い、これに球状
化焼なましを施して軟質化した後、冷間鍛造に供せられ
るのが通例であった。
留りが高く、仕上げ寸法精度に優れることから、ボルト
やナットをはじめとして、各種機械部品の製造に広く用
いられている加工方法である。この加工方法に適用され
る鋼材, すなわち、冷間鍛造用鋼としては従来、Cが0.
45wt%以下の、例えば、JIS S45Cを用い、これに球状
化焼なましを施して軟質化した後、冷間鍛造に供せられ
るのが通例であった。
【0003】近年、冷間鍛造用鋼材として、Cが0.45wt
%よりも高い鋼を用いる例が増加している。この背景に
は、機械部品としてのより一層の機能を望むために、焼
入れ焼もどし後の表面硬度の要求レベルが一段と高くな
ってきたことに起因している。しかし、鋼中C%の増加
は、冷間鍛造時の変形抵抗を増加させ、冷間鍛造用金型
の寿命を極端に低下させるばかりでなく、鍛造荷重の増
加を招いて鍛造機の能力が不足するようになり、いわゆ
る従来の鍛造機では加工が困難になるという新たな問題
を招いた。
%よりも高い鋼を用いる例が増加している。この背景に
は、機械部品としてのより一層の機能を望むために、焼
入れ焼もどし後の表面硬度の要求レベルが一段と高くな
ってきたことに起因している。しかし、鋼中C%の増加
は、冷間鍛造時の変形抵抗を増加させ、冷間鍛造用金型
の寿命を極端に低下させるばかりでなく、鍛造荷重の増
加を招いて鍛造機の能力が不足するようになり、いわゆ
る従来の鍛造機では加工が困難になるという新たな問題
を招いた。
【0004】このような問題を解決するために従来、特
開昭61−113744号公報では、冷間圧延前に炭化物の球状
化焼なましを行うことを前提として、Si, Mn, Crさらに
はP、NおよびOの化学組成を調整することにより、変
形抵抗の低減, 変形能の向上を実現する技術を提案して
いる。しかしながら、この方法は、本発明者らが追試し
たところによれば、たとえ化学成分を調整しても、少な
くとも球状化焼なまし組織については、変形抵抗の低減
には限界があり、依然として高いという問題があった。
開昭61−113744号公報では、冷間圧延前に炭化物の球状
化焼なましを行うことを前提として、Si, Mn, Crさらに
はP、NおよびOの化学組成を調整することにより、変
形抵抗の低減, 変形能の向上を実現する技術を提案して
いる。しかしながら、この方法は、本発明者らが追試し
たところによれば、たとえ化学成分を調整しても、少な
くとも球状化焼なまし組織については、変形抵抗の低減
には限界があり、依然として高いという問題があった。
【0005】かつて本発明者らは、鋼中の炭化物をセメ
ンタイトではなく黒鉛化させると、同一C量であっても
冷間鍛造時の変形抵抗および変形能が著しく向上するこ
とをつきとめ、この技術を提案した(特開平3−146618
号公報参照)。その他にも、鋼中の炭化物を黒鉛化する
という考え方については、例えば、特開昭49−67816 号
公報、特開昭49−67817 号公報、特開昭49−103817号公
報および特開昭50−1913号公報などにも開示があるが、
本発明者らの研究によれば、これら既知技術が提案して
いる鋼では、冷間変形能が劣るとともに、黒鉛化するの
に著しく長時間を必要とし、それ故に工業的規模での実
施が困難である。
ンタイトではなく黒鉛化させると、同一C量であっても
冷間鍛造時の変形抵抗および変形能が著しく向上するこ
とをつきとめ、この技術を提案した(特開平3−146618
号公報参照)。その他にも、鋼中の炭化物を黒鉛化する
という考え方については、例えば、特開昭49−67816 号
公報、特開昭49−67817 号公報、特開昭49−103817号公
報および特開昭50−1913号公報などにも開示があるが、
本発明者らの研究によれば、これら既知技術が提案して
いる鋼では、冷間変形能が劣るとともに、黒鉛化するの
に著しく長時間を必要とし、それ故に工業的規模での実
施が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この本発明の目的は、
上述の各自従来技術が共通に抱えている問題点がない冷
間鍛造用鋼を提案するところにあり、いわゆる冷間鍛造
時の変形抵抗が小さく、かつ変形能の良好な鋼材を工業
的規模で製造できる技術を確立することにある。
上述の各自従来技術が共通に抱えている問題点がない冷
間鍛造用鋼を提案するところにあり、いわゆる冷間鍛造
時の変形抵抗が小さく、かつ変形能の良好な鋼材を工業
的規模で製造できる技術を確立することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上掲の目的実現に向けた
多くの実験, 研究の結果、発明者らは、この種の鋼種の
製造に当たって、工業提供規模で実施することが可能な
程度に黒鉛化速度を向上させる成分組成について検討し
た結果、以下に述べるような知見を得るに至った。
多くの実験, 研究の結果、発明者らは、この種の鋼種の
製造に当たって、工業提供規模で実施することが可能な
程度に黒鉛化速度を向上させる成分組成について検討し
た結果、以下に述べるような知見を得るに至った。
【0008】鋼中セメンタイトの黒鉛化は、セメンタイ
トの分解、分解したCの拡散、および黒鉛の結晶化の過
程を経て行われる。従って、この黒鉛化の促進のために
は、これらの各過程の作用を促進する元素の選択が必要
となる。このことに関し、発明者らは、黒鉛化の結晶化
の核として、BNおよびAlNが極めて有効であることを
探り出した。すなわち、これらBN,AlNを形成した鋼
材においては、極めて黒鉛化の進行が早く、鋼中のセメ
ンタイトは短時間で黒鉛となる。この理由については必
ずしも明確ではないが、黒鉛とこれらの析出物の結晶構
造が類似していることによるものと思われる。ただし、
BNおよびAlN単独では黒鉛化の促進には限度があり、
BNおよびAlNが共存していることが必要である。ま
た、この黒鉛化の促進には、セメンタイトを不安定にし
て、分解を容易にする元素の選択も当然に必要であり、
特にSi量がある値以上になるとその効果が著しいことが
判った。
トの分解、分解したCの拡散、および黒鉛の結晶化の過
程を経て行われる。従って、この黒鉛化の促進のために
は、これらの各過程の作用を促進する元素の選択が必要
となる。このことに関し、発明者らは、黒鉛化の結晶化
の核として、BNおよびAlNが極めて有効であることを
探り出した。すなわち、これらBN,AlNを形成した鋼
材においては、極めて黒鉛化の進行が早く、鋼中のセメ
ンタイトは短時間で黒鉛となる。この理由については必
ずしも明確ではないが、黒鉛とこれらの析出物の結晶構
造が類似していることによるものと思われる。ただし、
BNおよびAlN単独では黒鉛化の促進には限度があり、
BNおよびAlNが共存していることが必要である。ま
た、この黒鉛化の促進には、セメンタイトを不安定にし
て、分解を容易にする元素の選択も当然に必要であり、
特にSi量がある値以上になるとその効果が著しいことが
判った。
【0009】しかも、鋼材の成分組成をかように適正化
することにより、黒鉛粒は5〜10μm 程度の微粒とな
り、この結果、冷間鍛造性が大幅に向上することにな
る。
することにより、黒鉛粒は5〜10μm 程度の微粒とな
り、この結果、冷間鍛造性が大幅に向上することにな
る。
【0010】本発明は以上の知見に基づいてなされたも
のであり、その要旨とするところは以下の通りである。 C:0.4 〜1.1 wt%、 Si:1.5 超〜2.0 wt%、 Mn:0.10〜0.9 wt%、 P≦0.030 wt%、 S:0.001 〜0.03wt%、 B:0.0003〜0.0150wt%、 Al:0.01〜0.5 wt%、 N:0.0015〜0.0070wt%、 O≦0.0030wt% および Cr≦0.10wt% を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成よりな
り、しかも、組織がフェライト及び黒鉛あるいはさらに
セメンタイトからなることを特徴とする冷間鍛造性に優
れた機械構造用鋼(第1発明鋼)。
のであり、その要旨とするところは以下の通りである。 C:0.4 〜1.1 wt%、 Si:1.5 超〜2.0 wt%、 Mn:0.10〜0.9 wt%、 P≦0.030 wt%、 S:0.001 〜0.03wt%、 B:0.0003〜0.0150wt%、 Al:0.01〜0.5 wt%、 N:0.0015〜0.0070wt%、 O≦0.0030wt% および Cr≦0.10wt% を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成よりな
り、しかも、組織がフェライト及び黒鉛あるいはさらに
セメンタイトからなることを特徴とする冷間鍛造性に優
れた機械構造用鋼(第1発明鋼)。
【0011】第1発明の鋼において、さらに、 Cu:0.10〜1.0 wt% および Ni:0.10〜2.0 wt% のいずれか1種または2種を含有し、残部はFeおよび不
可避的不純物の組成よりなり、しかも、組織がフェライ
ト及び黒鉛あるいはさらにセメンタイトからなることを
特徴とする冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼(第2発明
鋼)。
可避的不純物の組成よりなり、しかも、組織がフェライ
ト及び黒鉛あるいはさらにセメンタイトからなることを
特徴とする冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼(第2発明
鋼)。
【0012】第1発明の鋼において、さらに、 Nb:0.001 〜0.05wt% および Ti:0.001 〜0.05wt% のいずれか1種または2種を含有し、残部はFeおよび不
可避的不純物の組成よりなり、しかも、組織がフェライ
ト及び黒鉛あるいはさらにセメンタイトからなることを
特徴とする冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼(第3発明
鋼)。
可避的不純物の組成よりなり、しかも、組織がフェライ
ト及び黒鉛あるいはさらにセメンタイトからなることを
特徴とする冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼(第3発明
鋼)。
【0013】第1発明の鋼において、さらに、 Cu:0.10〜1.0 wt% および Ni:0.10 〜2.0 wt% のいずれか1種または2種と、 Nb:0.001 〜0.05wt% および Ti:0.001 〜0.05wt% のいずれか1種または2種とを含有し、残部はFeおよび
不可避的不純物の組成よりなり、しかも、組織がフェラ
イト及び黒鉛あるいはさらにセメンタイトからなること
を特徴とする冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼(第4発
明鋼)。
不可避的不純物の組成よりなり、しかも、組織がフェラ
イト及び黒鉛あるいはさらにセメンタイトからなること
を特徴とする冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼(第4発
明鋼)。
【0014】
【作用】以下に、本発明において、鋼の成分組成を前記
の範囲に限定する理由について説明する。
の範囲に限定する理由について説明する。
【0015】C:0.4 〜1.1 wt% Cは、黒鉛相の形成のためには不可欠な元素であり、ま
た機械部品としての強度を確保する上で重要な元素であ
る。この含有量が0.4 wt%未満では本発明所定の作用効
果が得られない。一方、1.1 wt%を超える量を含有する
と、熱間圧延時の変形抵抗が増加して熱間圧延が困難と
なるので、0.4 〜1.1 wt%の範囲に限定した。
た機械部品としての強度を確保する上で重要な元素であ
る。この含有量が0.4 wt%未満では本発明所定の作用効
果が得られない。一方、1.1 wt%を超える量を含有する
と、熱間圧延時の変形抵抗が増加して熱間圧延が困難と
なるので、0.4 〜1.1 wt%の範囲に限定した。
【0016】Si:1.5 超〜2.0 wt% Siは、鋼中のセメンタイトを不安定にして黒鉛化を促進
するとともに、脱酸にも有用な元素であるので、積極的
に用いる。この含有量が1.5 wt%を超えた場合に、Ac1
変態点が上昇し、焼もどし時に短時間で黒鉛化を完了さ
せることができるようになる。すなわち、1.5 wt%以下
の添加では、黒鉛化に長時間が必要となる。一方、2.0
wt%を超えて添加すると、熱間圧延時の脱炭が著しくな
り、焼入れ焼戻し後の機械的性質が劣化するので、1.5
超〜2.0 wt%の範囲とした。
するとともに、脱酸にも有用な元素であるので、積極的
に用いる。この含有量が1.5 wt%を超えた場合に、Ac1
変態点が上昇し、焼もどし時に短時間で黒鉛化を完了さ
せることができるようになる。すなわち、1.5 wt%以下
の添加では、黒鉛化に長時間が必要となる。一方、2.0
wt%を超えて添加すると、熱間圧延時の脱炭が著しくな
り、焼入れ焼戻し後の機械的性質が劣化するので、1.5
超〜2.0 wt%の範囲とした。
【0017】Mn:0.10〜0.9 wt% Mnは、焼入れ性を確保する上で有用な元素であるので積
極的に用いるが、0.1wt%未満の添加ではその効果が小
さく、一方、0.9 wt%を超えて添加すると黒鉛化を阻害
するので、上限を0.9 wt%とする。
極的に用いるが、0.1wt%未満の添加ではその効果が小
さく、一方、0.9 wt%を超えて添加すると黒鉛化を阻害
するので、上限を0.9 wt%とする。
【0018】P≦0.030 wt% Pは、冷間鍛造性を劣化させるので、極力低減すること
が望ましいが、その含有量が0.03wt%までであれば許容
される。
が望ましいが、その含有量が0.03wt%までであれば許容
される。
【0019】S:0.001 〜0.03wt% Sは、被削性を向上させる元素であるので積極的に添加
するが、0.001 wt%未満ではその効果に乏しく、0.001
wt%以上の添加を必要とするが、一方で0.03wt%を超え
て添加すると、鋼材の変形能を著しく低下させるので、
上限を0.03wt%とする。
するが、0.001 wt%未満ではその効果に乏しく、0.001
wt%以上の添加を必要とするが、一方で0.03wt%を超え
て添加すると、鋼材の変形能を著しく低下させるので、
上限を0.03wt%とする。
【0020】B:0.0003〜0.0150wt% Bは、微量の添加により焼入れ性を向上させると同時
に、黒鉛の結晶化の核となるBNの生成により黒鉛化速
度を著しく速めるので積極的に添加するが、0.0003wt%
未満ではそれらの効果に乏しく、一方、0.0150wt%を超
えて添加してもそれらの効果が飽和するので、0.0003〜
0.0150wt%の範囲に限定した。好ましくは、0.0050超〜
0.0150wt%の範囲で添加するのがよい。
に、黒鉛の結晶化の核となるBNの生成により黒鉛化速
度を著しく速めるので積極的に添加するが、0.0003wt%
未満ではそれらの効果に乏しく、一方、0.0150wt%を超
えて添加してもそれらの効果が飽和するので、0.0003〜
0.0150wt%の範囲に限定した。好ましくは、0.0050超〜
0.0150wt%の範囲で添加するのがよい。
【0021】Al:0.01〜0.5 wt% Alは、脱酸に有効であるとともに、AlNを形成すること
により黒鉛化速度を向上させるのに有効な元素である。
また、固溶Alは、セメンタイトの分解を容易にすること
により黒鉛化速度を向上させるので、積極的に添加す
る。その添加量が0.01wt%未満ではその効果に乏しく、
0.5 wt%を超えて添加すると溶製が困難となるので、0.
01〜0.5 wt%の範囲とした。
により黒鉛化速度を向上させるのに有効な元素である。
また、固溶Alは、セメンタイトの分解を容易にすること
により黒鉛化速度を向上させるので、積極的に添加す
る。その添加量が0.01wt%未満ではその効果に乏しく、
0.5 wt%を超えて添加すると溶製が困難となるので、0.
01〜0.5 wt%の範囲とした。
【0022】N:0.0015〜0.0070wt% Nは、AlNおよびBNを形成することにより黒鉛化を促
進するので、本発明においては必須の調整成分である。
その含有量が0.0015wt%未満では、これら黒鉛の結晶化
の核となる析出物の形成が充分行われないので0.0015wt
%以上の添加を必要とするが、0.0070wt%を超えて添加
すると冷間鍛造性を損なうので0.0070wt%未満の範囲内
で含有させることとした。
進するので、本発明においては必須の調整成分である。
その含有量が0.0015wt%未満では、これら黒鉛の結晶化
の核となる析出物の形成が充分行われないので0.0015wt
%以上の添加を必要とするが、0.0070wt%を超えて添加
すると冷間鍛造性を損なうので0.0070wt%未満の範囲内
で含有させることとした。
【0023】O:0.0030wt%以下 Oは、酸化物系非金属介在物を形成し、冷間鍛造時の変
形能を劣化させるので、極力低減させることが望ましい
が、0.003 wt%まで含有させることが許容される。
形能を劣化させるので、極力低減させることが望ましい
が、0.003 wt%まで含有させることが許容される。
【0024】Cr:0.10wt%以下 Crは、セメンタイト中へ分配することによりセメンタイ
トを安定化し、黒鉛化を著しく低下させるので、極力低
減させるべきである。従って、その量は0.10wt%以下に
抑制しなければならない。
トを安定化し、黒鉛化を著しく低下させるので、極力低
減させるべきである。従って、その量は0.10wt%以下に
抑制しなければならない。
【0025】Cu:0.10〜1.0 wt% Cuは、セメンタイトを不安定にすることにより黒鉛化を
速める。また、焼入れ性を向上させるので添加してもよ
いが、0.1 wt%未満の添加ではその効果に乏しく、ま
た、1.0 wt%を超えて添加すると熱間変形能を劣化させ
るので、0.1 〜1.0wt %の範囲とする。
速める。また、焼入れ性を向上させるので添加してもよ
いが、0.1 wt%未満の添加ではその効果に乏しく、ま
た、1.0 wt%を超えて添加すると熱間変形能を劣化させ
るので、0.1 〜1.0wt %の範囲とする。
【0026】Ni:0.10〜2.0 wt% Niは、Cuと同様にセメンタイトを不安定にし、黒鉛化を
促進すると同時に、鋼の焼入れ性を向上させる元素であ
るので、これの添加は有効である。しかし、0.1 wt%未
満ではその添加効果が乏しく、また、高価な元素である
ので、2.0 wt%を超えて添加すると、本発明により得ら
れる工業的な利用価値が消失するので、0.10〜2.0 wt%
以下の範囲内に限定した。
促進すると同時に、鋼の焼入れ性を向上させる元素であ
るので、これの添加は有効である。しかし、0.1 wt%未
満ではその添加効果が乏しく、また、高価な元素である
ので、2.0 wt%を超えて添加すると、本発明により得ら
れる工業的な利用価値が消失するので、0.10〜2.0 wt%
以下の範囲内に限定した。
【0027】Nb:0.001 〜0.05wt% Nbは、炭窒化物を形成し、熱間圧延の加熱過程におい
て、γ粒の成長を抑制することにより熱間圧延後の組織
を微細化する。この結果、黒鉛化後のフェライトが細粒
化し冷間鍛造性が向上するので、これの添加は有効であ
る。この場合、少なくとも0.001 wt%以上の添加が必要
である。しかしながら、0.05wt%を超えて添加してもそ
の効果が飽和すると同時に、析出強化によりむしろ冷間
鍛造性を低下させるので、0.001 〜0.05wt%の範囲内で
添加する。
て、γ粒の成長を抑制することにより熱間圧延後の組織
を微細化する。この結果、黒鉛化後のフェライトが細粒
化し冷間鍛造性が向上するので、これの添加は有効であ
る。この場合、少なくとも0.001 wt%以上の添加が必要
である。しかしながら、0.05wt%を超えて添加してもそ
の効果が飽和すると同時に、析出強化によりむしろ冷間
鍛造性を低下させるので、0.001 〜0.05wt%の範囲内で
添加する。
【0028】Ti:0.001 〜0.05wt% Tiは、炭窒化物を形成し、熱間圧延の過程において、γ
粒の成長を抑制することにより熱間圧延後の組織を微細
化する。この結果、黒鉛化後のフェライトが細粒化し冷
間鍛造性が向上するので、これの添加は有効である。こ
の場合、少なくとも0.001 wt%以上の添加が必要であ
る。しかしながら、0.05wt%を超えて添加してもその効
果が飽和すると同時に、析出強化によりむしろ冷間鍛造
性を低下させるので、0.001 〜0.05wt%の範囲内で添加
する。
粒の成長を抑制することにより熱間圧延後の組織を微細
化する。この結果、黒鉛化後のフェライトが細粒化し冷
間鍛造性が向上するので、これの添加は有効である。こ
の場合、少なくとも0.001 wt%以上の添加が必要であ
る。しかしながら、0.05wt%を超えて添加してもその効
果が飽和すると同時に、析出強化によりむしろ冷間鍛造
性を低下させるので、0.001 〜0.05wt%の範囲内で添加
する。
【0029】また、本発明に係る冷間鍛造用鋼というの
は、主として黒鉛とフェライトよりなる組織とすること
が必要であるが、微量のセメンタイトを含有してもよ
い。前記黒鉛化の熱処理としては、Ac1点以下の温度領
域に5〜30時間程度保持するのみで黒鉛化は可能であ
り、前処理としての焼入れ、冷間加工等は不要である。
は、主として黒鉛とフェライトよりなる組織とすること
が必要であるが、微量のセメンタイトを含有してもよ
い。前記黒鉛化の熱処理としては、Ac1点以下の温度領
域に5〜30時間程度保持するのみで黒鉛化は可能であ
り、前処理としての焼入れ、冷間加工等は不要である。
【0030】
【実施例】表1に示す成分組成になる鋼を、180 t転炉
により溶製し、その後、真空脱ガス処理を施してから連
続鋳造し、その後、熱間圧延により150 mm角ビレットと
した。さらに、これらのビレットを熱間圧延により50mm
φ棒鋼とした。次いで、これらの棒鋼に 700℃×7h→
空冷の黒鉛化処理を施し、その後、15mmφ×22.5mmH の
円柱型試験片を作製し、端面完全拘束の条件下で圧縮試
験を施し、加工時の冷間変形抵抗および限界圧縮率を求
めた。ここで、限界圧縮率は、試験片に割れの発生しは
じめる圧縮率とした。また、処理後のミクロ組織を観察
し、黒鉛粒数および炭化物粒数を計数し、黒鉛粒数/
(黒鉛粒数+炭化物粒数)×100(%) を黒鉛化率として
定量化した。これらの結果を表1に付記する。表1のN
o. 1〜12は本発明鋼であり、黒鉛化率は、いずれも短
時間の処理にもかかわらず黒鉛化率は98%以上の値とな
っている。その結果、冷間鍛造時の変形抵抗および限界
圧縮率は高い。また、No. 13〜20は化学組成が本発明の
範囲外にある場合であり、黒鉛化率が低く、その結果、
冷間鍛造時の変形抵抗および限界圧縮率は、本発明鋼の
場合に比較して劣化している。
により溶製し、その後、真空脱ガス処理を施してから連
続鋳造し、その後、熱間圧延により150 mm角ビレットと
した。さらに、これらのビレットを熱間圧延により50mm
φ棒鋼とした。次いで、これらの棒鋼に 700℃×7h→
空冷の黒鉛化処理を施し、その後、15mmφ×22.5mmH の
円柱型試験片を作製し、端面完全拘束の条件下で圧縮試
験を施し、加工時の冷間変形抵抗および限界圧縮率を求
めた。ここで、限界圧縮率は、試験片に割れの発生しは
じめる圧縮率とした。また、処理後のミクロ組織を観察
し、黒鉛粒数および炭化物粒数を計数し、黒鉛粒数/
(黒鉛粒数+炭化物粒数)×100(%) を黒鉛化率として
定量化した。これらの結果を表1に付記する。表1のN
o. 1〜12は本発明鋼であり、黒鉛化率は、いずれも短
時間の処理にもかかわらず黒鉛化率は98%以上の値とな
っている。その結果、冷間鍛造時の変形抵抗および限界
圧縮率は高い。また、No. 13〜20は化学組成が本発明の
範囲外にある場合であり、黒鉛化率が低く、その結果、
冷間鍛造時の変形抵抗および限界圧縮率は、本発明鋼の
場合に比較して劣化している。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明を適用する
ことにより、冷間鍛造時の変形抵抗が低く、同時に変形
能にも優れた冷間鍛造用鋼を経済的に得ることができ、
冷間鍛造による機械部品の製造に資すること大である。
ことにより、冷間鍛造時の変形抵抗が低く、同時に変形
能にも優れた冷間鍛造用鋼を経済的に得ることができ、
冷間鍛造による機械部品の製造に資すること大である。
フロントページの続き (72)発明者 河崎 充実 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (72)発明者 藤田 利夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平3−146618(JP,A) 特開 平3−140411(JP,A) 特開 昭64−25946(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/18 C22C 38/40 C22C 38/50
Claims (4)
- 【請求項1】C:0.4 〜1.1 wt%、 Si:1.5 超〜2.
0 wt%、 Mn:0.10〜0.9 wt%、 P≦0.030 wt%、 S:0.001 〜0.03wt%、 B:0.0003〜0.0150wt%、 Al:0.01〜0.5 wt%、 N:0.0015〜0.0070wt%、 O≦0.0030wt% および Cr≦0.10wt% を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成よりな
り、しかも、組織がフェライト及び黒鉛あるいはさらに
セメンタイトからなることを特徴とする冷間鍛造性に優
れた機械構造用鋼。 - 【請求項2】C:0.4 〜1.1 wt%、 Si:1.5 超〜2.
0 wt%、 Mn:0.10〜0.9 wt%、 P≦0.030 wt%、 S:0.001 〜0.03wt%、 B:0.0003〜0.0150wt%、 Al:0.01〜0.5 wt%、 N:0.0015〜0.0070wt%、 O≦0.0030wt% および Cr≦0.10wt% を含有し、かつ Cu:0.10〜1.0 wt% および Ni:0.10〜2.0 wt% のいずれか1種または2種を含有し、残部はFeおよび不
可避的不純物の組成よりなり、しかも、組織がフェライ
ト及び黒鉛あるいはさらにセメンタイトからなることを
特徴とする冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼。 - 【請求項3】C:0.4 〜1.1 wt%、 Si:1.5 超〜2.
0 wt%、 Mn:0.10〜0.9 wt%、 P≦0.030 wt%、 S:0.001 〜0.03wt%、 B:0.0003〜0.0150wt%、 Al:0.01〜0.5 wt%、 N:0.0015〜0.0070wt%、 O≦0.0030wt% および Cr≦0.10wt% を含有し、かつ Nb:0.001 〜0.05wt% および Ti:0.001 〜0.05wt% のいずれか1種または2種を含有し、残部はFeおよび不
可避的不純物の組成よりなり、しかも、組織がフェライ
ト及び黒鉛あるいはさらにセメンタイトからなることを
特徴とする冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼。 - 【請求項4】C:0.4 〜1.1 wt%、 Si:1.5 超〜2.
0 wt%、 Mn:0.10〜0.9 wt%、 P≦0.030 wt%、 S:0.001 〜0.03wt%、 B:0.0003〜0.0150wt%、 Al:0.01〜0.5 wt%、 N:0.0015〜0.0070wt%、 O≦0.0030wt% および Cr≦0.10wt% を含有し、かつ Cu:0.10〜1.0 wt% および Ni:0.10 〜2.0 wt% のいずれか1種または2種と、 Nb:0.001 〜0.05wt% および Ti:0.001 〜0.05wt% のいずれか1種または2種とを含有し、残部はFeおよび
不可避的不純物の組成よりなり、しかも、組織がフェラ
イト及び黒鉛あるいはさらにセメンタイトからなること
を特徴とする冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4216952A JP2991869B2 (ja) | 1992-08-14 | 1992-08-14 | 冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4216952A JP2991869B2 (ja) | 1992-08-14 | 1992-08-14 | 冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0657369A JPH0657369A (ja) | 1994-03-01 |
| JP2991869B2 true JP2991869B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=16696496
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4216952A Expired - Fee Related JP2991869B2 (ja) | 1992-08-14 | 1992-08-14 | 冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP2991869B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5368885B2 (ja) | 2009-06-05 | 2013-12-18 | 株式会社神戸製鋼所 | 熱間加工性及び被削性に優れた機械構造用鋼 |
| CN102686759B (zh) * | 2009-10-02 | 2014-04-23 | 株式会社神户制钢所 | 机械结构用钢及其制造方法和表面硬化钢部件及其制造方法 |
| JP5687945B2 (ja) * | 2011-04-08 | 2015-03-25 | 株式会社神戸製鋼所 | 被削性と高温強度に優れた高周波焼入れ用鋼、及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-08-14 JP JP4216952A patent/JP2991869B2/ja not_active Expired - Fee Related
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