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JP2862155B2 - 溶融金属メッキの付着量調整方法 - Google Patents

溶融金属メッキの付着量調整方法

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Publication number
JP2862155B2
JP2862155B2 JP3308549A JP30854991A JP2862155B2 JP 2862155 B2 JP2862155 B2 JP 2862155B2 JP 3308549 A JP3308549 A JP 3308549A JP 30854991 A JP30854991 A JP 30854991A JP 2862155 B2 JP2862155 B2 JP 2862155B2
Authority
JP
Japan
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nozzle
molten metal
strip
amount
wiping
Prior art date
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Application number
JP3308549A
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JPH05117832A (ja
Inventor
一成 安達
晴美 重本
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP3308549A priority Critical patent/JP2862155B2/ja
Publication of JPH05117832A publication Critical patent/JPH05117832A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2862155B2 publication Critical patent/JP2862155B2/ja
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  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属メッキの付着
量調整方法、特に溶融亜鉛等の溶融金属メッキ浴内を通
過させて引上げられるストリップの表面の金属付着量を
ワイピングノズルによるガスの噴射によって調整する溶
融金属メッキの付着量調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、連続溶融亜鉛メッキ等の溶融金
属メッキは、メッキ浴にストリップを浸漬・通過させた
後に引上げると共に、引上げられたストリップの表面に
ワイピングノズルからガスを吹き付け、余分な溶融金属
を取除くことにより行われている。
【0003】上記連続溶融金属メッキにおいては、スト
リップに対する溶融金属の付着量を目標の値となるよう
に正確に調整することが極めて重要である。
【0004】このような、連続溶融金属メッキラインで
のメッキ付着量の調整は、メッキ後の製品の用途の多様
性、耐蝕性、コスト等の点から多くの種類に細分化され
ている。従って、品種を切替えるときは勿論のこと、目
標付着量を変更するときにも、ノズル噴射圧P、ノズル
−ストリップ間隔D、ワイピングノズル高さH、ワイピ
ングノズルのスリット厚さB、ストリップ移動速度Vを
適切、且つ迅速に変更・設定する必要がある。
【0005】溶融金属メッキを行う際の付着量調整方法
としては、例えば、特開昭54−149331、特公昭
56−12316、特開平1−92324に開示されて
いるものが知られている。
【0006】特開昭54−149331では、ストリッ
プ表面での気体圧力を、メッキ浴面からの距離の関数と
してとらえ、該関数を充足するようにノズル高さ、ノズ
ル−ストリップ間隔、気体の噴射圧力を調整するように
しており、又、特公昭56−12316では、気体噴射
圧力がノズルの間隔、高さ、角度、ラインスピード、メ
ッキ付着量の関数で表わされることを利用してメッキ付
着量を調整しており、更に、特開平1−92324で
は、ノズル直上部のメッキ付着量をフィードバック制御
する際に、ワイピング圧力と付着量の関係式、及び、ノ
ズル間隔と付着量との関係式を用いてメッキ付着量を調
整している。
【0007】従来は、上記公報に開示されているよう
に、ワイピングノズルの噴射圧P、ノズル−ストリップ
間隔D、ストリップ速度V、溶融金属付着量W等に基づ
いてフィードバック制御する方法や、溶融金属付着量W
と操業因子との関係式によりフィードフォワード制御す
る方法が一般に実施されている。
【0008】一般に、フィードフォワード制御又はフィ
ードバック制御を行う際には、連続的に移動するストリ
ップに対する溶融金属の付着量を調整するために、目標
付着量に応じてワイピングノズルの噴射圧Pやノズル−
ストリップ間隔Dを溶融金属付着量Wと操業因子との関
係式に基づいて決定している。従って、溶融金属付着量
を正確に調整するためには、制御に使用する上記関係式
が、操業範囲全体に亘って溶融金属のワイピング現象を
正しく且つ精度良く表現できていることが重要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報等に開示されている従来の溶融金属メッキの付着量調
整方法で使用されている関係式は各因子の相関関係を実
験的に求めた実験式であり、同一の関係式が操業範囲を
考慮することなく一律に適用されている。
【0010】従って、関係式から求められる付着量の計
算値と実績値との間に誤差が存在し、操業範囲(操業因
子を変化させる範囲)が広くなるほどその誤差が大きく
なり、実際の溶融金属付着量が目標値(自動車用鋼板の
例では指定値±2g / m2 以内である)を外れる製品の
量が多くなる。
【0011】このように関係式の精度に起因して溶融金
属付着量が目標値から外れることは、フィードフォワー
ド制御では勿論のこと、フィードバック制御において
も、定常的な偏差となって現われるため、精度の高い溶
融金属付着量の調整はできないという問題がある。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、品種切換えあるいはストリップの形
状等の要因により操業因子を変更させる場合、その変更
条件に応じてメッキ付着量を目標値に制御できる、付着
量と操業因子との適切な関係式を設定し、該関係式に基
づきメッキ付着量を正確に調整することができる溶融金
属メッキの付着量調整方法を提供することを課題とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融金属浴の
上方にワイピングノズルを配置し、該溶融金属浴を通過
させたストリップに上記ワイピングノズルからガスを吹
き付けて該ストリップに対する溶融金属の付着量を調整
する溶融金属メッキの付着量調整方法において、前記
イピングノズルのスリット厚さBと、該ノズルからスト
リップ迄の間隔Dとの関係が、ワイピングノズルからの
ガス噴流における展開領域と完全発達領域の境界を規定
する定数Cに関して、(i )D/B≦C(展開領域)の
場合と、(ii)D/B>C(完全発達領域)の場合と
で、それぞれ異なる付着量関係式に基づいてストリップ
に対する溶融金属の付着量を調整すると共に、 (i )D/B≦Cの場合は、スリット厚さBが含まれな
い次の付着量関係式(I)により、 W= h1 ×ρM ×{(K−1)/(2×η×K×PA )}a ×Db ×[μ×V/{(P/PA (K-1)/K −1}]c …(I) (ii)D/B>Cの場合は、スリット厚さBが含まれる
次の付着量関係式(II)により、 W= h2 ×ρM ×{(K−1)/(2×η×K×PA )}a ×(D/Bd )×[μ×V/{(P/PA (K-1)/K −1}]c …(II) (ここで、W;溶融金属付着量、 h1 , h2 ;定数、ρ
M ;溶融金属密度、K;気体の比熱比、η;ノズル効
率、PA ;ノズル出口のガス圧力、P;溶融金属表面に
作用するガス圧力、μ;溶融金属粘度、V;ストリップ
速度、a ,b ,c ,d ;定数(b、d≒1/2))それ
ぞれストリップに対する溶融金属の付着量を調整するこ
とにより、前記課題を達成したものである。
【0014】
【0015】本発明は、又、前記ワイピングノズルのス
リット厚さB及びノズル−ストリップ間隔Dの少なくと
も一方を制御して、前記(i)D/B≦Cの関係を維持
しながら、前記付着量関係式(I)に基づいてストリッ
プに対する溶融金属の付着量を調整することにより、一
層確実に前記課題を達成したものである。
【0016】
【作用】本発明は、本発明者等が種々検討することによ
って得られた以下に詳述する知見に基づいてなされたも
のである。
【0017】第1の知見は、ガスによる溶融金属のワイ
ピング現象を理論的に解析した結果、ワイピングノズル
からのガス噴流の特性に起因して、ワイピングノズルの
スリット厚さBと、ノズル−ストリップ間隔Dとの相対
的関係を次の2つの場合に分け、それぞれの場合におい
てメッキ付着量と操業因子との関係式を区別して考える
ことが重要であるということである。
【0018】(i )D/B≦C (ii)D/B>C
【0019】ここで、Cは、後述するワイピングノズル
からのガス噴流における展開領域と完全発達領域の境界
を規定する定数に相当し、実際には、ワイピングガスの
種類、ワイピングガスの温度、ノズル形状等により決ま
る定数で、実験的に求められるものであるが、通常5〜
9程度の値が用いられる。
【0020】以下、図2〜図4を用いて上記理論的解析
について詳述する。
【0021】図2に示すように、メッキ浴槽10に収容
されている溶融金属からなるメッキ浴12に浸漬・通過
させた後、上方に引上げられるストリップSに対し、メ
ッキ浴12からの高さHの位置でワイピングノズル14
により該ストリップSの表面に付着した溶融金属に噴射
圧Pで噴射して余分な溶融金属をワイピングする場合を
考える。図3は、上記ワイピングノズル14の位置にお
ける溶融金属のワイピング状態を模式的に表わしたもの
であり、溶融金属のメッキ浴12から引上げられたスト
リップSに対してワイピングノズル14から圧力Pでガ
ス噴流Fが吹き付けられている場合の該ストリップSに
付着している溶融金属の流動状態は、流体力学における
運動方程式及び連続の式を用いると、同図の座標系にお
いては、次の(1)、(2)式で表わすことができる。
【0022】
【数1】
【0023】ここで μ;溶融金属粘度
ρM ;溶融金属密度 u ;溶融金属の速度分布 g ;重力加
速度 P;溶融金属表面に作用するガス圧力 t ;最終のメッキ付着量 V;ストリップ速度 x 、y ;座
標 δ;x 位置における溶融金属の厚さ
【0024】上記(1)式を、y =0で u=V、y =δ
で( d′u / d′y )=0( d′は偏微分を表わす)で
あるという境界条件の下で解き、且つ(2)式と連立さ
せることにより、ガス圧力の最大圧力勾配[ dP/dx]
max における関係を求めると、次の(3)式を得る。な
お、便宜上(3)式における[ dP/dx]の[ ]は絶
対値を表わす(下記(4)、(8)、(9)の各式にお
いても同じ)。
【0025】 t ={(4/9)×μ×V/[ dP/dx]max 1/2 …(3)
【0026】上記(3)式からメッキ付着量Wは次の
(4)式で記述できる。
【0027】 W=ρM ×t =ρM ×{(4/9)×μ×V/[ dP/dx]max 1/2 …(4)
【0028】一方、2次元自由噴流理論によれば、図4
に示すように、ガス噴流Fの中心速度の減衰がないポテ
ンシャルコアとその両側の混合領域からなる展開領域、
及び完全に発達した乱流となる完全発達領域の2つの領
域に別けて考えることができる。上記各領域における速
度分布は、次の(5)式及び(6)式でそれぞれ表わさ
れる。
【0029】(i )展開領域(D/B≦C)
【0030】
【数2】
【0031】(ii)完全発達領域(D/B>C)
【0032】 v =C0 × v0 ×(B/D)1/2 ×sech2 (σ2 × x/D) …(6) ここで v ;噴流速度 v0 ;ノズ
ル出口の一様流速 D;ノズルからの噴流中心線方向距離 B;ノズルスリット厚み σ1 、σ2 、C0 ;定数
【0033】又、ガスの動圧は、次の(7)式で表わさ
れる。ここで、ρAは、ノズル出口のガス密度である。
【0034】 P=(1/2)ρA ・ v2 …(7)
【0035】上記(7)式に、(5)式又は(6)式を
適用すると、最大圧力勾配は、次の(8)式又は(9)
式で表わせる。
【0036】(i )展開領域
【0037】
【数3】
【0038】(ii)完全発達領域
【0039】
【数4】
【0040】上記(8)、(9)式に含まれるガス噴流
速度 v0 は、等エントロピー流れを仮定して求めること
ができる。
【0041】エネルギー保存則から次の(10)式が成
立ち、又、流れの速度が速く状態変化が短時間の内に起
り、その変化が断熱変化である、即ち等エントロピー変
化の場合には、次の(11)式が成立つ。
【0042】
【数5】
【0043】 P/ρk =const …(11)k :気体の比熱比(2原子分子でk =1.4)
【0044】上記(10)、(11)式から等エントロ
ピー流れのエネルギー保存則は、次の(12)式で記述
できる。
【0045】
【数6】
【0046】この(12)式で、ノズル内流速 vが0に
等しいとおき、(11)式の関係を用いると次の(1
3)式が得られる。
【0047】 v0 =[{2K/(K−1)}×(PA /ρA ) ×{(P/PA (K-1)/K −1}]1/2 …(13)
【0048】実際には、ノズル等のエネルギー損失があ
るため、ノズル効率ηを考慮して、次の(14)式で表
わす。
【0049】
【数7】
【0050】次いで、上記(14)式を、(8)式又は
(9)式に代入し、これらを更に(4)式に代入するこ
とによってメッキ付着量と各制御因子との関係を表わす
次の(15)、(16)式が導出できる。
【0051】
【数8】
【0052】なお、上記(15)、(16)式におけ
る、展開領域と完全発達領域との境界点Cの値(7.4
83)は一例であり、ここでは、ノズル特性定数C0
σ1 、σ2 として文献値を用い、(15)式=(16)
式としてCを求めた。このCの値は、ガス噴流の流速分
布を実際に測定してこれらノズル特性定数を決定するこ
により求めることが望ましい。
【0053】上記(15)式と(16)式とを比較して
みると、因子のうちρM 、μ、V、Pについては同一の
影響度を示すが、DとBについては両者で異なり、(i
)展開領域では、付着量WがD1/2 に比例し、(ii)
完全発達領域では付着量WがD/B1/2 に比例する。
【0054】これにより、下記(A)〜(C)が判る。
【0055】(A)展開領域では、ノズル−ストリップ
間隔Dの影響度が小さくなる。
【0056】(B)展開領域では、ノズルのスリット厚
さBに無関係である。
【0057】(C)DとBとの比D/Bの大小関係によ
り、付着量と制御因子との関係を区別して考える必要が
ある。
【0058】以上詳述した如く、ノズル−ストリップ間
隔Dとノズルのスリット厚さBとの相対的な関係によ
り、メッキ付着量と各影響因子との関係が異なることが
示された。従って、D/Bの値により領域を区別して考
えると共に、それぞれの領域に対して、前記(15)又
は(16)式のようにメッキ付着量の関係式を区別して
適用することが重要である。
【0059】なお、前記(15)、(16)式は一例を
示したものであり、これら2式に限定されるものではな
く、例えば定数やベキ数は適宜変更可能である。
【0060】第2の知見は、前記(15)、(16)式
から明らかなように、メッキ付着量は、D/B≦CとD
/B>Cとの場合によって操業因子の影響度が異なり、
Dを一定としてBを変化させた場合、D/B>Cの領域
では、D/Bが小さくなるにつれてワイピング効率が上
る(ワイピングし易くなる)が、D/B≦Cの領域で
は、D/Bが変化してもワイピング効率が殆ど変らない
ことである。この様子を図5に示した。なお、Dが小さ
くなればワイピング効率が上ることは一般に知られてい
る。
【0061】又、同時に、ワイピングガスの流量を少な
くするほど、メッキ浴の表面から発生するスプラッシュ
(溶融金属の飛び散り)を少なくできることを実験的に
見出した。即ち、他の条件が同一の場合、スリット厚さ
Bを小さくすればスプラッシュの発生を少なくすること
ができる。
【0062】第3の知見は、前記理論的解析に加え、更
に実験検討を行った結果、ワイピング特性に影響する溶
融金属の物性を、ワイピングするノズル位置における溶
融金属の温度の関数として評価することが重要であるこ
とである。
【0063】即ち、図6は、ワイピングノズルの位置に
おけるメッキ金属(溶融金属)温度と、メッキ付着量の
誤差(実測付着量−メッキ金属温度の依存性を考慮しな
い場合の計算付着量)との関係を示したものであるが、
この図6から明らかなように、メッキ金属温度の低下と
共に、ワイピング特性が低下する。ところが、ワイピン
グノズルの位置におけるメッキ温度の依存性を考慮する
場合には、前記誤差は非常に小さくなることが分った。
【0064】以下、一例として、ワイピングノズルの位
置におけるメッキ金属温度の計算方法、及びメッキ金属
物性に対する考慮の方法について前記図2を参照して説
明する。
【0065】図2に示すように、温度Tz.0 のストリッ
プSがライン速度Vにて温度TM のメッキ浴12に浸漬
され、メッキ浴温度TM に近い温度Tz.1 となってメッ
キ浴12から上方に引上げられる。このメッキ浴12を
出るストリップ温度Tz.1 は、溶融金属中の平板に対す
る熱伝達に基づくとして次の(17)式で与えられる。
【0066】 TZ.1 =TM +(Tz.0 −TM )× exp{−(2×αM × lM ) /(ρS ×Cp.s × tS ×V)} …(17) ここで、αM ;メッキ浴とストリップとの熱伝達係数 lM ;メッキ浴中の浸漬距離 ρS ;ストリップ密度 Cp.s ;ストリップ比熱 tS ;ストリップ厚さ
【0067】又、温度Tz.1 のストリップSは、ワイピ
ングガスにより冷却され、ワイピングノズル14の位置
における付着金属温度Tz.2となる。この温度Tz.2
次の(18)式で表わすことができる。
【0068】 Tz.2 =Tg +(Tz.1 −Tg ) × exp{(−2×α×H)/(ρs ×Cp.s × ts ′×V)} …(18) ここで、Tg ;ノズルから噴出したワイピングガス温度 α;ワイピングガスによる熱伝達係数(ノズル圧力の関数) H;メッキ浴面からノズルまでの距離 ts ′;ストリップ厚さとストリップ熱容量基準に換算た付着金属 厚さとの和
【0069】次いで、付着金属の粘度μの温度依存性
を、上記(18)式で得られる付着金属温度を適用し
た、例えば次の(19)式で設定する。
【0070】
【数9】
【0071】上記(19)式から得られる付着金属の粘
度μを前記(15)式又は(16)式に適用することに
より、一段と精度の高いメッキ付着量の調整を行うこと
が可能となる。
【0072】なお、上記(18)式の導出では、メッキ
浴12から引上げられた直後の付着金属の温度をストリ
ップ温度Tz.1 に等しいとした。一般の操業条件では、
上記両温度は実質的に等しいため特に問題はないが、ス
トリップ温度と付着金属温度とが異なるとして定式化し
てもよい。
【0073】以上詳述した如く、前記第1の知見によ
り、ノズル−ストリップ間隔Dとノズルのスリット厚さ
Bとの相対的関係により付着量関係式(制御式)を区別
して使用することにより、メッキ付着量と操業因子との
関係式の予測精度を向上することが可能となる。
【0074】従って、いわゆる展開領域においては、ノ
ズル厚さBに関係しない前記(15)式を用い、いわゆ
る完全発達領域においては、ノズル−ストリップ間隔D
及びノズルのスリット厚さBの両者を含む前記(16)
式を用いてそれぞれ、ノズル−ストリップ間隔D及びノ
ズルのスリット間隔Bの少なくとも一方と、ノズル圧力
P、ノズル高さH、ストリップ速度V等を制御すること
により、広い操業範囲に亘って目標のメッキ付着量で溶
融金属メッキを行うことが可能となる。
【0075】又、前記第2の知見により、ワイピング効
率を上げるためには、D/B≦Cの領域でワイピングす
ることがよく、又、ワイピングガス流量は、ノズルのス
リット厚さBに比例するため、該スリット厚さBを小さ
くするほどワイピングガス流量を小さくすることが可能
となり、経済的メリットも高い。
【0076】更に、上記スリット厚さBを小さくする場
合には、メッキ浴表面から発生するスプラッシュを少な
くすることができる。
【0077】従って、D/B≦Cを満す範囲で、D及び
Bの少なくとも一方を制御しながら、スリット厚さBを
できる限り小さくすることがワイピング効率を悪化させ
ることなく、ワイピングガス流量を低減でき、しかもス
プラッシュを減少させることができる。
【0078】又、定数Cを実験により求めたところ、測
定精度を含めて6.6〜8.1と幅をもった値が得られ
た。従って、展開領域において、前記(15)式を用い
てメッキ付着量を調整する場合には、実験より求めたC
の平均値Ca を基準にして、次の(20)式の範囲に調
整することが好ましい。
【0079】 Ca −1≦D/B≦Ca +1 …(20)
【0080】上記スリット厚さBを所望値に制御する場
合には、例えば特開昭63−238254に開示されて
いるノズルを使用することができる。
【0081】なお、特公昭49−37898には、付着
量Wとスリット厚さBとの相関を実験的に求め、スリッ
ト厚さBをある範囲に限定する方法が開示されている
が、ノズル−スリット間隔Dとスリット厚さBとの相対
関係に基づいてメッキ付着量を調整することは行われて
いない。
【0082】前記第3の知見によれば、前記(15)式
又は前記(16)式により、メッキ付着量の調整を行う
場合には、各式に含まれる溶融金属の粘度について温度
依存性をも考慮するため、一段と高精度なメッキ付着量
の調整を行うことが可能となる。
【0083】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0084】図7は、本発明に係る第1実施例に適用す
る溶融金属メッキ制御装置の概略を示すブロック線図で
ある。
【0085】上記制御装置は、メッキ浴槽10に収容さ
れているメッキ浴12にストリップSを浸漬・通過させ
た後、該ストリップSは、上方に引上げられ更に移動す
るようになっている。メッキ浴12から引上げられたス
トリップSの両側には、ワイピングノズル14からその
両面に所定の圧力のガスが吹き付けられるようになって
いる。なお、メッキ浴12に浸漬されたストリップSは
シンクロール16により方向が変えられるようになって
いる。
【0086】上記ワイピングノズル14は、調整器18
によりノズル間隔Dやノズルのスリット厚さBが調整可
能となっており、又、調整器20によりその高さHが調
整可能になっている。
【0087】上記ストリップSの進行方向前方には幅方
向膜厚計22が設置されており、該膜厚計22からの検
出信号は、フィードバック特性補償装置24、フィード
バック制御装置26、操作量選択器28を介して前記調
整器18に入力されるようになっている。
【0088】又、ストリップSの移動長さ及び移動速度
はそれぞれ、ストリップに接触して回転するメジャー
ロールに設けられたパルス発振器30及び速度変換器3
2により測定され、前記フィードバック特性補償装置2
4及びフィードフォワード制御装置34に入力される。
このフィードフォワード制御装置34には、製造条件設
定装置36及びプリセット制御装置38からそれぞれ信
号入力されるようになっており、圧力調整器40を経て
圧力調整弁42を所定の開度に調整するようになってい
る。この圧力調整弁42によりワイピングノズルから噴
出されるガスの圧力を調整可能となっている。
【0089】又、前記製造条件設定装置36からの信号
は、プリセット制御装置38を経て前記調整器18に入
力されるようになっている。更に、前記操作量選択器2
8からの信号は前記高さ調整器20へ入力されるように
なっている。
【0090】次に、本実施例による代表的な制御例につ
いて簡単に説明する。
【0091】フィードフォワード制御の場合は、メッキ
付着量W、ライン速度V、鋼種等の操業条件が変化する
場合、メッキ付着量W、ライン速度Vに応じて、前記
(15)式又は(16)式を用いて設定値としてのノズ
ル−ストリップ間隔D、スリット厚さB、ノズル噴射圧
Pを決定する。その際、ノズル−ストリップ間隔Dは、
ストリップがノズルに接触しないようにするために下限
値以下とならないように、又、噴射圧Pは上限値以上と
ならない範囲とし、ノズル高さHは通常基準値に設定す
る。
【0092】設定値が決定されると、ノズル−ストリッ
プ間隔D、スリット厚さB、噴射圧Pを、前記調整器1
8、圧力調整器40により設定値となるように調整す
る。又、ノズル高さHを調整する必要があるときは、調
整器20により調整する。
【0093】フィードバック制御の場合は、膜厚計22
による測定結果に付着量の指示値と目標値に差がある場
合や途中でライン速度が変化する場合、(15)式又は
(16)式に基づき、付着量の偏差量やライン速度変化
量に応じて、ノズル−ストリップ間隔D、スリット厚さ
B及び噴射圧Pの少なくとも1つの変化量を算出し、こ
の変化量に対応する調整を前記調整器18、圧力調整器
40により行う。この場合も、ノズル高さHは基本的に
は基準値に設定する。
【0094】上記制御装置を用いて、前記(15)式及
び(16)式を適用して亜鉛(Zn)メッキ付着量の制
御を行ったところ、図1の結果が得られた。
【0095】図1(A)は、前記(15)式、(16)
式に、ワイピング位置での付着金属温度を考慮してメッ
キ付着量の制御を行った結果である。この時の操業条件
を下記表1に示した。
【0096】図1(B)は、操業因子の回帰式として作
成した付着量関係式を用いて同一の制御装置によりメッ
キ付着量の制御を行った従来方法の結果を示したもので
ある。
【0097】図1より、従来の方法では、ストリップ速
度、目標付着量、ストリップ形状の変化のタイミングに
よって付着量が変動していると共に、操業条件によって
は条件の変化のない定常状態においても偏差が見られ
る。これに対し、本発明方法によれば各種条件変更によ
らず略目標付着量に制御することができている。
【0098】
【表1】
【0099】次に第2実施例を説明する。
【0100】本実施例は、展開領域、即ちD/B≦Cを
満たす範囲でD及びBの少なくとも一方を制御すること
により、メッキ付着量の調整を行ったものである。
【0101】前記第1実施例の場合と同一の制御装置を
用い、下記表2の操業条件のもとで、溶融亜鉛メッキを
実施した結果を表3に示す。
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】表3は、平均値として示したものである
が、従来の場合に比べ、ワイピングガス流量(消費量)
を削減でき、スプラッシュ発生を低減でき、更に操業に
支障をきたさない範囲でノズル圧力を高くすることがで
きた(表中、ワイピングガス流量1.0は5,500N
m3 /hrに、限界ノズル圧力1.0は0.65Kg Gに
それぞれ相当しており、スプラッシュ発生量は目視観察
による)。
【0105】このようにノズル圧力を高くすることがで
きるので、付着量の制御範囲を拡大することができ、高
いライン速度でも薄い厚さのメッキが可能となる。
【0106】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。
【0107】例えば、メッキ付着量を制御するための関
係式(制御式)(I)及び(II)は、前記(15)式及
び(16)式にそれぞれ限定さるものでなく、式
(I)及び(II)のべき数a 、b 、c 、d の値は、実際
の現象に合せて1/2以外の値を用いてもよい。
【0108】又、実際に使用する溶融金属メッキ制御装
置も、前記実施例に示したものに限定されるものでな
く、又、メッキの種類も亜鉛メッキに限定されるもので
ない。
【0109】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
ノズル−ストリップ間隔Dとノズルのスリット厚さBと
の相対的関係に基づいてメッキ付着量を決定する前記関
係式(I)、(II)を設定し、該関係式を用いて、スト
リップに対する溶融金属の付着量を調整するようにした
ので、品種の切替えやストリップの形状等の要因により
操業因子を変更させる際にも、メッキ付着量を目標値に
制御することが可能となる。
【0110】又、D/Bの値を展開領域に維持しなが
ら、付着量を決定する上記関係式を適用することによ
り、ワイピング効率の高い条件でメッキ付着量を調整す
ることが可能となると共に、広い操業範囲に亘って、ワ
イピングガス流量、スプラッシュ発生量を低減でき、更
に限界ノズル圧力を高くすることができることから増産
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る一実施例の効果を示す線
図である。
【図2】図2は、溶融金属メッキ方法を示す概略説明図
である。
【図3】図3は、ストリップに付着した溶融金属に対す
るワイピングの様子を示す模式図である。
【図4】図4は、ワイピングノズルから噴射されるガス
噴流の状態を示す概略説明図である。
【図5】図5は、展開領域におけるワイピング効率(付
着量の比)とノズルのスリット厚さとの関係を示す線図
である。
【図6】図6は、ワイピングノズル位置におけるメッキ
金属温度とメッキ付着量誤差との関係を示す線図であ
る。
【図7】図7は、本発明に係る実施例に適用可能な溶融
金属メッキ制御装置を示すブロック線図である。
【符号の説明】
10…メッキ浴槽、 12…メッキ浴、 14…ワイピングノズル、 B…スリット厚さ、 D…ノズル−ストリップ間隔、 S…ストリップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−173757(JP,A) 特開 昭54−149331(JP,A) 実開 昭63−149957(JP,U) 実開 昭60−25745(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属浴の上方にワイピングノズルを配
    置し、該溶融金属浴を通過させたストリップに上記ワイ
    ピングノズルからガスを吹き付けて該ストリップに対す
    る溶融金属の付着量を調整する溶融金属メッキの付着量
    調整方法において、前記 ワイピングノズルのスリット厚さBと、該ノズルか
    らストリップ迄の間隔Dとの関係が、ワイピングノズル
    からのガス噴流における展開領域と完全発達領域の境界
    を規定する定数Cに関して、(i )D/B≦C(展開領
    域)の場合と、 (ii)D/B>C(完全発達領域)の場合とで、それぞ
    れ異なる付着量関係式に基づいてストリップに対する溶
    融金属の付着量を調整すると共に、 (i )D/B≦Cの場合は、スリット厚さBが含まれな
    い次の付着量関係式(I)により、 W= h1 ×ρM ×{(K−1)/(2×η×K×PA )}a ×Db ×[μ×V/{(P/PA (K-1)/K −1}]c …(I) (ii)D/B>Cの場合は、スリット厚さBが含まれる
    次の付着量関係式(II)により、 W= h2 ×ρM ×{(K−1)/(2×η×K×PA )}a ×(D/Bd )×[μ×V/{(P/PA (K-1)/K −1}]c …(II) (ここで、W;溶融金属付着量、 h1 , h2 ;定数、ρ
    M ;溶融金属密度、K;気体の比熱比、η;ノズル効
    率、PA ;ノズル出口のガス圧力、P;溶融金属表面に
    作用するガス圧力、μ;溶融金属粘度、V;ストリップ
    速度、a ,b ,c ,d ;定数(b、d≒1/2))それ
    ぞれストリップに対する溶融金属の付着量を調整するこ
    とを特徴とする溶融金属メッキの付着量調整方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記 ワイピングノズルのスリット厚さB及びノズル−ス
    トリップ間隔Dの少なくとも一方を制御して、前記
    (i)D/B≦Cの関係を維持しながら、前記付着量関
    係式(I)に基づいてストリップに対する溶融金属の付
    着量を調整することを特徴とする溶融金属メッキの付着
    量調整方法。
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