JP2738130B2 - 高冷却能を有する高強度Cu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法 - Google Patents
高冷却能を有する高強度Cu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、高強度と高熱伝導性を有するCu合金で構
成され、したがって薄肉化を可能とすると共に、この薄
肉化と高熱伝導性と合まってすぐれた冷却能を発揮し、
速い速度での鋳造を可能ならしめる連続鋳造鋳型材、お
よびその製造法に関するものである。
成され、したがって薄肉化を可能とすると共に、この薄
肉化と高熱伝導性と合まってすぐれた冷却能を発揮し、
速い速度での鋳造を可能ならしめる連続鋳造鋳型材、お
よびその製造法に関するものである。
同一出願人は、先に特願昭61−271103号(特開昭63−
125632号)として、連続鋳造鋳型材の製造に用いられる
Cu合金を出願した。
125632号)として、連続鋳造鋳型材の製造に用いられる
Cu合金を出願した。
この従来Cu合金で構成される連続鋳造鋳型材は、ま
ず、重量%で(以下、成分組成に関する%は重量%を示
す)、 Cr:0.1 〜2.5%、Zr:0.01〜0.5%、 Ti:0.01〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.1〜1.
2%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金溶湯を調製し、金型鋳造し、熱間鍛造や熱間圧
延などの熱間加工を施してCu合金素材とし、ついでこの
Cu合金素材に、950〜1050℃の範囲内の所定温度に所定
時間保持の通常の条件で溶体化処理を施した後、450〜5
50℃の範囲内の所定温度に所定時間保持の通常の条件で
1回の時効処理を施して、素地中に析出物を析出させて
強度向上をはかることにより製造されている。
ず、重量%で(以下、成分組成に関する%は重量%を示
す)、 Cr:0.1 〜2.5%、Zr:0.01〜0.5%、 Ti:0.01〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.1〜1.
2%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金溶湯を調製し、金型鋳造し、熱間鍛造や熱間圧
延などの熱間加工を施してCu合金素材とし、ついでこの
Cu合金素材に、950〜1050℃の範囲内の所定温度に所定
時間保持の通常の条件で溶体化処理を施した後、450〜5
50℃の範囲内の所定温度に所定時間保持の通常の条件で
1回の時効処理を施して、素地中に析出物を析出させて
強度向上をはかることにより製造されている。
一方、近年、鉄鋼の連続鋳造技術における生産性の向
上はめざましく、1〜2m/minの鋳造速度であったもの
が、3〜4m/minへと大幅に高速化しており、これに伴な
い溶湯と接触する鋳型内面の表面温度も上昇し、鋳造条
件によっては500℃以上に達する場合がある。
上はめざましく、1〜2m/minの鋳造速度であったもの
が、3〜4m/minへと大幅に高速化しており、これに伴な
い溶湯と接触する鋳型内面の表面温度も上昇し、鋳造条
件によっては500℃以上に達する場合がある。
しかし、上記の従来Cu合金製連続鋳造鋳型材はじめ、
その他多くのCu合金製連続鋳造鋳型材は、例えば500℃
での高温引張試験で、引張強さ:約20〜30kg/mm2、伸
び:約20〜30%を示すCu合金で構成されているので、大
きな熱応力に耐える高温強度と苛酷な熱疲労環境に耐え
る高温伸びを有するものの、熱伝導性が十分でなく、電
気伝導度で40〜60%(IACS%)程度を示すにすぎず、こ
のため上記のような高速鋳造では、鋳型に変形や割れが
生じ易く、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状であ
る。
その他多くのCu合金製連続鋳造鋳型材は、例えば500℃
での高温引張試験で、引張強さ:約20〜30kg/mm2、伸
び:約20〜30%を示すCu合金で構成されているので、大
きな熱応力に耐える高温強度と苛酷な熱疲労環境に耐え
る高温伸びを有するものの、熱伝導性が十分でなく、電
気伝導度で40〜60%(IACS%)程度を示すにすぎず、こ
のため上記のような高速鋳造では、鋳型に変形や割れが
生じ易く、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状であ
る。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、連続
鋳造鋳型に要求される高温強度と高温伸びを具備した状
態で、熱伝導性の良好な、すなわち高冷却能を有するCu
合金製連続鋳造鋳型材を開発すべく研究を行なった結
果、 Cr:0.1 〜1.5%、Zr:0.01〜0.2%、 Ti:0.005〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCo(以下鉄族金属という)のうちの1種
または2種以上:0.005〜1.5%、を含有し、残りがCuと
不可避不純物からなる組成を有するCu合金で構成された
スラブに通常の条件で熱間鍛造や熱間圧延などの熱間加
工を施してCu合金素材を調製し、 このCu合金素材に、通常の条件で溶体化処理を施した
後、 5〜30%の圧下率で冷間圧延を行なった状態で、 425〜475℃の範囲内の所定温度での1次時効処理と、 525〜575℃の範囲内の所定温度での2次時効処理を施
すことにより、Cu合金製連続鋳造鋳型材を製造すると、 上記の1次時効処理では、素地中に固溶したCrおよび
Zrが主としてCrおよびCu3Zrの形の素地中に微細に析出
し、 また、上記の2次時効処理では、同じく主としてTiお
よび鉄族金属が(Fe,Ni,Co)xTiyの形で素地中に微細に
析出し、 この場合、時効処理に先だって施された圧下率:5〜30
%の冷間圧延によってCu合金素材中には多量の加工歪や
転位が形成された状態になっており、これらの加工歪や
転位は、次工程の時効処理で上記析出物の析出を著しく
促進すると共に、析出物を一段と微細化するように作用
することから、 この結果のCu合金製連続鋳造鋳型材は、常温および高
温伸びを高い値に保持した状態で、素地中に微細均一
に、かつ多量に析出した析出物によって高い常温および
高温強度、すなわち55kg/mm2以上の常温引張強さ、およ
び33kg/mm2以上の高温引張強さ(500℃)を有するよう
になり、かつ上記の溶体化処理後の冷間圧延および2回
の時効処理で素地中に固溶する合金成分含有量が低減し
て、素地は実質的にCuで構成されるようになることか
ら、電気伝導度で73%(IACS%)以上のすぐれた熱伝導
性をもつようになり、実用に際しては強度向上による薄
肉化を可能とするので、この薄肉化と高い熱伝導性と合
まってすぐれた冷却能を示すという研究結果を得たので
ある。
鋳造鋳型に要求される高温強度と高温伸びを具備した状
態で、熱伝導性の良好な、すなわち高冷却能を有するCu
合金製連続鋳造鋳型材を開発すべく研究を行なった結
果、 Cr:0.1 〜1.5%、Zr:0.01〜0.2%、 Ti:0.005〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCo(以下鉄族金属という)のうちの1種
または2種以上:0.005〜1.5%、を含有し、残りがCuと
不可避不純物からなる組成を有するCu合金で構成された
スラブに通常の条件で熱間鍛造や熱間圧延などの熱間加
工を施してCu合金素材を調製し、 このCu合金素材に、通常の条件で溶体化処理を施した
後、 5〜30%の圧下率で冷間圧延を行なった状態で、 425〜475℃の範囲内の所定温度での1次時効処理と、 525〜575℃の範囲内の所定温度での2次時効処理を施
すことにより、Cu合金製連続鋳造鋳型材を製造すると、 上記の1次時効処理では、素地中に固溶したCrおよび
Zrが主としてCrおよびCu3Zrの形の素地中に微細に析出
し、 また、上記の2次時効処理では、同じく主としてTiお
よび鉄族金属が(Fe,Ni,Co)xTiyの形で素地中に微細に
析出し、 この場合、時効処理に先だって施された圧下率:5〜30
%の冷間圧延によってCu合金素材中には多量の加工歪や
転位が形成された状態になっており、これらの加工歪や
転位は、次工程の時効処理で上記析出物の析出を著しく
促進すると共に、析出物を一段と微細化するように作用
することから、 この結果のCu合金製連続鋳造鋳型材は、常温および高
温伸びを高い値に保持した状態で、素地中に微細均一
に、かつ多量に析出した析出物によって高い常温および
高温強度、すなわち55kg/mm2以上の常温引張強さ、およ
び33kg/mm2以上の高温引張強さ(500℃)を有するよう
になり、かつ上記の溶体化処理後の冷間圧延および2回
の時効処理で素地中に固溶する合金成分含有量が低減し
て、素地は実質的にCuで構成されるようになることか
ら、電気伝導度で73%(IACS%)以上のすぐれた熱伝導
性をもつようになり、実用に際しては強度向上による薄
肉化を可能とするので、この薄肉化と高い熱伝導性と合
まってすぐれた冷却能を示すという研究結果を得たので
ある。
この発明は、上記4研究結果にもとづいてなされたも
のであって、 (a) Cr:0.1 〜1.5%、Zr:0.01〜0.2%、 Ti:0.005〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:
0.005〜1.5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金で構成されたCu合金素材に、 通常の条件で溶体化処理を施した後、 5〜30%の圧下率で冷間圧延を施し、 ついで425〜475℃の範囲内の所定温度での1次時効処
理と、 525〜575℃の範囲内の所定温度での2次時効処理を施
して、 微細な析出物の十分な析出をはかる一方、素地中に固溶
する合金成分の含有量低減をはかることにより強度と熱
伝導性を向上させることからなる高冷却能を有する高強
度Cu合金製連続鋳造鋳型材の製造法。
のであって、 (a) Cr:0.1 〜1.5%、Zr:0.01〜0.2%、 Ti:0.005〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:
0.005〜1.5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金で構成されたCu合金素材に、 通常の条件で溶体化処理を施した後、 5〜30%の圧下率で冷間圧延を施し、 ついで425〜475℃の範囲内の所定温度での1次時効処
理と、 525〜575℃の範囲内の所定温度での2次時効処理を施
して、 微細な析出物の十分な析出をはかる一方、素地中に固溶
する合金成分の含有量低減をはかることにより強度と熱
伝導性を向上させることからなる高冷却能を有する高強
度Cu合金製連続鋳造鋳型材の製造法。
(b) Cr:0.1 〜1.5%、Zr:0.01〜0.2%、 Ti:0.005〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:
0.005〜1.5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金で構成され、 素地に微細均一に分散する多量の析出物と実質的にCu
からなる素地にて、 常温引張強さ:55kg/mm2以上、 高温引張強さ(500℃):33kg/mm2以上、 電気伝導度:73%(IACS%)以上、 を具備せしめてなる高冷却能を有する高強度Cu合金製連
続鋳造鋳型材。
0.005〜1.5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu合金で構成され、 素地に微細均一に分散する多量の析出物と実質的にCu
からなる素地にて、 常温引張強さ:55kg/mm2以上、 高温引張強さ(500℃):33kg/mm2以上、 電気伝導度:73%(IACS%)以上、 を具備せしめてなる高冷却能を有する高強度Cu合金製連
続鋳造鋳型材。
に特徴を有するものである。
つぎに、この発明の連続鋳造鋳型材およびその製造法
において、これを構成するCu合金の成分組成、冷間圧延
の圧下率、および時効処理温度を上記の通りに限定した
理由を説明する。
において、これを構成するCu合金の成分組成、冷間圧延
の圧下率、および時効処理温度を上記の通りに限定した
理由を説明する。
A.Cu合金の成分組成 (a) Cr 溶体化処理で素地中に固溶したCrは、そのほとんどが
1次時効処理で素地の結晶粒内に活発に、かつ微細に析
出して結晶粒内強度を高め、この結果として常温および
高温強度が向上するようになるが、その含有量が0.1%
未満では常温引張強さで55kg/mm2以上、高温引張強さ
(500℃)で33kg/mm2以上の高強度を確保することがで
きず、一方その含有量が1.5%を越えると、時効処理で
素地中に固溶するCrを十分に析出させることができなく
なり、残留固溶Crによって熱伝導性の向上が抑制され、
73%(IACS%)以上の電気伝導度を確保するのが困難に
なることから、その含有量を0.1〜1.5%と定めた。
1次時効処理で素地の結晶粒内に活発に、かつ微細に析
出して結晶粒内強度を高め、この結果として常温および
高温強度が向上するようになるが、その含有量が0.1%
未満では常温引張強さで55kg/mm2以上、高温引張強さ
(500℃)で33kg/mm2以上の高強度を確保することがで
きず、一方その含有量が1.5%を越えると、時効処理で
素地中に固溶するCrを十分に析出させることができなく
なり、残留固溶Crによって熱伝導性の向上が抑制され、
73%(IACS%)以上の電気伝導度を確保するのが困難に
なることから、その含有量を0.1〜1.5%と定めた。
(b) Zr 同じく溶体化処理で素地中に固溶したZrは、そのほと
んどが1次時効処理で素地の結晶粒界にCu3Zrの金属間
化合物の形で、微細に析出し、これによって高温におけ
る粒界のすべりが抑制されるようになることから、粒界
強度が向上し、この結果高温における粒界破断による脆
化(延性低下)が阻止され、耐熱疲労性が向上するよう
になるが、その含有量が0.01%未満では前記の作用に所
望の効果が得られず、一方その含有量が0.2%を越える
と、Crと同様に素地中に固溶する割合が多くなって所望
の高い電気伝導度を確保するのが困難になることから、
その含有量を0.01〜0.2%と定めた。
んどが1次時効処理で素地の結晶粒界にCu3Zrの金属間
化合物の形で、微細に析出し、これによって高温におけ
る粒界のすべりが抑制されるようになることから、粒界
強度が向上し、この結果高温における粒界破断による脆
化(延性低下)が阻止され、耐熱疲労性が向上するよう
になるが、その含有量が0.01%未満では前記の作用に所
望の効果が得られず、一方その含有量が0.2%を越える
と、Crと同様に素地中に固溶する割合が多くなって所望
の高い電気伝導度を確保するのが困難になることから、
その含有量を0.01〜0.2%と定めた。
(c) Tiおよび鉄族金属 同様に、これらの成分も溶体化処理で素地に固溶し、
1次時効処理ではほとんど析出せず、2次時効処理で
(Fe,Ni,Co)xTiy、主として(Fe,Ni,Co)2Tiの金属間
化合物の形で素地の結晶粒内に微細に、かつ活発に析出
し、上記の微細なCr析出物と合まって常温および高温強
度を著しく向上させるほか、結晶粒界に析出した上記Cu
3Zrとの共存において高温強度と高温伸びを向上させる
が、その含有量が、Tiおよび鉄族金属とも0.005%未満
では前記の作用に所望の向上効果が得られず、一方その
含有量が、Tiにあっては0.7%を越え、また鉄族金属で
は1.5%を越えると、CrおよびZr成分の場合と同様に素
地中に固溶する割合が増加するようになって73%(IACS
%)以上の電気伝導度を確保するのは困難になることか
ら、その含有量を、それぞれTi:0.005〜0.7%、鉄族金
属:0.005〜1.5%と定めた。
1次時効処理ではほとんど析出せず、2次時効処理で
(Fe,Ni,Co)xTiy、主として(Fe,Ni,Co)2Tiの金属間
化合物の形で素地の結晶粒内に微細に、かつ活発に析出
し、上記の微細なCr析出物と合まって常温および高温強
度を著しく向上させるほか、結晶粒界に析出した上記Cu
3Zrとの共存において高温強度と高温伸びを向上させる
が、その含有量が、Tiおよび鉄族金属とも0.005%未満
では前記の作用に所望の向上効果が得られず、一方その
含有量が、Tiにあっては0.7%を越え、また鉄族金属で
は1.5%を越えると、CrおよびZr成分の場合と同様に素
地中に固溶する割合が増加するようになって73%(IACS
%)以上の電気伝導度を確保するのは困難になることか
ら、その含有量を、それぞれTi:0.005〜0.7%、鉄族金
属:0.005〜1.5%と定めた。
(d) Si Si成分には、上記の(Fe,Ni,Co)xTiyの金属間化合物
を微細化した状態で析出させ、もってこの金属間化合物
による析出強化作用を一層促進させる作用があるが、そ
の含有量が0.003%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方0.1%を越えると、鋳造時にSiの粗大晶子
が現われるようになり、これは溶体化処理でも消失する
ことなく、高温強度および高温伸びを低下させることか
ら、その含有量を0.003〜0.1%と定めた。
を微細化した状態で析出させ、もってこの金属間化合物
による析出強化作用を一層促進させる作用があるが、そ
の含有量が0.003%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方0.1%を越えると、鋳造時にSiの粗大晶子
が現われるようになり、これは溶体化処理でも消失する
ことなく、高温強度および高温伸びを低下させることか
ら、その含有量を0.003〜0.1%と定めた。
B.製造条件 (a) 冷間圧延の圧下率 上記の通り、冷間圧延は、溶体化処理のCu合金素材中
に、次工程の時効処理での析出物の析出を促進し、かつ
析出物を微細化するように作用する加工歪や転位を多量
に形成させる目的で施されるが、その圧下率が5%未満
では前記作用に所望の効果が得られず、一方その圧下率
が30%を越えると、常温および高温伸びが低下するよう
になることから、その圧下率を5〜30%と定めた。
に、次工程の時効処理での析出物の析出を促進し、かつ
析出物を微細化するように作用する加工歪や転位を多量
に形成させる目的で施されるが、その圧下率が5%未満
では前記作用に所望の効果が得られず、一方その圧下率
が30%を越えると、常温および高温伸びが低下するよう
になることから、その圧下率を5〜30%と定めた。
(b) 時効処理温度 この発明は、上記の通り溶体化処理で合金成分を完全
に固溶させ、冷間圧延にて加工歪や転位を多量に形成さ
せた状態で、次工程の時効処理で素地中に固溶する合金
成分をできるだけ多く析出させ、この析出によって常温
引張強さで55kg/mm2以上、高温引張強さ(500℃)で33k
g/mm2以上の高強度を確保し、一方合金成分の固溶が著
しく低く、実質的にCuからなる素地によって73%(IACS
%)以上の高い電気伝導度を確保するものである。すな
わち、一般に電気伝導度は合金素地によって決まること
が知られており、素地中の固溶成分が低ければ低いほど
高い電気伝導度を示すようになるものであり、したがっ
て時効処理での析出を十分に行なえば、高い電気伝導度
と高強度が得られるようになる。
に固溶させ、冷間圧延にて加工歪や転位を多量に形成さ
せた状態で、次工程の時効処理で素地中に固溶する合金
成分をできるだけ多く析出させ、この析出によって常温
引張強さで55kg/mm2以上、高温引張強さ(500℃)で33k
g/mm2以上の高強度を確保し、一方合金成分の固溶が著
しく低く、実質的にCuからなる素地によって73%(IACS
%)以上の高い電気伝導度を確保するものである。すな
わち、一般に電気伝導度は合金素地によって決まること
が知られており、素地中の固溶成分が低ければ低いほど
高い電気伝導度を示すようになるものであり、したがっ
て時効処理での析出を十分に行なえば、高い電気伝導度
と高強度が得られるようになる。
かかる点から、この発明の上記組成のCu合金につい
て、析出物の種類およびそれの析出し易い温度を調べた
ところ、析出物はCr,Cu3,Zr,および(Fe,Ni,Co)xTiyが
ほとんど占め、CrおよびCu3Zrは425〜475℃の温度範囲
で、また(Fe,Ni,Co)xTiyは525〜575℃の温度範囲でそ
れぞれ活発に析出することが判明したものであり、した
がってそれぞれの時効処理温度が前記の範囲から低い方
に外れても、また高い方に外れても十分な析出を行なう
ことができない。
て、析出物の種類およびそれの析出し易い温度を調べた
ところ、析出物はCr,Cu3,Zr,および(Fe,Ni,Co)xTiyが
ほとんど占め、CrおよびCu3Zrは425〜475℃の温度範囲
で、また(Fe,Ni,Co)xTiyは525〜575℃の温度範囲でそ
れぞれ活発に析出することが判明したものであり、した
がってそれぞれの時効処理温度が前記の範囲から低い方
に外れても、また高い方に外れても十分な析出を行なう
ことができない。
つぎに、この発明を実施例により具体的に説明する。
通常の真空溶解炉を用い、黒鉛るつぼ中でそれぞれ第
1表に示される成分組成をもったCu合金溶湯をそれぞれ
5kg溶製し、金型鋳造し、面削した後、通常の条件で熱
間鍛造と熱間圧延を施して幅:100mm×厚さ:5mmの熱延板
材とし、ついでこれより所定長さに切出したCu合金素材
に、温度:980に30分間保持後、水焼入れの溶体化処理を
施し、引続いて第1表に示される圧下率での冷間圧延、
並びに同じく第1表に示される温度にいずれも1時間保
持の条件での1次および2次時効処理を行なうことによ
り本発明法1〜29および比較法1〜25をそれぞれ行な
い、本発明連続鋳造鋳型材1〜29および比較連続鋳造鋳
型材1〜25を製造した。
1表に示される成分組成をもったCu合金溶湯をそれぞれ
5kg溶製し、金型鋳造し、面削した後、通常の条件で熱
間鍛造と熱間圧延を施して幅:100mm×厚さ:5mmの熱延板
材とし、ついでこれより所定長さに切出したCu合金素材
に、温度:980に30分間保持後、水焼入れの溶体化処理を
施し、引続いて第1表に示される圧下率での冷間圧延、
並びに同じく第1表に示される温度にいずれも1時間保
持の条件での1次および2次時効処理を行なうことによ
り本発明法1〜29および比較法1〜25をそれぞれ行な
い、本発明連続鋳造鋳型材1〜29および比較連続鋳造鋳
型材1〜25を製造した。
なお、比較法1〜25は、いずれもこの発明の構成要件
のうちのいずれかの要件(第1表に※印を付す)がこの
発明の範囲から外れたものである。
のうちのいずれかの要件(第1表に※印を付す)がこの
発明の範囲から外れたものである。
また、比較の目的で、溶体化処理後の冷間圧延を行な
わず、Cu合金素材の成分組成および1回だけ施される時
効処理を第1表に示される条件とする以外は同一の条件
で従来法1〜3を行ない、従来連続鋳造鋳型材1〜3を
製造した。
わず、Cu合金素材の成分組成および1回だけ施される時
効処理を第1表に示される条件とする以外は同一の条件
で従来法1〜3を行ない、従来連続鋳造鋳型材1〜3を
製造した。
ついで、この結果得られた各種の連続鋳造鋳型材につ
いて、電気伝導度を測定すると共に、これを常温および
高温引張試験、並びに耐熱試験に供した。
いて、電気伝導度を測定すると共に、これを常温および
高温引張試験、並びに耐熱試験に供した。
高温引張試験では、500℃に10分間保持後の引張特性
を測定し、また耐熱試験は、鋳型材を450℃+n10℃(n:
0〜15の整数)の各種温度に それぞれ1時間保持後空冷の条件で加熱し、この加熱後
の鋳型材の硬さをそれぞれ測定し、加熱前の硬さの90%
に相当する硬さを示した加熱温度をもって耐熱温度とし
た。これらの結果を第2表に示した。
を測定し、また耐熱試験は、鋳型材を450℃+n10℃(n:
0〜15の整数)の各種温度に それぞれ1時間保持後空冷の条件で加熱し、この加熱後
の鋳型材の硬さをそれぞれ測定し、加熱前の硬さの90%
に相当する硬さを示した加熱温度をもって耐熱温度とし
た。これらの結果を第2表に示した。
第1表および第2表に示される結果から、本発明法1
〜29で製造された本発明連続鋳造鋳型材1〜29は、いず
れも従来法1〜3で製造された従来連続鋳造鋳型材1〜
3に比して一段とすぐれた常温および高温引張強度を示
し、かつこれより一段と高いいずれも73%(IACS%)以
上の電気伝導度を示すのに対して、比較法1〜25で製造
された比較連続鋳造鋳型材1〜25に見られるように、Cu
合金の成分組成、圧下率、および時効処理温度のうちの
いずれかがこの発明の範囲から外れても上記の特性のう
ちの少なくともいずれかの特性が劣ったものになること
が明らかである。
〜29で製造された本発明連続鋳造鋳型材1〜29は、いず
れも従来法1〜3で製造された従来連続鋳造鋳型材1〜
3に比して一段とすぐれた常温および高温引張強度を示
し、かつこれより一段と高いいずれも73%(IACS%)以
上の電気伝導度を示すのに対して、比較法1〜25で製造
された比較連続鋳造鋳型材1〜25に見られるように、Cu
合金の成分組成、圧下率、および時効処理温度のうちの
いずれかがこの発明の範囲から外れても上記の特性のう
ちの少なくともいずれかの特性が劣ったものになること
が明らかである。
上述のように、この発明の方法によれば、常温引張強
さで55kg/mm2以上、高温引張強さ(500℃)で33kg/mm2
以上の高強度を有し、かつ電気伝導度で73%以上(IACS
%)のすぐれた熱伝導性を有するCu合金製連続鋳造鋳型
材を製造することができ、したがってこのCu合金製連続
鋳造鋳型材の実用にあたっては、前記の高強度によって
薄肉化が可能となり、この薄肉化と前記の高熱伝導性に
よって著しく高い冷却能を示すようになるので、鋳造速
度の高速化にも十分に対応することができるなど工業上
有用な効果がもたらされるのである。
さで55kg/mm2以上、高温引張強さ(500℃)で33kg/mm2
以上の高強度を有し、かつ電気伝導度で73%以上(IACS
%)のすぐれた熱伝導性を有するCu合金製連続鋳造鋳型
材を製造することができ、したがってこのCu合金製連続
鋳造鋳型材の実用にあたっては、前記の高強度によって
薄肉化が可能となり、この薄肉化と前記の高熱伝導性に
よって著しく高い冷却能を示すようになるので、鋳造速
度の高速化にも十分に対応することができるなど工業上
有用な効果がもたらされるのである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 686 C22F 1/00 686B 691 691Z 694 694A (56)参考文献 特開 昭63−125632(JP,A) 特開 昭60−52541(JP,A) 特公 昭57−45816(JP,B2) 特公 昭62−41302(JP,B2) 特公 昭62−41973(JP,B2) 特公 昭61−17891(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】Cr:0.1〜1.5%、Zr:0.01〜0.2%、 Ti:0.005〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.005〜1.
5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有するCu合金で構成され、 素地に微細均一に分散する多量の析出物と実質的にCuか
らなる素地にて、 常温引張強さ:55kg/mm2以上、 高温引張強さ(500℃):33kg/mm2以上、 電気伝導度:IACS%で73%以上 を具備せしめてなる高冷却能を有する高強度Cu合金製連
続鋳造鋳型材。 - 【請求項2】Cr:0.1〜1.5%、Zr:0.01〜0.2%、 Ti:0.005〜0.7%、Si:0.003〜0.1%、 Fe,Ni,およびCoのうちの1種または2種以上:0.005〜1.
5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有するCu合金で構成されたCu合金素材に、 通常の条件で溶体化処理を施した後、 5〜30%の圧下率で冷間圧延を施し、 ついで425〜475℃の範囲内の所定温度での1次時効処理
と、 525〜575℃の範囲内の所定温度での2次時効処理を施し
て、 微細な析出物の十分な析出をはかる一方、素地中に固溶
する合金成分の含有量低減をはかることにより強度と熱
伝導性を向上させることを特徴とする高冷却能を有する
高強度Cu合金製連続鋳造鋳型材の製造法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP13661590A JP2738130B2 (ja) | 1990-05-25 | 1990-05-25 | 高冷却能を有する高強度Cu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13661590A JP2738130B2 (ja) | 1990-05-25 | 1990-05-25 | 高冷却能を有する高強度Cu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0428837A JPH0428837A (ja) | 1992-01-31 |
| JP2738130B2 true JP2738130B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=15179447
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13661590A Expired - Fee Related JP2738130B2 (ja) | 1990-05-25 | 1990-05-25 | 高冷却能を有する高強度Cu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2738130B2 (ja) |
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|---|---|---|---|---|
| DE4427939A1 (de) * | 1994-08-06 | 1996-02-08 | Kabelmetal Ag | Verwendung einer aushärtbaren Kupferlegierung |
| DE102008015096A1 (de) * | 2008-03-19 | 2009-09-24 | Kme Germany Ag & Co. Kg | Verfahren zur Herstellung von Gießformteilen sowie nach dem Verfahren hergestellte Gießformteile |
| JP6488951B2 (ja) | 2014-09-25 | 2019-03-27 | 三菱マテリアル株式会社 | 鋳造用モールド材及びCu−Cr−Zr合金素材 |
| WO2016047484A1 (ja) | 2014-09-25 | 2016-03-31 | 三菱マテリアル株式会社 | 鋳造用モールド材及びCu-Cr-Zr合金素材 |
| JP6693078B2 (ja) * | 2015-10-15 | 2020-05-13 | 三菱マテリアル株式会社 | 鋳造用モールド材 |
| CN121065519A (zh) * | 2025-11-10 | 2025-12-05 | 东北大学 | 一种高强高导低硅低镍Cu-Cr-Zr系合金材料及其制备方法 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5745816B2 (ja) | 2010-10-27 | 2015-07-08 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
| JP6117891B2 (ja) | 2015-10-29 | 2017-04-19 | アルメックスPe株式会社 | 表面処理装置 |
| JP6241302B2 (ja) | 2014-02-04 | 2017-12-06 | 富士通株式会社 | 購入手続き処理プログラム、購入手続き処理方法および購入手続き処理装置 |
-
1990
- 1990-05-25 JP JP13661590A patent/JP2738130B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
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|---|---|---|---|---|
| JP5745816B2 (ja) | 2010-10-27 | 2015-07-08 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
| JP6241302B2 (ja) | 2014-02-04 | 2017-12-06 | 富士通株式会社 | 購入手続き処理プログラム、購入手続き処理方法および購入手続き処理装置 |
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|---|---|
| JPH0428837A (ja) | 1992-01-31 |
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