JP2694941B2 - 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
この発明は低鉄損一方向性電磁鋼板の製造に関するも
のであり、さらに詳しく述べるならば、歪み取り焼鈍を
行なっても磁気特性が劣化しない、低鉄損一方向性電磁
鋼板の製造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 一方向性電磁鋼板の製造法においてはエネルギー節約
の観点から鉄損を低減することが重要である。鉄損を低
減する方法としてはレーザー照射により磁区を細分化す
る方法が既に特開昭58−26405号公報に開示されている
が、該方法による鉄損の低減はレーザー照射により導入
された歪みに起因している。したがって歪取り焼鈍を必
要としない積鉄心トランス用として使用出来るが、歪取
り焼鈍を必要とする巻き鉄心トランス用としては上記磁
区細分化法は効果がない。また特開昭56−130454号公報
において、歪みを導入した鋼板を二次再結晶焼鈍する
際、この焼鈍によって生ずる微再結晶粒群を利用して鉄
損低減を図る方法が開示されている。該方法は、鉄損値
の低減を鋼板表面に生ずる微細再結晶粒を利用して達成
されるため、歪取り焼鈍により鉄損値が劣化することは
ないが、工業化する上で難しい問題を含んでいる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この発明は、工業化が容易であるために各種鉄心用一
方向性電磁鋼板の鉄損値低減に適用できるとともに歪取
り焼鈍を施して鉄損低減効果が損われない方法を提供
し、上記二つの問題点を同時に解決することができる低
鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法を提供するものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明はかかる従来技術の問題点を、仕上焼鈍済の一
方向性電磁鋼板又は仕上焼鈍後、絶縁皮膜処理を施した
一方向性電磁鋼板の地鉄の一部を除去し、次いで該除去
部に張力付加効果のない防食処理を施したことを特徴と
する低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法により解決しよ
うとするもので、磁気特性を高水準に維持しつつ歪取り
焼鈍後の磁性劣化を低減しようとするものである。 以下、本発明に係る低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方
法を詳細に説明する。 先ず常法により、si4%以下を含む珪素鋼スラブを加
熱し、中間板厚で熱間圧延し、得られた熱延板を酸洗
し、必要に応じて熱延板の熱処理を行なう。次いで同じ
く常法により中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延又は1回
の冷間圧延を行なって最終板厚にし、得られた冷延板を
脱炭焼鈍する。その後焼鈍分離剤を塗布し、さらに二次
再結晶焼鈍を施して通常の一方向性電磁鋼板を製造す
る。以上の工程は通常の方法で行なわれる。このように
して得られた二次再結晶組織を有する鋼板又は該鋼板に
絶縁皮膜を塗布し、焼付けた鋼板の地鉄の一部を除去す
る。 この地鉄の除去方法としては、レーザー照射、放電あ
るいは強酸(例えば弗酸)のような手段で先ず鋼板の絶
縁皮膜の一部を剥離した後、塩酸、硝酸などの酸で鋼板
地鉄を溶解除去する手段がある。無論電解酸洗のような
手段でもよい。又、レーザー照射を酸素雰囲気下で行な
うことにより表面皮膜と地鉄を蒸発させてもよい。 本発明はレーザー照射による鉄損値低減法と磁区細分
化による鉄損低域という点では同じであるが、歪取り焼
鈍を行なっても磁区細分化の効果が残っている点が異な
っている。したがって地鉄除去部に形成される溝又は近
似形状を有する凹部の形は圧延方向(<011>方位)に
対して直角方向が好ましいが例えば圧延方向に45゜の方
向をもったものでもよい。あまり傾きを大きくすると鉄
損低減に対して不利になるので好ましくない。また、圧
延方向に対する溝等の間隔は特公昭58−26406号公報に
開示されている如く2.5〜10mmが最も好ましい。この理
由はこの範囲で鉄損値が最も低減するからである。溝等
は平面的には線で形成されていても点状で形成されてい
てもどちらでもよいが点で形成されている場合は点と点
との間隔が0.7mm以下が好ましい。間隔がこの範囲であ
れば鉄損低減に大きな効果があり、間隔が広くなる程磁
束密度をあまり低下させることなく鉄損の低減を図るこ
とができるがこれより大きくなると鉄損値低減に対して
効果は小さくなる。このように仕上焼鈍済の鋼板又はリ
ン酸系などの張力付与絶縁皮膜処理した鋼板の地鉄の一
部を除去すると該鋼板の鉄損を低減することが出来る
が、その理由は明確ではない。本発明法により局部的に
皮膜および下地地鉄を除去した後、残存するグラス皮膜
あるいは/およびリン酸系などの張力付与皮膜が地鉄除
去部まわりに歪み場を形成することと、除去部が磁気的
形状効果をもつこととの相乗効果により、地鉄除去部周
辺に90゜磁区が形成され、これが磁区細分化の芽として
効いていると考えられる。本発明法により製造した電磁
鋼板はユーザーにおいて歪み取り焼鈍を行なっても鉄損
値が歪み取り焼鈍前と変らない。したがって、本発明法
により製造された一方向性電磁鋼板は巻鉄心トランス用
のみならず、積鉄トランス用としても使用することが出
来る。 以下、図面を参照として本発明が一つの特徴とする地
鉄除去部についてさらに説明する。 第1図は板厚0.23mmの仕上焼鈍にリン酸系張力付与皮
膜をつけた鋼板に幅0.05〜1mm、深さ0.005〜0.1mmの範
囲の種々の溝を圧延方向に5mm間隔で形成した試料のW17
/50の鉄損値(圧延方向での)を調べたものであるが溝
幅0.05〜0.4mm、溝の深さ0.01〜0.06mmで良好な鉄損値
が得られる。溝幅があまり狭いと工業的に製造すること
が困難であり、あまり広くなると鉄損値低域効果がみら
れない。溝の深さがあまり浅いと鉄損値低域の効果がな
く、あまり深くなると磁束密度(B)が低下すること又
折り曲げ加工で折れやすくなる等で好ましくない。高磁
束密度でかつ低鉄損値を得るための好ましい溝の幅およ
び溝の深さはそれぞれ0.05〜0.4mm、0.015〜0.05mmであ
りこの範囲では0.84W/kg≦W17/50<0.86W/kgおよびB10
=1.90〜1.92Tが得られる。該図は800℃×2時間歪み取
り焼鈍後のものであるが、歪み取り焼鈍前でも同様な値
が得られる。すなわち、該図中の溝幅および深さの範囲
内では歪み取り焼鈍による鉄損値劣化がない一方向性電
磁鋼板が得られる。 続いて、本発明の他の特徴である防食処理について説
明する。上述の地鉄除去部には錆が発生し易いので防食
処理をする必要がある。防食処理としては、地鉄除去部
への張力効果のない絶縁性皮膜溶液、有機物、塗膜溶液
の被覆処理等が考えられるが耐熱性まで考慮すると電磁
鋼板の皮膜に用いる無機物を含み、絶縁皮膜処理を板表
面に全面塗りするのが最も簡便で安価である。歪み取り
焼鈍を行わないで使用するのであれば全有機系の塗膜で
も使用出来るのは無論である。 〔実施例〕 実施例1 冷間圧延により0.23mm厚まで仕上げられ、一方向性電
磁鋼板として仕上焼鈍された鋼板を耐酸性樹脂で一部が
露出するようにコーティングした。露出部は圧延方向を
直角に6mm間隔をもった0.3mm巾の線で形成された。該露
出部を有する鋼板試料として弗酸中に浸漬して部分的に
露出されたグラスを取除いたのち、露出された地鉄部を
15%の塩酸(室温)中で15秒間電解酸洗(電流密度10A/
dm2)ち、約25μm深さの溝とした。その後、有機溶剤
中で耐酸性樹脂を取除き、75%H3PO4100部、水酸化マグ
ネシューム23部、水100部の組成の処理液を2g/m2ゴムロ
ールにて全面塗布後、800℃×100秒焼付けた。 本発明鋼に係る上記試料を歪み取り焼鈍しその前後の
圧延方向の鉄損値を測定した。仕上焼鈍ままの鋼板を比
較材として歪取焼鈍後の鉄損値(圧延方向)を測定し
た。それぞれの鉄損値を第1表に示す。本発明鋼は従来
法にくらべて鉄損値が低減しているのがわかる。 また、塩水噴霧試験(JIS Z2371)を2時間行った結
果で各試料の腐食状態で調べた。比較材である、弗酸で
グラス皮膜除去後電解酸洗にて地鉄を除去したままの試
料は該除去部から著しくさびが発生したのに対して、上
記防食皮膜処理をしたものはさび発生が皆無であった。
歪取焼鈍後層間抵抗(JIS C2550)も65Ω−cm2/枚と大
きな値であり、防食皮膜は十分な層間絶縁を有すること
が分かった。 実施例2 冷間圧延により0.23mm厚まで仕上げられ、一方向性電
磁鋼板として仕上焼鈍された鋼板にリン酸系張力皮膜を
付与した。該鋼板の膜表面をYAGレーザーにより約5mJの
パルス強度で直径0.2mm、0.5mmの間隔で圧延方向に対し
て直角に点線状に剥離した。圧延方向での点線と点線と
の間隔は6mmとした。剥離後地鉄部を15%塩酸(室温)
中で15秒間電解酸洗(電流密度10A/dm2)し約25μm深
さの溝を形成した。その後張力付与のない絶縁皮膜処理
を行なった。処理剤の組成は75%H3PO4100部、無水クロ
ム酸7部、水酸化マグネシューム18部、水100部であ
る。該処理液2g/m2をゴムロールにて全面塗布後830℃×
90秒焼付けた。本発明鋼の歪み取り焼鈍(800℃×2時
間)前後および仕上焼鈍リン酸系張力付与皮膜焼付けま
まの比較材の圧延方向での鉄損値を第2表に示す。本発
明鋼は従来法にくらべて鉄損値が低減しているのがわか
る。 また、実施例1と同様の塩水噴霧試験によりさびの発
生を調べた結果、比較材であるレーザーにより皮膜を局
部的に除去したもの著しくさび発生したのに対して前述
のような絶縁皮膜をしたものはほとんどさびの発生が認
められなかった。歪取り焼鈍後の層間抵抗も70Ω−cm2/
枚と大きな値を示した。 実施例3 冷間圧延により0.23mmまで仕上げられ、一方向性電磁
鋼板として仕上焼鈍された鋼板にリン酸系張力皮膜を付
与した。鋼板皮膜表面を約10mJのパルス強度、0.3mmの
ビーム径のYAGレーザービームを0.3mmの間隔で照射しな
がらノズルよりレーザービーム照射部に酸素ガスを吹き
つけ照射部の溶融部分の蒸発を促進させた。照射ビーム
は圧延方向に直角に照射した。圧延方向への溝の間隔は
6mmである。酸素ガスの吹付けにより、溶融部分の蒸発
とともに地鉄除去部の深さ15μmの溝が形成された。こ
のあと溝の部分に張力付与のない絶縁皮膜処理を行なっ
た。この絶縁皮膜の処理液の組成が75%H3PO4100部、無
水クロム酸3部、メタケイ酸カルシューム3部、水酸化
マグネシューム20部、水100部であった。処理液2g/m2を
ゴムロールで塗布後850℃×90秒焼付けた。本発明の歪
取り焼鈍前後および仕上焼鈍リン酸系張力付与皮膜焼付
けままの比較材の圧延方向での鉄損値を第3表に示す。
本発明鋼は従来法にくらべて鉄損値が低減しているのが
わかる。 また、実施例1と同様の塩水噴霧試験後のさびの発生
を調べた結果比較材であるレーザーにより皮膜下地を局
部的に除去したものは著しく赤さびが発生したのに対し
て絶縁皮膜処理したものはさびの発生は皆無であった。
また層間抵抗も100Ω−cm2/枚と大きな値であった。 〔発明の効果〕 本発明によれば、歪取り焼鈍を行っても鉄損値が劣化
しない磁区制御が可能であるため、すぐれた巻鉄心用材
料が提供される。さらに、本発明鋼は低い鉄損値を有す
ることから歪取焼鈍をしない積鉄心トランス用材として
も使用することが出来る。この際防食処理による高い絶
縁抵抗が積鉄心に要求される層間絶縁性を十分に満足す
る。本発明鋼はまた製造コストが安価であるという点で
本発明の工業的な意味は極めて大きい。
のであり、さらに詳しく述べるならば、歪み取り焼鈍を
行なっても磁気特性が劣化しない、低鉄損一方向性電磁
鋼板の製造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 一方向性電磁鋼板の製造法においてはエネルギー節約
の観点から鉄損を低減することが重要である。鉄損を低
減する方法としてはレーザー照射により磁区を細分化す
る方法が既に特開昭58−26405号公報に開示されている
が、該方法による鉄損の低減はレーザー照射により導入
された歪みに起因している。したがって歪取り焼鈍を必
要としない積鉄心トランス用として使用出来るが、歪取
り焼鈍を必要とする巻き鉄心トランス用としては上記磁
区細分化法は効果がない。また特開昭56−130454号公報
において、歪みを導入した鋼板を二次再結晶焼鈍する
際、この焼鈍によって生ずる微再結晶粒群を利用して鉄
損低減を図る方法が開示されている。該方法は、鉄損値
の低減を鋼板表面に生ずる微細再結晶粒を利用して達成
されるため、歪取り焼鈍により鉄損値が劣化することは
ないが、工業化する上で難しい問題を含んでいる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この発明は、工業化が容易であるために各種鉄心用一
方向性電磁鋼板の鉄損値低減に適用できるとともに歪取
り焼鈍を施して鉄損低減効果が損われない方法を提供
し、上記二つの問題点を同時に解決することができる低
鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法を提供するものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明はかかる従来技術の問題点を、仕上焼鈍済の一
方向性電磁鋼板又は仕上焼鈍後、絶縁皮膜処理を施した
一方向性電磁鋼板の地鉄の一部を除去し、次いで該除去
部に張力付加効果のない防食処理を施したことを特徴と
する低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法により解決しよ
うとするもので、磁気特性を高水準に維持しつつ歪取り
焼鈍後の磁性劣化を低減しようとするものである。 以下、本発明に係る低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方
法を詳細に説明する。 先ず常法により、si4%以下を含む珪素鋼スラブを加
熱し、中間板厚で熱間圧延し、得られた熱延板を酸洗
し、必要に応じて熱延板の熱処理を行なう。次いで同じ
く常法により中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延又は1回
の冷間圧延を行なって最終板厚にし、得られた冷延板を
脱炭焼鈍する。その後焼鈍分離剤を塗布し、さらに二次
再結晶焼鈍を施して通常の一方向性電磁鋼板を製造す
る。以上の工程は通常の方法で行なわれる。このように
して得られた二次再結晶組織を有する鋼板又は該鋼板に
絶縁皮膜を塗布し、焼付けた鋼板の地鉄の一部を除去す
る。 この地鉄の除去方法としては、レーザー照射、放電あ
るいは強酸(例えば弗酸)のような手段で先ず鋼板の絶
縁皮膜の一部を剥離した後、塩酸、硝酸などの酸で鋼板
地鉄を溶解除去する手段がある。無論電解酸洗のような
手段でもよい。又、レーザー照射を酸素雰囲気下で行な
うことにより表面皮膜と地鉄を蒸発させてもよい。 本発明はレーザー照射による鉄損値低減法と磁区細分
化による鉄損低域という点では同じであるが、歪取り焼
鈍を行なっても磁区細分化の効果が残っている点が異な
っている。したがって地鉄除去部に形成される溝又は近
似形状を有する凹部の形は圧延方向(<011>方位)に
対して直角方向が好ましいが例えば圧延方向に45゜の方
向をもったものでもよい。あまり傾きを大きくすると鉄
損低減に対して不利になるので好ましくない。また、圧
延方向に対する溝等の間隔は特公昭58−26406号公報に
開示されている如く2.5〜10mmが最も好ましい。この理
由はこの範囲で鉄損値が最も低減するからである。溝等
は平面的には線で形成されていても点状で形成されてい
てもどちらでもよいが点で形成されている場合は点と点
との間隔が0.7mm以下が好ましい。間隔がこの範囲であ
れば鉄損低減に大きな効果があり、間隔が広くなる程磁
束密度をあまり低下させることなく鉄損の低減を図るこ
とができるがこれより大きくなると鉄損値低減に対して
効果は小さくなる。このように仕上焼鈍済の鋼板又はリ
ン酸系などの張力付与絶縁皮膜処理した鋼板の地鉄の一
部を除去すると該鋼板の鉄損を低減することが出来る
が、その理由は明確ではない。本発明法により局部的に
皮膜および下地地鉄を除去した後、残存するグラス皮膜
あるいは/およびリン酸系などの張力付与皮膜が地鉄除
去部まわりに歪み場を形成することと、除去部が磁気的
形状効果をもつこととの相乗効果により、地鉄除去部周
辺に90゜磁区が形成され、これが磁区細分化の芽として
効いていると考えられる。本発明法により製造した電磁
鋼板はユーザーにおいて歪み取り焼鈍を行なっても鉄損
値が歪み取り焼鈍前と変らない。したがって、本発明法
により製造された一方向性電磁鋼板は巻鉄心トランス用
のみならず、積鉄トランス用としても使用することが出
来る。 以下、図面を参照として本発明が一つの特徴とする地
鉄除去部についてさらに説明する。 第1図は板厚0.23mmの仕上焼鈍にリン酸系張力付与皮
膜をつけた鋼板に幅0.05〜1mm、深さ0.005〜0.1mmの範
囲の種々の溝を圧延方向に5mm間隔で形成した試料のW17
/50の鉄損値(圧延方向での)を調べたものであるが溝
幅0.05〜0.4mm、溝の深さ0.01〜0.06mmで良好な鉄損値
が得られる。溝幅があまり狭いと工業的に製造すること
が困難であり、あまり広くなると鉄損値低域効果がみら
れない。溝の深さがあまり浅いと鉄損値低域の効果がな
く、あまり深くなると磁束密度(B)が低下すること又
折り曲げ加工で折れやすくなる等で好ましくない。高磁
束密度でかつ低鉄損値を得るための好ましい溝の幅およ
び溝の深さはそれぞれ0.05〜0.4mm、0.015〜0.05mmであ
りこの範囲では0.84W/kg≦W17/50<0.86W/kgおよびB10
=1.90〜1.92Tが得られる。該図は800℃×2時間歪み取
り焼鈍後のものであるが、歪み取り焼鈍前でも同様な値
が得られる。すなわち、該図中の溝幅および深さの範囲
内では歪み取り焼鈍による鉄損値劣化がない一方向性電
磁鋼板が得られる。 続いて、本発明の他の特徴である防食処理について説
明する。上述の地鉄除去部には錆が発生し易いので防食
処理をする必要がある。防食処理としては、地鉄除去部
への張力効果のない絶縁性皮膜溶液、有機物、塗膜溶液
の被覆処理等が考えられるが耐熱性まで考慮すると電磁
鋼板の皮膜に用いる無機物を含み、絶縁皮膜処理を板表
面に全面塗りするのが最も簡便で安価である。歪み取り
焼鈍を行わないで使用するのであれば全有機系の塗膜で
も使用出来るのは無論である。 〔実施例〕 実施例1 冷間圧延により0.23mm厚まで仕上げられ、一方向性電
磁鋼板として仕上焼鈍された鋼板を耐酸性樹脂で一部が
露出するようにコーティングした。露出部は圧延方向を
直角に6mm間隔をもった0.3mm巾の線で形成された。該露
出部を有する鋼板試料として弗酸中に浸漬して部分的に
露出されたグラスを取除いたのち、露出された地鉄部を
15%の塩酸(室温)中で15秒間電解酸洗(電流密度10A/
dm2)ち、約25μm深さの溝とした。その後、有機溶剤
中で耐酸性樹脂を取除き、75%H3PO4100部、水酸化マグ
ネシューム23部、水100部の組成の処理液を2g/m2ゴムロ
ールにて全面塗布後、800℃×100秒焼付けた。 本発明鋼に係る上記試料を歪み取り焼鈍しその前後の
圧延方向の鉄損値を測定した。仕上焼鈍ままの鋼板を比
較材として歪取焼鈍後の鉄損値(圧延方向)を測定し
た。それぞれの鉄損値を第1表に示す。本発明鋼は従来
法にくらべて鉄損値が低減しているのがわかる。 また、塩水噴霧試験(JIS Z2371)を2時間行った結
果で各試料の腐食状態で調べた。比較材である、弗酸で
グラス皮膜除去後電解酸洗にて地鉄を除去したままの試
料は該除去部から著しくさびが発生したのに対して、上
記防食皮膜処理をしたものはさび発生が皆無であった。
歪取焼鈍後層間抵抗(JIS C2550)も65Ω−cm2/枚と大
きな値であり、防食皮膜は十分な層間絶縁を有すること
が分かった。 実施例2 冷間圧延により0.23mm厚まで仕上げられ、一方向性電
磁鋼板として仕上焼鈍された鋼板にリン酸系張力皮膜を
付与した。該鋼板の膜表面をYAGレーザーにより約5mJの
パルス強度で直径0.2mm、0.5mmの間隔で圧延方向に対し
て直角に点線状に剥離した。圧延方向での点線と点線と
の間隔は6mmとした。剥離後地鉄部を15%塩酸(室温)
中で15秒間電解酸洗(電流密度10A/dm2)し約25μm深
さの溝を形成した。その後張力付与のない絶縁皮膜処理
を行なった。処理剤の組成は75%H3PO4100部、無水クロ
ム酸7部、水酸化マグネシューム18部、水100部であ
る。該処理液2g/m2をゴムロールにて全面塗布後830℃×
90秒焼付けた。本発明鋼の歪み取り焼鈍(800℃×2時
間)前後および仕上焼鈍リン酸系張力付与皮膜焼付けま
まの比較材の圧延方向での鉄損値を第2表に示す。本発
明鋼は従来法にくらべて鉄損値が低減しているのがわか
る。 また、実施例1と同様の塩水噴霧試験によりさびの発
生を調べた結果、比較材であるレーザーにより皮膜を局
部的に除去したもの著しくさび発生したのに対して前述
のような絶縁皮膜をしたものはほとんどさびの発生が認
められなかった。歪取り焼鈍後の層間抵抗も70Ω−cm2/
枚と大きな値を示した。 実施例3 冷間圧延により0.23mmまで仕上げられ、一方向性電磁
鋼板として仕上焼鈍された鋼板にリン酸系張力皮膜を付
与した。鋼板皮膜表面を約10mJのパルス強度、0.3mmの
ビーム径のYAGレーザービームを0.3mmの間隔で照射しな
がらノズルよりレーザービーム照射部に酸素ガスを吹き
つけ照射部の溶融部分の蒸発を促進させた。照射ビーム
は圧延方向に直角に照射した。圧延方向への溝の間隔は
6mmである。酸素ガスの吹付けにより、溶融部分の蒸発
とともに地鉄除去部の深さ15μmの溝が形成された。こ
のあと溝の部分に張力付与のない絶縁皮膜処理を行なっ
た。この絶縁皮膜の処理液の組成が75%H3PO4100部、無
水クロム酸3部、メタケイ酸カルシューム3部、水酸化
マグネシューム20部、水100部であった。処理液2g/m2を
ゴムロールで塗布後850℃×90秒焼付けた。本発明の歪
取り焼鈍前後および仕上焼鈍リン酸系張力付与皮膜焼付
けままの比較材の圧延方向での鉄損値を第3表に示す。
本発明鋼は従来法にくらべて鉄損値が低減しているのが
わかる。 また、実施例1と同様の塩水噴霧試験後のさびの発生
を調べた結果比較材であるレーザーにより皮膜下地を局
部的に除去したものは著しく赤さびが発生したのに対し
て絶縁皮膜処理したものはさびの発生は皆無であった。
また層間抵抗も100Ω−cm2/枚と大きな値であった。 〔発明の効果〕 本発明によれば、歪取り焼鈍を行っても鉄損値が劣化
しない磁区制御が可能であるため、すぐれた巻鉄心用材
料が提供される。さらに、本発明鋼は低い鉄損値を有す
ることから歪取焼鈍をしない積鉄心トランス用材として
も使用することが出来る。この際防食処理による高い絶
縁抵抗が積鉄心に要求される層間絶縁性を十分に満足す
る。本発明鋼はまた製造コストが安価であるという点で
本発明の工業的な意味は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は鋼板地鉄に形成された溝の幅および深さと磁気
特性との関係を示す図である。
特性との関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 広瀬 喜久司
姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵
株式会社広畑製鐵所内
(56)参考文献 特開 昭56−123325(JP,A)
特開 昭57−152423(JP,A)
特開 昭57−192222(JP,A)
特開 昭57−192223(JP,A)
特開 昭60−39123(JP,A)
特公 昭62−54873(JP,B2)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.仕上焼鈍済の一方向性電磁鋼板又は仕上焼鈍後、絶
縁皮膜処理を施した一方向性電磁鋼板の地鉄の一部を除
去したのち該除去部に、張力付加効果のない防食処理を
したことを特徴とする低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方
法。 2.鋼板表面皮膜の一部を剥離した後、酸洗することに
より鋼板地鉄の一部を除去する特許請求の範囲第1項記
載の方法。 3.鋼板表面を、光学的手段と酸素等ガス雰囲気との組
合せにより鋼板地鉄の一部を除去する特許請求の範囲第
1項記載の方法。 4.地鉄除去部が線状又は点状で鋼板表面に形成されて
いる特許請求の範囲第1項記載の方法。 5.線状地鉄除去部又は点状の地鉄除去部が0.7mm以下
の間隔で連続して形成される点線状地鉄除去部が相互間
で2.5〜10mmの間隔を有し、該地鉄除去部の個々の幅が
0.05〜0.5mmであり、かつ深さが0.005〜0.06mmである特
許請求の範囲第4項記載の方法。
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| JP60093814A JP2694941B2 (ja) | 1985-05-02 | 1985-05-02 | 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP60093814A JP2694941B2 (ja) | 1985-05-02 | 1985-05-02 | 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法 |
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| JP2694941B2 true JP2694941B2 (ja) | 1997-12-24 |
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ID=14092863
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-
1985
- 1985-05-02 JP JP60093814A patent/JP2694941B2/ja not_active Expired - Fee Related
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