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JP2026000294A - 光学素子、ロール原盤および光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子、ロール原盤および光学素子の製造方法

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JP2026000294A
JP2026000294A JP2024097557A JP2024097557A JP2026000294A JP 2026000294 A JP2026000294 A JP 2026000294A JP 2024097557 A JP2024097557 A JP 2024097557A JP 2024097557 A JP2024097557 A JP 2024097557A JP 2026000294 A JP2026000294 A JP 2026000294A
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俊一 梶谷
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Dexerials Corp
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
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    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
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Abstract

【課題】可視光域から近赤外域までの幅広い波長帯域の入射光に対しても、高角度の斜入射光に対しても、反射防止特性を確保する。
【解決手段】光学素子は、基材11と、基材11の少なくとも一方の表面上に、可視光の波長帯域以下のピッチで配列された複数の凸状の構造体3と、を備え、構造体3は、基材11の表面上に形成された第1テーパ部31と、第1テーパ部31の上に形成された第2テーパ部32と、からなる複合構造を有し、第2テーパ部32のテーパ比Cは、第1テーパ部31のテーパ比Cより小さく、第2テーパ部32は、第1テーパ部31よりも細い針状のテーパ形状を有し、構造体3の高さhは、400nm以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子、ロール原盤および光学素子の製造方法に関する。
近年、反射防止特性を有するフィルム状の光学素子(反射防止フィルム)の用途が拡大している。反射防止フィルムは、例えば、スマートフォンもしくはパーソナルコンピュータ等に設けられる表示装置、自動運転技術のため車載カメラ、または、仮想現実(VR)もしくは拡張現実(AR)を利用するデバイスのカメラなど、各種の装置に適用される。
また、微細加工技術の一つとして、外周面に微細凹凸構造が形成されたロール原盤をフィルム基材に押し当て、ロール原盤の微細凹凸構造をフィルム基材の樹脂層に転写するインプリント技術の開発が進められている。このインプリント技術を用いて、例えば、可視光の波長以下の周期(ピッチ)で配列された微細凹凸構造(いわゆるモスアイ構造)を、透明なフィルム基材の樹脂層に転写することができる。これによって、フィルム基材に反射防止機能を付与して、反射防止フィルムを効率よく量産することができる。
かかる反射防止フィルムの表面に設けられた微細凹凸構造によって、入射光に対する屈折率の変化が緩やかになるため、反射の原因となる屈折率の急激な変化が生じにくい。したがって、上記各種の装置の必要部位に反射防止フィルムを設けることにより、入射光の反射を抑制することができる。
かかる反射防止フィルムとして、例えば、特許文献1には、楕円錐または楕円錐台形状を有する複数の構造体を備える光学素子が開示されている。また、特許文献2には、錐体形状を有する複数の構造体を備えた光学素子において、当該構造体の深さ方向に対する実効屈性率が、光学素子の基体へ向けて徐々に増加するとともに、S字状の曲線を描くようにすることが開示されている。
特許第4404161号 特許第5257066号
ところで、反射防止フィルムが適用される装置の用途が広がるにつれ、当該装置の用途によっては、可視光域から近赤外域までの幅広い波長帯域(例えば、380~950nm)の光を検出できることが要求されている。例えば、自動車のフロントガラスに搭載されるカメラは、夜間運転時などに、暗所における周辺環境を適切に検出して撮像できる必要がある。また、VRまたはAR等のウェアラブルデバイスでは、当該デバイスの筐体内において光が入らない暗所にアイトラッキングカメラが設けられる。このため、当該アイトラッキングカメラは、筐体内の暗所において人の目の動きや表情を検知できる必要がある。したがって、上記車載カメラが設けられるフロントガラスの反射防止処理箇所や、アイトラッキングカメラのカバーガラスなどに反射防止フィルムを設ける場合、当該反射防止フィルムは、可視光域から近赤外域までの幅広い波長帯域の光に対して、反射防止特性を発揮できることが要求される。
一方、自動車の構造上、フロントガラスは極端に傾斜して配置されており、当該傾斜したフロントガラスの背後に車載カメラが設置される。このため、傾斜したフロントガラスに反射防止フィルムを貼り付けて、反射防止処理を施す場合、反射防止フィルムに対する光の入射角は、例えば45°~70°程度といった非常に高角度となることもある。したがって、この場合、反射防止フィルムは、当該高角度で斜入射される光に対して、反射防止特性を発揮できることが要求される。また、VR等のウェアラブルデバイスでは、軽量コンパクト化が必須であるため、顔面に近い位置にカメラが設置された状態で、顔の広い範囲を検知できる必要がある。したがって、この場合でも、当該カメラに用いられる反射防止フィルムは、例えば45°~70°程度の高角度で斜入射される光に対して、反射防止特性を発揮できることが要求される。
しかしながら、上記特許文献1、2に記載の従来の反射防止フィルムでは、可視光域から近赤外域までの幅広い波長帯域の光に対して十分に対応できず、いずれかの波長帯域で反射防止特性が低下するという問題があった。さらに、当該従来の反射防止フィルムでは、45°~70°程度の高角度で斜入射される光に対しても、反射防止特性が低下するという問題があった。
例えば、特許文献1に記載の反射防止フィルムでは、微細凹凸構造を構成する複数の構造体が、楕円錐または楕円錐台形状の単調な構造を有している。このため、特定の波長帯域のみの入射光の反射が防止され、それ以外の波長帯域の入射光については、サブ反射ピークが発生し、反射が増加してしまうという問題があった。また、特許文献2に記載の反射防止フィルムでは、特許文献1の単調な楕円錐形状と比較して、サブ反射ピークを抑制して、可視光域における反射防止可能域が広がるが、近赤外域の入射光の反射を防止することは困難であった。さらに、例えば45°~70°程度の高角度の斜入射光に対応することも困難であった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、可視光域から近赤外域までの幅広い波長帯域の入射光に対しても、高角度の斜入射光に対しても、反射防止特性を確保することが可能な光学素子、ロール原盤および光学素子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、
基材と、
前記基材の少なくとも一方の表面上に、可視光の波長帯域以下のピッチで配列された複数の凸状の構造体と、
を備え、
前記構造体は、前記基材の表面上に形成された第1テーパ部と、前記第1テーパ部の上に形成された第2テーパ部と、からなる複合構造を有し、
前記第2テーパ部のテーパ比Cは、前記第1テーパ部のテーパ比Cより小さく、
前記第2テーパ部は、前記第1テーパ部よりも細い針状のテーパ形状を有し、
前記構造体の高さhは、400nm以上である、
光学素子が提供される。
前記構造体は、前記第1テーパ部の頂部と前記第2テーパ部の底部との接合位置において、前記構造体の側面のテーパ比が変化する変化点を有するようにしてもよい。
前記第1テーパ部および前記第2テーパ部は、線形テーパ近似形状を有し、
前記第1テーパ部および前記第2テーパ部のテーパ面の垂直断面形状は、実質的に直線からなるようにしてもよい。
前記構造体の高さhは、490nm以上であるようにしてもよい。
前記第2テーパ部の高さhは、160~300nmであり、
前記第1テーパ部の高さhは、150~500nmであるようにしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
前記光学素子を製造するためのロール原盤であって、
円筒状または円柱状の原盤基材と、
前記原盤基材の外周面に形成された第1微細凹凸構造と、
を備え、
前記第1微細凹凸構造は、前記光学素子の前記構造体の反転形状を有する複数の凹部を含み、
前記凹部は、
前記第1テーパ部の反転形状を有する第1テーパ凹部と、前記第1テーパ凹部の内部に形成され、前記第2テーパ部の反転形状を有する第2テーパ凹部と、からなる複合構造を有する、ロール原盤が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
前記光学素子の製造方法であって、
第1微細凹凸構造が形成されたロール原盤を製造する工程と、
前記光学素子の前記基材の表面に硬化性樹脂からなる樹脂層を塗布する工程と、
前記ロール原盤の前記第1微細凹凸構造を前記樹脂層に転写することによって、前記光学素子の前記構造体を含む第2微細凹凸構造を前記樹脂層に形成する工程と、
を含み、
前記第1微細凹凸構造は、前記光学素子の前記構造体の反転形状を有する複数の凹部を含み、
前記凹部は、
前記第1テーパ部の反転形状を有する第1テーパ凹部と、前記第1テーパ凹部の内部に形成され、前記第2テーパ部の反転形状を有する第2テーパ凹部と、からなる複合構造を有する、光学素子の製造方法が提供される。
前記ロール原盤を製造する工程は、
前記ロール原盤の原盤基材の外周面にレジスト層を成膜する成膜工程と、
前記レジスト層にレーザ光を照射することで潜像を形成する露光工程と、
前記潜像が形成された前記レジスト層を現像し、前記レジスト層にパターンを形成する現像工程と、
前記パターンが形成された前記レジスト層をマスクとして前記原盤基材をエッチングし、前記原盤基材の外周面に前記第1微細凹凸構造の凹凸パターンを形成するエッチング工程と、
を含み、
前記エッチング工程では、前記原盤基材をエッチングする途中でエッチング条件を変更することにより、前記第1テーパ凹部と前記第2テーパ凹部とからなる複合構造を有する前記凹部を形成するようにしてもよい。
本発明によれば、可視光域から近赤外域までの幅広い波長帯域の入射光に対しても、高角度の斜入射光に対しても、反射防止特性を確保することが可能な光学素子を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学フィルムを示す部分拡大断面図である。 図2は、同実施形態に係る構造体を示す部分拡大断面図である。 図3は、同実施形態に係る光学フィルムの微細凹凸構造を示す平面図である。 図4は、同実施形態に係るロール原盤を模式的に示す斜視図である。 図5は、同実施形態に係るロール原盤の製造に用いられる露光装置の構成を示すブロック図である。 図6は、同実施形態に係るロール原盤の露光方法を概略的に示す模式図である。 図7は、同実施形態に係る露光信号と露光パターンとの対応関係を示す説明図である。 図8は、同実施形態に係るロール原盤の製造方法を示す工程図である。 図9は、同実施形態に係るロール原盤の製造方法を示す工程図である。 図10は、同実施形態に係る光学フィルムの製造方法を示す工程図である。 図11は、同実施形態に係る光学フィルムの製造方法を示す工程図である。 図12は、同実施形態に係る転写装置の構成を示す模式図である。 図13は、比較例に係る凸状の構造体を示す模式図である。 図14は、実施例に係る凸状の構造体を示す模式図である。 図15は、実施例に係る凸構造体の高さhと、400~950nmの波長帯域における平均反射率Reθ=70°との関係を示すグラフである。 図16は、10°程度の低角度の斜入射時における、入射光の波長λと反射率Reとの関係を示すグラフである。 図17は、70°程度の高角度の斜入射時における、入射光の波長λと反射率Reとの関係を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
[1.光学フィルムの構成]
[1.1.光学フィルムの概略構成]
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る光学素子である光学フィルム1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る光学フィルム1を示す部分拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る光学フィルム1は、光学素子の一例であり、フィルム状の光学素子である。光学フィルム1は、反射防止機能を有する透明な光学フィルム(反射防止フィルム)であり、可視光に対して透明性を有している。例えば、光学フィルム1は、その表面に反射防止特性を有する微細凹凸構造2が形成されたモスアイフィルムである。なお、本実施形態では、主に、光学フィルム1の一方の表面に微細凹凸構造2が形成された光学フィルム1の例について説明するが、光学フィルム1の両方の表面(表裏両面)に微細凹凸構造2が形成されてもよい。
一般に、透明フィルムの表面に周期的な凹凸構造を設けた場合、当該凹凸構造を光が透過するときには回折が発生し、透過光の直進成分が大幅に減少する。しかし、凹凸構造のピッチが、透過する入射光(例えば、可視光または近赤外光)の波長よりも短い場合には、回折は発生せず、凹凸構造のピッチや深さなどに対応する波長の入射光に対して有効な反射防止特性を得ることができる。このように、凹凸構造のうち、可視光の波長以下のピッチを有する微細凹凸構造2は、モスアイ構造とも称される。
光学フィルム1の表面に微細凹凸構造2を形成することで、光学フィルム1と空気との界面での反射を有効に抑制することができる。例えば、光学フィルム1を、上述した自動車のフロントガラス、または、VR等のウェアラブルデバイスのアイトラッキングカメラなどに用いる場合、高い入射角θで入射される可視光または近赤外光の反射を適切に抑制して、カメラの視界を良好に保つことが求められる。この観点では、光学フィルム1の屈折率nは、1.40以上、2.00以下であることが好ましく、1.43以上2.00以下であることがより好ましい。また、光学フィルム1において、波長550nmの光の透過率は、94.0%以上であることが好ましく、98.0%以上、特に98.5%以上であることがより好ましい。
光学フィルム1の表面領域は、微細凹凸構造2が形成された凹凸パターン領域を含む。凹凸パターン領域は、微細凹凸構造2により反射防止特性が付与された透明領域(反射防止領域)である。微細凹凸構造2は、可視光の波長以下(例えば350nm以下)のピッチPで配列された複数の凸状の構造体3(凸部)および凹部4からなる。この微細凹凸構造2により、光学フィルム1の凹凸パターン領域では、入射光の反射率は非常に低く、光線透過率が高い。
本実施形態に係る光学フィルム1は、上述した各種の装置に設けられる反射防止フィルムとして適用可能である。光学フィルム1に対して入射される光(入射光)の波長λは、可視光域から近赤外域までの広い波長帯域である。当該入射光の波長λは、例えば、380m~780nmであり、380nm~950nmであることが好ましく、380nm~2000nmであることがより好ましい。
また、本実施形態に係る光学フィルム1は、光学フィルム1の表面(XY平面)に対して垂直方向(Z方向)から入射される入射光(法線入射の入射光:入射角θ=0°)だけでなく、当該垂直方向に対して傾斜した方向から入射される斜入射光(入射角θ>0°)にも適用可能である。特に、本実施形態に係る光学フィルム1は、例えば45°以上の高角度の入射角θで入射される斜入射光だけでなく、例えば70°程度の超高角度の入射角θで入射される斜入射光にも適用可能である。
このように、本実施形態に係る光学フィルム1は、可視光域から近赤外域までの広範囲の波長帯域の入射光に対して反射防止特性を発揮しつつ、高角度の斜入射光に対しても反射防止特性を確保できるものである。かかる光学フィルム1の優れた反射防止特性を実現するための構成について、以下に詳述する。
[1.2.光学フィルムの層構造]
次に、図1を参照して、本実施形態に係る光学フィルム1の層構造について、より詳細に説明する。
図1に示すように、光学フィルム1は、例えば、可撓性を有する透明な基材11と、基材11の少なくとも一方の表面に積層される透明な樹脂層12とを備える。このように、本実施形態に係る光学フィルム1は、例えば、基材11と樹脂層12を含む2層構造を有する。しかし、かかる例に限定されず、基材11と樹脂層12の間に、密着性を高めるための密着層(図示せず。)等の別の中間層を設けて、3層以上の積層構造としてもよい。また、基材11の表裏両面に樹脂層12、12を設けて、3層以上の積層構造としてもよい。また、樹脂層12の表面上に被覆層などを追加してもよい。また、基材11と樹脂層12に分けずに、光学フィルムを同一の材料(例えば、ガラス材料又は樹脂材料)で一体的に形成して、1層構造の光学フィルムを用いてもよい。
基材11は、可撓性を有する透明なフィルム基材である。基材11は、1枚のシート状の透明部材で構成されてもよいし、複数枚のシート状の透明部材の貼り合せにより構成されてもよい。基材11の厚さは、光学フィルム1の用途に応じて適宜選択され、用途に応じた可撓性や剛性、厚み等を付与することが好ましい。
基材11の材料としては、例えば、透明性を有するプラスチック材料、またはガラス材料などが挙げられる。詳細には、基材11のプラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルメタクリレート(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート-スチレン共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン等が挙げられる。また、基材11のガラス材料としては、例えば、ソーダライムガラス、鉛ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、液晶化ガラス等が挙げられる。しかし、基材11の材料は、上記で例示した材料に特に限定されるものではない。
基材11としてプラスチック材料を用いる場合、プラスチック材料の表面の表面エネルギー、塗布性、すべり性、平面性などをより改善するために、表面処理により下塗り層(図示せず。)をさらに設けるようにしてもよい。この下塗り層としては、例えば、オルガノアルコキシメタル化合物、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。また、下塗り層を設けるのと同等の効果を得るために、基材11の表面に対してコロナ放電処理、UV照射処理などを施してもよい。
基材11は、例えば、上述の樹脂を伸延、あるいは溶剤に希釈後にフィルム状に成膜して乾燥するなどの方法で形成され得る。基材11の厚さは、光学フィルム1の用途に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、10μm以上500μm以下、好ましくは50μm以上500μm以下、さらに好ましくは50μm以上300μm以下程度である。基材11の厚さが10μm以上であると、光学フィルム1の保護性能、耐久性が向上する。一方、基材11の厚さが500μm以下であると、光学フィルム1を軽量化できる。また、基材11が可撓性を有することで、湾曲変形できる。よって、光学フィルム1を湾曲面に好適に貼り付けることができ、光学フィルム1の耐久性も向上できる。
樹脂層12は、透明性を有する樹脂製の層であり、基材11の表面上に積層される。光学フィルム1の内部における反射を抑制し、コントラストを向上するために、樹脂層12の屈折率は、基材11の屈折率と同様であることが好ましい。また、樹脂層12は、基材11と同等の透明性を有することが好ましい。樹脂層12には、微細凹凸構造2などの凹凸パターンが形成される。本実施形態では、微細凹凸構造2は、例えば、後述するロール原盤による転写加工により形成される。
樹脂層12は、硬化性樹脂で形成される層である。樹脂層12は、例えば、エネルギー線硬化性樹脂組成物などの硬化性樹脂組成物(転写材料)の硬化物で形成される。樹脂層12の形成工程では、まず、上記基材11の表面上に転写材料として、未硬化のエネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布して、当該エネルギー線硬化性樹脂組成物に対して上記微細凹凸構造2の凹凸パターンを転写する。その後に、エネルギー線の照射により硬化性樹脂組成物を硬化させる。これにより、微細凹凸構造2の凹凸パターンが転写された樹脂層12が基材11の表面上に形成される。
エネルギー線硬化性樹脂組成物は、エネルギー線を照射することにより硬化する特性を有する樹脂である。こでこ、エネルギー線は、例えば、紫外線、電子線、赤外線、レーザ光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波、または高周波などであってよい。取り扱いの容易性等の観点から、エネルギー線硬化性樹脂組成物として、例えば、紫外線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。紫外線硬化性樹脂組成物は、紫外線を照射することにより硬化する特性を有する樹脂である。
また、エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じてフィラーまたは機能性添加剤などを含んでもよい。例えば、紫外線硬化性樹脂組成物は、アクリレートまたは開始剤を含んでもよく、単官能モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等を含んでもよい。
また、エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物は、親水性を有してもよい。このために、エネルギー線硬化性樹脂組成物は、親水性を有する官能基を1種以上含んでいることが好ましい。このような親水性を有する官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、およびカルボニル基などが挙げられる。
[1.3.微細凹凸構造の特徴]
次に、図1~図3を参照して、本実施形態に係る光学フィルム1の微細凹凸構造2の特徴について、より詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る光学フィルム1の微細凹凸構造2を示す部分拡大断面図である。図3は、本実施形態に係る光学フィルム1の微細凹凸構造2を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、光学フィルム1の厚み方向(Z方向)のうち、基材11側の方向(-Z方向)を下方向もしくは下側と称し、基材11とは反対側の方向(+Z方向)を上方向もしくは上側と称する。
図1~図3に示すように、本実施形態に係る微細凹凸構造2(モスアイ構造)は、複数の凸状の構造体3(凸部)および複数の凹部4からなる。複数の凸状の構造体3および複数の凹部4は、光学フィルム1の基材11の表面上に積層された樹脂層12に形成されている。光学フィルム1の全表面のうち凹凸パターン領域の樹脂層12に微細凹凸構造2を設けることにより、凹凸パターン領域の表面(XY平面)が、モスアイ構造の凹凸面となる。
凸状の構造体3(凸部)は、光学フィルム1の表面(XY平面)に対して垂直な方向(Z方向)に突出している。複数の構造体3は、基材11の表面(XY平面)上に、可視光の波長以下(例えば350nm以下)のピッチPで配列されている。
凹部4は、相隣接する複数の構造体3、3間に形成される凹んだ部分である。凹部4も基材11の表面(XY平面)上に、可視光の波長以下(例えば350nm以下)のピッチPで配列されている。
本実施形態に係る微細凹凸構造2は、凸状の構造体3(凸部)の形状に特徴を有する。本実施形態に係る構造体3は、少なくとも2つのテーパ部(第1テーパ部31および第2テーパ部32)を、光学フィルム1の厚み方向(Z方向)に積み重ねた複合構造を有する。
詳細には、構造体3は、第1テーパ部31(下側テーパ部)と、第2テーパ部32(上側テーパ部)とからなる複合構造を有する。第1テーパ部31および第2テーパ部32は、基材11から離れるにつれて細くなるようなテーパ形状を有する構造体である。第1テーパ部31は、基材11の表面上に形成され、構造体3の底部側の土台となる部分である。第2テーパ部32は、第1テーパ部31の上に形成され、構造体3の先端側の頂部となる部分である。
第1テーパ部31は、Z方向の上側(基材11とは反対側)に向けて細くなるテーパ形状、例えば錐台形状を有する。図1~図2に示す例の第1テーパ部31の形状は、円錐台形状であるが、これ以外の錐台形状であってもよい。例えば、第1テーパ部31は、楕円錐台形状であってもよいし、三角錐台、四角錐台、六角錐台、八角錐台などの任意の角錐台形状であってもよい。また、第1テーパ部31は、Z方向の中心軸を基準として対称な錐台形状であることが好ましいが、中心軸に対して非対称な錐台形状であってもよい。
第2テーパ部32は、Z方向の上側(基材11とは反対側)に向けて細くなるテーパ形状、例えば錐形状または錐台形状を有する。図1~図2に示す例の第2テーパ部32の形状は、円錐台形状であるが、これ以外の錐台形状であってもよい。例えば、第2テーパ部32は、楕円錐台形状であってもよいし、三角錐台、四角錐台、六角錐台、八角錐台などの任意の角錐台形状であってもよい。錐台形状としては、例えば、頂部が平坦な錐台形状、または、頂部に凸状または凹状の湾曲面を有する錐台形状であってもよい。また、第2テーパ部32の形状は、頂部が尖った錘形状であってもよく、例えば、円錐形状または楕円錐形状であってもよいし、三角錐、四角錐、六角錐、八角錐などの任意の角錐形状であってもよい。さらに、第2テーパ部32は、Z方向の中心軸を基準として対称な錐台形状または錘形状であることが好ましいが、中心軸に対して非対称な錐台形状または錘形状であってもよい。
上記の第1テーパ部31と第2テーパ部32とを上下に積み重ねることによって、1つの構造体3が構成される。下側の第1テーパ部31の底部は、基材11の表面上に配置されているか、当該表面に隣接して配置されている。下側の第1テーパ部31の頂部と、上側の第2テーパ部32の底部とが接合されている。
このため、図2に示すように、第1テーパ部31の底部の直径φと、第1テーパ部31の頂部の直径φと、第2テーパ部32の頂部の直径φとを比較すると、φの関係となる。第1テーパ部31の頂部の直径φは、第2テーパ部32の底部の直径と等しく、共にφである。
なお、本実施形態では、第2テーパ部32が錐台形状を有するため、第2テーパ部32の頂部は概ね平坦面となっており、第2テーパ部32の頂部(略平坦な頂面)の直径φは0より大きい(φ>0)。しかし、かかる例に限定されず、第2テーパ部32の頂部(帳面)は、平坦面ではなく、凸状または凹状の湾曲面であってもよい。また、第2テーパ部32が錐形状である場合には、第2テーパ部32の先端が尖った形状となるため、第2テーパ部32の頂部の直径φは、実質的にゼロであってもよい(φ≒0)。
また、図1~図3に示すように、本実施形態では、例えば、基材11の表面(XY平面)上に複数の構造体3が隙間なく配列されており、相互に隣接する構造体3の第1テーパ部31の底部は相互に接触している。この場合、構造体3の配置ピッチPは、第1テーパ部31の底部の直径φと実質的に等しくなる(P≒φ)。このように、複数の構造体3を隙間なく配列することによって、光学フィルム1の表面(XY平面)上において構造体3の充填率を高めて、構造体3が存在しない平坦面の面積を少なくできるので、反射防止特性を向上できる。しかし、かかる例に限定されず、基材11の表面(XY平面)上に複数の構造体3を多少の隙間を空けて配列してもよく、この場合は、構造体3の配置ピッチPは、第1テーパ部31の底部の直径φよりも大きくなる(P>φ)。なお、充填率とは、光学フィルム1の表面(XY平面)を平面視した場合において、当該表面上で複数の構造体3が占める面積の割合である。
[1.4.テーパ形状とテーパ比の特徴]
次に、本実施形態に係る第1テーパ部31と第2テーパ部32のテーパ形状とテーパ比について、より詳細に説明する。
図1~図2に示すように、第1テーパ部31のテーパ形状は、線形テーパ近似形状であることが好ましく、第1テーパ部31のテーパ面(側面)の垂直断面形状は、実質的に直線からなることが好ましい。同様に、第2テーパ部32のテーパ形状は、線形テーパ近似形状であることが好ましく、第2テーパ部32のテーパ面(側面)の垂直断面形状は、実質的に直線からなることが好ましい。
ここで、線形テーパ近似形状は、線形テーパ形状と、実質的に線形テーパ形状とみなされる形状とを含む。線形テーパ形状は、テーパ部の径が線形に変化するようなテーパ形状である。線形テーパ形状では、テーパ面の垂直断面形状が直線からなり、曲線を含まない。実質的に線形テーパ形状とみなされる形状は、テーパ部を成形するときの成形誤差などが原因で、完全な線形テーパ形状に対して誤差範囲内の微小なずれはあるものの、誤差範囲を許容すれば線形テーパ形状であるとみなせる形状である。
本実施形態に係る第1テーパ部31と第2テーパ部32のテーパ形状は、線形テーパ形状であることが好ましいが、線形テーパ近似形状であればよく、完全な線形テーパ形状でなくてもよい。つまり、第1テーパ部31と第2テーパ部32のテーパ面の垂直断面形状が実質的に直線からなるテーパ形状であれば、当該垂直断面形状が部分的に曲線または微小な凹凸を含むようなテーパ形状であってもよい。
このように、本実施形態に係る第1テーパ部31および第2テーパ部32は、相互にテーパ比C、Cが異なる線形テーパ近似形状を有する。これにより、相異なる2つの線形テーパ近似形状を組み合わせることにより、可視光域と近赤外域など、異なる波長帯域の入射光に対する反射防止特性を向上できるという効果がある。
次に、第1テーパ部31および第2テーパ部32のテーパ比について説明する。図1~図2に示すように、上側の第2テーパ部32の側面のテーパ比Cは、第1テーパ部31の側面のテーパ比Cよりも小さい(C<C)。つまり、第2テーパ部32は、第1テーパ部31よりも細いテーパ形状であって、先細りした針状のテーパ形状を有する。この観点から、第2テーパ部32は、細長い針状の構造体であるといえる。一方、第1テーパ部31は、第2テーパ部32よりも太いテーパ形状であって、基材11側に向かうにつれ太くなる安定したテーパ形状を有する。この観点から、第1テーパ部31は、比較的に太い基台状の構造体であるといえる。
ここで、第1テーパ部31のテーパ比Cは、次の式(1)で求められ、第2テーパ部32のテーパ比Cは、次の式(2)で求められる。なお、hは、第1テーパ部31のZ方向の高さであり、hは、第2テーパ部32のZ方向の高さである。
=(φ-φ)/h ・・・(1)
=(φ-φ)/h ・・・(2)
第1テーパ部31のテーパ比Cは、例えば、0.30~0.75であることが好ましく、0.30~0.65であることがより好ましい。これにより、高角度の斜入射光に対する反射防止特性を向上できるという効果がある。また、第2テーパ部32のテーパ比Cは、例えば、0.10~0.18であることが好ましく、0.12~0.18であることがより好ましい。これにより、高角度の斜入射光に対する反射防止特性を向上できるという効果がある。
また、第1テーパ部31のテーパ比Cに対する、第2テーパ部32のテーパ比Cの比率(C/C)は、0.2~0.5であることが好ましく、0.5程度であることがより好ましい。これにより、高角度の斜入射光に対する反射防止特性を向上できるという効果がある。
以上のように、第1テーパ部31のテーパ比Cは、第2テーパ部32のテーパ比Cと異なり、CはCよりも小さい(C<C)。換言すると、第1テーパ部31のテーパ角は、第2テーパ部32のテーパ角よりも大きい。このため、XY平面に対する第2テーパ部32の側面(テーパ面)の傾斜角は、XY平面に対する第1テーパ部31の側面(テーパ面)の傾斜角よりも大きくなっている。この結果、第1テーパ部31と第2テーパ部32を合わせた構造体3全体の側面(テーパ面)は、Z方向の中央付近(変化点33の位置)で窪むような形状となっている。
そして、構造体3は、第1テーパ部31の頂部と第2テーパ部32の底部との接合位置において、構造体3全体の側面(テーパ面)のテーパ比が不連続に変化する変化点33を有する。変化点33(接合位置)より下側では、構造体3の側面は、線形テーパ近似形状を有する第1テーパ部31の側面であり、一定のテーパ比Cを有する。一方、変化点33(接合位置)より上側では、構造体3の側面は、線形テーパ近似形状を有する第2テーパ部32の側面であり、上記テーパ比Cよりも小さい一定のテーパ比Cを有する。
このように、本実施形態に係る構造体3は、相異なるテーパ比C、Cを有する第1テーパ部31と第2テーパ部32とからなる複合構造を有し、構造体3全体の側面に、テーパ比C、Cが明確に切り替わる変化点33が設けられている。これにより、第1テーパ部31と第2テーパ部32という2種類のテーパ構造の作用により、可視光域と近赤外域を含む幅広い波長帯域の入射光と、幅広い入射角度の斜入射光に対して、反射防止特性を発揮することができるという効果がある。
[1.5.構造体の高さの特徴]
次に、本実施形態に係る構造体3の高さh、第1テーパ部31の高さh、および、第2テーパ部32の高さhについて、より詳細に説明する。
図2に示すように、構造体3の高さhは、構造体3のZ方向(光学フィルム1の厚み方向)の高さである。構造体3の高さhは、第1テーパ部31の高さhと、第2テーパ部32の高さhとの合計値である(h=h+h)。微細凹凸構造2を構成する複数の構造体3の高さhは、ほぼ同一であることが好ましいが、複数の構造体3の間で高さhに多少の誤差があってもよい。
かかる構造体3の高さhは、400nm以上であることが好ましい。これにより、微細凹凸構造2を構成する複数の構造体3が、反射防止に適した高さhを有するので、短波長の可視光域の入射光だけでなく、長波長の近赤外域の入射光に対しても、幅広い入射角度の斜入射光に対しても反射防止特性を確保することができる。
さらに、構造体3の高さhは、490nm以上であることがより好ましく、560nm以上であることがより一層好ましい。これにより、可視光域から近赤外域までのさらに幅広い波長帯域の入射光に対して反射防止特性を確保することができるようになる。
なお、構造体3の高さhは、例えば、可視域レベルであれば1500nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましい。これにより、転写不良を抑制という効果がある。
また、第2テーパ部の高さhは、160~300nmであることが好ましく、190~230nmであることがより好ましい。これにより、広角入射時の反射防止特性が向上するという効果がある。
第1テーパ部の高さhは、150~500nmであることが好ましく、220~340nmであることがより好ましい。これにより転写不良を改善しながら反射防止特性を向上させるという効果がある。
なお、構造体3の高さhは、微細凹凸構造2を構成する複数の構造体3の高さの算術平均値(平均高さ)であってよい。例えば、微細凹凸構造2を構成する複数の構造体3の高さをそれぞれ測定し、これら測定値の算術平均値(平均高さ)を高さhとして算出することができる。同様に、第1テーパ部31の高さhおよび第2テーパ部32の高さhについても、算術平均値を用いて算出することができる。
[1.6.構造体の配置の特徴]
次に、本実施形態に係る光学フィルム1の表面上における複数の構造体3の配置などについて、より詳細に説明する。
図3に示すように、光学フィルム1の表面(XY平面)に構造体3を投影したときの構造体3の平面形状(ドット形状)は、例えば円形であるが、かかる例に限定されず、楕円形、長円、多角形など、任意の形状であってよい。
なお、図1~図3の例では、微細凹凸構造2の複数の構造体3は、同一の大きさ、形状および高さhを有している。しかし、構造体3の構成はこれに限定されるものではなく、樹脂層12の表面に、相互に異なる大きさ、形状および高さを有する2種以上の構造体3が形成されていてもよい。
微細凹凸構造2の構造体3および凹部4(以下、「微細凹凸構造2の凹凸」と称する場合もある。)は、基材11の表面(XY平面)上に、所定のピッチPで周期的に配列されている。このように、微細凹凸構造2は、XY平面上に複数の構造体3および凹部4が周期的に配列された周期構造を有する。ここで、ピッチPとは、図2および図3に示すように、相互に隣接する構造体3、3の間の中心間距離(頂点間距離)である。このように、微細凹凸構造2の凹凸のピッチPは、微細凹凸構造2の周期構造の周期を意味する。
なお、微細凹凸構造2の凹凸のピッチPは、微細凹凸構造2の相隣接する構造体3、3間の中心間距離の算術平均値(平均ピッチ、平均周期)であってよい。例えば、微細凹凸構造2において相隣接する複数の構造体3、3の組合せを複数組ピックアップし、各組合せの構造体3、3間の中心間距離を測定し、これら測定値の算術平均値(平均ピッチ、平均周期)をピッチPとして算出することができる。なお、微細凹凸構造2の凹凸パターンは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、または断面透過型電子顕微鏡(断面TEM)などを用いて観察可能である。
本実施形態では、可視光に対する反射防止特性を付与するため、微細凹凸構造2の凹凸のピッチPは、可視光の波長以下である。ここで、可視光の波長帯域は360nm~830nmであるが、本実施形態に係る微細凹凸構造2の凹凸は、可視光の波長帯域未満のピッチPで規則的に配列される。かかる観点から、微細凹凸構造2の凹凸のピッチPは、例えば、350nm以下であり、好ましくは250nm以下であり、例えば200nm程度であってよい。また、微細凹凸構造2の凹凸のピッチPは、例えば、100nm以上であり、好ましくは120nm以上であり、より好ましくは130nm以上である。ピッチPが100nm未満である場合、微細凹凸構造2の形成が困難になる可能性があるため、好ましくない。一方、ピッチPが350nmを超える場合、回折光の強度が大きくなる可能性があり、微細凹凸構造2の形成された表面で外来光が回折し、反射防止効果が低下する可能性があるため、好ましくない。ピッチPが350nm以下であれば、微細凹凸構造2の反射防止特性を向上して、所望の反射防止効果を得ることができる。
微細凹凸構造2の構造体3のアスペクト比(高さh/ピッチP)は、好ましくは0.66以上1.96以下、より好ましくは0.76以上1.96以下である。アスペクト比が0.66以上であると、低反射特性を向上できる。一方、アスペクト比が1.96以下であると、微細凹凸構造2をロール原盤から剥離するときの離型性などを向上できる。
微細凹凸構造2の構造体3のサイズDは、図3に示すように、微細凹凸構造2の構造体3を光学フィルム1の表面(XY平面)上に投影したときの構造体3の平面形状の大きさ(ドットサイズ)である。本実施形態に係る構造体3のサイズDは、上述した第1テーパ部31の底部の直径φと同一である(D=φ)。例えば、構造体3の平面形状が円である場合、構造体3のサイズDは当該円の直径であり、構造体3の平面形状が楕円である場合、凹凸のサイズDは当該楕円の長径である。
構造体3のサイズDは、後述するロール原盤の製造方法においてロール原盤の外周面に微細凹凸構造の凹凸パターンを露光するときの露光解像度等に応じて、決定される。構造体3のサイズDは、ピッチP以下(例えば350nm以下)であり(D≦P)、好ましくはピッチPと同等であり(D≒φ≒P)、例えば、200nm程度である。例えば図3に示すように、構造体3のサイズDをピッチPと同等にすれば、XY平面上において複数の構造体3を密集して配置して、相隣接する構造体3、3間の隙間の面積を低減することができる。なお、構造体3のサイズDは、微細凹凸構造2を構成する複数の構造体3の平面形状の大きさの算術平均値(平均サイズ)であってよい。例えば、微細凹凸構造2を構成する複数の構造体3の平面形状の大きさをそれぞれ測定し、これら測定値の算術平均値(平均サイズ)をサイズDとして算出することができる。
ここで、図3を参照して、本実施形態に係る光学フィルム1の表面(XY平面)における微細凹凸構造2の凹凸パターンの配列について、より詳細に説明する。なお、図3では、X方向が光学フィルム1の長手方向に相当し、Y方向が光学フィルム1の幅方向に相当し、Z方向が光学フィルム1の厚さ方向に相当する。
図3に示すように、本実施形態に係る光学フィルム1の表面上には、微細凹凸構造2の複数の構造体3が六方格子状に配列されている。六方格子状の配列では、複数の構造体3がXY平面上で六角形格子の頂点の位置に配置される。なお、図3の例では、構造体3の平面形状は円形であるが、楕円または多角形など他の形状であってもよい。
ここで、複数の構造体3は、相互に平行な複数のトラックTに沿って配列されている。換言すると、複数の構造体3は、光学フィルム1の表面において複数列のトラックTに沿って配列されている。
トラックTは、光学フィルム1のXY平面上において所定の第1方向(X方向)に延びる仮想直線であり、微細凹凸構造2の凹凸パターンの配列方向を示す。複数のトラックTが、第1方向(X方向)に対して垂直な第2方向(Y方向)に所定の間隔(トラックピッチP)を空けて配置される。ここで、第1方向は、トラックTが延びる方向(以下、「トラック延長方向」と称する。)である。第2方向は、複数のトラックTが配列される方向(以下、「トラックピッチ方向」と称する。)であって、第1方向に対して垂直な方向である。例えば、図3に示すように、第1方向(トラック延長方向)は、光学フィルム1の長手方向(X方向)であってよく、第2方向(トラックピッチ方向)は、例えば、光学フィルム1の幅方向(Y方向)であってよい。しかし、かかる例に限定されず、トラック延長方向は、光学フィルム1の長手方向(X方向)以外の任意の方向であってよい。
ここで、図3に示すように、ドットピッチPは、トラックTに沿って、トラック延長方向(X方向)に配列される複数の構造体3のピッチP(周期)である。トラックピッチPは、トラックピッチ方向(Y方向)に隣接する複数のトラックT、T間の相互間隔である。
ドットピッチPとトラックピッチPは、上述したピッチPと同様に、可視光域の波長以下であり、例えば、350nm以下であり、好ましくは250nm以下であり、例えば200nm程度であってよい。また、P、Pは、例えば、100nm以上であり、好ましくは120nm以上であり、より好ましくは130nm以上である。これにより、微細凹凸構造2は、広範な波長帯域の入射光の反射を抑制する、いわゆるモスアイ構造として機能することができる。
ドットピッチPとトラックピッチPは、上記の範囲内であれば、互いに同一の大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。図3の例では、ドットピッチPがトラックピッチPよりも大きくなっている(P>P)。例えば、P=230nm、P=150nmとすることができる。
また、図3に示す微細凹凸構造2の六方格子状の配列では、Y方向に隣接するトラックT、T間で、構造体3は、X方向に半ピッチ(1/2P)だけずれた位置に配置されている。すなわち、Y方向に隣接するトラックT、T間で、X方向に配列される構造体3の位相が半周期(180°)だけずれている。具体的には、隣接する2つのトラックT、T間において、一方のトラックTに配列された構造体3のX方向の中間位置(半ピッチずれた位置)に、他方のトラックTに配列された構造体3が配置されている。その結果、図3に示すように、隣接する3列のトラックTにおいて複数の構造体3が六方格子状のパターンで配置される。
このように、構造体3の配列をトラックTごとに半ピッチ(1/2P)ずらすことにより、XY平面上に複数の構造体3を最密な六方格子状に配列できる。したがって、XY平面上において複数の構造体3が占める面積の割合(構造体3の充填率)を最大化できるので、単位面積当たりの反射防止機能を向上できる。
なお、微細凹凸構造2の凹凸の配列は、上記の六方格子状の例に限定されず、他の配列態様であってもよい。例えば、微細凹凸構造2の凹凸の配列は、構造体3が正方形格子の頂点の位置に配列される正方格子状の配列、または、矩形格子状、その他の格子状の配列などであってもよい。ただし、構造体3をXY平面上に最密に充填するためには、六方格子状の配列であることが好ましい。
また、トラックTの形状としては、上記のような直線状のトラックTの例に限られず、例えば、円弧状等の曲線状のトラックを同心円状に配列するなどしてもよい。また、これらの形状のトラックTをウォブル(蛇行)させるようにしてもよい。このようにトラックTをウォブルさせることで、外観上のムラの発生を抑制できる。
[1.7.反射防止特性の原理]
次に、本実施形態に係る光学フィルム1が、広範囲の波長帯域の入射光や、高角度の斜入射光に対して、優れた反射防止特性を有する原理について説明する。
上述したように、本実施形態に係る光学フィルム1は、可視光域から近赤外域までの広範囲の波長帯域の入射光に対して反射防止特性を発揮しつつ、例えば45~70°程度の高角度の斜入射光に対しても反射防止特性を確保できる。かかる優れた反射防止特性を実現するために、本実施形態に係る光学フィルム1の微細凹凸構造2の各構造体3は、上述した第1テーパ部31と第2テーパ部32とからなる複合構造(2段テーパ構造)を有する。そして、第2テーパ部32は第1テーパ部31よりも細長い針状であり、第2テーパ部32のテーパ比Cは、第1テーパ部31のテーパ比Cよりも小さい。加えて、構造体3の高さhは、400nm以上であり、好ましくは490nm以上である。
ここで、可視光域などの短波長側の入射光に対する反射防止特性を高めるためには、200nm程度の高さを有する細い針状の凸構造体(上記第2テーパ部32に相当)を採用し、当該凸構造体を、可視光の波長(例えば、380nm)以下のピッチで配置すればよい。かかる凸構造体からなる微細凹凸構造により、光学フィルムの表面において実効的な空間屈折率が低下する。したがって、可視光域の光の波の干渉効果により、反射光同士が弱め合うため、反射防止特性が高まる。しかし、上記200nm程度の高さを有する凸構造体からなる微細凹凸構造を用いた場合には、逆に近赤外域(例えば、800nm~950nm)の入射光に対する反射防止特性が悪化する。
したがって、入射光の各波長帯域に応じた干渉効果による反射防止構造体を実現するためには、入射光の波長λに比例して凸構造体の高さを設定する必要がある。よって、凸構造体の総高さが200nm前後である場合には、可視光域の入射光に対する反射防止特性しか得ることができず、近赤外域の入射光に対する反射防止特性が得られない。
また、反射防止特性が斜入射光の入射角θに依存して変化する性質(入射角依存性)についても、70°程度の超高角度での斜入射時においては、反射防止特性が有効となる波長帯域が短波長側にシフトする現象が起きる。そのため、斜入射および長波長帯域の双方に対応するためには、凸構造体の総高さをさらに十分に確保する必要がある。
そこで、近赤外域といった長波長の入射光の反射を防止する場合、凸構造体の総高さを400nm以上とすればよい。これにより、950nm程度の長波長帯域の光が70°程度の超高角度で斜入射される場合に、入射光の波同士の干渉効果により、当該入射光の反射を防止することが可能となる。しかし、凸構造体の凸形状が、上記特許文献1に記載のような単純な楕円錐形状である場合には、上記波の干渉効果により長波長帯域の入射光だけしか反射を防止することができず、可視光域といった短波長帯域の入射光に対しては、波の干渉効果が弱まり、反射防止特性が悪化するという問題がある。
そこで、本実施形態に係る光学フィルム1では、上記のとおり凸状の構造体3の高さhを400nm以上にするとともに、当該構造体3の先端側に、細い針状の第2テーパ部32(針状構造)を設け、当該第2テーパ部32と第1テーパ部31とからなる複合構造を採用する。この際、第1テーパ部31と第2テーパ部32との接合位置には、テーパ比C、Cが明確に変化する変化点33が形成される。かかる複合構造の構造体3により、異なる波長帯域の光の波の干渉効果が二つ現れるので、可視光域の入射光の反射を防止しつつ、近赤外域の入射光の反射も防止することが可能となる。故に、可視光域から近赤外域まで広い波長帯域の入射光に対して、優れた反射防止特性を発揮することができる。
これに対し、特許文献2に記載の従来技術では、構造体の側面形状が、S字状の曲線を描くようになだらかに変化しており、本実施形態に係る構造体3の側面のような明確な変化点33が存在しない。この特許文献2の従来技術では、波の干渉効果の変化点が明確にならないので、2つの異なる波長帯域の波の干渉効果による反射防止特性が弱まるという問題がある。
この点、本実施形態に係る構造体3は、テーパ比C、Cが異なる2つのテーパ部31、32の複合構造を有し、テーパ比C、Cが変換する変化点33が明確に存在する。よって、本実施形態の構造体3によれば、可視光域から近赤外域まで広い波長帯域の入射光の反射を防止することができ、かつ、70°程度の超高角度での斜入射光の反射も防止可能になる。
[1.8.光学フィルムの用途]
本実施形態に係る光学フィルム1は、例えば、上述した自動車の自動運転技術用の車載カメラ、当該車載カメラに隣接して配置される高傾斜のフロントガラス、VR若しくはAR等を利用するウェアラブルデバイスのアイトラッキングカメラ、スマートフォンもしくはパーソナルコンピュータ等が備える表示装置、それらのカバーガラス、または、光学部品など、各種の装置に適用可能である。しかし、かかる例に限定されず、光学フィルム1は、例えば、フェイスシールド、アイシールド等のシールド部材、その他の用途の反射防止フィルムとして使用されてもよい。また、光学フィルム1は、例えば、表面プラズモンフィルタまたは発光デバイスなどの各種の光学部材として使用されてもよい。
本実施形態に係る構造体3を備えた光学フィルム1を反射防止フィルムとして、上記各種装置に適用することによって、当該装置に設けられたカメラのイメージセンサの感度を向上できる。したがって、当該カメラを用いた自動運転の精度やVRデバイス等の動作精度を向上できるとともに、各種装置を小型化、軽量化することができる。
[2.ロール原盤の構成]
[2.1.ロール原盤の全体構成]
次に、図4を参照して、本実施形態に係る光学フィルム1を製造するために用いられるロール原盤100の構成について説明する。図4は、本実施形態に係るロール原盤100を模式的に示す斜視図である。
図4に示すように、本実施形態に係るロール原盤100は、円筒状または円柱状の原盤基材110と、原盤基材110の外周面に形成された微細凹凸構造120(凹凸パターン)とを備える。
本実施形態に係るロール原盤100は、例えば、ロール・ツー・ロール(Roll-To-Roll)方式のインプリント技術に用いられる原盤である。ロール・ツー・ロール方式のインプリント技術では、ロール原盤100を回転させながら、ロール原盤100の外周面を帯状の光学フィルムに押圧することによって、ロール原盤100の外周面に形成された凹凸パターンを光学フィルムの表面に転写することができる。このようなインプリント技術を用いることで、ロール原盤100の外周面に形成された凹凸パターンが転写された大面積の光学フィルム1を効率良く製造することができる。
本実施形態に係るロール原盤100は、円筒状または円柱状を有するロール状の原盤である。ロール原盤100の外周面は、光学フィルム1の表面に凹凸構造を成形するための成形面となる。このロール原盤100の外周面には、転写パターンとなる凹凸パターンが2次元的に配列されている。ロール原盤100の外周面に配置された凹凸パターン(第1微細凹凸構造)と、上述の光学フィルム1の表面に配置された凹凸パターン(第2微細凹凸構造)とは、反転した凹凸関係にある。すなわち、ロール原盤100の凹凸パターンの形状、配列、配置ピッチなどは、光学フィルム1の凹凸パターンと同様である。
原盤基材110は、例えば、図4に示すような円筒状または円柱状を有する部材である。原盤基材110の外周面に、転写対象の凹凸パターン(微細凹凸構造120)が形成される。原盤基材110は、溶融石英ガラス、または合成石英ガラスなどのガラス材料で構成されてもよく、ステンレス鋼などの金属、またはこれら金属の外周面をSiO等で被覆したものなどで構成されてもよい。
ただし、原盤基材110の少なくとも外周面は、石英ガラスなどのガラス材料で形成されることが好ましい。さらに、原盤基材110の全体が、石英ガラスなどのガラス材料で形成されることがより好ましい。この理由は、SiOを主材料とするガラス材料で原盤基材110を形成することによって、フッ素化合物を用いたエッチングによって、原盤基材110の外周面に微細凹凸パターンを容易に形成できるためである。具体的には、レーザ光によるリソグラフィを用いて、原盤基材110の外周面に設けられたレジスト層に対して凹凸パターンを形成する。その後、レジスト層の凹凸パターンをマスクとして原盤基材110の外周面をドライエッチングすることによって、原盤基材110の外周面に凹凸パターンを容易に形成することができる。なお、ガラス材料で形成された原盤基材110は、例えば、透明なロール型となる。
原盤基材110の大きさは、特に限定されるものではないが、原盤基材110の軸方向の長さ(ロール幅)は例えば、100mm以上であってもよく、原盤基材110の外径は、例えば、50mm以上、300mm以下であってもよい。また、原盤基材110が円筒形状である場合、円筒の厚みは、例えば2mm以上、50mm以下であってもよい。
図4に示すように、本実施形態に係る原盤基材110の外周面には、凹凸パターン領域102が設けられる。凹凸パターン領域102は、ロール原盤100の周方向(以下、「ロール周方向」と称する場合もある。)の全周に渡って設けられる円筒状の曲面領域であり、原盤基材110の外周面の大半を占める。例えば、凹凸パターン領域102のロール幅方向の幅は、数百mm程度(例えば500mm)であってもよい。このようなロール原盤100の凹凸パターン領域102は、上述した光学フィルム1の凹凸パターン領域(微細凹凸構造2が形成される領域)に対応している。
[2.2.凹凸パターン領域の微細凹凸構造の構成]
次に、図4を参照して、本実施形態に係るロール原盤100の外周面上の凹凸パターン領域102に形成される微細凹凸構造120について詳述する。
ロール原盤100の凹凸パターン領域102には、転写パターンとして、微細凹凸構造120(第1微細凹凸構造)が形成されている。このロール原盤100の微細凹凸構造120(第1微細凹凸構造)は、光学フィルム1の微細凹凸構造2(第2微細凹凸構造)の反転形状を有する。つまり、ロール原盤100の微細凹凸構造120の凹部130は、光学フィルム1の微細凹凸構造2の凸状の構造体3(凸部)に対応した反転形状を有する。また、ロール原盤100の微細凹凸構造120の凸部140は、光学フィルム1の微細凹凸構造2の凹部4に対応した反転形状を有する。
図4に示す微細凹凸構造120の例では、ロール原盤100の凹凸パターン領域102には、円形の平面形状を有する複数の凹部130が形成されている。これらの凹部130は、原盤基材110の外周面において六方格子状に配列されている。凸部140は、相隣接する複数の凹部130、130の間に設けられる突出部分である。
各々の凹部130は、外側の第1テーパ凹部131と、内側の第2テーパ凹部132とからなる複合構造を有する。第2テーパ凹部132は、第1テーパ凹部131の内部における中央に形成される。第2テーパ凹部132の内径は、第1テーパ凹部131の内径よりも小さい。第2テーパ凹部132は、第1テーパ凹部131よりも深い位置に配置される。
第1テーパ凹部131は、比較的太いテーパ状の凹部であり、上述した光学フィルム1の構造体3の第1テーパ部31の反転形状を有する(図9、図10参照。)。第2テーパ凹部132は、比較的細長いテーパ状の凹部であり、上述した光学フィルム1の構造体3の第2テーパ部32の反転形状を有する(図9、図10参照。)。第1テーパ凹部131のテーパ比と深さはそれぞれ、第1テーパ部31のテーパ比Cと高さhと実質的に同一である。同様に、第2テーパ凹部132のテーパ比と深さはそれぞれ、第2テーパ部32のテーパ比Cと高さhと実質的に同一である。
このように、ロール原盤100の微細凹凸構造120の凹部130は、第1テーパ凹部131と第2テーパ凹部132とからなる複合構造を有しており、光学フィルム1の構造体3の複合構造に対応した形状を有する。したがって、複数の凹部130からなる微細凹凸構造120を光学フィルム1に転写することで、光学フィルム1の表面に、図1に示した複数の構造体3からなる微細凹凸構造2を適切に形成することができる。かかる微細凹凸構造120の転写の詳細については後述する。
次に、微細凹凸構造120を構成する複数の凹部130の配置について、詳細に説明する。本実施形態に係るロール原盤100の外周面上には、微細凹凸構造120の複数の凹部130が可視光の波長以下のピッチP’で六方格子状に配列されている。微細凹凸構造120の凹部130のピッチP’は、上述した光学フィルム1の微細凹凸構造2の構造体3のピッチPと同一である。ピッチP’は、可視光域の波長以下であり、例えば、350nm以下であり、好ましくは250nm以下であり、例えば200nm程度であってよい。
ここで、上述した微細凹凸構造2の構造体3の六方格子状の配列(図3参照。)と同様に、ロール原盤100の微細凹凸構造120の凹部130も、図4中の拡大図に示すように、相互に平行な複数のトラックT’に沿って配列されている。複数のトラックT’が、第1方向(トラック延長方向)に対して垂直な第2方向(トラックピッチ方向)に所定の間隔(トラックピッチP’)を空けて配置される。例えば、図4に示すように、第1方向(トラック延長方向)はロール周方向であってよく、第2方向はロール幅方向であってよい。
ここで、ドットピッチP’は、トラックT’に沿って、第1方向(例えばロール周方向)に配列される複数の凹部130のピッチ(周期)である。トラックピッチP’は、第2方向(例えばロール幅方向)に相互に隣接して配置される複数のトラックT’の相互間隔である。微細凹凸構造120の凹部130のドットピッチP’、トラックピッチP’はそれぞれ、上述した光学フィルム1の微細凹凸構造2の構造体3のドットピッチP、トラックピッチPと同一である。例えば、ドットピッチP’は230nmであってよく、トラックピッチP’は150nmであってよい。
図4に示す微細凹凸構造120の六方格子状の配列では、ロール幅方向に隣接するトラックT’、T’間で、凹部130は、ロール周方向に半ピッチ(1/2P’)だけずれた位置に配置されている。すなわち、ロール幅方向に隣接するトラックT、T間で、ロール周方向に配列される凹部130の位相が半周期(180°)だけずれている。
このようにトラックT’ごとに(即ち、ロール1周ごとに)、凹部130の配列を半ピッチ(1/2P’)ずらすことにより、ロール原盤100の外周面上に複数の凹部130を最密な六方格子状に配列できる。したがって、当該外周面上において微細凹凸構造120の複数の凹部130が占める面積の割合(凹部130の充填率)を最大化できる。よって、微細凹凸構造120が転写された光学フィルム1の単位面積当たりの反射防止機能を向上できる。
なお、微細凹凸構造120の凹部130の深さH’、サイズD’(ドットサイズ)、アスペクト比(深さH’/配置ピッチP’)等の各種寸法は、上述した光学フィルム1の微細凹凸構造2の構造体3の高さh、サイズD(ドットサイズ)、アスペクト比(高さh/配置ピッチP)等と同一である。したがって、これら寸法の詳細説明は省略する。
以上、ロール原盤100の凹凸パターン領域102に形成される微細凹凸構造120について説明した。このロール原盤100の微細凹凸構造120を光学フィルム1に転写することにより、当該光学フィルム1の凹凸パターン領域に上述した微細凹凸構造2(図1~図3参照。)を好適に形成することができる。
[3.露光装置の構成]
次に、図5を参照して、本実施形態に係るロール原盤100の製造に用いられる露光装置200の構成について説明する。図5は、本実施形態に係るロール原盤100の製造に用いられる露光装置200の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、露光装置200は、レーザ光源201と、第1ミラー203と、フォトダイオード(Photodiode:PD)205と、集光レンズ207と、電気光学偏向素子(Electro Optic Deflector:EOD)209と、コリメータレンズ211と、第2ミラー213と、移動光学テーブル220と、スピンドルモータ225と、ターンテーブル227と、制御装置230と、を備える。
レーザ光源201は、ロール原盤100を露光するためのレーザ光202を出射する光源である。レーザ光源201は、例えば、400nm~500nmの青色光帯域の波長のレーザ光を発する半導体レーザ光源であってもよい。レーザ光源201は、制御装置230により制御される。
レーザ光源201から出射されたレーザ光202は、平行ビームのまま直進し、第1ミラー203で反射される。第1ミラー203は、偏光ビームスプリッタで構成されており、偏光成分の一方を反射させ、偏光成分の他方を透過させる機能を有する。第1ミラー203を透過した偏光成分は、フォトダイオード205によって光電変換される。光電変換された受光信号は、レーザ光源201に入力される。これにより、レーザ光源201は、入力された受光信号によるフィードバックに基づいて、レーザ光202の出力を調整することができる。
第1ミラー203で反射されたレーザ光202は、偏向光学系に導かれる。偏向光学系は、集光レンズ207と、電気光学偏向素子209と、コリメータレンズ211とを備える。
偏向光学系において、レーザ光202は、集光レンズ207によって、電気光学偏向素子209に集光される。電気光学偏向素子209は、レーザ光202の照射位置をナノメートル程度の距離で制御することが可能な素子である。電気光学偏向素子209により、ロール原盤100の原盤基材110に対するレーザ光202の照射位置を微調整することが可能である。レーザ光202は、電気光学偏向素子209によって照射位置を調整された後、コリメータレンズ211によって、再度、平行ビーム化される。平行ビーム化されたレーザ光202は、第2ミラー213によって反射され、移動光学テーブル220上に水平に導かれる。
移動光学テーブル220は、ビームエキスパンダ(Beam expader:BEX)221と、対物レンズ223とを備える。また、ロール原盤100は、ターンテーブル227上に載置される。ターンテーブル227は、ロール原盤100を支持するテーブルであり、スピンドルモータ225により回転可能である。
ビームエキスパンダ221は、第2ミラー213によって導かれたレーザ光202を、所望のビーム形状に整形する。整形されたレーザ光202は、対物レンズ223を介して、ロール原盤100の原盤基材110の外周面に成膜されたレジスト層に照射される。
ロール原盤100の原盤基材110に対するレーザ光202の照射時には、スピンドルモータ225により、ターンテーブル227および原盤基材110をロール軸110aを中心に回転させながら、移動光学テーブル220により、レーザ光202の照射位置をロール原盤100の軸方向(ロール幅方向)に移動させる。例えば、原盤基材110が1回転する毎に、移動光学テーブル220は、レーザ光202の照射位置を矢印R方向(送りピッチ方向)に1送りピッチ(トラックピッチ)だけ移動させる。これにより、原盤基材110の外周面に対してレーザ光202を螺旋状に照射して、原盤基材110の外周面のレジスト層を螺旋状の走査軌跡で露光することができる。なお、レーザ光源201を含むレーザヘッド、またはロール原盤100を支持するターンテーブル227のいずれかをスライダに沿って移動させることにより、レーザ光202の照射位置を移動させてもよい。
また、制御装置230は、レーザ光源201からのレーザ光202の出射を制御することで、レーザ光202の照射時間および照射位置を制御する。制御装置230は、レーザ光202の出射を制御する露光信号を生成する。制御装置230は、例えば、任意の波形の信号を生成可能な信号生成回路を含むファンクションジェネレータなどを有してもよい。制御装置230は、フォーマッタ231と、ドライバ233とを備える。
フォーマッタ231は、基準クロック信号から、レーザ光202の照射を制御するための露光信号を生成する。露光信号は、ロール原盤100の外周面に形成される凹凸パターンを表す信号である。ドライバ233は、フォーマッタ231が生成した露光信号に基づいてレーザ光源201からのレーザ光202の照射を制御する。例えば、ドライバ233は、矩形パルス波からなる露光信号がハイレベルの場合に、レーザ光202が照射されるようにレーザ光源201を制御してもよい。また、スピンドルモータ225は、上記の基準クロック信号から生成される回転制御信号に基づいて、ターンテーブル227を回転させる。例えば、回転制御信号の所定の数のパルスが入力される期間中にターンテーブル227が1回転するように、スピンドルモータ225は、ターンテーブル227の回転を制御してもよい。
以上のように、レーザ光源201は、制御装置230が生成した露光信号によって制御され、レーザ光源201から出射されたレーザ光202は、ターンテーブル227上に載置されたロール原盤100に照射される。また、スピンドルモータ225は、回転制御信号に基づいて、ロール原盤100が載置されたターンテーブル227を回転させる。ここで、露光信号および回転制御信号は、共通の基準クロック信号から生成され、相互に同期していてもよい。
以上、本実施形態に係る露光装置200の構成例について説明した。本実施形態に係る露光装置200によれば、ロール原盤100の原盤基材110の外周面を露光して、所望の形状の露光パターン(凹凸パターン)を精密に形成することができる。
[4.露光方法]
次に、図6を参照して、上記露光装置200を用いてロール原盤100の原盤基材110の外周面を露光する露光方法について説明する。図6は、本実施形態に係るロール原盤100の露光方法を概略的に示す模式図である。
図6に示すように、本実施形態に係るロール原盤100の露光方法では、上述した露光装置200を用いて、原盤基材110の外周面にレーザ光202を照射して、露光パターンを形成する。露光装置200は、上記のように、レーザ光202を発するレーザ光源201と、レーザ光202の出射を制御する制御装置230とを備えている。
露光工程では、ロール軸110aを中心にロール原盤100の原盤基材110を回転させつつ、かつ、露光装置200のレーザ光源201をロール幅方向(図6の矢印Rの方向)に移動させながら、原盤基材110の外周面に対してレーザ光202を照射する。これにより、原盤基材110の外周面に対して螺旋状にレーザ光202が照射され、原盤基材110の外周面の所望の領域に所望の形状の露光パターンを形成することができる。
原盤基材110の外周面のうち凹凸パターン領域102では、上記微細凹凸構造120に対応する露光パターンが形成される。図6の例では、凹凸パターン領域102に対して螺旋状の照射軌跡でレーザ光202を照射することで、微細凹凸構造120に対応する露光パターンを形成している状態を示している。
ここで、図7を参照して、本実施形態に係る露光装置200が用いる露光信号と、原盤基材110の外周面に形成される露光パターンとの対応関係について具体的に説明する。図7は、本実施形態に係る露光信号と露光パターンとの対応関係を示す説明図である。
図7に示すように、本実施形態では、螺旋状の照射軌跡でレーザ光202を照射することにより、円形のドットパターンが六方格子状に配列された露光パターンを原盤基材110の外周面に形成する。この露光パターンでは、微細凹凸構造120の凹部130に対応する円形のドットパターンが六方格子状に配列されている。これら円形のドットパターンは、所定のトラックピッチP’で配列された複数列のトラックT’に沿って配置される。なお、ドットパターンの平面形状は、図7に示す円形の例に限定されず、例えば、トラックT’の延長方向に長軸方向を有する楕円形、長円形などであってもよい。
本実施形態に係る露光装置200は、トラックT’に沿って配列される複数のドットパターンからなる露光パターンを形成するために、露光信号として、例えば、所定の周期でハイレベルおよびローレベルを交互に繰り返すパルス波信号を用いる。パルス波信号の周期はtである。露光装置200は、露光信号がハイレベルのときに原盤基材110の外周面に円形のドットパターンが形成されるように、レーザ光202の照射を制御する。
さらに、図7に示すようにドットパターンが六方格子状に配列された露光パターンを形成するために、原盤基材110のロール幅方向に相隣接するトラックT’、T’間で、露光信号が1/2パルス(t/2)ずつずれるように、露光信号の周波数が設定される。換言すると、露光信号の連続性を維持したまま、螺旋状のレーザ照射軌跡の1周ごと(即ち、トラックT’ごと)に、露光信号の位相を180°ずつ反転させる。これにより、ロール周方向に螺旋状に配列されるドットパターンの1周ごと(即ち、トラックT’ごと)に、ドットパターンの位置が0.5ピッチ(=(1/2)×PD’)ずつ、ロール周方向にずれる。このようにして、螺旋状のレーザ照射軌跡を用いて、ドットパターンが六方格子状に精密に配列された露光パターンを、原盤基材110の外周面に形成することができる。
ところで、上記のように螺旋状の照射軌跡でレーザ光202を照射する場合、原盤基材110の外周1周の長さは、原盤基材110の加工誤差によって周ごとに変化し得る。このため、露光信号と回転制御信号とが同期しない場合、露光の進行に伴って、露光パターンの配列が乱れてしまう。また、原盤基材110を回転させるターンテーブル227のスピンドルモータ225は、回転速度に揺らぎをもっているため、回転速度の揺らぎにより、露光パターンの配列が乱れてしまう。
そこで、本実施形態では、露光信号と回転制御信号の基となる基準クロックを共有させることによって、露光信号と回転制御信号とを同期させる。これにより、露光信号の周波数は、回転制御信号の分周または逓倍に制限されることがなくなり、任意の値に設定することが可能となる。したがって、露光信号の連続性を維持したまま、原盤基材110の外周面に所望の露光パターンを連続的に形成することが可能になる。よって、複数のドットパターンが六方格子状に配列される微細凹凸構造120の露光パターンにおいて、露光パターンの途切れや配列の乱れを防止でき、当該露光パターンを高精度で連続的に形成可能である。
以上、図7を参照して、原盤基材110の外周面のうち凹凸パターン領域102に、微細凹凸構造120に対応する六方格子状の露光パターンを形成する例について説明した。このように本実施形態によれば、露光装置200を用いて、凹凸パターン領域102の微細凹凸構造120に対応する露光パターンをロール原盤100の外周面に形成することができる。よって、露光パターンを容易かつ迅速に形成できるので、ロール原盤100の製造コストおよび製造時間を低減できる。
[5.ロール原盤の製造方法]
次に、図8、図9を参照して、本実施形態に係るロール原盤100の製造方法について説明する。図8、図9は、本実施形態に係るロール原盤100の製造方法を示す工程図である。
本実施形態では、高精度で照射位置を制御可能なレーザ光によるリソグラフィを用いて、原盤基材110の外周面に微細凹凸構造120の凹凸パターンを形成することにより、本実施形態に係るロール原盤100が製造される。かかるレーザ光によるリソグラフィを用いることで、微細凹凸構造120の凹凸パターンの配列を精密に制御することが可能である。
本実施形態に係るロール原盤100の製造方法は、成膜工程(S10)と、露光工程(S12)と、現像工程(S14)と、エッチング工程(S16)とを含む。まず、成膜工程(S10)では、原盤基材110の外周面にレジスト層111を成膜する。次いで、露光工程(S12)では、レジスト層111にレーザ光を照射することで潜像112を形成する。さらに、現像工程(S14)では、潜像112が形成されたレジスト層111を現像し、レジスト層111にパターンを形成する。その後、エッチング工程(S16)では、パターンが形成されたレジスト層111をマスクとして原盤基材110をエッチングし、原盤基材110の外周面に微細凹凸構造120の凹凸パターンを形成する。以下に本実施形態に係るロール原盤100の製造方法の各工程について説明する。
(S10)成膜工程
成膜工程では、まず、図8のAに示すように、ロール原盤100の原盤基材110が準備される。原盤基材110は、例えば、円筒状または円柱状のガラス原盤である。次いで、図8のBに示すように、原盤基材110の外周面にレジスト層111が成膜される。レジスト層111は、レーザ光によって潜像112を形成することが可能な無機系材料または有機系材料を含む。無機系材料としては、例えば、タングステン、またはモリブデンなどの1種または2種以上の遷移金属を含む金属酸化物を用いることができる。また、無機系材料を含むレジスト層は、例えば、スパッタ法などを用いることで成膜することができる。一方、有機系材料としては、例えば、ノボラック系レジスト、または化学増幅型レジストなどを用いることができる。また、有機系材料を含むレジスト層は、スピンコート法などを用いることで成膜することができる。
(S12)露光工程
次いで、露光工程では、図8のCに示すように、原盤基材110の外周面に形成されたレジスト層111に、レーザ光202を照射する。具体的には、図5に示した露光装置200のターンテーブル227上にロール原盤100を載置し、ロール原盤100を回転させると共に、レーザ光202(露光ビーム)をレジスト層111に照射する。このとき、レーザ光202をロール原盤100の軸方向(ロール幅方向)に移動させながら、レジスト層111に照射することで、螺旋状の照射軌跡に沿ってレジスト層111を露光する。これにより、レーザ光202の照射スポットに応じた潜像112が、レジスト層111に形成される。
本実施形態では、ロール原盤100の外周面のうちロール幅方向の中央部の凹凸パターン領域102に対して、螺旋状の照射軌跡に沿ってレーザ光202を間欠的に照射する。これによって、微細凹凸構造120に対応する露光パターン(例えば、図7に示した円形のドットパターンが六方格子状に配列されたパターン)で、凹凸パターン領域102のレジスト層111を全面に渡って露光する。これにより、凹凸パターン領域102のレジスト層111に、微細凹凸構造120に対応する露光パターンの潜像112が形成される。
(S14)現像工程
次いで、現像工程では、図9のAに示すように、潜像112が形成されたレジスト層111を、現像液を用いて現像する。これにより、潜像112に対応する開口部113のパターンがレジスト層111に形成される。例えば、レジスト層111が上述した無機系材料を含む場合、レジスト層111の現像には、TMAH(TetraMethylAmmonium Hydroxide:水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液などのアルカリ系溶液を用いることができる。また、レジスト層111が上述した有機系材料を含む場合、レジスト層111の現像には、エステル、またはアルコールなどの各種有機溶剤を用いることができる。
現像工程では、例えば、ロール原盤100を回転させながら、レジスト層111上に現像液を滴下して、レジスト層111を現像処理する。これにより、図9のAに示すように、レジスト層111に複数の開口部113が形成される。レジスト層111をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザ光202で露光した潜像112(露光部)は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、潜像112(露光部)に応じた開口部113のパターンがレジスト層111に形成される。
本実施形態では、凹凸パターン領域102には、微細凹凸構造120に対応する開口パターン(例えば、図7に示した円形のドットパターンが六方格子状に配列されたパターン)で、開口部113が形成される。
(S16)エッチング工程
次いで、エッチング工程では、開口部113が形成されたレジスト層111のパターンをマスクとして、原盤基材110の外周面をエッチングする。これにより、図9のBに示すように、原盤基材110の外周面に、上記露光パターンおよび開口部113のパターンに対応する凹凸パターン(微細凹凸構造120)が形成される。原盤基材110のエッチングは、ドライエッチングまたはウェットエッチングのいずれで行ってもよい。原盤基材110がSiOを主とするガラス材料(例えば、石英ガラスなど)である場合、原盤基材110のエッチングは、フッ化炭素ガスを用いたドライエッチング、または、フッ化水素酸等を用いたウェットエッチングであってもよい。
本実施形態に係るエッチング工程によれば、原盤基材110の外周面のうち凹凸パターン領域102には、凹凸パターンとして、開口部113に対応する微細凹凸構造120が形成される。微細凹凸構造120は、例えば、複数の凹部130および凸部140が可視光の波長以下のナノオーダー(例えば、350nm以下)のピッチP’で六方格子状に配列されたモスアイ構造である。
凹部130は、上述したように、第1テーパ凹部131と第2テーパ凹部132からなる複合構造である。第1テーパ凹部131は、原盤基材110の外周側に形成されるテーパ状の凹部である。第1テーパ凹部131は、第2テーパ凹部132よりも太い円錐台形状のテーパ孔である。第2テーパ凹部132は、第1テーパ凹部131よりも細長い針状のテーパ孔である。第2テーパ凹部132は、第1テーパ凹部131の底部に形成されるテーパ状の凹部である。第2テーパ凹部132のテーパ比Cは、第1テーパ凹部131のテーパ比Cよりも小さい。
ロール原盤100の微細凹凸構造120(図9のB参照。)は、上述した光学フィルム1の微細凹凸構造2(図1参照。)の反転形状を有する。このため、微細凹凸構造120の凹部130は、微細凹凸構造2の凸状の構造体3(凸部)の反転形状を有し、微細凹凸構造120の凸部140は、微細凹凸構造2の凹部4の反転形状を有する。ロール原盤100の微細凹凸構造120の凹部130うち、第1テーパ凹部131は、光学フィルム1の微細凹凸構造2の構造体3の第1テーパ部31の反転形状を有し、第2テーパ凹部132は、当該構造体3の第2テーパ部32の反転形状を有する。
このような第1テーパ凹部131と第2テーパ凹部132からなる複合構造を有する凹部130を、原盤基材110に形成するために、本実施形態に係るエッチング工程(S16)では、エッチングガスを用いて原盤基材110の外周面をエッチングする際に、エッチング途中でエッチング条件を変更する。例えば、エッチング途中で、エッチングガスを切り替える、例えば、等方性エッチング性の強いCF4ガスに切り替えることや、投入電力出力や圧力を変更することで、凹部130の深さ方向のエッチング速度を変化させることができる。また、エッチング途中にレジストを再形成して、再度エッチングすることも有効である。これにより、1回のエッチング工程で、相互にテーパ比が異なる第1テーパ凹部131と第2テーパ凹部132を原盤基材110に段階的に形成することができる。
以上のように、本実施形態に係るエッチング工程では、複数の開口部113からなる開口パターンが形成されたレジスト層111をマスクとして、原盤基材110の外周面全体を同時にエッチングする。これにより、原盤基材110の外周面に対し、複合構造を有する複数の凹部130を含む微細凹凸構造120(反射防止用の凹凸パターン)を加工することができる。
[6.光学フィルムの製造方法]
次に、図10、図11を参照して、本実施形態に係る光学フィルム1の製造方法について説明する。図10、図11は、本実施形態に係る光学フィルム1の製造方法を示す工程図である。
本実施形態に係る光学フィルム1の製造方法は、ロール原盤100を準備する工程(S20)と、光学フィルム1の基材11の表面に硬化性樹脂からなる樹脂層12Aを塗布する塗布工程(S22)と、ロール原盤100の外周面に形成された転写パターンを光学フィルム1の樹脂層12Aに転写する第1の転写工程(S24)と、光学フィルム1を所定形状に成形する成形工程(S28)と、を含む。さらに、光学フィルム1の両面に凹凸パターンを設ける場合(図11参照。)には、本実施形態に係る光学フィルム1の製造方法は、上記工程に加えて、第2の塗布および転写工程(S26)を含んでもよい。
(S20)ロール原盤の準備工程
ロール原盤100の準備工程は、例えば、上記図8~図9を参照して説明した本実施形態に係るロール原盤100の製造方法の各工程(成膜工程(S10)、露光工程(S12)、現像工程(S14)およびエッチング工程(S16))であってよい。上記ロール原盤100の製造方法により、外周面に微細凹凸構造120が形成されたロール原盤100が好適に準備される。
塗布工程(S22)
塗布工程では、光学フィルム1の基材11の表面に、硬化性樹脂(転写材料)からなる未硬化の樹脂層12Aを塗布する。硬化性樹脂(転写材料)は、硬化する前の流動性を有する樹脂材料であり、例えば、紫外線硬化性樹脂、光硬化性樹脂などのエネルギー線硬化性樹脂である。本実施形態では、ロール・ツー・ロール方式でロール原盤100の転写パターンを光学フィルム1の樹脂層12Aに連続的に転写するので、塗布工程(S22)と次の転写工程(S24)は同時並行で実行される。
(S24)転写工程
転写工程(S24)では、光学フィルム1の一方の表面にロール原盤100の外周面の転写パターンが転写される。詳細には、図10のAに示すように、ロール原盤100の外周面に対して、光学フィルム1の基材11上に塗布された未硬化の樹脂層12A(転写材料)を密着させる。その後、光源58から紫外線などのエネルギー線を樹脂層12Aに照射して、樹脂層12Aを硬化させる。その後、硬化した樹脂層12A(樹脂層12に相当する。)と一体となった基材11を、ロール原盤100から剥離する。
これにより、図10のBに示す光学フィルム1が得られる。光学フィルム1では、基材11の表面に樹脂層12が積層され、当該樹脂層12の表面に微細凹凸構造2が形成されている。なお、必要に応じて、光学フィルム1の樹脂層12と基材11との間に、例えば、密着層、接着層、基底層等の中間層(図示せず。)をさらに設けてもよい。
本実施形態に係る転写工程によれば、ロール原盤100の外周面の転写パターン(微細凹凸構造120)が光学フィルム1の樹脂層12に転写されて、樹脂層12の表面に微細凹凸構造2が形成される。詳細には、ロール原盤100の凹凸パターン領域102の微細凹凸構造120が光学フィルム1の樹脂層12に転写されることにより、反射防止機能を有する微細凹凸構造2が光学フィルム1の表面に形成される。
ロール原盤100の微細凹凸構造120と光学フィルム1の微細凹凸構造2は、相互に反転した凹凸形状を有している。転写工程では、ロール原盤100の微細凹凸構造120の凹部130によって、光学フィルム1の微細凹凸構造2の凸状の構造体3(凸部)が形成されるとともに、ロール原盤100の微細凹凸構造120の凸部140によって、光学フィルム1の微細凹凸構造2の凹部4が形成される。
ここで、本実施形態に係るロール原盤100の微細凹凸構造120の凹部130は、図10のAに示すように、第1テーパ凹部131と第2テーパ凹部132とからなる複合構造(2段テーパ凹構造)を有している。かかる2段テーパ凹構造に凹部130を転写することで、図10のBに示すように、光学フィルム1の微細凹凸構造2の構造体3は、第1テーパ部31と第2テーパ部32とからなる複合構造(2段テーパ凸構造)を有することとなる。
以上の塗布工程(S22)および転写工程(S24)により、図10のBに示すように、光学フィルム1の一方の表面上の樹脂層12に、微細凹凸構造2が形成される。微細凹凸構造2を有する樹脂層12は、図10のBに示すように、光学フィルム1の一方の表面(片面)にのみ設けられてもよいし、次の図11のBに示すように、光学フィルム1の両方の表面(表裏両面)に設けられてもよい。後者の場合には、次に説明する第2の塗布および転写工程(S26)を実行すればよい。
(S26)第2の塗布および転写工程
第2の塗布および転写工程(S26)では、図11のAに示すように、上記第1の転写工程(S24)後に、光学フィルム1の基材11の他方の表面(裏面)にも、硬化性樹脂からなる樹脂層12Aを塗布する。次いで、ロール原盤100の外周面に形成された転写パターン(微細凹凸構造120)を、光学フィルム1の他方の表面(裏面)の樹脂層12Aに転写する。
詳細には、図11のAに示すように、ロール原盤100の外周面に対して、フィルムの基材11の他方の表面上に塗布された未硬化の樹脂層12Aを密着させる。次いで、光源58から紫外線などのエネルギー線を樹脂層12Aに照射して、樹脂層12Aを硬化させる。その後、硬化した樹脂層12A(樹脂層12に相当する。)と一体となった基材11を、ロール原盤100から剥離する。これにより、図11のBに示すように、基材11の表裏両面に樹脂層12が積層され、当該樹脂層12の表面に微細凹凸構造2が形成された光学フィルム1が得られる。
(S28)成形工程
次いで、成形工程では、上記の転写工程(S24またはS26)にて得られた光学フィルム1が所定のサイズ、形状に成形される。例えば、光学フィルム1を所定のサイズに裁断加工したり、所望形状に切り抜いたり、型を用いて所望形状に打ち抜き加工したりする。これにより、用途に応じた光学フィルム1の製品(枚葉品)が成形される。かかる成形加工は、切削加工機や、レーザ加工装置、打ち抜きプレス装置などを使用可能である。
次に、図12を参照して、本実施形態に係る光学フィルム1の製造方法において、ロール・ツー・ロール方式で、ロール原盤100から光学フィルム1に転写パターンを連続的に転写する方法について説明する。図12は、本実施形態に係る転写装置5の構成を示す模式図である。
図12に示すように、転写装置5は、ロール原盤100と、基材供給ロール51と、巻取ロール52と、ガイドロール53、54と、ニップロール55と、剥離ロール56と、塗布装置57と、光源58とを備える。すなわち、図12に示す転写装置5は、ロール・ツー・ロール方式のインプリント転写装置である。
基材供給ロール51は、例えば、光学フィルム1の基材11がロール状に巻回されたロールである。巻取ロール52は、樹脂層12に微細凹凸構造2が形成された光学フィルム1を巻き取るためのロールである。また、ガイドロール53、54は、転写前後で、基材11を搬送するためのロールである。ニップロール55は、未硬化の樹脂層12Aが塗布された基材11をロール原盤100の外周面に押圧するためのロールである。剥離ロール56は、微細凹凸構造120が転写された樹脂層12が積層された基材11をロール原盤100から剥離するためのロールである。
塗布装置57は、例えば、未硬化の硬化性樹脂組成物からなる転写材料を基材11に塗布し、基材11上に未硬化の樹脂層12Aを形成する。塗布装置57は、例えば、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、またはダイコーターなどであってもよい。また、光源58は、光硬化性樹脂組成物を硬化可能な波長の光を発する光源であり、例えば、紫外線ランプなどである。
なお、硬化性樹脂組成物は、例えば、所定の波長の光が照射されることによって硬化する光硬化性樹脂であってよい。具体的には、光硬化性樹脂組成物は、アクリル樹脂アクリレート、エポキシアクリレートなどの紫外線硬化性樹脂であってもよい。また、光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、開始剤、フィラー、機能性添加剤、溶剤、無機材料、顔料、帯電抑制剤、または増感色素などを含んでもよい。
なお、未硬化の樹脂層12Aは、熱硬化性樹脂組成物で形成されていてもよい。この場合、転写装置5には光源58に替えて熱源(例えばヒータ)が設けられ、熱源によって樹脂層12Aを加熱することで樹脂層12Aを硬化させてもよい。熱硬化性樹脂組成物は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、または尿素樹脂等であってもよい。
次に、上記構成の転写装置5を用いたロール・ツー・ロール方式の転写方法について説明する。
まず、基材供給ロール51に巻回された帯状の基材11は、基材供給ロール51から巻き解かれて、ガイドロール53を介して連続的に送り出される。次いで、塗布装置57により、基材11の表面上に光硬化性樹脂組成物(転写材料)が連続的に塗布されて、基材11に未硬化の樹脂層12Aが積層される。さらに、基材11に積層された樹脂層12Aが、ニップロール55によってロール原盤100の外周面に押圧される。これにより、ロール原盤100の外周面に形成された微細凹凸構造120が樹脂層12Aに連続的に転写される。
次いで、微細凹凸構造120が転写された樹脂層12Aは、光源58からの光の照射により硬化する。これにより、微細凹凸構造120の反転構造(例えば、上述した微細凹凸構造2)が樹脂層12に形成される。その後、微細凹凸構造2が形成された樹脂層12と基材11とからなる光学フィルム1は、剥離ロール56によりロール原盤100から剥離される。その後、光学フィルム1は、ガイドロール54を介して巻取ロール52に送り出されて、巻取ロール52においてロール状に巻き取られる。
以上のように、本実施形態に係る転写装置5によれば、ロール・ツー・ロール方式で、ロール原盤100の外周面に形成された微細凹凸構造120を連続的に転写して、光学フィルム1を製造することが可能である。したがって、光学フィルム1を効率よく量産可能である。
次に、本発明の実施例に係る光学素子について説明する。なお、以下の実施例は、あくまでも本発明に係る光学素子の効果や実施可能性を示すための一例にすぎず、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[1.設計および製造条件]
光学フィルムの表面に形成される微細凹凸構造の凸構造体の形状と寸法を変更しつつ、以下で説明する条件により、本発明の実施例に係る光学フィルムと、比較例に係る光学フィルムを設計および製造した。
表1および図13~図14は、実施例1~3、比較例1~4および参考例に係る光学フィルムにおける微細凹凸構造の凸構造体(上記実施形態に係る光学フィルム1の凸状の構造体3に相当する。)の設計条件を示す。また、表1は、実施例1~3、比較例1~4および参考例に係る光学フィルムに対して、可視光域から近赤外域の入射光を斜入射したときの平均反射率の測定結果も示している。さらに、図13~図14には、実際に製造した微細凹凸構造の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した画像も示す。
(1)実施例と比較例で共通の条件
表1および図13~図14に示すように、実施例1~3および比較例1~4とも、光学フィルムの基材の表面(XY平面)上に、複数の凸構造体を所定のピッチPで規則的に配列して、微細凹凸構造(モスアイ構造)を形成した。ただし、実施例1~3および比較例1~4では、微細凹凸構造を構成する複数の凸構造体の形状や寸法を相互に異なるものにした。
実施例1~3および比較例1~4に係る光学フィルムを製造するために、まず、実施例1~3および比較例1~4に係るロール原盤100(図4参照。)をそれぞれ製造した。
具体的には、上記図8に示したように、まず、成膜工程(S10)にて、原盤基材110の外周面にレジスト層111を成膜した。次いで、露光工程(S12)にて、レジスト層111にレーザ光を照射することで潜像112を形成した。さらに、現像工程(S14)nいて、潜像112が形成されたレジスト層111を現像し、レジスト層111にパターンを形成した。その後、エッチング工程(S16)にて、パターンが形成されたレジスト層111をマスクとして原盤基材110をエッチングし、原盤基材110の外周面に微細凹凸構造120の凹凸パターンを形成した。
このエッチング工程(S16)におけるエッチング条件を変更することにより、図13~図14に示すような各種の凸構造体に対応する微細凹凸構造120を、原盤基材110の外周面に形成した。このようにして、実施例1~3および比較例1~4に係る光学フィルムに対応したロール原盤100をそれぞれ製造した。
次いで、当該実施例1~3および比較例1~4に係る各種のロール原盤100を用いて、ロール・ツー・ロール方式のナノインプリントを行うことにより、光学フィルムの表面に微細凹凸構造を転写した。
具体的には、上記図9に示したように、まず、塗布工程(S22)にて、光学フィルム1の基材11の表面に硬化性樹脂からなる樹脂層12Aを塗布した。次いで、転写工程(S24)にて、ロール原盤100の外周面に形成された微細凹凸構造120を光学フィルム1の樹脂層12Aに転写しつつ、紫外線の照射により樹脂層12Aを硬化させた。その後、光学フィルム1をロール原盤100から剥離して、樹脂層12に微細凹凸構造2が形成された光学フィルム1を得た。
ここで、光学フィルム1の基材11としては、厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、製品名「A4360」)を用いた。また、光学フィルム1の樹脂層12Aを形成する転写材料としては、紫外線硬化性アクリル樹脂組成物であるUVレジン(デクセリアルズ株式会社製、製品名「SK1120」)を用いた。また、樹脂層12Aを硬化させるために、波長365nmの紫外線を照射するUV-LED装置を使用した。
以上のようにして、実施例1~3および比較例1~4に係る光学フィルムを製造した。表1および図13、図14に示すように、実施例1~3および比較例1~4では、凸構造体の形状や寸法は相互に異なるが、凸構造体の配置ピッチPは、すべて同一の200μmとし、凸構造体の底部のサイズ(例えば、実施例1~3に係る構造体3の第1テーパ部31の底部の直径φ)を、当該ピッチPと同一の200μmとした。
なお、表1に示す参考例では、基材のみからなる光学フィルムを用い、光学フィルムの表面に凸構造体を形成しなかった。当該参考例に係る基材としては、厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、製品名「A4360」)を用いた。
(2)比較例の条件
<比較例1>
比較例1では、光学フィルムの微細凹凸構造の凸構造体は、図13に示すように、釣鐘型の楕円錐体からなる単調な構造である。この比較例1に係る凸構造体は、上述した特許文献1(特許第4404161号)に記載の凸構造体に相当する。比較例1に係る凸構造体の全体高さhは、約310nmである。
<比較例2>
比較例2では、光学フィルムの微細凹凸構造の凸構造体は、図13に示すように、非テーパ形状の複合構造であり、当該凸構造体の側面は斜面中腹部に変曲点を有している。この比較例2に係る凸構造体は、釣鐘状の構造体を上下2段に積み重ねた凸構造体である。比較例2に係る凸構造体の全体高さhは、約620nmである。
比較例2に係る2段釣鐘構造の凸構造体を有する光学フィルムを製造するために、比較例2に係るロール原盤を製造した。当該比較例2のロール原盤を製造するためのエッチング工程(S16)において、原盤基材110のエッチング途中に、エッチング条件を変更して、上記変曲点を有する2段釣鐘構造の凹構造体を原盤基材110の外周面に形成した。
詳細には、比較例2のエッチング工程(S16)では、異方性エッチングを行うために、エッチングガスとしてCHF3ガスを用いた。次いで、当該エッチング途中で、ガスを切り替えて、CF4ガスでエッチングをした。次いで、CHF3ガスに切り替えて、エッチングをした。エッチング途中でガスを切り替えることで、湾曲形状や太さが異なる2つの釣鐘状の凹構造を上下に積み重ねた複合構造を有する凹構造体を、ロール原盤の外周面に形成した。その後、当該ロール原盤の変曲点を有する2段釣鐘構造の凹構造体を光学フィルムの樹脂層に転写することで、比較例2に係る変曲点を有する2段釣鐘構造の凸構造体を形成した。
<比較例3>
比較例3では、光学フィルムの微細凹凸構造の凸構造体は、図13に示すように、上下2つのテーパ形状の構造体(第1テーパ部、第2テーパ部)を積み重ねた複合構造である。このように、比較例3に係る凸構造体は、上述した本実施形態に係る凸状の構造体3(図1等参照。)や実施例1~3に係る凸構造体(図14参照。)と同様に、テーパ比が異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造(2段テーパ構造)を有する。しかし、比較例3に係る凸構造体の全体高さhは、約300nmであり、実施例1~3に係る凸構造体の高さh(400nm以上)よりも低い。
比較例3に係る凸構造体を有する光学フィルムを製造するために、比較例3に係るロール原盤を製造した。当該比較例3のロール原盤を製造するためのエッチング工程(S16)において、原盤基材110のエッチング途中に、エッチング条件を変更して、上記2段テーパ構造を有する凹構造体を原盤基材110の外周面に形成した。
詳細には、比較例3のエッチング工程(S16)では、第1のステップとして異方性エッチングを行うために、エッチングガスとしてCHF3ガスを用いた。次いで、第2のステップとして当該エッチング途中で、ガスを切り替えてCF4ガスでエッチングをした。エッチング途中でガスを切り替えることで、テーパ比や太さが異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造を有する2段テーパ構造の凹構造体を、ロール原盤の外周面に形成した。当該ロール原盤の2段テーパ構造の凹構造体は、その側面の途中にテーパ比が変化する変化点を有する。上記の第1のステップで2段テーパ構造の第2テーパ部が形成され、第2のステップで第1テーパ部が形成された。その後、当該ロール原盤の2段テーパ構造の凹構造体を光学フィルムの樹脂層に転写することで、比較例3に係る変化点を有する2段テーパ構造の凸構造体を形成した。
<比較例4>
比較例4では、比較例3と同様に、光学フィルムの微細凹凸構造の凸構造体は、図13に示すように、上下2つのテーパ形状の構造体(テーパ部)を積み重ねた複合構造である。このように、比較例4に係る凸構造体も、テーパ比が異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造(2段テーパ構造)を有する。しかし、比較例4に係る凸構造体の全体高さhは、約353nmであり、実施例1~3に係る凸構造体の高さh(400nm以上)よりも低い。
比較例4でも、比較例3と同様に、比較例4のロール原盤を製造するためのエッチング工程(S16)において、原盤基材110のエッチング途中に、エッチング条件を変更して、上記2段テーパ構造を有する凹構造体を原盤基材110の外周面に形成した。
詳細には、比較例4のエッチング工程(S16)では、第1のステップとして異方性エッチングを行うために、エッチングガスとしてCHF3ガスを用いた。次いで、第2のステップとして当該エッチング途中で、ガスを切り替えてCF4ガスでエッチングをした。エッチング途中でガスを切り替えることで、テーパ比や太さが異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造を有する2段テーパ構造の凹構造体を、ロール原盤の外周面に形成した。その後、当該ロール原盤の変化点を有する2段テーパ構造の凹構造体を光学フィルムの樹脂層に転写することで、比較例4に係る変化点を有する2段テーパ構造の凸構造体を形成した。上記の第1のステップで2段テーパ構造の第2テーパ部が形成され、第2のステップで第1テーパ部が形成された。
その後、当該ロール原盤の凹構造体を光学フィルムの樹脂層に転写することで、比較例4に係る2段テーパ構造を有する凸構造体を形成した。
(3)実施例の条件
<実施例1>
実施例1では、光学フィルムの微細凹凸構造の凸構造体は、図14に示すように、上下2つのテーパ形状の構造体(図2に示す第1テーパ部31、第2テーパ部32)を積み重ねた複合構造である。このように、実施例1に係る凸構造体は、テーパ比が異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造(2段テーパ構造)を有する。実施例1に係る凸構造体の全体高さhは、約413nmである。
実施例1に係る凸構造体を有する光学フィルムを製造するために、実施例1に係るロール原盤を製造した。当該実施例1のロール原盤を製造するためのエッチング工程(S16)において、原盤基材110のエッチング途中に、エッチング条件を変更して、上記2段テーパ構造を有する凹構造体を原盤基材110の外周面に形成した。
詳細には、実施例1のエッチング工程(S16)では、第1のステップとしてやや等方性の異方性エッチングを行うために、エッチングガスとしてCHF3ガスにCF4ガスを混合したガスを用いた。次いで、第2のステップとして当該エッチング途中で、ガスを切り替えてCF4ガスでエッチングをした。エッチング途中でガスを切り替えることで、テーパ比や太さが異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造を有する2段テーパ構造の凹構造体を、ロール原盤の外周面に形成した。当該ロール原盤の2段テーパ構造の凹構造体は、その側面の途中にテーパ比が変化する変化点を有する。上記の第1のステップで2段テーパ構造の第2テーパ部が形成され、第2のステップで第1テーパ部が形成された。その後、当該ロール原盤の2段テーパ構造の凹構造体を光学フィルムの樹脂層に転写することで、実施例1に係る変化点を有する2段テーパ構造の凸構造体を形成した。
<実施例2>
実施例2でも、実施例1と同様に、光学フィルムの微細凹凸構造の凸構造体は、図14に示すように、上下2つのテーパ形状の構造体(図2に示す第1テーパ部31、第2テーパ部32)を積み重ねた複合構造である。このように、実施例2に係る凸構造体は、テーパ比が異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造(2段テーパ構造)を有する。実施例2に係る凸構造体の全体高さhは、約493nmである。
実施例2でも、実施例1と同様に、実施例2のロール原盤を製造するためのエッチング工程(S16)において、原盤基材110のエッチング途中に、エッチング条件を変更して、上記2段テーパ構造を有する凹構造体を原盤基材110の外周面に形成した。
詳細には、実施例2のエッチング工程(S16)では、第1のステップとしてやや等方性の異方性エッチングを行うために、エッチングガスとしてCHF3ガスにCF4ガスを混合したガスを用いた。次いで、第2のステップとして当該エッチング途中で、ガスを切り替えてCF4ガスでエッチングをした。エッチング途中でガスを切り替えることで、テーパ比や太さが異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造を有する2段テーパ構造の凹構造体を、ロール原盤の外周面に形成した。当該ロール原盤の2段テーパ構造の凹構造体は、その側面の途中にテーパ比が変化する変化点を有する。上記の第1のステップで2段テーパ構造の第2テーパ部が形成され、第2のステップで第1テーパ部が形成された。実施例2では、第2のステップのエッチング時間を実施例1よりも30%長い時間とすることによって、第1テーパ部の高さを長くした。その後、当該ロール原盤の2段テーパ構造の凹構造体を光学フィルムの樹脂層に転写することで、実施例2に係る変化点を有する2段テーパ構造の凸構造体を形成した。
図14中のSEM画像に示すように、実施例2で製造された凸構造体の高さは、約493nmである。当該実施例2に係る凸構造体の下側部分が太い円錐台形状のテーパ構造体(第1テーパ部31)であり、その上側に、細長い円錐形状のテーパ構造体(第2テーパ部32)が針状に成長していることが分かる。
<実施例3>
実施例3でも、実施例1と同様に、光学フィルムの微細凹凸構造の凸構造体は、図14に示すように、上下2つのテーパ形状の構造体(図2に示す第1テーパ部31、第2テーパ部32)を積み重ねた複合構造である。このように、実施例3に係る凸構造体は、テーパ比が異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造(2段テーパ構造)を有する。実施例3に係る凸構造体の全体高さhは、約567nmである。
実施例3でも、実施例1と同様に、実施例3のロール原盤を製造するためのエッチング工程(S16)において、原盤基材110のエッチング途中に、エッチング条件を変更して、上記2段テーパ構造を有する凹構造体を原盤基材110の外周面に形成した。
詳細には、実施例3のエッチング工程(S16)では、第1のステップとしてやや等方性の異方性エッチングを行うために、エッチングガスとしてCHF3ガスにCF4ガスを混合したガスを用いた。次いで、第2のステップとして当該エッチング途中で、ガスを切り替えてCF4ガスでエッチングをした。エッチング途中でガスを切り替えることで、テーパ比や太さが異なる2つのテーパ部を上下に積み重ねた複合構造を有する2段テーパ構造の凹構造体を、ロール原盤の外周面に形成した。当該ロール原盤の2段テーパ構造の凹構造体は、その側面の途中にテーパ比が変化する変化点を有する。上記の第1のステップで2段テーパ構造の第2テーパ部が形成され、第2のステップで第1テーパ部が形成された。実施例3では、第2のステップのエッチング時間を実施例1よりも50%長い時間とすることによって、第1テーパ部の高さを長くした。その後、当該ロール原盤の2段テーパ構造の凹構造体を光学フィルムの樹脂層に転写することで、実施例3に係る変化点を有する2段テーパ構造の凸構造体を形成した。
図14中のSEM画像に示すように、実施例3で製造された凸構造体の高さは、約567nmである。当該実施例3に係る凸構造体の下側部分が太い円錐台形状のテーパ構造体(第1テーパ部31)であり、その上側に、細長い円錐形状のテーパ構造体(第2テーパ部32)が針状に成長していることが分かる。
[2.反射防止特性の評価]
上記のようにして製造した実施例1~3および比較例1~4に係る光学フィルムのサンプルに関し、反射防止特性を評価する試験を行った。
この評価試験では、入射光の波長λを400~950nmの範囲内で1nmずつ変更しながら、当該各波長λの入射光を、光学フィルムの各サンプルの表面(微細凹凸構造が形成された微細凹凸面)に対して10°または70°の入射角θで入射した。このときの光学フィルムの表面における入射光の反射率Re[%]を、分光反射測定器(日本分光社製、製品名「V770」)で測定した。この際、光学フィルムの各サンプルの背面に黒色テープを貼り合わせて、当該各サンプルの表面(微細凹凸面)における反射率のみを測定した。
反射率としては、400~950nmの波長λの入射光の平均反射率Re[%]を求めた。即ち、入射光の波長λを400~950nmの範囲内で1nmずつ変更し、各波長λの反射率Re[%]をそれぞれ測定し、これら550個の反射率Reの平均値を求めて、平均反射率Reとした。また、光学フィルムの表面に対する入射光の入射角θを10°または70°に設定し、θ=10°のときの平均反射率Reθ=10°[%]と、θ=70°のときの平均反射率Reθ=70°[%]をそれぞれ求めた。さらに、Reθ=10°とReθ=70°の平均値Re_ave[%]も求めた。
このようにして求めたReθ=10°、Reθ=70°およびRe_aveを表1に示す。また、図15は、凸構造体の高さhと、400~950nmの波長帯域における平均反射率Reθ=70°との関係を示すグラフである。
表1に示すように、θ=10°のときの平均反射率Reθ=10°に関しては、比較例1~4および実施例1~3のいずれの場合も、Reθ=10°は、1%前後であり、同程度である。よって、入射角θが10°程度の低角度の斜入射の場合には、比較例1~4と実施例1~3との間で、反射防止特性に大差はないことが分かる。
一方、θ=70°のときの平均反射率Reθ=70°に関しては、表1および図15に示すように、比較例1~4のReθ=70°は、10%前後であり、悪化している。これに対し、実施例1~3のReθ=70°は、6.5%以下であり、比較例1~4と比べて大幅に改善している。特に、実施例2、3のReθ=70°は、5%以下であり、比較例1~4と比べて顕著に改善している。Reθ=70°が6.5%以下であれば、極斜めからの反射防止が従来技術よりも優れているという効果がある。さらに、Reθ=70°が5%以下であれば、一般的なモスアイよりもさらに反射防止特性が優れているという効果がある。
このように、実施例1~3では、70°程度の高角度の斜入射の場合でも、400~950nmという幅広い波長域の斜入射光に対して、優れた反射防止特性を確保できている。この理由は次のとおりであると考えられる。
つまり、実施例1~3では、2段テーパ構造を有する凸構造体の高さhが400nm以上と高く、特に実施例2、3では、当該高さhが490nm以上とさらに高い。一方、比較例3、4では、実施例1~3と同様な2段テーパ構造を有するものの、凸構造体の高さhが350nm程度以下と低い。したがって、比較例3、4では、70°程度の高角度の斜入射時において、長波長の近赤外域の入射光に対する反射防止特性が劣化する。これに対し、実施例1~3は、高い2段テーパ構造の凸構造体を備えることによって、長波長の近赤外域および短波長の可視光域の双方に対応できるので、比較例3、4と比べて、幅広い波長帯域で、70°程度の高角度の斜入射光に対する反射防止特性に優れると考えられる。
また、比較例2では、凸構造体の高さhは620nmであり、実施例1~3の凸構造体の高さhよりも高いため、長波長の近赤外域に対応可能である。しかし、比較例2の凸構造体の形状は、2段テーパ構造ではない。したがって、比較例2では、高角度の斜入射時において、長波長の近赤外域および短波長の可視光域の双方に対応できず、反射防止特性が低下した。また、比較例1では、凸構造体の高さhが低く、かつ、凸構造体の形状も2段テーパ構造ではないので、高角度の斜入射光に対する反射防止特性が低いと考えられる。
次に、図16および図17を参照して、入射光の波長帯域(350~1000nm)と反射防止特性との関係について評価する。図16は、10°程度の低角度の斜入射時における、入射光の波長λと反射率Reとの関係を示すグラフである。図17は、70°程度の高角度の斜入射時における、入射光の波長λと反射率Reとの関係を示すグラフである。
図16に示すように、入射角θが10°程度である低角度の斜入射時には、可視光域から近赤外域までの広い波長帯域(350~1000nm)において、比較例1~3および実施例2、3の反射率Reは、0~3%程度であり、参考例の反射率Re(5~6%程度)よりも低下している。これにより、比較例1~3および実施例2、3のように、図13、図14に示す各種形状の凸構造体を有する微細凹凸構造を設けることにより、低角度の斜入射時の反射防止特性を向上できることが分かる。なお、比較例4の反射率Reは、0~4%程度であり、参考例の反射率Re(5~6%程度)よりも低下しているものの、実施例2、3よりは高くなっている。
一方、図17に示すように、入射角θが70°程度である高角度の斜入射時には、可視光域から近赤外域までの広い波長帯域(350~1000nm)において、比較例1~4と実施例2、3との間で、反射防止特性に優劣が生じた。
詳細には、550nm以下の短波長の可視光域では、実施例2、3の反射率Reは2%前後と非常に低くなっているのに対し、比較例1~4の反射率Reは4~12%程度と高くなっている。したがって、短波長の可視光域(350~550nm)の入射光を、70°程度の高角度で斜入射した場合、実施例2、3は、比較例1~3よりも、良好な反射防止特性を発揮できることが分かる。
また、950nm程度の近赤外域でも、実施例2、3の反射率Reは10%以下に抑制されており、参考例の反射率Re(約18%)の半分以下となっている。これに対し、比較例1~4の反射率Reは12~15%程度と高くなっている。したがって、950nm程度の近赤外域の入射光を、70°程度の高角度で斜入射した場合にも、実施例2、3は、比較例1~4に比べて、非常に良好な反射防止特性を発揮できることが分かる。
以上の結果から、実施例1~3によれば、可視光域(380~750nm)から近赤外域(950nm程度)までの広い波長帯域の入射光に対して、優れた反射防止特性を発揮できるとともに、当該入射光が70°程度の高角度で斜入射される場合であっても、反射防止特性を確保できることが確認された。実施例1~3に係る凸構造体は、上述した2つのテーパ部を積み重ねた複合構造(2段テーパ構造)を有し、かつ、凸構造体の高さhが400nm以上、好ましくは490nm以上である。したがって、可視光域から近赤外域までの幅広い波長帯域の入射光に対しても、70°程度の高角度の斜入射光に対しても、反射防止特性を確保できると考えられる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 光学フィルム
2 微細凹凸構造
3 構造体
4 凹部
5 転写装置
11 基材
12 樹脂層
12A 未硬化の樹脂層
31 第1テーパ部
32 第2テーパ部
33 変化点
100 ロール原盤
102 凹凸パターン領域
110 原盤基材
111 レジスト層
112 潜像
113 開口部
120 微細凹凸構造
130 凹部
131 第1テーパ凹部
132 第2テーパ凹部
140 凸部
200 露光装置
201 レーザ光源
202 レーザ光

Claims (8)

  1. 基材と、
    前記基材の少なくとも一方の表面上に、可視光の波長帯域以下のピッチで配列された複数の凸状の構造体と、
    を備え、
    前記構造体は、前記基材の表面上に形成された第1テーパ部と、前記第1テーパ部の上に形成された第2テーパ部と、からなる複合構造を有し、
    前記第2テーパ部のテーパ比Cは、前記第1テーパ部のテーパ比Cより小さく、
    前記第2テーパ部は、前記第1テーパ部よりも細い針状のテーパ形状を有し、
    前記構造体の高さhは、400nm以上である、
    光学素子。
  2. 前記構造体は、前記第1テーパ部の頂部と前記第2テーパ部の底部との接合位置において、前記構造体の側面のテーパ比が変化する変化点を有する、請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第1テーパ部および前記第2テーパ部は、線形テーパ近似形状を有し、
    前記第1テーパ部および前記第2テーパ部のテーパ面の垂直断面形状は、実質的に直線からなる、請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記構造体の高さhは、490nm以上である、請求項1または2に記載の光学素子。
  5. 前記第2テーパ部の高さhは、160~300nmであり、
    前記第1テーパ部の高さhは、150~500nmである、請求項1または2に記載の光学素子。
  6. 請求項1または2に記載の光学素子を製造するためのロール原盤であって、
    円筒状または円柱状の原盤基材と、
    前記原盤基材の外周面に形成された第1微細凹凸構造と、
    を備え、
    前記第1微細凹凸構造は、前記光学素子の前記構造体の反転形状を有する複数の凹部を含み、
    前記凹部は、前記第1テーパ部の反転形状を有する第1テーパ凹部と、前記第1テーパ凹部の内部に形成され、前記第2テーパ部の反転形状を有する第2テーパ凹部と、からなる複合構造を有する、ロール原盤。
  7. 請求項1または2に記載の光学素子の製造方法であって、
    第1微細凹凸構造が形成されたロール原盤を製造する工程と、
    前記光学素子の前記基材の表面に硬化性樹脂からなる樹脂層を塗布する工程と、
    前記ロール原盤の前記第1微細凹凸構造を前記樹脂層に転写することによって、前記光学素子の前記構造体を含む第2微細凹凸構造を前記樹脂層に形成する工程と、
    を含み、
    前記第1微細凹凸構造は、前記光学素子の前記構造体の反転形状を有する複数の凹部を含み、
    前記凹部は、前記第1テーパ部の反転形状を有する第1テーパ凹部と、前記第1テーパ凹部の内部に形成され、前記第2テーパ部の反転形状を有する第2テーパ凹部と、からなる複合構造を有する、光学素子の製造方法。
  8. 前記ロール原盤を製造する工程は、
    前記ロール原盤の原盤基材の外周面にレジスト層を成膜する成膜工程と、
    前記レジスト層にレーザ光を照射することで潜像を形成する露光工程と、
    前記潜像が形成された前記レジスト層を現像し、前記レジスト層にパターンを形成する現像工程と、
    前記パターンが形成された前記レジスト層をマスクとして前記原盤基材をエッチングし、前記原盤基材の外周面に前記第1微細凹凸構造の凹凸パターンを形成するエッチング工程と、
    を含み、
    前記エッチング工程では、前記原盤基材をエッチングする途中でエッチング条件を変更することにより、前記第1テーパ凹部と前記第2テーパ凹部とからなる複合構造を有する前記凹部を形成する、請求項7に記載の光学素子の製造方法。
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