JP2025019034A - 血管新生促進用医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】末梢神経損傷等の組織損傷の治療において、血管新生促進作用を有する有用な薬剤を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るビタミンB12を有効成分とする医薬組成物は、血管内皮細胞遊走作用、脈管形成促進作用を有し、さらにPI3K、Akt、mTORのリン酸化促進作用を示し血管新生に関与しているPI3K-Akt-mTOR経路賦活化作用を有することが示された。また、本医薬組成物は、メチル化サイクルとIcmtの働きを介したAkt経路活性化作用やRASタンパク発現活性化作用、マクロファージのRas活性化作用、M-Ras活性化作用等を有するため、末梢神経損傷等の組織損傷の受傷後初期における血管新生促進剤として有用性が高いものである。さらに、糖尿病や老化等では創傷治癒が遅延するので、そのような組織創傷の治癒を促進する血管新生促進剤としても本医薬組成物は利用できる。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明に係るビタミンB12を有効成分とする医薬組成物は、血管内皮細胞遊走作用、脈管形成促進作用を有し、さらにPI3K、Akt、mTORのリン酸化促進作用を示し血管新生に関与しているPI3K-Akt-mTOR経路賦活化作用を有することが示された。また、本医薬組成物は、メチル化サイクルとIcmtの働きを介したAkt経路活性化作用やRASタンパク発現活性化作用、マクロファージのRas活性化作用、M-Ras活性化作用等を有するため、末梢神経損傷等の組織損傷の受傷後初期における血管新生促進剤として有用性が高いものである。さらに、糖尿病や老化等では創傷治癒が遅延するので、そのような組織創傷の治癒を促進する血管新生促進剤としても本医薬組成物は利用できる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、血管新生促進用医薬組成物等に関し、より具体的には、組織損傷に対する治療効果のある医薬組成物(以下、単に「本医薬組成物」ということがある。)等に関するものである。
組織損傷には様々なものがあるが、例えば末梢神経損傷は重度四肢外傷や医原性損傷に伴って生じ、感覚障害や痛みの遺残等を引き起こす。末梢神経は自己再生能が備わっているものの、現在選択可能な治療方法をもってしても完全な機能回復にまでは至らないことが少なくなく、その治療に難渋することもしばしばある。
末梢神経損傷後の治癒過程として、神経軸索の再生に先立って損傷部を架橋するように新生血管が形成されるという事実が明らかになり、末消神経損傷等の治癒における神経と血管の関連性について近年ますます注目が高まっている。
末梢神経損傷後の治癒過程として、神経軸索の再生に先立って損傷部を架橋するように新生血管が形成されるという事実が明らかになり、末消神経損傷等の治癒における神経と血管の関連性について近年ますます注目が高まっている。
血管新生とは血管が新しくつくられる様式である。既に存在する血管から伸び出るように血管が増生する。これは成長、骨格筋肥大、月経、妊娠及び創傷治癒を可能にする極めて重要な生理的プロセスである。
例えば、末梢神経損傷は、損傷部での連続性が絶たれる不連続性損傷と、絞扼性神経障害(手根管症候群等)等の損傷部での連続性を有する有連続性神経損傷に大別される。不連続性損傷に対する治療法としては、直接縫合、自家神経移植等が選択される。一方で有連続性神経損傷に対する治療法としては、神経剥離術や保存治療が選択されることになる。これまで、末梢神経損傷に対する再生効果を有するデバイスとして、人工神経の開発が進められてきたが、これは不連続性神経損傷に対してのみ用いられるものである。また、それらは損傷部の欠損を単に架橋するだけであり、神経軸索再生を促進する効果は有していない。末梢神経損傷後、回復までに長期間を要すると、筋組織に不可逆的な変化が生じるために、神経軸索再生を促進させることは重要な課題となっている。そのため、有連続性神経損傷と不連続性神経損傷のいずれにも適用でき、神経損傷の治療に効果のある薬剤が医療現場において求められている。
末梢神経は損傷後の再生能を有しているが、神経機能の回復は十分とはいえない。神経が損傷すると、ワーラー変性により軸索と髄鞘は貪食除去される。次いで、再生過程において、未分化なシュワン細胞で形成されるビュングナー帯(Bungner's band)内を再生軸索が遠位方向へ伸長し、目標となる筋肉の再神経化が起こる。最終的には、再生軸索の周囲を取り巻いたシュワン細胞による髄鞘が形成される。しかし、再生神経の伸長速度は非常に遅く、目標となる筋肉までの距離が長い場合には筋萎縮が生じて十分な機能回復が望めなくなる。ところで、前述した再生過程の各段階においては、マクロファージが重要な役割を担っていることが近年明らかになり注目されている。マクロファージの炎症を起こす働きはよく知られているが、これとは逆に抗炎症性の働きを持つ表現型も持っており、前者はM1型、後者はM2型と呼ばれ、その表現型間には連続性がある(M1-M2間のシフトが起きる。)と考えられている。そして、一般的に、抗炎症性の表現型であるM2マクロファージを増加させた方が神経再生は促進されると言われている。
本医薬組成物の有効成分のひとつとしてビタミンB12がある。ビタミンB12はビタミンB12欠乏症の治療に有効であり、ビタミンB12欠乏症では末梢神経炎、脊髄変化といった神経学的変化も起こりうることが知られている(特許文献1)。
ビタミンB12は神経系の正常な機能のために重要であり、その欠乏は、「亜急性連合性脊髄変性症(subacute combined degeneration of the spinal cord)」と呼ばれる全身性の神経障害を引き起こすことが知られている(非特許文献1)。本発明者らは、ビタミンB12のアナログであるメチルコバラミン(Methylcobalamin、以下「MeCbl」と表記することがある。)は、100nM以上の濃度において、神経突起伸長及びニューロンの生存を促進すること、これらの効果はメチル化に関する反応であるメチル化サイクルによって媒介されること、MeCblがメチル化サイクルを通してERK1/2及びAktの活性を増大させること、ならびに、ラット坐骨神経損傷モデルにおいて、MeCblの高用量の連続投与は、神経再生と機能回復を向上させることを報告している(非特許文献2)。
過去の報告にあるようにMeCblには末梢神経の再生を促進する効果があるということが知られている。しかしながら、MeCblの神経再生促進作用の一つとして損傷初期における血管新生を促進することは開示されていない。
Scalabrino et al., Laboratory Investigation, 62(1990), 297-304
Okada et al,. Experimental Neurology, 222(2010), 191-203
本発明は、血管新生促進用医薬組成物を提供すること等を課題とする。好ましくは、損傷部位に適切な態様で適用し、損傷後初期に血管新生を促進させることで損傷の治癒効果を高める、血管新生促進用医薬組成物を提供すること等を課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、ビタミンB12が組織損傷、とりわけ末梢神経損傷後初期の血管新生促進作用を有することを見出した。さらに、ビタミンB12が血管内皮細胞遊走作用、脈管形成促進作用、PI3K-Akt-mTOR経路賦活化作用、Akt経路活性化作用、Rasタンパク発現活性化作用、マクロファージのRas活性化作用、M-Ras活性化作用を有することをも見出した。これらの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する:
(1)ビタミンB12を含有する、血管新生促進用医薬組成物。
(2)血管新生促進が血管内皮細胞の遊走促進及び/又は脈管の形成促進によるものである上記(1)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(3)血管新生促進が細胞内シグナル伝達経路におけるRasの活性化によるものである上記(1)又は(2)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(4)RasがM-Rasである上記(3)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(5)血管新生促進がさらに細胞内シグナル伝達経路におけるAktの活性化によるものである上記(1)~(4)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(6)細胞が血管内皮細胞及び/又はマクロファージである上記(3)~(5)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(7)組織損傷の治療に用いられる、上記(1)~(6)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(8)末梢神経損傷の治療に用いられる、上記(7)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(9)創傷治癒促進に用いられる、上記(7)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(10)持続的に投与して用いられる、上記(1)~(9)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(11)ビタミンB12がメチルコバラミンである上記(1)~(10)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(12)上記(1)~(10)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物の製造のための、ビタミンB12の使用。
(13)血管新生促進による組織損傷の治療における使用のための、ビタミンB12含有医薬組成物。
(14)組織損傷の治療が末梢神経損傷の治療である、上記(13)に記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(15)組織損傷の治療が創傷治癒の促進である、上記(13)に記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(16)血管新生促進が血管内皮細胞の遊走促進及び/又は脈管の形成促進によるものである上記(13)~(15)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(17)血管新生促進が細胞内シグナル伝達経路におけるRasの活性化によるものである上記(13)~(16)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(18)RasがM-Rasである上記(17)に記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(19)血管新生促進がさらに細胞内シグナル伝達経路におけるAktの活性化によるものである上記(13)~(18)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(20)細胞が血管内皮細胞及び/又はマクロファージである上記(17)~(19)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(21)持続的に投与して用いられる、上記(13)~(20)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(22)ビタミンB12がメチルコバラミンである上記(13)~(21)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(1)ビタミンB12を含有する、血管新生促進用医薬組成物。
(2)血管新生促進が血管内皮細胞の遊走促進及び/又は脈管の形成促進によるものである上記(1)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(3)血管新生促進が細胞内シグナル伝達経路におけるRasの活性化によるものである上記(1)又は(2)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(4)RasがM-Rasである上記(3)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(5)血管新生促進がさらに細胞内シグナル伝達経路におけるAktの活性化によるものである上記(1)~(4)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(6)細胞が血管内皮細胞及び/又はマクロファージである上記(3)~(5)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(7)組織損傷の治療に用いられる、上記(1)~(6)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(8)末梢神経損傷の治療に用いられる、上記(7)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(9)創傷治癒促進に用いられる、上記(7)に記載の血管新生促進用医薬組成物。
(10)持続的に投与して用いられる、上記(1)~(9)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(11)ビタミンB12がメチルコバラミンである上記(1)~(10)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物。
(12)上記(1)~(10)のいずれかに記載の血管新生促進用医薬組成物の製造のための、ビタミンB12の使用。
(13)血管新生促進による組織損傷の治療における使用のための、ビタミンB12含有医薬組成物。
(14)組織損傷の治療が末梢神経損傷の治療である、上記(13)に記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(15)組織損傷の治療が創傷治癒の促進である、上記(13)に記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(16)血管新生促進が血管内皮細胞の遊走促進及び/又は脈管の形成促進によるものである上記(13)~(15)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(17)血管新生促進が細胞内シグナル伝達経路におけるRasの活性化によるものである上記(13)~(16)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(18)RasがM-Rasである上記(17)に記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(19)血管新生促進がさらに細胞内シグナル伝達経路におけるAktの活性化によるものである上記(13)~(18)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(20)細胞が血管内皮細胞及び/又はマクロファージである上記(17)~(19)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(21)持続的に投与して用いられる、上記(13)~(20)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
(22)ビタミンB12がメチルコバラミンである上記(13)~(21)のいずれかに記載のビタミンB12含有医薬組成物。
1.有効成分
本医薬組成物の有効成分であるビタミンB12には、コバラミン、その誘導体、及びそれらの塩が含まれる。ビタミンB12として、具体的には、コバラミン、コバラミンのコバルトイオンが置換されたもの、及びそれらの誘導体が挙げられる。より具体的な例としては、メチルコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、スルフィトコバラミン、アデノシルコバラミン、それらの塩等が挙げられる。これらの中でも、メチルコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、それらの塩が好ましく、メチルコバラミン、その塩がより好ましい。
本医薬組成物の有効成分であるビタミンB12には、コバラミン、その誘導体、及びそれらの塩が含まれる。ビタミンB12として、具体的には、コバラミン、コバラミンのコバルトイオンが置換されたもの、及びそれらの誘導体が挙げられる。より具体的な例としては、メチルコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、スルフィトコバラミン、アデノシルコバラミン、それらの塩等が挙げられる。これらの中でも、メチルコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、それらの塩が好ましく、メチルコバラミン、その塩がより好ましい。
コバラミン及びその誘導体の塩は、薬学的に許容される塩である限り特に限定されず、酸性塩、塩基性塩のいずれも採用することができる。例えば酸性塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩等が挙げられる。また、塩基性塩の例として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
ビタミンB12は溶媒和物の形態であってもよい。溶媒は、薬学的に許容されるものであれば特に限定されず、例えば水、エタノール、グリセロール、酢酸等が挙げられる。
ビタミンB12は1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
2.用途
ビタミンB12は、組織損傷、例えば末梢神経損傷等の損傷後初期における血管新生促進効果を有する。このため、ビタミンB12は、血管新生促進用医薬組成物の有効成分として利用することができる。
ビタミンB12は、組織損傷、例えば末梢神経損傷等の損傷後初期における血管新生促進効果を有する。このため、ビタミンB12は、血管新生促進用医薬組成物の有効成分として利用することができる。
ビタミンB12は、アポトーシス抑制作用、ネクローシス抑制作用、軸索伸展促進作用、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、神経再生促進作用等を有する。このため、ビタミンB12は、アポトーシス抑制剤、ネクローシス抑制剤、軸索伸展促進剤、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進剤、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制剤、M1:M2比(M2マクロファージ/ミクログリアに対するM1マクロファージ/ミクログリアの比)抑制剤、神経再生促進剤等の有効成分として利用することができる。
さらに、ビタミンB12は、血管内皮細胞遊走作用、脈管形成促進作用、PI3K-Akt-mTOR経路賦活化作用、Akt経路活性化作用、Rasタンパク発現活性化作用、マクロファージのRas活性化作用及びM-Ras活性化作用からなる群より選択される少なくとも1種に基づいた末梢神経損傷等の組織損傷の治療や組織創傷の治癒促進における血管新生促進剤の有効成分として利用することができる。
末梢神経損傷においては、様々な程度の運動障害(運動麻痺、筋力低下等)、感覚障害(感覚麻痺、しびれ、等)、自律神経障害(発汗異常、等)等の各種症状を生じる。末梢神経損傷は外傷によることが多く、主に運動麻痺や感覚麻痺が問題になる。中枢神経損傷では痙性麻痺を来すのに対し,末梢神経損傷では弛緩性麻痺を呈する。さらに、末梢神経損傷では神経向性因子の欠如により著明な筋萎縮と感覚受容体萎縮を起こす。
本発明に係る医薬組成物は、ビタミンB12を含有する限りにおいて特に制限されず、必要に応じてさらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、薬学的に許容される成分であれば特に限定されるものではない。他の成分としては、薬理作用を有する成分のほか、添加剤も含まれる。添加剤としては、例えば基剤、担体、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘剤、保湿剤、着色料、香料、キレート剤等が挙げられる。
なお、ビタミンB12は、単独で、血管新生促進作用、組織損傷治療効果、組織創傷治癒促進効果、神経系疾患治療効果、アポトーシス抑制作用、ネクローシス抑制作用、軸索伸展促進作用、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用(なお、M1マクロファージ/ミクログリアからM2マクロファージ/ミクログリアへのシフト作用であることも否定されない。)、神経再生促進作用等を発揮し得る。そのため、本医薬組成物は、これらの効果及び/又は作用を有する他の成分を含まなくとも、その所望の効果を発揮することができるが、薬理作用を有する他の成分が含有されていてもよい。
本医薬組成物の適用対象は特に限定されないが、哺乳動物では、例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シカ等が挙げられる。
本医薬組成物は、任意の剤形、例えば錠剤(口腔内速崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤、等を含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゼリー剤、等の経口製剤形態や、注射用製剤(例えば、点滴注射剤(例えば点滴静注用製剤等)、静脈注射剤、筋肉注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤)、外用剤(例えば、シート剤、スプレー剤、軟膏剤、パップ剤、ローション剤)、坐剤吸入剤、眼剤、眼軟膏剤、点鼻剤、点耳剤、リポソーム剤等の非経口製剤形態を採ることができる。特に、持続的に患部に投与可能な製剤形態が好ましい。
ことができる。
ことができる。
本医薬組成物の投与経路としては、所望の効果が得られる限り特に制限されず、経口投与、注腸投与等の経腸投与のほか、経静脈投与、経動脈投与、筋肉内投与、心臓内投与、皮下投与、皮内投与、腹腔内投与等や外用剤による非経口投与等が挙げられる。
本発明により、末梢神経損傷等の組織損傷を治療するための血管新生促進用医薬組成物を提供することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
〔試験例I〕
末梢神経損傷後初期におけるMeCblの血管新生作用を、血管内皮細胞を用いて調べた。具体的には以下のとおりである。
末梢神経損傷後初期におけるMeCblの血管新生作用を、血管内皮細胞を用いて調べた。具体的には以下のとおりである。
実施例1
<実施例1-1.坐骨神経の調製>
Wistar系ラット(8週齢、雄、200g、オリエンタル酵母)を用いて実験を行った。全身麻酔下にラットの左坐骨神経を展開したのち、坐骨神経を5mm長で採取した。採取した神経切片を液体窒素で凍結し、自然解凍する操作を5回繰り返して行い採取した切片を無細胞化した。無細胞化した組織切片を用いて坐骨神経欠損部を架橋し、皮下にMeCblが1mg/kg/dayで徐放されるように濃度調整した浸透圧ポンプを留置する群(MeCbl投与群)と生理食塩水のみを含む浸透圧ポンプを留置する群(生食投与群)の2群を用意した。
<実施例1-1.坐骨神経の調製>
Wistar系ラット(8週齢、雄、200g、オリエンタル酵母)を用いて実験を行った。全身麻酔下にラットの左坐骨神経を展開したのち、坐骨神経を5mm長で採取した。採取した神経切片を液体窒素で凍結し、自然解凍する操作を5回繰り返して行い採取した切片を無細胞化した。無細胞化した組織切片を用いて坐骨神経欠損部を架橋し、皮下にMeCblが1mg/kg/dayで徐放されるように濃度調整した浸透圧ポンプを留置する群(MeCbl投与群)と生理食塩水のみを含む浸透圧ポンプを留置する群(生食投与群)の2群を用意した。
<実施例1-2.組織の調製及び免疫組織化学試験>
術後3日、5日、7日において移植した神経切片を採取し、4%ホルマリン溶液に室温で1晩浸した。その後、30%スクロース溶液に移し、室温で2日間留置し、包埋剤を用いて凍結した。真空低温槽(クライオスタット)で凍結した切片を10μmの厚さで薄切し、1次抗体としてネスチン(Nestin)(ab6142)、低親和性神経成長因子受容体(p75)(Chemicon International, Inc.AB1554/100UL)を使用して免疫染色した。なお、Nestinで染色される新生血管部分の面積とp75で染色される未分化シュワン細胞部分の面積をパブリックドメインの画像処理ソフトウェア(Image Processing and Analysis in Java:Image J)を用いて評価し、移植切片部分全体の面積に対する割合として評価を行った。
術後3日、5日、7日において移植した神経切片を採取し、4%ホルマリン溶液に室温で1晩浸した。その後、30%スクロース溶液に移し、室温で2日間留置し、包埋剤を用いて凍結した。真空低温槽(クライオスタット)で凍結した切片を10μmの厚さで薄切し、1次抗体としてネスチン(Nestin)(ab6142)、低親和性神経成長因子受容体(p75)(Chemicon International, Inc.AB1554/100UL)を使用して免疫染色した。なお、Nestinで染色される新生血管部分の面積とp75で染色される未分化シュワン細胞部分の面積をパブリックドメインの画像処理ソフトウェア(Image Processing and Analysis in Java:Image J)を用いて評価し、移植切片部分全体の面積に対する割合として評価を行った。
実施例1の結果の一例として、図1に凍結切片移植後の初見、図2に移植切片の新生血管新生領域を示す結果、及び図3に移植切片の未分化シュワン細胞領域を示す結果を示す。術後0日の時点では、Nestin及びp75のいずれも染色されないことが確認された(図1C)。Nestin陽性部分で示される血管領域は移植切片内に認められなかったが、術後3日目以降は確認された。術後5日目でMeCbl投与群、生食投与群ともに血管による架橋がなされていた。血管領域の面積は術後3日目、5日目においてMeCbl投与群で有意に増加していた(図2A、B、C)。以上より、MeCblの投与により血管新生の速度が促進されることが示された。
P75陽性部分で示されるシュワン細胞による架橋は術後7日目で完了していた。未分化シュワン細胞領域の面積は術後3日目、5日目においてはMeCbl投与群で増加している傾向にあり(図3B、C)、術後7日目においてはMeCbl投与群で有意に増加していた(図3D)。以上より、MeCblの投与により、血管新生が促進されると共に神経軸索を取り囲む髄鞘形成・維持するシュワン細胞の生成を促進することが示された。
P75陽性部分で示されるシュワン細胞による架橋は術後7日目で完了していた。未分化シュワン細胞領域の面積は術後3日目、5日目においてはMeCbl投与群で増加している傾向にあり(図3B、C)、術後7日目においてはMeCbl投与群で有意に増加していた(図3D)。以上より、MeCblの投与により、血管新生が促進されると共に神経軸索を取り囲む髄鞘形成・維持するシュワン細胞の生成を促進することが示された。
実施例2
<実施例2-1.ヒト臍帯静脈内皮細胞の培養>
ヒト臍帯静脈内皮細胞(Human umbilical vein endothelial cells:HUVEC)をJCRB細胞バンクより入手し、培養した。培地としてMCDB107培地を用い、10%FBS、1%ペニシリンを加えて調製した。培養したHUVECを実施例2及び3で使用した。
<実施例2-1.ヒト臍帯静脈内皮細胞の培養>
ヒト臍帯静脈内皮細胞(Human umbilical vein endothelial cells:HUVEC)をJCRB細胞バンクより入手し、培養した。培地としてMCDB107培地を用い、10%FBS、1%ペニシリンを加えて調製した。培養したHUVECを実施例2及び3で使用した。
<実施例2-2.細胞増殖測定試験>
96 wellプレートにHUVECを5.0×103播種し、MeCblを0~1mM投与した。12時間後、24時間後にそれぞれ細胞増殖アッセイキット(Bromodeoxyuridine Assay Kit:BrdU Assay Kit)を用いて、添付の手順書に従ってブロモデオキシウリジン(Bromodeoxyuridine:BrdU)を反応させ、細胞増殖について評価を行った。
96 wellプレートにHUVECを5.0×103播種し、MeCblを0~1mM投与した。12時間後、24時間後にそれぞれ細胞増殖アッセイキット(Bromodeoxyuridine Assay Kit:BrdU Assay Kit)を用いて、添付の手順書に従ってブロモデオキシウリジン(Bromodeoxyuridine:BrdU)を反応させ、細胞増殖について評価を行った。
<実施例2-3.損傷治癒アッセイ(スクラッチアッセイ)>
2well インサートプレートにHUVECをそれぞれ2.0×104播種し、0.5%FBSを添加したMCDB107培地で24時間培養して細胞周期を統一した。その後、インサートを除去してMeCblを0~1mM投与し、12時間後、24時間後にそれぞれ間隙部分の面積の評価をImage Jを用いて行った。
2well インサートプレートにHUVECをそれぞれ2.0×104播種し、0.5%FBSを添加したMCDB107培地で24時間培養して細胞周期を統一した。その後、インサートを除去してMeCblを0~1mM投与し、12時間後、24時間後にそれぞれ間隙部分の面積の評価をImage Jを用いて行った。
<実施例2-4.チューブ形成画像解析>
96wellプレートにマトリゲル(細胞外マトリクス、BD Biosciences社)50μl/wellを用いて表面をコーティングし、HUVECを1.0×103播種した。12時間後に形成されている脈管同士の結合部分の数をImage Jを用いて計測して評価した。
96wellプレートにマトリゲル(細胞外マトリクス、BD Biosciences社)50μl/wellを用いて表面をコーティングし、HUVECを1.0×103播種した。12時間後に形成されている脈管同士の結合部分の数をImage Jを用いて計測して評価した。
実施例2の結果の一例を図4に示す。細胞増殖アッセイ(BrdU Assay)では、MeCbl投与の各濃度群とコントロール群間とに有意差は認められなかった(図4E)。すなわち、MeCblの投与による異常な細胞増殖は認められないと考えられた。その一方で、スクラッチアッセイでは、開始後24時間の時点での評価において、10nM、100nM、1μMの濃度のMeCbl投与群でコントロール群と比較して有意な差を認めた(図4A、B)。また、チューブ形成画像解析において、10nM、100nM、1μM、10μMの濃度のMeCbl投与群で脈管の結合数は有意に増加していた(図4C、D)。
以上からMeCblは特定の濃度において血管内皮細胞の遊走及び脈管形成を促進する効果を有することが示された。
以上からMeCblは特定の濃度において血管内皮細胞の遊走及び脈管形成を促進する効果を有することが示された。
実施例3
<実施例3-1.受容体型チロシンキナーゼ(RTK)アッセイ>
HUVECに100nM MeCbl又は10ng/mlの血管内皮細胞増殖因子(Vascular Endothelial Growth Factor: VEGF)をそれぞれ投与し、30分間培養した。受容体型チロシンキナーゼアッセイキット(Receptor Tyrosine Kinase Assay Kit:RTK Assay Kit)の手順書に従いタンパクを回収し、あらかじめ準備されているメンブレンに対する反応を評価した。
<実施例3-1.受容体型チロシンキナーゼ(RTK)アッセイ>
HUVECに100nM MeCbl又は10ng/mlの血管内皮細胞増殖因子(Vascular Endothelial Growth Factor: VEGF)をそれぞれ投与し、30分間培養した。受容体型チロシンキナーゼアッセイキット(Receptor Tyrosine Kinase Assay Kit:RTK Assay Kit)の手順書に従いタンパクを回収し、あらかじめ準備されているメンブレンに対する反応を評価した。
<実施例3-2.活性化Rasの測定>
HUVECに100nM MeCbl、10ng/ml VEGF、1μM のメチオニン合成酵素阻害剤(4-nitro-2,1,3-benzothiadiazole: Nbtd)、又は360nM VEGF受容体阻害剤(VEGF Receptor Blocker: VEGFR blocker)をそれぞれ投与し、30分間培養した。Kitの説明書に従いタンパクを回収し、あらかじめ準備されているRas抗体に対する反応を評価した。
HUVECに100nM MeCbl、10ng/ml VEGF、1μM のメチオニン合成酵素阻害剤(4-nitro-2,1,3-benzothiadiazole: Nbtd)、又は360nM VEGF受容体阻害剤(VEGF Receptor Blocker: VEGFR blocker)をそれぞれ投与し、30分間培養した。Kitの説明書に従いタンパクを回収し、あらかじめ準備されているRas抗体に対する反応を評価した。
<実施例3-3.ウェスタンブロット解析>
HUVECに100nM MeCbl、10ng/ml VEGF、又は100nM MeCbl + 10ng/ml VEGFをそれぞれ投与し、30分間培養後、タンパク回収を行った。さらに、360μM VEGFR blocker(Sigma-Aldrich 676481)を投与し、30分間培養後、100nM MeCbl又は10ng/ml VEGFをそれぞれ投与し、タンパク回収を行った。回収したタンパクを電気泳動にかけてメンブレンに転写し、p-Akt/Akt、p-ERK/ERK、p-PI3K/PI3K、p-mTOR/mTORについてそれぞれ評価した。
HUVECに100nM MeCbl、10ng/ml VEGF、又は100nM MeCbl + 10ng/ml VEGFをそれぞれ投与し、30分間培養後、タンパク回収を行った。さらに、360μM VEGFR blocker(Sigma-Aldrich 676481)を投与し、30分間培養後、100nM MeCbl又は10ng/ml VEGFをそれぞれ投与し、タンパク回収を行った。回収したタンパクを電気泳動にかけてメンブレンに転写し、p-Akt/Akt、p-ERK/ERK、p-PI3K/PI3K、p-mTOR/mTORについてそれぞれ評価した。
実施例3の結果の一例として、図5に受容体型チロシンキナーゼアッセイ及び活性化Rasタンパクの計測結果、図6~9にウェスタンブロット解析の結果を示す。
受容体型チロシンキナーゼアッセイの結果から、MeCbl投与群はVEGF投与群と異なり細胞膜表面のRTKに対する反応は認められなかった(図5A、B)。一方で、MeCblはVEGFと同様にRasを活性化していた(図5C)。
また、ウェスタンブロット解析の結果において、MeCbl投与による細胞外シグナル調節キナーゼ(extracellular signal-regulated kinase:ERK)経路の活性化は認められなかったが、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ/プロテインキナーゼB/哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(PI3K-AKT-mTOR)経路の活性化が認められた(図6A、B及び図7A、B)。また、MeCblとVEGFを同時に投与しても効果の増強は認められず、さらに、VEGFR blockerを投与してもMeCbl投与によるPI3K-Akt-mTOR経路の活性化が認められた(図7A、B及び図8A、B)。
受容体型チロシンキナーゼアッセイの結果から、MeCbl投与群はVEGF投与群と異なり細胞膜表面のRTKに対する反応は認められなかった(図5A、B)。一方で、MeCblはVEGFと同様にRasを活性化していた(図5C)。
また、ウェスタンブロット解析の結果において、MeCbl投与による細胞外シグナル調節キナーゼ(extracellular signal-regulated kinase:ERK)経路の活性化は認められなかったが、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ/プロテインキナーゼB/哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(PI3K-AKT-mTOR)経路の活性化が認められた(図6A、B及び図7A、B)。また、MeCblとVEGFを同時に投与しても効果の増強は認められず、さらに、VEGFR blockerを投与してもMeCbl投与によるPI3K-Akt-mTOR経路の活性化が認められた(図7A、B及び図8A、B)。
また、メチオニン合成酵素を阻害するNbtdを投与すると、MeCbl投与によるAktの活性化は低下し、S-Adenocyl Methionine(SAM)を追加することで再度活性が上昇した。しかし、Isoprenylcysteine carboxyl methyltransferase(Icmt)-inhibitorを投与するとMeCbl及びSAMの投与下においてもAktの活性は上昇しなかった(図9A、B)。以上より、MeCblはメチル化サイクル(Methylation cycle)及びIcmtの働きを介してAkt経路を活性化すると考えられた。
〔試験例II〕
これまでにMeCbl全身投与治療は、損傷部周囲に集族するマクロファージの表現型を炎症性のM1から抗炎症性・組織修復性のM2へシフトさせることが明らかになっている。また、上記試験例Iより、in vitro実験においてMeCblの作用機序として、細胞内シグナル分子のAktやRasのリン酸化を促進することが考えられた。さらに、その詳細な機序を明らかにすることを目的とし、マクロファージ細胞を用いて、MeCblが作用しやすいRasタンパクのサブタイプ等を調べた。具体的には以下のとおりである。
これまでにMeCbl全身投与治療は、損傷部周囲に集族するマクロファージの表現型を炎症性のM1から抗炎症性・組織修復性のM2へシフトさせることが明らかになっている。また、上記試験例Iより、in vitro実験においてMeCblの作用機序として、細胞内シグナル分子のAktやRasのリン酸化を促進することが考えられた。さらに、その詳細な機序を明らかにすることを目的とし、マクロファージ細胞を用いて、MeCblが作用しやすいRasタンパクのサブタイプ等を調べた。具体的には以下のとおりである。
実施例4
インスリン受容体やVEGF受容体に代表されるRTKはその下流にRasがあり、さらにAktやERKのリン酸化へと繋がる。MeCblがAktリン酸化を促進する機序として、このメカニズムが働いているのかを調べるため、Proteome profiler mouse phospho-RTK array kitを用いてRTK活性化の評価を行った。
インスリン受容体やVEGF受容体に代表されるRTKはその下流にRasがあり、さらにAktやERKのリン酸化へと繋がる。MeCblがAktリン酸化を促進する機序として、このメカニズムが働いているのかを調べるため、Proteome profiler mouse phospho-RTK array kitを用いてRTK活性化の評価を行った。
<実施例4-1.マクロファージ細胞株の準備>
マウス由来マクロファージ細胞株J774A.1(JCRB9108)を、大阪府のJCRB細胞バンク(培養資源研究室)より購入した。培養は10% fetal bovine serum (FBS) 及び及び1% ペニシリン/ストレプトマイシンを含有したDulbecco’s modified Eagles medium (DMEM)で行った。培養したマクロファージ細胞を実施例4~7で使用した。
マウス由来マクロファージ細胞株J774A.1(JCRB9108)を、大阪府のJCRB細胞バンク(培養資源研究室)より購入した。培養は10% fetal bovine serum (FBS) 及び及び1% ペニシリン/ストレプトマイシンを含有したDulbecco’s modified Eagles medium (DMEM)で行った。培養したマクロファージ細胞を実施例4~7で使用した。
<実施例4-2. Phospho Receptor Tyrosine Kinase (RTK) Array>
マウスマクロファージ細胞株J774A.1 細胞培養液中に先行実験に基づき100nMとなるようMeCbl (Merck)を添加し、30分後に細胞からタンパク質を抽出した。Proteome profiler mouse phospho RTK array kit (R&D systems)を用いて、手順書に従ってチロシンがリン酸化されたRTKの検出を、ECLウェスタンブロッティング検出システムを用いて行った。
マウスマクロファージ細胞株J774A.1 細胞培養液中に先行実験に基づき100nMとなるようMeCbl (Merck)を添加し、30分後に細胞からタンパク質を抽出した。Proteome profiler mouse phospho RTK array kit (R&D systems)を用いて、手順書に従ってチロシンがリン酸化されたRTKの検出を、ECLウェスタンブロッティング検出システムを用いて行った。
実施例4の結果の一例を図10に示す。MeCbl非投与群と投与群間において、RTKのリン酸化に差は認められなかった。このことから、MeCblはRTKのリン酸化を促進しないと考えられた。
実施例5
上記実施例4の結果からMeCblがRTKのリン酸化を行わないことが示されたが、それとは関係なくRasを活性化させるのかを調べるため、Ras activation ELISA kitを用いてRas活性を測定した。
<Ras activation ELISA kitによる活性化Rasの測定>
MeCbl投与による Rasの活性化の有無を、Ras activation ELISA kit (Cell Biolabs)を用いて行った。マクロファージ細胞培養液中に100nMのMeCblを単独、又は MeCblと1μMの5 -(3-methylphenyl)-1-octyl-1H-indole-3-acetamide(Cysmethynil)(Rasをメチル化し活性化させる酵素 Isoprenylcysteine Carboxyl methyltransferase (Icmt)の阻害剤)を加え、30分後に細胞からタンパク質を収集した。製品手順書に従って、ELISAで活性化Ras量を測定した。
上記実施例4の結果からMeCblがRTKのリン酸化を行わないことが示されたが、それとは関係なくRasを活性化させるのかを調べるため、Ras activation ELISA kitを用いてRas活性を測定した。
<Ras activation ELISA kitによる活性化Rasの測定>
MeCbl投与による Rasの活性化の有無を、Ras activation ELISA kit (Cell Biolabs)を用いて行った。マクロファージ細胞培養液中に100nMのMeCblを単独、又は MeCblと1μMの5 -(3-methylphenyl)-1-octyl-1H-indole-3-acetamide(Cysmethynil)(Rasをメチル化し活性化させる酵素 Isoprenylcysteine Carboxyl methyltransferase (Icmt)の阻害剤)を加え、30分後に細胞からタンパク質を収集した。製品手順書に従って、ELISAで活性化Ras量を測定した。
実施例5の試験結果の一例を図11に示す。コントロール群に比べてMeCbl投与群で有意にRasの活性化が見られ、また、MeCblに加えてCysmethynilを投与した群で有意に活性化Rasが低下し、コントロール群と同等のレベルとなった。この結果から、MeCblはRTKを介さず、Icmtを介してRasのリン酸化を促進すると考えられた。
実施例6
MeCblはメチオニン合成の補酵素して働き、メチル化サイクルに貢献するが、該サイクルの構成要素であるSAMはIcmtの働きにより不活性型Rasにメチル基を供与し、Rasは活性型となる。上記実施例5の結果からMeCblによるRas活性化にはIcmtの関与が示唆されたが、上述のメカニズムによってRasが活性化されているのかを確認するため、メチオニン合成酵素阻害剤であるNbtd (Cayman)、SAM、Cysmethynilを1μM用いて、検討を行った。下記ウェスタンブロット解析により、各タンパク量を測定した。
MeCblはメチオニン合成の補酵素して働き、メチル化サイクルに貢献するが、該サイクルの構成要素であるSAMはIcmtの働きにより不活性型Rasにメチル基を供与し、Rasは活性型となる。上記実施例5の結果からMeCblによるRas活性化にはIcmtの関与が示唆されたが、上述のメカニズムによってRasが活性化されているのかを確認するため、メチオニン合成酵素阻害剤であるNbtd (Cayman)、SAM、Cysmethynilを1μM用いて、検討を行った。下記ウェスタンブロット解析により、各タンパク量を測定した。
<ウェスタンブロット解析>
マクロファージ細胞を直径6cmのディッシュに播種し、3-4日後にprotease inhibitor cocktailを溶解したcell lysis bufferを用いてタンパク質を収集した。BCA assayでタンパク質濃度を測定した後、サンプル50μgずつをSDS-PAGEで電気泳動し、polyvinylidene difluoride membrane に転写した。Blocking bufferで1 時間のblockingを行った後、一次抗体と4度over nightで反応させた。二次抗体は室温で1時間反応させ、 ECLウェスタンブロッティング検出システムで検出した。
一次抗体はanti Akt rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-p-Akt rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-CREB rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-p-CREB rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-ERK rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-p-ERK rabbit monoclonal antibody (CST)を用いた。二次抗体はanti-rabbit IgG horseradish peroxidase linked whole antibody from donkey(GE Healthcare Life Sciences)を使用した。
マクロファージ細胞を直径6cmのディッシュに播種し、3-4日後にprotease inhibitor cocktailを溶解したcell lysis bufferを用いてタンパク質を収集した。BCA assayでタンパク質濃度を測定した後、サンプル50μgずつをSDS-PAGEで電気泳動し、polyvinylidene difluoride membrane に転写した。Blocking bufferで1 時間のblockingを行った後、一次抗体と4度over nightで反応させた。二次抗体は室温で1時間反応させ、 ECLウェスタンブロッティング検出システムで検出した。
一次抗体はanti Akt rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-p-Akt rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-CREB rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-p-CREB rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-ERK rabbit monoclonal antibody (CST)、anti-p-ERK rabbit monoclonal antibody (CST)を用いた。二次抗体はanti-rabbit IgG horseradish peroxidase linked whole antibody from donkey(GE Healthcare Life Sciences)を使用した。
実施例6の結果の一例を図12に示す。MeCblによるAktリン酸化促進作用はNbtdにより抑制され、その下流のSAMを加えるとAktリン酸化はレスキューされた。ここに更にCysmethynilを加えると、Aktリン酸化は再び抑制された。MeCblと同時にCysmethynilを加えた場合も、Aktリン酸化は抑制された。Aktの下流にある転写因子であるCREBのリン酸化においても、Aktリン酸化と同様の変化が見られた。一方で、ERKのリン酸化に関しては特に一定の変化が見られなかった。これらの結果から、上述のようにMeCblはメチル化サイクルを介しIcmtによるRas活性化を介してAktリン酸化を促進すると考えられた。
実施例7
活性化したRasは一般的にはAkt、ERK両方のリン酸化に働く。しかし、本実施例ではMeCblはAktリン酸化に主に関わっており、ERKには一定の影響を及ぼしていない。このことから、MeCblはRasスーパーファミリーのうちでも特にAktリン酸化に働くRasに影響を与えているのではないかと予測された。このような特徴を持つRasにM-Rasがあり、更に一般的なRasであるH-Ras、K-Ras、N-Ras-に対してノックダウンを行うことで、MeCblの影響を強くうけるRasを調べることとした。
活性化したRasは一般的にはAkt、ERK両方のリン酸化に働く。しかし、本実施例ではMeCblはAktリン酸化に主に関わっており、ERKには一定の影響を及ぼしていない。このことから、MeCblはRasスーパーファミリーのうちでも特にAktリン酸化に働くRasに影響を与えているのではないかと予測された。このような特徴を持つRasにM-Rasがあり、更に一般的なRasであるH-Ras、K-Ras、N-Ras-に対してノックダウンを行うことで、MeCblの影響を強くうけるRasを調べることとした。
<Ras遺伝子のノックダウン処理>
MeCblによるRas活性化において、主に作用するRasスーパーファミリーを調べるため、MeCbl投与の24時間前から、H-Ras、K-Ras、N-Ras、M-RasのsiRNA(ambion)をマクロファージ細胞にLipofectamine RNAiMAX (Invitrogen)を用いてリポフェクションした。MeCbl投与後30分で細胞からタンパク質収集を行った。上記実施例6と同様にウェスタンブロット解析により、各タンパクを検出した。
MeCblによるRas活性化において、主に作用するRasスーパーファミリーを調べるため、MeCbl投与の24時間前から、H-Ras、K-Ras、N-Ras、M-RasのsiRNA(ambion)をマクロファージ細胞にLipofectamine RNAiMAX (Invitrogen)を用いてリポフェクションした。MeCbl投与後30分で細胞からタンパク質収集を行った。上記実施例6と同様にウェスタンブロット解析により、各タンパクを検出した。
実施例7の結果の一例を図13に示す。H-Ras、N-Rasのノックダウンを行った細胞では、MeCbl投与によるAktリン酸化促進効果は依然として見られた。K-Rasのノックダウンを行った細胞では、同様の傾向は見られたが、有意な促進は見られなかった。一方でM-Rasのノックダウンを行った細胞では、MeCblによるAktリン酸化は全く見られなかった。ERKリン酸化に関しては、いずれのRasのノックダウンでもMeCbl投与による有意な変化は見られなかった。以上の結果から、MeCblにより活性化させるRasはスーパーファミリーのうち主にM-Rasであると考えられた。
実施例8
上記のようにMeCblにより活性化されるRasはスーパーファミリーのうち主にM-Rasであると考えられたため、次のような試験を行って確認した。
上記のようにMeCblにより活性化されるRasはスーパーファミリーのうち主にM-Rasであると考えられたため、次のような試験を行って確認した。
<M-Ras遺伝子の過剰発現におけるMeCblの作用>
M-Rasの過剰発現はOrigene社から購入したプレデザインされたプラスミドDNAを、マクロファージJ774A.1細胞へLipofectamine 3000 (ThermoFisher)を用いてトランスフェクションした。細胞内シグナル検証のため、トランスフェクション後48時間でMeCblの投与を行い、その30分後にタンパク質収集を行った。M2マーカー発現検証の場合は、トランスフェクションと同時にIL-4及びMeCblの投与を行い、その48時間後にタンパク質収集を行った。
M-Rasの過剰発現はOrigene社から購入したプレデザインされたプラスミドDNAを、マクロファージJ774A.1細胞へLipofectamine 3000 (ThermoFisher)を用いてトランスフェクションした。細胞内シグナル検証のため、トランスフェクション後48時間でMeCblの投与を行い、その30分後にタンパク質収集を行った。M2マーカー発現検証の場合は、トランスフェクションと同時にIL-4及びMeCblの投与を行い、その48時間後にタンパク質収集を行った。
実施例8の結果の一例を図14~16に示す。MeCblを加えないM-Ras過剰発現のみでもAktリン酸化が促進されており、ERKに関しては影響を受けなかった(図14)。実際にM2マクロファージの表現型タンパク質の発現が更新するのかをウェスタンブロッティングで評価したところ、IL-4単独投与に比し、IL-4投与に加えてM-Rasを過剰発現させた場合の方がM2マーカーであるArg1及びCD206の発現量は有意に上昇し、その程度はIL-4及びMeCblを投与した場合と同等であった。また、IL-4及びMeCbl投与に加えM-Rasを過剰発現させた場合にはArg1及びCD206の発現量の相乗的な上昇は見られなかった(図15及び16)。これらの結果から、実施例7の結果と同様に、MeCblのAktリン酸化促進効果はRasファミリーのうち主にM-Rasを介していると考えられた。
以上の結果から、本発明に係るビタミンB12を有効成分とする医薬組成物は、血管内皮細胞遊走作用、脈管形成促進作用を有し、さらにPI3K、Akt、mTORのリン酸化促進作用を示し、血管新生に関与しているPI3K-Akt-mTOR経路賦活化作用を有することが示された。また、本医薬組成物はメチル化サイクルとIcmtの働きを介したAkt経路活性化作用やRASタンパク発現活性化作用、マクロファージのRas活性化作用、M-Ras活性化作用等を有するため、末梢神経損傷等の組織損傷の受傷後初期における血管新生促進剤として有用性が高いものである。さらに、糖尿病や老化等では創傷治癒が遅延するので、そのような組織創傷の治癒を促進する血管新生促進剤としても本医薬組成物は利用できる。
Claims (13)
- ビタミンB12を含有する、血管新生促進用医薬組成物。
- 血管新生促進が血管内皮細胞の遊走促進及び/又は脈管の形成促進によるものである請求項1に記載の血管新生促進用医薬組成物。
- 血管新生促進が細胞内シグナル伝達経路におけるRasの活性化によるものである請求項1に記載の血管新生促進用医薬組成物。
- RasがM-Rasである請求項3に記載の血管新生促進用医薬組成物。
- 細胞が血管内皮細胞及び/又はマクロファージである請求項3に記載の血管新生促進用医薬組成物。
- 組織損傷の治療に用いられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の血管新生促進用医薬組成物。
- 末梢神経損傷の治療に用いられる、請求項6に記載の血管新生促進用医薬組成物。
- 創傷治癒促進に用いられる、請求項6に記載の血管新生促進用医薬組成物。
- ビタミンB12がメチルコバラミンである請求項1~5のいずれか一項に記載の血管新生促進用医薬組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の血管新生促進用医薬組成物の製造のための、ビタミンB12の使用。
- 血管新生促進による組織損傷の治療における使用のための、ビタミンB12含有医薬組成物。
- 組織損傷の治療が末梢神経損傷の治療である、請求項11に記載のビタミンB12含有医薬組成物。
- 組織損傷の治療が創傷治癒の促進である、請求項11に記載のビタミンB12含有医薬組成物。
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