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JP2025088138A - 樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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JP2025088138A
JP2025088138A JP2023202622A JP2023202622A JP2025088138A JP 2025088138 A JP2025088138 A JP 2025088138A JP 2023202622 A JP2023202622 A JP 2023202622A JP 2023202622 A JP2023202622 A JP 2023202622A JP 2025088138 A JP2025088138 A JP 2025088138A
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裕樹 篠▲崎▼
Hiroki Shinozaki
篤 北川
Atsushi Kitagawa
準 水谷
Jun Mizutani
凛 二塚
Rin Futatsuka
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Abstract

Figure 2025088138000001
【課題】本開示は、樹脂組成物の流動性を向上し、かつ硬化物の耐クラック性を向上しうる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、液状の芳香族アミン化合物(B)と、無機充填材(C)と、を含有する。エポキシ化合物(A)は、液状エポキシ化合物(A1)と、固形状エポキシ化合物(A2)とを含有する。固形状エポキシ化合物(A2)は、イソシアネート変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である固形状エポキシ樹脂(a)を含有する。樹脂組成物の、25℃における粘度が400Pa・s以下である。
【選択図】図1

Description

本開示は、一般に、樹脂組成物、及び半導体装置に関し、詳細には、エポキシ化合物を含有する樹脂組成物、及び樹脂組成物から作製される封止部を備える半導体装置に関する。
特許文献1には、アミノフェノール型エポキシ樹脂を含む液状エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、シリカフィラーおよびシランカップリング剤を含有し、液状エポキシ樹脂100質量部に対して、アミノフェノール型エポキシ樹脂を10.0~70質量部を含み、アミン系硬化剤が、液状エポキシ樹脂:1当量に対して、0.7~1.2当量の比率であり、硬化後のガラス転移温度が、110~200℃である液状エポキシ樹脂組成物が、開示されている。特許文献1には、この液状エポキシ樹脂組成物が、ファインピッチの配線パターンを有するフリップチップ型半導体装置への注入性に優れ、かつ硬化後にフィレットクラックを抑制することが、記載されている。
特許第6969729号公報
半導体装置が大型化すると、半導体装置における封止部に衝撃、応力又は熱による負荷が加えられた場合に破損しやすくなる。この場合、封止部には更なる耐クラック性が要求される。
本開示の課題は、硬化物の耐クラック性を高めうる樹脂組成物、及びこの樹脂組成物の硬化物を含む封止部を備える半導体装置を提供することである。
本開示の一態様に係る樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、液状の芳香族アミン化合物(B)と、無機充填材(C)と、を含有する。前記エポキシ化合物(A)は、液状エポキシ化合物(A1)と、固形状エポキシ化合物(A2)とを含有する。固形状エポキシ化合物(A2)は、イソシアネート変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である固形状エポキシ樹脂(a)を含有する。前記樹脂組成物の、25℃における粘度が400Pa・s以下である。
本開示の一態様に係る半導体装置は、基板と、前記基板に実装されている半導体素子と、前記基板と前記半導体との隙間に充填されている封止部とを備える。前記封止部が、前記樹脂組成物の硬化物を含む。
本開示の一態様によると、硬化物の耐クラック性を高めうる樹脂組成物、及びこの樹脂組成物の硬化物を含む封止部を備える半導体装置が、提供されうる。
図1は、本開示の実施形態における半導体装置の断面図である。
1.概要
本開示の実施形態について説明する。なお、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。また、下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下において参照する図は、模式的な図であり、図中の構成要素の寸法比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。下記に、実施形態における作用機序を説明することがあるが、この作用機序の説明は推測に基づく説明を含んでおり、本開示は作用機序の説明には拘束されない。
実施形態の樹脂組成物(以下、組成物(X)ともいう)は、エポキシ化合物(A)と、液状の芳香族アミン化合物(B)と、無機充填材(C)と、を含有する。エポキシ化合物(A)は、液状エポキシ化合物(A1)と、固形状エポキシ化合物(A2)とを含有する。固形状エポキシ化合物(A2)は、イソシアネート変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である固形状エポキシ樹脂(a)を含有する。組成物(X)の25℃における粘度が400Pa・s以下である。
実施形態によると、組成物(X)の硬化物の耐クラック性が向上しうる。
組成物(X)は、半導体装置を作製するために用いられうる。より詳細には、組成物(X)は、半導体装置が備える封止部を作製するために用いられうる。特に、組成物(X)は、半導体素子が基板にフリップチップ実装された場合の、半導体素子が基板に充填される封止部を作製するために好適に用いられうる。つまり、組成物(X)はアンダーフィル材として好適に用いられうる。この場合、封止部の作製時に組成物(X)が半導体素子と基板との間で流動しやすく、そのため半導体装置の製造効率が高まり、かつ封止部の未充填が抑制されうる。さらに、封止部に衝撃、応力又は熱による負荷等が加えられた場合に封止部にクラックが生じにくい。そのため半導体装置の信頼性が高まりうる。
なお、組成物(X)の用途は、半導体素子の封止のみに限定されない。組成物(X)は、半導体素子の封止以外の種々の用途に用いられうる。
以下、実施形態について、より詳細に説明する。
2.組成物
組成物(X)は、上述のとおり、エポキシ化合物(A)と、液状の芳香族アミン化合物(B)と、無機充填材(C)と、を含有する。
エポキシ化合物(A)は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物を含有することが好ましい。この場合、エポキシ化合物(A)と、芳香族アミン(B)との反応性がより高められうる。その結果、組成物(X)の硬化物の耐熱性と耐クラック性とが、より高まりうる。
エポキシ化合物(A)は、上述のとおり、液状エポキシ化合物(A1)と、固形状エポキシ化合物(A2)とを含有する。液状とは、25℃で流動性を有することをいう。固形状とは、25℃で流動性を有さないことをいう。液状エポキシ化合物(A1)は、組成物(X)に流動性を付与しうる。エポキシ化合物(A)は、液状エポキシ化合物(A1)と固形状エポキシ化合物(A2)とが混合することで、全体として液状であることが好ましい。この場合、エポキシ化合物(A)は、組成物(X)に良好な流動性を付与しうる。
エポキシ化合物(A)の25℃での粘度が、100Pa・s以下であることが好ましい。粘度が50Pa・s以下であればより好ましく、20Pa・s以下であれば更に好ましい。また、エポキシ化合物(A)の25℃での粘度は、例えば0.01Pa・s以上である。この粘度が0.02Pa・s以上であればより好ましい。
液状エポキシ化合物(A1)の25℃での粘度は、100Pa・s以下であることが好ましい。粘度が50Pa・s以下でればより好ましく、20Pa・s以下であれば更に好ましい。また、液状エポキシ化合物(A1)の25℃での粘度は、例えば0.01Pa・s以上である。この粘度が0.02Pa・s以上であればより好ましい。
液状エポキシ化合物(A1)は、例えば、p-アミノフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂及び水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を代表とするフェノール類とアルデヒド類との反応により得られるノボラック樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂、フタル酸及びダイマー酸等の多塩基酸とエピクロロヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アミノジフェニルメタン及びイソシアヌル酸等のアミン化合物とエピクロロヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、並びにシリコーン変性エポキシ樹脂(b)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
液状エポキシ化合物(A1)は、シリコーン変性エポキシ樹脂(b)を含有することが好ましい。この場合、組成物(X)の流動性が、より高まりうる。さらに、シリコーン変性エポキシ樹脂(a1)は、組成物(X)の硬化物のガラス転移温度を低めにくく、かつ加熱下における硬化物の重量減少を生じさせにくい。これは、シリコーン変性エポキシ樹脂(a1)の有するシリコーン骨格が高い耐熱性を持ち、かつシリコーン骨格中のケイ素と酸素との結合がシリコーン変性エポキシ樹脂(a1)の分子鎖を柔軟にすることで組成物(X)を低粘度化させるためであると考えられる。
液状エポキシ化合物(A1)は、シリコーン変性エポキシ樹脂(b)を含有する場合の、シリコーン変性エポキシ樹脂(b)の量は、エポキシ化合物(A)100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下であることが好ましい。この量が5質量部以上であると、組成物(X)の流動性が、より高まりうる。この量は7質量部以上であればより好ましく、10質量部以上であれば更に好ましい。この量が30質量部以下であれば組成物(X)を加熱させて硬化させる時における重量減少がより抑制されうるという利点がある。この量が25質量部以下であればより好ましく、20質量部以下であれば更に好ましい。
液状エポキシ化合物(A1)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、p-アミノフェノール型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも一種を含有することも好ましい。この場合、組成物(X)の硬化性が特に高められうる。
液状エポキシ化合物(A1)は、市販品を含有してもよい。例えば液状エポキシ化合物(A1)は、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名:YDF-8170C、エポキシ当量:155~165g/eq)、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名:YD-128、エポキシ当量:184~194g/eq)、及び三菱ケミカル株式会社製多官能型エポキシ樹脂(品名:jER-630、エポキシ当量:90~105g/eq)等よりなる群から選択される少なくとも一種を含有してよい。
液状エポキシ化合物(A1)は、100g/eq.以上のエポキシ当量を有する液状エポキシ化合物(A11)を含有することが好ましい。この場合、硬化物の耐クラック性が、より向上しうる。これは、硬化物の架橋密度が適度に低くなるためと考えられる。なお、この液状エポキシ化合物(A11)には、上記のシリコーン変性エポキシ樹脂(b)が含まれてもよく、含まれなくてもよい。液状エポキシ化合物(A11)のエポキシ当量が160g/eq.以上であれば、より好ましい。このエポキシ当量は、例えば1000g/eq.以下であり、500g/eq.以下であればより好ましい。
液状エポキシ化合物(A1)の全体のエポキシ当量(平均エポキシ当量)が、100g/eq.以上であることも、好ましい。この場合、硬化物の耐クラック性が、より向上しうる。これは、硬化物の架橋密度が適度に低くなるためと考えられる。液状エポキシ化合物(A1)のエポキシ当量が160g/eq.以上であれば、より好ましい。このエポキシ当量は、例えば1000g/eq.以下であり、500g/eq.以下であればより好ましい。
固形状エポキシ化合物(A2)は、上述のとおり、イソシアネート変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である固形状エポキシ樹脂(a)を含有する。
イソシアネート変性エポキシ樹脂は、分子中にイソシアネート基から形成された構造を有するエポキシ樹脂である。イソシアネート基から形成された構造とは、例えばオキサゾリドン環、イソシアヌレート環、ウレタン結合、又はカーボネート結合等である。ナフタレン型エポキシ樹脂とは分子中にナフタレン環を有するエポキシ樹脂であり、ビフェニル型エポキシ樹脂とは分子中にビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂である。
固形状エポキシ樹脂(a)は、硬化物の耐クラック性を向上でき、かつ硬化物のガラス転移温度を高めることができる。例えばアミノフェノール型エポキシ樹脂によって硬化物の耐クラック性が向上しうることが報告された例はあるが、半導体装置の大型化に伴い、封止部には更なる耐クラック性が要求される。実施形態では、固形状エポキシ化合物(A2)が固形状エポキシ樹脂(a)を含有することで、硬化物の耐クラック性が向上する。すなわち、エポキシ化合物(A)に含まれる成分が選択されることで、硬化物の耐クラック性が向上しうる。その理由は十分には明らかになっていないが、固形状エポキシ樹脂(a)が硬化物の架橋密度を適度に低め、このことが硬化物の柔軟性向上による耐クラック性向上に寄与すると、考えられる。さらに、更に固形状エポキシ樹脂(a)は、硬化物のガラス転移温度を高めうる。これは、固形状エポキシ樹脂(a)が剛直な分子構造を有するためと考えられる。
イソシアネート変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂の、各々のエポキシ当量は、180g/eq.以上であることが好ましい。この場合、硬化物の耐クラック性が、より向上しうる。このエポキシ当量は、200g/eq以上であればより好ましく、220g/eq以上であれば更に好ましい。また、このエポキシ当量は、例えば1000g/eq以下であり、500g/eq以下であればより好ましい。
固形状エポキシ樹脂(a)の全体のエポキシ当量(平均エポキシ当量)が、180g/eq.以上であることも好ましい。この場合、硬化物の耐クラック性が、より向上しうる。このエポキシ当量は、200g/eq以上であればより好ましく、220g/eq以上であれば更に好ましい。また、このエポキシ当量は、例えば1000g/eq以下であり、500g/eq以下であればより好ましい。
エポキシ化合物(a)の割合は、エポキシ化合物(A)100質量部に対して3質量部以上30質量部以下であることが好ましい。この割合が3質量部以上であれば、硬化物の耐クラック性をより向上し、かつ硬化物のガラス転移温度をより高めうる。この割合が5質量部以上であればより好ましく、10質量部以上であれば更に好ましい。この割合が30質量部以下であれば、組成物(X)の流動性が高まりうる。この割合が25質量部以下であればより好ましく、20質量部以下であれば更に好ましい。
固形状エポキシ化合物(A2)は、エポキシ化合物(a)のみを含有してもよく、エポキシ化合物(a)に加えて、エポキシ化合物(a)以外の化合物(以下、エポキシ化合物(c)ともいう)を含有してもよい。固形状エポキシ化合物(A2)がエポキシ化合物(c)を含有する場合、エポキシ化合物(c)の割合は、例えば固形状エポキシ化合物(A2)100質量部に対して20質量部以下であり、好ましくは10質量部以下である。
固形状エポキシ化合物(A2)の量は、エポキシ化合物(A)100質量部に対して、3質量部以上30質量部以下であることが好ましい。この量が3質量部以上であれば、硬化物の耐クラック性をより向上し、かつ硬化物のガラス転移温度をより高めうる。この量が5質量部以上であればより好ましく、10質量部以上であれば更に好ましい。この量が30質量部以下であれば、組成物(X)の流動性が高まりうる。この量が25質量部以下であればより好ましく、20質量部以下であれば更に好ましい。
芳香族アミン(B)は、上述のとおり、液状である。芳香族アミン(B)に含まれる成分が全て液状であってもよく、芳香族アミン(B)が液状の成分と固形状の成分とを含有し、前記成分が混合することで芳香族アミン(B)が全体として液状であってもよい。液状の芳香族アミン(B)は、組成物(X)に流動性を付与しうる。
芳香族アミン(B)は、1分子中にアミノ基を2つ以上有する芳香族アミン(C1)を含有することが好ましい。この場合、エポキシ化合物(A)と、芳香族アミン(B)との反応性がより高まりうる。その結果、組成物(X)の硬化性がより高まりながら、かつ組成物(X)の硬化物の耐熱性がより高まりうる。
芳香族アミン(B)は、例えば、m-キシリレンジアミン等の脂肪芳香族アミン、メタフェニレンジアミン、1,3-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノトルエン、3,5-ジエチル-2,4-ジアミノトルエン、3,5-ジエチル-2,6-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノアニソール、及びジメチルチオトルエンジアミン等の芳香環が1個の芳香族アミン、2,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-メチレンビス(2-エチルアニリン)、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン及びポリテトラメチレンオキシドジパラアミノベンゾエート等の芳香環が2個の芳香族アミン、芳香族ジアミンとエピクロロヒドリンとの縮合物、並びに芳香族ジアミンとスチレンとの反応生成物等よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
芳香族アミン(B)は、ジエチルトルエンジアミン及びジメチルチオトルエンジアミン等よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが特に好ましい。この場合、組成物(X)の保存安定性がより高まりうる。
芳香族アミン(B)は、市販品を含有してもよい。例えば芳香族アミン(B)は、日本化薬株式会社製アミン硬化剤(品名:KAYAHARD A-A、アミン活性水素当量:63.5g/eq)、及び株式会社ADEKA製変性芳香族アミン硬化剤(品名:EH-105L、アミン活性水素当量:61g/eq)等よりなる群から選択される少なくとも一種を含有しうる。
芳香族アミン(B)のアミン活性水素当量は、例えば20g/eq.以上500g/eq.以下である。この場合、エポキシ化合物(A)と芳香族アミン(B)との反応性が高まりうる。なお、アミン活性水素当量とは、アミン活性水素を1モル含む芳香族アミン(B)の質量(g)を意味する。芳香族アミン(B)のアミン活性水素当量は例えば30g/eq.以上が好ましい。芳香族アミン(B)のアミン活性水素当量は例えば100g/eq.以下が好ましい。
エポキシ化合物(A)のエポキシ基に対する芳香族アミン(B)のアミン活性水素の当量比が0.6以上1.4以下であることが好ましい。この場合、エポキシ化合物(A)と、芳香族アミン(B)とが効率よく反応しうる。このため、硬化物のガラス転移温度が適度に高まり、かつ硬化物の耐クラック性も高まりうる。この当量が0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが更に好ましい。この当量比が1.3以下であることも、より好ましい。
無機充填材(C)は、硬化物の低線膨張係数化に寄与でき、これにより半導体装置の反り及び破損の抑制に寄与できる。無機充填材(C)は、硬化物の熱伝導性向上にも寄与でき、これにより半導体装置の放熱性が高まりうる。
無機充填材(C)は、例えば、溶融シリカ、合成シリカ、結晶シリカ、中空シリカといったシリカ;アルミナ、酸化チタンといった金属酸化物;タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスといったケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトといった炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムといった水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムといった硫酸塩又は亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムといったホウ酸塩;並びに窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素といった窒化物からなる群から選択される一種以上の材料を含有できる。溶融シリカは、溶融球状シリカと溶融破砕シリカとのうちいずれでもよい。
無機充填材(C)は、特にシリカを含有することが好ましい。この場合、シリカは、硬化物の高弾性化、低線膨張係数化、及び低誘電正接化に、特に寄与できる。
無機充填材(C)の粒子形状は、破砕状、針状、鱗片状、球状などでよく、特に限定されない。組成物(X)中での無機充填材(C)の分散性向上、並びに組成物(X)の粘度制御のためには、無機充填材(C)の粒子形状は球状であることが好ましい。
無機充填材(C)の粒子には表面処理剤による表面処理が施されていることが好ましい。この場合、組成物(X)中における無機充填材(C)の分散性が高まりうる。これにより、無機充填材(C)による組成物(X)の流動性の低下が抑制されうる。表面処理剤は、例えばシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類及びアルミニウム/ジルコニウム系化合物等よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
シラン系化合物は、例えば、アミノ基を有するシラン化合物、エポキシシラン、メルカプトシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン及びビニルシラン等よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
具体的には、シラン系化合物は、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N,N-ジメチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N,N-ジエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N,N-ジブチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N-メチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N-エチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N,N-ジメチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N,N-ジエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N,N-ジブチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N-メチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N-エチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N,N-ジメチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(N,N-ジエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(N,N-ジブチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(N-メチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(N-エチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N-(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン及びγ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
無機充填材(C)の平均粒子径は、例えば0.1μm以上70μm以下である。この場合、組成物(X)が良好な流動性を有しうる。無機充填材(C)の平均粒子径は、0.3μm以上であることがより好ましい。無機充填材(C)の平均粒子径は、20μm以下であることも、より好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による粒度分布の測定値から算出される体積基準のメジアン径であり、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定されうる。
無機充填材(C)は、0.1μm超15μm以下の平均粒径を有する第一の無機充填材(C1)と、0.1μm以下の平均粒径を有する第二の無機充填材(C2)と、を含有することが好ましい。この場合、無機充填材(C)による組成物(X)の粘度上昇が、更に抑制されうる。これにより、組成物(X)が、より良好な流動性を有しうる。
第一の無機充填材(C1)の平均粒径は、0.3μm以上であればより好ましく、0.5μm以上であれば更に好ましい。第一の無機充填材(C1)の平均粒径は、5μm以下であればより好ましく、2μm以下であれば更に好ましい。第二の無機充填材(C2)の平均粒径は、5nm以上であればより好ましく、10nm以上であれば更に好ましい。第二の無機充填材(C2)の平均粒径は、80nm以下であればより好ましく、60nm以下であれば更に好ましい。
無機充填材(C)が第一の無機充填材(C1)と第二の無機充填材(C2)とを含有する場合、第二の無機充填材(C2)の量は、第一の無機充填材(C1)100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)の粘度上昇が、更に抑制されうる。第二の無機充填材(C2)の量が2質量部以上であればより好ましい。第二の無機充填材(C2)の量が8質量部以下であることもより好ましい。
第一の無機充填材(C1)は、シリカを含有してよく、シリカのみを含有してもよい。第二の無機充填材(C2)も、シリカを含有してよく、シリカのみを含有してもよい。
第一の無機充填材(C1)が、フェニルアミノシラン化合物、フェニルシラン化合物、エポキシシラン化合物、メタクリルシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも一種で表面処理されているシリカを含有することが、特に好ましい。この場合、組成物(X)の流動性がより向上し、かつ組成物(X)の保存安定性がより高まりうる。エポキシ化合物(A)、芳香族アミン化合物(B)及び無機充填材(C)を含有する組成物(X)において、無機充填材(C)が表面処理剤で処理されていると、保存安定性が低下することがある。しかし、第一の無機充填材(C1)が、前記のいずれかのシラン化合物で表面処理されているシリカを含有すれば、組成物(X)の保存安定性の低下が抑制されうる。フェニルアミノシラン化合物は、例えばN-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等を含有する。フェニルシラン化合物は、例えばフェニルトリメトキシシラン等を含有する。エポキシシラン化合物は、例えば3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する。メタクリルシラン化合物は、例えば3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン及び3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
無機充填材(C)に対する第一の無機充填材(C1)及び第二の無機充填材(C2)の合計の割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であればより好ましく、90質量%以上であれば更に好ましい。無機充填材(C)が、第一の無機充填材(C1)及び第二の無機充填材(C2)のみを含有してもよい。
無機充填材(C)の割合は、組成物(X)の全量に対して40質量%以上80質量%以下であることが好ましい。無機充填材(C)の割合が40質量%以上であると組成物(X)の線膨張係数がより低められうる。これにより、組成物(X)の硬化物の耐クラック性が高められうる。無機充填材(C)の割合が80質量%以下であると、組成物(X)が良好な流動性を有しうる。無機充填材(C)の割合が42質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることが更に好ましい。無機充填材(C)の割合が75質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。
組成物(X)が、ゴム粒子(D)を含有してもよい。組成物(X)がゴム粒子(D)を含有すると、硬化物が低弾性率化し、硬化物の耐クラック性が、より高まりうる。
ゴム粒子(D)は、シリコーンゴム粒子とブタジエンゴム粒子とのうち、少なくとも一方を含有することが好ましい。硬化物をより低弾性率化させやすい。
シリコーンゴム粒子は、例えばシリコーン系のコアシェル粒子、具体的には、カネカ株式会社製の品名カネエース(登録商標)MX-962等の市販品等を含有しうるが、これに限定されない。ブタジエンゴム粒子は、例えばブタジエン系のコアシェル粒子、具体的にはカネカ株式会社製の品名カネエース(登録商標)MX-136等の市販品等を含有しうるが、これに限定されない。
組成物(X)に対するゴム粒子(D)の割合は、0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。割合が0.1質量%以上であれば、硬化物の耐クラック性が特に高まり得る。この割合が0.3質量%以上であればより好ましく、0.5質量%以上であれば更に好ましい。ゴム粒子(E)の割合が3.0質量%以下であれば組成物(X)の粘度上昇を招きにくいという利点がある。この割合が2.5質量%以下であればより好ましく、2.0質量%以下であれば更に好ましい。
組成物(X)が、有機リン化合物(E)を含有してもよい。組成物(X)が有機リン化合物(E)を含有すると、組成物(X)の保存安定性が、より高まりうる。
有機リン化合物(E)は、例えばトリフェニルホスフィン、ジフェニル(p-トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、及びトリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン等よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
組成物(X)に対する有機リン化合物(E)の割合は、0.03質量%以上0.70質量%以下であることが好ましい。割合が0.03質量%以上であれば、組成物(X)の保存安定性がより向上しうる。この割合が0.05質量%以上であればより好ましく、0.10質量%以上であれば更に好ましい。有機リン化合物(E)の割合が0.70質量%以下であれば、硬化物のガラス転移温度の低下が抑制され、すなわち硬化物の耐熱性低下が抑制されうるという利点がある。この割合が0.60質量%以下であればより好ましく、0.50質量%以下であれば更に好ましい。
組成物(X)が、アルミニウム錯体(F)を含有してもよい。組成物(X)がアルミニウム錯体(F)を含有すると、組成物(X)の流動性が、より高まりうる。
アルミニウム錯体(F)は、例えばアルミニウムトリスアセチルアセトネートおよびアルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート等よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
エポキシ化合物(A)と芳香族アミン化合物(B)との合計に対するアルミニウム錯体(F)の割合は、0.03質量%以上0.30質量%以下であることが好ましい。割合が0.03質量%以上であれば、組成物(X)の流動性がより向上しうる。この割合が0.05質量%以上であればより好ましく、0.10質量%以上であれば更に好ましい。アルミニウム錯体(F)の割合が0.30質量%以下であれば組成物(X)の保存安定性の悪化が抑制されうるという利点がある。この割合が0.25質量%以下であればより好ましく、0.20質量%以下であれば更に好ましい。
組成物(X)は、必要に応じて、上記成分以外の添加剤を含有してもよい。添加剤は、組成物(X)に関する上述の特性を過度に損なわない範囲で含有されることが好ましい。
添加剤は、例えば樹脂改質剤、酸化防止剤、硬化助剤、カップリング剤、着色剤、揺変剤、イオントラップ剤、消泡剤、レベリング剤及び酸化防止剤等よりなる群から選択される少なくとも一種を含有しうる。
組成物(X)は、溶剤を含有せず、又は不可避的に混入する微量の溶剤のみを含有することが、好ましい。
組成物(X)の25℃における粘度は、400Pa・s以下である。このため、組成物(X)は、良好な流動性を有しうる。この粘度は200Pa・s以下であればより好ましく、120Pa・s以下であれば更に好ましい。また、組成物(X)の25℃における粘度は、例えば5Pa・s以上であり10Pa・s以上であってもよい。この組成物(X)の粘度は、組成物(X)の組成を、上述の説明の範囲内で適宜設定することで、実現されうる。粘度の測定方法は、実施例の欄で説明される。
組成物(X)の硬化物のガラス転移温度は、80℃以上であることが好ましい。この場合、硬化物が良好な耐熱性を有しうる。ガラス転移温度は、100℃以上であればより好ましく、130℃以上であれば更に好ましい。また、ガラス転移温度は、例えば180℃以下である。ガラス転移温度の測定方法は、実施例の欄で説明される。
3.半導体装置
図1に、半導体装置1の一例を示す。実施形態における組成物(X)は、半導体封止用である。すなわち、組成物(X)から、半導体装置1における封止部5が作製されうる。封止部5は、半導体装置1における半導体素子3の一部又は全部を覆うことで半導体素子3を保護する部品である。
組成物(X)は、アンダーフィル材として使用されうる。アンダーフィル材とは、基板2と基板2に表面実装されている半導体素子3との隙間に充填されている封止部5を作製するための材料である。すなわち、この場合の半導体装置1は、基板2と、基板2に実装されている半導体素子3と、基板2と半導体素子3との隙間に充填されている封止部5とを備え、封止部5は、組成物(X)の硬化物を含む。
基板2は、例えばガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ポリエステル基板又はセラミック基板などの絶縁基板と、絶縁基板上に重なる導体配線21とを備える。導体配線21は例えば電極パッドを含む。基板2は、例えばマザー基板、パッケージ基板又はインターポーザー基板である。
半導体素子3は、表面実装型の適宜の素子であればよい。半導体素子3は、基板2と対向する面に、バンプ電極31を備える。半導体素子3は、ベアチップであってもよく、パッケージ部品であってもよく、ウエハレベルパッケージであってもよい。半導体素子3は、例えばBGA(ボール・グリッド・アレイ)、LGA(ランド・グリッド・アレイ)、又はCSP(チップ・サイズ・パッケージ)などの、フリップチップ型のチップである。半導体素子3は、PoP(パッケージ・オン・パッケージ)型のチップであってもよい。
半導体素子3が、基板2に表面実装されている。詳しくは、半導体素子3におけるバンプ電極31を有する面と、基板2とが対向し、半導体素子3におけるバンプ電極31と基板2における導体配線21の電極パッドとがはんだバンプ4で接合され、かつバンプ電極31と電極パッドとがはんだバンプ4で電気的に接続されている。なお、半導体素子3と基板2との間に隙間があくように半導体素子3が基板2に実装されていれば、半導体素子3と基板2との接続の態様は前記に限られない。
封止部5は、半導体素子3と基板2との隙間に充填され、このためバンプ電極31、はんだバンプ4及び導体配線21の電極パッドが、封止部5に埋められる。
実施形態では、組成物(X)が高いガラス転移温度を有しうるため、半導体装置1が高い耐熱性を有しうる。
半導体装置1の製造方法の例について説明する。まず、上記の基板2、半導体素子3及び組成物(X)を用意する。
基板2に半導体素子3を表面実装する。具体的には、半導体素子3におけるバンプ電極31を有する面と、基板2とを対向させ、半導体素子3におけるバンプ電極31と基板2における導体配線21の電極パッドとの間にはんだバンプ4を介在させる。はんだバンプ4に含まれるはんだは、例えばSn-3.5Ag(融点221℃)、Sn-2.5Ag-0.5Cu-1Bi(融点214℃)、Sn-0.7Cu(融点227℃)、又はSn-3Ag-0.5Cu(融点217℃)などの、融点210℃以上の鉛フリーはんだである。この状態で、リフロー加熱などの適宜の加熱方式により、はんだバンプ4を加熱して溶融させてから固化させる。加熱温度は、はんだバンプ4に応じて、はんだバンプ4が溶融するように適宜設定されるが、例えば最高加熱温度が180℃以上300℃以下である。これにより、導体配線21と電極パッドとをはんだバンプ4で接合し、かつ導体配線21と電極パッドとをはんだバンプ4で電気的に接続する。
次に、半導体素子3と基板2との間に隙間に組成物(X)をディスペンサ等で注入する。組成物(X)は半導体素子3と基板2との間の隙間を毛細管現象により流動する。組成物(X)を流動させる際、必要に応じ、組成物(X)を加熱することで組成物(X)の粘度を低下させてもよい。この場合の組成物(X)の加熱温度は、例えば80℃以上130℃以下である。これにより、半導体素子3と基板2との間の隙間に組成物(X)が充填される。この状態で、組成物(X)を加熱することで硬化させる。この場合の加熱条件は、組成物(X)の組成に応じて適宜設定されるが、例えば加熱温度が80℃以上180℃以下、加熱時間が60分以上300分以下である。これにより、半導体素子3と基板2との間の隙間に、組成物(X)の硬化物を含む封止部5が作製される。
実施形態では、組成物(X)が高い流動性を有しうるため、半導体素子3と基板2との間における組成物(X)及び封止部5の未充填の発生が抑制されうる。
なお、半導体装置1の製造方法は、上記のみには制限されない。
4.態様
本開示の第1の態様に係る組成物(X)は、エポキシ化合物(A)と、液状の芳香族アミン化合物(B)と、無機充填材(C)と、を含有する。固形状エポキシ化合物(A2)は、イソシアネート変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である固形状エポキシ樹脂(a)を含有する。組成物(X)の25℃における粘度が400Pa・s以下である。
この態様によると、組成物(X)の硬化物の耐クラック性を高めることができる。
第2の態様では、第1の態様において、液状エポキシ化合物(A1)は、100g/eq.以上のエポキシ当量を有する液状エポキシ化合物(A11)を含有する。
この態様によると、組成物(X)の硬化物の耐クラック性を、より高めうる。
第3の態様では、第1又は第2の態様において、固形状エポキシ化合物(A2)の量が、エポキシ化合物(A)100質量部に対して、3質量部以上30質量部以下である。
この態様によると、組成物(X)の硬化物の耐クラック性をより高め、かつ硬化物のガラス転移温度をより高め、かつ組成物(X)の流動性を高めることができる。
第4の態様では、第1から第3のいずれか一の態様において、無機充填材(C)は、0.1μm超15μm以下の平均粒径を有する第一の無機充填材(C1)と、0.1μm以下の平均粒径を有する第二の無機充填材(C2)と、を含有する。第二の無機充填材(C2)の量が、第一の無機充填材(C1)100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
この態様によると、組成物(X)の流動性を、より高めることができる。
第5の態様では、第1から第4のいずれか一の態様において、第一の無機充填材(C1)が、フェニルアミノシラン化合物、フェニルシラン化合物、エポキシシラン化合物、メタクリルシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも一種で表面処理されているシリカを含有する。
この態様によると、組成物(X)の流動性と保存安定性とを高めることができる。
第6の態様では、第1から第5のいずれか一の態様において、液状エポキシ化合物(A1)が、シリコーン変性エポキシ樹脂(b)を含有する。
この態様によると、組成物(X)の流動性を高めることができる。
第7の態様では、第6の態様において、シリコーン変性エポキシ樹脂(b)の量は、エポキシ化合物(A)100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下である。
この態様によると、組成物(X)の流動性を高めることができる。
第8の態様では、第1から第7のいずれか一の態様において、組成物(X)は、ゴム粒子(D)を更に含有する。
この態様によると、硬化物の耐クラック性をより高めることができる。
第9の態様では、第8の態様において、ゴム粒子(D)は、ブタジエンゴム粒子とシリコーンゴム粒子とのうち少なくとも一方を含有する。
この態様によると、硬化物の耐クラック性をより高めることができる。
第10の態様では、第1から第9のいずれか一の態様において、組成物(X)は、有機リン化合物(E)を更に含有する。
この態様によると、組成物の流動性を高めることができる。
第11の態様では、第1から第10のいずれか一の態様において、組成物(X)は、半導体封止用である。
第12の態様では、第1から第11のいずれか一の態様において、組成物(X)は、アンダーフィル材である。
第13の態様に係る半導体装置(1)は、基板(2)と、基板(2)に実装されている半導体素子(3)と、基板(2)と半導体素子(3)との隙間に充填されている封止部(5)とを備える。封止部(5)は、第1から第12のいずれか一の態様の樹脂組成物の硬化物を含む、
以下、実施形態についての具体的な実施例について説明する。なお、本開示はこれらの実施例によって限定されない。
1.組成物の調製
表1~3に示す成分を混合して、組成物を調製した。表1~3中の成分の詳細は下記のとおりである。
- 液状エポキシ化合物#1:日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製。品名YDF8170。液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂。エポキシ当量160g/eq。
- 液状エポキシ化合物#2:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製。品名TSL9906。液状のシリコーン変性エポキシ樹脂(両末端にグリシドキシプロピル基をもつシロキサンオリゴマー)。エポキシ当量181g/eq。
- 液状エポキシ化合物#3:株式会社ADEKA製。品名EP-3950S。液状のアミノフェノール型エポキシ樹脂。エポキシ当量94g/eq。
- 固形状エポキシ化合物#1:旭化成株式会社製。品名AER-4004。イソシアネート変性エポキシ樹脂。エポキシ当量390g/eq。
- 固形状エポキシ化合物#2:旭化成株式会社製。品名AER-4001。イソシアネート変性エポキシ樹脂。エポキシ当量290g/eq。
- 固形状エポキシ化合物#3:DIC株式会社製。品名EXA-7311-G4S。ナフタレン型エポキシ樹脂。エポキシ当量186g/eq。
- 固形状エポキシ化合物#4:日本化薬株式会社製。品名NC3000-L。ビフェニル型エポキシ樹脂。エポキシ当量240g/eq。
- 固形状エポキシ化合物#5:テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン。テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂。エポキシ当量168g/eq。
- 硬化剤:日本化薬株式会社製。品名KAYAHARD A-A。液状の芳香族アミン樹脂。アミン活性水素当量63.5g/eq。
- シリカ#1:N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランによる表面処理が施された、平均粒径0.4μmのシリカ。
- シリカ#2:フェニルトリメトキシシランによる表面処理が施された、平均粒径0.4μmのシリカ。
- シリカ#3:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランによる表面処理が施された、平均粒径0.4μmのシリカ。
- シリカ#4:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランによる表面処理が施された、平均粒径0.4μmのシリカ。
- シリカ#5:N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランによる表面処理が施された、平均粒径0.7μmのシリカ。
- シリカ#6:N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランによる表面処理が施された、平均粒径1.0μmのシリカ。
- シリカ#7:株式会社アドマテックス社製。品名YA-010A-JER。エポキシ当量160のビスフェノールF型エポキシ樹脂と平均粒径10nmのシリカとの混合物。シリカ濃度25質量%。
- ゴム粒子#1:株式会社カネカ製。品名MX-139。エポキシ当量160のビスフェノールF型エポキシ樹脂と、ポリブタジエンゴムをコアとしたコアシェル型ゴム粒子との混合物。ゴム粒子の濃度33質量%。
- ゴム粒子#2:株式会社カネカ製。品名MX-965。エポキシ当量160のビスフェノールF型エポキシ樹脂と、シリコーンゴムをコアとしたコアシェル型ゴム粒子との混合物。ゴム粒子の濃度25質量%。
- 有機リン化合物:トリフェニルホスフィン。
- アルミニウム錯体:川研ファインケミカル株式会社製。品名アルミキレートA。アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)。
- カップリング剤:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製。品名SILQUEST A-187 SILANE。3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン。
2.評価
組成物について、下記の評価を行った。その結果を表1~3に示す。
(1)25℃粘度
組成物の25℃での粘度を、B型回転粘度計(東機産業社製、TVB-10H)を使用し、回転数20rpmの条件で、測定した。
(2)ガラス転移温度
組成物を、100℃で2時間加熱してから165℃で2時間加熱することで硬化させ、5mm×50mm×2mmの寸法の評価用のサンプルを作製した。
このサンプルのガラス転移温度を、動的粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製、型番:DMA7100)を使用し、両持ち曲げモード、周波数10Hz、昇温速度10℃/分の条件で、測定した。
(3)110℃粘度
組成物の粘度の温度依存性を、レオメータ(Anton Paar社製、型番:MCR-102)を使用し、回転数1rpm、300μmギャップ、昇温速度5℃/分の条件で測定し、その結果から、組成物の110℃での粘度を読み取った。
この粘度が0.35Pa・s以下である場合は組成物の加熱時の流動性が良好であると評価でき、0.25Pa・s以下であると組成物の加熱時の流動性が特に良好であると評価できる。
(4)耐クラック性
25mm×25mm×775μmの寸法のシリコン基板上に、10mgの組成物をX字状に塗布した。この塗布後の組成物の上に7mm×7mm×775μmの寸法のシリコン基板を乗せた。この状態で、シリコン基板及び組成物を80℃で60秒加熱した後に25℃まで冷却した。これにより、二つのシリコン基板の間で組成物が濡れ広がり、7mm×7mm×775μmの寸法のシリコン基板の外周からは組成物のフィレットがはみ出した。このシリコン基板及び組成物を100℃で2時間加熱してから165℃で2時間加熱することで、評価用のサンプルを作製した。このサンプルを、175℃の恒温槽内に500時間配置してから、サンプルの外観を評価した。その結果、サンプルにおける組成物の硬化物のクラックが0~10本の場合を「良」、クラックが11本以上の場合を「不良」と評価した。
Figure 2025088138000002
Figure 2025088138000003
Figure 2025088138000004
1 半導体装置
2 基板
3 半導体素子
5 封止部

Claims (13)

  1. エポキシ化合物(A)と、
    液状の芳香族アミン化合物(B)と、
    無機充填材(C)と、を含有し、
    前記エポキシ化合物(A)は、液状エポキシ化合物(A1)と、固形状エポキシ化合物(A2)とを含有し、
    固形状エポキシ化合物(A2)は、イソシアネート変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である固形状エポキシ樹脂(a)を含有し、
    25℃における粘度が400Pa・s以下である、
    樹脂組成物。
  2. 前記液状エポキシ化合物(A1)は、100g/eq.以上のエポキシ当量を有する液状エポキシ化合物(A11)を含有する、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記固形状エポキシ化合物(A2)の量が、前記エポキシ化合物(A)100質量部に対して、3質量部以上30質量部以下である、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記無機充填材(C)は、0.1μm超15μm以下の平均粒径を有する第一の無機充填材(C1)と、
    0.1μm以下の平均粒径を有する第二の無機充填材(C2)と、を含有し、
    前記第二の無機充填材(C2)の量が、前記第一の無機充填材(C1)100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記第一の無機充填材(C1)が、フェニルアミノシラン化合物、フェニルシラン化合物、エポキシシラン化合物、メタクリルシラン化合物よりなる群から選択される少なくとも一種で表面処理されているシリカを含有する、
    請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記液状エポキシ化合物(A1)が、シリコーン変性エポキシ樹脂(b)を含有する、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 前記シリコーン変性エポキシ樹脂(b)の量は、前記エポキシ化合物(A)100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下である、
    請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. ゴム粒子(D)を更に含有する、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  9. 前記ゴム粒子(D)は、ブタジエンゴム粒子とシリコーンゴム粒子とのうち少なくとも一方を含有する、
    請求項8に記載の樹脂組成物。
  10. 有機リン化合物(E)を更に含有する、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  11. 半導体封止用である、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  12. アンダーフィル材である、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  13. 基板と、前記基板に実装されている半導体素子と、前記基板と前記半導体素子との隙間に充填されている封止部とを備え、
    前記封止部は、請求項1から12のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物を含む、
    半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2025254026A1 (ja) * 2024-06-05 2025-12-11 ナミックス株式会社 エポキシ樹脂組成物、硬化物、及び半導体装置

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