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JP2024110765A - 導電性フィルム - Google Patents

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JP2024110765A JP2023015547A JP2023015547A JP2024110765A JP 2024110765 A JP2024110765 A JP 2024110765A JP 2023015547 A JP2023015547 A JP 2023015547A JP 2023015547 A JP2023015547 A JP 2023015547A JP 2024110765 A JP2024110765 A JP 2024110765A
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Soichiro Yamanaka
一喜 中村
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Gunze Ltd
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Abstract

Figure 2024110765000001
【課題】幅広い用途に使用可能な導電性フィルムを提供する。
【解決手段】導電性フィルムは、樹脂と、この樹脂中に分散した導電性フィラーとを含む。この導電性フィルムの酸素透過度が8000[cm/(m・24h・atm)]以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性フィルムに関する。
特開2019-179732号公報(特許文献1)は、導電性フィルムを開示する。この導電性フィルムは、結晶性オレフィン系樹脂と、熱可塑性エラストマーと、導電性フィラーとを含んでいる。
特開2019-179732号公報
上記特許文献1に開示されている導電性フィルムのように、成形加工性及び耐薬品性等の観点から、導電性フィルムには樹脂が含まれる場合がある。また、導電性フィルムにおける導電性を高めるためには、導電性フィルムに比較的多量の導電性フィラーを含める必要がある。しかしながら、樹脂と比較的多量の導電性フィラーとを含む導電性フィルムは、脆くなり、気密性及び/又は液密性が低下し、流体の透過を遮断する性能(以下、バリア性ということがある)が低下してしまう傾向にある。その結果、そのような導電性フィルムは、用途が制限されてしまう。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、幅広い用途に使用可能な導電性フィルムを提供することである。
本発明のある局面に従う導電性フィルムは、樹脂と、樹脂中に分散した導電性フィラーとを含み、酸素透過度が8000[cm/(m・24h・atm)]以下である。
この導電性フィルムにおいては、酸素透過度が8000[cm/(m・24h・atm)]以下である。したがって、この導電性フィルムは、気体や液体などの流体の透過を遮断するバリア性が改善され、幅広い用途に使用することができる。
この導電性フィルムは、第1導電性フィラーが分散した第1樹脂層と、第1樹脂層上に形成されており、第2導電性フィラーが分散した第2樹脂層とを備えていてもよい。
この導電性フィルムは、第1樹脂層における第1導電性フィラーの体積パーセント濃度及び第2樹脂層における第2導電性フィラーの体積パーセント濃度は、6vol%以上であってもよい。
この導電性フィルムによれば、導電性フィラーの濃度が十分に高いため、導電性フィルムの電気抵抗値を低下させることができる。
本発明の他の局面に従う導電性フィルムの製造方法は、上記導電性フィルムの製造方法であって、樹脂と導電性フィラーとを含む材料を加熱溶融することによって溶融材料を製造するステップと、溶融材料をダイからダイのリップを介して押し出すステップと、ダイからリップを介して押し出された溶融材料を冷却ロールで巻き取るように受け取り、冷却ロールに接触させることによって溶融材料を冷却し導電性フィルムを製造するステップとを含む。リップと冷却ロールとの温度差は、250℃以下である。
この導電性フィルムの製造方法においては、ダイから押し出される溶融材料が通過するリップの温度と、リップを通過した後の溶融材料が接触する冷却ロールの温度との差が比較的小さい。その結果、この製造方法によれば、溶融材料の冷却が徐々に行なわれ、比較的結晶性の高い導電性フィルムを製造することができる。したがって、この製造方法によって製造された導電性フィルムは、気体や液体などの流体の透過を遮断するバリア性が改善され、幅広い用途に使用することができる。
本発明によれば、幅広い用途に使用可能な導電性フィルムを提供することができる。
第1実施の形態に従う導電性フィルムの断面を模式的に示す図である。 第1実施の形態に従う導電性フィルムの製造装置の構成を模式的に示す図である。 第2実施の形態に従う導電性フィルムの断面を模式的に示す図である。
以下、本発明の一側面に係るいくつかの実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
[1.第1実施の形態]
<1-1.導電性フィルムの構成>
図1は、第1実施の形態に従う導電性フィルム10の断面を模式的に示す図である。導電性フィルム10は、例えば、複写機やプリンタ等の帯電フィルムや除電フィルム、その他電気・電子機器や部品用の各種機能性フィルムとして用いられる。なお、導電性フィルム10には、コロナ、プラズマ、コーティング又はスパッタリング等の表面加工が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。導電性フィルム10の厚みは、例えば、25μm以上、100μm以下である。
導電性フィルム10は、樹脂と、樹脂中に分散した導電性フィラーとを含んでいる。なお、樹脂中には、分散剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤及び紫外線防止剤等の添加剤の一部又は全部がさらに分散して含まれていてもよい。
図1に示すように、第1実施の形態に従う導電性フィルム10は、多層フィルムである。導電性フィルム10は、第1樹脂層101及び第2樹脂層102を有し、これらの層101,102がこの順に積層されている。第2樹脂層102は、第1樹脂層101上に形成されている。第2樹脂層102の第1樹脂層101と反対側の面、及び、第1樹脂層101の第2樹脂層102と反対側の面の一方が、導電性フィルム10の表面を形成しており、他方が裏面を形成している。第1樹脂層101中には、第1導電性フィラー111が分散しており、第2樹脂層102中には、第2導電性フィラー112が分散している。
第1樹脂層101において、1種類の樹脂のみが含まれていてもよいし、2種類以上の樹脂が混合されていてもよい。同様に、第2樹脂層102において、1種類の樹脂のみが含まれていてもよいし、2種類以上の樹脂が混合されていてもよい。また、第1樹脂層101において、1種類の導電性フィラーのみが含まれていてもよいし、2種類以上の導電性フィラーが混合されていてもよい。同様に、第2樹脂層102において、1種類の導電性フィラーのみが含まれていてもよいし、2種類以上の導電性フィラーが混合されていてもよい。第1樹脂層101に含まれる樹脂の種類又はその配合と、第2樹脂層102に含まれる樹脂の種類又はその配合は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、第1樹脂層101に含まれる第1導電性フィラー111の種類又はその配合と、第2樹脂層102に含まれる第2導電性フィラー112の種類又はその配合とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第1樹脂層101及び第2樹脂層102に基材として含まれる樹脂の例としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂及びポリスチレン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン及び環状ポリオレフィンが挙げられる。ポリアミド樹脂の例としては、ポリアミド6、ポリアミド66及びポリメタキシリレンアジパミドが挙げられる。ポリエステル樹脂の例としては、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂の中では、防湿特性及び機械的強度の観点からは、ポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレンの例としては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、長鎖分岐構造を有するポリプロピレン及び酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
環状ポリオレフィン(環状オレフィン系樹脂)は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂であれば特に限定されない。環状ポリオレフィンの好ましい例としては、環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、及び、環状オレフィンとα-オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物が挙げられる。また、環状ポリオレフィンには、上記重合体に、さらに親水基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したものが含まれる。
極性基の好ましい例としては、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基、スルホ基、ホスホノ基及びホスフィノ基が挙げられ、極性基を有する不飽和化合物の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1~10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1~10)エステル、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチルが挙げられる。
第1導電性フィラー111及び第2導電性フィラー112の例としては、導電性炭素フィラー及び金属系フィラーが挙げられる。金属系フィラーには、例えば、金属フィラー、金属酸化物フィラー及び金属メッキによって構成される導電性フィラー(以下、金属メッキフィラーという)が含まれる。これらの例のうち、金属系フィラーの使用は、導電性フィルム10の微小硬度を高め、導電性フィルム10の微小な破壊を抑制し易い点で特に優れる。一方、導電性炭素フィラーの使用は、導電性フィラーと、これが分散する樹脂との界面における密着性を高め、界面に起因するバリア性の低下を抑制し易い点で特に優れる。
導電性炭素フィラーの例としては、黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)、カーボンナノチューブ及び炭素繊維が挙げられる。導電性炭素フィラーの形状の例としては、粉末及び繊維が挙げられる。特に好ましい一例としては、粉末状のカーボンブラックを挙げることができる。
金属フィラーの例としては、白金、金、銀、銅、SUS(Stainless Used Steel)、ニッケル、チタン、錫、アルミニウム、黄銅、鉄及び亜鉛が挙げられる。金属フィラーの形状の例としては、粉末、繊維及び箔片が挙げられる。特に好ましい一例としては、粉末状のニッケルを挙げることができる。
金属酸化物フィラーの例としては、酸化錫、酸化インジウム及び酸化亜鉛が挙げられ、その形状の例としては、粉末が挙げられる。金属メッキフィラーの例としては、ガラスビーズがメッキされたもの、マイカ粉がメッキされたもの、ガラスファイバーがメッキされたもの、及び、炭素繊維がメッキされたものが挙げられ、その形状の例としては、粉末及び繊維が挙げられる。
第1樹脂層101及び第2樹脂層102のそれぞれに含まれる樹脂及び導電性フィラーの種類又はその配合には、多様な組み合わせが考えられる。このうち、好ましい組み合わせの一例としては、以下を挙げることができる。すなわち、第1導電性フィラー111を導電性炭素フィラー(特に、粉末状のカーボンブラック)とし、第2導電性フィラー112を、金属系フィラー(特に、粉末状のニッケル)とすることができる。さらにこの例において、第1樹脂層101及び第2樹脂層102を構成する樹脂を、全てポリオレフィン樹脂(特に、ポリプロピレン)とすることができる。
以上の通り、導電性フィルム10は、基材を樹脂とするため、成形加工性及び耐薬品性等の観点において優れる。一方、導電性フィルム10の導電性は、導電性フィラーにより付与される。そのため、導電性フィルム10の導電性を高める観点からは、導電性フィルム10全体における導電性フィラーの体積パーセント濃度は、6vol%以上であることが好ましく、10vol%以上であることがより好ましく、12vol%以上であることがさらに好ましい。このような数値条件が満たされる場合、導電性フィラーの濃度が十分に高いため、導電性フィルム10の電気抵抗値を低下させることができる。また、導電性フィルム10全体における導電性フィラーの体積パーセント濃度は、25vol%以下であることが好ましい。
導電性フィラーの体積パーセント濃度に関する以上の数値条件は、導電性フィルム10を構成する複数の樹脂層のうち、少なくとも1層において満たされることが好ましく、複数の層において満たされることがより好ましく、全ての層において満たされることがさらに好ましい。つまり、第1樹脂層101における第1導電性フィラー111の体積パーセント濃度も、第2樹脂層102における第2導電性フィラー112の体積パーセント濃度も、各々、6vol%以上であることが好ましく、10vol%以上であることがより好ましく、12vol%以上であることがさらに好ましい。また、第1樹脂層101における第1導電性フィラー111の体積パーセント濃度も、第2樹脂層102における第2導電性フィラー112の体積パーセント濃度も、各々、25vol%以下であることが好ましい。
ところで、一般的に、樹脂と比較的多量の導電性フィラーとを含む導電性フィルムは、脆くなり、気密性及び/又は液密性が低下し、バリア性が低下してしまう傾向にある。その結果、そのような導電性フィルムは、用途が制限されてしまいがちである。この点、本発明者は、以下に実施例として開示する実験を通して、十分なバリア性を確保し、導電性フィルム10を幅広い用途に使用できるようにするためには、以下の条件を満たすことが好ましいという知見を得た。
導電性フィルム10の酸素透過度は、8000[cm/(m・24h・atm)]以下であることが好ましく、6000[cm/(m・24h・atm)]以下であることがより好ましく、4000[cm/(m・24h・atm)]以下であることがさらに好ましく、3000[cm/(m・24h・atm)]以下であることがより好ましく、2000[cm/(m・24h・atm)]以下であることがさらに好ましく、1000[cm/(m・24h・atm)]以下であることがより好ましく、100[cm/(m・24h・atm)]以下であることがさらに好ましく、50[cm/(m・24h・atm)]以下であることがより好ましい。このような数値条件が満たされる場合、流体が導電性フィルム10を介してリークする可能性が低減され、導電性フィルム10の気密性及び/又は液密性が向上し、導電性フィルム10に十分なバリア性を確保することができる。
導電性フィルム10の微小硬度は、100[N/mm]以上であることが好ましく、110[N/mm]以上であることがより好ましく、120[N/mm]以上であることがさらに好ましく、130[N/mm]以上であることがより好ましく、140[N/mm]以上であることがさらに好ましい。本発明者が発見した知見によると、導電性フィルム10の微小硬度が高くなるほど、導電性フィルム10の酸素透過度が下がることが分かった。すなわち、導電性フィルム10の微小硬度が高くなるほど、流体が導電性フィルム10を介してリークする可能性が低減され、導電性フィルム10の気密性及び/又は液密性が向上することが分かった。したがって、微小硬度に関する以上の数値条件が満たされる場合、導電性フィルム10のバリア性が高められる。
導電性フィルム10の表面抵抗率は、6000[Ω/□]以下であることが好ましく、5000[Ω/□]以下であることがより好ましく、4000[Ω/□]以下であることがさらに好ましく、3000[Ω/□]以下であることがより好ましく、2000[Ω/□]以下であることがさらに好ましい。このような数値条件が満たされる場合、導電性フィルム10は、優れた導電性を発揮することができる。
導電性フィルム10の降伏点伸度比は、1.40以下であることが好ましく、1.30以下であることがより好ましく、1.20以下であることがさらに好ましく、1.10以下であることがより好ましい。なお、降伏点伸度比とは、MD(Machine Direction)における降伏点伸度を、TD(Traverse Direction)における降伏点伸度で除算した値である。
導電性フィルム10のMD(Machine Direction)における降伏点強度は、25[MPa]以上であることが好ましく、30[MPa]以上であることがより好ましく、35[MPa]以上であることがさらに好ましく、40[MPa]以上であることがより好ましい。
<1-2.導電性フィルムの製造方法>
図2は、導電性フィルム10の製造装置20の構成を模式的に示す図である。図2に示されるように、製造装置20は、Tダイ200と、タッチロール205と、キャストロール210,220と、巻取りロール230とを含んでいる。
Tダイ200は、樹脂と導電性フィラーとを含む材料を加熱溶融することによって溶融材料を製造し、溶融材料を押し出すように構成されている。Tダイ200は、Tダイ本体201と、原料投入部240,250とを含んでいる。Tダイ本体201の下部には、押出口(以下、リップという)202が設けられている。溶融材料は、Tダイ本体201からリップ202を介して押し出される。
原料投入部240には、第1樹脂層101を形成するための原料である樹脂と導電性フィラー111とが投入される。原料投入部250には、第2樹脂層102を形成するための原料である樹脂と導電性フィラー112が投入される。これにより、第1樹脂層101を形成するための原料が加熱溶融され、第1溶融材料が製造されるとともに、第2樹脂層102を形成するための原料が加熱溶融され、第2溶融材料が製造される。Tダイ本体201は、原料投入部240,250を介して投入された原料からなる第1溶融材料及び第2溶融材料を、リップ202を介して共押出しする。これにより、それぞれ原料投入部240,250に投入された原料の溶融物である第1溶融材料及び第2溶融材料同士が融着し、第1溶融材料及び第2溶融材料が積層された(すなわち、第1樹脂層101及び第2樹脂層102が積層された)1枚の一体化したフィルム(溶融材料)が形成される。
キャストロール210,220は、Tダイ本体201からリップ202を介して同時に押し出された溶融材料(第1溶融材料及び第2溶融材料の積層体)を冷却するとともに、下流へ送るように構成されている。より具体的には、リップ202から押し出された溶融材料は、複数のキャストロール210,220のうち、リップ202に最も近い最上流のキャストロール210に巻き取られるように受け取られる。タッチロール205は、キャストロール210と並列に配置され、キャストロール210に巻き取られる溶融材料を、外側からキャストロール210に対して押圧する。これにより、溶融材料は、タッチロール205とキャストロール210との間に挟み込まれ、キャストロール210にしっかりと接触する。溶融材料は、まずキャストロール210との接触により冷却され、その後、下流側のキャストロール220との接触によっても冷却される。巻取りロール230は、キャストロール210,220によって冷却された溶融材料を所定速度で引いて巻き取るように構成されている。以上の冷却の工程を経て溶融材料は硬化し、導電性フィルム10が製造される。
キャストロール210の温度は、例えば、50℃以上、120℃以下に設定することができる。巻取りロール230によって溶融材料を引く所定速度は、例えば、3m/分以上、15m/分以下に設定することができる。
リップ202とキャストロール210との温度差は、250℃以下であることが好ましく、230℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましく、180℃以下であることがより好ましく、160℃以下であることがさらに好ましく、140℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることがさらに好ましく、100℃以下であることがより好ましい。本発明者が発見した知見によると、リップ202とキャストロール210との温度差が小さくなるほど、導電性フィルム10の微小硬度が高くなる傾向があり、酸素透過度が下がる傾向があることが分かった。よって、リップ202とキャストロール210との温度差に関する以上の数値範囲が満たされる場合、導電性フィルム10のバリア性を改善し易くなる。その結果、そのような導電性フィルム10は、幅広い用途に使用することができる。
なお、本発明者のさらなる考察によると、リップ202とキャストロール210との温度差に関する以上の数値範囲が満たされる場合、リップ202とキャストロール210との温度差が比較的小さくなる。すなわち、Tダイ200から押し出される溶融材料が通過するリップ202の温度と、溶融材料がリップ202の通過後に最初に接触するキャストロール210の温度との差が、比較的小さくなる。その結果、溶融材料の冷却が徐々に行なわれ、比較的結晶性の高い導電性フィルム10を製造することができる。これにより、以上のような製造条件で製造された導電性フィルム10においては、バリア性が改善されると考えられる。
<1-3.特徴>
以上のように、第1実施の形態に従う導電性フィルム10においては、酸素透過度は、8000[cm/(m・24h・atm)]以下である。したがって、この導電性フィルム10においては、優れたバリア性が発揮される。その結果、この導電性フィルム10は、幅広い用途に使用することができる。
[2.第2実施の形態]
図3は、第2実施の形態に従う導電性フィルム10Aの断面を模式的に示す図である。第2実施の形態に従う導電性フィルム10Aも、第1実施の形態に従う導電性フィルム10と同様、例えば、複写機やプリンタ等の帯電フィルムや除電フィルム、その他電気・電子機器や部品用の各種機能性フィルムとして用いられる。また、導電性フィルム10Aにも、コロナ、プラズマ、コーティング又はスパッタリング等の表面加工が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。また、導電性フィルム10Aの厚みも、例えば、25μm以上、100μm以下である。両実施の形態は多くの点で共通するため、以下では、第1実施の形態の説明を参照しつつ、第2実施の形態に従う導電性フィルム10Aについて説明する。
図3に示すように、導電性フィルム10Aは、単層フィルムである。導電性フィルム10Aは、第1樹脂層101Aを有し、第1樹脂層101A中には、第1導電性フィラー111Aが分散している。第1樹脂層101A中には、分散剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤及び紫外線防止剤等の添加剤の一部又は全部がさらに分散して含まれていてもよい。第1樹脂層101Aにおいて、1種類の樹脂のみが含まれていてもよいし、2種類以上の樹脂が混合されていてもよい。また、第1樹脂層101Aにおいて、1種類の導電性フィラーのみが含まれていてもよいし、2種類以上の導電性フィラーが混合されていてもよい。
第1樹脂層101Aに基材として含まれる樹脂の例としては、第1実施の形態に従う第1樹脂層101及び第2樹脂層102と同様の例が挙げられる。第1導電性フィラー111Aの例としては、第1実施の形態に従う第1導電性フィラー111及び第2導電性フィラー112と同様の例が挙げられる。
第1樹脂層101Aに含まれる樹脂及び導電性フィラーの種類又はその配合には、多様な組み合わせが考えられる。このうち、好ましい組み合わせの一例としては、以下を挙げることができる。すなわち、第1導電性フィラー111Aを導電性炭素フィラー(特に、粉末状のカーボンブラック)とすることができる。さらにこの例において、第1樹脂層101Aを構成する樹脂を、全てポリオレフィン樹脂(特に、ポリプロピレン又はポリエチレン)とすることもできるし、全てポリアミド樹脂(特に、ポリアミド6)とすることもできる。
導電性を高める観点からは、導電性フィルム10A全体における導電性フィラー111Aの体積パーセント濃度は、第1実施の形態に従う導電性フィルム10と同様の数値条件を満たすことが好ましい。
また、十分なバリア性を確保し、幅広い用途に使用できるようにするためには、導電性フィルム10Aの酸素透過度は、第1実施の形態に従う導電性フィルム10と同様の数値条件を満たすことが好ましい。また、導電性フィルム10Aの微小硬度、表面抵抗率、降伏点伸度比及びMDにおける降伏点強度についても、第1実施の形態に従う導電性フィルム10と同様の数値条件を満たすことが好ましい。
第2実施の形態に従う導電性フィルム10Aは、第1実施の形態に従う導電性フィルム10と同様に製造することができる。すなわち、原料投入部250に第2樹脂層102を形成するための原料を投入するステップを省略し、原料投入部240を介して投入された第1樹脂層101Aを形成するための原料からなる第1溶融材料を、リップ202を介して押し出しすればよい。その後の工程は、第1実施の形態と同様である。キャストロール210の温度、巻取りロール230によって溶融材料を引く所定速度、及びリップ202とキャストロール210との温度差に関する数値条件は、第1実施の形態と同様に設定することができる。
[3.変形例]
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施の形態において導電性フィルムは単層又は2層のフィルムであったが、これに限定されず、3層以上のフィルムであってもよい。この例において、各層を構成する樹脂及び導電性フィラーの種類及び配合は、上記実施の形態の説明の中で示されたものの中から選択されることが好ましい。また、この例において、導電性フィルム全体の各種パラメータ(微小硬度、酸素透過度、表面抵抗率、降伏点伸度比及び降伏点強度)も、上記実施の形態と同様の数値範囲を満たすことが好ましい。また、このような例として、第1実施の形態における第2樹脂層102が、複数の層に分かれていてもよく、例えば、金属フィラー濃度の異なる複数の層から構成されていてもよい。
[4.実施例]
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
図2に示される製造装置20を用いて、実施例1~7及び比較例1,2の導電性フィルムを製造した。より具体的には、以下の表1に示すように、実施例1~4,6においては、ポリプロピレン(PP)に粉末状のカーボンブラック(CB)を混錬することにより第1樹脂層を形成した。実施例5においては、ポリエチレン(PE)に粉末状のカーボンブラックを混錬することにより第1樹脂層を形成した。実施例7においては、ポリアミド6(ナイロン、Ny)に粉末状のカーボンブラックを混錬することにより第1樹脂層を形成した。比較例1においては、ポリメチルペンテン(TPX)に粉末状のカーボンブラックを混錬することにより第1樹脂層を形成した。比較例2においては、パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)に粉末状のカーボンブラックを混錬することにより第1樹脂層を形成した。また、実施例1~4においては、ポリプロピレンに粉末状のニッケルを混錬することにより第2樹脂層をさらに形成した。また、実施例1~7においても、比較例1,2においても、第1樹脂層におけるカーボンブラックの添加量を15vol%とした。また、実施例1~4においては、第2樹脂層におけるニッケルの添加量を20vol%とした。また、実施例1~7においても、比較例1,2においても、導電性フィルム全体の厚みを50μmとした。また、実施例1~4においては、第1樹脂層、第2樹脂層の厚みの割合を、この順に3:1とした。
実施例1~7及び比較例1,2の導電性フィルムの製造時には、リップ202とキャストロール210の温度差を、以下の表1の通り変化させた。そして、製造された実施例1~7及び比較例1,2の導電性フィルムの各々に対し、酸素透過度、微小硬度、表面抵抗率、降伏点伸度比及びMDにおける降伏点強度を以下の方法により測定した(ただし、微小硬度に関し、実施例5~7及び比較例1については測定を省略した)。その結果を表2に示す。
Figure 2024110765000002
Figure 2024110765000003
表2の結果からは、実施例1~7の導電性フィルムは、比較例1,2の導電性フィルムに対し、酸素透過度が低く、微小硬度が高く、降伏点伸度比が小さいことが分かる。よって、実施例1~7の導電性フィルムは、幅広い用途に使用可能であることが分かる。
<3-1.酸素透過度の測定>
酸素透過度の測定は、ASTM D1434-75M法に従って行なった。試料を10cm角の寸法にカットし、ガス透過率測定装置(東洋精機製作所製のGTR TESTER M-C1)を用いて、差圧法により、アダプター10cc、設定圧力101kPa、設定温度23.0℃の条件にて(実施例1~4では、第2樹脂層側を低圧側にして)試料の酸素透過度を測定した。
<3-2.微小硬度の測定>
ISO14577-1に準拠した方法により、(実施例1~4では、第2樹脂層側に対して)稜間角115°の三角錐圧子によるマルテンス硬度(HMT115)を測定した。ダイナミック微小硬度計(島津製作所製のDUH-211S)を用いて、試験モードを押し込み深さ設定負荷とし、最小試験力を0.02mNとし、設定深さを10μmとし、負荷速度(試験速度)を1.0mN/秒とし、負荷保持時間を2秒として、同じ試料の異なる部位を5箇所測定し、その平均値を測定値とした。
<3-3.表面抵抗率の測定>
30mm角に試験片を切り出し、日東精工アナリテック社製の簡易型低抵抗計ロレスタAX MCP-T370を用いて(実施例1~4では、第2樹脂層側から)表面抵抗を測定した。プローブとしては、PSPプローブMCP-TP06P RMH112を用いた。低抵抗計で測定した抵抗値(Ω)に補正係数(4.532)を掛けた数値を表面抵抗率(Ω/□)とした。
<3-4.降伏点伸度比の測定>
JIS-K-6732に準拠した方法によって、MD及びTDにおける降伏点伸度を測定し、MDにおける降伏点伸度をTDにおける降伏点伸度で除算することによって降伏点伸度比を算出した。試料の寸法は、幅が10mmであり、長さが110mm以上の短冊型であった。オートグラフ(島津製作所製のAGS-100A型)を用いて、引張スピードを200mm/min、チャートスピードを200mm/min、チャック間距離を40mmとした条件で試料を引っ張り、降伏点が発生した時点の伸度を測定した。
<3-5.降伏点強度の測定>
JIS-K-6732に準拠した方法によって、MDにおける降伏点強度を測定した。試料の寸法は、幅を10mmとし、長さを110mm以上(試料における標線の長さは40mm±0-2)とした。試料の厚みを長さ方向において等間隔離れた5点で測定し、測定した5点の厚みに基づいて平均厚みを算出した。オートグラフ(島津精密万能試験機 AG-X 500N)を用いて測定を行い、引張スピードを200mm/min、チャック間距離は40mmとし、出力されたグラフに基づいて最高強度(降伏点強度)を算出した。
10,10A 導電性フィルム、20 製造装置、101,101A 第1樹脂層、102 第2樹脂層、111,111A 第1導電性フィラー、112 第2導電性フィラー、200 Tダイ、201 Tダイ本体、202 リップ、205 タッチロール、210,220 キャストロール、230 巻取りロール、240,250 原料投入部。

Claims (4)

  1. 樹脂と、
    前記樹脂中に分散した導電性フィラーと
    を含み、
    酸素透過度が8000[cm/(m・24h・atm)]以下である、導電性フィルム。
  2. 第1導電性フィラーが分散した第1樹脂層と、
    前記第1樹脂層上に形成されており、第2導電性フィラーが分散した第2樹脂層と
    を備える、
    請求項1に記載の導電性フィルム。
  3. 前記第1樹脂層における前記第1導電性フィラーの体積パーセント濃度及び前記第2樹脂層における前記第2導電性フィラーの体積パーセント濃度は、6vol%以上である、
    請求項2に記載の導電性フィルム。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の導電性フィルムの製造方法であって、
    前記樹脂と前記導電性フィラーとを含む材料を加熱溶融することによって溶融材料を製造するステップと、
    前記溶融材料をダイから前記ダイのリップを介して押し出すステップと、
    前記ダイから前記リップを介して押し出された前記溶融材料を冷却ロールで巻き取るように受け取り、前記冷却ロールに接触させることによって前記溶融材料を冷却し導電性フィルムを製造するステップと
    を含み、
    前記リップと前記冷却ロールとの温度差は、250℃以下である、
    導電性フィルムの製造方法。

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