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JP2024089035A - トナー - Google Patents

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JP2024089035A JP2022204138A JP2022204138A JP2024089035A JP 2024089035 A JP2024089035 A JP 2024089035A JP 2022204138 A JP2022204138 A JP 2022204138A JP 2022204138 A JP2022204138 A JP 2022204138A JP 2024089035 A JP2024089035 A JP 2024089035A
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Abstract

【課題】結晶樹脂を多量に含むトナー粒子において顔料が分散したトナー、すなわち低温定着性と着色力の優れたトナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂、顔料および顔料分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、結晶性樹脂を20.0質量%以上100.0質量%以下含有し、
該顔料分散剤は、顔料と相互作用する特定の構造と、結晶性樹脂と相互作用する特定の単量体単位を含有するポリマー部位とを有し、
該顔料分散剤における顔料と相互作用する特定の構造の含有量が1.0質量%以上15.0質量%以下であり、
該顔料分散剤における結晶性樹脂と相互作用する特定の単量体単位の含有量が45.0質量%以上80.0質量%以下であり、
該顔料分散剤の重量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法のような方法によって形成される静電潜像を現像してトナー画像を形成するために用いられるトナーに関する。
従来、電子写真装置においても省エネルギー化が大きな技術的課題として考えられ、定着装置にかかる熱量の大幅な削減が検討されている。特に、トナーにおいては、より低エネルギーでの定着が可能な、いわゆる「低温定着性」のニーズが高まっている。
低温での定着を可能にするための手法として、結着樹脂として結晶性樹脂を使用する方法が検討されている。結晶性樹脂は、分子鎖が規則的に配列することにより、融点よりも低温においてはほとんど軟化しないといった性質を有する。また、融点を越えると結晶が急激に融解し、それに伴った急激な粘度の低下が起こる。このため、シャープメルト性に優れ、低温定着性を示す材料として注目されている。
特許文献1では、トナー粒子の断面観察において、結晶性樹脂を主成分とする海部と非晶性樹脂を主成分とする島部とで構成される海島構造が見られることを特徴とするトナーが提案されている。特許文献1に記載のトナーは低エネルギーでの定着が可能にすることができる。しかしながら、結晶部が顔料等の着色剤の分散に悪影響を及ぼし着色力が低下しやすくなる課題を有している。
一方、特許文献2では、結着樹脂と結晶性ポリエステルと顔料分散剤とを含むトナー粒子において、結晶性ポリエステルと顔料分散剤の疎水性パラメータの関係を規定したトナーが提案されている。特許文献2に記載のトナーにより低温定着性と着色力の両立が図られている。
特開2014-142632号公報 特開2016-157104号公報
しかしながら、さらなる省エネルギー化のために、結着樹脂中に結晶性樹脂を多量に導入した系においては、特許文献2で開示されている顔料分散剤を用いても効果は限定的で着色力を向上させることは出来ない。依然としてトナーの低温定着性と着色力の改善が必要とされている。
本開示は、結晶性樹脂を多量に含むトナー粒子において顔料が分散したトナー、すなわち低温定着性と着色力の優れたトナーを提供する。
本発明は、結着樹脂、顔料および顔料分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、結晶性樹脂を20.0質量%以上100.0質量%以下含有し、
該顔料分散剤は、下記式(1)で表される構造と、下記式(3)で表される単量体単位を含有するポリマー部位とを有し、
該顔料分散剤における該下記式(1)で表される構造の含有量が1.0質量%以上15.0質量%以下であり、
該顔料分散剤における該下記式(3)で表される単量体単位の含有量が45.0質量%以上80.0質量%以下であり、
該顔料分散剤の重量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下であることを特徴とするトナーに関する。
Figure 2024089035000001
(式(1)中、
1は、置換基を有するアルキル基、置換基を有さないアルキル基、置換基を有するフェニル基又は置換基を有さないフェニル基を表し、
2~R11のうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との連結基、または該ポリマー部位と単結合で結合する部位であり、
該連結基でないR2~R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基または下記式(2-1)で表される基を表す、或いは、R2~R11の隣り合う基が、下記式(2-2)で表される基を表す。)
Figure 2024089035000002
(式(2-1)中、
*は、式(1)中のR2~R6、又はR7~R11を有する芳香環との結合位置を表す。
12は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アラルキル基、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、若しくは、置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。
1は、酸素原子、硫黄原子、又はNR13基を表し、
13は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。)
Figure 2024089035000003
(式(2-2)中、
*及び**は、式(1)中のR2~R6、又はR7~R11を有する芳香環との結合位置を表す。
式(2-2)で表わされる基は、式(1)中のR2~R6、又はR7~R11を有する芳香環と結合することによって5員複素環を形成する。
2は、酸素原子、硫黄原子、又はNR13基を表し、
13は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。)
Figure 2024089035000004
(式(3)中、
14は、水素原子またはメチル基を表し、
1は、エステル結合またはアミド結合を表し、
mは、20以上30以下の整数を表す。)
本発明により、低温定着性と着色力の優れたトナーを得ることができる。
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
〔本発明の特徴〕
本発明は、結着樹脂、顔料および顔料分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
(i)該結着樹脂は、結晶性樹脂を20.0質量%以上100.0質量%以下の範囲で含有すること、
(ii)該顔料分散剤は、下記式(1)で表される構造と、下記式(3)で表される単量体単位を含有するポリマー部位とを有し、該顔料分散剤における該下記式(1)で表される構造の含有量が1.0質量%以上15.0質量%以下であり、該下記式(3)で表される単量体単位の含有量が45.0質量%以上80.0質量%以下であること、
Figure 2024089035000005
(式(1)中、
1は、置換基を有するアルキル基、置換基を有さないアルキル基、置換基を有するフェニル基又は置換基を有さないフェニル基を表し、
2~R11のうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との連結基、または該ポリマー部位と単結合で結合する部位であり、
該連結基でないR2~R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基または下記式(2-1)で表される基を表す、或いは、R2~R11の隣り合う基が、下記式(2-2)で表される基を表す。)
Figure 2024089035000006
(式(2-1)中、
*は、式(1)中のR2~R6、又はR7~R11を有する芳香環との結合位置を表す。
12は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アラルキル基、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、若しくは、置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。
1は、酸素原子、硫黄原子、又はNR13基を表し、
13は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。)
Figure 2024089035000007
(式(2-2)中、
*及び**は、式(1)中のR2~R6、又はR7~R11を有する芳香環との結合位置を表す。
式(2-2)で表わされる基は、式(1)中のR2~R6、又はR7~R11を有する芳香環と結合することによって5員複素環を形成する。
2は、酸素原子、硫黄原子、又はNR13基を表し、
13は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。)
Figure 2024089035000008
(式(3)中、
14は、水素原子またはメチル基を表し、
1は、エステル結合またはアミド結合を表し、
mは、20以上30以下の整数を表す。)
(iii)さらに、該顔料分散剤の重量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下であること
を特徴とするものである。
以下、上記各要件について、詳細に説明する。
本発明のトナーは、結晶性樹脂を20.0質量%以上100.0質量%以下含有する結着樹脂、顔料および顔料分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーである。
顔料分散剤は、上記式(1)で表される構造と、上記式(3)で表される単量体単位を含有するポリマー部位とを有する。
また、顔料分散剤における上記式(1)で表される構造の含有量が1.0質量%以上15.0質量%以下であり、上記式(3)で表される単量体単位の含有量が45.0質量%以上80.0質量%以下である。
さらに、顔料分散剤の重量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下であることが必要な要件である。
上記条件を満たすことで低温定着性と着色力の優れたトナーが得られることを見出した。詳細なメカニズムを本発明者らは以下のように考える。
結晶性樹脂を20.0質量%以上含む結着樹脂に顔料を分散させる場合、結着樹脂と顔料分散剤の相互作用を綿密に考慮した設計が必要となる。具体的には、式(1)で表される“顔料と相互作用する部位”と式(3)で表される単量体単位を含有する“結晶性樹脂と相互作用する部位”とを有する顔料分散剤を用いることが必要である。
また、顔料分散剤における式(1)で表される構造の含有量が1.0質量%以上15.0質量%以下であり、式(3)で表される単量体単位の含有量が45.0質量%以上80.0質量%以下であることが必要である。この範囲とすることで顔料と顔料分散剤との相互作用と顔料分散剤と結晶性樹脂との相互作用のバランスが取れるようになる。
ここで、式(1)で表わされる構造は、強いπ-π相互作用性を発現すると共に強い水素結合性を有するため、顔料の官能基と相互作用しやすい。この式(1)が規定量含まれることで顔料分散剤が顔料付近に介在することが可能となる。一方、式(3)で表される単量体単位が規定量含まれることで結晶性樹脂との親和性が高まり、結晶性樹脂を20.0質量%以上含む結着樹脂においても、式(3)由来のポリマー部位の高分子鎖が結着樹脂中で広がることが可能となる。そして、広がった高分子鎖が立体障害を発現し顔料同士の凝集を抑制することで、本件の効果である低温定着性と着色力の優れたトナーが得られる。
式(1)で表される構造の含有量が1.0質量%未満であると、顔料と相互作用する量が少ないため、顔料付近で介在することができなくなり本発明の効果が得られない。15.0質量%より多いと顔料分散剤における式(1)で表される構造が占める割合が多くなりすぎるため、式(1)で表される構造と式(1)で表される構造との間のポリマー部位の高分子鎖(ループ長ともいう)が十分でないため、顔料同士の凝集を抑制するための立体障害が得られない。そのため着色力が低下する。
式(3)で表される単量体単位の含有量が45.0質量%より少ないと、結晶性樹脂を20%以上含む結着樹脂において、結着樹脂に対する親和性が低くポリマー部位が収縮してしまい顔料同士の凝集を抑制するための立体障害が得られない。そのため着色力が低下する。また、顔料分散剤の融点が低下するため耐熱保存性が悪くなる。式(3)で表される単量体単位の含有量が80.0質量%より多くなると、結晶性樹脂との親和性が高くなりすぎ結着樹脂に取り込まれ顔料付近で介在できなくなる。そのため着色力が低下する。
顔料分散剤の重量平均分子量(Mw)が10000より小さいと、立体障害が得られないため顔料同士の凝集を抑制することができない。そのため着色力が低下する。また、ポリマー部位の側鎖部に由来する結晶性が得られないため、トナーとしたときに低融点成分となってしまい耐熱性・保存性に劣る。50000より大きいと、ポリマー部位の側鎖部と結着樹脂中の結晶性樹脂との分子間相互作用が増大する。それにより、上述した式(1)で表わされる構造と顔料との相互作用よりも大きくなり、顔料分散剤が顔料から外れ結着樹脂中の結晶性樹脂に取り込まれてしまう。そのため本発明の効果が得られず着色力が低下する。結晶性樹脂を多く含む結着樹脂中において、本発明の顔料分散剤が効果を発揮するためには、顔料分散剤における式(1)、式(3)で表される構造の含有量およびその分子量のバランスが重要である。
〔トナーの各構成〕
<顔料分散剤の式(1)で表される構造について>
顔料分散剤における式(1)で表される構造の詳細を説明する。
式(1)中のR1におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、及び、シクロヘキシル基の如き直鎖、分岐、又は環状のアルキル基が挙げられる。
上記式(1)中のR1のアルキル基又はフェニル基は、顔料への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていてもよい。この場合、置換してもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、シアノ基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
上記式(1)中のR1は、上記の中でも顔料への親和性の観点からメチル基であることが好ましい。
上記式(1)中のR2~R6は、顔料への親和性の観点から、R2~R6のうちの少なくとも一つがポリマー部位との結合部を構成する連結基であることが好ましい。
連結基ではないR2~R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、上記式(2-1)で表される基又は上記式(2-2)で表される基を表す。
連結基ではないR2~R6がいずれも水素原子であることがより好ましい。
上記式(1)中のR7~R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、上記式(2-1)で表される基又は上記式(2-2)で表される基を表す。
その中でも、顔料への親和性の観点から、R7~R11のうちの少なくとも一つが、上記式(2-1)又は式(2-2)で表される基であることが好ましい。さらに、上記式(2-1)又は式(2-2)で表される基ではないR7~R11が、いずれも水素原子であることが好ましい。この態様を満たす構造の例を下記式(4)に示す。
Figure 2024089035000009
(式(4)中、
15は、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表す。
16~R20のうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基である。
該連結基ではないR16~R20は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、またはカルボキシ基を表す。)
上記式(2-1)中のR12におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、及びシクロヘキシル基の如き直鎖、分岐、又は環状のアルキル基が挙げられる。
上記式(2-1)中のR12におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、及びフェネチル基が挙げられる。
上記式(2-1)中のR12におけるアルキルオキシカルボニル基(-C(=O)-OAlkyl)としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基が挙げられる。
上記式(2-1)中のR12におけるアラルキルオキシカルボニル基(-C(=O)-O-Ararkyl)としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基が挙げられる。
上記の中でも、顔料への親和性の観点から、R12は水素原子、メチル基、エチル基であることが好ましい。
上記式(2-1)中のA1及び上記式(2-2)中のA2は、酸素原子、硫黄原子、NR13基から任意に選択できる。R13は水素原子、tert-ブトキシカルボニル基、又はベンジルオキシカルボニル基であることが好ましい。その中でも顔料への親和性観点で、A1及びA2は酸素原子であることがより好ましい。
上記式(1)で表される構造とポリマー部位とが連結するための連結基は、二価の連結基であれば特に限定されるものではない。例えば、エステル結合(-COO-)、チオエステル結合(-COS-)、又はカルボン酸アミド結合(-CONH-)が挙げられる。その中でも、エステル結合、又はカルボン酸アミド結合が好ましい。
具体的には下記式(L1)又は(L2)で表わされる連結基であることが特に好ましい。
Figure 2024089035000010
[式(L1)及び(L2)中、*は、該ポリマー部位中の炭素原子との結合部位を表し、**は、式(1)で表わされる構造の持つ芳香環中の炭素原子との結合部位を表す。]
ポリマー部位に由来するカルボン酸エステル結合(-COO-)等の官能基を介して、ポリマー部位と式(1)、又は式(4)で表される構造とが結合している場合、それらの官能基を含めた結合部を連結基と称する。
<顔料分散剤のポリマー部位について>
次にポリマー部位の詳細を説明する。
ポリマー部位は、上述した式(3)で表される単量体単位を所定量含むことが必須であり、式(3)で表される単量体単位を構成する具体的な単量体としては、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリレート、アクリル酸オクタコサン、メタクリル酸オクタコサン、アクリル酸トリアコンタン、メタクリル酸トリアコンタンが挙げられる。その中でも、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリレートが好ましい。
ポリマー部位は、上述した式(3)で表される単量体単位の他に以下の単量体に由来する成分を含むことが好ましい。
単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、及びp-フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;
アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、n-ラウリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び2-ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;
メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、2-メトキシエチルメタアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及びジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類;が挙げられる。
ポリマー部位は溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合、沈殿重合、及び塊状重合の何れの重合方法を用いて製造することも可能である。特に限定するものではないが、その中でも、製造時に用いる各成分を溶解し得る溶媒中での溶液重合が好ましい。溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、及び2-プロパノールの如きアルコール類、アセトン、及びメチルエチルケトンの如きケトン類、テトラヒドロフラン、及びジエチルエーテルの如きエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、又はそのアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、又はそのアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類といった極性有機溶剤や、トルエン、及びキシレンといった非極性溶剤を、単独で、又は混合して使用することができる。
ポリマー部位は、下記式で表されるように、式(3)で表される単量体単位に相当するX、式(1)と連結するZ、および必要に応じてその他単量体単位に相当するYが無秩序に配列する。
Figure 2024089035000011
[上記構造式中、X:式(3)で表される単量体単位、Z:式(1)と連結する単量体単位、Y1~Ym:その他単量体単位、「co」は、共重合体を構成する各単量体単位の配列が無秩序であることを表す記号である。]
顔料分散剤は、DSC測定において50℃以上70℃以下にポリマー部位に由来する融点ピークを有することが好ましい。50℃以上70℃以下に融点ピークを有することで熱変形に優れ保存性が良い。融点ピークは、式(3)で表される単量体単位の含有量およびその他単量体の種類、含有量で調整することができる。
<結晶性樹脂>
結晶性樹脂としては、結晶性を有するビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。その中でも結晶性を有するビニル樹脂またはポリエステル樹脂であることが好ましい。より好ましくは結晶性を有するビニル樹脂である。
結晶性を有するビニル樹脂の場合、式(5)で表されるユニットを含有することが好ましい。
Figure 2024089035000012
(式(5)中、
21は、水素原子またはメチル基を表し、
2は、単結合、エステル結合、またはアミド結合を表し、
nは、15以上30以下の整数を表す。)
式(5)で表されるユニットを有することで、側鎖結晶構造を形成しやすくなるため、シャープメルト性が得られ低温定着性をより向上しやすくなる。式(5)中のnは、好ましくは17以上29以下であり、より好ましくは19以上23以下である。
式(5)で表されるユニットに加えて、他のユニットを有することも可能である。他のユニットを導入するための方法としては、他の重合性単量体とを共重合させる方法がある。
他の重合性単量体としては、以下が挙げられる。
単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、及びp-フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;
アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、n-ラウリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び2-ベンゾイルオキシエチルアクリレート、アクリロニトリルのようなアクリル系重合性単量体類;
メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、2-メトキシエチルメタアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及びジブチルフォスフェートエチルメタクリレート、メタクリロニトリルのようなメタクリル系重合性単量体類;が挙げられる。
その中でも、スチレン、メタクリル酸、アクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリルを用いることが好ましい。
顔料分散剤の極性パラメータP1、及び結晶性樹脂の極性パラメータP2が下記式を満たすことが好ましい。
│P1-P2│≦0.10
(P1は、該顔料分散剤0.05質量部、及びクロロホルム1.48質量部からなる溶液にアセトニトリル0.10質量部を添加して求められる該顔料分散剤の析出点におけるアセトニトリルの体積分率を示す。
P2は、該結晶性樹脂0.05質量部、およびクロロホルム1.48質量部からなる溶液にアセトニトリル0.10質量部を添加した際の該結晶性樹脂の析出点におけるアセトニトルの体積分率を示す。)
顔料分散剤と結晶性樹脂の極性パラメータの値が近いほど親和性が高く好ましい。P1は顔料分散剤のポリマー部位の組成を変更することにより制御することができる。P2は結晶性樹脂の組成を変更することにより制御することができる。なお、結晶性パラメータの測定方法の詳細は後述する。
<その他の結着樹脂>
結着樹脂は非晶性樹脂を含有することが好ましく、走査透過電子顕微鏡により前記トナー粒子の断面を観察したとき、該断面にマトリクス・ドメイン構造をとり、マトリクス中に主成分として結晶性樹脂が含まれ、ドメイン中に非晶性樹脂が主成分として含まれることが好ましく、耐久性及び耐ホットオフセット性に優れる。非晶性樹脂としてはビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。その中でもビニル樹脂が好ましい。
このようにマトリクス中の主成分として結晶性樹脂を含むことで上述した特性が優れるものの、マトリクス中の結晶性樹脂が顔料分散に影響を及ぼし着色力の低下を起こしやすくなる。しかしながら、本発明の顔料分散剤を用いることでマトリクス中の結晶性樹脂の影響なく顔料を分散することが可能となり、高い着色力が得られる。
<顔料>
顔料は下記群より選ばれる顔料を含むことが好ましい。
カーボンブラック;C.I.Pigment Yellow74、93、139、155、180、185;C.I.Pigment Red31、122、150、170、185、258、269;C.I.Pigment Blue15:3、15:4
上記の群より選ばれる顔料である場合、π-π相互作用や水素結合作用による吸着がより強く働くため、顔料分散剤が顔料付近で介在しやすくなり顔料分散性が向上し易くなる。
より好ましくは、カーボンブラック;C.I.Pigment Yellow155、180、185;C.I.Pigment Red122、150;C.I.Pigment Blue15:3である。
また、上記顔料に対する顔料分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。より好ましくは3.0質量部以上15.0質量部以下である。
<ワックス>
ワックスとしては数平均分子量(Mn)が300以上3000以下のワックスを用いることが離型性を確保しやすくなるため好ましい。ワックスの種類は特に限定はないが、炭化水素系ワックスまたはエステルワックスであることが好ましい。
炭化水素系ワックスとしては例えば以下のものが挙げられる。
脂肪族炭化水素系ワックス:低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体、フィッシャートロプシュワックス、またはこれらが酸化、酸付加されたワックス。
エステルワックスは、1分子中にエステル結合を少なくとも1つ有していればよく、天然エステルワックス、合成エステルワックスのいずれを用いてもよい。
エステルワックスとしては特に限定はないが、例えば以下のものが挙げられる。
ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル等の1価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
セバシン酸ジベヘニル等の2価カルボン酸とモノアルコールのエステル類;
エチレングリコールジステアレート、ヘキサンジオールジベヘネート等の2価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
グリセリントリベヘネート等の3価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート等の4価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサベヘネート等の6価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
ポリグリセリンベヘネート等の多官能アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;カルナバワックス、ライスワックス等の天然エステルワックス類;
なかでも、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサベヘネート等の6価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類が好ましい。本発明の顔料分散剤と相互作用し、ワックスのドメインサイズが小さくなり、トナー粒子中の顔料の偏り無くなり着色力・色域がさらに良くなる。
<トナー粒子の製造方法>
本発明に係るトナー粒子を製造するための製造方法は、どのような製造方法であっても構わないが、懸濁重合法、乳化重合法および懸濁造粒法のような水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒するトナー粒子の製造方法によって得ることが好ましい。
以下、本発明に用いられるトナー粒子の製造方法の中で最も好適な懸濁重合法を用いて、トナー粒子の製造方法を説明する。
上述してきた顔料分散剤、顔料、結晶性樹脂、ワックスのほか、結着樹脂を生成する重合性単量体、必要に応じてその他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機のような分散機に依って均一に溶解または分散させ、これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。次に、該重合性単量体組成物を分散安定剤含有の水系媒体中に懸濁して重合を行なうことによってトナー粒子は製造される。
重合性単量体は、単官能性重合性単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、及びp-フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び2-ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及びジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類;が挙げられる。
また、多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’-ビス(4-(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’-ビス(4-(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、及びジビニルエーテルが挙げられる。
単官能性重合性単量体を単独あるいは二種以上組み合わせて、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて、又は多官能性重合性単量体を単独あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中に懸濁する直前に混合してもよい。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
顔料は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下用いることが好ましい。
重合開始剤は、有機過酸化物系開始剤やアゾ系重合開始剤が挙げられる。有機過酸化物系開始剤としては、以下のものが挙げられる。ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ-α-クミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t-ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t-ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、および、tert-ブチル-パーオキシピバレートなどである。
アゾ系重合開始剤としては、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、および、アゾビスメチルブチロニトリルなどが挙げられる。
また、重合開始剤として、酸化性物質と還元性物質とを組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては、過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、および、アンモニウム塩)の無機過酸化物、および、4価のセリウム塩の酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、および、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、および、エチルアミンのような炭素数1~6程度のアミン)、ヒドロキシルアミンのようなアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、および、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1~6)、アスコルビン酸またはその塩、および低級アルデヒド(炭素数1~6)が挙げられる。
重合開始剤は、10時間半減期温度を参考に選択され、単独または混合して利用される。前記重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100.0質量部に対し0.5質量部以上20.0質量部以下が添加される。
また、重合度を制御するため公知の連鎖移動剤、および、重合禁止剤をさらに添加し用いることも可能である。
水系媒体を調製するときに使用する分散安定剤としては、公知の無機化合物の分散安定剤、および、有機化合物の分散安定剤を用いることができる。無機化合物の分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、および、アルミナが挙げられる。一方、有機化合物の分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびその塩、および、デンプンが挙げられる。これら分散安定剤の使用量は、重合性単量体100.0質量部に対して0.2質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
これら分散安定剤の中で、無機化合物の分散安定剤を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒径の分散安定剤を得るために、水系媒体中で該無機化合物を生成させてもよい。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで得られる。
本発明において、トナーは、画質向上のために、外添剤がトナー粒子に外部添加されていることが好ましい。外添剤としては、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、又は酸化アルミニウム微粉体のような無機微粉体が好適に用いられる。
これら無機微粉体は、シランカップリング剤、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。
さらに、本発明のトナーは、必要に応じて、上述した以外の外添剤をトナー粒子に混合されていてもよい。
無機微粉体の総添加量は、トナー粒子(外添剤を添加する前のトナー粒子)100.0質量部に対して、1.0質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
〔各種物性の測定方法〕
以下、本発明に係る各種物性の測定方法について説明する。
<組成分析方法>
顔料分散剤および結晶性樹脂の構造決定は、以下の装置を用いて行った。
13C-NMR:
ブルカー・バイオスピン(株)製FT-NMR AVANCE-600(使用溶剤 重クロロホルム)
なお、13C-NMRは、クロム(III)アセチルアセトナートを緩和試薬として用いた逆ゲートデカップリング法により定量化し組成分析を行った。
上記測定により顔料分散剤および結晶性樹脂の各単量体単位のモル組成比を算出した後、各単量体単位の分子量により質量組成比を求めた。
<分子量の測定方法>
トナー及び顔料分散剤の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のようにして測定する。
室温で、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC-8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF-604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6mL/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020mL
サンプルの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線
を使用する。
<極性パラメータP1およびP2の測定方法>
本発明における極性パラメータP1は以下の方法で行った。
8mlサンプル瓶に顔料分散剤50mg(0.05g)を取り、クロロホルム1.48gに溶解し、初期質量(W1)を測定する。サンプル瓶に撹拌子を入れ、マグネティックスターラーで撹拌しながら、(a)アセトニトリルを100mg(0.1g)滴下し、20秒間撹拌を続ける。(b)目視において白濁しているかを確認する。白濁していなければ(a)、(b)の操作を繰り返し行う。白濁が確認された点(析出点)において操作を止め、質量(W2)を測定する。なお測定は全て25℃、常圧で行う。
以下の式に従い、P1を算出する。
アセトニトリル添加前の初期質量 W1(g)
アセトニトリル添加後の白濁点における質量 W2(g)
極性パラメータ=
{(W2-W1)/0.78}/{((W2-W1)/0.78)+1}
P2に関しても、上記の測定方法において顔料分散剤を結晶性樹脂に変更する以外は同様にして測定する。
<融点の測定方法>
顔料分散剤などの融点は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、サンプル5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲0℃以上150℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、一度150℃まで昇温させ、続いて0℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度0℃以上150℃以下の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
<トナーの断面におけるマトリクスドメイン構造の観察>
トナーの断面におけるマトリクスドメイン構造(海島構造)の存在状態は、走査透過電子顕微鏡を用い、トナーの断面を観察することにより確認する。トナーの断面観察は、ルテニウム染色を実施してから行う。すなわち、トナーの断面画像は、ルテニウム染色されたトナーの断面画像であるトナーの断面の観察手順は以下の通りである。
トナーができるだけ分散した状態になるようにして、可視光硬化性樹脂(D-800、日新EM社製)で包埋し、超音波ウルトラミクロトーム(UC7、ライカ社製)により100nm厚に切削する。
得られた薄片サンプルを、真空染色装置(VSC4R1H、フィルジェン社製)を用いて、RuO4ガス500Pa雰囲気で15分間染色し、走査透過電子顕微鏡(JEM2800、JEOL社)を用いて、STEM画像を取得する。上記の染色条件においては結晶性樹脂と非晶性樹脂との間では染色の度合いに差が生じるため、そのコントラスト差により、マトリクスドメイン構造の存在状態を確認できる。
観察条件として、加速電圧は200kV、STEMのプローブサイズは1nm、画像サイズは1024×1024pixel、倍率は30000に設定し、暗視野(STEM-DF)画像を取得する。
Contrast及びBrightnessは、下記のIMAGE Jによる輝度ヒストグラムにおいて、樹脂成分を主成分とする部分の最大ピクセル数を有するときの輝度が150になるように調整する。
なお、輝度が140~160の場合はMicrosoft フォトで輝度を調整することができる。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定方法>
細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンター Multisizer 3)と、専用ソフト(商品名:ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51、ベックマン・コールター社製)を用いる。アパーチャー径は100μmを用い、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、ベックマン・コールター社製のISOTON II(商品名)が使用できる。なお、測定、解析を行う前に、以下のように該専用ソフトの設定を行う。
該専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は(標準粒子10.0μm、ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON II(商品名)に設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに該電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに該電解水溶液30mLを入れる。ここにコンタミノンN(商品名)(精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器(商品名:Ultrasonic Dispersion System Tetora150、日科機バイオス(株)製)の水槽内にイオン交換水所定量とコンタミノンN(商品名)を2mL添加する。
(4)該(2)のビーカーを該超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)該(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー(粒子)10mgを少量ずつ該電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃~40℃となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した該(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー(粒子)を分散した該(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の該専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
〔本発明の実施形態に含まれる構成〕
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)結着樹脂、顔料および顔料分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、結晶性樹脂を20.0質量%以上100.0質量%以下含有し、
該顔料分散剤は、上記式(1)で表される構造と、上記式(3)で表される単量体単位を含有するポリマー部位とを有し、
該顔料分散剤における該上記式(1)で表される構造の含有量が1.0質量%以上15.0質量%以下であり、
該顔料分散剤における該上記式(3)で表される単量体単位の含有量が45.0質量%以上80.0質量%以下であり、
該顔料分散剤の重量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下であることを特徴とするトナー。
(構成2)前記式(1)で表される構造において、R2~R11のうちの少なくとも一つが、前記式(2-1)で表される基を表す、或いは、R2~R11の隣り合う基が前記式(2-2)で表される基を表す構成1に記載のトナー。
(構成3)前記式(1)で表される構造が、上記式(4)で表される構造である構成1に記載のトナー。
(構成4)前記顔料分散剤は、DSC測定において50℃以上70℃以下に前記ポリマー部位に由来する融点ピークを有する構成1~3のいずれかに記載のトナー。
(構成5)前記結着樹脂が、非晶性樹脂を含有し、
走査透過電子顕微鏡により前記トナー粒子の断面を観察したとき、該断面にマトリクス・ドメイン構造が観察され、マトリクス中に主成分として前記結晶性樹脂が含まれ、ドメイン中に前記非晶性樹脂が主成分として含まれる構成1~4のいずれかに記載のトナー。
(構成6)前記結晶性樹脂が、上記式(5)で示す構造を含有する1に記載のトナー。
(構成7)前記顔料分散剤の極性パラメータP1、及び前記結晶性樹脂の極性パラメータP2が、下記式を満たす構成1~6のいずれかに記載のトナー。
│P1-P2│≦0.10
(P1は、該顔料分散剤0.05質量部、及びクロロホルム1.48質量部からなる溶液にアセトニトリル0.10質量部を添加して求められる該顔料分散剤の析出点におけるアセトニトリルの体積分率を示す。
P2は、該結晶性樹脂0.05質量部、およびクロロホルム1.48質量部からなる溶液にアセトニトリル0.10質量部を添加した際の該結晶性樹脂の析出点におけるアセトニトルの体積分率を示す。)
(構成8)前記トナー粒子がワックスを含有し、該ワックスの数平均分子量(Mn)が300以上3000以下である構成1~7のいずれかに記載のトナー。
(構成9)前記ワックスは、エステルワックスである構成8に記載のトナー。
(構成10)前記ワックスは、4価以上8価以下のアルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、或いは、4価以上8価以下のカルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステルである構成9に記載のトナー。
(構成11)前記顔料が、下記群より選ばれる顔料を含む構成1~10のいずれかに記載のトナー。
カーボンブラック;C.I.Pigment Yellow74、93、139、155、180、185;C.I.Pigment Red31、122、150、170、258、269;C.I.Pigment Blue15:3、15:4
本発明を以下に示す製造例及び実施例により具体的に説明する。しかし、これらは本発明をなんら限定するものではない。なお、製造例及び実施例中の「部」及び「%」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<ポリマー部位(P-1)の製造例>
反応容器に、キシレン100.0部、ベヘニルアクリレート69.9部、スチレン28.4部、メタクリル酸1.7部、11.27部を投入し、窒素パージしながら70℃に保温した。その後、重合開始剤としてアゾビス(イソ酪酸)ジメチル1.5部をキシレン1.0部に溶解させたものを3時間かけて反応容器に滴下した。滴下終了後、反応容器を70℃で3時間保持し重合を行った。その後、液温170℃に昇温させ1hPaの減圧下で3時間蒸留して脱溶剤し、ポリマー部位(P-1)を得た。
<ポリマー部位(P-2)~(P-18)の製造例>
ポリマー部位(P-1)の製造例で、表1のように原料を変更した以外はポリマー部位(P-1)と同様にして、ポリマー部位(P-2)~(P-18)を得た。ポリマー部位(P-2)~(P-18)の組成比について表1に示す。
Figure 2024089035000013
BEA:ベヘニルアクリレート
St:スチレン
MA:メチルアクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
2-MTA:2-メトキシエチルアクリルレート
MAA:メタクリル酸
<顔料吸着部位前駆体(A-1)の製造例>
先ず、酢酸140部にm-ニトロアニリン25.0部、ジケテン15.4部、及びアセトン15.0部を加え、65℃で3時間撹拌した。反応終了後、水1200部に注ぎ込んだ後、濾過により化合物(1)38.4部を得た(収率96.0%)。
次に、5-アミノ-2-ベンズイミダゾリノン15.0部に、N,N-ジメチルホルムアミド142部、濃塩酸30.8部を加えて5℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム7.25部を水50.0部に溶解させたもの加えて同温度で1時間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。N,N-ジメチルホルムアミド142部に、化合物(1)21.9部、炭酸カルシウム68.4部を加えて、5℃以下に氷冷し、上記ジアゾニウム塩溶液を加え、5℃以下で3時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、溶媒を減圧留去した。析出した沈殿を、希塩酸、水、メタノールで洗浄することで、化合物(2)36.0部を得た(収率94.3%)。
得られた化合物(2)を1,4-ジオキサン203部に加え、室温下、水硫化ナトリウム12.4部を水80部に溶解させた溶液を滴下した。滴下後、溶液を昇温し、50℃で26時間撹拌した。反応終了後、反応液を水中に注ぎ込み、析出した沈殿を濾別し、希塩酸、水、メタノールで洗浄することで顔料吸着部位前駆体(A-1)(化合物(3))10.0部を得た(収率50.6%)。顔料吸着部位前駆体(A-1)の構造について表2に示す。
<顔料吸着部位前駆体(A-2)及び(A-3)の製造例>
顔料吸着部位前駆体1の製造例で、表2の組成となるように用いる化合物などを変更した以外は顔料吸着部位前駆体1と同様にして、顔料吸着部位前駆体(A-2)及び(A-3)を得た。
Figure 2024089035000014
<顔料分散剤Sy-1の製造例>
ポリマー(P-1) 10.0部をクロロホルム100部に溶解して、塩化チオニル1.5部を滴下して室温で24時間撹拌を行った。その後、反応液を濃縮して、クロロホルムと過剰の塩化チオニルを除去し、得られた樹脂固形物を回収して、N,N-ジメチルアセトアミド60.0部に窒素雰囲気下70℃で再度溶解させた。顔料吸着部位前駆体(A-1)1.5部を加えて窒素雰囲気下70℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を濃縮した後、メタノールで再沈殿させることで顔料分散剤Sy-1を9.87部得た。
得られた顔料分散剤Sy-1の組成および物性(重量平均分子量(Mw)、融点(Tm)、極性パラメータP1)を表3に示す。
顔料分散剤Sy-1の構造式は下記式で表され、上記式(4)中のR17が連結基としてカルボン酸アミド結合(-CONH-)であり、ポリマー部位と結合する。
Figure 2024089035000015
<顔料分散剤Sy-2~Sy-18の製造例>
顔料分散剤Sy-1の製造例で、表3の組成となるように変更した以外は顔料分散剤Sy-1と同様にして、顔料分散剤Sy-2~Sy-18を得た。顔料分散剤Sy-2~Sy-18の組成および物性について表3に示す。





















Figure 2024089035000016
<結晶性樹脂C-1の製造例>
還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を投入した。
・トルエン 100.0部
・ベヘニルアクリレート 80.0部
・スチレン 20.0部
・重合開始剤t-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV)0.5部
上記反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。その後、160℃、1hPaにてトルエン及び残存モノマーを留去し結晶性樹脂C-1を得た。
<結晶性樹脂C-2の製造例>
結晶性樹脂C-1の調製において、ベヘニルアクリレート60.0部、スチレン15部、メタクロニトリル25部に変更した以外は結晶性樹脂C-1と同様にして結晶性樹脂C-2を得た。
<結晶性樹脂C-3の製造例>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸118.0部及び、1,6-ヘキサンジオール69.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度160℃に昇温し5時間かけて縮重合した。その後、温度180℃に昇温し、減圧させながら所望の分子量となるまで反応させて結晶性樹脂C-3を得た。
<結晶性樹脂C-4の製造例>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸118.0部及び、1,6-ヘキサンジオール69.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。チタン(IV)イソプロポキシド0.7質量部を加えた後、温度160℃に昇温し5時間かけて縮重合する。アクリル酸7.0質量部、スチレン50.0質量部を1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま1時間撹拌を続けた後、8.3kPaにて1時間スチレン樹脂成分の単量体の除去を行った。その後210℃に昇温し、所望の分子量になるまで反応させて結晶性樹脂C-4を得た。
結晶性樹脂C-1~C-4の組成と物性(重量平均分子量(Mw)、極性パラメータP2)を表4に示す。
Figure 2024089035000017
<ブラックトナー1の製造例>
[着色剤分散液1の調製工程]
・スチレンモノマー 100.0部
・カーボンブラック(CB) 20.0部
(Nipex35:Oorion Engineerred Carbons社製)
・顔料分散剤Sy-1 2.0部
上記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行い、着色剤分散液1を調製した。
[トナー組成物溶解液の調製工程]
・着色剤分散液1 48.8部
・スチレン 4.0部
・n-ブチルアクリレート(BA) 19.0部
・結晶性樹脂C-1 35.0部
・ジペンタエリスリトールヘキサステアレート 10.0部
上記材料を混合して65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液1を得た。
[分散液(水系媒体)の調製工程]
高速撹拌装置TK-ホモミキサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水710部に0.1M-Na3PO4水溶液450部を投入し60℃に加温した。その後、1.0M-CaCl2水溶液67.7部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体1を得た。
[造粒工程]
水系媒体1の温度を60℃、撹拌装置の回転数を12500rpmに保ちながら、水系媒体1中にトナー組成物溶解液1を投入し、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま撹拌装置にて12500rpmを維持しつつ10分間造粒した。
[重合工程]
高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根を備えた撹拌機に変更し、200rpmで撹拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行った。その後、98℃に昇温して3.0時間加熱することで残留モノマーを除去し、ブラックトナー粒子1が分散したブラックトナー粒子分散液を得た。
得られたブラックトナー粒子1分散液に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。これを加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離を行い、トナーケーキを得た。次に、イオン交換水を加圧濾過器に満水になるまで加え、0.4Mpaの圧力で洗浄した。この洗浄操作を、三度繰り返したのち乾燥し、ブラックトナー粒子1を得た。得られたトブラックトナー粒子の重量平均粒径(D4)は6.9μmであった。
得られたブラックトナー粒子1の100.0部に、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体を1.5部(数平均一次粒子径:10nm)添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で300秒間混合工程を行いブラックトナー1を得た。ブラックトナー1について組成と物性を表5に示す。
<ブラックトナー2~27の製造例>
ブラックトナー1の製造例で、ブラックトナー粒子1の組成物を表5のように変更した以外は同様にして、ブラックトナー2~27を得た。ブラックトナー2~27について表5に示す。
Figure 2024089035000018
Figure 2024089035000019
<マゼンタトナー1の製造例>
[着色剤分散液2の調製工程]
・スチレンモノマー 100.0部
・ピグメントレッド122 (PR-122) 12.5部
(Toner Magenta E[クラリアント社製])
・ピグメントレッド150(PR-150) 7.5部
(Fuji Fast Carmine522[冨士色素株式会社製])
・顔料分散剤(Sy-1) 2.0部
上記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行い、着色剤分散液2を調製した。
以降、ブラックトナー1と同様にしてマゼンタトナー1を得た。得られたマゼンタトナー1について組成と物性を表6に示す。
<マゼンタトナー2~5の製造例>
マゼンタトナー1の製造例で、マゼンタトナー1の顔料分散剤を表6のように変更した以外は同様にして、マゼンタトナー2~5を得た。マゼンタトナー2~5について表6に示す。
Figure 2024089035000020
<イエロートナー1の製造例>
[着色剤分散液2の調製工程]
・スチレンモノマー 100.0部
・ピグメントイエロー155 (PY-155) 20.0部
(Paliotol Yellow D1155[BASF社製])
・顔料分散剤(Sy-1) 2.0部
上記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行い、着色剤分散液2を調製した。
以降、ブラックトナー1と同様にしてイエロートナー1を得た。得られたイエロートナー1について組成と物性を表7に示す。
<イエロートナー2~5の製造例>
イエロートナー1の製造例で、イエロートナー1の顔料を表7のように変更した以外は同様にして、イエロートナー2~5を得た。イエロートナー2~5について表7に示す。
Figure 2024089035000021
<シアントナー1の製造例>
[着色剤分散液2の調製工程]
・スチレンモノマー 100.0部
・ピグメントブルー15:3 20.0部
(ECB-308[大日精化工業株式会社製])
・顔料分散剤(Sy-1) 2.0部
上記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行い、着色剤分散液2を調製した。
以降、ブラックトナー1と同様にしてシアントナー1を得た。得られたシアントナー1について組成と物性を表8に示す。
<シアントナー2~5の製造例>
シアントナー1の製造例で、シアントナー1の顔料分散剤を表8のように変更した以外は同様にして、シアントナー2~5を得た。シアントナー2~5について表8に示す。
Figure 2024089035000022



<画像評価>
画像評価は、市販のカラーレーザープリンタ〔HP LaserJet Enterprise Color M555dn]を一部改造して評価を行った。改造は一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改良した。また、定着器を任意の温度に変更できるように改造した。
このカラーレーザープリンタに搭載されていたブラックトナー用のプロセスカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、プロセスカートリッジに各トナー(250g)を導入し、トナーを詰め替えたプロセスカートリッジをカラーレーザープリンタに装着し、以下の画像評価を行った。具体的な画像評価項目は下記の通りである。
[着色力の評価方法]
転写材中央に6.5cm×14.0cmの長方形のベタ画像(トナーの載り量:0.45mg/cm2)の出力を行い評価画像とした。評価画像中の画像濃度を測定して着色力を評価した。なお、画像濃度の測定には「X-Riteカラー反射濃度計(color refledtion densitometer X-Rite404A)」を用いて測定した。ベタ画像部の右上、左上、中央、右下、左下の5点の濃度を測定し、平均値を画像濃度として評価した。転写材は、LETTERサイズのグロス紙(HP Brochure Paper 150g , Glossy)を用いた。
(評価基準)
A:画像濃度が1.60以上
B:画像濃度が1.50以上1.60未満
C:画像濃度が1.40以上1.50未満
D:画像濃度が1.40未満
[低温定着性の評価方法]
転写材にベタ画像(トナーの載り量:0.45mg/cm2)を、定着温度を5℃きざみに変えてプリントし、下記の基準で評価した。なお、定着温度は定着ローラー表面を非接触の温度計を用いて測定した値である。転写材は、LETTERサイズの普通紙(Vitality、XEROX社製、75g/m2)を用いた。
(評価基準)
A:低温定着開始温度が115℃以下
B:低温定着開始温度が120℃以上130℃以下
C:低温定着開始温度が135℃以上145℃以下
D:低温定着開始温度が150℃以上
[耐ホットオフセット性の評価方法]
上記評価方法と同様にして定着画像を作成し、最高定着温度の評価を行った。最高定着温度はオフセットが発生しない最高の温度と定義する。
(評価基準)
A:最高定着温度が205℃以上
B:最高定着温度が195℃又は200℃
C:最高定着温度が185℃又は190℃
D:最高定着温度が180℃以下
[保存性(耐熱性)の評価方法]
各トナー5gを50mLの樹脂製カップに取り、温度60℃/湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べ、下記の基準で評価した。
(評価基準)
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
C:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない
D:完全に凝集
<スジ(現像性)評価方法>
高温高湿環境下(温度32℃/湿度85%RH)において、横線で1%の印字率の画像を30000枚プリントアウト試験終了後、LETTERサイズの普通紙(Vitality、XEROX社製、75g/m2)にハーフトーン(トナーの載り量:0.25mg/cm2)の画像をプリントアウトした。ハーフトーン画像における排紙方向の縦スジの有無について観察し、以下のように現像性を評価した。
(評価基準)
A:未発生
B:ハーフトーン部の画像上に排紙方向の縦スジが1カ所以上3カ所以下発生
C:ハーフトーン部の画像上に排紙方向の縦スジが4カ所以上6カ所以下発生
D:ハーフトーン部の画像上に排紙方向の縦スジが7カ所以上発生、あるいは、幅0.5mm以上の縦スジが発生
〔実施例1~20〕
実施例1~20では、トナーとして、ブラックトナー1~20をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表9に示す。
〔比較例1~7〕
比較例1~7では、トナーとしてブラックトナー21~27をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表9に示す。なお、比較例4は、耐熱性の評価で完全に凝集してしまうもののため、低温定着性、耐ホットオフセット性及び現像性の評価は行わなかった。
Figure 2024089035000023
〔実施例21~35〕
実施例21~25では、トナーとしてマゼンタトナー1~5をそれぞれ用いて上記評価を行った。実施例26~30では、トナーとしてイエロートナー1~5をそれぞれ用いて上記評価を行った。実施例31~35では、トナーとしてシアントナー1~5をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表10に示す。
Figure 2024089035000024

Claims (11)

  1. 結着樹脂、顔料および顔料分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該結着樹脂は、結晶性樹脂を20.0質量%以上100.0質量%以下含有し、
    該顔料分散剤は、下記式(1)で表される構造と、下記式(3)で表される単量体単位を含有するポリマー部位とを有し、
    該顔料分散剤における該下記式(1)で表される構造の含有量が1.0質量%以上15.0質量%以下であり、
    該顔料分散剤における該下記式(3)で表される単量体単位の含有量が45.0質量%以上80.0質量%以下であり、
    該顔料分散剤の重量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下であることを特徴とするトナー。
    Figure 2024089035000025
    (式(1)中、
    1は、置換基を有するアルキル基、置換基を有さないアルキル基、置換基を有するフェニル基又は置換基を有さないフェニル基を表し、
    2~R11のうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との連結基、または該ポリマー部位と単結合で結合する部位であり、
    該連結基でないR2~R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基または下記式(2-1)で表される基を表す、或いは、R2~R11の隣り合う基が、下記式(2-2)で表される基を表す。)
    Figure 2024089035000026
    (式(2-1)中、
    *は、式(1)中のR2~R6、又はR7~R11を有する芳香環との結合位置を表す。
    12は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アラルキル基、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、若しくは、置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。
    1は、酸素原子、硫黄原子、又はNR13基を表し、
    13は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。)
    Figure 2024089035000027
    (式(2-2)中、
    *及び**は、式(1)中のR2~R6、又はR7~R11を有する芳香環との結合位置を表す。
    式(2-2)で表わされる基は、式(1)中のR2~R6、又はR7~R11を有する芳香環と結合することによって5員複素環を形成する。
    2は、酸素原子、硫黄原子、又はNR13基を表し、
    13は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。)
    Figure 2024089035000028
    (式(3)中、
    14は、水素原子またはメチル基を表し、
    1は、エステル結合またはアミド結合を表し、
    mは、20以上30以下の整数を表す。)
  2. 前記式(1)で表される構造において、R2~R11のうちの少なくとも一つが、前記式(2-1)で表される基を表す、或いは、R2~R11の隣り合う基が前記式(2-2)で表される基を表す請求項1に記載のトナー。
  3. 前記式(1)で表される構造が、下記式(4)で表される構造である請求項1に記載のトナー。
    Figure 2024089035000029
    (式(4)中、
    15は、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表す。
    16~R20のうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基である。
    該連結基ではないR16~R20は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、またはカルボキシ基を表す。)
  4. 前記顔料分散剤は、DSC測定において50℃以上70℃以下に前記ポリマー部位に由来する融点ピークを有する請求項1または2に記載のトナー。
  5. 前記結着樹脂が、非晶性樹脂を含有し、
    走査透過電子顕微鏡により前記トナー粒子の断面を観察したとき、該断面にマトリクス・ドメイン構造が観察され、マトリクス中に主成分として前記結晶性樹脂が含まれ、ドメイン中に前記非晶性樹脂が主成分として含まれる請求項1または2に記載のトナー。
  6. 前記結晶性樹脂が、下記式(5)で示す構造を含有する請求項1に記載のトナー。
    Figure 2024089035000030
    (式(5)中、
    21は、水素原子またはメチル基を表し、
    2は、単結合、エステル結合、またはアミド結合を表し、
    nは、15以上30以下の整数を表す。)
  7. 前記顔料分散剤の極性パラメータP1、及び前記結晶性樹脂の極性パラメータP2が、下記式を満たす請求項1または2に記載のトナー。
    │P1-P2│≦0.10
    (P1は、該顔料分散剤0.05質量部、及びクロロホルム1.48質量部からなる溶液にアセトニトリル0.10質量部を添加して求められる該顔料分散剤の析出点におけるアセトニトリルの体積分率を示す。
    P2は、該結晶性樹脂0.05質量部、およびクロロホルム1.48質量部からなる溶液にアセトニトリル0.10質量部を添加した際の該結晶性樹脂の析出点におけるアセトニトルの体積分率を示す。)
  8. 前記トナー粒子がワックスを含有し、該ワックスの数平均分子量(Mn)が300以上3000以下である請求項1または2に記載のトナー。
  9. 前記ワックスは、エステルワックスである請求項8に記載のトナー。
  10. 前記ワックスは、4価以上8価以下のアルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、或いは、4価以上8価以下のカルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステルである請求項9に記載のトナー。
  11. 前記顔料が、下記群より選ばれる顔料を含む請求項1または2に記載のトナー。
    カーボンブラック;C.I.Pigment Yellow74、93、139、155、180、185;C.I.Pigment Red31、122、150、170、258、269;C.I.Pigment Blue15:3、15:4
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