JP2023539275A - 新規なrho関連タンパク質キナーゼ阻害剤の調製方法およびその調製方法における中間体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規なRho関連タンパク質キナーゼ阻害剤の調製方法およびその調製方法における中間体に関する。
Rho関連タンパク質キナーゼ(ROCK)は、AGCキナーゼファミリーからのセリン/トレオニンキナーゼであり、2個のアイソフォーム、ROCK1およびROCK2を含む。ROCK1およびROCK2は、特定の組織において異なって発現および調節される。例えば、ROCK1は、比較的高いレベルで遍在的に発現されるが、ROCK2は、心臓、脳および骨格筋で優先的に発現される。ROCKは、発見されたRhoタンパク質の最初の下流エフェクターであり、その生物学的機能は、下流エフェクタータンパク質をリン酸化することによって達成される(MLC、Lin-11、Isl-1、LIMK、ERM、MARCKS、CRMP-2など)。研究により、様々な疾患(例えば、肺線維症、心臓脳血管疾患、神経疾患および癌など)がROCKによって媒介される経路に関連することが示されている。このように、ROCKは、新規な薬物の開発における重要な標的であると考えられている。
一態様では、本発明は、式(I)-c
(式中、
PGは、-CH(OR5)R6であり、好ましくは-CH(OCH2CH3)CH3であり、
Hal1は、ハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはIであり、好ましくはClであり、
RaおよびRa’は、各出現において、HおよびC1-6アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、または、RaおよびRa’は、それらが結合している基と一緒になって、5~10員の環系(環系は好ましくは
である。)を形成し、
Rは、HおよびC1-6アルキルからなる群から選択され、
R1は、
または
であり、好ましくは
であり、
R3、R4、R7およびR8は、各出現において、H、ハロゲン、-NR5R6、-OH、C1-6アルキルおよび-OR5からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R9およびR10は、各出現において、H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-10環状ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~14員ヘテロアリール、C6-12アラルキル、-C(=O)R5および-C1-6アルキレン-O(P=O)(OH)2からなる群からそれぞれ独立して選択され、
上記のアルキレン、アルキル、アルケニル、環状ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールおよびアラルキルは、各出現において、ハロゲン、C1-6アルキルおよび-OR5からなる群から独立して選択される1個以上の置換基で、それぞれ任意選択で置換され、
R5およびR6は、各出現において、H、C1-6アルキル、C3-10環状ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~14員ヘテロアリールおよびC6-12アラルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、またはR5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって、3~12員の複素環もしくはヘテロ芳香環を形成し、
mは、各出現において、それぞれ独立して、0、1、2または3の整数であり、
nは、各出現において、それぞれ独立して、0、1または2の整数である。)
の化合物を調製するための方法であって、
触媒(例えば、金属触媒、好ましくはパラジウム触媒)の触媒作用下で(好ましくは塩基の存在下で)、式(I)-aの化合物を式(I)-bの化合物と反応させて式(I)-cの化合物を得るステップを含む、方法を提供する。
(式中、
R2は、HおよびC1-6アルキルからなる群から選択され、
残りの基は、上に定義した通りである。)
の化合物を調製するための方法であって、
ステップ1:触媒(例えば、金属触媒、好ましくはパラジウム触媒)の触媒作用下で(好ましくは塩基の存在下で)、式(I)-aの化合物を式(I)-bの化合物と反応させて、式(I)-cの化合物を得るステップと、
ステップ2:式(I)-cの化合物中のPG保護基を除去して、式(I)の化合物を得るステップであって、R2がC1-6アルキル基である場合、R2を含有する試薬と反応させるステップがさらに含まれる、ステップと、を含む、方法を提供する。
定義
文脈において他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。本明細書で用いられる技術への言及は、当業者には明らかであろうそれらの技術の変形または同等の技術の置換を含む、当技術分野で一般的に理解されている技術を指すことを意図している。以下の用語は、当業者によって容易に理解されると考えられるが、それでもなお、以下の定義は、本発明をよりよく説明するために提示される。
)、実線くさび(
)、または点線くさび(
)を使用して示すことができる。不斉炭素原子への結合を示すための実線の使用は、その炭素原子におけるすべての可能な立体異性体(例えば、特定のエナンチオマー、ラセミ混合物など)が含まれることを示すことを意味する。不斉炭素原子への結合を示すための実線または点線のくさびのいずれかの使用は、示されている立体異性体が存在することを示すことを意味する。ラセミ化合物中に存在する場合、固体および点線のくさびを使用して、絶対立体化学ではなく相対立体化学を定義する。特に明記しない限り、本発明の化合物は、シスおよびトランス異性体、RおよびSエナンチオマーなどの光学異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、アトロプ異性体、およびそれらの混合物を含む立体異性体として存在し得ることが意図される。本発明の化合物は、2種類以上の異性を示し得、それらの混合物(ラセミ体およびジアステレオマー対など)からなり得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、式(I)-cの化合物を調製するための方法を提供し、
(式中、
PGは、-CH(OR5)R6であり、好ましくは-CH(OCH2CH3)CH3であり、
Hal1は、ハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはIであり、好ましくはClであり、
RaおよびRa’は、各出現において、HおよびC1-6アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、または、RaおよびRa’は、それらが結合している基と一緒になって、5~10員の環系(環系は好ましくは
である。)を形成し、
Rは、HおよびC1-6アルキルからなる群から選択され、
R1は、
または
であり、好ましくは
であり、
R3、R4、R7およびR8は、各出現において、H、ハロゲン、-NR5R6、-OH、C1-6アルキルおよび-OR5からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R9およびR10は、各出現において、H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-10環状ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~14員ヘテロアリール、C6-12アラルキル、-C(=O)R5および-C1-6アルキレン-O(P=O)(OH)2からなる群からそれぞれ独立して選択され、
上記のアルキレン、アルキル、アルケニル、環状ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールおよびアラルキルは、各出現において、ハロゲン、C1-6アルキルおよび-OR5からなる群から独立して選択される1個以上の置換基で、それぞれ任意選択で置換され、
R5およびR6は、各出現において、H、C1-6アルキル、C3-10環状ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~14員ヘテロアリールおよびC6-12アラルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、またはR5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって、3~12員の複素環もしくはヘテロ芳香環(好ましくは5~6員の複素環)を形成し、
mは、各出現において、それぞれ独立して、0、1、2または3の整数であり、
nは、各出現において、それぞれ独立して、0、1または2の整数である。)
の化合物を調製するための方法であって、
触媒(例えば、金属触媒、好ましくはパラジウム触媒)の触媒作用下で(好ましくは塩基の存在下で)、式(I)-aの化合物を式(I)-bの化合物と反応させて式(I)-cの化合物を得るステップを含む、方法を提供する。
(式中、
R2は、HおよびC1-6アルキルからなる群から選択され、
残りの基は、上に定義した通りである。)
の化合物を調製するための方法であって、
ステップ1:触媒(例えば、金属触媒、好ましくはパラジウム触媒)の触媒作用下で(好ましくは塩基の存在下で)、式(I)-aの化合物を式(I)-bの化合物と反応させて、式(I)-cの化合物を得るステップと、
ステップ2:式(I)-cの化合物中のPG保護基を除去して、式(I)の化合物を得るステップであって、R2がC1-6アルキル基である場合、R2を含有する試薬と反応させるステップがさらに含まれる、ステップと、を含む、方法を提供する。
を形成する。
、
、
および
からなる群からそれぞれ独立して選択される。
を有する化合物A-51であり、
式(I)-bの化合物は、以下の構造:
を有する化合物A-8であり、
式(I)-cの化合物は、以下の構造:
を有する化合物A-103である。
に従って調製され、
Hal2は、ハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはIであり、好ましくはClであり、
残りの基は、上に定義した通りである。)
の化合物を調製するための方法であって、
ステップA:式(I)-a-1の化合物にPG保護基を導入して、式(I)-a-2の化合物を得るステップと、
ステップB:還元条件下で式(I)-a-2の化合物を反応させて、式(I)-a-3の化合物を得るステップであって、RがHでない場合、Rを含有する試薬との反応をさらに含む、ステップと、
ステップC:式(I)-a-3の化合物を式(I)-a-4の化合物と反応させて、式(I)-aの化合物を得るステップと、を含み、
好ましくは、ステップAにおいて、式(I)-a-1の化合物をエチルビニルエーテルと反応させて、-CH(OCH2CH3)CH3の保護基を導入し、式(I)-a-1の化合物とエチルビニルエーテルとのモル比は、好ましくは約1:1~1:2、好ましくは約1:1~1:1.5であり、
好ましくは、ステップAは、エーテル溶媒(例えば、3~10個の炭素原子を有するエーテル、好ましくは環式エーテル、例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)およびジオキサン、好ましくはテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン)中で実施され、
好ましくは、ステップAは、酸の存在下で実施され、酸は、好ましくは塩酸のジオキサン溶液であり、
好ましくは、ステップAは、約50~10℃、好ましくは約30~20℃の温度で実施され、
好ましくは、ステップBで使用される還元剤は、硫化ナトリウムであり、式(I)-a-2の化合物と硫化ナトリウムとのモル比は、約1:1~1:5、好ましくは約1:1~1:3であり、
好ましくは、ステップBの反応溶媒は、1~10個の炭素原子を有するアルコール性溶媒(メタノール、エタノール、1-プロパノール(n-プロパノール)、2-プロパノール(イソプロパノール)、1-ブタノール、2-ブタノールおよびtert-ブタノールが挙げられるが、これらに限定されない)、水、またはアルコール性溶媒と水との混合溶媒であり、
好ましくは、ステップBは、約100~20℃、好ましくは約80~70℃の温度で実施され、
好ましくは、ステップCにおける式(I)-a-3の化合物と式(I)-a-4の化合物とのモル比は、約1:1~1:2、好ましくは約1:1~1:1.5であり、
好ましくは、ステップCは、塩基の存在下で実施され、塩基は、好ましくはイミダゾール、トリエチルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、DBUおよびDIEAから選択される有機塩基、最も好ましくはDIEAであり、(I)-a-3の化合物と塩基とのモル比は、好ましくは約1:1~1:5、好ましくは約1:1~1:2であり、
好ましくは、ステップCは、1~10個の炭素原子を有するアルコール性溶媒中で実施され、アルコール性溶媒としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール(n-プロパノール)、2-プロパノール(イソプロパノール)、1-ブタノール、2-ブタノールおよびtert-ブタノールが挙げられるが、これらに限定されず、
好ましくは、ステップCは、約120~20℃、好ましくは約80~70℃の温度で実施される。
好ましい実施形態では、式(I)-bの化合物は、以下の方法:
に従って調製され、
Hal3は、ハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはIであり、好ましくはClであり、
LGは、-OHなどの脱離基、またはF、Cl、BrおよびIから選択されるハロゲンであり、
残りの基は、上に定義した通りである。)
の化合物を調製するための方法であって、
ステップI:式(I)-b-1の化合物を、R1基を含有する試薬と反応させて、式(I)-b-2の化合物を得るステップと、
ステップII:R10がHである場合、ステップIIが必要ではないという条件で、式(I)-b-2の化合物を、R10基を含有する試薬と反応させて、式(I)-b-3の化合物を得るステップと、
ステップIII:触媒(例えば、金属触媒、好ましくはパラジウム触媒)の触媒作用下で(好ましくは塩基の存在下で)、式(I)-b-3の化合物をホウ酸またはホウ酸エステルと反応させて、式(I)-bの化合物を得るステップと、を含み、
好ましくは、R1基を含有する試薬は、
またはその塩酸塩であり、
好ましくは、ステップIにおける式(I)-b-1の化合物とR1基を含有する試薬とのモル比は、約1:1~1:2、好ましくは約1:1~1:1.5であり、
好ましくは、ステップIは、カルボン酸活性化試薬(好ましくはCDI)の存在下で実施され、式(I)-b-1の化合物とカルボン酸活性化試薬とのモル比は、好ましくは約1:1~1:2、好ましくは約1:1~1:1.5であり、
好ましくは、ステップIは、1~10個の炭素原子を有するアミド溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルアセトアミド)中で実施され、
好ましくは、ステップIは、-10℃~60℃、好ましくは10℃~30℃の温度で実施され、
好ましくは、ステップIIにおける式(I)の化合物-b-2とR10基を含有する試薬とのモル比は、約1:1~1:15、好ましくは約1:1-1:10であり、
好ましくは、R10がC1-6アルキル基である場合、R10基を含有する試薬は、アルキル化剤であり、アルキル化剤は、好ましくは、ジメチルカーボネートであり、
好ましくは、ステップIIは、1~10個の炭素原子を有するアミド溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルアセトアミド)中で実施され、
好ましくは、ステップIIは、塩基の存在下で実施され、塩基は、好ましくは、TMED、イミダゾール、トリエチルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、DBUおよびDIEAから選択される有機塩基であり、最も好ましくは、TMEDであり、式(I)-b-2と塩基とのモル比は、好ましくは約5:1~1:1、好ましくは約2:1~1:1であり、
好ましくは、ステップIIは、約150~80℃、好ましくは約130~100℃の温度で実施され、
好ましくは、ステップIIIにおけるパラジウム触媒は、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリフェニルホスフィンパラジウムおよび酢酸パラジウムからなる群から選択され、好ましくは[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムであり、
好ましくは、塩基は、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウムからなる群から選択される無機塩基であり、好ましくは酢酸カリウムまたは炭酸カリウムであり、
好ましくは、ホウ酸エステルは、ビス(ピナコラト)ジボロンであり、
好ましくは、ステップIIIにおいて、式(I)の化合物-b-3とホウ酸またはホウ酸エステルとのモル比は、約1:1~1:2、好ましくは約1:1~1:1.5であり、
好ましくは、式(I)の化合物-b-3とパラジウム触媒とのモル比は、約200:1~80:1、好ましくは約150:1~90:1であり、
好ましくは、式(I)の化合物-b-3と塩基とのモル比は、約1:1~1:5、好ましくは約1:1~1:3であり、
好ましくは、ステップIIIは、エーテル溶媒(例えば、3~10個の炭素原子を有するエーテル、好ましくは環式エーテル、例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)およびジオキサン、好ましくはテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン)中で実施され、
好ましくは、ステップIIIは、約110~20℃、好ましくは約90~70℃の温度で実施される。
DMF(400ml)を反応フラスコに添加し、0~10℃に冷却し、POCl3(203.0g、1.32mol)を反応フラスコに滴下した。滴下終了後、反応フラスコに2-(4-ニトロフェニル)酢酸(A-SM1)(80.0g、0.44mol)を添加した。添加後、反応溶液を80℃に加温し、この温度で進行させた。TLCが出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、反応溶液を20~30℃に冷却し、氷水(800ml)を反応溶液に滴下し、続いてNaBF4(72.7g、0.66mol)の水(160ml)中溶液を滴下した。固体が沈殿した。反応系を0~10℃に冷却し、1時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾過ケーキを水(160ml)ですすぎ、回収した濾過ケーキを25±5℃で真空乾燥し、黄色固体135.0g、純度:100%、収率:91.2%を得た。
MSm/z(ESI):248.29M+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 8.26(d,J=8.7 Hz,2H),7.79(s,2H),7.60(d,J=8.7 Hz,2H),3.28(s,6H),2.47(s,6H).
エタノール(670ml)、A-11(134.0g、0.40mol)および酢酸(20ml)を反応フラスコに添加した。添加後、反応系の温度を70~80℃に加温し、55%ヒドラジン水和物(43.7g、0.48mol)を反応系に滴下した。滴下後、この温度で反応を進行させた。TLCが、出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、反応を停止し、45±5℃に冷却した。反応系に水(1340ml)を滴下し、添加後、0~10℃に冷却し、1時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキを水(268ml)ですすぎ、回収し、45±5℃の真空下で乾燥させて、74.0gの黄色固体、純度:99.07%、収率:約97.8%を得た。
MSm/z(ESI):190.12[M+H]+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 13.20(s,1H),8.29(s,2H),8.20(d,J=8.8 Hz,2H),7.88(d,J=8.8 Hz,2H).
THF(365ml)、A-2(73.0g、0.38mol)およびHClの1,4-ジオキサン中4M溶液(2.4ml、9.6mmol)を反応フラスコに添加した。添加後、エチルビニルエーテル(41.9g、0.579mol)を25±5℃で滴下した。滴下後、反応物を撹拌した。TLCが、出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、反応系に重炭酸ナトリウム(1.3g、15.4mmol)を添加し、1時間撹拌した。水(365ml)および酢酸エチル(365ml)を添加し、有機相を分離して回収し、水(365ml)で1回洗浄した。有機相を回収し、約150mlに濃縮し、n-ヘプタン(365ml)を添加し、大量の固体が沈殿した。混合物を0~10℃に冷却し、1時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをn-ヘプタン(150ml)ですすぎ、回収し、45±5℃の真空下で乾燥させて、89.5gの淡褐色固体、純度:99.1%、収率:約88.7%を得た。
MSm/z(ESI):262.08[M+H]+、190.20[M-72]+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 8.65(s,1H),8.25-8.20(m,2H),8.14(s,1H),7.95-7.89(m,2H),5.58(q,J=6.0 Hz,1H),3.52-3.41(m,1H),3.31-3.23(m,1H),1.64(d,J=6.0 Hz,3H),1.06(t,J=7.04 Hz,3H).
エタノール(264ml)およびA-21(88.0g、0.34mol)を反応フラスコに添加し、70~80℃に加温し、Na2S・9H2O(222.5g、0.93mol)の水(880ml)溶液を反応フラスコに滴下した。滴下後、この温度で反応を進行させた。TLCが、出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、反応溶液を40~50℃に冷却し、濃縮してエタノールを除去し、2-メチルテトラヒドロフラン(352ml)を反応系に添加した。有機相を分離して回収し、NaClの飽和溶液(440ml)で洗浄し、回収して約220mlに濃縮し、0~10℃に冷却し、大量の固体が沈殿した。系にn-ヘプタン(440ml)を滴下し、その後、温度を0~10℃に維持した。混合物を1時間撹拌し、濾過し、濾過ケーキをn-ヘプタン(176ml)ですすぎ、固体を回収し、真空下40~50℃で乾燥させて、73.6gの黄色固体、純度:99.2%、収率:約94.4%を得た。
MSm/z(ESI):232.29[M+H]+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 8.08(s,1H),7.72(s,1H),7.29-7.23(m,2H),6.59-6.53(m,2H),5.49(q,J=6.0 Hz,1H),5.01(s,2H),3.46-3.37(m,1H),3.26-3.17(m,1H),1.60(d,J=6.0 Hz,3H),1.03(t,J=7.0 Hz,3H).
A-31(70.0g、0.30mol)、エタノール(350ml)、2,4-ジクロロピリミジン(49.6g、0.33mol)およびDIEA(78.2g、0.60mol)を反応釜に添加した。添加後、反応溶液を75±5℃に加温し、この温度で一晩撹拌した。TLCが、出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、反応溶液を45±5℃に冷却し、留出物が生成されなくなるまで濃縮した。酢酸エチル(350ml)および水(350ml)を系に添加し、有機相を分離して回収し、塩化ナトリウムの飽和溶液(350ml)で洗浄した。有機相を回収し、45±5℃で約210mlに濃縮し、メチルtert-ブチルエーテル(350ml)を添加し、約210mlに濃縮し、メチルtert-ブチルエーテル(700ml)を添加し、50±5℃に加熱し、1時間撹拌し、5±5℃に冷却し、1時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをメチルtert-ブチルエーテル(140ml)ですすぎ、回収し、45±5℃の真空下で乾燥させて、93.3gの黄色固体、純度:99.4%、収率:約91.6%を得た。
MSm/z(ESI):344.29[M+H]+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 10.02(s,1H),8.32(s,1H),8.15(d,J=5.88 Hz,1H),7.91(s,1H),7.66-7.56(m,4H),6.75(d,J=5.88 Hz,1H),5.54(q,J=5.96 Hz,1H),3.50-3.39(m,1H),3.30-3.20(m,1H),1.63(d,J=6.0 Hz,3H),1.05(t,J=7.04 Hz,3H).
6-ブロモ-1H-インドール-2-カルボン酸(80.0g、0.33mol)およびDMF(560ml)を反応フラスコに添加し、CDI(64.5g、0.40mol)を添加し、反応物を25~30℃で撹拌した。TLCが、出発物質が中間体に完全に変換したことを示した後、3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩(47.5g、0.36mol)を反応系に添加した。TLCが、出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、反応を停止させ、水(1120ml)を添加し、0.5時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキを水(160ml)ですすぎ、回収し、40~50℃で乾燥させて、99.5gのオフホワイトの固体、純度99.0%、収率:約94.7%を得た。
MSm/z(ESI):315.24[M+H]+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 11.80(s,1H),7.60(m,2H),7.19(m,1H),6.94(m,1H),4.73(brs,4H).
A-6(98.0g、0.31mol)、ジメチルカーボネート(224.0g、2.49mol)、DMF(490ml)およびTMED(18.0g、0.15mol)を反応釜に添加した。添加後、反応溶液を110℃に加温し、撹拌した。TLCが、出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、反応を停止させ、55±5℃に冷却し、留出物が生成されなくなるまで減圧下で濃縮した。反応溶液を25±5℃に冷却し、水(980ml)を添加し、次いで、0~10℃に冷却し、1時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキを水(198ml)ですすぎ、回収し、45±5℃の真空下で乾燥させて、黄褐色固体96.2g、純度:91.0%、収率:約94.0%を得た。
MSm/z(ESI):329.27[M+H]+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 7.84(s,1H),7.58(d,J=8.4 Hz,1H),7.24(dd,J=8.4 Hz,1.7 Hz,1H),7.02(s,1H),3.92(s,3H),4.67(brs,4H).
A-7(95.0g、0.29mol)、KOAc(70.8g、0.72mol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(80.6g、0.32mol)および1,4-ジオキサン(950ml)を反応釜に添加した。添加後、窒素の置き換えを3回実行し、Pd(dppf)Cl2(2.1g、2.9mmol)を添加した。添加後、反応溶液を80℃に加温し、進行させた。TLCが、出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、反応を停止させ、25±5℃に冷却し、濾過した。濾過ケーキを酢酸エチル(475ml)で洗浄し、濾液を回収して合わせ、濾液を10%NaCl(475ml×2)で2回洗浄した。有機相を回収し、留出物が生成されなくなるまで45±5℃で濃縮した。混合物に酢酸エチル(143ml)を添加し、50±5℃に加温して透明な溶液を得た。溶液にn-ヘプタン(760ml)を滴下し、0~10℃に冷却し、1時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをn-ヘプタン(190ml)ですすぎ、回収し、45±5℃の真空下で乾燥させて、81.5gの黄色固体、純度:98.0%、収率:約75.0%を得た。
MSm/z(ESI):377.22[M+H]+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 7.82(s,1H),7.62(d,J=8 Hz,1H),7.41(d,J=8 Hz,1H),7.01(s,1H),4.75(brs,4H),3.91(s,3H),1.32(s,12H).
A-51(60.0g、0.17mol)、A-8(72.3g、0.19mol)、炭酸カリウム(72.4g、0.52mol)、DMF(300ml)、水(60ml)を反応フラスコに添加し、窒素の置き換えを6回実行した後、Pd(dppf)Cl2(1.28g、1.74mmol)を添加した。添加後、反応溶液を55±5℃に加温し、撹拌した。TLCが、出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、HPLC分析のために反応溶液を採取した。HPLCクロマトグラムは、図1に示す通りであり、出発物質および生成物の保持時間およびピーク面積百分率を以下の表に示す:
反応溶液に酢酸エチル(600ml)および水(600ml)を添加し、60±5℃で静置して相分離させた。有機相を回収した後、反応液に水(300ml)を添加した。60±5℃の温度で、水相を分離し、有機相を回収し、45±5℃で約300mlまで減圧下で濃縮した。混合物に酢酸エチル(300ml)を添加し、60±5℃に加熱して固体を溶解した。溶液にn-ヘプタン(600ml)を添加し、5±5℃に冷却し、1時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをn-ヘプタン(120ml)で洗浄し、回収し、45±5℃の真空下で乾燥させて、71.2gの黄色固体、純度:98.0%、収率:約73.0%を得た。
MSm/z(ESI):558.23[M+H]+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 9.10(s,1H),8.58(s,1H),8.43(d,J=5.4 Hz,1H),8.37(s,1H),8.22(dd,J=8.4 Hz,1.4 Hz,1H),7.96(s,1H),7.85(d,J=8.2 Hz,2H),7.76(d,J=8.4 Hz,1H),7.69(d,J=8.3 Hz,2H),7.09(s,1H),6.74(d,J=5.8 Hz,1H),5.58(q,J=6.04 Hz,1H),4.77(brs,4H),4.07(s,3H),3.53-3.44(m,1H),3.32-3.25(m,1H),1.67(d,J=6.04 Hz,3H),1.09(t,J=7.0 Hz,3H).
反応フラスコにエタノール(600ml)、A-103(60.0g、0.11mol)を添加し、20~30℃の温度で濃塩酸(33.6g、0.32mol)を滴下し、撹拌した。TLCが、出発物質が完全な反応を受けたことを示した後、トリエチルアミン(43.4g、0.43mol)を反応系に添加し、1時間撹拌した。反応系に水(600ml)を添加し、0~10℃に冷却し、1時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキを水(120ml)ですすぎ、回収し、40~50℃で真空下で乾燥させて、47.2gの黄色固体、収率:90.3%を得た。
MSm/z(ESI):486.23[M+H]+
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 11.12(s,1H),8.49(s,1H),8.41(d,J=6.9 Hz,1H),8.13(s,2H),7.97(d,J=8.4 Hz,1H),7.89(d,J=8.4 Hz,1H),7.76(m,4H),7.16(s,1H),6.96(d,J=7.2 Hz,1H),4.90(s,2H),4.56(s,2H),4.05(s,3H).
A-5(1.5g、4.03mmol)、A-8(1.67g、4.44mmol)、炭酸カリウム(1.71g、12.3mmol)、DMF(10ml)および水(2ml)を反応フラスコに添加し、窒素の置き換えを6回実行し、Pd(dppf)Cl2(30.3mg、41.2μmol)を添加した。添加後、反応液を55±5℃に加温し、22時間撹拌した。反応物をHPLC分析に供した。HPLCクロマトグラムは、図2に示す通りであり、主ピークの保持時間およびピーク面積を以下の表に示す。
Claims (10)
- 式(I)-c
(式中、
PGは、-CH(OR5)R6であり、好ましくは-CH(OCH2CH3)CH3であり、
Hal1は、ハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはIであり、好ましくはClであり、
RaおよびRa’は、各出現において、HおよびC1-6アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、または、RaおよびRa’は、それらが結合している基と一緒になって、5~10員の環系(前記環系は好ましくは
である。)を形成し、
Rは、HおよびC1-6アルキルからなる群から選択され、
R1は、
または
であり、好ましくは
であり、
R3、R4、R7およびR8は、各出現において、H、ハロゲン、-NR5R6、-OH、C1-6アルキルおよび-OR5からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R9およびR10は、各出現において、H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-10環状ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~14員ヘテロアリール、C6-12アラルキル、-C(=O)R5および-C1-6アルキレン-O(P=O)(OH)2からなる群からそれぞれ独立して選択され、
前記アルキレン、アルキル、アルケニル、環状ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールおよびアラルキルは、各出現において、ハロゲン、C1-6アルキルおよび-OR5からなる群から独立して選択される1個以上の置換基で、それぞれ任意選択で置換され、
R5およびR6は、各出現において、H、C1-6アルキル、C3-10環状ヒドロカルビル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~14員ヘテロアリールおよびC6-12アラルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、またはR5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって、3~12員の複素環もしくはヘテロ芳香環を形成し、
mは、各出現において、それぞれ独立して、0、1、2または3の整数であり、
nは、各出現において、それぞれ独立して、0、1または2の整数である。)
の化合物を調製するための方法であって、
触媒(例えば、金属触媒、好ましくはパラジウム触媒)の触媒作用下で(好ましくは塩基の存在下で)、式(I)-aの化合物を式(I)-bの化合物と反応させて前記式(I)-cの化合物を得るステップを含む、方法。 - 式(I)
(式中、
R2は、HおよびC1-6アルキルからなる群から選択され、
残りの基は、請求項1に定義される通りである。)
の化合物を調製するための方法であって、
ステップ1:触媒(例えば、金属触媒、好ましくはパラジウム触媒)の触媒作用下で(好ましくは塩基の存在下で)、式(I)-aの化合物を式(I)-bの化合物と反応させて、式(I)-cの化合物を得るステップと、
ステップ2:前記式(I)-cの化合物中のPG保護基を除去して、前記式(I)の化合物を得るステップであって、R2がC1-6アルキル基である場合、R2を含有する試薬と反応させるステップがさらに含まれる、ステップと、
を含む、方法。 - 前記パラジウム触媒が、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリフェニルホスフィンパラジウムおよび酢酸パラジウムからなる群から選択され、好ましくは[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記塩基が、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群から選択される無機塩基であり、好ましくは酢酸カリウムまたは炭酸カリウムである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記式(I)-cの化合物中の前記PG保護基が、酸の存在下で除去され、前記酸が、好ましくは塩酸である、請求項3~6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記式(I)-aの化合物が、以下の方法:
(Hal2は、ハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはIであり、好ましくはClであり、
残りの基は、請求項1に定義される通りである。)
に従って調製され、
前記方法が、
ステップA:式(I)-a-1の化合物にPG保護基を導入して、式(I)-a-2の化合物を得るステップと、
ステップB:還元条件下で前記式(I)-a-2の化合物を反応させて、式(I)-a-3の化合物を得るステップであって、RがHでない場合、Rを含有する試薬との反応をさらに含む、ステップと、
ステップC:前記式(I)-a-3の化合物を式(I)-a-4の化合物と反応させて、前記式(I)-aの化合物を得るステップと、
を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。 - 前記式(I)-bの化合物が、以下の方法:
(Hal3は、ハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはIであり、好ましくはClであり、
LGは、-OHなどの脱離基、またはF、Cl、BrおよびIから選択されるハロゲンであり、
残りの基は、請求項1に定義される通りである。)
に従って調製され、
前記方法が、
ステップI:式(I)-b-1の化合物を、R1基を含有する試薬と反応させて、式(I)-b-2の化合物を得るステップと、
ステップII:R10がHである場合、ステップIIが必要ではないという条件で、前記式(I)-b-2の化合物を、R10基を含有する試薬と反応させて、式(I)-b-3の化合物を得るステップと、
ステップIII:触媒(例えば、金属触媒、好ましくはパラジウム触媒)の触媒作用下で(好ましくは塩基の存在下で)、前記式(I)-b-3の化合物をホウ酸またはホウ酸エステルと反応させて、前記式(I)-bの化合物を得るステップと、
を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
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