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JP2023125683A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

熱処理装置および熱処理方法 Download PDF

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JP2023125683A
JP2023125683A JP2022029926A JP2022029926A JP2023125683A JP 2023125683 A JP2023125683 A JP 2023125683A JP 2022029926 A JP2022029926 A JP 2022029926A JP 2022029926 A JP2022029926 A JP 2022029926A JP 2023125683 A JP2023125683 A JP 2023125683A
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curtain
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浩志 三宅
Hiroshi Miyake
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Abstract

Figure 2023125683000001
【課題】酸素ガスを含む雰囲気の流入を確実に防止することができる熱処理装置および熱処理方法を提供する。
【解決手段】搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301とはゲートバルブ302を介して連結されている。ゲートバルブ302は、搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301とを連通する開口部350を開閉する。開口部350の長手方向の一端部近傍にはガス供給ポート501が設けられるとともに、他端部近傍には排気ポート502が設けられる。ゲートバルブ302が開口部350を開放したときには、ガス供給ポート501から噴出された窒素ガスを排気ポート502が吸引することによって、開口部350を覆う窒素ガスのカーテンが形成される。窒素ガスのカーテンの流れは開口部350を搬送される半導体ウェハーWと平行である。
【選択図】図9

Description

本発明は、基板に対してフラッシュランプアニール等の加熱処理を行う熱処理装置および熱処理方法に関する。処理対象となる基板には、例えば、半導体ウェハー、液晶表示装置用基板、flat panel display(FPD)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、または、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するフラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。
このようなフラッシュランプアニールは、極短時間の加熱が必要とされる処理、例えば典型的には半導体ウェハーに注入された不純物の活性化に利用される。イオン注入法によって不純物が注入された半導体ウェハーの表面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射すれば、当該半導体ウェハーの表面を極短時間だけ活性化温度にまで昇温することができ、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
一般に、フラッシュランプアニールのような熱処理を行う処理チャンバーでは低酸素濃度の雰囲気が要求される。また、加熱処理直後の高温の半導体ウェハーを取り扱う搬送チャンバーにも低酸素濃度の雰囲気が求められる。このため、処理チャンバーおよび搬送チャンバー内を低酸素濃度に維持するだけでなく、それらに隣接するチャンバーについても密閉構造として常時窒素ガスを供給することによって低酸素濃度雰囲気としている。
ところが、チャンバーの種類によっては、密閉構造とすることが困難であるために、一定以上の低酸素濃度とすることが困難なチャンバーも存在する。比較的酸素濃度の高い雰囲気から低酸素濃度雰囲気のチャンバーへの酸素ガスの巻き込みを防止する技術として、特許文献1にはチャンバーの開口部の前方に不活性ガスのカーテンを形成することが提案されている。
特開2002-75888号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、上下方向に向かうカーテンを形成しているため、半導体ウェハー等の被処理物によってカーテンが遮られることがある。そうすると、カーテンによる雰囲気遮断効果が得られなくなり、低酸素濃度雰囲気のチャンバーに酸素ガスが流入するのを防げなくなるという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、酸素ガスを含む雰囲気の流入を確実に防止することができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に対して加熱処理を行う熱処理装置において、基板を搬送する搬送ロボットを設けた第1チャンバーと、前記第1チャンバーに連結された第2チャンバーと、前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとの連結部分に設けられ、前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとを連通する開口部を開閉するゲートバルブと、前記開口部を覆うように不活性ガスを噴出するガス供給部と、前記ガス供給部から噴出された不活性ガスを吸引して排気する排気部と、を備え、前記ガス供給部から噴出された不活性ガスを前記排気部が吸引することによって、前記開口部を覆う不活性ガスのカーテンが形成され、前記ガス供給部から前記排気部へと向かう前記カーテンの流れは、前記搬送ロボットによって前記開口部を経由して前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとの間で搬送される基板と平行であり、前記ガス供給部は、前記ゲートバルブが前記開口部を開放したときのみ不活性ガスを噴出することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記ガス供給部は、前記第1チャンバーに設けられた第1ガス供給ポート、および、前記第2チャンバーに設けられた第2ガス供給ポートを含み、前記排気部は、前記第1チャンバーに設けられた第1排気ポート、および、前記第2チャンバーに設けられた第2排気ポートを含み、前記第1ガス供給ポートから噴出された不活性ガスを前記第1排気ポートが吸引することによって、前記第1チャンバー側に不活性ガスの第1のカーテンが形成され、前記第2ガス供給ポートから噴出された不活性ガスを前記第2排気ポートが吸引することによって、前記第2チャンバー側に不活性ガスの第2のカーテンが形成されることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記第1のカーテンの流れの向きと前記第2のカーテンの流れの向きとは逆向きであることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記カーテンの流れと平行な前記開口部の長さは、前記カーテンの流れと垂直な前記開口部の幅よりも長いことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記第2チャンバーは、基板に成膜された薄膜の膜厚を計測する膜厚計測ユニット、または、基板の裏面の傷を検査する裏面検査ユニットを有することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記第1チャンバーには、基板に光を照射して当該基板の加熱処理を行う処理チャンバーがさらに連結されることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記カーテンは水平方向に沿って流れることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記ガス供給部が噴出する不活性ガスは窒素ガスであることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、基板に対して加熱処理を行う熱処理方法において、基板を搬送する搬送ロボットを設けた第1チャンバーと、前記第1チャンバーに連結された第2チャンバーとの連結部分に設けられたゲートバルブが前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとを連通する開口部を開放する開放工程と、前記ゲートバルブが前記開口部を開放したときのみ、前記開口部を覆う不活性ガスのカーテンを形成するカーテン形成工程と、を備え、前記カーテン形成工程にて形成される前記カーテンの流れは、前記搬送ロボットによって前記開口部を経由して前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとの間で搬送される基板と平行であることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項9の発明に係る熱処理方法において、前記カーテン形成工程では、前記第1チャンバー側に不活性ガスの第1のカーテンを形成するとともに、前記第2チャンバー側に不活性ガスの第2のカーテンを形成することを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項10の発明に係る熱処理方法において、前記第1のカーテンの流れの向きと前記第2のカーテンの流れの向きとは逆向きであることを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項9から請求項11のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記カーテンの流れと平行な前記開口部の長さは、前記カーテンの流れと垂直な前記開口部の幅よりも長いことを特徴とする。
また、請求項13の発明は、請求項9から請求項12のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記第2チャンバーでは、基板に成膜された薄膜の膜厚計測または基板の裏面の傷の検査が行われることを特徴とする。
また、請求項14の発明は、請求項9から請求項13のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記第1チャンバーには、基板に光を照射して当該基板の加熱処理を行う処理チャンバーがさらに連結されることを特徴とする。
また、請求項15の発明は、請求項9から請求項14のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記カーテンは水平方向に沿って流れることを特徴とする。
また、請求項16の発明は、請求項9から請求項15のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記カーテンを形成する不活性ガスは窒素ガスであることを特徴とする。
請求項1から請求項8の発明によれば、第1チャンバーと第2チャンバーとを連通する開口部を覆う不活性ガスのカーテンが形成され、カーテンの流れは搬送される基板と平行であるため、基板によってカーテンの流れが遮られることはなく、酸素ガスを含む雰囲気の流入を確実に防止することができる。
特に、請求項2の発明によれば、第1チャンバー側に不活性ガスの第1のカーテンが形成され、第2チャンバー側に不活性ガスの第2のカーテンが形成されるため、酸素ガスを含む雰囲気の流入をより確実に防止することができる。
特に、請求項3の発明によれば、第1のカーテンの流れの向きと第2のカーテンの流れの向きとは逆向きであるため、第1のカーテンと第2のカーテンとが相互に雰囲気遮断効果を補い合うこととなり、酸素ガスを含む雰囲気の流入をより確実に防止することができる。
請求項9から請求項16の発明によれば、第1チャンバーと第2チャンバーとを連通する開口部を覆う不活性ガスのカーテンが形成され、カーテンの流れは搬送される基板と平行であるため、基板によってカーテンの流れが遮られることはなく、酸素ガスを含む雰囲気の流入を確実に防止することができる。
特に、請求項10の発明によれば、第1チャンバー側に不活性ガスの第1のカーテンが形成され、第2チャンバー側に不活性ガスの第2のカーテンが形成されるため、酸素ガスを含む雰囲気の流入をより確実に防止することができる。
特に、請求項11の発明によれば、第1のカーテンの流れの向きと第2のカーテンの流れの向きとは逆向きであるため、第1のカーテンと第2のカーテンとが相互に雰囲気遮断効果を補い合うこととなり、酸素ガスを含む雰囲気の流入をより確実に防止することができる。
本発明に係る熱処理装置を示す平面図である。 熱処理部の構成を示す縦断面図である。 保持部の全体外観を示す斜視図である。 サセプタの平面図である。 サセプタの断面図である。 移載機構の平面図である。 移載機構の側面図である。 複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。 膜厚測定チャンバーおよび搬送チャンバーに不活性ガスを供給する機構を示す図である。 開口部を搬送チャンバーの側から見た図である。 第2実施形態におけるカーテン形成機構を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下において、相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば、「一方向に」、「一方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」、「同軸」、など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。また、等しい状態であることを示す表現(例えば、「同一」、「等しい」、「均質」、など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。また、形状を示す表現(例えば、「円形状」、「四角形状」、「円筒形状」、など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲の形状を表すものとし、例えば凹凸または面取りなどを有していてもよい。また、構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、「有する」、といった各表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。また、「A、BおよびCのうちの少なくとも一つ」という表現には、「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」、「A、BおよびCのうち任意の2つ」、「A、BおよびCの全て」が含まれる。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る熱処理装置100を示す平面図である。熱処理装置100は基板として円板形状の半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射してその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。また、図1および図2には、それらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
熱処理装置100は、未処理の半導体ウェハーWを外部から装置内に搬入するとともに処理済みの半導体ウェハーWを装置外に搬出するためのインデクサ部110、未処理の半導体ウェハーWの位置決めを行うアライメント部230、半導体ウェハーWの反りを計測する反り計測部290、加熱処理後の半導体ウェハーWの冷却処理を行う2つの冷却部130,140、半導体ウェハーWに形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定部300、半導体ウェハーWの裏面の検査を行う検査部400、および、半導体ウェハーWにフラッシュ加熱処理を施す熱処理部160を備える。また、熱処理装置100は、冷却部130,140、膜厚測定部300、検査部400および熱処理部160に対して半導体ウェハーWの受け渡しを行う搬送ロボット150を備える。さらに、熱処理装置100は、上記の各処理部に設けられた動作機構および搬送ロボット150を制御して半導体ウェハーWのフラッシュ加熱処理を進行させる制御部3を備える。
インデクサ部110は、熱処理装置100の端部に配置される。インデクサ部110は、3つロードポート111および受渡ロボット120を備える。3つのロードポート111は、熱処理装置100の端部にてY軸方向に沿って並んで配置される。各ロードポート111には1個のキャリアCが載置可能である。よって、インデクサ部110には最大3つのキャリアCが載置される。未処理の半導体ウェハーWを収容したキャリアCは無人搬送車(AGV、OHT)等によって搬送されてロードポート111に載置される。また、処理済みの半導体ウェハーWを収容したキャリアCも無人搬送車によってロードポート111から持ち去られる。なお、3つのロードポート111のうちの1つにはダミーウェハーを収容したダミーキャリアが載置されても良い。
また、ロードポート111においては、受渡ロボット120がキャリアCに対して任意の半導体ウェハーWの出し入れを行うことができるように、キャリアCが昇降移動可能に構成されている。なお、キャリアCの形態としては、半導体ウェハーWを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納した半導体ウェハーWを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
受渡ロボット120は、Y軸方向に沿ったスライド移動、Z軸周りでの旋回動作、およびZ軸方向に沿った昇降動作が可能に構成されている。また、受渡ロボット120は、ハンド121を前後に進退移動させる。これにより、受渡ロボット120は、任意のロードポート111に載置されたキャリアCに対して半導体ウェハーWの出し入れを行うとともに、アライメント部230および反り計測部290に対して半導体ウェハーWの受け渡しを行う。受渡ロボット120によるキャリアCに対する半導体ウェハーWの出し入れは、ハンド121のスライド移動、および、キャリアCの昇降移動により行われる。また、受渡ロボット120とアライメント部230または反り計測部290との半導体ウェハーWの受け渡しは、ハンド121のスライド移動、および、受渡ロボット120の昇降動作によって行われる。
アライメント部230および反り計測部290は、インデクサ部110と搬送チャンバー170との間に挟み込まれて双方を接続するように設置されている。アライメント部230は、半導体ウェハーWを水平面内で回転させてフラッシュ加熱に適切な向きに向ける処理部である。アライメント部230は、アルミニウム合金製の筐体であるアライメントチャンバー231の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に支持して回転させる機構、および、半導体ウェハーWの周縁部に形成されたノッチやオリフラ等を光学的に検出する機構などを設けて構成される。
アライメントチャンバー231とインデクサ部110との連結部分にはゲートバルブ232が設けられる。アライメントチャンバー231とインデクサ部110とを連通する開口部はゲートバルブ232によって開閉可能とされている。一方、アライメントチャンバー231と搬送チャンバー170との連結部分にはゲートバルブ233が設けられる。アライメントチャンバー231と搬送チャンバー170とを連通する開口部はゲートバルブ233によって開閉可能とされている。すなわち、アライメントチャンバー231とインデクサ部110とはゲートバルブ232を介して接続され、アライメントチャンバー231と搬送チャンバー170とはゲートバルブ233を介して接続されている。
インデクサ部110とアライメントチャンバー231との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う際には、ゲートバルブ232が開放される。また、アライメントチャンバー231と搬送チャンバー170との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う際には、ゲートバルブ233が開放される。ゲートバルブ232およびゲートバルブ233が閉鎖されているときには、アライメントチャンバー231の内部が密閉空間となる。
アライメント部230では、インデクサ部110の受渡ロボット120から受け取った半導体ウェハーWの中心部を回転中心として鉛直方向軸まわりで半導体ウェハーWを回転させ、ノッチ等を光学的に検出することによって半導体ウェハーWの向きを調整する。向き調整の終了した半導体ウェハーWは搬送ロボット150によってアライメント部230から取り出される。
反り計測部290は、加熱処理後の半導体ウェハーWの反りを計測する処理部である。反り計測部290は、アルミニウム合金製の筐体である反り計測チャンバー291の内部に、半導体ウェハーWを保持する機構、および、半導体ウェハーWの反りを光学的に検出する機構などを設けて構成される。
反り計測チャンバー291とインデクサ部110との連結部分にはゲートバルブ292が設けられる。反り計測チャンバー291とインデクサ部110とを連通する開口部はゲートバルブ292によって開閉可能とされている。一方、反り計測チャンバー291と搬送チャンバー170との連結部分にはゲートバルブ293が設けられる。反り計測チャンバー291と搬送チャンバー170とを連通する開口部はゲートバルブ293によって開閉可能とされている。すなわち、反り計測チャンバー291とインデクサ部110とはゲートバルブ292を介して接続され、反り計測チャンバー291と搬送チャンバー170とはゲートバルブ293を介して接続されている。
インデクサ部110と反り計測チャンバー291との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う際には、ゲートバルブ292が開放される。また、反り計測チャンバー291と搬送チャンバー170との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う際には、ゲートバルブ293が開放される。ゲートバルブ292およびゲートバルブ293が閉鎖されているときには、反り計測チャンバー291の内部が密閉空間となる。
反り計測部290は、搬送ロボット150から受け取った加熱処理後の半導体ウェハーWに生じているウェハー反りを光学的に計測する。反りの計測が終了した半導体ウェハーWは、インデクサ部110の受渡ロボット120によって反り計測部290から取り出される。
搬送ロボット150は搬送チャンバー170内に収容されている。搬送チャンバー170の周囲には、アライメントチャンバー231、反り計測チャンバー291、冷却部130のクールチャンバー131、冷却部140のクールチャンバー141、膜厚測定部300の膜厚測定チャンバー301、検査部400の検査チャンバー401、および、熱処理部160の処理チャンバー6が連結されている。
搬送チャンバー170に設けられた搬送ロボット150は、鉛直方向に沿った軸(Z軸)を中心に矢印150Rにて示すように旋回可能とされる。搬送ロボット150は、複数のアームセグメントからなる2つのリンク機構を有し、それら2つのリンク機構の先端にはそれぞれ半導体ウェハーWを保持する搬送ハンド151a,151bが設けられている。これらの搬送ハンド151a,151bは上下に所定のピッチだけ隔てて配置され、リンク機構によりそれぞれ独立して同一水平方向に直線的にスライド移動可能とされている。また、搬送ロボット150は、2つのリンク機構が設けられるベースを昇降移動することにより、所定のピッチだけ離れた状態のまま2つの搬送ハンド151a,151bを昇降移動させる。
搬送ロボット150がアライメントチャンバー231、反り計測チャンバー291、クールチャンバー131,141、膜厚測定チャンバー301、検査チャンバー401または熱処理部160の処理チャンバー6を受け渡し相手として半導体ウェハーWの受け渡し(出し入れ)を行う際には、まず、両搬送ハンド151a,151bが受け渡し相手と対向するように旋回する。その後(または旋回している間に)、搬送ロボット150が搬送ハンド151a,151bを昇降移動させていずれかの搬送ハンドを受け渡し相手の開口と同じ高さに位置させる。そして、搬送ロボット150が搬送ハンド151a(151b)を水平方向に直線的にスライド移動させて受け渡し相手と半導体ウェハーWの受け渡しを行う。
熱処理装置100の主要部である熱処理部160は、予備加熱を行った半導体ウェハーWにキセノンフラッシュランプFLから閃光(フラッシュ光)を照射してフラッシュ加熱処理を行う基板処理部である。搬送チャンバー170と熱処理部160の処理チャンバー6との間にはゲートバルブ185が設けられている。熱処理部160の処理チャンバー6と搬送チャンバー170との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う際にはゲートバルブ185が開放される。熱処理部160の詳細な構成についてはさらに後述する。
2つの冷却部130,140は、概ね同様の構成を備える。冷却部130,140はそれぞれ、アルミニウム合金製の筐体であるクールチャンバー131,141の内部に、金属製の冷却プレートと、その上面に載置された石英板とを備える(いずれも図示省略)。当該冷却プレートは、ペルチェ素子または恒温水循環によって常温(約23℃)に温調されている。熱処理部160にてフラッシュ加熱処理が施された半導体ウェハーWは、クールチャンバー131またはクールチャンバー141に搬入されて当該石英板に載置されて冷却される。
クールチャンバー131およびクールチャンバー141のそれぞれと搬送チャンバー170との連結部分にはゲートバルブ132,142が設けられる。クールチャンバー131と搬送チャンバー170とを連通する開口部はゲートバルブ132によって開閉可能とされている。一方、クールチャンバー141と搬送チャンバー170とを連通する開口部はゲートバルブ142によって開閉可能とされている。すなわち、クールチャンバー131と搬送チャンバー170とはゲートバルブ132を介して接続され、クールチャンバー141と搬送チャンバー170とはゲートバルブ142を介して接続されている。
冷却部130のクールチャンバー131と搬送チャンバー170との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う際には、ゲートバルブ132が開放される。また、冷却部140のクールチャンバー141と搬送チャンバー170との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う際には、ゲートバルブ142が開放される。ゲートバルブ132,142が閉鎖されると、クールチャンバー131,141の内部が密閉空間となる。
膜厚測定部300は、例えば分光エリプソメトリーの分析手法を用いて半導体ウェハーWに形成された薄膜の膜厚を測定する。膜厚測定部300は、アルミニウム合金製の筐体である膜厚測定チャンバー301の内部に、半導体ウェハーWを支持する載置台および光学ユニットなどを備えて構成される。分光エリプソメーターの光学ユニットは、載置台に支持された半導体ウェハーWの表面に光を入射するとともに、当該表面で反射された反射光を受光する。光学ユニットは、その反射光の偏光の変化量を波長毎に測定し、得られた測定データに基づいて半導体ウェハーWの表面に形成されている薄膜の膜厚を求める。なお、膜厚測定部300は、上記の分光エリプソメーターに限定されるものではなく、光干渉型の膜厚測定器であっても良い。
膜厚測定チャンバー301と搬送チャンバー170との連結部分にはゲートバルブ302が設けられる。膜厚測定チャンバー301と搬送チャンバー170とを連通する開口部(図9の開口部350)はゲートバルブ302によって開閉可能とされている。すなわち、膜厚測定チャンバー301と搬送チャンバー170とはゲートバルブ302を介して接続されている。膜厚測定部300の膜厚測定チャンバー301と搬送チャンバー170との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う際にはゲートバルブ302が開放される。
検査部400は、半導体ウェハーWの裏面の傷を検査する。検査部400は、アルミニウム合金製の筐体である検査チャンバー401の内部に所定の検査ユニットを備える。当該検査ユニットは、例えば撮像カメラを備えており、その撮像カメラによって半導体ウェハーWを裏面を撮像して得られた画像データに所定の画像解析処理を施して半導体ウェハーWの裏面の傷を検査する。
検査部400の検査チャンバー401と搬送チャンバー170との連結部分にはゲートバルブ402が設けられる。検査チャンバー401と搬送チャンバー170とを連通する開口部はゲートバルブ402によって開閉可能とされている。すなわち、検査チャンバー401と搬送チャンバー170とはゲートバルブ402を介して接続されている。検査部400の検査チャンバー401と搬送チャンバー170との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う際にはゲートバルブ402が開放される。
熱処理装置100は、搬送チャンバー170の周囲に複数のチャンバーを配置したいわゆるクラスターツール構造を有する。搬送ロボット150および受渡ロボット120によって半導体ウェハーWをキャリアCから熱処理部160等の各処理部にまで搬送する搬送機構が構成される。搬送ロボット150は、冷却部130,140、膜厚測定部300、検査部400および熱処理部160の中心に位置してそれら各処理部に半導体ウェハーWを搬送するセンターロボットでもある。搬送ロボット150と受渡ロボット120との半導体ウェハーWの受け渡しはアライメント部230および反り計測部290を介して行われる。具体的には、受渡ロボット120がアライメントチャンバー231に渡した未処理の半導体ウェハーWを搬送ロボット150が受け取るとともに、搬送ロボット150が反り計測チャンバー291に渡した処理後の半導体ウェハーWを受渡ロボット120が受け取る。すなわち、アライメントチャンバー231は半導体ウェハーWの往路でのパスとして機能し、反り計測チャンバー291は半導体ウェハーWの復路でのパスとして機能する。
次に、熱処理部160の構成について説明する。図2は、熱処理部160の構成を示す縦断面図である。熱処理部160は、半導体ウェハーWを収容して加熱処理を行う処理チャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュランプハウス5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲンランプハウス4と、を備える。処理チャンバー6の上側にフラッシュランプハウス5が設けられるとともに、下側にハロゲンランプハウス4が設けられている。また、熱処理部160は、処理チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と搬送ロボット150との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。
処理チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。処理チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を処理チャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、処理チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲンランプHLからの光を処理チャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。処理チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、処理チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、処理チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。
また、チャンバー側部61には、処理チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖すると処理チャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
さらに、チャンバー側部61には、貫通孔61aおよび貫通孔61bが穿設されている。貫通孔61aは、後述するサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの上面から放射された赤外光を上部放射温度計25の赤外線センサー29に導くための円筒状の孔である。一方、貫通孔61bは、半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を下部放射温度計20の赤外線センサー24に導くための円筒状の孔である。貫通孔61aおよび貫通孔61bは、それらの貫通方向の軸がサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの主面と交わるように、水平方向に対して傾斜して設けられている。貫通孔61aの熱処理空間65に臨む側の端部には、上部放射温度計25が測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化カルシウム材料からなる透明窓26が装着されている。また、貫通孔61bの熱処理空間65に臨む側の端部には、下部放射温度計20が測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化バリウム材料からなる透明窓21が装着されている。
また、処理チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81は処理チャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。処理ガスとしては、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)等の不活性ガス、または、水素(H)、アンモニア(NH)、酸素(O)、オゾン(O)、一酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)等の反応性ガスを用いることができる(本実施形態では、窒素)。
一方、処理チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86は処理チャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気機構190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、処理チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、処理ガス供給源85および排気機構190は、熱処理装置100に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置100が設置される工場のユーティリティであっても良い。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気機構190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介して処理チャンバー6内の気体が排気される。
図3は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、処理チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図2参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。
サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図4は、サセプタ74の平面図である。また、図5は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の基板支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形の平板状部材である。保持プレート75の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。
保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。
保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の基板支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の基板支持ピン77が立設されている。12個の基板支持ピン77を配置した円の径(対向する基板支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ270mm~φ280mm(本実施形態ではφ270mm)である。それぞれの基板支持ピン77は石英にて形成されている。複数の基板支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。
図3に戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71が処理チャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7が処理チャンバー6に装着される。保持部7が処理チャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。
処理チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、処理チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の基板支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。12個の基板支持ピン77の高さ(基板支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の基板支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。
また、半導体ウェハーWは複数の基板支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。基板支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。
また、図3および図4に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、下部放射温度計20が半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、下部放射温度計20が開口部78およびチャンバー側部61の貫通孔61bに装着された透明窓21を介して半導体ウェハーWの下面から放射された光を受光して当該半導体ウェハーWの温度を測定する。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図6は、移載機構10の平面図である。また、図7は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図6の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図6の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。移載動作位置はサセプタ74の下方であり、退避位置はサセプタ74よりも外方である。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図3,4参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気が処理チャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図2に示すように、処理チャンバー6には、上部放射温度計25および下部放射温度計20の2つの放射温度計(本実施形態ではパイロメーター)が設けられている。上部放射温度計25は、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの斜め上方に設置され、その半導体ウェハーWの上面から放射された赤外光を受光して上面の温度を測定する。上部放射温度計25の赤外線センサー29は、フラッシュ光が照射された瞬間の半導体ウェハーWの上面の急激な温度変化に対応できるように、InSb(インジウムアンチモン)の光学素子を備えている。一方、下部放射温度計20は、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの斜め下方に設けられ、その半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を受光して下面の温度を測定する。
処理チャンバー6の上方に設けられたフラッシュランプハウス5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュランプハウス5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュランプハウス5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュランプハウス5が処理チャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLは処理チャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
処理チャンバー6の下方に設けられたハロゲンランプハウス4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。複数のハロゲンランプHLは処理チャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行う。
図8は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。本実施形態では、上下2段に各20本ずつのハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図8に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲンランプHLからの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段の各ハロゲンランプHLの長手方向と下段の各ハロゲンランプHLの長手方向とが直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
また、ハロゲンランプハウス4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図2)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。
制御部3は、熱処理装置100に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置100における処理が進行する。なお、図1においては、インデクサ部110内に制御部3を示しているが、これに限定されるものではなく、制御部3は熱処理装置100内の任意の位置に配置することができる。
上記の構成以外にも熱処理部160は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲンランプハウス4、フラッシュランプハウス5および処理チャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、処理チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲンランプハウス4およびフラッシュランプハウス5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュランプハウス5および上側チャンバー窓63を冷却する。
半導体ウェハーWの加熱処理を行う処理チャンバー6内では低酸素濃度の雰囲気が要求される。このため、ガス供給孔81から処理チャンバー6内に高純度の窒素ガスを供給するとともに、ガス排気孔86から排気を行って処理チャンバー6内を低酸素濃度雰囲気に維持している。
また、搬送ロボット150は加熱処理後の比較的高温の半導体ウェハーWを処理チャンバー6から受け取って搬送するため、搬送チャンバー170内にも低酸素濃度の雰囲気が要求される。従って、ゲートバルブ132,142,302,402が開放されたときにそれぞれ搬送チャンバー170と雰囲気が連通状態となるクールチャンバー131,141、膜厚測定チャンバー301、検査チャンバー401についても低酸素濃度雰囲気が求められる。
これらのうちクールチャンバー131,141については、密閉チャンバーであるため、チャンバー内に高純度の清浄な窒素ガスを供給するとともに、チャンバー内を排気することによって、チャンバー内を低酸素濃度雰囲気に維持することができる。一方、膜厚測定チャンバー301および検査チャンバー401については、光学ユニットや撮像カメラ等が設けられているため、密閉チャンバーとすることが困難である。このため、単に膜厚測定チャンバー301および検査チャンバー401に高純度の窒素ガスを供給しただけでは、チャンバー内を低酸素濃度雰囲気に維持することは困難である。その結果、ゲートバルブ302またはゲートバルブ402が開放されたときに、膜厚測定チャンバー301または検査チャンバー401から酸素ガスを含む雰囲気が搬送チャンバー170に流れ込み、搬送チャンバー170内の酸素濃度が上昇することが想定される。そうすると、加熱処理後の比較的高温の半導体ウェハーWに意図しない酸化が生じるおそれがある。このため、本実施形態においては、膜厚測定チャンバー301および検査チャンバー401と搬送チャンバー170とを連通する開口部を不活性ガスのカーテンで覆うようにしている。
図9は、膜厚測定チャンバー301および搬送チャンバー170に不活性ガスを供給する機構を示す図である。搬送チャンバー(第1チャンバー)170と膜厚測定チャンバー(第2チャンバー)301とはゲートバルブ302を介して連結されている。すなわち、搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301との連結部分にゲートバルブ302が設けられている。搬送チャンバー170に形設された開口175(膜厚測定チャンバー301に臨む開口)および膜厚測定チャンバー301に形設された開口305によって、搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301とを連通する開口部350が構成される。ゲートバルブ302は開口部350を開閉する。
図10は、開口部350を搬送チャンバー170の側から見た図である。図10に示すように、開口部350を正面から見た形状は、水平方向の長さが鉛直方向の幅よりも長い横長の矩形形状である。開口部350の長手方向の一端部近傍にはガス供給ポート501が設けられるとともに、他端部近傍には排気ポート502が設けられている。第1実施形態においては、ガス供給ポート501および排気ポート502は搬送チャンバー170に設けられる。すなわち、ガス供給ポート501および排気ポート502は、開口部350を挟む両側方のうち搬送チャンバー170の側に設けられている。
図9に戻り、配管610の先端は膜厚測定チャンバー301に接続され、基端は不活性ガス供給源601に接続されている。配管610の経路途中には、マスフローコントローラ611および給気バルブ612が設けられる。給気バルブ612が開放されると、不活性ガス供給源601から膜厚測定チャンバー301に不活性ガスとしての窒素ガス(N)が供給される。供給される窒素ガスの流量はマスフローコントローラ611によって調整される。
また、排気ライン690と膜厚測定チャンバー301とが配管618によって接続されている。膜厚測定チャンバー301から配管618に排出された気体は排気ライン690を経て排気設備に排気される。
配管620の先端は搬送チャンバー170に接続され、基端は不活性ガス供給源601に接続されている。配管620の経路途中には、マスフローコントローラ621および給気バルブ622が設けられる。給気バルブ622が開放されると、不活性ガス供給源601から搬送チャンバー170に窒素ガスが供給される。供給される窒素ガスの流量はマスフローコントローラ621によって調整される。
また、排気ライン690と搬送チャンバー170とが配管628によって接続されている。搬送チャンバー170から配管628に排出された気体は排気ライン690を経て排気設備に排気される。
さらに、配管630の先端はガス供給ポート501に接続され、基端は不活性ガス供給源601に接続されている。配管630の経路途中には、マスフローコントローラ631および給気バルブ632が設けられる。給気バルブ632が開放されると、不活性ガス供給源601からガス供給ポート501に窒素ガスが供給される。供給される窒素ガスの流量はマスフローコントローラ631によって調整される。
一方、排気ポート502は排気ライン690と配管638によって接続されている。配管638の経路途中には排気バルブ639が設けられる。排気バルブ639が開放されると、排気ポート502から配管638を経て排気ライン690に気体が排気される。
給気バルブ632および排気バルブ639の双方が開放されると、ガス供給ポート501から水平方向に向けて開口部350を覆うように窒素ガスが噴出されるとともに、ガス供給ポート501から噴出された窒素ガスが排気ポート502によって吸引される。ガス供給ポート501から噴出された窒素ガスを排気ポート502が吸引することによって、開口部350を覆う窒素ガスのカーテンが形成される。この窒素ガスのカーテンは水平方向に沿って流れる。よって、窒素ガスのカーテンの流れと平行な開口部350の長さは、カーテンの流れと垂直な開口部350の幅よりも長くなる。
開口部350を覆うように窒素ガスのカーテンを形成することにより、膜厚測定チャンバー301内の雰囲気と搬送チャンバー170内の雰囲気とが遮断される。これにより、膜厚測定チャンバー301内から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのを防止することができ、搬送チャンバー170内の酸素濃度の上昇を抑制することができる。なお、上述の説明は、膜厚測定チャンバー301と搬送チャンバー170との雰囲気遮断についてであったが、検査チャンバー401と搬送チャンバー170とについても同様の構成によって雰囲気遮断がなされている。
次に、本発明に係る熱処理装置100の処理動作について説明する。以下に説明する半導体ウェハーWの処理手順は、制御部3が熱処理装置100の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、シリコンの未処理の半導体ウェハーWがキャリアCに複数枚収容された状態でインデクサ部110の3つのロードポート111のいずれかに載置される。そして、受渡ロボット120が当該キャリアCから未処理の半導体ウェハーWを取り出す。受渡ロボット120は、キャリアCから取り出した半導体ウェハーWをアライメント部230のアライメントチャンバー231に搬入する。このときには、ゲートバルブ232が開放されることによって、インデクサ部110からアライメントチャンバー231内に雰囲気が流れ込み、アライメントチャンバー231内の酸素濃度が一時的に急上昇する。半導体ウェハーWがアライメントチャンバー231に搬入された後、ゲートバルブ232が閉じてアライメントチャンバー231内に窒素を供給するとともに内部雰囲気を排気することにより、アライメントチャンバー231内が窒素雰囲気となって酸素濃度が低下する。なお、ゲートバルブ233は閉じたままである。
アライメント部230は、アライメントチャンバー231に搬入された半導体ウェハーWをその中心部を回転中心として水平面内にて鉛直方向軸まわりで回転させ、ノッチ等を光学的に検出することによって半導体ウェハーWの向きを調整する。
次に、ゲートバルブ233が開いて搬送ロボット150がアライメントチャンバー231から搬送チャンバー170に半導体ウェハーWを搬出する。そして、ゲートバルブ302が開口部350を開放し、搬送ロボット150が半導体ウェハーWを膜厚測定チャンバー301に搬入する。
ゲートバルブ302が開口部350を閉じているときには、給気バルブ632および排気バルブ639が閉止されているため、ガス供給ポート501から窒素ガスは噴出されず、窒素ガスのカーテンも形成されていない。そして、ゲートバルブ302が開口部350を開放したときのみ、制御部3が給気バルブ632および排気バルブ639を開いてガス供給ポート501から窒素ガスを噴出させる。ガス供給ポート501から噴出された窒素ガスは排気ポート502によって吸引される。これにより、ゲートバルブ302が開口部350を開放したときのみ、開口部350を覆う窒素ガスのカーテンが形成されることとなる。なお、ゲートバルブ302の開閉に関わらず、給気バルブ612および給気バルブ622は通常常時開放されており、膜厚測定チャンバー301内および搬送チャンバー170内は絶えず窒素パージされている。
窒素パージされていても膜厚測定チャンバー301は密閉チャンバー構造とすることができないため、膜厚測定チャンバー301内の酸素濃度は搬送チャンバー170内の酸素濃度よりも高くなる。ゲートバルブ302が開口部350を開放したときに、開口部350を覆う窒素ガスのカーテンが形成されるため、膜厚測定チャンバー301内から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのを防止することができる。これにより、搬送チャンバー170内の酸素濃度の上昇を抑制することができる。
開口部350を覆う窒素ガスのカーテンが形成されている状態で搬送ロボット150が半導体ウェハーWを搬送チャンバー170から膜厚測定チャンバー301に搬入する。搬送ロボット150は、半導体ウェハーWを水平姿勢で搬送する。窒素ガスのカーテンも水平方向に沿って流れる。このため、図10に示すように、搬送ロボット150によって開口部350を経由して搬送チャンバー170から膜厚測定チャンバー301に搬送される半導体ウェハーWと窒素ガスのカーテンの流れとは平行である。
仮に、鉛直方向(上下方向)に沿って流れるような窒素ガスのカーテンが形成されていると、半導体ウェハーWと窒素ガスのカーテンの流れとが垂直となるため、窒素ガスのカーテンが搬送される半導体ウェハーWによって遮られることとなる。そうすると、開口部350の一部は窒素ガスのカーテンで覆われなくなり、その部分から膜厚測定チャンバー301内の酸素ガスを含む雰囲気が搬送チャンバー170に流れ込むこととなる。本実施形態では、搬送チャンバー170から膜厚測定チャンバー301に搬送される半導体ウェハーWと窒素ガスのカーテンの流れとが平行であるため、窒素ガスのカーテンが搬送される半導体ウェハーWによって遮られることはない。その結果、半導体ウェハーWの搬送時にも開口部350は窒素ガスのカーテンによって確実に覆われることとなり、搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのをより確実に防止することができる。
膜厚測定部300は、膜厚測定チャンバー301に搬入された半導体ウェハーWの表面に形成されている薄膜の膜厚を測定する。このステップでは、膜厚測定部300は、熱処理部160にて熱処理が行われる前の半導体ウェハーWの膜厚測定を行うこととなる。熱処理前であってもシリコンの半導体ウェハーWの表面には自然酸化膜が形成されており、膜厚測定部300はその自然酸化膜の膜厚を測定する。なお、膜厚測定中は、ゲートバルブ302が開口部350を閉じているため、膜厚測定チャンバー301から搬送チャンバー170に雰囲気が流れ込むことはなく、ガス供給ポート501からの窒素ガス噴出は停止されている。
処理前の膜厚測定が終了した後、ゲートバルブ302が開口部350を再び開放し、搬送ロボット150が膜厚測定チャンバー301から搬送チャンバー170に半導体ウェハーWを搬出する。このときにも、開口部350を覆う窒素ガスのカーテンが形成されることとなり、膜厚測定チャンバー301内から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むことは防がれている。
次に、ゲートバルブ402が開放されて搬送ロボット150が半導体ウェハーWを搬送チャンバー170から検査チャンバー401に搬入する。このときにも、ゲートバルブ402が搬送チャンバー170と検査チャンバー401とを連通する開口部を開放しているときには、その開口部を覆う窒素ガスのカーテンが形成される。これにより、検査チャンバー401から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのを防止することができる。
検査部400は、検査チャンバー401に搬入された半導体ウェハーWの裏面の傷を検査する。裏面検査中はゲートバルブ402が閉じられている。半導体ウェハーWの裏面検査が終了した後、ゲートバルブ402が再び開いて搬送ロボット150が検査チャンバー401から搬送チャンバー170に半導体ウェハーWを搬出する。このときにも、窒素ガスのカーテンが形成されており、検査チャンバー401内から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むことは防止される。そして、ゲートバルブ185が開放されて搬送ロボット150が半導体ウェハーWを熱処理部160の処理チャンバー6に搬入する。
処理チャンバー6への半導体ウェハーWの搬入に先立って、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されて処理チャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86から処理チャンバー6内の気体が排気される。これにより、処理チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からも処理チャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、搬送ロボット150により搬送開口部66を介して処理対象となる半導体ウェハーWが処理チャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。搬送ロボット150は、未処理の半導体ウェハーWを保持する搬送ハンド151a(または搬送ハンド151b)を保持部7の直上位置まで進出させて停止させる。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は基板支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。
未処理の半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボット150が搬送ハンド151aを熱処理空間65から退出させ、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、保持プレート75上に立設された複数の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。また、半導体ウェハーWは、処理対象となる表面を上面として保持部7に保持される。複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
半導体ウェハーWが処理チャンバー6に搬入されてサセプタ74に保持された後、40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの下面から照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が下部放射温度計20によって測定されている。すなわち、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から開口部78を介して放射された赤外光を下部放射温度計20が受光して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、下部放射温度計20による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、下部放射温度計20によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。
このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲンランプハウス4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時点にてフラッシュランプFLが半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接に処理チャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてから処理チャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。
フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に処理温度T2まで上昇した後、急速に下降する。
フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は下部放射温度計20によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、下部放射温度計20の測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された処理後の半導体ウェハーWが搬送ロボット150の搬送ハンド151b(または搬送ハンド151a)により搬出される。具体的には、搬送ロボット150は、搬送ハンド151bをリフトピン12によって突き上げられた半導体ウェハーWの直下位置にまで進出させて停止させる。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、フラッシュ加熱後の半導体ウェハーWが搬送ハンド151bに渡されて載置される。その後、搬送ロボット150が搬送ハンド151bを処理チャンバー6から退出させて熱処理後の半導体ウェハーWを搬送チャンバー170に搬出する。
次に、ゲートバルブ132が開いて搬送ロボット150が熱処理後の半導体ウェハーWを冷却部130のクールチャンバー131に搬入する。冷却部130は、熱処理直後の比較的高温の半導体ウェハーWを常温近傍にまで冷却する。なお、半導体ウェハーWの冷却処理は冷却部140のクールチャンバー141にて行うようにしても良い。
冷却処理が終了した後、搬送ロボット150がクールチャンバー131から搬送チャンバー170に冷却後の半導体ウェハーWを搬出する。そして、再びゲートバルブ302が開口部350を開放し、搬送ロボット150が半導体ウェハーWを膜厚測定チャンバー301に搬入する。このときにも、ゲートバルブ302が開口部350を開放しているときには、開口部350を覆う窒素ガスのカーテンが形成されるため、膜厚測定チャンバー301から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのを防止することができる。
膜厚測定部300は、膜厚測定チャンバー301に搬入された半導体ウェハーWの表面に形成されている薄膜の膜厚を測定する。このステップでは、膜厚測定部300は、熱処理部160にて熱処理が行われた後の半導体ウェハーWの膜厚測定を行うこととなる。熱処理部160にてフラッシュ加熱処理により成膜処理が行われる場合には、処理後に測定された膜厚から処理前に測定された膜厚を減ずることにより、成膜された薄膜の膜厚を算定することができる。
処理後の膜厚測定が終了した後、搬送ロボット150が膜厚測定チャンバー301から搬送チャンバー170に半導体ウェハーWを搬出する。そして、ゲートバルブ293が開放されて搬送ロボット150が半導体ウェハーWを反り計測部290の反り計測チャンバー291に搬入する。半導体ウェハーWが反り計測チャンバー291に搬入された後、ゲートバルブ293が閉じて反り計測部290が加熱処理後の半導体ウェハーWに生じている反りを計測する。
ウェハー反りの計測が終了した後、ゲートバルブ292が開放される。そして、受渡ロボット120が反り計測チャンバー291から半導体ウェハーWを取り出す。受渡ロボット120は、反り計測チャンバー291から取り出した半導体ウェハーWを元のキャリアCに格納する。以上のようにして1枚の半導体ウェハーWの熱処理が完了する。
第1実施形態においては、低酸素濃度の雰囲気が要求される搬送チャンバー170に比較的酸素濃度の高い膜厚測定チャンバー301および検査チャンバー401が連結されている。なお、搬送チャンバー170に連結されたクールチャンバー131,141の酸素濃度は搬送チャンバー170内の酸素濃度と同程度である。また、熱処理部160の処理チャンバー6内の酸素濃度は搬送チャンバー170内の酸素濃度よりも低い。
ゲートバルブ302が開口部350を開放したときには、膜厚測定チャンバー301内から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むおそれがあるため、開口部350を覆う窒素ガスのカーテンを形成している。これにより、膜厚測定チャンバー301内から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのを防止することができ、搬送チャンバー170内の酸素濃度の上昇を抑制することができる。
特に、第1実施形態においては、搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301との間で搬送される半導体ウェハーWと窒素ガスのカーテンの流れとが平行であるため、窒素ガスのカーテンが搬送される半導体ウェハーWによって遮られることはない。このため、半導体ウェハーWの搬送時にも開口部350は窒素ガスのカーテンによって確実に覆われることとなり、膜厚測定チャンバー301から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのをより確実に防止することができる。同様に、搬送チャンバー170と検査チャンバー401とを連通する開口部を覆う窒素ガスのカーテンも形成されているため、検査チャンバー401内から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのを防止することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の熱処理装置の全体構成は第1実施形態と概ね同じである(図1)。また、第2実施形態における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と同様である。第1実施形態では、搬送チャンバー170の側に窒素ガスのカーテンを形成していたのに対して、第2実施形態においては、搬送チャンバー170および膜厚測定チャンバー301の双方に窒素ガスのカーテンを形成する。
図11は、第2実施形態におけるカーテン形成機構を示す図である。図11において、第1実施形態(図9)と同一の要素については同一の符号を付している。搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301との連結部分にはゲートバルブ302が設けられている。ゲートバルブ302は、搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301とを連通する開口部350を開閉する。
第2実施形態では、開口部350を挟む両側方のうち搬送チャンバー170の側において、開口部350の長手方向の一端部近傍に第1ガス供給ポート701が設けられるとともに、他端部近傍に第1排気ポート702が設けられている。また、開口部350を挟む両側方のうち膜厚測定チャンバー301の側において、開口部350の長手方向の一端部近傍に第2排気ポート712が設けられるとともに、他端部近傍に第2ガス供給ポート711が設けられる。すなわち、搬送チャンバー170および膜厚測定チャンバー301の双方にガス供給ポートと排気ポートとが設けられているのである。
搬送チャンバー170においては、第1ガス供給ポート701から水平方向に向けて開口部350を覆うように窒素ガスが噴出されるとともに、第1ガス供給ポート701から噴出された窒素ガスが第1排気ポート702によって吸引される。第1ガス供給ポート701から噴出された窒素ガスを第1排気ポート702が吸引することによって、開口部350を覆う窒素ガスの第1のカーテンが形成される。窒素ガスの第1のカーテンは、水平方向に沿って、図11の紙面上側から下側に向けて流れる。
一方、膜厚測定チャンバー301においては、第2ガス供給ポート711から水平方向に向けて開口部350を覆うように窒素ガスが噴出されるとともに、第2ガス供給ポート711から噴出された窒素ガスが第2排気ポート712によって吸引される。第2ガス供給ポート711から噴出された窒素ガスを第2排気ポート712が吸引することによって、開口部350を覆う窒素ガスの第2のカーテンが形成される。窒素ガスの第2のカーテンは、水平方向に沿って、図11の紙面下側から上側に向けて流れる。すなわち、搬送チャンバー170に形成される第1のカーテンの流れの向きと膜厚測定チャンバー301に形成される第2のカーテンの流れの向きとは逆向きである。
第2実施形態においても、ゲートバルブ302が開口部350を開放したときのみ、第1および第2のカーテンが形成される。また、搬送ロボット150によって開口部350を経由して搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301との間で搬送される半導体ウェハーWと、窒素ガスの第1および第2のカーテンの流れとは平行である。従って、窒素ガスの第1および第2のカーテンが搬送される半導体ウェハーWによって遮られることはない。
また、第2実施形態においては、開口部350を挟む両側方に窒素ガスのカーテンを形成している。すなわち、開口部350の一方側に第1のカーテンを形成するとともに、他方側に第2のカーテンを形成している。これにより、開口部350は窒素ガスの第1および第2のカーテンによって両側から確実に覆われることとなり、膜厚測定チャンバー301から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのをより確実に防止することができる。
特に、第2実施形態においては、搬送チャンバー170に形成される第1のカーテンの流れの向きと膜厚測定チャンバー301に形成される第2のカーテンの流れの向きとが逆向きである。窒素ガスの第1のカーテンは開口部350の長手方向と平行に形成されるため、第1ガス供給ポート701の近傍に比較して第1排気ポート702の近傍での雰囲気遮断効果が弱くなる。同様に、窒素ガスの第2のカーテンも開口部350の長手方向と平行に形成されるため、第2ガス供給ポート711の近傍に比較して第2排気ポート712の近傍での雰囲気遮断効果が弱くなる。第1のカーテンの流れの向きと第2のカーテンの流れの向きとが逆向きとなるようにすれば、第1のカーテンの雰囲気遮断効果が弱くなるところでは第2のカーテンの雰囲気遮断効果が強く、逆に第2のカーテンの雰囲気遮断効果が弱くなるところでは第1のカーテンの雰囲気遮断効果が強い。すなわち、第1のカーテンと第2のカーテンとが相互に雰囲気遮断効果を補い合うこととなり、膜厚測定チャンバー301から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのをより確実に防止することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、第1実施形態においては、開口部350を挟む両側方のうち搬送チャンバー170の側に窒素ガスのカーテンを形成していたが、これに代えて、膜厚測定チャンバー301の側に窒素ガスのカーテンを形成するようにしても良い。このようにしても開口部350が窒素ガスのカーテンによって覆われ、膜厚測定チャンバー301内から搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのを防止することができる。もっとも、膜厚測定チャンバー301の側に窒素ガスのカーテンを形成した場合には、そのカーテンとゲートバルブ302との間に滞留している比較的酸素濃度の高い雰囲気(開口305に滞留する雰囲気)が搬送チャンバー170に流れ込むこととなるため、第1実施形態のように搬送チャンバー170の側に窒素ガスのカーテンを形成する方が好ましい。
また、上記実施形態においては、窒素ガスのカーテンは水平方向に沿って流れていたが、これに限定されるものではなく、搬送ロボット150によって搬送される半導体ウェハーWと平行であれば他の方向に沿ってカーテンが流れるようにしても良い。例えば、搬送ロボット150が半導体ウェハーWを起立姿勢(法線が水平方向と一致する姿勢)で搬送する場合には、窒素ガスのカーテンが鉛直方向に沿って流れるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301および検査チャンバー401との開口部を覆う窒素ガスのカーテンを形成していたが、搬送チャンバー170と他のチャンバー(クールチャンバー131,141、アライメントチャンバー231、反り計測チャンバー291)との開口部を覆う窒素ガスのカーテンを形成するようにしても良い。このようにすれば各チャンバーから搬送チャンバー170に酸素ガスを含む雰囲気が流れ込むのを防止することができる。もっとも、既述したように、膜厚測定チャンバー301および検査チャンバー401は密閉チャンバーとすることが困難であるためにチャンバー内を低酸素濃度雰囲気に維持することが難しいため、搬送チャンバー170と膜厚測定チャンバー301および検査チャンバー401との開口部を覆う窒素ガスのカーテンを形成するのが好適である。
また、上記実施形態においては、窒素ガスのカーテンを形成していたが、これに限定されるものではなく、アルゴンまたはヘリウムなどの他の不活性ガスのカーテンを形成するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、フラッシュランプハウス5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲンランプハウス4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、上記実施形態においては、1秒以上連続して発光する連続点灯ランプとしてフィラメント方式のハロゲンランプHLを用いて半導体ウェハーWの予備加熱を行っていたが、これに限定されるものではなく、ハロゲンランプHLに代えて放電型のアークランプ(例えば、キセノンアークランプ)またはLEDランプを連続点灯ランプとして用いて予備加熱を行うようにしても良い。
3 制御部
4 ハロゲンランプハウス
5 フラッシュランプハウス
6 処理チャンバー
7 保持部
10 移載機構
65 熱処理空間
74 サセプタ
100 熱処理装置
110 インデクサ部
111 ロードポート
120 受渡ロボット
131,141 クールチャンバー
150 搬送ロボット
160 熱処理部
170 搬送チャンバー
231 アライメントチャンバー
291 反り計測チャンバー
301 膜厚測定チャンバー
302,402 ゲートバルブ
350 開口部
401 検査チャンバー
501 ガス供給ポート
502 排気ポート
632 給気バルブ
639 排気バルブ
701 第1ガス供給ポート
702 第1排気ポート
711 第2ガス供給ポート
712 第2排気ポート
C キャリア
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー

Claims (16)

  1. 基板に対して加熱処理を行う熱処理装置であって、
    基板を搬送する搬送ロボットを設けた第1チャンバーと、
    前記第1チャンバーに連結された第2チャンバーと、
    前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとの連結部分に設けられ、前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとを連通する開口部を開閉するゲートバルブと、
    前記開口部を覆うように不活性ガスを噴出するガス供給部と、
    前記ガス供給部から噴出された不活性ガスを吸引して排気する排気部と、
    を備え、
    前記ガス供給部から噴出された不活性ガスを前記排気部が吸引することによって、前記開口部を覆う不活性ガスのカーテンが形成され、
    前記ガス供給部から前記排気部へと向かう前記カーテンの流れは、前記搬送ロボットによって前記開口部を経由して前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとの間で搬送される基板と平行であり、
    前記ガス供給部は、前記ゲートバルブが前記開口部を開放したときのみ不活性ガスを噴出することを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記ガス供給部は、前記第1チャンバーに設けられた第1ガス供給ポート、および、前記第2チャンバーに設けられた第2ガス供給ポートを含み、
    前記排気部は、前記第1チャンバーに設けられた第1排気ポート、および、前記第2チャンバーに設けられた第2排気ポートを含み、
    前記第1ガス供給ポートから噴出された不活性ガスを前記第1排気ポートが吸引することによって、前記第1チャンバー側に不活性ガスの第1のカーテンが形成され、
    前記第2ガス供給ポートから噴出された不活性ガスを前記第2排気ポートが吸引することによって、前記第2チャンバー側に不活性ガスの第2のカーテンが形成されることを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項2記載の熱処理装置において、
    前記第1のカーテンの流れの向きと前記第2のカーテンの流れの向きとは逆向きであることを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記カーテンの流れと平行な前記開口部の長さは、前記カーテンの流れと垂直な前記開口部の幅よりも長いことを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記第2チャンバーは、基板に成膜された薄膜の膜厚を計測する膜厚計測ユニット、または、基板の裏面の傷を検査する裏面検査ユニットを有することを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記第1チャンバーには、基板に光を照射して当該基板の加熱処理を行う処理チャンバーがさらに連結されることを特徴とする熱処理装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記カーテンは水平方向に沿って流れることを特徴とする熱処理装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記ガス供給部が噴出する不活性ガスは窒素ガスであることを特徴とする熱処理装置。
  9. 基板に対して加熱処理を行う熱処理方法であって、
    基板を搬送する搬送ロボットを設けた第1チャンバーと、前記第1チャンバーに連結された第2チャンバーとの連結部分に設けられたゲートバルブが前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとを連通する開口部を開放する開放工程と、
    前記ゲートバルブが前記開口部を開放したときのみ、前記開口部を覆う不活性ガスのカーテンを形成するカーテン形成工程と、
    を備え、
    前記カーテン形成工程にて形成される前記カーテンの流れは、前記搬送ロボットによって前記開口部を経由して前記第1チャンバーと前記第2チャンバーとの間で搬送される基板と平行であることを特徴とする熱処理方法。
  10. 請求項9記載の熱処理方法において、
    前記カーテン形成工程では、前記第1チャンバー側に不活性ガスの第1のカーテンを形成するとともに、前記第2チャンバー側に不活性ガスの第2のカーテンを形成することを特徴とする熱処理方法。
  11. 請求項10記載の熱処理方法において、
    前記第1のカーテンの流れの向きと前記第2のカーテンの流れの向きとは逆向きであることを特徴とする熱処理方法。
  12. 請求項9から請求項11のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記カーテンの流れと平行な前記開口部の長さは、前記カーテンの流れと垂直な前記開口部の幅よりも長いことを特徴とする熱処理方法。
  13. 請求項9から請求項12のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記第2チャンバーでは、基板に成膜された薄膜の膜厚計測または基板の裏面の傷の検査が行われることを特徴とする熱処理方法。
  14. 請求項9から請求項13のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記第1チャンバーには、基板に光を照射して当該基板の加熱処理を行う処理チャンバーがさらに連結されることを特徴とする熱処理方法。
  15. 請求項9から請求項14のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記カーテンは水平方向に沿って流れることを特徴とする熱処理方法。
  16. 請求項9から請求項15のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記カーテンを形成する不活性ガスは窒素ガスであることを特徴とする熱処理方法。
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